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  1. 1 : : 2016/06/30(木) 15:52:57
    ナイトメアシティ×カゲプロのパロです。
    ナイトメアシティというのはFlashと呼ばれる動画です。
    YouTubeで検索すれば出てくるので見てみてください。
    投稿スピードは遅くなると思います汗
  2. 2 : : 2016/06/30(木) 15:59:30
    助手1「ケンジロウ博士、AIの制御が不能となりました!」

    ケンジロウ「こうなったら復旧は難しいな....出来るだけ多くの命を助けるんだ!ここからは救命作業に入る!」

    助手2「報告します!No.2034とNO.1463からの反応が止まりました!」

    ケンジロウ「待っててくれ、今すぐ行く」

    慌ただしい研究所の中、1つのディスプレイが突然黒い影を映した。
  3. 3 : : 2016/06/30(木) 16:21:07
    ×××「やあやあ、我が元願い主様。今は『博士』とお呼びしたほうがいいか....?」

    ケンジロウ「お前は....!」

    ×××「その様子....私を覚えててくれていたようですねぇ....なら話が早い。あの時終わるはずだったものを終わらせにきましたよ」

    ケンジロウ「どうして....」

    そいつはあの日に自分から、あの子供達からこの世界から全てを奪おうとした禍々しい蛇だった
  4. 4 : : 2016/07/01(金) 22:04:04
    設定
    ・カゲロウデイズ攻略後
    ・遥、ケンジロウ、ヒヨリ生還
    ・割と長くなる
    ・作者の都合もあって更新速度が亀のよう

    よろしくお願いします〜
  5. 5 : : 2016/07/01(金) 22:09:09
    太陽が隠れ、空が一気に暗くなる。
    空にあるのは黒い太陽。これは皆既日食だ

    再び太陽が光を取り戻した時「それ」は始まった。

    悲鳴合唱と人類賛歌は鳴り止まず、空は血色に染まる

    俺たちは逃げ出したがその先にいたのはあの日に倒したはずの蛇

    再び虐殺が行われ、世界は丸ごと眩み出す
  6. 6 : : 2016/07/01(金) 22:12:22
    あの日から一週間経ち、俺の「焼き付ける」能力は未だに力を示す。

    それは発作のように突発的に始まり俺を苦しめる。

    前世とも言えるような遠い過去が脳裏に流れるが、皆既日食の記憶はそれらのどの記憶よりも異質だ。妙な胸騒ぎが止まらない。
  7. 7 : : 2016/07/02(土) 22:30:13
    「『夢のシステム』が完成!
    ×××市の○○研究所が昨晩、夢の中で人々の交流ができるシステム、『ナイトメアシティ』を完成したと発表がありました。
    最初の公開は9月上旬となる模様!」

    また自宅警備員としての平穏を取り戻した俺はネットサーフィン中このような記事を見つけた。未だに俺のパソコンにたまに潜り込んでくる元先輩兼電脳少女は黙っていない....
  8. 8 : : 2016/07/02(土) 22:30:49
    エネ「ご主人!これ面白そうですよ!行ってみましょうよ!ご主人のコミュ症も夢の中なら克服できますよきっと!」

    シンタロー「面倒臭い。なんで俺が今更コミュ症を克服しなきゃならねぇんだよ」

    エネ「ご主人、また引きこもるんですか?それじゃ明日も見えないままですよ?」

    エネの声のトーンが低くたなった途端俺は不穏を感じた。何をされるかわからない不安で俺の背筋は凍る。
  9. 9 : : 2016/07/02(土) 22:32:38
    シンタロー「わかったよ!行けばいいんだろ行けば!
    でも今度だけだぞ!」

    エネ「流石ご主人!話せばわかりますねぇ〜!」

    シンタロー「エネ、言い出しっぺのお前が申し込みしてくれ。俺は元々興味なんてないんだ。」

    エネ「了解です!」

    そう言って青い電脳少女は0と1の波へ潜り込んで行った。
  10. 10 : : 2016/07/02(土) 22:33:06
    >>4>>8は僕です。
    名前つけ忘れたorz
  11. 11 : : 2016/07/02(土) 22:35:43
    「ピコン!」
    俺の携帯がLINEの着信を知らせた。携帯を開いて確認してみるとアヤノからだった。

    アヤノ『シンタローはナイトメアシティのこと知ってる?』

    シンタロー『ネット漁ったら見つけちまって、エネに催促されて行くことになった』

    アヤノ『そっか。もしかしたら、会えるかもね。』

    シンタロー『お前も行くのか』

    アヤノ『うん。修也達と行こうかなって。久しぶりのお父さんの発明だし!』

    シンタロー『おう』

    何か胸騒ぎがした。まるであの日のような気持ちだ。
    まぁそれは考えすぎだろうと俺はネットを閉じて眠りに就いた。
  12. 12 : : 2016/07/02(土) 22:47:25
    ついにその日はやってきた。俺はお気に入りの赤いジャージを着て携帯を持ち、白いイヤホンをあてがって扉を開いた。

    シンタロー「9月とはいえまだ暑いな....」

    あの日からもうすぐ1ヶ月。いくらかすずしくなったものの、ヒキニートには辛い暑さだ。

    貴音「いつまでもヒキニートやってるからそうなるのよ!」

    シンタロー「なっ....!俺は別になりたくてなった訳じゃねーよ!」

    貴音「どうだかw」

    遥「まぁまぁ、2人とも落ち着いて。喧嘩しないでよ〜」

    自分で自分をヒキニートと思うのは今やなんでもないが他人から言われるとなんだかイラッとするのは別に自分勝手でもないだろう。
  13. 13 : : 2016/07/02(土) 22:48:51
    どうやら榎本は遥先輩も誘ったようだ。この面子でよくゲーセンに行ったものだが、榎本は今回のナイトメアシティをゲームのようなものと考えているようだ。

    まぁ最初に記事を見た時某アニメのようだなと俺も思ったが。

    申し込みはしたものの、行かずに家で自宅警備員の任務を遂行することだってできた。実際そうしようと思っていたのだ。しかしこの青い電脳少女はご苦労にも朝早くに俺のパソコンに飛んできて俺を脅したのだ。

    シンタロー「あぁ....俺の日常が....」

    家の前の道を歩き、2つ目の遮断機を右へ行くと、研究所にたどり着いた。ここはかつてアヤノの父親が運営していた研究所であり、ナイトメアシティの公開会場でもある。
  14. 14 : : 2016/07/02(土) 22:58:23
    カノ「やあ、シンタロー君、久しぶりだね。」

    懐かしい飄々とした声がして振り返ってみるとそこにはあの日を共に生きた仲間たちが集まっていた

    シンタロー「おお、カノだったか。それにマリーやモモまでいるじゃねーか」

    モモ「仕事休んで来ちゃった!」

    キド「キサラギ、本当に大丈夫だったのか?」

    モモ「問題ないです!今日の為に調整しました!」

    俺の妹であり人気アイドルでもあるモモの最初の友人達であるメカクシ団にモモは未だに顔を出しに行っているようだ。ヒキニートである俺が言うのもおこがましいが、兄としてとても嬉しい。

    貴音「何ニヤけながらジロジロ見てるのよ、気持ち悪い」

    この先輩の毒舌はエネの時よりもタチ悪い。俺のライフはもうすぐ0だ。
  15. 15 : : 2016/07/02(土) 23:11:50
    アヤノ「久しぶり!シンタロー。」

    シンタロー「ああ、アヤノ、久しぶり。二週間ぶりか。」

    死んでしまったと思って二年間も会えなくて後悔に溺れていたはずだが、アヤノを取り戻してからまた会わなくなってしまっていた。

    未だ時期的には夏休みだったから仕方ない所はあっても俺にヒキニート精神が身に染み付いてしまっているのか、家を出ずに誰にも会わない生活が苦ではなくなっていた。

    シンタロー「お前まだ赤マフラー外さないんだな。」

    アヤノ「あっちにいた時もずっとつけてたから....
    もうこれが無いと落ち着いていられなくなったみたいでね」

    そう言って彼女は笑っていたが、これは重症である。
    ずっと前から思っていたがはっきり言って異常だ。厨二病といえばキドを連想してしまうが、こいつも相当だ。
  16. 16 : : 2016/08/20(土) 19:22:47
    係員「それでは、定時になりましたので、説明を行います。入場券に記載されたグループのプラカードを持っている係員のところへ集合して下さい!」

    仲間と再開して他愛も無い事を話していると、集合が掛かった。

    シンタロー「俺はCグループか....」

    キド「おぉ、それならセトと同じか。良かったな、仲間がいて。」

    セト「よろしくっす、シンタローさん!」

    貴音「私はBね」

    モモ「じゃあ私と貴音さんとマリーちゃんが同じね!」

    カノ「それじゃあキド、行こう!」

    キド「ああ」


  17. 17 : : 2016/08/20(土) 21:58:36
    シンタロー「あれ?アヤノはどこ行くんだ?」

    アヤノ「あぁ、私はお父さんのお手伝いをする事になっているんだ〜♪
    管理人っていう立場でナイトメアシティに入るんだよ!」

    シンタロー(アヤノがドヤ顔してる。かわいい)

    シンタロー「そ、そうか。頑張ってな//」

    アヤノ「へ?ああ、あありがとう//」

    柄にもなく応援の言葉を掛けてしまった。
    俺は慌てて集合場所の方へ振り返って歩き出した。

    遥「Aグループは僕だけかぁ....」
  18. 18 : : 2016/08/20(土) 22:11:45
    遥は1人で寂しそうに集合場所へ歩いていた。

    遥(まぁ、ナイトメアシティに入ってから合流すればいいよね!そうしよう!)

    ヒビヤ「ヒヨリ待ってよ〜!人混みすごいしはぐれちゃうって!」

    ヒヨリ「はあ?!あんたが鈍いのがいけないのよ。男のくせにエスコートもできないわけ?」

    ヒビヤ「そんなぁ〜!」

    遥の視界の端に、コノハだった時にお世話になった2人が見えたので遥は駆け出した。

    遥「ヒヨリ!ヒビヤ!こんにちは!」

    ヒヨリ「コノハさm...?遥さん!」

    ヒビヤ「」

    遥「2人もナイトメアシティに来ていたんだね!もしかして2人もAグループだったりする?」

    ヒヨリ「はい!そうです!もし良かったらナイトメアシティを一緒に回りませんか?」

    ヒビヤ「いや、遥はきっとメカク「うるさいヒビヤ」

    ヒビヤ「」

    遥「あ〜ごめんね、ヒヨリ。僕はシンタロー君達と合流しようと思っててさ。良かったら2人も一緒に来る?」

    ヒヨリ「あ....はい!それでは一緒に」

    ヒビヤ(僕の発言権はなし、と)
  19. 19 : : 2016/08/21(日) 00:23:33
    係員「それではこれからナイトメアシティの説明をさせていただきます。このベットに横になって、備え付きのヘッドフォンをつけて目を閉じればすぐにナイトメアシティに入れます。

    ナイトメアシティの仕組み

    ・シティ内では現実世界とは少し違った姿になる
    ・橋の向こうにある門をくぐるとシティからログアウトする事ができる
    ・シティ内の地図はシティに入った時にポケットに配布されてある
    ・シティ内では、専用通貨で売買ができる

    以上がナイトメアシティについての説明です。
    何かございましたら現実世界の研究所に繋がる公衆電話から何時でも連絡可能です。

    それでは、夢の世界をお楽しみください!」
  20. 20 : : 2016/08/21(日) 00:30:23
    係員に言われた通りにヘッドフォンをつけてベットに入る。そういえば自分がカゲロウデイズに接触したあの日もヘッドフォンをつけていたなと、思い出して苦しくなる。

    モモ「シティでまた会おうね、マリーちゃん、貴音さん!」

    マリー「うん!おやすみなさい」

    貴音「またね!」

    そうだ。もうあの夏は終わったんだ。今更引きずり続けるのはあまりいいことではない。仲間達と未来を楽しもうじゃないか。

    目を閉じると精神が浮いて、体から離れるような感覚がした。まるで「目を覚ます」能力を使うような気分だ。


  21. 21 : : 2016/08/21(日) 00:34:26
    他の団員達もまた、深い眠りに就き、夢の街へと吸い込まれていくのだった。



    ×××「さあ、今度こそ見せておくれよ?貴様らの悪夢を。そして繰り返すんだぁ、終わることの無い、最高の悪夢を!」
  22. 22 : : 2016/09/19(月) 15:52:26
    ーアヤノsideー

    私はシンタローと別れてから父のいる管制室へ向かった。これからのイベントへの期待で胸がいっぱいだ。

    アヤノ「お父さん、被験者さん達の準備ができたよ!」

    ケンジロウ「おぉ、そうか。それじゃあ始めようか。」

    アヤノ「うん。私もそろそろ入るね。」

    ケンジロウ「ああ....本当にすまないな....お前にはいつも苦労ばかりかけてしまっているな。」

    アヤノ「良いんだよ、私は今こうしてまた一緒にいれるだけで十分嬉しいんだよ?」

    あの日に一人ぼっちの作戦を終えて、今はお父さんと一緒に仕事ができている。誰かと一緒にいるのはこんなにも暖かいものだという事を思い出した。

    アヤノ「それじゃあ、おやすみ。指示は細かくお願いね♪」

    ケンジロウ「任せとけ!」

  23. 23 : : 2016/09/19(月) 16:09:14
    目を覚ますと、私はビルの屋上にいた。
    ナイトメアシティに一緒に入った係員はもう全員揃っていた。

    係員A「よし、全員揃いましたね!打ち合わせを始めましょう!」

    アヤノ「遅くなってすみませんでした。」

    係員B「友達に会うのも大切な事だし、良いのよ、アヤノちゃん♪」

    係員C「いや〜良いものを見せてもらっちゃったなぁ、あの赤ジャージの子と仲良いんだね?」

    なんかシンタローと話していたのを見られてしまっていたようだ。少し顔が火照る

    アヤノ「そ、そんなんじゃn....

    ケンジロウ「おい、それどういう事だ?まさかあのヒキニート....

    係員ABC・アヤノ「!!!!!!!!!」

    この場にはいなかったはずの父親の声に全員がビクついた。それにしてもシンタローへのヒキニート呼ばわりには少しイラついた。後で文句を言ってやるんだからね!

    ケンジロウ「おっと、スマンスマン。俺は君たちにそのイヤホンから話しかける事が出来るんだ」

    係員C「最初に教えて下さいよ〜」

    ケンジロウ「いや〜ごめんな、んじゃ早速だが、打ち合わせを始める。まずはオープニングセレモニーの事だがうんぬんかんぬん....

    グダグダした感じで打ち合わせが始まったが、どんどんナイトメアシティが現実味を帯びてきて、ワクワクが止まらない。

    ケンジロウ「....と、いう事になる。みんな、スタートが肝心だ。抜かりなく頼むぞ!」

    係員ABC・アヤノ「了解!」
  24. 24 : : 2016/09/19(月) 16:20:29
    ーカノsideー

    あれ?ここはどこだろ....?
    さっき僕はカプセルの中に入って....

    辺りを見回してみる。すると、すぐ横でキドがまだ眠っていた。

    カノ「キド、キド、起きてよ。」

    キド「....なんだ?寝てればすぐにナイトメアシティには.... ⁉︎ここは何処だ?」

    カノ「ここがナイトメアシティみたいだよっ♪
    いやいや〜本当に現実世界と瓜二つだとはねぇ〜」

    キド「じゃあここはアジトの近くにある公園か....」

    僕とキドはちょっとの間周囲を見渡していた。ずっとこうしているのも暇だなー....

    カノ「他の団員探しついでにちょっと2人でデートしない?www」

    キド「やらん!とっとと集合するぞ!」

    カノ「えー?キド冷た〜い」

    どうやらこの仮想空間内でも能力は使えるらしい。僕はいつも通り欺きの仮面を顔にくっ付けて、キドの隣を歩いた。


  25. 25 : : 2016/09/19(月) 18:35:22
    数分後、僕たちはポーチに入っていたグッズを調べていた。

    キド「このカードが財布の役割をするようだな。腕時計で残額が見えるのは便利なものだ。」

    カノ「キドは結構多めに持ってきたんだね〜」

    キド「なっ!見るなバカノ!」

    カノ「痛いっ痛いよキドwwビンタは勘弁して〜」

    キド「地図もあるな.... 再現度はかなりのものだがアジトまで再現できているのだろうか....!」

    カノ「僕たちは一応秘密組織だし、知られてない限り再現のしようも無いからキツいんじゃない?」

    キド「そうか....残念ではあるが、街へ出ようか。」

    カノ「了解〜」
  26. 26 : : 2016/09/19(月) 19:00:53
    ー貴音sideー

    The ☆人間のクズだと思っていた楯山先生が大層なものを作ったようだ。私はある日、アヤノちゃんからナイトメアシティの話を聞いてみんなを巻き込む事にした。

    目が覚める能力で私は電脳体になれるが、みんなにはそれができない。いつか一緒に電子の世界に入ってみたいなーとか思ったのだ。


    モモ「エネちゃん!起きて!」

    貴音「ん....今私は貴音だよ」

    マリー「あ、目が覚めたんだね、エネちゃん!」

    なんでだろ....今は能力使ってないのn....

    貴音「うぅわああああ!!なんじゃこりゃあ!」

    なんと、驚くべき事に、私はエネの姿だった。
    心が貴音のままなので、恥ずかしいったらありゃしない

    貴音「絶対に嫌だ!モモちゃん、マリーちゃん、行くわよ!」

    マリー「え?どこに?」

    貴音「服屋に決まってるでしょ!全く何考えてんのよあのクソ親父!」

    モモ「ちょっエネちゃん?クソ親父って....」

    貴音「こっちの話!」

    楯山先生の事をすごいなと思った事はもう私の記憶からは消してやった。

    私はマップを開き、服屋へと走った。

  27. 27 : : 2016/12/11(日) 14:28:29
    しばらく走ると服屋に着いた。
    どうやらこの世界は現実の世界のコピーのようだ。よく出来ている。

    モモ「ちょっと貴音さん、相手行かないでくださいよー!」
    マリー「モモちゃんもエネちゃんも走るの速いよ」

    マリーちゃんは肩で息をしていた。恥ずかしさに任せてついダッシュしてしまったが、少し悪いことしたかな....

    貴音「ハハ....ごめんね....。」
    モモ「わぁ、私このお店よく行くんですよ〜」

    このお店にはいろいろな服がある。
    中には趣味の悪い服もあるのだが、なぜこの子はあんなのばかりに目がいってしまうのだろう....
    まぁせっかく別の世界に来たことだし、少しカッコつけた服でも買っていこう。

    貴音「この服ください!」
    店員「どうぞ。800コインです。」

    私はポケットにあったカードを渡す。
    この世界に入ると、カードや服が装備されると案内書に書いてあった。カードには予め20000のコインがあるようだ。

    店員「まいどあり〜」
    貴音「早速着たいので、部屋借りていいですか?」
    店員「どうぞ、あちらになります」

  28. 28 : : 2016/12/11(日) 14:37:12
    モモ「わぁ!さすが貴音さん、その服かっこいいです!」
    マリー「エネちゃんかっこいい〜!」
    貴音「この服は『ヘッドフォンアクター』っていうゲームで使ってたアバターと同じなんだよね。」

    デザインを考えたのは遥だ。遥の絵はとてもレベルが高い。

    モモ「私はこの服を買います!」
    貴音・マリー「!?」

    彼女がドヤ顔で選んだ服から安定の散々さが感じられる....

    マリー「私はこの服のままでいいかなー」

    マリーはあいかわらず西洋のお人形さんのような姿だ。マリーだからこそ似合うものだろうと思う。

    貴音「それじゃあそろそろみんなと合流しましょう。確か中央広場だったと思うけど....」
    モモ「地図によると、お店出て左に直進ですね。」
    貴音「そうみたいね。行きましょうか。」

    みんなはどんな感じなのだろう。少し楽しみだ。
  29. 29 : : 2016/12/11(日) 15:03:02
    ーヒビヤsideー

    あれ?ここはどこだろう....

    目を覚ますと見知らぬ場所にいた。辺りが暗い。

    ヒビヤ「!?....え?コノハ....?」
    遥「ん....ん?あれ?ここはどこだろう?」

    この話し方はコノハではないな....

    ヒビヤ「遥さん....ですか?」
    遥「え?わぁ!体がコノハみたいになってる!」

    遥は自分の変化に興奮していた。遥はコノハとは違って、穏やかな元気さをもつ人だ。だからコノハの姿だと少し違和感がある。

    ヒヨリ「やっと起きたか。お二人さん....!」
    ヒビヤ「あ!ヒヨリ!そこにいたんだn」ドス
    遥「うぅっ....!」
    ヒビヤ「!?」

    遥さんの腹を殴るヒヨリ
    腹を抱えて蹲る遥
    目の前の明らかに異常な光景にヒビヤは身動きが取れなかった。
    よく見たらヒヨリの目が赤く染まっていた。

    ヒヨリ「やはり思った通りだ。この世界だと俺の自我が表面化しやすくなるなァ....!」

    ヒヨリの形をしたそいつは目を見開きヒビヤをにらんだ。あの目は....!

    ヒビヤ「ヒ、ヒヨリをどうするつもりだ!」

    ヒヨリ「この際この少女のことはどうでもいい。俺は繰り返すためならなんだってするつもりさ。せいぜい足掻けよ....!」

    辺りに広がっていた闇が解けていく。
    それと同時にヒヨリと蹲る遥は闇に呑まれていく。
    ヒヨリ「あばよ....!」




    気付くと僕は中央広場からはかなり遠くにいた。一刻も早くメカクシ団のみんなに合流しなければ。ヒヨリを、遥を助けるんだ!
  30. 30 : : 2017/01/08(日) 18:51:57
    ーシンタローsideー

    シンタロー「あの日以来だな。久しぶり」

    焼き付ける蛇「ふふっ....やっぱり覚えててくれるのは嬉しいことだね。」

    シンタロー「まだ1ヶ月しか経ってないだろ。忘れる方がどうかしてるさ」

    焼き付ける蛇「それもそうなのかも知れないけれど、僕にとっては1ヶ月も100年もそんなに違いは無いね。何千年分の記憶を持っているとはいえ、キミはやはり人間だったというわけだ。」

    シンタロー「そんな事よりどうしたんだ?何も無いのにお前が話しかける事なんて無かったはずだ。」

    焼き付ける蛇「キミも連れないなぁ... 僕がキミとお喋りしたがる可能性は考えないのかい?」

    シンタロー「....」



    焼き付ける蛇「まぁいいって事だよ。実際こうして出てきたのは話があるからなんだ。」

    シンタロー「話....?」

    焼き付ける蛇「ちょっと忠告をね。あの日、醒ます蛇の願いによって冴えるは凝らす少年と彷徨った少女の命の代わりになった。」

    シンタロー「命の代わりになった蛇に自我なんて存在しないはずだが....」

    焼き付ける蛇「....杞憂に終わればそれで良いんだけどね。キミはもう少し警戒する事を知るべきだよ。」

    シンタロー「ご忠告、ありがとよ」

    焼き付ける蛇「さあ、もう目を覚ます時間だ。盗む少年が呼んでいるよ」

    シンタロー「....」

    焼き付ける蛇「不安なのは僕も分かるけど、心配と警戒は違うよ」

    シンタロー「あんたが不安にさせたんだろ」

    焼き付ける蛇「そうだったっけね。それじゃあ、また今度。会った時に『久しぶり』って言い合おう。今日という日の事、忘れないで。」

  31. 31 : : 2017/01/08(日) 19:31:23
    「ーさん...」 「...タローさん....!」

    シンタロー「ん....?ん....」

    セト「シンタローさん、起きてくださいっす!」

    シンタロー「....?あぁ、セトか。すまない。」

    セト「シンタローさんがこんなに起きない人だとは思わなかったっす....」

    恐らくエネの毎朝のアラームによって睡眠中の衝撃の耐性が付いてしまったのだろうか....
    恐ろしい事である。

    シンタロー「今...何時?」

    セト「オープニングセレモニーまであと5分くらいっす。九ノ瀬さんとヒビヤくんとヒヨリちゃん以外はもう集合しているらしいっすよ。
    速く広場に行くっす!」

    シンタロー「おう....ってセト、待って、それはダメd....」

    セト「一緒に走るんじゃもう間に合わないっす!我慢するっす!」

    シンタロー「担ぐなら俺の背中を上にって、あああああ!!!!!!ギブギブ!吐いちゃうからぁ!!」

    セト「我慢するっす!」

    3分後、俺はセトに担がれ皆が待つ広場へ到着するも、盛大に吐いてしまうのだった。
    バーチャル空間なのにこんなに苦しみを感じるなんて良く出来ていると思う。
    楯山先生マジふざけんな

    モモ「お兄ちゃん、ちゃんと起きなきゃダメじゃない。」

    セト「良いんすよ、キサラギさん。半分俺のせいっすし....」

    半分かよ....半分か。そうだな。

    貴音「私のアラームじゃないと起きられないみたいね。」

    シンタロー「それに....関しては....俺は....100%あんたの所為だと思ってるぜ」

    貴音「それなら尚更いい気味だわw
    それにしても遥達遅いわね。もうすぐ始まっちゃうわよ....」

    キド「大方、かなり遠くに飛ばされたんだろう。俺たちも割と遠かったからな。」

    カノ(エネちゃん、2年前の仕返しがかなりエグいな〜 シンタロー君には悪いけど、僕は君のやった事を少し知ってるから、味方は出来ないよ〜)

    セト「え?シンタローさん何やったんすか?」

    カノ「!?ちょっと、唐突に盗むのやめて!?」

    セト「あれ?能力は発動してないのに!カノ、ごめんっす!」

    シンタロー「どうやらこの空間では能力がちょっと強まるようだな。榎本、あんたの目つきが少し改善されている。一瞬エネかと思ったぜ?」

    貴音「なっ///この姿の時その名を口に出すな!」

    シンタロー「事実なんだ。受け容れろw」

    キド「なるほど。消えやすいわけだ。」

    カノ「いろんな人にぶつかっちゃったよね〜
    あれ隠してたからだったんだ。」

    キド「この世界では制御に気をつけなければな。キサラギ、お前は特に気をつけろよ?」

    モモ「はい。そうします。」

    セト「そろそろ時間っすね。確かオープニングセレモニーにはお姉ちゃんが出演するんすよね?」

    マリー「わぁ、楽しみ。初代団長さんはどんなことするのかしら」

    セト「そうっすねぇ」

    突然、広場の中央の塔の展望台から煙が上がった。それとともに明るいファンファーレが鳴った。

    オープニングセレモニーの始まりだ。





  32. 32 : : 2017/01/08(日) 19:33:10




    すみません。>>29は私です。
  33. 33 : : 2017/02/09(木) 16:01:36
    〜アヤノside〜
    中央広場に歓声が巻き起こる。
    見渡せば、かなり多くの人に溢れているのが分かった。広場はそこまで広くはないが、恐らく500人以上はいる。
    オープニングセレモニーに参加していない人がいる事を考えれば、来場者は全部で1000人を超えるのではないだろうか?
    お父さんは案外すごい人なのかもしれない。

    アヤノ「今回はご来場頂きありがとうございます!今日から2日間、この街で非日常を楽しんで下さい!まずはスタッフの紹介をさせていただきます!」

    モラム「皆さんこんにちはー!楯山の助手のモラムです!私は街の本部で管制をしております!街の安全はこの私が保証致します!」

    ソウ「私はソウと申します!私は街を巡回しています!何かあれば私に連絡をして下さい!連絡先はパンフレットに記載されています!」

    アヤノ「私はアヤノと申します!私も街を巡回しています!他にも巡回しているスタッフはいるので、何かありましたら話しかけて下さい!
    赤い腕輪が目印です!」


    アヤノ「それでは続きまして、かの有名バンド、『Dead or obey』のライブに移りまーす!」

    ・・・
  34. 34 : : 2017/02/09(木) 16:13:58
    〜シンタローside〜

    オープニングセレモニーはものすごい盛り上がりだった。30分が一瞬で過ぎたかのように思えた。

    その後、俺たちは近くの団子屋で少し休むことにした。
    モモ以外の団員は人混み慣れしていなくて、少し参ってしまったのだ...マリーに至っては倒れちゃったし....

    カノ「いやいや〜、まさか姉ちゃんが大勢の前で喋れるとは思わなかったよ〜」

    キド「全くだな。目を疑ったぞ」

    モモ「私の未熟さを思い知らされました....」

    貴音「なんかアヤノちゃん成長したよねぇ...追いつかれ追い越された気分....」

    シンタロー(全くだなぁ)

    シンタロー「ちょっと風に当たってくる。酔ったっぽいわ」

    カノ「www行ってらっしゃーいwww」



  35. 35 : : 2017/02/11(土) 17:53:28
    道の脇には背の高いビルが並んでいた
    残暑が厳しいこの時期の太陽は、未だにコンクリートの地面を照らしていた

    シンタロー「あちぃ....くねぇな....」

    バーチャル世界なので暑さは感じないが、この風景は暑さを連想させる
    早く帰りたい。

    道の脇に目をやると、赤マフラーをつけた少女が裏路地へ駆けて行ったのを見つけた

    シンタロー「アヤノ?」

    俺も裏路地に入って行った


    幾ら追っても追いつけやしない
    右へ左へ走り、懸命に追った
    思ったより構造が複雑だな....

    数分経って、裏路地を飛び出すと、少女の姿はもう何処にも無かった

    シンタロー「何なんだよ....」

    中央広場が騒がしい。綺麗だの凄いだのと声が聞こえる。

    突然辺りが暗くなった。いや、これは空までもが....


    高く昇った太陽が黒く染まっていく



    シンタロー「皆既....日食....!」

    黒い太陽は怪しげな光を携えて空全体を黒く照らした

    ヒビヤ「やっと....会えた....!」

    シンタロー「ヒビヤ!お前も来てたんだな」

    ヒビヤは額に大粒の汗をかいて、肩で息をしていた。

    ヒビヤ「皆は...メカクシ団は今どこにいるの?」

    シンタロー「団子屋で一休みしてるが、一体どうしたんだ?」

    ヒビヤ「遥と、ヒヨリが連れ去られた....!」

    シンタロー「!」

    ヒビヤ「詳しい事は、皆のところに行くまでに話す!」

    シンタロー「あぁ、頼む」


  36. 36 : : 2017/02/11(土) 18:11:26
    〜アヤノside〜

    オープニングセレモニーは何とか無事に終了した。多分あんな事はもう一生やらないだろう。
    修哉達は大丈夫かなー。全員人混みがダメな人だし....


    モラム「いや〜アヤノさん、大成功でしたね!これからの仕事へのモチベが最高潮ですよ〜」

    アヤノ「本当に緊張しました....。ソウさんの台本通りにできて良かったです!」

    ソウ「めちゃくちゃ練習してたよね〜。もしかしたらこういうの向いてるんじゃない?」

    アヤノ「それは言い過ぎですよ〜」

    こういうのはきっとあの子が向いてるだろう。本人は否定するだろうけど、能力が無くてもあの子は人の視線を奪う何かを秘めてると思う。

    さあ、次はショッピングモールオープンの最終打ち合わせだ。

    アヤノ「モラムさん、ソウさ....!」

    振り返ると2人は頭を下げ、目を見開いていた
    その瞳は....赤く染まっていた

    アヤノ「ちょ...どうしたんですか?」

    肩に触れようとすると、2人は駆け出し、倉庫を飛び出した。私は勿論、それを追う。

    そんなはずは無い。もうあの悪夢は終わったのだ。

    ビルが立ち並ぶ道で2人の背を追った。その先にいたのは....

    アヤノ(シンタロー!?)

    彼に話しかけている場合ではない。とにかくあの2人を何とかしなくては。


    シンタローも気づいたらしく、追って来たが、振り向きはしない。

    しばらく走り、このまま路地裏の道を出るかと思いきや、脇の扉に入って行った。



  37. 37 : : 2017/02/11(土) 18:44:39
    扉の向こうに螺旋階段が有った
    上から足音が聞こえたので、私も構わず登っていく。

    シンタローはもう追って来ない。
    やはり見失ってしまったのだろうか....



    屋上....空は黒く染まっていた。


    かと言って雲は1つも無い


    モラムは紺のジャケットを、ソウは血赤色のコートを来ていた。


    モラム「久しぶりだな、最後の蛇よ。また会えて嬉しいよ」

    アヤノ「やっぱり貴方だったのね。冴える蛇!」

    モラム「フフフ、あの時はよくもやってくれたよ....まさか『目を掛ける』能力にあんな使い方が有ったなんてなぁ」

    アヤノ「ヒヨリちゃんはどうしたの?」

    モラム「蛇の力が増幅するこの空間でも、君たちはかなり強い力で僕を彼女の体に縛ったからなのか、なかなか抜け出せなくてね....『醒まして』ようやく自我だけが抜け出せただけだ」

    アヤノ「また貴方は遥先輩を....」

    モラム「おいおい、そう睨むなって....あの能力が便利なだけだ」

    モラムが目配せをすると、ソウが飛び降りた。

    アヤノ「何を!」

    モラム「安心しろ。あの体には醒ます蛇の意識を埋め込んである。既に醒ます蛇の意識を殖やしてこの街中にバラまく準備は出来てる」

    アヤノ「そんな事したってこの世界じゃ人を傷つけるなんて出来っこ無いわ!早く遥さんとヒヨリちゃんを返して!」

    モラム「システム設定の書き換えなんて朝飯前だぜ?」

    アヤノ「そんな....!」

    モラム「もうじき世界をまた戻す。お前の能力があれば早く済む。俺に協力しろ」

    アヤノ「拒否するわ。そんな事許さない!」


    護身用のカードから光の弓矢を召喚し、
    モラムへ放った。

    モラムもカードから赤いビームサーベルを召喚して矢を払った。

    モラム「ふん、まぁ当然か。さあ、幕開けだ。終わることのない最高の悪夢を始めようじゃないか」




    アヤノは必死に階段を駆け下り、路地裏の道を出た。

    アヤノ「1人でも多くの人を逃がさなきゃ....でもどうすれば....!」

    少女は自分の無力を嘆いた。


    太陽はまた光を取り戻し、下界を照らした

  38. 38 : : 2017/03/02(木) 11:04:02
    〜シンタローside〜

    シンタロー「はぁ!?あいつらは出ていった!?」

    俺とヒビヤは団子屋に戻ったが、メカクシ団のみんなは既に移動してしまったようだ。

    団子屋の店員「武器屋に行くと伝言を預かっていますが....」

    シンタロー「榎本だな....この大変な時にあいつときたら....!」

    ヒビヤ「言っても貴音さんたちもまだ知らない訳だし、シン兄もそんな怒らないで....」


    そう言ってヒビヤは「目を凝らし」た。


    ヒビヤ「見つけた!行くよ、シン兄!」

    シンタロー「あぁ、すまねぇ」
  39. 39 : : 2017/03/02(木) 12:46:18
    〜貴音side〜

    貴音「つぼみちゃんはこれが良いんじゃないかな?」

    カノ「おおっ!それ日本刀じゃん!なんかキドにピッタリだね〜」

    キド「そ、そうか!?」

    ナイトメアシティには闘技場もあって、武器を使ってバトルをすることも出来るらしく、私はその為の武器を買いに行く事を提案した。
    意外にもつぼみちゃんが快く了承してくれ、こうしてみんなで武器を選んでいる。
    つぼみちゃん嬉しそうだな。決めポーズまで決めて。

    カノ「僕はこれにしようかな〜」

    カノはナイフを選んだ。

    セト「俺はこれにするッス!」

    セトはハルバートを選んだ。

    マリー「私はこれにする〜」

    マリーちゃんは手榴弾をたくさん持ってる。
    お人形のような女の子が手榴弾を持っている図はなかなか破壊力があるw

    モモ「私はこれで!」

    モモちゃんはモーニングスターを選んだ。

    私は何を選ぶかって?
    そりゃあもう二丁拳銃で決まりでしょ!

    棚に置いてある拳銃を2つ取ろうとした時店のドアが勢いよく開いた。

    シンタロー「お前らこんなところで何しt」

    モモ「遅いよお兄...ヒビヤくん、久しぶり!来てたんだね。それよりさ、闘技場でバトルっていうのがあるんだけど2人はどんな武器にする?」

    ヒビヤ「え、あぁ、じゃあ鎖鎌で。」

    シンタロー「俺はライフルで....じゃなくて!
    今大変なんだよ!遥先輩とヒヨリが冴えるに連れてかれたんだよ!」

    一同は静まり返る。
    遥が?なんでまた遥が?

    カノ「ちょ、ちょっと待ってよ!冴える蛇はあの時もう....!」

    シンタロー「俺もそう思っていたが....まだ日も浅いから自我が目覚めたんだろうな....」

    キド「冴えるって確かお前やカノが言っていたカゲロウデイズを仕組んだっていう蛇だよな?」

    シンタロー「あぁ、情報が少なすぎて何が起ころうとしてるのかサッパリだが、とにかくまずい事は確かだ。」

    モモ「私たち、殺されるの....?」

    マリー「えぇ....!」

    シンタロー「この世界でそんな事が出来るとは思えねーけど、冴えるの事だしシステムの書き換えくらいやってのけるだろうな。遥先輩、ヒヨリちゃんやアヤノを連れて一刻も早くログアウトしないと....」

    もう訳が解らない。この悪夢はどれだけ私たちを追いかけてくるんだ

    貴音「じゃあ早く逃げよう!ここは危険だわ。」

    シンタロー「焦るな榎本」

    貴音「早くしないとみんな死ぬってのに何があるって」

    シンタロー「いいから聞け!」

    貴音「....」

    シンタロー「この世界からログアウトする事が勝利条件だ。ゲートをくぐればクリアだな。敗北条件はいくつかある。まず1つ目はマリー、お前が連れてかれればアウトだ。冴えるがどんな手を使ってでもマリーにループを誘発させるハズだ。
    そして2つ目。遥先輩の意識が完全に消えたらアウトだ。これは前にも話したが、遥先輩が冴える蛇に取り憑かれれば俺たちに勝ち目はない。遥先輩の意思があるうちは取り憑くことはできないが、恐らく時間の問題だろうから早く救出したいところだ。
    そして、取り憑く時に冴える蛇はヒヨリちゃんの体を抜ける。」

    ヒビヤ「それじゃあヒヨリは....」

    シンタロー「大丈夫だ。それまでになんとか助けよう。」

    シンタロー「そして3つ目。多分これが最も重要だ。誰かが死んでしまう事だ。俺もそうだがお前達も誰かを見捨てて逃げるなんて出来っこないだろ。敵は強力だろうから1人欠ければ俺たちには歯が立たない。倒れた仲間を置いて逃げるしかない。」

    全員「....」

    シンタローは酷く暗い表情をしていた。
    状況が深刻である事がうかがい知れる。

    シンタロー「そこで、だ。手分けをする。救出班と脱出班だ。
    救出班は遥先輩達を救出する。これは俺、カノ、キド、ヒビヤで行く。
    脱出班はセト、モモ、榎本、マリーだ。
    榎本、脱出班の指揮はお前が取れ。目が覚める能力を持つお前はこの世界ではコノハみたいに自在に動くことができると思う。
    ....頼むぞ。」

    真剣な表情。
    大丈夫よ。あなたの妹は私が守る。死なせはしない。シンタロー、「相棒だった戦友」に大事な人を託されたのだ。失敗は絶対にしない。

    貴音「了解よ!」

    ご主人。と心の中で付け足した。

    キド「マリーやキサラギを頼むぞ」

    セト「任せろっスよ!」

    カノ「よーし!それじゃあ張り切って、レッツ」





    「キャアア!」「なんだお前は!グアアッ!」

    外から大きな悲鳴が起こった。

    一同は慌てて外に飛び出し、目を疑った。

    貴音「なん...で?」

    シンタロー「コノハ....ではなさそうだな...」

    醒ます蛇「コノハ....?」

    服装や体型、首を傾げる動作はコノハそのものだが、コノハ特有のピンク色の目は真っ赤に染まっていた。
  40. 40 : : 2017/03/15(水) 17:20:18
    醒ます蛇「女王は....どこ?」

    やはり狙いはマリーか....

    シンタロー「質問の前に、その人を離せ」

    醒ます蛇は脇に中年の男性を片腕で抱えていた
    恐らくパワーはコノハと変わらないと思っていいだろう。

    醒ます蛇「答えてくれないなら....」

    一同「!!」

    目を疑った。あのコノハが人の胸を拳で貫いたのだ。

    貴音「やめてよ!コノハ!なんで罪のない人を」

    醒ます蛇「コノハって....何?」

    貴音「嘘....でしょ....」

    男性の姿が崩れていき、ポリゴンとなって消えた。

    シンタロー「あいつは今操られている。恐らく冴える蛇の仕業だ。」

    ここにいるのはマズいな....

    シンタロー『おい、お前ら、さっき言った手分け....!」

    後ろを振り返ると、冴える蛇がビルの屋上から飛び降り、メカクシ団の前に現れた。

    ヒビヤ「コノハが2人....!」

    貴音「マズイわね。シンタロー達は遥の救出に向かってちょうだい。ここは私達に任せて。」

    シンタロー「すまねぇ....行くぞ!キド!」

    キド「問題ない」

    キドはシンタロー達を『隠し』、ヒビヤは目を『凝らし』た。

    ヒビヤ「見つけた!付いて来て!」

    シンタロー「でかした!」

    4人は走り出した。


  41. 41 : : 2017/03/15(水) 17:22:29
    〜貴音side〜
    シンタロー達は姿を消して行ったようだ。私達は今醒ます蛇2人に囲まれている。

    貴音「セト、モモちゃん、マリーちゃんを護るわよ!」

    醒ます蛇「女王を渡してもらうよ?」

    セト「させないっスよ!」

    貴音は目を赤くした。体中にパワーがみなぎる。電脳世界で『覚める』力は醒ます蛇にも匹敵する。
    段違いのスピードを以って醒ます蛇の攻撃をかわし、空を飛べば、醒ます蛇も追うために跳ねる。思った通りだ。

    貴音「空中では身動き取れないんじゃないの?」

    貴音は口角を上げ、醒ます蛇を拳銃で撃ち抜いた。醒ます蛇はポリゴンとなって消える。

    貴音「一丁上がり!」

    セトも目を赤くした。醒ます蛇が飛び出すが、相手の心理を『盗む』事が出来るセトは行動を先読みし、ハルバートで醒ます蛇のパンチを往なす。セトは醒ます蛇の体を持ち上げ、空中に放り出す。

    セト「今っス!」

    その掛け声でモモとマリーは目を赤くし、
    醒ます蛇の目を『奪い』視線を『合わせる』

    醒ます蛇「しまった....!」

    醒ます蛇はあっけなく石化し、地面に落ちた衝撃で砕け、これもまたポリゴンとなって消えた。

    マリー「私の力も強化されてる!」

    モモ「カノさんにかけちゃう前に気づいてよかったね....」

    貴音「よし!またいつあいつが来るか分からないし、さっさと行っちゃいましょう!」

    セト「マップによると、2つ目の交差点を右折っスね」

    私達は走り出した。
  42. 42 : : 2017/03/15(水) 17:22:48
    >>40は私です

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