鉄格子
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- 1 : 2016/12/05(月) 22:00:01 :
- ゆっくり更新
ぴちゃん、ぴちゃんと一定のリズムで音を立てて水滴が床に落ちる。
昼でも陽の光は届かない為、ここに来て温かいと感じたことは一度もなかった。着替えも用意されない為不衛生で仕方ない。鉄格子の向こうに何度出ようとしたかわからないが、そんな考えはもう起こらない程に疲労しきっていた。それに鉄格子を殴り続けた両手は、もう痛みを感じない程に壊れていた。
水滴の落ちる音に混じって、硬い足音が聞こえてきた。その足音も一定で、まるで軍の行進を1人で続けているようだ
「飯を持ってきた」
彼女はパンを鉄格子の隙間から入れると、また奥にある鉄格子へと向かって行った。
食欲なんざない。布切れ同然の毛布を被り、オレは赤子の様に丸まって目を瞑った。
「食べないの?」
いつの間にか先程の看守が鉄格子の前に戻っていた。
「いらねーよ。それにどうせ食わなくても死なないんだろ」
「出されたものは食べるべき」
「そんなに食わせたかったらテメーが無理矢理食わせればいいだろ、戦刃」
「…労力の無駄」
戦刃はまた一定のリズムで石畳の床を帰っていく。
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- 2 : 2019/10/17(木) 21:27:27 :
- 続き楽しみにしてます
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