タイトル未定
- ご注文はうさぎですか?
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- 1 : 2016/09/04(日) 22:01:01 :
- 【情死ネタ・薄暗・ノンスマ・百合・シャロ受け・千夜両親蒸発設定注意】
初めまして。くるみです。初上陸です。
しばらくサボっていたのでそろそろ指を動かそうかなと思い立ち、ずっと書きたいと思っていた千夜シャロ心中ネタでも書こうかなという次第です。あと完成したらpixivに上げる予定です。
クソ読みにくいクソ文ですがご容赦ください・・・週一でやっていけたらいいなと思っております・・・
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- 2 : 2016/09/04(日) 22:06:52 :
- 期待です!
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- 3 : 2016/09/04(日) 22:07:12 :
- 思えばいつだって、こういう思い付きを言い出すのは、千夜のほうだった。
私たちが小学校の頃、秘密の裏小路にあるナゾの扉に入ろうと言ったのも、千夜だ。そういうとき、私はいつも嫌がったものだが、最終的には乗り気になっていた。それが、ある種お決まりのようなものだった。
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- 4 : 2016/09/04(日) 22:10:06 :
- やわらかい風が頬を撫でる、あたたかくて気持ちのいい昼間だった。
目的の場所には、少し歩くと着いてしまった。赤銅色に焼けた格子戸には、大きくて古い、とてつもなく逞しい錠前がかかっていた。今でもよく憶えている。
千夜が、任せてと言い、何かを取り出したと思ったら、ゴトンと音がして、その逞しい錠前は外れてしまった。扉が、開いた。
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- 5 : 2016/09/04(日) 22:10:33 :
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- 6 : 2016/09/04(日) 22:12:34 :
- 八月八日、大安の日。今日は、この夏でもとくべついちばん暑い日らしく(千夜がイジョウキショウよ、と騒いでいた)、遠くの石畳がゆらゆらと空気に溶け出している。呪詛を吐く気力は既に尽きて、代わりに乾いた息が漏れ出した。
水筒によく冷えたお茶を詰めて持ってきたのだが、それもすっかり温まってしまったことを、口に含んで初めて気が付いた。
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- 7 : 2016/09/04(日) 22:13:34 :
- 「ねぇ、シャロちゃん、すこし、休まない?」
「賛成」
千夜がほぼ虫の息といった状態で提案し、満場一致で日陰のベンチで少し休むことになった。両手の巨大な紙袋を足元にどさりと置くと、千夜は、この世の終わりのような呻き声を出した。とてもじゃないが、花の女子高生が出す声ではない。
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- 8 : 2016/09/04(日) 22:14:25 :
- 「千夜、だらしないわよ」
「だって、仕方、はぁ、無いじゃない、暑いんですもの」
千夜は息を切らしながら言った。リゼ先輩の特訓で体力は依然と比べてかなり付いたようだったが、この猛暑だ、仕方がない。
「私だっておんなじ量持ってるんだから、文句言わないでよ」
今日私たちが行った駅前のモールは相変わらずガラガラで、せいぜい店員と客の割合でも一対一が良いところだった。よく潰れないものだ。もっとも、平日ということもあるが。
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- 9 : 2016/09/04(日) 22:15:27 :
- ―千夜には、たびたびショッピングモールで散財する"癖"があった。その"癖"が顔を見せる度に、私は荷物持ちに動員される羽目になる。
その"癖"は大抵何かつまらないことがあった時と決まっていて、例えば、先代の看板うさぎが死んだときとか、おばあちゃんと大喧嘩したときとか。だから、断ると、いつまでも引きずって、こっちまで気分が悪い。
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- 10 : 2016/09/04(日) 22:16:14 :
- 「それにしても、また随分と買ったわね」
千夜は滅多にお金を使わない上、"癖"はコツコツと貯め続けた財産からの散財なので、私がとやかく言う権利は無いが、つい、棘を含めてしまった。
「ふふ、秋物、大セールだったのよ……ああ、シャロちゃんの分も少し買ったわよ?」
「知ってるし、そういうことじゃなくて……今日、どうしたのよ」
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- 11 : 2016/09/04(日) 22:16:53 :
- 「……」
答えは返って来なかった。千夜は押し黙ったまま、遠くを見つめている。ほんとうに、表情で人相が変わる子だ。
「そう、なら訊かないけど」こういう千夜は初めてかもしれない。
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- 12 : 2016/09/04(日) 22:20:21 :
- 私は果てしなく重たい紙袋を二つずつ両腕に吊るした。
「待って、私も行くわ」
「休んでなさい、ほら、これ」
ぬるいが、水分は水分だ。
「私、もう帰るわ。早いとこ、あんたも帰ってきなさいよ」
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- 13 : 2016/09/04(日) 22:22:23 :
- 部屋を冷やして、お風呂を洗って、お茶を出しておかなくてはならない。仕事が待っている。
私は、家路を急いだ。
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