このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
白く塗り潰された黒は転生するか?
- 東京喰種トーキョーグール
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- 1 : 2016/06/29(水) 01:01:42 :
- 【グロ描写あり】
時系列的に原作7〜14巻辺り。
まだ読んでない方にはおすすめ出来ません。
ストーリーは基本原作に沿うと思いますがなるべく変更させて行きたいです。
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- 2 : 2016/06/29(水) 01:16:31 :
- #001『孤独』
「う……うぅ…」
異様な程に広い空間の中、ポツンと椅子に座っている青年は啜り泣く。
傍らにはバケツが置いてあり、おびただしい数の細切れにされた指が入っている。
どれも赤黒く変色し、見る影も無い。
既に青年の黒かった髪は過度の恐怖、ストレスなど様々な感情のせいで白く染まっていた。
彼は壊れる1歩寸前。
ギィィィィ…
暗がりへ差し込む光が目に痛い。
ーーーーだが、もう『それ』を楽しむ感情は全て捨てた。
バタン……
屈強な体格をした金髪の男が入ってきた。
「金木くん…今日もやるよ…」
髪を捕まれ強引に顔をあげられる。
その男ーーヤモリの目は異様な程に血走っており、興奮していた。
「ーーーーー拷問」
それは、いつもの日常を繰り返す如くーー静かに行われる。
「993…ぎぃッ……はっ…896…っ…あ"ッ…は、は…8…はっぴゃくはちじゅっ!?…ぃっ」
パツン、パツンと指が簡単にもげてゆく。
ーーー気が、狂いそうだ。
ここに居ると、時間の感覚も分からなくなってくる。あぁ…今、何時?
パツンという音と男の荒い鼻息、そして僕の声だけが響く。
最初は黒かった髪も、気が付けば白くなっていた。
………いつまで、続くのだろう…
ーーー飽きられ、捨てられるまで?
ーーー壊され、潰れるまで?
……もう、どうでもいいや…
「今日はこれくらいにしようか…」
椅子の下は血で染まり、黒白タイルに赤が加わった。
男は拷問用具を持ち、外へ出ていった。
「…………………」
もう、限界だ…。
でも…未練は…沢山…あ…る。
死ね………な……い…………し……ね………
「金木クン?どうしたの、そんなに白くなっちゃって♪」
場違いな程陽気な声、振り向けばーーー
「………リゼ……さ…ん……?」
全ての元凶が、そこに居た。
#002へ…
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- 3 : 2016/07/02(土) 07:13:40 :
- 期待です!
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- 4 : 2016/07/02(土) 08:06:27 :
- 期待!
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- 5 : 2016/07/02(土) 11:56:42 :
- 期待ありがとうございます!
テストが終わったら続き書きますので…(´;ω;`)
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- 6 : 2016/07/02(土) 22:19:38 :
- がんばwてー
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- 7 : 2016/07/10(日) 19:44:18 :
- #002 『傷つけるより傷つけられる人に』
「久しぶりね、カネキくん」
彼女は僕の首に手を添えクスクス、と笑った。
「あなた、髪の毛真っ白じゃない」
僕は呆然としていた。
「ーー笑える」
僕の喉から出た声は掠れていた。
「リゼさん君……生きて…」
「『傷つけるより傷つけられる人に?』……本気でそう思っているの?」
リゼさんは嘲るような顔で囁いた。
「……母さんが、僕にそう教えてくれた…だから…」
少し目線を下げてしまった。
「だから?」
耳元で囁く。
「言いつけを守って生きてるの?」
………つい黙ってしまう。目の前の虚構が現実の物に見えてきて。
「……『あれ』は誰のお葬式かしら?」
「………?」
一瞬、彼女の言っている事が理解出来なかったが、目の前の光景を見て。
「……!………父さん?」
床に均等に敷き詰められたタイルの上に佇む棺桶。それの周りに人が群がっている。
「あなた…お父様を亡くしていたのね」
リゼさんもそれを見ているようだ。
「う…うん、4歳の時だから…正直、父さんの顔もほとんど覚えてないけど…」
……骨を、拾うーーー
「骨を拾った事は憶えてる…。でも、それが何なのかもよくわからなかった」
言葉を紡ぐ。
「ただ、『凄く怖い事が起きてるんだ』って…漠然とした恐怖は感じてた」
リゼさんが僕の肩に手を載せる。
「聞かせて……話を」
「………」
#003へ…
今回短めですが用事も終わったのでちょっとずつ更新していきます!
ふぅ…
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- 8 : 2016/07/18(月) 18:45:35 :
- 期待です!カップはありますか?
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- 9 : 2016/07/21(木) 18:40:53 :
- 期待
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- 10 : 2016/08/02(火) 23:05:58 :
- 全然更新出来ない…色々やることが多すぎる…
はい、すみませんでしたm(_ _)m
#003『あなたの母親は』
カネキは口を開いた。
「父さんがいなくて寂しいと感じた事はそんなになかったけど…」
「どんな人だったんだろうってすごく気になってた…」
カネキは床をボーッと遠い目で見つめていた。
「読書家だったから、家に沢山の本があったな…」
ーーー父が読んでいた本を読むと、亡き父と対話してるような気持ちになれて…
「古本の匂いは今でも落ち着く…本が好きになったのはその時からかな…」
「……母さんの話だっけ?」
カネキは話を続ける。まるで走馬灯のように。
「そうだな………」
ーーー母さんは解らない文字があると仮名をふって、僕に意味を教えてくれた。
母さんはいつでも優しかった。1人っ子でも寂しくは無かった。
………本当に本当に、すごく立派な人だったんだ。
仕事もこなして家事もこなして誰にも迷惑かけずに……。
誰にも平等で優しい母は、『僕の自慢』だった。
母が作るハンバーグが、特に好物だったんだ。
「…………もうどんな味が思い出せない」
そういったカネキの顔はどこか嬉しそうだった。
「………今じゃ思い出しようも無いわ」
リゼさんもどこか悲しげに見えた。
「ーーでも」
「………!」
「あなたの母親は『優しくて立派な人』
………本当にそうかしら」
「……どういう意味?」
リゼは冷たい目でカネキを見下ろしたーーー。
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