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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

聖なる弓矢が幻想入り【東方偶像録】

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  1. 1 : : 2016/11/04(金) 20:27:44
    こういうの書ききったことないんですけど不意に浮かんだので101回目の初投稿です。
    後々編集入るかもなんでオッスお願いしま〜す。
    地の文入るタイプの台本だゾ
  2. 2 : : 2016/11/04(金) 20:47:14
    あぁ^~(タイトルが)いいっすねぇ^~

    期待だ!
  3. 3 : : 2016/11/05(土) 01:25:30







    この物語は謎の弓矢に関するとある少女達の数奇なる運命を追う冒険譚である。





  4. 4 : : 2016/11/08(火) 01:57:52





    「ねえ……少し聞きたいことがあるんだけど」

    「良いかしら?」

    暗い部屋の中、女が声を発する。
    その呼びかけに反応して女の従者も「はい」と返答する。

    「『スタンド』って知ってるかしら?」

    唐突すぎる主の質問に従者は首を傾げ、「いえ…私は存じ上げませんが」と返す。

    「うふふ、少しいきなり過ぎたわね」

    「そうねぇ、簡単に言えばね、『スタンド』というのは精神のエネルギーを具現化した偶像(ビジョン)なの」

    ますます意味がわからなくなった従者は「『偶像(ビジョン)』ですか…」と形だけの反応をとる。

    「私達の持ってる『能力』みたいなものね」

    「このスタンドっていうのは先天的に扱える者と後天的に扱えるようになる者がいるのよ」

    そして女は何かを取り出す。
    暗い部屋にすっかり眼が慣れた従者には、それは『弓と矢』に見えた。

    「コレがその『スタンド』を後天的に引き出すための道具よ」

    「コレを突き刺せば、才能のある者なら『スタンド』を引っ張り出せるってわけ」

    従者は驚いた。
    急に厄介な物を拾ってくる主だということはわかっていたが、まさかこんな物までとは。
    大方、また『外の世界』から持ってきたのだろう。
    そういえば引っかかる言い回しがある。
    『才能のある者なら』?
    では『ない者』に刺したならばどうなる?
    留めておく理由もないので従者は質問する。
    すると主はアッサリと言い放った。

    「死ぬわよ」

    「まあ幻想郷(ウチ)の実力者なら大丈夫でしょ」

    従者の疑問は深まる。
    『実力者ならば』?
    主はこの弓矢で幻想郷に何をするつもりなのだ?
    その疑問を読み取ったように女は答える。

    「私はね、この幻想郷に『スタンド使い』を増やしていこうと思うの」

    「この『弓と矢』でね」

    「何故そのようなことを?」と尋ねる。
    今まで幻想郷を一番に考え愛してきた主だ。
    わざわざ争いが起きるように自ら仕向けるというのは従者自身納得できなかった。

    「そんなの決まってるじゃない」

    「私思ったのよ」

    「『幻想郷(ウチ)に弱者はいらないわ』って」

    その声からは以前までの幻想郷を純粋に愛していた頃の主は感じられなかった。
  5. 7 : : 2016/12/03(土) 14:33:50
    主さん。>>6見たいのが湧くから自分以外のコメントを許可しない方が良いよ
  6. 9 : : 2017/02/05(日) 04:14:33
    従者は問おうと声を発する。

    「し、しかし──」

    「あら?文句でもあるのかしら」

    その問いかけを制するように主は声を重ねる。
    だが従者もその程度で止まる程の『弱者』ではない、幻想郷に名を馳せる程の実力者だ。

    「いえ…文句などではないのですが…」

    従者は主に発言を掻き消させぬように早口で続ける。

    「それでは少なくない犠牲となる者が出るでしょう」

    「あの天人の小娘の異変の件で貴女様がお怒りになられたのも幻想郷の存続に関わるほどの犠牲が出ると判断しての──」

    そこで無理矢理に主が言葉を挟む。

    「いいかしら」

    主の言葉に思わず従者は黙り込む。
    そこに間髪入れずに主の方が続ける。

    「そもそも、そもそもよ?」

    「争いの原因になるのは何だと思うかしら」

    「私が愛する幻想郷がいつまでも平和であるためには何がいらないと思うかしら?」

    唐突な質問に、聡明な従者も流石に言葉が詰まる。

    「それはね、『半端者』よ」

    「実力は大したことないくせに好戦的な者、弱いくせに身の程をわきまえず下剋上など目論む者」

    「そんな半端な奴がいるからダメなの」

    興奮気味に主は続ける。

    「真の意味での『弱者』とは『半端者』のことを言うの」

    「自らが弱いと知っていて、その力に見合った生き方をする者が居たって『弱者』ではないわ」

    従者は黙り目を伏せた。
    あくまで主が言っていることは個人の見解であり正しいとは言い難い。
    しかし、反論を許さない威圧感と殺気があった。

    「私はそんな『半端者』をこの弓と矢で試すのよ」

    「この弓と矢で真の『強者』になるのか」

    「はたまた『弱者』らしく死ぬのか」

    「どちらにせよ……全てが終わった後には素晴らしい私の幻想郷が出来上がるはずよ」

    主は満足したように、まるで将来の夢を語る子供のように笑う。
    その姿が従者には酷く恐ろしく、そしてどこか寂しげに見えた。
  7. 10 : : 2017/02/05(日) 04:36:38
    期待です!
  8. 11 : : 2017/03/29(水) 04:31:31
    「ふふっ、今日も良い天気だわ」

    青空を仰ぎながら機嫌が良さそうに呟くのは神社の掃除に励む巫女服の少女。
    少女の名は『博麗霊夢』
    幻想郷と外の世界の境目に位置する『博麗神社』の巫女である。

    霊夢「しかし……」

    霊夢「こうも参拝客がいないと綺麗にしても……ねぇ……」

    空っぽの賽銭箱を見ながら霊夢は嘆く。
    幻想郷最東端に位置し、道も舗装されていない博麗神社に足を運ぶ人間は少ない。

    霊夢「最近は異変もないし……まあ平和なのは良いことなんだけどね」

    「そのことで話があるんだけど」

    突如かけられた声に反応し、霊夢は来訪者の方を向く。

    霊夢「阿求じゃない、どうしたのよ」

    阿求「ふふっ、こんにちは霊夢」

    そこに立っていたのは『稗田阿求』
    よく知った顔であるが遊びに来るような仲でもない。

    霊夢「何の用かしら?」

    阿求「言葉通りよ、話があるの」

    阿求「『異変』の件でね」

    幻想郷で起こる数々の不可解な事件、『異変』
    それを解決することを生業とする霊夢にとって聞き逃すわけにはいかない話題であった。

    霊夢「…!」

    阿求「最近巷で通り魔が流行ってるのよ」

    霊夢「通り魔ァ〜?それのどこが異変だって言うのよ」

    阿求「まあ聞きなさいよ」

    阿求「その通り魔には人間や妖怪を問わず幻想郷中で被害が出てるの」

    阿求「でもね、『奇妙』なのよ」

    霊夢「『奇妙』…というと?」

    阿求「その通り魔に刺されると意識を失ってしまうんだけどね」

    阿求「目を覚ますと傷が『ない』のよ」

    霊夢「刺されたのに傷が『ない』?」

    確かに『奇妙』だ。
    刺されたという被害はある。
    しかし外傷がないというのでは通り魔が存在するのかすら怪しい。
    そもそもその程度の被害では確かに奇妙な事件と言えども異変とまでは言えないだろう。
    そう思った矢先に阿求が「まだあるのよ」と続ける。

    阿求「その通り魔に襲われると性格が変わってしまうらしいのよ」

    霊夢「性格が変わる……また奇妙な話ね」

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