このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
スバル「Re:ゼロから始めるまどマギ生活」
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- 1 : 2016/10/11(火) 00:10:52 :
- 注意
スバル君やまどか達がキャラ崩壊している可能性があります。悪しからず。
まどマギとリゼロでは魔法やマナの概念の相違点があると思います。が矛盾が生じてもそこはどうか温かい目で見てください。
リゼロ勢はスバル君しか登場しないよ(多分)後中沢君に憑依してます。
とりあえず注意書き長くて怖いよなんてツッコミしないでね
では始めます。(書溜め?何それまずそう)
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- 2 : 2016/10/11(火) 00:14:27 :
- (毎日毎日同じ事の繰り返し)
(朝起きて飯食ってぼーっとしていつの間にか夜になってそして寝る)
(そういう人生でもつまらないと思う事はなかった)
(この生活が1番安定していて、平凡な感じだったから)
(……心の中でそう誤魔化して言い聞かせ…)
(そんな日々を過ごしていた…)
2011年1月7日
<マイドアリー
ウィィ…
スバル「さてと今日も買った買ったー」
スバル「意外と痛ぇ出費だな…こりゃやべ…」
スバル「っといっけねぇ…そういや今日新番で面白そうな魔女っ子アニメやるんだった!」
スバル「急いで帰らねば!待ってろよ!我が愛しの嫁候補達よ!」
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- 3 : 2016/10/11(火) 00:23:23 :
- スバル「菓子のストックよし!」
スバル「号泣時のハンカチよーし!」
スバル「準備万端!」
スバル「後は停電にならない事とテレビがぶっ壊れねえ事を祈って待つだけよ」
スバル「はぁ…一体どんな可愛い娘が出てくんのかなぁ…」
スバル「まぁ…こんな時間にこんな可愛げなタイトルのアニメなんてあんまし内容に期待ができねえが…」
スバル「精々クソにならないよう頑張りたまえよ!」
スバル「お、噂をすればなんとやら〜放送時間ktkr!」
ピッ
ザーッ…
スバル(あ、これアカんやつや)
スバル「マジかよ俺フラグ建築士に就職しよっかな…」ドンドン…
スバル「起きてくださいせんせー原稿の締め切りですよー」ドンドン…
スバル「…直らねぇ…」ザーッ…
スバル「マジかよ…年明け早々付いてねえな…」
スバル「ん?」
スバル「お、直った流石俺!」
スバル「さぁさぁイッツ鑑賞タイムと行きましょう…」
スバル「……」
スバル「なんだ…急に眠気が…」
スバル「う…」
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- 4 : 2016/10/11(火) 00:41:02 :
- ピピピ…
スバル「ん………」
スバル「ん〜…」
ピピピピピピ
スバル(うるっせえな…なんで俺アラームなんかかけてんの?)
スバル(…アラーム?)
スバル「やっば!」ガバッ
スバル「まどマギ!」
スバル「……」
スバル「な、なんだ…ここ…見た事ねえ部屋…」
スバル「俺の部屋…こんな綺麗だった…けか」
スバル「もっとこう物が散乱していた様な…」
スバル「あとなんだ…こう…作画っ…てのかな…」
スバル「……なんか…俺背小さくなってね?」
ダダッ…
スバル「はぁはぁ…」
スバル「か、鏡!鏡はどこじゃァァ!」
スバル「あった!」
スバル「なっ…」
スバル「い…以前の俺と………」
中沢「全く違う…」
中沢(スバル)「…………あれ」
スバル「もしかしてここ…」
スバル「異世界っ…ちゅーことなの…か?」
-
- 5 : 2016/10/11(火) 01:00:46 :
- スバル「………」
スバル「………」
スバル「……くぅぅぅ…」
スバル「キッタァァァァァ!俺の時代KI・TA・KO・RE!!!」
スバル「何よ何なの何なのさ!」
スバル「私ナツキ・スバル…孤独に1人彷徨って早3年…」
スバル「とうとう報われる時が来たのかぁぁ!神よ!神よォォ!」
スバル「いぎででよガッタァァァ」
スバル「ほれここ泣くところだぞテレビの前の大きなお友達!」
スバル「っかぁ!アルバイターから晴れてテレビアニメの主人公に大出世!」
スバル「俺のラッキースキルパネェww」
スバル「……待てよ…これはあくまで魔女っ子アニメ…」
スバル「いわばあれだ、月に代わってお仕置きする子とかそういう系統」
スバル「つまり!俺はこのアニメの主人公ではない!ヒロインであるべきなんだァッ!」
スバル「…うっわめっさおいしい役やん!」
スバル「へへへ…つまり適当にフラグ立てて適当にイチャイチャしてハーレムを作るとかいう簡単お仕事ーー!」
スバル「これぞまさに最高にハイってヤツだぁぁあ!」
ピピピ…
スバル「ん」
スバル「何だよ今度は…」
スバル「携帯?」パカッ
スバル「早乙女…先生…」
スバル「あ…まぁそりゃ不登校の少年がヒロインなんてアニメある訳ないか…」
スバル「…い、いざ出るとなるとなぁ…」
スバル(出ねえ方がいいんじゃねえかこれ?喋り方に違和感とか感じたら…)
スバル(いや…そこは主人公補正…もといヒロイン補正が何とかしてくれたりくれなかったり!)
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- 6 : 2016/10/11(火) 01:16:40 :
- ピッ…
スバル「も、もしもし…」
早乙女『もしもし早乙女です…』
早乙女『中沢君…実はもう授業始まっているのだけれど…』
スバル(ふむふむ。こいつのキャラ名は中沢と…)
早乙女『どうしたのかな?』
スバル「す、すみまゲホゲホ!」
早乙女『大丈夫?』
スバル「朝起きた途端これで…悪いんですけど体調崩しちゃったんで今日休んでもいいですか?」
早乙女『そう…風邪ね…何度位なの?』
スバル「38.4℃です」
スバル(ここは迷わず適当に…!)
早乙女『…分かりました。今日学校の方はお休みとるって形でいいわね』
スバル「はい。よろしくお願いします」
スバル(よし…!1日空いた!)
早乙女『それじゃ鹿目さんに今日の報告書書いてそっちに私に行くから』
スバル「え」
早乙女『え、じゃないわよ〜もう』
早乙女『貴方もそうじゃない。保健委員』
スバル(……あ…なるほどなるほど)
スバル(休んだヤツに1日の出来事やら何やらを書いてそれを渡す)
スバル(小学校の時にもあったなぁ。なっつかし)
早乙女『それじゃ、先生も仕事あるからここで』
早乙女『何か困った事があればいつでも私に伝えてね』
スバル(とりあえず元いた世界に戻す方法を教)プッ…
スバル「切れたか…」
スバル「とりあえず、難を逃れたって感じか…」
スバル「咄嗟に思いついた案だったからなぁ…鹿目さんっていう娘がここに来るまでは身動き取れねえ…」
スバル「つってもあくまで放課後か…午前は自由に使える…」
スバル「ま、その間何もしねえ訳にもいかねえしする事がねえ訳でもねえ」
スバル「ほんじゃま…」
スバル「情報収集とでも行きますか」
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- 7 : 2016/10/11(火) 01:29:35 :
- スバル(まずは中沢がどんな人物であるのか…それを知るべきだ…)
スバル(その後この世界の簡単な地理…情勢)
スバル(それと…こいつが通ってる学校とかを調べてみるか…)
スバル「さてと…ちっと手間がかかっちまったが…」
スバル「これだけの情報ありゃ上出来か…」
スバル「中沢昴(14)」
スバル「市立見滝原中学校に在籍」
スバル「家族構成としては両親共に死亡しており現在1人で生活」
スバル「ハッ。名前がスバルなのは呼び名が違和感なくなって好都合だぜ」
スバル「中学校に行くまでの街並みを見る限り俺んとこの世界の環境も文化も同じみてえ」
スバル「強いて言や俺らより少々科学が発達している事か…」
スバル「これまたすっげ…」
スバル「本当は中学校の中の様子とか見たかったけど」
スバル「流石に怪しまれると思ったから家の中にある文献やらで何とか対処した」
スバル「明日から学校に行けって言われりゃ行ける位の状態にはギリギリ整った」
スバル「さぁいつでもどんと来やがれってんだ鹿目さん」
スバル「主人公のお出ましだ!」
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- 8 : 2016/10/11(火) 03:06:35 :
- ピンポーン
スバル(来た!)
ダダダ
スバル「はいこちら中沢です」ピッ
まどか「鹿目です。中沢君。ちょっと中入っていいかな?」
スバル「御意」ドキドキ…
ガチャ
まどか「お邪魔します…」
スバル「…………」
スバル(ピンクのツインテールにザ・中学生ともいえる未発達なその容姿…)
スバル(可愛い。めっさ可愛い)
まどか「中沢君…体調どう?」
スバル「…ああ!あうん。まぁそれなりによくはなってきているけほけほ」
まどか「駄目だよ安静にしてないと」
スバル「と、兎に角部屋来なよ俺の…」
まどか「うん。そうだね」
スバル(抵抗なしに異性の部屋へ足を踏み入れよった!)
スバル(JCってこんなけしからん奴らだったっけ!?)<ジャンプじゃねえよ!
スバル(ああ…こんな魔法少女とお近づきになれるなんて…)
まどか「それでさやかちゃんがね…」
スバル「へー……」
スバル(やべえ話の内容にさっぱり追いつけねぇ…)
まどか「〜」ペラペラ
スバル(しかもなんて速度で喋りやがる最近のJC怖え……)
まどか「あ、もうこんな時間」
まどか「いけない!ママに怒られる!」
まどか「それじゃ中沢君。また明日!」
スバル「お、おう…」
スバル「うう…相槌すら打てなかったよ俺…トホホ」
スバル「とりあえず理解できたのはクラスメイトにさやか、仁美、それと上条って奴がいる事だ」
スバル「実際会ってみねえと話にならねえが」
スバル「風邪って矢先翌日に登校…なんて仮病だと思われそうだし?」
スバル「しゃーねぇ。しばらく病人で偽るか…」
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- 9 : 2016/10/12(水) 20:41:00 :
- スバル(その後2日3日学校を休みまどかちゃんと話していた俺さんなのですが…)
スバル「……暇だな…」
スバル(いやまぁヒロインだから出番とか回らないのは仕方ないにしても…)
スバル「もっとこう…何かしらのフラグが立つかイベント起きてもいいですよね?」
スバル「これじゃまるで元いた世界と同じ生活じゃねぇかよ…」
スバル「……」
スバル「何事も行動しないと始まんねぇし始めらんねぇ」
スバル「そうだな…」
スバル「なぁ、俺も上条のお見舞いに行きたいんだけど…」
まどか「え?」
スバル(上条恭介…確か事故で只今絶賛入院中とかなんとかって話だ)
スバル(魔法少女ってタイトルに書く位なんだぞ?魔法で治しゃいいような気もするけど…)
スバル(…とすると…この子はまだなっていなくてこれから本編が始まるのか…)
スバル(もしくは単に治療魔法が無かったり使えない事情でもあるのか…)
スバル(何にせよこのままじゃ話が一向に進まねぇ)
スバル「漢スバル。ここは一つ暴れてやるとしますか!」
スバル「大波乱だろうが大乱闘だろうがかかってこいや!」
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- 10 : 2016/10/12(水) 20:48:32 :
- 期待です!
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- 11 : 2016/10/12(水) 21:16:32 :
- 上条「……やぁ、中沢」
スバル「よっ。元気にしてたか?」
まどか「上条君…さやかちゃんって…」
上条「さっき話して今帰っていった筈だよ」
まどか「そう…」
スバル(ふむふむ…話を書く限りさやさやは白馬の王子様に恋する準主人公様って訳だ…)
スバル(ってか大抵魔女っ子アニメの主人公とヒロインって大体こんな雰囲気だよな)
スバル(まさかっ!?俺実は唯のモブ役ーー!?)
スバル(こいつの引き立て役だったってのか!?)
スバル(い、いや…言われてみりゃ俺より結構イケてるし…)
スバル(ザ・モテ男って感じだ…)キラキラ…
上条「?」
スバル「それで、左手の調子はどうよ?」
スバル「流石に何週間も療養生活してたら多少はマシな…」
上条「……まだ…動かないんだ…」
スバル「?」
まどか「…」
スバル「左手…容態はまだ…」
上条「それどころか…悪化してるんだってさ…」
上条「…」
スバル「元気出せよ上条〜」
スバル「お前の愛しのさやさやちゃんが毎日お見舞いに来てんだろ?」
スバル「それに右手とかなら確かに凹むかもだがよ?」
スバル「利き手じゃないんだからそんな…」
上条「中沢は僕を馬鹿にしてるのかい?」
スバル「はぁ?俺はただ単に…」
上条「僕は左手を失くしたらバイオリンが弾けなくなるんだ…」
上条「バイオリンは僕の取り柄でもあるし…誇りでもあるんだ!」
上条「それを奪われて!尚僕を苦しませたいのか!?」
スバル(あ、そういやこいつバイオリスト目指してるって話だったな…)
スバル(た、確かに弾くのは左手だなお…)
スバル「……わ、悪い…俺はただ…お前を…その…」
上条「さやかもさやかだ!毎日毎日バイオリンの曲を聴かせて…」
スバル「!」
上条「毎回新しいのが出たからとか言って僕に無理やり聴かせるんだ!」
上条「僕はもう嫌なんだ!泣きたくないんだ!」
上条「あいつはそうやって僕の心の傷を抉ってるんだよ!」
まどか「上条君そこまで言わなくても…」
ガシッ
スバル「っ…!」
ガッ!
上条「な、何するんだ中沢!!」
スバル「テメェ今何つった!!」ガッ
上条「ぐぅ…」
スバル「幼馴染をそう邪険に扱うクソ野郎がどこにいる!?」
スバル「さやかはお前の為を思って新しいCDを買ってくるんだろ!?」
スバル「それを分かっててお前はそんな風に接すんのかよ!!」
上条「お前こそ僕の何を知ってるんだよ…!」
まどか「中沢君やめて!」
スバル「…っ…」
スバル「けっ」
上条「けほっげほ」
まどか「なんでこんな事するの中沢君!」
スバル「然るべき事をしただけだよ俺は…」
上条「……もういい…兎に角帰ってくれ皆…」
まどか「上条君…」
上条「1人に…させてくれ…」
スバル「………へえへえ。ご勝手に…」スタスタ…
まどか「…」
スバル(ちっ…ついカッとなっちまった)
スバル(俺が茶化したせいなのにな…)
スバル(世界は変わっても俺は変わらず平常運転か…)
スバル(呆れた呆れた…)スタスタ…
まどか「ま、待って中沢く…」
スバル「……ん」
ゴォォ…
スバル(なん…だ…いきなり光が…)
スバル(ま、まさか!?ようやく魔法少女さんのご登場か!?)
スバル(よっ!待ってましたーーーーー…)
-
- 12 : 2016/10/12(水) 22:11:35 :
- スバル「………ん……」
まどか「な、何ここ…」
上条「薄暗い…なんだこれは…」
上条「亜空間…か何かか?」
スバル(あー…ヒーローものでよくあるあれか…)<メタフィールドとか
スバル(成る程。こりゃ盛り上がってきたァァァァ…)
スバル(異世界生活始めて数日…ようやく魔法少女様をお目にかかれるとは…)
スバル(それにこの画力なら戦闘シーンも期待できんじゃね?)
スバル(楽しみだわ〜)
スバル(………戦闘フィールド?)
スバル(…えぇと…つまり…)
スバル(これは今から魔女っ子がモンスターやら何やらと戦う前兆って事だよな?)
スバル(魔女っ子が意図的に出してるのかそうでないかな関わらず)
スバル「………って事は…」クルッ
スバル「っ!!」
シャルロッテ「…」
スバル「……………は…?」
パカッ
上条「お、おい…どうした…中…
ガブッ
ビチャッ
まどか「えっ…」クルッ
ムシャムシャ…
スバル「か、上条…」
スバル(く、喰ってる…化物が…人を…)
スバル(喰われちまった…そうだ…これはアニメやゲームの世界じゃない…)
スバル(今の俺にとっては現実じゃねえか…)
スバル「ウプ…」
ムシャムシャ…
スバル(やべえ…後ちょっとでSANチェック入ったぞこりゃ…)
スバル(気持ち悪い…)
スバル(馬鹿野郎…何立ち止まってんだ俺…!)
スバル(今すべき事って言や分かっだろ!?)
まどか「ひ…」
ゴクン…
まどか「嫌だ…ヤダよぉ…」
まどか「こ、こっち…来ない…」
ガシッ…
スバル「こっちだ!ついて来い鹿目さん!!」
まどか「え、な、中沢わわっ!?」
ダダッ…
まどか「な、何してるの!?すぐ追いつかれちゃうよ!か、隠れようよ!」
スバル「隠れてる場所探してる間にヤツに狙われたらそれこそお終いだろうがよ…」
スバル「兎に角逃げろ!こちとら逃走劇は専門分野なんだよ!」
まどか「で、でも…」
ドドド…
まどか「ひ、ひっ!」
シャルロッテ「」ドドド
まどか「来ちゃったよ…どうしよう中沢君!?」
スバル「安心しろ。ただ策なしに逃げようだなんて馬鹿な事は言わねえさ俺は!」
スバル「丁度曲がり角ある!」
キキーッ
スバル「こっち!」
まどか「こ、ここじゃ怪物から見えちゃう位置だよ?」
スバル「隠れる為の場所じゃねえからな!」
スバル「おい魔獣風情!!」
シャルロッテ「?」ドドド…
スバル「俺のガラパゴス持ってけ泥棒っっっ!!」
ブンッ!
シャルロッテ「!!」
携帯「」♪〜
シャルロッテ「〜」
ドドド…
まどか「きゃっ」
スバル「よっしゃ…」
スバル「上手く向こう側に誘導できたな」
-
- 13 : 2016/10/12(水) 23:23:17 :
- スバル「これで多少は逃げる時間が出来たぜ」
スバル「さぁ、一緒に…」クルッ
ムシャムシャ…
スバル「…は?」
モグモグ
まどか「」プラ~ン
ドサッ…
スバル「…………」
まどか「」
スバル「ひ、人じゃない…こんなの…」
スバル「く、く…首…が…」
スバル「うっ…」
スバル(また…さっきみたいに吐き気が…)
スバル(いや…これは夢だ…そう夢なんだよ…)
スバル(悪い夢に過ぎねえんだ…)
シャルロッテ「♪〜」
スバル(!?こ、こっち向いてきた!ど、どうする…)
スバル(逃げるか!?この距離じゃすぐ喰われる!)
スバル「く、来るな!来んじゃねえよ化物!」
スバル(じゃあ戦う!?そ。そうさ…俺にはひ、ヒロイン補正が…)
スバル(いや…)
スバル(だったら今頃こんな事にはなってねえだろ…!)
パカッ…
スバル「や、止めろ…止めろ…」
スバル「こ、こっち来んじゃねえよおっ!!!」ダダッ…
シャルロッテ「!」
スバル「はぁ…っ…はぁ…」ダダッ
ドドド
スバル「っ…はぁ…は…」ダダッ
ドッ!
スバル「うがっ!」
スバル「ひっ…」クルッ
シャルロッテ「〜」
スバル(俺は死ぬのか!?)
スバル(嫌だ!死にたくない!生きたい…)
スバル「助けてくれ…助けてくれ…」
スバル「助け…」
ガブッ
-
- 14 : 2016/10/12(水) 23:42:33 :
- (誰か…助けて…)
(痛い…痛い…痛い…)
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い)
(痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛)
スバル「うおあっっっっ!!?」ガバッ
スバル「はぁ…はぁ…」
スバル「……………」
スバル「今のは…」
スバル「何か…夢…でも見てたのか…」
スバル「結構リアルな夢だったな〜」
スバル「でも…」
スバル「……時計の表示されてる時間は【あの時】と同じだし」
スバル「………」
スバル「………まさか……」
スバル(俺はここに来た時…)
スバル(てっきり元の世界の俺がこの世界の一般人に憑依した人間なのかと思った…)
スバル(…いや……)
スバル「…ははっ」
スバル「ちゃーんと主人公してるじゃねえか俺…」
ビュォォ…
スバル(俺氏外出なう)
スバル「………」
スバル「えー…この作品は作者の都合により終了となりました」
スバル「長い間Re:ゼロから始める異世界生活を応援してくださりありがとうございました」
スバル「先生の次回作にご期待ください」
スバル「ふぅ…噛まずに言えた…」
スバル「…とりあえずこれで悔いはなくなった」
スバル「まぁ俺の予想だと…」
スバル「これは打ち切りが出来ない作品になってる筈だが…」
スバル「さぁてとどうですかな…」
スバル「んんっ!」
スバル「……すぅぅっ…」
ダダッ
スバル「I can」ダッ
スバル「フラァァァァァアアアアアアア!」ゴオオオッ!
グシャ
-
- 15 : 2016/10/12(水) 23:53:58 :
(誰か…助けて…)
(痛い…痛い…痛い…)
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い)
(痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛)
スバル「うああああああああああ」ガバッ
スバル「ああああああああああ」
スバル「いだ!」
スバル「いっつ…これ以上は顎に支障が…やめておこ…」
スバル「さってと」
スバル「時計の表示…」
スバル「それに俺の体や室内の状態を見る限り…」
スバル「ここまで材料が揃っちゃ否定する気も失せるわな…」
スバル「非常に認め難い真実だがまぁ受け止めるしかないのか…」
スバル「…要は今俺はコンテニューしてきたって訳だ」
スバル「ちゃんと初期のデータに元どおりだからなぁ…」
スバル「どうやらゲームスタートの地点はここの世界に来て目覚めたところらしい」
スバル「まぁ仮に付けるとするなら通称【死に戻り】っつったとこか」
スバル「死んだ時にしか発動しない主人公補正ってどうよそれ…」
スバル「俺らしいっつーかなんつーか…」
スバル「まぁなんでこんな能力がついたとか残機はどれ位なのかとか色々疑問が残るけど後にして…」
スバル「………学校…行ってきますか…」
-
- 16 : 2016/10/13(木) 11:31:22 :
- ガタンゴトン…
スバル(1回目のループで主に分かった事は2つ)
スバル(学校に行かなければならない事、鹿目まどかは魔法少女じゃないという事)
スバル(まず、学校を休み出来るだけ自由な時間多く手に入れたいが)
スバル(現状、学校を休むとあらゆる行動が制限しちまう)
スバル(さらに言えば、まどかや上条、さやかがあの化物に喰われる可能性があるのであの日病院に行かずスルーという手もなくなった)
スバル(そして次に大きい情報としては鹿目まどかが魔法少女ではないという事実)
スバル(最初、上条の手が治らない理由としてまどか及びクラスメイトが魔法少女じゃないor治療系統の魔法が使えない…)
スバル(そう見てたけど前々回の状況を見てるとまどかは前者に傾くな)
スバル(魔法少女なんだからああいうヤツが出てきたらそれこそズドーンとやって解決できるんだが)
スバル(それどころかあんな化物を見た途端ビビりまくっていやがった)
スバル(見る限りじゃなってないどころかそもそも存在にすら気づいてない可能性が高い)
スバル(これらを踏まえるとまどかとの会話だけじゃ情報不足だ)
スバル(ここは学校に行って魔法少女本人に聞いてみる必要がある)
スバル(もしくは魔法少女についてあらかじめ知ってる人でもいい…)
スバル(とりあえず俺を殺した張本人?人じゃねえな)
スバル(そいつと魔法少女の事について詳しく知らねぇと…)
スバル(対策もクソもねえ…)
スバル「さてと…そろそろ着くぞ…」
スバル「…」
スバル「いざ入るとなるとすっげえ心臓バクバク言いやがるな…」
スバル(学校なんて場所に来るのは数年ぶりだからな…)
スバル(実際に喋った奴と言えば保健委員さんと上条の2人だけだ…)
スバル(俺のコミュ力が試されるぞ〜…)
スバル「男は度胸、女は愛嬌…」
スバル「いつも通りな感じで…」
スバル「オハヨーゴザーマス!!」ガラッ
「ハヨー」
スバル(よーし。朝の挨拶完璧適応力パネエ俺!)
スバル(後は席について授業の準備…)
スバル(いや〜懐かしいな…今となっちゃいい思い出だ…)
スバル(俺もこんな感じで青春したいね…)
スバル(あ、そういえば…)
まどか『今日ね、転校生が来たんだよ!』
まどか『とっても可愛い子でね…』
スバル(暁美ほむら…つってたか…)
スバル(一体どんな可愛子さんなのか…)
スバル(こういうアニメで転校生ってのは第1話のお約束事項の一つに入ってるからなぁ)
スバル(もしかすると主人公はその転校生だったりそうでなかったり?)
-
- 17 : 2016/10/13(木) 22:36:29 :
- 早乙女「はーい皆さんおはようございます!」ガラッ
スバル(うおおっナイスバディ)<ハヨーゴザーマス!
スバル(さすが二次元こりゃBBAでも嫁候補入りになるわ)
早乙女「今日は皆さんに大事なお話があります」
スバル「大切な話?」
スバル「はは〜ん…分かった分かったぞ…」
スバル「皆お待ちかね転校生イベントでしょうティーチャー?」
早乙女「違います」
スバル「」
<ハハハハ!
スバル(何ー…確かにこの日だったはず…)
スバル(初日早々滑っちまった!)
スバル(くっそ〜俺かっこ悪い…)
早乙女「大切なお話…それは…」
早乙女「目玉焼きは半熟ですかそれとも固焼きですか」
早乙女「はい中沢君!」
中沢「………」
中沢「え」
スバル(何言ってんのこの人!?)
ジッ
スバル(げっ…皆の視線が俺に集中してる……)
スバル(なんだなんだなんだ)
スバル(何が始まるんですかもう!!)
早乙女「…」ジ〜ッ
スバル(…!そうか…)
スバル(これはこの学校から課せられた試練なのか!?)
スバル(一見馬鹿らしい質問に聞こえる…)
スバル(が、人生一度は生死に直接関わる二択を迫られる時もある)
スバル(これは俺のそういう力を試しているんだ…)
スバル(考えろ俺……頭の中フル回転!)
スバル(要するにきのこたけのこ論争を片付ける方法はなんだ?的な質問だろ?)
スバル(なら一つに決まってるじゃねえか…)
ガタッ
中沢「どちらでもいいのではないでしょうか」
中沢「目玉焼きの調理法で一々文句を言うなは」
中沢「視野が狭い人ですよ」
早乙女「……」
「……」
スバル(……)
早乙女「その通り!目玉焼きの作り方でケチを付ける男は最低です!」
早乙女「男子の皆さんはそんな酷い大人にならない様に!」
早乙女「女子の皆さんはそんなつまらない男と付き合わない様に!十分…」ペラペラ
スバル(重要性の欠片も無ぇーーー!?)
さやか「またフラれたんだな…」
まどか「ま、まぁ…お約束…」
スバル(大変だな…中沢って奴も…)
早乙女「えーそれと今日は転校生を紹介します」
「えっっ!?」
スバル(ざまぁwww)
さやか「さ、さっき違うって…」
早乙女「いや…私は【大事な話が転校生じゃない】という意味で否定したのだけれど…」
ザワザワ…
「お、おいどういう事なんだ…」
「なんで中沢が転校生の話知ってるんだよ…」
スバル(あれ…意外と俺危なっかしい発言しちゃってた?)
スバル(何とかして誤魔化さねえと…)
早乙女「はいはい静粛に!」
スバル(ナイスBBA!)シーン…
早乙女「それじゃいらっしゃい暁美さん」
-
- 18 : 2016/10/13(木) 22:55:40 :
- ほむら「はい」
スタスタ…
スバル(……)
「お〜っ…」
「すっげえ可愛い…」
「タイプだわ…」
「綺麗…」
スバル(… クールビューティで来ましたか…)
スバル(俺の好みにどストライクですわ…)
スバル(黒髪ロングか…)
ほむら「暁美ほむらです、よろしくお願いします」
早乙女「暁美さんは心臓の病気で数ヶ月入院してたの」
スバル(え?)
早乙女「皆、暁美さんに色々教えてあげてね」
スバル(入院…してたのか…)
スバル(それじゃこの子も魔法少女じゃ…)
スバル(なんだ…話の中身が整理できねえぞ…)
スバル(まどかちゃんでもほむらちゃんでもないんだったら…)
スバル(…展開が読めねぇ…)
<ワイワイ…
スバル(うっせえな餓鬼共が…)
スバル(もうちょい静かにできんもんかね…)トントン…
スバル(これじゃ勉強にも集中できねえわ…)
スバル(い、いや…まぁ…ほぼほぼ定着してる内容だから軽い復習みてえなもんだしな)
中沢「……」
「暁美さんってどこの学校から来たの?」
「何ヶ月も入院してたんでしょ?その間って…」
スバル(特にほむらの周りに沸いてる女子が質問攻めしてるのがなぁ…)
ほむら「〜」
スバル(………)
ほむら「…!?」
スバル(?)
ほむら「ごめんなさい…私…保健室に行きたいのだけれど…」
ほむら「保健委員はいるかしら」
「保健委員?なら鹿目…」
「ありゃ居ないな鹿目さん」
「おっ…て事は…」チラッ
中沢「…え?」
-
- 19 : 2016/10/14(金) 07:42:51 :
- 中沢「」
ほむら「…」
スバル(そうだったな…俺保健委員だったなぁ…)
スバル(困ったなぁ…俺ここの学校初めてだから説明しろったって無理あるぞ…)
中沢「う、うーむ…」
ほむら「………」
スバル(よし。今こそ俺の主人公補正を解放する時!)
ほむら「こっちよね」
中沢「え」
スタスタ…
中沢「……」
ほむら「……」
スバル(このまま…着いてけば…いいんだよな?)
スバル(な、なんで転校生が校内の様子把握してんだよ…)
ほむら「…たから」
中沢「?」
ほむら「先生に聞いたから」
中沢「あ'…あああ!先生!成る程!その手があったなぁ!うん!」
ほむら「…」スタスタ…
スバル(本当か…?にしては迷いなくテクテク歩いてたけど…)
スバル(はっ!まさかこいつは敵側のスパイ!?)
スバル(囚われの家族を救うが為に悪に染まったダークヒロイン…)
スバル(そこから救う為主人公が立ち上がる!!)
スバル(どうよこれ!これ良さげじゃね!?)
スバル(ちゃんと辻褄合っとるぅー!!)
スバル(はいはいもう展開読んじゃったもんねー)
スバル(待ってろよほむらちゃん!今すぐ君を救い出してやるからな!)
ほむら「何ニヤニヤしてるのよ」
中沢「い〜やなんでもないよ」
中沢「ちょーっと頭ん中スッキリしただけよ」
ほむら「そう…」
中沢「…」
ほむら「…」
中沢(空気重…何か話題出さねえと…)
中沢「お、俺ってなんて呼べばいいのかな…?」
中沢「暁美さん?ほむらさん?」
ほむら「どちらでも構わないわ」
ほむら「…下の名前で呼ばれる事はあまり無いけど」
ほむら「変な名前だし」
中沢「いや〜俺はそんな事ねえーと思うよ?」
中沢「何かこう燃ゆる魂みたいな感じでかっこいい名前じゃん?」
ほむら「名前負け…してるわ」
中沢「えっ…そりゃもったいねえよ…折角素敵な名前だってのに」
中沢「そうだな…じゃあ俺がいいニックネーム考えてやるよ」
ほむら「ニックネーム?」
中沢「いわゆるあだ名だよ…」
中沢「よし!可愛いという意味を込めてほむほむにしよう!」
ほむら「」ピタッ
中沢「名前の最初の2文字をとって【ほむ】【ほむ】だ!」
中沢「どうよ可愛くなったろ?」
ほむら「………」
ほむら「私は…」
ほむら「あだ名なんて付けられた事無いから何とも言い難いわ」
中沢「……」
スバル(そっか…しばらく病院で暮らしてたもんな…)
スバル(友達と遊ぶ事なんか出来なかったもんな…)
中沢「……ほむほむほむほむ」トントン
ほむら「何…」
中沢「びよーん」グイッ
ほむら「ふぇ…」
バチンッ
ほむら「たっ!?」
中沢「そんな冷めてちゃ綺麗な顔が台無しだぜ?」
中沢「スマイルスマイル!」
ほむら「……」
ほむら「今は必要ないことよ」
ほむら「早く保健室に行きましょう」
ほむら「時間が無くなる」
中沢「おっと…すまねぇ」
中沢「肝心な本題忘れちまってた…」
-
- 20 : 2016/10/14(金) 21:40:20 :
- ※保健委員じゃなくて係なんて言っちゃいけない
ダダッ…
体育教師「は、速え…」
体育教師「あれ県内記録じゃ…」
ほむら「……」
「こっえー」
「あいつクラスの速い人ランキングまで更新しやがった…」
「チーターじゃん…」
体育教師「次、中沢!」
スバル(へへ…まぁ前の世界の俺はロクに運動してなかったからな…)
スバル(俺逃げ足なら自信あるぜ?)
体育教師「位置についてよーい!」
中沢「〜」
「またお前丁度クラスの真ん中の成績だな〜」
「寧ろ清々しいなそれ」
スバル(少しはマシになったかと思ったがそうでもなく…)
スバル(やっぱ死に戻りを除けばそこらにいるただの中学生か…)
スバル(しかも1番影うっすい平均的な男の子…)
スバル(せめても一つ位特殊能力でもありゃね…)
中沢「あ〜早く授業終わらねーかなぁ…」
キーンコーンカーンコーン…
「授業終わったー帰ろーぜ」
中沢「…ふぅ。今日の授業終了!」
中沢「たまに行く学校もまぁ悪くねぇな」
中沢「とりあえず面倒事押しつけられる前にさっさと帰るか…」
さやか「あ、いた!中沢!」
中沢「あ?」
さやか「あんた、転校生の事なんか知ってんでしょ?」
中沢「な、何も知らねえって」
さやか「じゃあなんで今日HRの時あんな事言ったの?」
中沢「そりゃあれだ…あ〜…先生!先生から聞いたんだよ偶然!」
中沢「職員室で皆話しててな?」
仁美「あまりに信じ難い光景ですわね…」
中沢「嘘じゃねえって!」
まどか「まぁまぁ…そんな寄ってたかって中沢に問い詰めなくても…」
さやか「じゃあ何!?まどかはこいつの言ってる事信じんの!?」
さやか「それに、今日は何かやたら様子がおかしかったし!というかキャラが変わってた?」
仁美「やたらハイテンションでしたわね」
スバル(あ、キャラ盛りすぎちゃったパティーンかこれ)
まどか「え…でも私…今朝職員室騒がしかったの見てたけどなぁ」
さやか 仁美「ええ!?」
まどか「…な、内容は知らないけど」
さやか 仁美「…」チラッ
中沢「うぇっ…」
さやか「…まぁいいわ。今回のは保留にしとくわ」
さやか「にしても今の怖くね?まどかの見た夢」
中沢「ほむほむが突然現れたって奴だろ?」
中沢「いっやーさぞかし綺麗な夢だったんだろうなー!」
仁美「初日にそんな呼び方ってどうなのですか…」
さやか「文武両道で才色兼備かと思いきや実はサイコな電波さん」
さやか「く〜どこまでキャラ立てすりゃ気が済むんだあの転校生は」
さやか「萌か。そこが萌なのか」
中沢「少なくとも俺の嫁候補ベスト3には入ってるぜ?」
さやか「あんたにとっての嫁はなんなんだ」
中沢「あのツヤツヤした髪、それでいてとても美しい白い肌…」
中沢「見てるだけで心癒されるな〜」
仁美「変態の極ですわ」
中沢「なぁなぁさっきから俺を罵ってそんなに楽しいんですかい青緑さん!?」
まどか「あ、あはは…」
仁美「じゃあ私はお稽古がありますので」
仁美「ご機嫌よう」
まどか「また明日ー!」
さやか「じゃーねー!」
スバル(お嬢様キャラも中々にけしからんボディをしてますなぁ?)
スバル(つーかここに来てまだ可愛く無い女の子に出会ってない…)
スバル(2次元って偉大だね)
さやか「さーてとそれじゃ、あたし達も行こっか」
まどか「うん!」
さやか「2人共、ちょっとCD屋寄ってもいいかな…」
中沢「ん?CD屋?」
まどか「ほら、上条君の」
中沢「……ああ〜」
中沢「………」
スバル(………なんであんな奴に…)
中沢「…そっか〜さやかお嬢は上条様に気でもあるんですかね〜?」
さやか「は、はぁ!?んな訳ないじゃん!」
さやか「ただの腐れ縁腐れ縁!」
さやか「つーかなんであんた今日積極的に突っ込んでくんのよ!?」
中沢「これが本来の俺なのさ」
さやか「意っ味分かんねえよ!」
まどか「ははは…」
-
- 21 : 2016/10/15(土) 00:09:12 :
- さやか「♪〜」
まどか「…」
中沢「どれがいいっつったって俺こういう洋楽は知識ゼロな訳ですが…」
中沢「ま、テキトーにこれとか聞いてみるか…」
中沢「…ふむふむここをこうして…」
「助けて…」
中沢「ん?」
「誰か…誰か…」
「僕を助けて…」
中沢「…!」
スバル(今のってまさか…)
スバル(今はやりのテレパシー…ってヤツっすか…)
スバル(でもなんで俺に…)
まどか「…」
まどか「ど、どこにいるの…?」
スバル(!?)
スバル(もしかしてまどかも…分かるのか?)
中沢「こっちだ、まどか」
まどか「え、あっちょっと…」
さやか「ん?」
中沢「おいおい妖精さん俺らに何喋りかけてんだよ」スタスタ…
「事情を説明する暇は無いんだ!」
「早く!」
中沢「ここか…」
まどか「え…でも改装中って…」
中沢「不法侵入怖がって殺人見過ごす訳にゃいけねえだろ」
中沢「ま、中で殺人が起こってるかどうかは別にしてもだな」
中沢「困ってる奴を放っておく訳にゃいかねえだろ?」
まどか「中沢君…」
スバル(うっしゃ噛まずに言えた〜俺イケメン!)
スタスタ…
中沢「くっれえな…」
中沢「それにこんな広くちゃ探しにくい…」
まどか「…」
ガタガタ…
中沢 まどか「いっ!?」
ドサッ…
まどか「ひ、ひどい…ボロボロ!」スタスタ…
中沢「お前なのか…?」
「助けて…助けて」
ジャラッ…
中沢「!」
シュタッ
ほむら「…」
まどか「ほ、ほむら…ちゃん?」
中沢「……ほむほむ…」
ほむら「そいつから離れて」
まどか「だ、駄目だよ…この子怪我してる…酷いことしないでよ」
ほむら「貴方達には関係ないわ」
中沢「い〜や関係あるね」
中沢「友が動物狩りしてるとこをみすみす見過ごす訳にはいかんでしょ〜?」
中沢「ギャクタイ、ダメ、ゼッタイ!動物愛護団体に殺
バンッ
中沢「…え…」
まどか「ひっ…」
ほむら「次は外さないわよ…」
中沢「…は、はは…お、おもちゃにしては結構な威力をお持ちで…」
ジャキッ…
まどか「この子、私達を呼んだんだよ?助けてって…」
ほむら「そう…」
スバル(やっべ俺の3回目の世界もここで終了…)
バシュゥゥ…
中沢「うわわわっ!?」
ほむら「ちっ…」
まどか「さやかちゃん!?」
さやか「まどか、中沢!こっち!」
中沢「っ鹿野郎!後ちょいで巻き添え食らうとこだったぞ!」ダダッ
さやか「知るか!早く!」
ダダッ…
-
- 22 : 2016/10/15(土) 13:34:59 :
- さやか「なによあいつ!今度はコスプレで通り魔かよ!?」
スバル(多分コスプレイヤーじゃなくてモノホンの方なんだよなぁ!?)
スバル(なんで魔法少女が実銃使って闘ってるんだよ!?)
スバル(俺の推測もあながち間違っちゃいなかったってのか!?)
さやか「つか…なにそれぬいぐるみじゃないよね…」
さやか「生き物?」
まどか「分からない…私にも」
中沢「こいつが誰だとか言ってる場合じゃねえだろ!?」
中沢「今はとにかく命大優先…」
中沢「逃げるのが先決だ!」
さやか「言われなくとも…」
さやか「え…」ゴォォ…
さやか「ちょっ…何ここ…非常口は?」
まどか「変だよ何か…」
まどか「道がどんどん変わっていく…」
スバル(これは…まさか…)
スバル(あの時の亜空間…!)
スバル(いや…前とは違う…嘘だろ!?)
「〜」
まどか「ね、ねぇ何か…いるよ…」
さやか「何がどうなってんのこれ…」
スバル(ここに来てまたバットエンドルートかよ…!)
スバル(また…戻るのか…?)
スバル(あんな事…もう…)
スバル(3度もしたくねぇよ…!)ギュッ…
ゴゴゴ…
まどか「や、やめてこっち来ないで…」
さやか「冗談でしょ…私悪い夢見てるんだよね?まどか…」
中沢「……」
さやか「ねぇ…中沢!」
中沢「………っ…」
ゴゴゴ…
スバル(終わっ…)
「そこまでよ」
中沢「え…」
ゴォォッ…
中沢「こりゃ…」
スバル(消え…た…?)
さやか「何!何何!?何が起こってんの!?」
まどか「貴方は…?」
マミ「危なかったわね、でももう大丈夫」
スバル(よ、ようやく味方サイドの魔法少女第1号発見〜)
スバル(出てくるの超絶遅えよ…)
マミ「あら…キュウべえを助けてくれたのね」
マミ「ありがとう」
マミ「その子は私の大切な友達なの」
まどか「私、呼ばれたんです。頭の中に直接この子の声が…」
中沢「ああ…俺も聞こえたぜ、助けてってな」
マミ「……成る程ね。その制服、貴方達も見滝原の生徒みたいね」
マミ「2年生かしら」
さやか「一体貴方は何者なの…」
マミ「あ、そうそう。自己紹介しないとね」
マミ「でも…」クルッ
マミ「その前に」
カッッ…
中沢「ぐあっ…眩し!?」
-
- 23 : 2016/10/15(土) 15:13:50 :
- シュタッ…
マミ「ちょっと一仕事片付けちゃっていいかしら」
スバル(そして答えは聞かないんですよね分かります!!)
マミ「はっ!!!」
ドドドッッッ
中沢「うおだぁっ!?」
さやか「ひいい!!」
まどか「わぁ…」
マミ「ざっとこんなものね」シュタッ…
ゴォォ…
スバル(勝った…のか?)
さやか「も、元に戻った!」
まどか「やった!」
マミ「…!」
シュタッ…
ほむら「…」
中沢「ほ…ほむほむ…」
マミ「魔女なら逃げたわ。仕留めたいなら直ぐに追いかけなさい」
マミ「今回は貴方に譲ってあげる」
ほむら「私が用があるのは…」
マミ「飲み込みが悪いのね」
マミ「見逃してあげるって言ってるの」
ほむら「………」
マミ「………」
スバル(や、やばいやばいよこれ絶対衝突するパターン入っちゃうよ!)
マミ「お互い、余計なトラブルとは無縁でいたいと思わない?」
まどか さやか「……」
中沢「……おい…ほむ…」
ほむら「…」クルッ…
ゴッ
中沢「行っちまった…」
スバル(流石にそこまで往生際の悪い奴じゃない…か)
スバル(あのまま戦闘始まってたら確実にどっちか死んでたろ…)
キュウべえ「ありがとうマミ、助かったよ」
マミ「お礼はその子達に。私は通りかかっただけだから」
キュウべえ「どうもありがとう。僕の名前はキュウべえ」
中沢「キュウべえ…?」
まどか「貴方が…私達を呼んだの?」
キュウべえ「そうだよ、鹿目まどか」
キュウべえ「それに…美樹さやかに中沢昴」
中沢「お、俺らの名前知ってんのか」
さやか「なんで私達を…」
キュウべえ「僕はまどかとさやかにお願いがあって来たんだ」
まどか さやか「お願い…?」
中沢「なんか俺省かれてんだけどーー!?」
マミ「貴方には関係のない話だものね」
中沢「え?」
スバル(………ああ…なる〜)
キュウべえ「僕と契約して魔法少女になって欲しいんだ」
-
- 24 : 2016/10/15(土) 17:27:22 :
中沢「……」
中沢「」ガバッ…
中沢「見た事ない…って何度言えば気が済むんだ自分」
中沢「確かに俺は今生きてる…」
中沢「昨日は少なくとも2、3度は死にそうな修羅場様とご対面したってのになぁ…」
中沢「まだ足の震えも止まらねえよ」
中沢「とうとう他人事でもなくなってきたな…」
中沢「一体どうしたもんか…」
中沢「兎にも角にも昨日過ごして一つ確実に言える事ができた」
中沢「………俺は……」
中沢「1人だ」
マミ「私は巴マミ。貴方達と同じ見滝原中の3年」
マミ「そして、キュウべえと契約した魔法少女」
中沢「……」
さやか「……」
まどか「……魔法少女…ですか?」
スバル(た、耐えろ耐えろ…堪えるんだナツキ・スバル!)
さやか(め、目線を逸らそうとしても…目に入ってしまう…!)
スバル さやか(なんだあのおっぱい!!!)
マミ「立ち話ってのもアレだし、少し付き合ってくれないかしら…」
中沢「…は、はぁ…」
-
- 26 : 2016/10/15(土) 18:43:21 :
- ガチャ…
中沢「ここが…先輩様のお部屋…」
さやか「綺麗〜」
まどか「す、凄い…」
マミ「まぁ…1人暮らしだから遠慮しないで」
スバル(遠慮なくクンカクンカさせていただきやすよ先輩様〜)
さやか「いかがわしい事したらはっ倒すわよ」
中沢「べっ別にそんな事しねえってば…」
さやか「〜最っ高!」
まどか「このケーキとっても美味しいです!」
マミ「ありがとう」
スバル(家事洗濯調理どれも完璧女子と見た!)
スバル(なんで次元が違うだけでこうも差が開く!?)バクバク…
さやか「きったない食い方だな…」
まどか(食べるを食うって言うのも五十歩百歩な気がするなぁ…)
マミ「キュウべえに選ばれた以上、貴方達にとっても他人事じゃないものね」
マミ「ある程度の説明は必要かと思って」
さやか「うんうん!」
さやか「なんでも聞いてくれたまえ」
まどか「さやかちゃんそれ逆…」
マミ「ふふ」
マミ「これ…」スッ
中沢「おお〜キレーな宝石…」
マミ「これがソウルジェム…」
マミ「キュウべえに選ばれた女の子が契約によって生み出す宝石よ」
マミ「魔力の源でもあり、魔法少女である証でもあるの」
さやか「契約?」
中沢「は〜ん…大体読めたぜ…」
中沢「そんな魔法少女になって化物退治に参加してくださいなんて粋のいい事をする奴もそうそういない」
中沢「つまり!魔法少女になる代わりに一つなんでも願いが叶えられちゃったり!?」
キュウべえ「凄いじゃないか大正解だよ」
中沢「俺の勘を甘く見ちゃぁいけないよ妖精君!」
さやか「わ…なんでも1つ願いか…」
さやか「金銀財宝とか…不老不死とか…」
さやか「満漢全席とか!?」
まどか「最後のはどうなの…?」
中沢「ちっちっちっ。甘いなさやかは」
中沢「どんな奇跡でも叶えてくれるんだろ?」
中沢「だったら話が早え」
中沢「叶えられる願いを無限に
キュウべえ「常識的に考えて制限されている願いの数を増やすのは無理あるよ」
中沢「なんですとぉぉぉ!!」
マミ「私もそれは出来ないのかって質問をした時はあったけどね…」クスクス…
さやか「いるよね〜たまに。ああいうガキみたいな男」
中沢「お前も俺もガキですよ〜だ!」
まどか「あ、あはは…」
キュウべえ「…でもね、それと引き換えにできるのがソウルジェム」
キュウべえ「この石を手にした者は魔女と戦う使命を課せられるんだ」
-
- 27 : 2016/10/16(日) 00:05:02 :
- 中沢「魔女…ってさっきの化物か?」
マミ「まぁ…さっきいたのは使い魔ってので魔女の部下だけど」
スバル(まじかよ…まぁ確かに1回目の世界で見たやつと比べると小さかったが…)
さやか「魔女ってなんなの?魔法少女とは…違うの?」
キュウべえ「願いから生まれるのが魔法少女だとするならば…魔女は呪いから生まれた存在」
キュウべえ「魔法少女が希望を振りまくように魔女は絶望を撒き散らす」
キュウべえ「しかもその姿は普通の人間には見えないからたちが悪い」
キュウべえ「不安や猜疑心…過剰な怒りや憎しみ…そういう災のタネを世界にもたらしているんだ」
中沢「災ねぇ…つまり原因不明の事故や死亡その他諸々は全部その魔女の呪いが要因だと」
中沢「災害起こす魔女ってどんな次元の話だよ」
スバル(となると…ここに来た原因はその魔女の呪いにあるってのか…)
スバル(でも、裏を返せばそりゃ俺の世界にも魔女がいたっていう事になる)
スバル(それって結構やべえんじゃ…)
スバル(い、いやいや…これが吉と出るか凶と出るかはまだ決まっちゃいねえだろ…)
スバル(きっと誰かしらが世界の危機を察して俺を呼び出したとかそういう設定である事を祈るしかねぇ…)
さやか「そ、そんなヤバイ奴がいるってのにどつして誰も気づかないの?」
キュウべえ「魔女は常に結界の奥に隠れ潜んで決して人前には姿を表さないからね」
キュウべえ「さっき君たちが迷い込んだ迷路のような場所がそうだよ」
スバル(魔女が出す結界は必ずしも一定じゃねえか…)
スバル(そらそうか…ほのおタイプのモンスターが水中で戦える訳ねえ)
スバル(個体によって都合のいいフィールドもある訳だし)
マミ「結構危ない所だったのよ…アレに飲み込まれた人は普通生きて帰ってこれないもの」
中沢「どうせ食われた奴は消化されるか使い魔に変化するかのオチだろ?」
中沢「洒落にならねぇな」
まどか「マミさんはそんな怖いものと戦ってるんですか…?」
マミ「そう、命がけよ」
中沢 まどか さやか「!」
マミ「だから、貴方達も慎重に選んだ方がいい」
マミ「キュウべえに選ばれた貴方達はどんな願いでも叶えられるチャンスがある」
マミ「でも、それは死と隣り合わせなの」
まどか「ふえ…」
さやか「うぇ〜悩むな…」
中沢「なぁ…あの…少し質問宜しいでしょうか先輩様」
マミ「?」
中沢「俺って…なんで選ばれたのかな?」
マミ「………」
キュウべえ「さぁ…?そんな事言われても」
さやか「実は男の娘と書いて女の子って読んだり?」
まどか「そっそんな訳ないでしょ!!」
中沢「まどかの言う通り、俺は正真正銘の男の子」
中沢「なんならテメェに俺のエリ
中沢「んぎゃらば!?」ドガッ
さやか「2度と来んなお前!!」
バタン…
中沢「いってぇ…んっのくそ…」
中沢「女ってのはどこの世も加減ってもんを…」
スバル(クッソマジ痛え…)
スバル(これ後頭部ぶつけ…)
-
- 28 : 2016/10/16(日) 10:53:04 :
- スバル(……)
スバル(あれ…この感覚…まさか…)
中沢「またコンテッッ!?」ガバッ…
マミ「あら…起きたの」
中沢「え…あ…」
中沢「ここ…先輩様の…」
中沢「って!まさか俺あのまま気絶して!?」
マミ「あ…いいのよ。慌てなくても」
中沢「いっいや…俺そんな…」
スバル(つっつまりだ…俺は今…)
スバル(こんなおっぱ先輩の使ってる布団によだれ垂らしながら寝てたのかぁぁぁ!?)
スバル(なんたる事だぁぁぁ!?)
中沢「つーか、今って何時…ですか?」
マミ「21時辺りね。本当は貴方のご両親に連絡の一本位とりたかったのだけど…」
中沢「…いえ…」
中沢「俺…家族…いねぇし」
マミ「えっ」
中沢「どれだけ暗くなろうが…何だろうが…」
中沢「俺には心配してくれる家族はいない…」
中沢「別に何時まで外に出てたって構わないんですよ」
スバル(…家族…か)
スバル(いつ以来だ…そんな事気にかけたのは…)
中沢「って!馬っ鹿野郎!」
中沢「何しんみりした空気にしてんだ俺さん!」
中沢「こういう時はとにかく笑わねえと…」
中沢「ワッハハハハハハ」
マミ「…」
中沢「ハハハハ…」
中沢「………」
中沢「あの…どしました?」
スバル(あっ)
マミ『まぁ…1人暮らしだから遠慮しないで』
スバル(…忘れてた…この子も…)
スバル(親…いなかっ…たよな)
スバル(俺よりも幼い子が…)
中沢「…先輩…」
中沢「その…キュウべえにどんな願いを叶えてもらったんですか?」
マミ「………」
中沢「い、いや…その…」
中沢「ほ、ほら〜確かに俺には関係の無い話かもしんねえっすけど」
中沢「参考程度に聞きたいんですよ〜」
中沢「現役魔女っ子がどんなお願いして契約したのをってね!」
マミ「……私はね、数年前事故に遭ってね」
マミ「その時キュウべえと会ったの」
中沢「!」
マミ「その時何が何だか私には分からなくて…」
マミ「兎に角、生きたい…死にたくない…」
マミ「そう思って、キュウべえと契約した」
中沢「……ま、まさか…その時に…」
マミ「…」
中沢「お、おかしいだろ!」
中沢「なんで命の危機に直面してから都合よく現れて強制的に契約させるんだよ!」
中沢「そんなの自分勝手すぎる!!」
マミ「違うわ、悪いのは私なの…」
マミ「私がもっと強ければ…」
マミ「家族も助けられる筈だった…」
マミ「自分勝手なのは…私なの」
マミ「それにキュウべえは私の命の恩人」
マミ「それと同時に私の家族であるもの」
マミ「あの日からずっと1人ぼっちだった私と唯一一緒にいてくれた…」
中沢「……」
マミ「だから…悪い様には言わないで…」
中沢「……」
キュウべえ「zzz…」
スバル(……悪い事しちまったな…)
スバル(嫌な思い出喋らせちまって…)
スバル(辛いのに…)
-
- 29 : 2016/10/16(日) 11:22:48 :
- スバル(………この子になら…この人なら…)
スバル(話せるかもしれない…)
マミ「…?」
スバル(現状今頼りにできるのはマミかキュウべえだけだ…!)
スバル(今誰もいない…今言うしかない…!)
中沢「先輩……」
中沢「大事な話が…あるんです」
マミ「ど…どうしたの?改まっちゃって…」
中沢「俺…実は死に
マミ「」
スバル(……え……)
スバル(な、何だよこれ…時間が止まっ…)
ゴォォッ…
スバル(手…おい…待て…)
スバル(それは本気で洒落に…)
ガッッ!!
中沢「ぐっ…ぁぁっ…ぁっ…」
マミ「ど、どうしたの中沢君!?」
中沢「はぁ…はぁ…はぁ…」
スバル(い、今は…痛く…ない…)
スバル(体は動くし声も出る…)
スバル(だけど…恐怖だけは刻まれた…)
スバル(い、今のは…)
マミ「大丈夫………!?」
キラッ…
マミ「嘘…なんで…」
中沢「…?ソウルジェム…でしたっけ」
中沢「光ってますけど…これって…」
マミ「そこから離れないで中沢君!」
中沢「え…ああ…はぁ…」
ゴォォッ…
スバル(これって確か今日迷い込んだ結界…?)
スバル(な、なんでこのタイミングに…)
中沢「なっ…」
ゲルトルート「……〜」
マミ「残念だけど今は営業時間外なの。用があるなら明日また来て頂戴」
ゲルトルート「〜!」
マミ「って言っても聞けないわよね…」
マミ「明日探そうと思ってたから手間が省けるわ!!」
カッッ…
中沢「ぐっ…」
マミ「さっさと片付けさせてもらうわよ!」ジャキッ…
-
- 30 : 2016/10/16(日) 16:19:59 :
- ドドドッッッ…
ドォォッッッ…
中沢「へ」
マミ「大丈夫?中沢君」
スバル(やべ…状況が飲み込めずそのままぼーっと突っ立っちまった…)
スバル(終わった…のか…)
ゴォォッ
マミ「今日はもう帰った方がいいのかもしれないわね」
マミ「これ以上長居してると魔女に出くわすかもしれない…」
マミ「その前に…」
中沢「…はい…」
マミ「……あのっ…」
中沢「ん…?」
マミ「あっ…いえ…なんでもないわ…」
中沢「そうですか。ほんじゃままた来ますんで…」
ガチャ…
キュウべえ(いいのかい、マミ)
キュウべえ(彼を1人にする方がよっぽど危ない気がするが)
マミ(いいのよ、これで)
マミ(さっき彼の住所の近くを廻って使い魔達を倒しておいたわ)
マミ(しばらくはあそこにいても安全よ)
キュウべえ(まどかやさやかはいざとなったら契約すればいいけど…)
キュウべえ(それにしても中沢昴…不思議な人間だ)
マミ(まぁ、確かに面白い子だったけどね…)
キュウべえ(外見云々もそうだけど何かこう…魔女と同じ性質を感じる)
マミ(同じ性質…)
キュウべえ(……イレギュラーだ…)
-
- 31 : 2016/10/16(日) 19:23:40 :
中沢「死に戻りの事は打ち明けられない」
中沢「つまりこれから起こる事は俺が1人で対処していかなきゃならないってのか…」
中沢「考えただけでゾッとするぜっと…」
中沢「今日もばっちし」
中沢「あ、飯飯」
中沢「まず乗り越えなきゃいけねえのは…」
中沢「やっぱし2、3日後の病院襲撃か…」
中沢「へも、ひっひつそいつふぁふるぶぉふぉふへぐのは無理だからな…」バクバク…
中沢「つーか俺らにとってそんな支障ないからいっそ無視るか?」
中沢「い、いやいや…きっと上条を復活させるべくさやかが動き出すに決まってる…」
中沢「できればこれ以上契約する奴を増やすのは避けたい…」9
中沢「やっぱしマミに賭けるしかねえか…」
中沢「頼りっぱなしじゃカッコつかねぇけどなぁ…」
中沢「今の所俺に戦う様な力が無いからそこは仕方ない…か」
中沢「せめて知恵と勇気を絞り出して何かしら行動できりゃな…」
キーンコーンカーンコーン…
スバル(にしても…ここまで暗記し尽くしてると授業もたいくつだな…)
スバル(ただ言われた問題答えるだけの簡単作業だからなぁ…)
スバル(特に新しい発見もねえし)
中沢「眠くなるぜ…」
さやか(相変わらず馬鹿でかい口であくびするわね…)
中沢(さ、さやかっ!?今俺に喋っ…)クルッ…
キュウべえ(まぁまぁそう驚かないでよ…)
キュウべえ(今のは僕経由でテレパシーを送ってるだけだよ)
中沢(んだよ…ビビらせんな…)
まどか(中沢君あの後大丈夫だった?)
中沢(全くもってグッジョブ!まどっちは俺の事心配してくれるんだな〜)
中沢(うぉぉっ!何と眩しい!天使か!!)
まどか(ま、まどっち?)
中沢(愛称だよ愛称!俺達昨日禁断の関係になったじゃん?)
さやか(誤解生む様な言い方やめろ)
中沢(今までみたいに名前そのまま言うような関係じゃあれだろ?)
中沢(俺は愛称で呼び合える位に親しくなりてえんだよ)
さやか(貴様変態か)
中沢(気づくのが遅え。俺は大のつく変態さで定評のある男よ)
まどか(誇って言うものじゃないよ…)
さやか(……でも…昨日はその…ごめん)
さやか(思いっきし蹴飛ばしたりして…)
中沢(あ?あ〜。あんな事くらい気にすんなって)
中沢(あれは俺自体度が過ぎてたって思うし)
中沢(それにあれだ、私の業界じゃご褒美だからノーカンノーカン)
まどか(昨日一向に起きないからさやかちゃんが
さやか(ま、まどかストープッ!!)
中沢(お、何かな何かな)
さやか(テメーに関係ないわ!!)
中沢(デレか?これが巷で噂のデレなのか?)
さやか(っるせーー!)
中沢(大抵うるさいっていう奴が1番うるさい件)
キュウべえ(それは否めないね)
さやか(便乗すんなキュウべえテメー!!)
まどか(あ、あははは…)
中沢(そんな怒るとシワ増えるぜさやちー)
さやか(よろしい。ならば戦争だ)ゴゴゴ…
まどか(こんなのってあんまりだよ!?)
さやか(ぎぎ…ん…さやちー?)
中沢(そーそー。まどかはまどっち。さやかはさやちーだ!)
中沢(どーよ俺のネーミングセンス!鬼がかってっだろ?)
まどか(それを言うなら神がかるじゃないの?)
中沢(そーとも言う!でも俺は神より鬼の方が好みだぜ!)
さやか(…ははっ。馬っ鹿みたい…)
-
- 32 : 2016/10/16(日) 20:33:04 :
- モグモグ…
中沢「うむ…美味!」
中沢「ここまでうまいカツ丼弁当は初めてだ!」ガツガツ…
まどか「……」
さやか「あんた…まさか毎日コンビニ弁当なんか食べてんの?」
中沢「あ…まぁな。俺は裁縫以外てんでできねえからな」
中沢「伊達に裁縫のナッちゃんたぁ言われてねえよ」
まどか さやか「は、はぁ…」
キュウべえ「でも栄養バランスが良くないのは事実だね」
キュウべえ「長生きしたいとか考えないのかい?」
中沢「別に〜?」
中沢「早死にしようがどうだろうが問題はその間の人生ってこった」
中沢「世の中死にたくても死ねねぇ奴なんかザラにいるぜ?」
キュウべえ「でも寿命が長ければいい運命と巡り会えるチャンスが多くなるのは確かだろう?」
中沢「御最もでございやすよ妖精様〜」
キュウべえ「本当に人間という生命体は訳がわからないよ」
中沢「俺はあんたの存在自体が意味分からねえよ」
中沢「結局の所なんでお前達はここに来たんだ?」
中沢「わざわざ地球の危機に首突っ込む必要はないと思うけど…」
さやか「ま、まぁ…言われてみれば…」
キュウべえ「僕は古来からこの地球にいるよ」
キュウべえ「ただ誰も知らなかっただけさ」
まどか「えっ…」
キュウべえ「気付いてないかもしれないけど…今の地球の文化は僕が干渉して出来たものなんだ」
キュウべえ「長い間地球にはお世話になってるさ」
キュウべえ「故郷が壊されるなんてたまったものじゃないよ」
中沢「故郷ねぇ…つーかあれ?まさか妖精君ってかなりのお偉いさん?」
キュウべえ「まぁ、人類を誕生させた位には」
中沢「こいつ何者!?本当にただのモフモフちゃん!?」
-
- 33 : 2016/10/16(日) 21:58:43 :
- 中沢「んで、どうだ2人は?」
中沢「何か見つけたのか?めぼしいの」
さやか「う、う〜ん…どうだろ…いくらでも思いつくっちゃ思いつくんだけどねぇ…」
さやか「やっぱあれだ…命がけ…」
さやか「命と天秤にかけた時に出る結論が結局かけるほどのものなのか?ってとこ」
さやか「別に今のままで不自由があるかって言われると謎だし」
キュウべえ「普通の子なら二つ返事なんだけどなぁ」
中沢「そりゃそれでどうなんだ?」
さやか「きっとさ、あたしらが馬鹿なんだよ」
中沢「お、とうとう自分の性格認めたかさやちー」
さやか「いっぺん張り倒すぞ?」
中沢「サーセン」
さやか「何というか…あれだ。幸せバカ」
さやか「別に珍しくなんかないはずだよ」
さやか「命を引き換えに叶えたい願いを抱えてる人って世の中に大勢いるんじゃないかな」
さやか「だからそれが見つからない私達ってその程度の不幸しか経験してないって事じゃん」
さやか「恵まれすぎて馬鹿になっちゃってるんだよ」
さやか「不公平だと思わない?なんで私達を選んだのか…」
さやか「本当はあたし達以外にもこのチャンスが欲しいっていう人はいくらでもいるってのに…」
まどか「…」
中沢「まー…うん。大体そんなもんだと思うがなぁ」
中沢「お前らの立場だったら俺だってそう考える」
中沢「でもさやちー…」
中沢「自分に嘘をつくのは良くないぜ?」
さやか「?」
中沢「本当は迷ってるんじゃねえのか?」
中沢「お前にも一つぐらいそんな願いあると思ったんだがなぁ…」
さやか「な、何の話よ…」
中沢「お前は…本当は…本当は上
ビュォォ…
中沢「!?」クルッ…
ほむら「…」
さやか「あっいつ…」
中沢「ほむほむ…」
マミ(大丈夫よ。襲っては来ないわ)
中沢「!」
マミ「…」
スバル(そんなとこからいつの間に!)
スバル(つーか…今までの会話筒抜けだったのかよ…)
ほむら「………」
スタスタ…
さやか「何…?昨日の続き?」
ほむら「いいえ。本来なら鹿目まどかがそいつと接触する前にケリをつけたかったのだけれど」
ほむら「今更それも遅いし…」
ほむら「で、どうなの?魔法少女になるのかしら」
さやか「あんたにとやかく言われる筋合いは…」
中沢「まぁ待て待てさやちー」
中沢「そんな興奮しなくたっていいだろ?」
さやか「逆にあんたは何とも思っていないの!あいつは…」
中沢「あいつは?」
さやか「え…」
中沢「お前は昨日ここに来たばっかりだ。そんな警戒しなくたっていい」
中沢「あいつはあいつなりの事情でもあるんだろーぜ?」
ほむら「…」
さやか「なんでそう…買い被るの?」
中沢「買い被ってなんかいねえさ。寄ってたかって1人を複数が虐めるのは良くねーだろ?」
中沢「別に俺はほむほむの味方って訳でもねえし」
ほむら「…」
中沢「なぁ…お前はどんな願いで契約したんだ?」
中沢「…俺らにも教えてくれよ」
ほむら「貴方達に説明したところで理解もしないし、納得も出来ないわ」
ほむら「無意味なのよ、全て」
中沢「……そっか」
中沢「話せない事情ならいいんだぜ?話し合いじゃ解決できない問題だってある」
マミ「……」
ほむら「……確かに、無意味な争いだけは避けたいわね」
中沢「だろ?」
ほむら「…ただし、まどか」
まどか「ふぇ?」
ほむら「昨日の話覚えてる?」
まどか「う、うん…」
ほむら「ならいいのよ」
ほむら「精々、忠告が無駄にならない事を祈ってるわ」
スタスタ…
スバル(無意味ねえ…)
スバル(俺はそもそも、喋る権利すら与えてくれないワケですが…)
-
- 34 : 2016/10/17(月) 20:04:10 :
- 中沢「魔法少女体験コース?」
さやか「そ。魔法少女がなんたるか、それを知ってから考えても遅くないんじゃないかっていう…」
さやか「マミさん考案ドキドキレッスン!」
さやか「手取り足取り…優しく教えてもらえるぞ〜?」ワキワキ…
まどか「それは教えてもらうものが違うんじゃ…」
中沢「面白そうじゃん。俺にもやらせてくれよ」
さやか「そうこなっくちゃ!」
まどか「さ、さやかちゃん…わざわざ中沢君を危ない目に遭わせるのは…」
さやか「大丈夫大丈夫。心配ないって」
さやか「マミさんも居るんだし、それに1人でも多い方が楽しいじゃん」
まどか「楽しむものじゃないんだけど…」
マミ「それじゃあ、魔法少女体験コース第1弾」
マミ「張り切っていきましょう!」
中沢「イエーー!88ーー!」
まどか「……」
キュウべえ「……」
中沢「ちょっと!?ノリ乗って!ねえ!」
さやか「……いえー」
マミ「3人共、準備はいい?」
さやか「準備になってるかどうかは分からないけど…」
さやか「持ってきました!一応」ブンッ
中沢「バットか…」
マミ「まぁ、そういう覚悟で居てくれるのは助かるわ」
中沢「俺はそれなりに用意してきたぞ?」
マミ「な、何それ…」
中沢「業物」チャキ…
さやか「日本刀かよ…」
さやか「まどかは何持ってきたの?」
まどか「わ、私はええと…」
中沢 さやか マミ「ん?」
まどか「衣装だけでも考えようかと思って…絵…」
さやか「あははは!こりゃ参った。あんたには負けるわ」
中沢「へー。可愛いじゃん」
中沢「つーかまどっちの画力鬼がかってるぜー!」
マミ「ふふ。意気込みとしては十分ね」
-
- 35 : 2016/10/17(月) 23:40:42 :
- さやか「それで、昨日倒した魔女の行方を追うんですか?」
マミ「いえ…昨日パトロールしてたら都合よく出くわしてね」
マミ「ついでに倒しておいたわ」
さやか「は〜?あの転校生あんだけ大口叩いといてやられたのかよ…」
マミ「まぁ…あの子は特別なったばかりっていうワケでもないし…」
マミ「あの位なら倒す事くらい簡単な話だったと思うわよ」
マミ「あの子、口だけ達者って事でもなさそうだし…」
さやか「マミさんが警戒するほど強いのか〜転校生は」
中沢「って事はやるのは近所のパトロールとかそこら辺なのか?」
マミ「そうねぇ…」
まどか「パトロールって何をするんですか?」
マミ「基本的にはソウルジェムが魔女の気配を感知するかどうか確認しながら街を巡回しているの」
中沢「なるほどなるほど」
マミ「何もないならそれでおしまい」
マミ「ソウルジェムの光が強くなれば魔女が近くにいるって証拠」
マミ「それを探って魔女を見つけるの」
さやか「へー…でも街を隅々から探すってのも至難の業じゃ…」
マミ「くまなくって言ってもある程度場所を絞ってやってるけどね」
マミ「やっぱり魔女絡みで多いのって言えば交通事故や傷害事件」
マミ「となると魔女がいそうな所は大きな道路とか、喧嘩が多い歓楽街って言った所かしら」
マミ「後自殺しやすい人気のない場所」
マミ「後は…厄介なのは病院とか」
中沢 さやか「!」
マミ「ただでさえ弱っている大量の患者達から生命エネルギーが吸い取られる」
マミ「格好の餌場ってワケよ」
さやか「…」
スバル(経験済みだから今更驚く事ないけど…)
スバル(冗談なしであれはトラウマもんだ…)
マミ「さてと…あ。強い波動を感じる…」
マミ「近いわよ!」
-
- 36 : 2016/10/18(火) 01:36:00 :
- マミ「ここね…」
カッッ
マミ「さっさと入るわよ」
スバル(変身シーンで裸にならない理由を聞いてみたいね、うん)
ゴォォッ…
中沢「うおっ…結界が…」
マミ「さてと…」ガシッ…
ゴッ…
さやか「わっ…ば、バットが…」
中沢「俺の刀も…」
マミ「気休めだけどこれで身を守る程度には役に立つわ」
マミ「絶対側から離れない事」
使い魔「〜」
さやか「変わらずキモグロだなー…」
マミ「まだ今回は可愛い方よ」
マミ「使い魔ね」
ジャキッ
ズドド…
さやか「ひぇぇ…」
まどか「すごい…」
まどか(怖い…けどそれとは別に…)
まどか(カッコいい…)
マミ「……」ズドド…
使い魔「!」
ゴォォッ!
マミ)しまっ…)
さやか「こ、こっち…」
中沢「うおおおっ!」
ズバッ!
使い魔「…〜」
中沢「へ…へっ」
スバル(剣術スキルがこうも役立つとは…!)
マミ「ナイスカバー!」
使い魔「〜ッ!!」
マミ「そろそろケリをつけましょう…!」
ゴッ
さやか「おおー!でっかい大砲!」
マミ「くらいなさい…」
マミ「ティロ・フィナーレ!」
ドンッ!!
使い魔「!?」
ドオオオンッ!
-
- 37 : 2016/10/18(火) 22:33:40 :
- 中沢「ふぃ〜」
中沢「ようやく一匹討伐完了」
中沢「先長くなりそうだぜ…」
マミ「助かったわ中沢君」
マミ「援護してくれたおかげで2人共無事に帰ってこれたわ」
さやか「なんというかブレてなかったよね…」
さやか「戦い慣れてるみたいな…」
中沢「ま、実践はさておき剣道部には入ってたからな」
中沢「基礎中の基礎ぐらいは心得てるぜ」
マミ「ふふっ。頼もしいわね」
中沢「いや〜それ程でもないんですな〜」
中沢「それにマミさんもカッコよかったっすよ〜」
マミ「おだてあげないの」
さやか「今のが使い魔…でもやっぱり怖さは変わらないなぁ…」
マミ「大体こんな感じで日夜パトロールに努めているわ」
マミ「日に5〜10位はいるかしら」
さやか「ひぇ〜多いなぁ…」
マミ「後はこのまま廻っていくつもりだけど…」
マミ「その前に…3人に最後に予め説明しておく事が2つあるわ」
マミ「多分これから少なくとも貴方達には関係してくる事だから」
中沢「?」
マミ「まず一つは魔女の口づけ」
さやか「口づけ?」
マミ「魔女が人間を呪う時につけるのよ」
マミ「こんな感じ」(写真
まどか「こ、これが…」
さやか「まるで刺青ね」
スバル(これ盗撮じゃね?なんてツッコミはしちゃいけないよ良い子の皆!)
マミ「どうしたの?中沢君」
中沢「な…なんでもないっすよ…なんでも…」
中沢「つまり、ターゲットにされた人間はこれを付けられて自殺や事故みたいな行動に出るのか…」
中沢「ちゃんと区別できる様にしてくれるあたり親切設計でございますな」
マミ「これを見れば呪われているかどうか一目で分かるわ」
マミ「様子がおかしかったり倒れてる人がいたら確認した方がいいわね」
マミ「近くに魔女がいる可能性もある」
さやか「じゃ、じゃあ生徒の誰かにそのターゲットがいるってケースだって…」
マミ「私が見る限りそんな様な事はなかったわね」
マミ「学校内も休み時間とかに見回っているし」
さやか「良かったー…」
マミ「…そしてもう一つ」スッ…
中沢「な、なんかよろしくないオーラがプンプン漂っていますな…」
さやか「これは何ですか?」
マミ「グリーフシード…魔女が生む卵よ」
中沢「何〜!?」
まどか「そ、それって放置…という今持っているのはまずいんじゃ…!」
マミ「まぁまぁ落ち着いて」
マミ「確かに一見危ない物だと思うし」
マミ「事実放っておいて孵化したら新しい魔女が誕生する危険な代物よ」
マミ「でも…」スッ
まどか「ソウルジェム…?」
シュゥゥ…
中沢「お、綺麗になった」
マミ「ソウルジェムは魔力を使った分だけ濁ってしまう。だからグリーフシードに綺麗にしてもらうの」
さやか「でもいくら濁ったっていいのでは…」
まどか「濁りきったらどうなるんですか?」
マミ「…その場合は契約を破棄され2度と魔法少女として活動できなくなるわ」
まどか さやか「えええ〜!?」
さやか「契約破棄っ…て事はまさか!」
キュウべえ「叶えた願いに関与する事象も無くなるだろうね」
中沢「じゃあ生命に直接関わる願いだったら…その対象の人間は死んじまうのか…?」
キュウべえ「そういう事だね」
中沢「成る程…ちゃんとサボってた奴にはツケがまわってくるシステムなんだな」
中沢「否が応でも魔女と交戦は避けられないってこった」
マミ「これは街中で孵化寸前で放置されているのを複数あるわ」
マミ「その時にはすぐに連絡を頂戴」
マミ「後はぼちぼち説明していくとして…」
マミ「どんどん行きましょうか!」
まどか さやか「おー!」
中沢「……」
スバル(魔女の口づけか…)
スバル(もし呪われてここに来ていたとするなら…)
スバル(俺の体のどこかにそのマークがある筈だけど…)
マミ「次はあそこの路地裏を行ってみましょう」
スバル(マミの反応を見る限り俺は呪われていない…か)
スバル(まぁ第一魔女が死に戻りなんて能力をつける動機すらないしなぁ)
スバル(となると俺が来た原因は?)
スバル(やっぱり召喚モノ?)
スバル(じゃあ一体誰が俺を…)
-
- 38 : 2016/10/18(火) 23:46:42 :
- マミ「今日はこの辺りにしときましょう」
マミ「だいぶ暗くなってきたしね」
マミ「今日一日やってみてどうだった?」
さやか「えー…とまぁ楽しかったし!怖かったし!いろいろありすぎて頭混乱しそうだけど…」
さやか「マミさんマジティロ・フィナーレ!」
マミ「そ、そんなに印象に残った?」
さやか「最後の決め台詞超カッコよかったです!」
さやか「他にもあるんですか!?」
マミ「ま、まぁ…ない事は無いけど」
中沢「ふふふ。違うぞさやちー」
さやか「?」
中沢「ティロ・フィナーレの魅力はもっと別の所にある!」
中沢「それは最後の決め顔の破壊力だぁぁぁっ!!」
さやか「ウォォォ!?」
中沢「あの笑顔の美しさと眼差しで今にもフィナりそうだぜーー!?」
さやか「ま、眩しい…………」
さやか「て!ただの破廉恥じゃねえか!!」ドゴッッ
中沢「ばべし!?」
さやか「それじゃあたし達はこれでお暇させていただきまーす」
マミ「え…ええ」
さやか「まどか。変態がうつらない内に帰ろ」
まどか「う、うん…」
スタスタ…
中沢「ちょっと!?なんでこのタイミングでバット使うんだよ!」
中沢「つーかまどっちも賛同すなぁあっ!」
中沢「ったく…」
マミ「……ぷっ…」
中沢「?」
マミ「あははははっ!」
中沢「え…あーマミさん?」
マミ「いや…おかしいなって思っちゃって…」
マミ「いつもこんな感じなの?」
中沢「え…まぁ(勝手に)愛称をつけたのは今日からですけど…」
マミ「さぞ騒がしいんでしょうね…」
マミ「見てる私も楽しくなっちゃって…」
中沢「…」
マミ「……少し…羨ましいなって」
中沢「マミさんは…放課後とか」
中沢「何してるんですか?」
マミ「……私も神様じゃないんだもの」
マミ「私がこうしている間に誰かが苦しんでいたり泣いていたりするかもしれない」
マミ「でも…それでも…」
マミ「出来るだけ多くの人を救いたいの」
マミ「例え自分を犠牲にしてでも…!」
中沢「そうですか…そう…ですよね」
スバル(…つくづく自分が馬鹿らしく感じる)
スバル(この子は誰からの協力も得られず…ただ1人闘ってる)
スバル(たった1人で今日という日までこの街を守ってきたんだ)
スバル(普通なら精神崩壊してるぜ?親も無くして友達も作れなくて…)
スバル(頼れる人がいねぇってのは…)
中沢「…マミさん」
マミ「?」
中沢「ご自宅まで俺…ついて行きます」
-
- 39 : 2016/10/21(金) 13:10:53 :
- 更新遅れてしまいて申し訳ありません
今日から再開します…
-
- 40 : 2016/10/21(金) 18:24:13 :
- スタスタ…
マミ「…」
中沢「…」
マミ(どうしてこうなった)
マミ(いや一緒に帰れるのは嬉しいんだけど)
マミ(なんというかは、はずはず恥ずかしい…)
マミ(そ、そうだ話題話題…何か話さないと…)
マミ「ね、ねぇ中沢君」
中沢「なんですか先輩」
マミ「その…あの…」
マミ「私も鹿目さんや美樹さんみたいに呼んでくれても構わないわよ….」
マミ「って言ったり…」
中沢「……?」
中沢「……」
中沢「…!」
マミ(白けた!?)
中沢「そう…っすかね…先輩は先輩ですし」
マミ「ほ、ほら…私達友達になったじゃない?だから…そういう上下関係は無くしたい…というか…」
中沢「ふーん…」
中沢「そうだなぁ…先輩の愛称…」
中沢「マミりん、マミちん、マミたん…」
マミ(たん!?)
中沢「……そうだ!」
中沢「マーミン!マーミンさんなんてどうよ?」
マミ「え…あ、うん…」
マミ「す、すごくいいんじゃないかしら?」
中沢「ほらなんかムーミンみたい」
マミ「酷いわよ!いや突っ込もうとしたけど!!」
マミ「ようやく着いたわ」
マミ「明日も早いからすぐに寝ましょう…」
中沢「あ、じゃあ俺はこの辺で失礼します」
マミ「ごめんね…わざわざついてきてもらっちゃって」
中沢「あ…いいんすよ…俺特別忙しい訳じゃなかったし…」
中沢「ってか家帰ったところでする事もありませんし?」
マミ「……そう」
中沢「それじゃまた明日…」
マミ「ええ」
中沢「…」スタスタ…
マミ「…………」
マミ「待って」
中沢「?」クルッ
マミ「……ありがとう」
ポロッ…
中沢「え…ちょ…せ…」
中沢「マミ…さん」
マミ「いや…こんなに私に優しく接してくれた人…初めてだったから」
マミ「それはとっても嬉しいなって」
中沢「……」
中沢「どういたしまして」ニコッ
-
- 41 : 2016/10/22(土) 00:27:18 :
中沢「……」
中沢「よっしゃぁぁぁ!」
中沢「コレは完全にフラグ立ちました〜!」
中沢「か わ い い は せ い ぎ !!」
中沢「いやーひとりぼっちの先輩と後輩が支え合い世界を救う壮大ラブストーリー!」
中沢「中々いい設定じゃね!?」
中沢「この調子で行けば普通に最終回までサクサクって進むんじゃね!?」
中沢「ふふんっふんっふんふふんっ」
中沢「……にしても」
中沢「ほむらがなんであの行動をとってるのか…」
中沢「マミの言い分じゃ『魔法少女が増えるから困る』だろ?」
中沢「だったら契約させる前に殺すって手もあったはずだ…」
中沢「あの時銃口を向けたのは俺だけだったし…」
中沢「殺しちゃいけない…ほむらにとってのメリットがあるのか…」
中沢「そもそも魔法少女と契約させないのは自分に不利益な事が生じるんじゃなくて」
中沢「それによって起きる災難からまどかを守ってるんじゃ…」
中沢「……それって無理くね?」
中沢「まどか自信記憶がない時点で幼馴染って線はない」
中沢「まぁそこら辺は過去に魔法少女絡みで何かあったで片付くけど」
中沢「学校の構造を把握してる事も含めて考えると…」
スバル(え…じゃあほむらも死に…)
ビュォォ…
中沢「……」
中沢「ほむ…ほむ?」クルッ
ほむら「………」
中沢「こんな夜遅くに外出歩くのは危ないぜー?」
中沢「早く帰らないとイケないおじさんにいかがわしいことされるかもだよ?」
ほむら「貴方はなんで邪魔するの」
中沢「……邪魔?」
ほむら「貴方が余計な事をするせいで事が思い通りに運べない…」
ほむら「私の目的の妨げになるのなら…」
ほむら「容赦なく消すわよ」
中沢「……」
中沢「消すねぇ…」
中沢「随分お優しい言い方で涙も出そうだぜ」
中沢「……なんだ」
中沢「お前の見据える未来に俺はいたのか?」
ほむら「………」
中沢「お前は一体何を見たんだ?」
ほむら「貴方が知る必要はない」
中沢「そうかいそうかい」
中沢「もうちっと素直な奴なんじゃねぇかって思ってたよ」
中沢「どうやら開始早々ネタバレはさせてくれそうにねぇな」
中沢「へぇへぇ部外者はさっさと退場しますよっと」
スタスタ…
ほむら「…」
中沢「…おっと、それともう一つ」クルッ
中沢「ここ数日間で確信した事が一つある」
ほむら「それは…」
中沢「お前は悪い奴じゃない」
ほむら「……」
中沢「昨日困ってるとこ…手掛けさせちゃったからな」
中沢「あれで貸し一つ。後で何か返してやるからな」
スタスタ…
ほむら「…私は別に貴方の為に…」
中沢「結果的には俺を助けてくれたからいいの!」
中沢「結果よければ全てよし!」
中沢「じゃ!」
スタスタ…
ほむら「………あいつは…」
-
- 42 : 2016/10/22(土) 19:46:24 :
- マミ「ティロ・フィナーレ!!」
ドオオオンッ!
ゴォォッ…
さやか「いやーマミさんはやっぱカッコいいねぇ!」
中沢「よっ我らがマーミン!」
マミ「もう…見世物じゃないのよ?」
マミ「危ない事してるって意識だけは忘れないでね」
まどか「グリーフシード落ちなかったなぁ」
キュウべえ「また使い魔だったみたいだね」
さやか「なんというかここ最近外ればっかだなぁ」
中沢「もう5、6連続で0ドロか…」
中沢「さしずめブラック企業みてえなお仕事なこと」
マミ「仕方ないわ」
マミ「成長したら分裂した魔女に進化してしまうもの」
中沢「あっ!だったら成長するのを待てば」
マミ「何人もの人を犠牲にして?」
中沢「え」
マミ「使い魔だろうが魔女だろうが人間に危害を加える生物には変わりない」
マミ「そんな悠長に放ってはおけないわ」
マミ「自分の利益の為に多数の命を犠牲にするのは…」
マミ「一番最低な人間がやる事よ」
中沢「….そう…っすよね」
-
- 43 : 2016/10/22(土) 22:35:11 :
- マミ「それはさておき、2人は願い事決めたの?」
まどか さやか「……〜……」
まどか「まぁまだ…」
さやか「ですよね…はは」
マミ「まぁいざ考えるとなると悩むものよね」
さやか「マミさんは何望んだんですか?」
中沢「……」
マミ「ええ…まぁそうね」
マミ「ひ・み・つ」
さやか「ええ〜参考にしようとしたのに…」
マミ「ただまぁ…私はその時やむなくそれを願うしかなかったから…」
マミ「参考にはとてもじゃないけどならないわよ?」
マミ「それに…」
マミ「だからこそ、選択の余地のある子はキチンと考えて欲しい」
まどか「そっか…そう…だよね」
さやか「…マミさん。それって自分の事柄じゃないといけないとかってないよね?」
マミ「え…まぁそうね」
キュウべえ「別に契約者自身が願い事の対象になる必然性はないんだけどね」
キュウべえ「前例も無いわけじゃないよ」
さやか「例えば…例えばだけど、私なんかより余程困っている人が居て…」
さやか「その人の為に願い事をするってのは…」
まどか「それって上条君の事?」
さやか「たっ例えばの話だってば!」
スバル(まぁどっかでこういうイベント起きそうな予感は薄々してたが…)
スバル(そろそろさや恭フラグを立てて最悪の事態防がねえと…)
マミ「でも、あまり関心できる話ではないわね」
マミ「他人の為に契約するなら尚のこと自分の望みをはっきりしないと」
マミ「貴方は大切な人を助けたいの?」
マミ「それともその大切な人の恩人を助けたい人になりたいの?」
マミ「これ、同じようで意味合いが全然違ってくるわよ」
さやか「…う、うーん…」
さやか「9割前者…だけど後者が全く無いって言うのなら嘘になっちゃうけど…」
マミ「そこを履き違えたまま進んでいったら取り返しのつかない事になりかねないから」
マミ「今の内に言っておくべき事ね」
マミ「他人の幸せに願いを叶えた筈が…」
マミ「最終的にその人や自分自身を不幸に陥れた人を…」
マミ「私は知ってるわ」
中沢「……知り合い…ですか?」
マミ「ええ。少し昔の話よ」
マミ「今はこの街から出てっちゃったけどね」
マミ「だから、焦って決める話ではないわ」
マミ「考える時間はまだ沢山残ってる」
キュウべえ「僕としては早い方が助かるけどな〜」
マミ「ダメよ。女の子を急かす男子は嫌われるぞっ」
スバル(こうかはばつぐんだ!)
スバル(つーかこいつに性別とかあるのかよ…)
マミ「さ、行きましょ」スタスタ…
スバル(……あれから数日経った…)
スバル(気づけば俺が初めて死んだ前日だ…)
スバル(明日でいよいよ…)
スバル(運命の第一分岐点を迎える…!)
-
- 44 : 2016/10/23(日) 00:03:49 :
- 中沢「明日の計画は至ってシンプル」
中沢「まずさやかと一緒に病院に行き上条と接触した後グリーフシードを探す」
中沢「見つけたら即マミ呼ぶ!」
中沢「ただ骨が折れるのは病院内或いは付近からグリーフシードを探し出さなきゃいけないってのと…」
中沢「…確かマミの電話番号2人共持ってなかったよなぁ…」
中沢「つー事で業物さんの出番だよっと」チャキ…
中沢「ま…耐久戦だわなぁ…」
マミ「……」
マミ「…ここに居るのは分かってるのよ」
マミ「出てきなさい」
ほむら「分かってるの?貴方は無関係な一般人を危険に巻き込んでいる」
マミ「あの子達はキュウべえに選ばれた」
マミ「もう無関係ではいられなくなったのよ」クルッ
ほむら「…貴方は2人を魔法少女を誘導している」
マミ「それが気に食わないのかしら?」
マミ「それとも…中沢君?」
ほむら「……」
マミ「あの子にはどうやら魔女を呼び寄せる何かしらがあるみたいわね」
ほむら「初耳ね」
マミ「貴方の話は最初から信じる気すら起きないわ」
ほむら「ここで私が嘘を言ってどうなるの?」
マミ「さぁ?」
マミ ほむら「……」
ほむら「できれば強行策には出たくはないのだけど…」
マミ「なら…もう2度と会う事のないよう努力して」
マミ「多分話し合いで事が済むのは今夜で最後だから」
ほむら「…最初からできるとは思ってないわよ」クルッ
マミ「なんだ、分かってるじゃない」
マミ「次に会う時は私はこんな穏便に接しないと思うから」
マミ「精々気をつけなさい」スタスタ…
-
- 45 : 2016/10/23(日) 14:14:19 :
- さやか「うーん」
まどか「あれ?戻ってくるの早いねさやかちゃん」
さやか「恭介今手が離せないんだってさ」
さやか「全く…誰の為に来てんのか…」
中沢「仕方ねえ。また今度だな」
さやか「だね〜」
スバル(…さてと…)
スバル(とりあえず探すっつったけどプラン無しなんだよなぁ)
スバル(便所ーて言って別行動で院内捜索するか?)
キュウべえ「きゅ?」
中沢「ん?どしたキュウ…」
まどか「あ、あれ!壁にグリーフシード…」
キュウべえ「しかも孵化しかかってる!」
さやか「嘘!?それじゃ恭介…」
スバル(まさかご親切な事に中ボス自らお出迎えかい)
スバル(お陰で探す手間が省けたぜ)
中沢「お前ら!マミさんの連絡先知ってるか?」
まどか「いや…」
さやか「あたしも…」
中沢「キュウべえ、マミさんにテレパシーは?」
キュウべえ「一定の範囲内じゃないと不可能だ」
中沢「どっちも駄目か…ならいい!俺がここ見張ってる!」
中沢「お前ら2人でマミさん探せ!」
まどか「中沢君…でも!」
中沢「レディーファーストだ!早く行け時間無い!」
中沢「こちとら護身用に刀用意してる、心配すんな!」
さやか「……」
キュウべえ「なら僕もここに居るよ!」
中沢「キュウべえ…」
キュウべえ「僕がいればここに来た時テレパシーで僕の位置も分かる」
キュウべえ「それに最短距離で結界を抜けられるようマミを誘導できる」
中沢「ボディガードがついてくれるのは心強いぜ?」
キュウべえ「どちらかというと君はボディガードをさせられる側だと思うなぁ」
中沢「ですよねぇ…はは…笑えねぇ」
さやか「分かったよ。あたし達呼んでくる」
さやか「無茶しないでよ、中沢」
中沢「安心しら。上条は死なせねぇ」
さやか「…うん」
ダダッ
中沢「さてと…行きますか」チャキ…
ゴォォッ…
-
- 46 : 2016/10/23(日) 20:41:25 :
- キュウべえ「中沢、君は怖くないのかい?」
中沢「ん?何が」
キュウべえ「マミがここに辿り着く前に魔女が現れたら、君は死ぬかもしれないんだぞ?」
キュウべえ「他の2人なら最悪契約して魔法少女になるって手もあるけど」
中沢「そら怖えよ。まだ脚震えてやがる」
中沢「でもダチの命懸かってんだ、みすみす見過ごすわけにはいかねぇだろ」
キュウべえ「…」
中沢「それに…けじめは自分でつけてえしな」
キュウべえ「けじめ?」
スバル(自分が初めて死んだ場所…か)
中沢「縁起悪いもんだな…」
中沢「またここに来るなんて…」
ほむら「何をしているの貴方達」
中沢「!」クルッ
中沢「相変わらずお前は誰かの後ろに立って登場するねぇ」
中沢「こちとら効果音つけるのがだるいんだよ」
中沢「ほむほむ…」
ほむら「私に知った事はないわ」
ほむら「それと…いい加減そのふざけた呼び方もやめてくれないかしら」
中沢「えーこの名前滅茶可愛いのに…」
ほむら「…見た所、鹿目まどかと美樹さやかが巴マミを呼んでいるって感じかしら」
中沢「ん…ま、そんなとこさ」
中沢「で、やっぱここの魔女を狩りに来たんだろ?」
中沢「安心しな?さっき2人は離れてったばっかだからよ」
中沢「少なくとも後数分はかかるぜ?」
ほむら「……」
スバル(ほむらが殺るにせよマミが殺るにせよ結構結構!)
スバル(とにかく今はあのデカ物パクリンチョを討伐する事だけ考えろ…)
ほむら「…今はまだ無理ね」
中沢「へ?」
キュウべえ「今グリーフシードを取ったって魔女の誕生を早めるだけだよ」
中沢「どういう事だ?」
キュウべえ「グリーフシードが魔女を誕生させた後また濁り始める」
キュウべえ「マイナスエネルギーを蓄え、魔女を誕生させるの繰り返し」
キュウべえ「つまり結局の所今取ったって殆どソウルジェムを浄化する事が出来ないのさ」
中沢「え、でもあえて吸収させて早めに孵化させた魔女を倒してゲットーってのも一つの手じゃねえのか?」
ほむら「…貴方は…何なの?」
ほむら「なんで私をそんな…」
中沢「なんでって…前言ったろ、俺はお前の味方でもないし…」
中沢「敵でもねぇ」
ほむら「…」
-
- 47 : 2016/10/24(月) 01:10:23 :
- ブンッ
中沢「これって…」パシッ
ほむら「あげるわ。好きに使ってくれて構わない」
中沢「…いや俺こんな物騒なモンの使い方なんて…」
ほむら「そんな刃物じゃ魔女は斬れないわ」
ほむら「後は自分でなんとかしなさい」
フッ
中沢「消えた…」
中沢(…)
キュウべえ「やはり理解できない…」
キュウべえ「暁美ほむら…何者なんだ」
中沢「…今はとにかく上条だ!さっさと魔女のとこ行こうぜ!」
中沢「にしてもでけぇ…」
中沢「つーかうまそうだな」
キュウべえ「食べられないよ」
中沢「分かってらぁ…」
中沢「マミさん達は後何分で着く?」
中沢「さっき病院に着いたみてえだけど」
キュウべえ「多分2、3分もかからないんじゃないかな」
キュウべえ「大きい刺激を与えない限り魔女は誕生しないと思うから」
中沢「そっか…」
-
- 48 : 2016/10/25(火) 07:36:21 :
- マミ「お待たせ!」ダダッ
まどか「遅れてごめんねっ」
中沢「ふぅ…なんとか間に合ったか」
さやか「恭介は!?」
中沢「まだ生まれてねぇ!無事だ!」
キュウべえ「皆気をつけて…出てくるよ!」
カッッ
スバル(来た…とうとう姿を現しやがったな)
スバル(元…)
シャルロッテ「……」
スバル(…え?)
シャルロッテ「〜」
スバル(ち、小さっ…あいつなのか?俺を殺した魔女は…)
中沢「ま、マミ…さん。あ、あんまり油断しない…でね?」
マミ「折角のとこ悪いけど…」
シャッ
シャルロッテ「!」
マミ「一気に決めさせてもらうわよ!」ブンッ
スバル(大丈夫…だよな?いつもどおりに戦えば倒せない相手じゃねえ…筈)
スバル(じゃあ…なんなんだこの胸のざわめきは…)
スバル(何か…見過ごしている事が…)
ドゴッッ!
シャルロッテ「〜…」バンバンッ
ドサッ
さやか「うおおっ…」
ゴォッ
マミ「これでおしまいよ」ジャキッ…
マミ「ティロ・フィナーレ!」
ドオオオンッ
まどか「やった!」
中沢「うっそだろ…」
スバル(ま、まさか俺を襲ったのは別の…?)
シャルロッテ「!!」
マミ「?」
ゴォッ
スバル(口ん中に本体と来たかぁぁっ!?)
マミ「え…」
中沢「マ…マミっ…」
モグモグ
マミ「」プラ~ン
中沢「あ…ぁぁ…」
まどか「そんな…」
さやか「マミさん……!?」
スバル(な…んで…また…)
モグモグ
まどか『』プラ~ン
中沢「くっそ…」
シャルロッテ「!」
スバル(こっち気づきやがった!?)
スバル(こうなりゃさっきもらった武器…)
スバル(って使い方分かる訳ねえだろっ…)
キュウべえ「まどか!さやか!今すぐ僕と契約するんだ!」
まどか「い、嫌…」
さやか「ぁ…ぁぁ…」
スバル(どうする…このままじゃまた喰われての無限ループだ…)
スバル(一か八か戦って…)
スバル(でも…)
キュウべえ「2人共!早く契約を!!」
ほむら「その必要はないわ」
中沢「!?」
シュタッ
ほむら「……」
-
- 49 : 2016/10/25(火) 23:52:43 :
- ほむら「こいつを仕留めるのは、私」
シャルロッテ「〜」
ゴォッ
中沢「危ねえ!」
フッ
シャルロッテ「!?」
ほむら「こっちよ」
キュウべえ「は、早い…いつの間に…」
ゴォッ
ほむら「っ…」フッ…
フッ…
シャルロッテ「!!」
ほむら「…」
ドオオオンッ
シャルロッテ「!?」
ドドド…
中沢「なんで移動してるかと思ったら地雷か…!」
キュウべえ「これじゃ再生も追いつかない…)
シャルロッテ「………」
ドオオオンッ!!!
ほむら「命拾いしたわね貴方達」
ほむら「目に焼き付けておきなさい。魔法少女になるってそういうことよ」
中沢「助かった…のか?」
まどか「そ…んな…」
ほむら「…」
さやか「返してよ…」
ほむら「?」
さやか「返せよ…それは…それはマミさんのものだ!」
さやか「返せって言ってるだろ…マミさんに!!」
ほむら「そう。これは魔法少女のためのもの」
ほむら「貴方達に触る資格はない」
さやか「っ…」
まどか「う…」
ほむら「それだけよ。後は勝手にしなさい」
スタスタ…
中沢「待てよ」
ほむら「?」
中沢「なんで俺にこれを渡した…」
ほむら「…あら、使わなかったの。てっきり不発したのかと思ったわ」
中沢「…」
ほむら「あ、使わなかったというより、使えなかったが正しいかしら」
ほむら「そりゃ使い方が分からないのなら使いようが無いわね」
中沢「何が言いたいんだよっ!?」
ほむら「…ここまで言っても分からないのかしら」
ほむら「自覚が無さ過ぎて泣けてくるわね…」
ほむら「要は貴方はただの腰抜けなのよ」
中沢「…!」
ほむら「さっきまで貴方は何をしていた?」
ほむら「武器ぶら下げてただ待っていただけじゃない」
ほむら「戦おうとしていた?」
ほむら「戦力は十分にあったのに貴方は戦おうともしてなかった」
ほむら「まだあの子達の方が勇敢だわ」
中沢「っ…」
ほむら「貴方は無関係者。それどころか何か行動を起こす度に不幸を撒き散らす悩みの種と言ったところかしら」
ほむら「今後出しゃ張りでもしたら否が応でも貴方の息の根を止める」
ほむら「これが最後の忠告よ」
中沢「……俺は…俺はただ…」
ほむら「…」ジャキッ
中沢「………」
中沢「分かったよ…」
ほむら「精々気をつけなさい」
スタスタ…
中沢「……俺は………」
-
- 50 : 2016/10/26(水) 07:30:03 :
- まどか「…それじゃ…また明日…」
さやか「うん、じゃ…」
中沢「じゃあな…まどっち、さやちー…」
スタスタ…
中沢「……」
中沢「…種か…」
中沢「そう言われたのも随分久しぶりだな…」
中沢「…って何やってんだ俺…」
中沢「こんな感傷に浸ってる場合じゃねえよ」
中沢「早よ帰って明日からの行動考えねぇとな…」
スタスタ…
中沢「……」
中沢「……何だよ」
中沢「お前は俺の事…何も知らねぇじゃねぇかよ…」
ドン
中沢「った…」
スバル(んだよ…今俺結構機嫌よく…)
「大丈夫?」
中沢「…え、あ…はい」
スバル(ん?だ、誰だこいつ…)
スバル(見た事あるような…ないような)
中沢「何方…様でしょうか」
「冗談キッツイよ中沢君!」
ユウカ「同じクラスのユウカだよ!」
スバル(あ?あー…そんな奴もいた…っけか)
スバル(何にせよまた可愛い)
中沢「ご、ごめんなユウカ。怪我とかない?か?」
ユウカ「い、いや!謝るのこっちだし!」
ユウカ「……顔色悪そうだね」
中沢「………」
ユウカ「誰かと喧嘩でもしたの?」
中沢「何だっていいだろ…」
ユウカ「良くないよ!友達放っておけないし」
ユウカ「あ、そうだ!中沢君ちょっと…」ギュッ
中沢「な、何だよ…」
ユウカ「いいからいいから!こっちこっち」スタスタ…
中沢「………」
スバル(…あ………れ?)
中沢「ゆ、ユウカ…首に…なんか刺青…入ってるんですけど…)(
ユウカ「…え?ああ、これ?」
ズドッ
中沢「……うあ…?」
ユウカ「ゆっくりおやすみ」
ドサッ…
-
- 51 : 2016/10/26(水) 18:50:02 :
(誰か…助けて…)
(痛い…痛い…痛い…)
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い)
(痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛)
中沢「あああっ!!?」ガバッ
中沢「かっ…うあっ…」
中沢「………また…戻って…きたのか?」
中沢「また……やり直さねえといけないのか?」
中沢「………くそっ!!!」
ダダッ…
スバル(なんだよ…何でだよ…)
スバル(また一からってねぇだろ…)
スバル(さっきまでのは全部パァになっちまったのかよ…!?)
ダダッ…
「もう嫌なら死ねばいいんじゃない?」
スバル(そう簡単に死ねれれば楽…)
スバル(……え)ゴォォッ
スバル(あれ…何だか背景が…)
中沢「まさかっ…」
「…」
イザベル「〜」
中沢「嘘っだろ!」
スバル(まさか前回より早く来ちまったから遭遇したのか!?)
中沢「再開早々絶対絶命かよ…笑えねぇ…」
ドドド…
スバル(いや…待てよ)
スバル(もしこの死に戻りが制限ありのスキルだとしたら…?)
スバル(前回のループで死んだのは3回目…)
ドドド…
スバル(もしかしたら今死ねば…)
スバル(いや…何考えてんだ俺…)
スバル(頭冷やせ…今それどころじゃ…)
ゴッ…
スバル(あ、オワタ……)
「そこまでよ」
中沢「…!?」
ほむら「………」
中沢「ほむら…?」
ほむら「邪魔」フッ
中沢「うおっ!?」
ジャキッ
ズドドドッ…
イザベル「!?」
ピッ
ほむら「くらえ化物」ブンッ
カッッ
イザベル「ッッ」
ドオオオンッ!!
-
- 52 : 2016/10/26(水) 19:42:02 :
「…さい」
「起きなさい」
ほむら「もう終わったわよ」
中沢「……ん…うう…」
中沢「え」
中沢「ギャァァァア!?膝枕ァァァァ!?」バッ
ほむら「何よ、獣が現れたかのような顔して…」
中沢「そ、その様な事は一切思っておりません!」
中沢「つーかこちらが無礼な行為をしてしまい申し訳ありませんしターーッ!!」
ほむら「ああ…そう」
中沢「そんな変な人みたいな目でこっち見んな!」
ほむら「それよりも貴方…今」
中沢「え…あ…」
中沢「だぁぁぁっ!チャイム?後5分しかねぇぇ!?」
中沢「まさか俺…」
ほむら「2、30分寝てたわ」
中沢「うごぉぉっ!?」
中沢「ぐぁぁあっ!こ、このままでは間に合わない!」
中沢「ああ…初日で遅刻とかあり絵ねぇよ全く…」
ほむら「初日……?」
スバル(あっ…)
スバル(何俺はしゃいでんだ…こんな事しとる場合じゃ…)
ほむら「見た所貴方も私と同じ学校の生徒みたいね」
中沢「え………」
フッ
中沢「……」
スバル(嘘……もしかしてまた…死…)
「だよねー」
「でもさぁ〜」
スバル(…いや…でもそんな…)
スバル(時間もさっきとあまり変わってない…)
スバル(どういう訳か…さっきから不思議な事が起こりすぎて頭ん中が混乱している…)
スバル(確か俺は遅刻しそうになってその後は…)
キーンコーンカーンコーン
早乙女「はーい皆さんおはようございます!」ガラッ
スバル(相変わらずお前は巨乳ですね)
スバル(…って事は待てよ…)
早乙女「今日は皆さんに大事なお話があります」
中沢「大切な話?」
中沢「はは〜ん…分かった分かったぞ…」
中沢「つまり!皆お待ちかねの転校生イベント…」
早乙女「違います」
<ハハハハ!
スバル(よし。大体同じ流れになってきたぞ…)
スバル(前回をなぞりたいなら同じ様に道を辿ればいい)
スバル(ループ物のお約束ですな)
早乙女<目玉焼きは!?
中沢<醤油!
早乙女<……
中沢<冗談っす
-
- 53 : 2016/10/26(水) 22:10:03 :
- ほむら「ごめんなさい…私…保健室に行きたいのだけれど…」
ほむら「保健係はいるかしら」
「保健係?なら鹿目…」
「ありゃ居ないな鹿目さん」
「おっ…て事は…」チラッ
スバル(キマシタワー)
中沢「へいへい俺っちだよ〜ん」
中沢「俺が手取り足取り優しくお教えいたしましょう」
ほむら「……」
ほむら「他の保健係は?」
中沢「だから冷たくならないで!?」
中沢「ほら、こっちだぜ」
ほむら「…」
スタスタ…
ほむら「そこ、左じゃなくて右よね」
中沢「おっとっと。悪りぃ悪りぃ」
中沢「足が滑っちまった〜なんつって」
ほむら「…」
中沢「にしてもよく知ってるな。トイレどこにあるかって」
ほむら「…先生に聞いたのよ」
中沢「そっか。先生に聞いたのな」
中沢「ならいいんだよなら」
ほむら「…」
スタスタ…
中沢「……」
ほむら「……」
スバル(こいつは本当に素直じゃねぇよな…)
スバル(俺と初対面な癖に化物から俺を守ってくれたんだから)
スバル(つまるところこいつはお人好しだ)
スバル(俺と同じ。困ってる奴は放っておけない)
スバル(あん時はあんなセリフ吐いてたのになぁ…)
ほむら「何ニヤニヤしてるのよ」
中沢「いや、なんでもないよ」
中沢「少し頭ん中スッキリしただけさ」
ほむら「そう…」
中沢「……」スタスタ…
ほむら「……」
中沢「…ありがとなさっき」
中沢「色々分からんが色々助かった」
ほむら「…」
ほむら「…」スタスタ…
中沢「無視っすか…」
ほむら「礼を言われる様な事はした覚えは無いわよ」
スバル(お、少しデレた)
-
- 54 : 2016/10/26(水) 22:13:23 :
- 期待です!
-
- 55 : 2016/10/27(木) 00:53:17 :
- スバル(前回をなぞりたいなら同じ様に道を辿ればいい)
スバル(条件としては最低でもマミさんと会う事)
スバル(そしてさやかとまどかに一定の信頼を持たせる事)
スバル(これ位か…)
スバル(後は…やっぱりほむほむか…)
スバル(だけどあの時ちゃんと確認したし)
スバル(撃退方法もある程度考えている)
スバル(問題なのはそれと同時にクラスメイトに魔女の口づけが付いている事か…)
スバル(どうしたもんか…)
マミ「……」
マミ「…ここに居るのは分かってるのよ」
マミ「出てきなさい」
ほむら「分かってるの?貴方は無関係な一般人を危険に巻き込んでいる」
マミ「あの子達はキュウべえに選ばれた」
マミ「もう無関係ではいられなくなったのよ」クルッ
ほむら「…貴方は2人を魔法少女を誘導している」
マミ「それが気に食わないのかしら?」
マミ「それとも…中沢君?」
ほむら「……」
マミ「あの子にはどうやら魔女を呼び寄せる何かしらがあるみたいわね」
ほむら「初耳ね」
マミ「貴方の話は最初から信じる気すら起きないわ」
ほむら「ここで私が嘘を言ってどうなるの?」
マミ「さぁ?」
マミ ほむら「……」
「ちょっと待てやコラ」
マミ ほむら「!?」クルッ
中沢「何俺を省いちゃってんの?」
中沢「酷いなぁ〜」
中沢「なぁほむほむ〜俺も混ぜてよ」グイッ
ほむら「…そふぉふへふはへほはらひはさい」
中沢「へいへい」
マミ「中沢君…なんで貴方がここに?」
中沢「え?ああ、外の空気吸いに来たんですよ」
中沢「ほら、今日絶好の星空日和だし」
マミ「え…ええそうね」
中沢「で、何を話してたんですか?」
中沢「血相を変えて喋ったけど…」
マミ ほむら「………」
中沢「あ…もしかして…お邪魔…でしたか俺」
中沢「サーセン…!さっさと帰らせていただきます!!」
ダダッ…
マミ「………」
ほむら「何だったの…かしら」
-
- 56 : 2016/10/28(金) 13:40:19 :
さやか「うーん」
まどか「あれ?戻ってくるの早いねさやかちゃん」
さやか「恭介今手が離せないんだってさ」
さやか「全く…誰の為に来てんのか…」
中沢「仕方ねえ。また今度だな」
さやか「だね〜」
キュウべえ「きゅ?」
中沢「ん?どしたキュウ…」
まどか「あ、あれ!壁にグリーフシード…」
キュウべえ「しかも孵化しかかってる!」
さやか「嘘!?それじゃ恭介…」
キュウべえ「まずいな…このままじゃ病院内の人間が…」
さやか「そ…それならあたしが…」
中沢「いや…お前達は先に結界抜けてろ」
まどか さやか「!?」
中沢「俺はマミさん呼んでくる」
まどか「だ、だったら3人で…」
中沢「それよりも手っ取り早い方法がある」
中沢「これなーんだ」
スッ
さやか「トランシーバー?」
中沢「何かあった時のために連絡手段は必要かと思って用意しといたのさ」
中沢「これでグリーフシードの事も伝えられる」
中沢「けど詳しい位置まで教えるのは少しムズイとこもある」
中沢「俺がここで待機しておくぜ」
中沢「お前らはグリーフシードを見張っててくれ」
まどか「でも…」
中沢「頼む、お願いだ」
キュウべえ「……まぁ、まどかやさやかはいざとなれば契約すれば何とかなるから…」
キュウべえ「中沢がいいんならそれが1番いいんじゃない?」
キュウべえ「ここまで来れば僕もテレパシーで場所を伝えられるし」
さやか「……分かったよ。中沢、頼むわ!」
中沢「頼まれた!!」
ゴォォッ…
中沢「行け!!」
まどか「う、うん…」
ダダッ
-
- 57 : 2016/10/29(土) 13:20:49 :
- マミ「ここね」
マミ(キュウべえ!状況は?)
キュウべえ(大丈夫。直ぐに孵化する様子はないよ)
キュウべえ(むしろ刺激を与えるといけないからゆっくり来て欲しい)
中沢「さやか達は無事か?」
さやか(無事すぎて退屈中よ)
中沢「そっか…良かった」
マミ「早速行きましょう」
ゴォォッ…
中沢「な、何とかなったか…」
マミ「無茶しすぎ……って怒りたいとこだけど」
マミ「今回限りはファインプレーと言っておきましょうか」
マミ「おかげで魔女を取り逃がす心配も…」
フッ
マミ「…」
中沢「………ほむほむ」
ほむら「…」
マミ「言った筈よね。2度と会いたくないって」
ほむら「今回の獲物は私が狩る。貴方達は手を引いて」
マミ「そうは行かないわね」
マミ「鹿目さんや美樹さんが待ってるもの」
ほむら「その2人の安全は保証するわ」
マミ「…信用できないわね」
ほむら「…」
中沢「まーまーおふたりさん。そうしょうとつすんなって」
中沢「じゃ、こういうのは?」
中沢「ほむらがここの魔女をたおして、ソウルジェムは見えてさんに渡す!」
ほむら マミ「?」
中沢「ほむらはこの間の借りがあるからな」
中沢「魔女を倒す要求を呑む代わり、報酬はこっちに与える」
中沢「どうよ?」
マミ「いや…だって暁美さんはグリーフシードの為に魔女を…」
ほむら「それで構わないわ」
マミ「!?」
ほむら「貴方にグリーフシードをやるって言ってるの」
マミ「……」
ほむら「貴方は戦わずにグリーフシードを手に入れられる」
ほむら「悪い話じゃないわよ」
中沢「……」
中沢(本当はここらでマミを戦前離脱させてぇとこだが…)
マミ「……私はグリーフシードを取りに来たんじゃないの」
マミ「後輩達を助けに来たのよ」
ゴォォッ
ほむら「あっ!?」ギュッ!
マミ「大人しくしてれば帰りで解放してあげるわよ」
中沢「えっちょ…マミ…」
マミ「行くわよ、中沢君」スタスタ…
ほむら「ばっ馬鹿!こんな事をしている場合じゃ…」
-
- 58 : 2016/10/30(日) 20:08:38 :
- ほむら「くっ…」
中沢「…」スタスタ…
ほむら「…」
ガシッ
ほむら「!?」
中沢「ぐおあらぁぁぁあっ……」グイッ…
中沢「はぁ…はぁ…ビクともしねぇ!」
ほむら「何をしようとしてるの…貴方」
中沢「決まってんだろ…!」グイッ…
中沢「お前を助ける!」
ほむら「無駄よ…!こんな拘束魔法少女でもない限り解くことはできないわ」
中沢「知ったこっちゃねえよ!!」
中沢「こちとらダチの命懸かってんだよ」
中沢「放っておけるかよ!」
ほむら「……」
中沢「っくしょぉぉ…」
スッ
中沢「?」
ほむら「……これ、好きに使ってくれて構わないわ」
中沢「…いいのか?」
ほむら「…なんで…なんで貴方は私を…」
中沢「おっと。質問を質問で返されても困るぜほむほむ」
中沢「とりあえず話は後だ!」
中沢「ちゃっちゃとボス倒してステージ1突破しようぜ」
中沢「ちょ…待って…マー…マミ…さん」ダダッ
マミ「どうしたの…何やら話してたみたいだけど」
中沢「な、何でもないすよ…」
マミ「……まぁ、後で聞きましょう」
中沢(拷問フラグキタコレ!!)
マミ「……」.ダダッ…
中沢「…なんでマーミンはほむほむと協力する気ないんだ?」
中沢「俺には到底あの子がそんな悪い子の様には思えない」
マミ「私だって暁美さんを嫌ってるわけじゃないの」
中沢「?」
マミ「……魔法少女は辛いものよ」
マミ「無理してカッコつけて、自分は大丈夫だって誤魔化して…」
マミ「本当はとても怖いのに…嫌なのに…」
マミ「最終的に本来のあるべき姿を見失ってしまう」
マミ「自分の欲や都合のいい事にだけ魔力を注ぐ」
マミ「珍しくもないわ」
中沢「…ならなんで…」
マミ「………」
マミ「もう甘っちょろい考えは捨てるって決めたのよ」
マミ「大分前に…だけどね」
中沢「…そう…なんすかね」
中沢「魔法少女って…案外、こう楽しげなモンを想像してたけど…」
中沢「実際契約したら…どうなるんですかね」
マミ「…………中沢君」
中沢「?」
マミ「ううん、何でもない」
マミ「それも後々話しましょう、これが終わったらね」
中沢「………」
中沢(さりげなく死亡フラグも立てやがった…)
-
- 59 : 2016/10/31(月) 18:30:13 :
- マミ「お待たせ!」
まどか「中沢君!マミそん!」
中沢「グリーフシードは!?」
さやか「大丈夫。まだ孵化してない」
スバル(準備は万全だ…)
スバル(来るなら来やがれバケモンが…)
キュウべえ「皆気をつけて…出てくるよ!」
カッッ
シャルロッテ「……」
シャルロッテ「〜」
マミ「折角のとこ悪いけど…」
シャッ
シャルロッテ「!」
マミ「一気に決めさせてもらうわよ!」ブンッ
ドゴッッ!
中沢「くっ!」ダダッ
まどか「な、中沢君どこ行くの!?」
シャルロッテ「〜…」バンバンッ
ドサッ
さやか「うおおっ…」
ゴォッ
マミ「これでおしまいよ」ジャキッ…
マミ「ティロ・フィナーレ!」
ドオオオンッ
まどか「やった…!」
シャルロッテ「!!」
マミ「?」
ゴォッ
さやか「嘘…」
まどか「口の中から?」
マミ「え…………」
シャルロッテ「〜」
中沢「余所見すんじゃねえ!!獲物はこっちだ!!」
まどか「!?」
中沢「俺は死に」
ガッッ
シャルロッテ「!!」
中沢「ぐ……ぁっ…」
さやか「中沢!?一体どう…」
ゴォッ
まどか「中沢君危ないっ!」
スバル(よしっ第一段階成功!)
スバル(まんまとかかってきやがった)
シャルロッテ「ーー!!」
中沢「狙いは…」ピッ
中沢「腹ぁぁっ!!」
ブンッ
カッッ
シャルロッテ「……?」
ドオオオンッ
-
- 60 : 2016/11/01(火) 03:38:47 :
- ゴォォッ…
さやか「な、何…え…もしかして…」
キュウべえ「実に…実に驚かしてくれるね君は」
キュウべえ「中沢昴」
キュウべえ「まさか人間が魔女を倒してしまうなんてね…」
中沢「おーおーおだて上げんなってよ」
中沢「礼ならこの武器の製作者さんに言ってくれ」
中沢「俺は運が良かっただけよ」
まどか「マミさん!マミさん!」ユサユサ…
キュウべえ「気絶してるだけだ。身体に異常はない」
さやか「そらあんなゆるキャラが怪物に変化して今にでも飲み込まれそうになったら皆呆然とするわ」
さやか「展開的に」
中沢「まぁ…とりあえず全員無事だったからいいんじゃね?」
中沢「なぁ、キュウべえ」
中沢「魔法少女がかけた魔法が解除される条件ってなんだ?」
キュウべえ「うーん…そうだね、その女の子が死亡した時と…」
ほむら「意識がなくなった状態ならば解けるのね」
ほむら「勉強になるわ」
さやか「あ、あんた!」
中沢「よーほむほむ」
中沢「お前のお陰でなんとか繋げたぜ」
中沢「マジ感謝!!」
ほむら「……貴方に手榴弾の使い方なんて教えた事ないのだけれど」
中沢「男は度胸!なんでもやってみるもんさ」
まどか(ええ〜!?不発で終わっちゃってたらどうしたの!?)
中沢「また…借りができちまったな…」
中沢「今すぐにとは言えねぇ」
中沢「いつか…どこかでこれは返す」
中沢「だからそれまで…」
中沢「死ぬなよ…ほむほむ」
ほむら「……何よ。その知ったような言い方は」
中沢「ま、お前の知っている2倍の付き合いはあるからな俺は」
ほむら「意味が理解できないわね」
中沢「………」
ほむら「……まぁいいわ」
ほむら「命拾いしたわね貴方達…」
ほむら「特に巴マミ」
ほむら「中沢昴が助けてなかったら貴方今頃…」
ほむら「死んでるわよ?」
さやか「マミさんの事何も知らないくせに偉そうに喝入れんじゃねえ!」
ほむら「知らない?…」
ほむら「知りすぎて忘れたいくらいね」
さやか「…はぁ?」
中沢「……」
-
- 61 : 2016/11/01(火) 04:14:35 :
- さやか「……ったく!なんだあの女〜!」
さやか「中沢も中沢!なんであんな外道に武器提供されてんの!?」
中沢「外道は言い過ぎだぞー?さやちー」
中沢「それに俺があいつの肩持つメリットないだろ?」
中沢「なんかその…ちゃっかり貰ったんだよちゃっかり」
さやか「意っ味わかんないね」
さやか「まどかは…あいつの事どう思ってんの?」
まどか「いや…私はその…」
まどか「……でも…結果的に私達を助けてくれたから…」
まどか「ほむらちゃんを悪者なんて決めつける事はできないよ」
さやか「もーー!どいつもこいつもーー!」
中沢「おっと。こっから分かれるな」
さやか「ん?あんたの家ってそっちの方角じゃ…」
中沢「なんで俺の住所知ってんだよ…?」
さやか「上条から聞いた」
スバル(あいつぶっ飛ばす)
中沢「いや…まずマミさんを送ってからにするよ」
中沢「このまま放置は流石にやべえからな」
まどか「そっか…」
さやか「そんじゃまた明日ー!」
中沢「おうっ!じゃな!!」
中沢「また明日…か」スタスタ
中沢「明日を迎えられるってのも…」
中沢「何ともまぁ複雑な気分だか」
スバル(とりあえず1つ山は越えられた!)
スバル(ようやく元凶野郎をぶちのめせた!)
スバル(…だけど…)
スバル(また立て続けに厄介なのが起きるんだなぁこれが)
スバル(今度はクラスメイト奪還か…)
スバル(しかも魔女の正体不明…)
スバル(流石に初見のままでバトルってのも無理ゲーにも程があるぜ)
スバル(あまり期限は残ってないはず…)
スバル(早速明日から行動開始しねぇとな)ガチャ…
中沢「はいはい先輩ベッドですよっと」
マミ「……」
中沢「…はぁ…なんつーか…」
中沢「気楽なモンだよなぁ」
中沢「こちとら心臓握り潰される覚悟でで必死に抵抗したってのに…」
中沢「…誰も…俺の事…」
中沢「…………」
スバル(しょうがねぇ…よな)
スバル(誰に言ったって信じてくれねぇし….)
スバル(そもそも…俺には言う権利すらないんだから)
中沢「くぅぅ…なんか暗いムード作ってたら眠くなってきやがった…」
中沢「そういや…最近は精神的な意味でストレス溜まってたからな…」
中沢「家に帰ったら寝…」フラフラ
ドサッ
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