この作品は執筆を終了しています。
あなたの見る世界に私は...
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- 1 : 2016/06/09(木) 22:58:08 :
- おはこんばんちは!
ss2作目行ってみたいと思います。
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- 2 : 2016/06/09(木) 23:10:51 :
- 「はぁ...」
一人の女性がベンチに腰を掛け、ため息をついていた。
歳は40前半だろうか、きれいな紫色の髪に数本の白髪が混じっている。
時刻は午後3時。
公園には彼女以外の姿は見られない。
(こんな時、あなたがそばにいれば少しは楽になれたのかしら)
思い出を懐かしむような目をしたのち、彼女は立ち上がった。
「やっぱりあなたは生意気よ...」
女性はそう呟くとどこかへと歩いてった。
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- 3 : 2016/06/09(木) 23:23:10 :
- 誰もいなくなってしまった公園の真ん中には、ビルの5階ほどの高さの木が力強く根を張っていた。
これは10年ほど前に一人の青年が植えたものらしい。
青年が何の目的でこの木を植えたのかは分からないが、今ではこの木は市内での待ち合わせの定番になっていた。
この木の放つ不思議な雰囲気も多くの日人が待ち合わせ場所にする要因かもしれない。
太陽を浴びて穏やかな雰囲気をあたりに漂わせているその姿はまるで”無理しなくても良いんだよ”と言っているようだった。
きっと青年もこんな雰囲気だったことだろう。
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- 4 : 2016/06/09(木) 23:44:12 :
- 昔話をしよう。
とても正気の沙汰とは思えない事件に巻き込まれてしまった少年と少女の話を。
今から30年ほど前、人々は世界に絶望し、さらなる絶望を求めて親兄弟恩師たちを殺していくという最悪の状況になっていた。
事件の原因はたった一人の少女であったというのは信じがたいものであった。
中でも最も理解に苦しんだのはその少女が行った事件の一つであろうか。
それは数人の男女を閉じ込め、コロシアイをさせるといったものだった。
だが、少年たちは希望を捨てずに少女に立ち向かっていった。
結果、少年たちは犠牲を出したものの何とか助かることができた。
心に深い傷を負ったまま。
その後未来機関の職員として働いたが、大半がその傷がもとになって5年ほどで退職していった。
先ほどの女性も退職していったうちの一人である。
彼女の名は霧切響子。
ほかの職員とは違い、精神をやんでしまっていたわけではなかったが彼女は今平穏な日々を過ごしていた。
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- 5 : 2016/06/10(金) 00:13:05 :
- あのころには考えられなかったような穏やかな日々を...
「今日も一日変わらず平和よ」
仏壇の前に座り、一枚の写真を手に持ち、そうつぶやいた。
写真の青年はその幼い顔のせいか、スーツを着ているのに中学生であるかのようにみえる。
彼女はその姿を愛おしそうに見つめ話しかけているようだった。
「ねえ、あなたならこんな気持ちになったときどうするのかしら」
彼女はぽつぽつと悩みをはなしはじめた。
「未来機関を去ってからかなりの時間が流れ、私たちの中で生き残っているのはもう私だけになってしまったわ」
「だからかしら、最近あなたたちの分まで何かをしなきゃいけない気がして仕方がないの」
「私らしくないのは分かっているんだけど、どうしてもかんがえてしまうのよ」
「あなたならこんな時どうしたのかしら...」
そこまで言うと自嘲気味な笑みを浮かべてため息をついた。
「...写真に相談するなんて疲れているわね」
そういうと、仏壇の上に写真をふせた。
「ん...これは...」
写真のうらには一言のメッセージが書かれていた。
彼女はそれを読むと微笑み立ち上がった。
「...苗木君のくせに生意気よ」
懐かしいセリフと共に。
”思うままに生きていってね”
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- 6 : 2016/06/10(金) 00:15:50 :
- 終わりです~。
読んでくれてありがとうございました!
それではおやすみなさーい!
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