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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

オソマツロンパ 希望の六つ子と絶望の学園

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  1. 1 : : 2016/05/07(土) 12:35:01
    今回が初ssです。

    ・ダンガンロンパとおそ松さんのクロスオーバー
    ・おそ松さんキャラの出番はチョロ松及び一松がほとんど
    ・キャラ崩壊及び独自設定があります

    何卒よろしくお願いします。
  2. 2 : : 2016/05/07(土) 12:39:45


    あらゆる分野で超高校級と呼ばれる才能を持つ高校生だけが通うことができる私立希望ヶ峰学園。


    そんな学園とは無縁のはずなのに、僕はその学園の前に立っている。


    なぜそうなったのかというと、希望ヶ峰学園から僕たち六つ子宛に手紙が届いたのだ。



    『あなた方を”超高校級の六つ子”として我が学園に招待します』



    まさか成人済みの僕たちが特例で入学できるなんてね。


    僕たち兄弟はもちろん、母さんも父さんも大喜びしたよ。穀潰しが役に立ったって。

    …うん、否定できないね。ホント。


    勿論六人全員同じ学年というわけではなく、1学年に2人ずつ入学することになった。

    去年は上2人が入学して今年は僕たちの番だ。


    そろそろ自己紹介とかしたほうがいいよね。


    僕は松野家の三男、松野チョロ松。


    一応兄弟の中ではまともだと思っている。ドルオタだのシコ松だのライジングシコースキーだの言われているがまともだと思っている。

    僕と四男の一松はこれから希望ヶ峰学園78期生として学園生活を送ることになる。

    どんなクラスメイトと出会うのか楽しみだ。


    チョロ松「一松はもう先に行ってるし、僕もそろそろ行くか」


    これからの学園生活を楽しみにしつつ、学園内に足を踏み入れた。



    そして僕は突然気を失ったのだ。

  3. 3 : : 2016/05/07(土) 12:43:03

    プロローグ 希望ヶ峰学園にいるのはよい子だけ?



    チョロ松「…あれ、ここって教室?」


    僕が目を覚ますと、見慣れない教室があった。

    見慣れないのも当然だよ。監視カメラとかあるし、窓に鉄板打ち付けられているし。


    チョロ松「とりあえず探索してみようか」


    色々と学園内を探索して、体育館に着いた。

    やたらにぎやかな話し声が聞こえる。とりあえず入ってみようか。


    体育館に入ると、そこには15人ほどの生徒がいた。

    彼らが僕のクラスメイトかな? なんていうか、すごく個性的だ。

    とりあえずみんなと自己紹介でもしようか。
  4. 4 : : 2016/05/07(土) 12:46:31

    葉隠「ん? オメーもこの学園に入学したのか? 何か雰囲気似てるし、よろしく頼むべ」

    超高校級の占い師 葉隠康比呂


    チョロ松(何か僕たちと同じ雰囲気感じるな、ダメ人間的な意味で)



    山田「17人ですか…これで全員ですかな? よろしく頼みますぞ」

    超高校級の同人作家 山田一二三


    チョロ松(この人は僕だけが似てるかも)



    石丸「君もここの生徒か? よろしく頼むぞ!!」

    超高校級の風紀委員 石丸清多夏


    チョロ松(暑苦しいな、色々な意味で)



    江ノ島「こんなとこで何させられるのだか…、まぁとりあえずよろしく」

    超高校級のギャル 江ノ島盾子


    チョロ松(あれ? ギャルなのにそれっぽいオーラとか感じないけど…?)



    不二咲「君もここの生徒だよね、これからもよろしくねぇ」

    超高校級のプログラマー 不二咲千尋


    チョロ松(すごくカワイイ、トト子ちゃんの次くらい)

  5. 5 : : 2016/05/07(土) 12:47:12


    セレス「全員が学園内に閉じ込められるなんて状況ですけど、下僕として期待しますわ」

    超高校級のギャンブラー セレスティア・ルーデンベルク


    チョロ松(いや、下僕って…)



    大和田「チッ、妙なことしやがる…、まぁよろしくな」

    超高校級の暴走族 大和田紋土


    チョロ松(怖ッ!? こんな人も入学するの!?)



    桑田「こんな状況だけど何かオメーとは上手くやってけそーだな♪ 何でか知らねぇけど」

    超高校級の野球選手 桑田怜恩


    チョロ松(おそ松兄さんに似てるな、主に声が)



    朝日奈「特別なイベントかな? とにかくよろしくね」

    超高校級のスイマー 朝日奈葵


    チョロ松(おっぱいデカいな)



    大神「…よろしく頼む」

    超高校級の格闘家 大神さくら


    チョロ松(えーっと、女の人…ですよね?)

  6. 6 : : 2016/05/07(土) 12:47:44


    腐川「どうせあたしの事なんかすぐに忘れるでしょうけど…、よろしくとだけ言っておくわ」

    超高校級の文学少女 腐川冬子


    チョロ松(一松を女にしたらあんな感じになるのか?)



    十神「目障りだ、今すぐ俺の視界から消えろ」

    超高校級の御曹司 十神白夜


    チョロ松(クソうぜぇ…)



    霧切「あなたも新入生なのね…よろしく」

    超高校級の??? 霧切響子


    チョロ松(何か近寄りがたいな…)



    チョロ松(えーっと、あとは…)


    舞園「初めまして、あなたも新入生ですよね?」

    超高校級のアイドル 舞園さやか
  7. 7 : : 2016/05/07(土) 12:52:54


    チョロ松「え…あ、は、はい! そうです!」

    (すごッ!? 本物のアイドルだよ)


    チョロ松「えっと、僕の名前は


    舞園「松野チョロ松君ですよね?」


    え、何で分かったの?」


    舞園「エスパーですから…、冗談です。教えてもらったんです」


    チョロ松「それって…」


    舞園「はい。あなたの弟さんから話は聞いています。そこにいますよ」



    一松「……」

    超高校級の六つ子 松野一松



    チョロ松「一松のやつ隅っこで座って…家にいるときと同じじゃないか」


    チョロ松「何かごめんね、一松はああ見えて


    舞園「意外と優しい人なんですよね?」


    …それもエスパー?」


    舞園「ただの勘ですよ」


    「舞園さん、その人は誰?」


    舞園「この人は一松君のお兄さんの松野チョロ松君ですよ、苗木君」



    苗木「初めまして、超高校級の幸運の苗木誠です」

    超高校級の幸運 苗木誠
  8. 8 : : 2016/05/07(土) 12:54:29

    チョロ松(超高校級の幸運…確か平凡な学生から抽選で選ばれた人がそう呼ばれるんだよな)



    苗木「それにしてもチョロ松さんって六つ子なんですよね? 驚きましたよ」


    チョロ松「敬語とかいいよ何かかったるいし。あとそんなに嬉しくはないからね」


    苗木「…それでもボクみたいな取り柄もない人間がみんなと学園生活を送るなんて夢みたいだよ」


    チョロ松「僕たちも夢だと思ってるよ。六人全員無職なのにこんな素敵な学園に入れるなんて」



    一松「いつまで話してんの?」


    チョロ松「うぉ、びっくりした…。どうした一松?」


    一松「いや、今の状況ってどう考えてもヤバいじゃん。閉じ込められてるし、それだけで済むとは思わないんだけど」


    苗木「オリエンテーションとかじゃないかな?」


    チョロ松「そうだって一松。いくらなんでも不安になりすぎ…



    「あ~、あ~、マイクテス、マイクテス。オマエラ聞こえてますか?」


    …!?」


    突然鳴り響いたスピーカーに全員が反応した。
  9. 9 : : 2016/05/07(土) 12:55:53

    朝日奈「だ、誰!? どこにいるの?」


    「ボクはここだよ~」



    そう言いながら体育館に現れたのは、半分が白、半分が黒のクマのぬいぐるみのような奴だった。


    モノクマ「ボクの名前はモノクマ。この学園の学園長なのだ!!」

    希望ヶ峰学園学園長 モノクマ



    え? あんなクマが学園長? 何か一気に不安になったんだけど…。

    どう考えても声があれだよね? 22世紀の有名なロボットのドラ…


    モノクマ「ドラ○もんじゃなくて、モノクマなんですけど!!」


    お前もエスパーかよ!?


    チョロ松「…大丈夫かな、この学園」


    一松「不安になりすぎとかいって、自分が不安になってたら世話ないんだけど」


    チョロ松「一松はどうなんだよ。あんなクマが学園長とか」


    一松「どうせならネコがよかった」


    チョロ松「ぶれねぇなホント」



    モノクマ「簡単に言うとね、オマエラには一生ここで学園生活を送ってもらいます」


    苗木「一生って、どういうこと? 外へ出るとかは…」


    モノクマ「一生は一生だよ。ずっとこの学園にいるの。もちろん外にも出られません!」


    江ノ島「はぁ!? 何ふざけたこと言ってんの!?」


    モノクマ「ふざけてなんかいないよ。ボクは大マジメだよ。…まあ、あることをすれば外に出られるけど」


    不二咲「あることって…?」



    モノクマ「それはね…、人が人を殺すことだよ」
  10. 10 : : 2016/05/07(土) 12:57:14


    山田「人を…殺す?」


    石丸「殺人だと!? 何を言っているのだね!?」


    モノクマ「殺し方は問いません。どんな方法でも誰かを殺せば外に出られます! 希望が見えてきたね~」


    一松「殺人の時点で希望もクソもないんだけど」


    モノクマ「ここでの生活は基本自由だから、思う存分コロシアイましょー!」



    大和田「誰がオメェに従うか! ふざけんのも大概にしろよ!」


    モノクマ「ふざけてるって、キミの髪型のこと? 今時リーゼントとか時代遅れだよね」


    大和田「んだとゴラァ!! てめぇはミンチにして潰してやるよ!!」


    モノクマ「が、学園長への暴力は校則違反だよ~!」



    大和田くんがモノクマを掴んで持ち上げている。すると、妙なタイマー音が鳴り始めた。



    ピッ…ピッ…ピッ…



    一松「…今すぐそいつを放り投げろ!!」


    大和田「あァ? 何言って…」


    一松「いいから早く!!」



    普段からは想像もつかない声を出している一松の表情を読み取ったのか、彼は掴んでいるモノクマを天井に放り投げた。すると…



    ドォォォォォォォォン



    突然、モノクマが爆発したのだ。

  11. 11 : : 2016/05/07(土) 12:57:56


    桑田「ば、爆発した!?」


    セレス「もしあのまま放り投げなかったら、彼もただでは済まなかったでしょうね」


    大和田「えっと、一松だったか? 助かった」


    一松「…別にいいよ」



    モノクマ「これでボクの本気が分かったでしょ? 次からはこれくらいじゃ済まさないからね」


    そういうとモノクマはどこかへ消えていった。



    舞園「こ、殺し合いって…」


    苗木「どこが希望の学園だよ。これじゃ絶望の学園じゃないか!!」


    苗木くんの言うとおりだ。

    僕たちはこの学園で希望あふれる学園生活を送るはずだったのに…




    気づけば絶望あふれる学園生活を送ることになってしまった…。

  12. 12 : : 2016/05/07(土) 12:58:23


    プロローグ 希望ヶ峰学園にいるのはよい子だけ? END

    コロシアイ学園生活参加者

    松野チョロ松
    松野一松
    苗木誠
    石丸清多夏
    十神白夜
    大和田紋土
    桑田怜恩
    山田一二三
    葉隠康比呂
    舞園さやか
    霧切響子
    朝日奈葵
    腐川冬子
    大神さくら
    セレス
    江ノ島盾子
    不二咲千尋

    残り17人

  13. 13 : : 2016/05/07(土) 13:00:18
    以上でプロローグ終わりです。

    一応完結まで書き溜めしているんですけど、初めてなので緊張しています…。

    色々とよろしくお願いします。
  14. 14 : : 2016/05/07(土) 19:23:13
    これから1章を投下します。

    この章はチョロ松視点で進行します。

    それでは引き続きよろしくお願いします。
  15. 15 : : 2016/05/07(土) 19:24:47


    CHAPTER1 オモイキル (非)日常編


    コロシアイ学園生活 2日目


    <チョロ松の個室>


    チョロ松「……」


    僕はモノクマに配布された電子生徒手帳を開いて、校則を確認した。


    校則


    1.生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。
    共同生活の期限はありません。


    2.夜10時から朝7時までを”夜時間”とします。
    夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。


    3.就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
    他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。


    4.希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。
    特に行動に制限は課せられません。


    5.学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。
    監視カメラの破壊を禁じます。


    6.仲間の誰かを殺したクロは”卒業”となりますが、
    自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。


    7.同一のクロが殺せるのは3人までとします。



    なお、校則は順次増えていく場合があります。


  16. 16 : : 2016/05/07(土) 19:25:45


    チョロ松「夢だったらよかったのにな…」


    だけど個室にも打ち付けられている鉄板や校則にある『殺す』の言葉で昨日の状況が現実だということを思い知らされる。


    チョロ松「そろそろ朝食会に行かないと」


    僕は食堂へと向かった。


    <食堂>


    石丸「それでは朝食会を始める。いただきます!!」


    僕たちは毎朝8時に全員で朝食をとることにした。


    ちなみにこの朝食会は石丸くんの提案である。

    親睦を深めることが主な目的だけど、全員の安否の確認や情報交換にも適しているので特に反対はなかった。

    昨日の報告会で寄宿舎に全員分の個室があること、食堂の食料は毎日補充されること、2階へのシャッターが降りていたこと、出入り口が封鎖されていることなどが分かった。


    また、朝食会を行うことのほかに、夜時間は基本的に出歩かないことを決めた。


    ちなみに一松の個室は葉隠くんの向かい側、僕の個室は…トイレの近くだ。


    何これ!? イジメなの!?


    一松「シコ松にはお似合いじゃないの?」


    チョロ松「誰がシコ松だ!!」


    セレス「朝食時に下品な話をしないでもらえますか? 食事が喉を通らなくなりますので」


    山田「でもなんというか…お気の毒ですな」


    朝食会のあと探索を行ったけど、大した成果は得られなかった。

  17. 17 : : 2016/05/07(土) 19:26:33


    <購買部>


    一松「……」チャリン ガシャッ


    チョロ松「何やってんの一松?」


    一松「いや、メダル拾ったから回してんだけど…」


    チョロ松「ああ、このメダルってここで使うんだ」E:モノクマメダル


    チョロ松「ちなみに何が当たったの?」



    動くこけし ゲット!


    一松「…おお、神よ( T – T )」


    チョロ松「残念だったね」


    チョロ松「とりあえず僕も回してみるか」チャリン ガシャッ


    動くこけし ゲット!


    チョロ松「…あー」


    一松「……」


    …それは六つ子だけのクリスマスプレゼント交換で全員エロDVDだったときの雰囲気に似ていた。


    一松「まあ、夜に使えs」


    チョロ松「使わないからね?」
  18. 18 : : 2016/05/07(土) 19:27:32


    コロシアイ学園生活 3日目



    <ランドリー>



    今日は朝食後に桑田くんと一緒に兄弟のことについて話した後、一緒に洗濯をすることにした。


    洗濯機が止まるまでの間雑誌を読んでいたんだけど…


    チョロ松「江ノ島さんって雑誌と全然イメージ違うな」


    桑田「だよなー。メイクであんなにも変わるもんだな」


    チョロ松「ところで野球はもうやらないの?」


    桑田「まぁな。野球ってしんどいし、やっぱモテるにはミュージシャンが一番っしょ!!」


    チョロ松「まぁ別にいいけどさ。ただ、十四松が野球好きだから桑田くんに教えてもらおうかなって」


    桑田「教えるぐらいならいいぜ? 何ならサインもつけるからさ」


    チョロ松「あんがと。ところでさっきから気になるんだけど、上に干してあるあれって…」


    桑田「ああ、なんでスクール水着があるんだろうな? 朝日奈あたりか?」


    チョロ松「…ちょっと見てみる? べ、別にやましい気持ちとかじゃないから」


    桑田「そ、そうだよな。あくまでも好奇心でだな」
  19. 19 : : 2016/05/07(土) 19:28:26


    ゴソゴソ


    チョロ松「さてと、いったい誰の…!?」


    桑田「おい、どうしたチョロま…!?」



    『 葉 隠 』←名札に書かれている



    チョロ松「……」


    桑田「……個室行くか」



    <桑田の個室>



    桑田「ふざけんな!! アホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホ…」


    チョロ松「ケツ毛燃えるわボケが!!!」


    結局僕たちは見なかったことにした。

  20. 20 : : 2016/05/07(土) 19:29:02



    コロシアイ学園生活 4日目



    <食堂>



    それは、朝食会が終わってすぐだった。


    モノクマ『えー、校内放送、校内放送。オマエラ、今すぐ体育館に集合しなさい! 来ないとオシオキだよ!!』


    チョロ松「何を始める気なんだ…?」


    言われるがままに僕たちは体育館へと向かった。


    <体育館>


    モノクマ「えー、いつまでたってもコロシアイが始まりません。

    オマエラゆとり世代か!? 誰かに言われなきゃ何もできないのか!? 

    …と考えていましたが、ボクは忘れていたのです。コロシアイに必要な要素、つまり動機をね」


    十神「何が言いたい? はっきりしろ」


    モノクマ「じゃじゃーん! D・V・D!!」


    モノクマ「これには外の世界の様子が入っています。

    オマエラ一人一人に差し上げちゃいますので視聴覚室で各自確認してください!!」


    チョロ松「これってモノクマの罠なんじゃ…」


    霧切「たとえ罠だとしても、確かめる必要があるわ」

  21. 21 : : 2016/05/07(土) 19:30:25


    <視聴覚室>



    このDVDの中身…それは、



    十四松『映ってる!? 映ってんのこれ!? チョロ松兄さーん、一松兄さーん! 元気ですかーーー!?』


    トド松『そんなに大声出さなくてもいいから十四松兄さん。元気にきまってんじゃん』


    松造『父さんはうれしいぞ。こんなすごい学園に通えるとは思わんかった。しかも特例で入学なんてな!』


    松代『母さんも父さんと同じよ。卒業したらクラスメイトと結婚して孫の顔を見せてくれると信じてるから』


    トド松『でもチョロ松兄さん童貞臭丸出しだからね。無理なんじゃない?』


    十四松『おそ松兄さんとカラ松兄さんにも伝えといて!! 僕たちは今も元気だって!!』



    来年入学する予定の弟二人と両親からのメッセージという微笑ましい映像だった。


    それが突然…、


    ザザッ…ザーーー…


    何もかもズタボロにされた実家の映像に切り替わった…。


    モノクマ『さて、松野くんたちの家族はどうなったのでしょうか!? 続きは卒業の後で!!』

  22. 22 : : 2016/05/07(土) 19:31:13


    チョロ松「な、何だよこれ…」


    僕の家族はどうなったんだ?出たい、早くここから出たい。それはほかのみんなも同じだった。


    苗木「嘘だ、なんでこんなこと…」

    石丸「こ、こんな映像ただのでっちあげだ!!」

    十神「…ッ! 馬鹿げてる」

    大和田「オイ、嘘だろ…?」

    桑田「マジ、かよ…?」

    山田「あわわわわわ…」

    葉隠「冗談…だよな?」

    舞園「いやああああああああああああああああ!!!!」

    霧切「…悪趣味ね」

    朝日奈「嘘、こんなのって…」

    腐川「もう無理よ、おしまいよぉ…」

    大神「ぬぅ…」

    セレス「……」

    江ノ島「いやいや、あ、ありえないって」

    不二咲「うぅっ、…」



    特に舞園さんは部屋から飛び出すほど動揺していた。後を追った苗木くんも真っ青だった。


    そして、隣にいる一松も苗木くんと同じ表情をしていた。


    一松「じゅ、十四松? トド松? …嘘だろ、嘘だろオイ!?」


    チョロ松「お、落ち着いて一松。こんな映像、現実的に考えてありえないから」


    一松「今だってありえない状況だろ…!」


    チョロ松「あいつらがそう簡単にくたばるわけないって。とりあえず落ち着こうよ」


    一松「…そ、そうだよな。ごめん、チョロ松兄さん」


    とりあえず僕たちは各自自分の個室に戻ることにした。




    何も起こるわけがない…、少なくともあの時はそう思っていたんだ。
  23. 23 : : 2016/05/07(土) 19:31:55


    コロシアイ学園生活 5日目



    <???>



    あれ、ここどこだろう?


    僕の目の前にはドアがあった。

    またモノクマの仕業? そんなことを考えながら僕はゆっくりとドアを開けた。


    ギィィ


    その先に見えたものは…。


    う、嘘だ…。こんなの嘘だ。


    だって、あのおそ松兄さんだよ? いつもへらへらしてて、全然死にそうにないおそ松兄さんだよ?

    そのおそ松兄さんが…、


    胸にナイフを刺されたまま死んでいるなんて…。

  24. 24 : : 2016/05/07(土) 19:32:24


    <チョロ松の個室>



    チョロ松「…クソ、いやな夢見たな。モノクマのせいだ」


    おそ松兄さんが死んでるなんてありえないし。あのクマ本気で死ね。


    チョロ松「…食堂に行くか」



    <食堂>



    石丸「もう朝食から30分以上もたっているぞ。遅刻とはけしからん!」


    朝日奈「まだ来ていないのは舞園ちゃんと不二咲ちゃんと苗木と一松だよね」


    山田「松野一松殿はまだ分かりますが…」


    セレス「他の方々は珍しいですわね。もしや何かあったのでは…」


    桑田「…ちょっと見てくる」


    チョロ松「僕も行くよ」

  25. 25 : : 2016/05/07(土) 19:33:04


    <苗木の個室>



    僕は桑田くんの後を追うようにして苗木くんの部屋に入った。そこには…


    荒らされていた部屋とその中で倒れている不二咲さんと、先に部屋に入って壁を見て棒立ちになっている桑田くんがいた。


    チョロ松「ふ、不二咲さん!? …よかった、気絶しているだけだ」


    不二咲さんは無事だった。でも嫌な予感が拭えない。


    なぜ不二咲さんは気絶していたのか。桑田くんは不二咲さんを心配していないのか。


    その疑問は桑田くんの言葉で解けた。


    桑田「何でだよ…、何で死んでんだよ」


    チョロ松「え?」


    桑田くんの目線の先には…





    シャワールームのドアとベッドの間の壁にもたれかかっている…





    胸を刺され物言わぬ死体となった苗木くんがいた。
  26. 26 : : 2016/05/07(土) 19:34:06
    以上で投下を終わります。

    なお学級裁判ですが、安価は行わない方式でいきます。

    何卒よろしくお願いします。
  27. 27 : : 2016/05/07(土) 20:12:28
    苗木君が死んだぁああ(°ω°ぎゃー
    絶望的に期待です。
  28. 28 : : 2016/05/07(土) 20:42:11
    それでは1章非日常編を投下します。

    推理部分に対して拙いところがあるかもしれませんが、ご了承ください。
  29. 29 : : 2016/05/07(土) 20:43:25


    CHAPTER1 オモイキル 非日常編



    <苗木の個室>



    チョロ松「な、苗木くん…? 嘘だよね?」


    桑田「オレだって信じたくねぇよ。だけど、どう見ても死んでるだろ」


    チョロ松「そんな…」


    桑田「くそ、何でこんな事に…」



    モノクマ『死体が発見されました!! 学級裁判の説明を行いますので、体育館に来てください!!』


    チョロ松「学級…、裁判?」


    モニターの方を振り返ると、後ろに霧切さんと一松がいた。


    一松「何だよそれ…」


    霧切「とにかく体育館に行くしかないわね。不二咲さんは私が運ぶわ」


    チョロ松「そうだね。女の子同士なら問題ないし」


    桑田「……」


  30. 30 : : 2016/05/07(土) 20:44:41


    <体育館>



    僕と不二咲さんを背負った霧切さんが体育館に着くと、舞園さんと桑田くん以外の全員が来ていた。

    それから少しして桑田くんが来て、最後に舞園さんが来た。



    舞園「嘘、ですよね…? 苗木君が死んだだなんて…」


    十神「現実を受け入れられないのかお前は? 苗木は確かに死んだんだ」


    舞園「そ、そんな…。な、苗木君、ううっ、あああああ…」


    朝日奈「舞園ちゃん…」


    苗木くんが死んだことがよっぽどショックだったのか、舞園さんは泣き止まない。


    一松「…苗木と舞園は同じ中学で知り合いなんだ。だからショックなんだろうな」


    チョロ松「そうなんだ。確かに仲良さそうに話していたな」


    不二咲「…っ、うぅん」


    江ノ島「あ、不二咲。大丈夫?」


    不二咲「うん、大丈夫。ところで苗木君は…」


    大神「苗木は、…死んでいた」


    不二咲「やっぱり、そうなんだ…」

  31. 31 : : 2016/05/07(土) 20:46:31


    モノクマ「オマエラ全員集まったようですね。それでは学級裁判について説明しましょう!」



    そしてモノクマによる学級裁判の説明が始まった。


    それと同時に電子生徒手帳に記載されている校則が追加されていた。



    8.殺人が起きた場合は、その一定時間後に、学級裁判が行われます。


    9.学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、指摘されたクロだけがオシオキされます。


    10.学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、クロ以外の全員がオシオキされ、生き残ったクロのみが卒業となります。


    不二咲「オシオキって…?」


    モノクマ「オシオキはオシオキだよ。

    消防車で突撃だったり、ショベルカーで潰したり、プレスでペシャンコだったりね」


    モノクマ「ただ殺しただけで外にでられるとかヌルゲーもいいとこですからね。

    一定の捜査時間がありますから、苗木クンを殺したクロを突き止めてください!!」
  32. 32 : : 2016/05/07(土) 20:49:20


    葉隠「本当にやるのか? コロシアイってマジだったんか?」


    大和田「まだオメェは冗談とか思ってたのか。けどよ、命が懸かってんならやるしかねぇだろ」


    セレス「ですが、捜査と言われましてもわたくし達は素人同然です。そのあたりの配慮は当然あるのでしょうね」


    モノクマ「はい、勿論です! そんなオマエラのために検死結果について簡単にまとめたファイルがあります」


    モノクマ「それがモノクマファイルです!!」


    何のひねりもないな。とりあえず配布されたモノクマファイルを確認する。



    【モノクマファイル1】

    被害者は苗木誠。

    死亡推定時刻は午後10時40分頃。

    死体発見現場は苗木誠の個室。

    致命傷は胸部の傷。他に目立った傷は存在しない。



    チョロ松「苗木くん…」


    改めて実感させられる苗木くんの死…、確かにつらいけど、苗木くんのためにもこの事件を解き明かす。


    僕はそう決意した。


    コトダマ:モノクマファイル1 獲得

  33. 33 : : 2016/05/07(土) 20:50:31
    〈 捜査開始 〉



    <苗木の個室>



    殺害現場には大和田くんと大神さん、そして調査中の霧切さんがいた。


    大神「犯人が証拠を隠滅できぬよう、我と大和田が見張りを行うことになった」


    大和田「妙な真似はすんじゃねぇぞ」


    この二人を前にそんなことできないよ。とりあえず苗木くんの死体を調べてみよう。


    チョロ松「確かに苗木くんの胸に刺し傷はあるけど、凶器とかは刺さったままじゃないね」


    大和田「そばに包丁が落ちていたからそれでぶっ刺したんだろ。えげつねぇことしやがる…」


    でもこの包丁、血がついてないな。でも、他に人を刺せる凶器らしいものもないし…。


    コトダマ:きれいな包丁 獲得



    チョロ松「ん? この壁に書かれているのって、…ダイイングメッセージ?」


    苗木くんの左側の壁には


    “ NO37 ”


    と書かれていた。37番とか何の意味があるんだ?


    コトダマ:ダイイングメッセージ 獲得

  34. 34 : : 2016/05/07(土) 20:52:23


    チョロ松「ダイイングメッセージがあるということは…、やっぱり、指にも血がついている」


    チョロ松「右手の人差し指だけであとは何もついてないね」


    コトダマ:死体の状況 獲得



    霧切「捜査は進んでいるのかしら? チョロ松君」


    チョロ松「うん、なんとか」


    霧切「とりあえずこれまで調べたことで分かったことを話すわね」


    コトダマ:金箔の模擬刀 獲得

    コトダマ:シャワールームのドアノブ 獲得

    コトダマ:シャワールームの痕跡 獲得

    コトダマ:メモ帳の痕跡 獲得

    コトダマ:舞園の怪我 獲得

    コトダマ:交換されたネームプレート 獲得
  35. 35 : : 2016/05/07(土) 20:53:29

    チョロ松「シャワールームの痕跡って?」


    霧切「シャワールームの奥の壁に金箔が少しだけ付着していたの」


    チョロ松「でも苗木くんが死んだ場所ってシャワールームの前だよね? 関係あるのかな?」


    霧切「それは学級裁判で明らかになるわ」


    チョロ松「そうだね。あとメモ帳の痕跡ってどういうこと?」


    霧切「苗木くんの個室にあるメモ帳を鉛筆でこすったら、文字が浮かび上がったのよ」


    その内容は…

    『 今晩話したいことがあるんです。

      ネームプレートをよく確認して

      部屋に入ってくださいね。

                  舞園 』


    チョロ松「え、舞園さん…? 何で苗木くんの部屋に舞園さんが書いたメモの内容が?」


    霧切「彼女は確実にこの事件に関わっている。しかも、右手を怪我していたわ」


    チョロ松「でもそれだけで犯人と決まったわけじゃ…」


    霧切「ええ、そのためにも捜査を引き続き進めていくしかない」


    確かに、霧切さんの言う通りだ。


    霧切「あと、苗木くんのポケットに個室の鍵があったんだけど…、舞園さんのものだったわ」


    舞園さんの鍵? どういうことだろう。


    コトダマ:苗木が持っていた鍵 獲得

  36. 36 : : 2016/05/07(土) 20:54:44


    <廊下>



    ネームプレートと地図を見比べると、確かに苗木くんと舞園さんのネームプレートが交換されていた。


    一松「捜査は進んでるの?」


    チョロ松「そっちこそどうなの? 一松」


    一松「まあ、ぼちぼちかな」


    チョロ松「何か証言でもあるの?」


    一松「いや、夜中の1時にトイレに行きたくなったんだけど、寄宿舎のトイレが使用禁止で…」


    チョロ松「残念だね」


    一松「誰がそんなことしたんだか、…ボケ,コロスゾ」


    コトダマ:一松の証言 獲得

  37. 37 : : 2016/05/07(土) 20:55:22


    そのときだった…


    ビービービービービービー


    チョロ松「な、何!?」


    慌てて音のする方向へと向かうと、



    モノクマ「こらー!! 何女子トイレに入ろうとしてるの!?」


    山田「いや、これは捜査のためでしてね…」


    モノクマ「そんなのは女子に任せればいいの!!たとえ捜査中でもダメなの!!」


    一松「…何やってんの」


    山田「松野チョロ松殿に松野一松殿! じ、実はこれには深いわけが…」


    チョロ松「どういう事情で女子トイレに入るわけ?」


    山田「男子トイレで妙なものを見つけておりましてな、そのために女子トイレでも確認をしようと」


    モノクマ「寄宿舎のトイレは異性が入るとサイレンが鳴る仕組みなんだよ。ふしだらなことが起きないようにね」


    コトダマ:寄宿舎のトイレ 獲得

  38. 38 : : 2016/05/07(土) 20:56:01


    ガチャ



    セレス「まったく騒がしいですわね」


    山田「おお、セレス殿がおられたのですか。中の様子h」


    セレス「女子トイレに入ろうとしていたのですか?とんだ変態がいたものですね」


    山田「有難う御座います!! …じゃなかった、僕が言いたいのは犯人が分かる手がかりのことですぞ」


    セレス「それらしきものはありませんわね」


    チョロ松「山田くん、男子トイレの妙なものって?」


    山田「それはこちらですぞ。石丸清多夏殿と捜査しておりましたから捏造の心配はご無用です」


    一松「これ、スクール水着のひもの部分?どう考えても捏造だろ」


    石丸「いや、これは確かに男子トイレにあったぞ!!」


    チョロ松「いつの間に来てたんだ」


    石丸「やたらとうるさいサイレンが鳴っていたのでな。山田君、どういうことか説明してもらおうか」


    山田「いやそれは…


    セレス「山田君が女子トイレに入ろうとしたのですわ」


    セレス殿!?」


    石丸「何だと!? 風紀が乱れるではないか!! 僕はこれから山田君を更生させるから失礼する!!」


    山田「いやちょっと待ってえええええええ…」


    セレス「わたくしは自室でロイヤルミルクティーでも嗜みますわ」


    チョロ松「…真面目に捜査しろよ」


    コトダマ:スク水のひも 獲得

  39. 39 : : 2016/05/07(土) 20:56:51


    <ランドリー>


    不二咲「あれ? どうしたのチョロ松君?」


    チョロ松「あ、不二咲さん。ちょっと聞きたいことが」


    不二咲「どうしたの?」キョトン


    チョロ松「(可愛い…)どうして苗木くんの部屋で倒れていたの?」


    不二咲「実は食堂に向かう途中で躓きそうになって、そのときに苗木君のドアに捕まったんだ」


    不二咲「そのときにドアが開いて部屋の様子が見えて、中を覗いた時に…」


    チョロ松「気絶したということか」


    不二咲「うん、…何か、情けない姿見せてゴメンねぇ」


    チョロ松「大丈夫だよ、女の子なんだからしょうがないよ」


    不二咲「……」ウツムキ


    あれ、何かまずいことでも言った?


    コトダマ:不二咲の証言 獲得

  40. 40 : : 2016/05/07(土) 20:57:21


    モノクマ『えー、捜査時間が終了しました。オマエラ、校舎1階の赤い扉の前に集合してください!!』


    チョロ松「いよいよか…」



    <校舎1階 地下エレベーター前>


    そこには僕以外のクラスメイトが全員集まっていた。


    この中に、苗木くんを殺した犯人がいるんだ…。


    モノクマ「全員集まったみたいですね。それではみなさん、エレベーターにお乗りください!!」


    僕たちがエレベーターに乗ると、ゆっくりと下降していった。


    そしてエレベーターが開かれた先には、裁判場が現れた。


    モノクマ「それでは各自指定された席についてください。あ、チョロ松くんは苗木くんのところね」


    チョロ松「なんで僕だけ席がないの?」


    一松「次あったら変わろうか? …次なんてないほうがいいけど」


    チョロ松「そうだね」


    いよいよ始まる…。


    命がけの騙し合い。

    命がけの裏切り。

    命がけの謎解き。

    命がけの言い訳。

    命がけの信頼。

    命がけの…学級裁判…!!
  41. 41 : : 2016/05/07(土) 20:58:36
    ここで一旦投下を終えます。

    学級裁判は午後10時くらいに投下予定です。
  42. 42 : : 2016/05/07(土) 22:07:46
    それでは、1章学級裁判を投下します。

  43. 43 : : 2016/05/07(土) 22:08:40
    CLASSROOM TRIALS 1


    モノローグ


    ついに殺人が始まってしまった。被害者は超高校級の幸運、苗木誠。

    そんな彼を殺した犯人とは?

    そして、そんな彼のことを知る“彼女”はどのように関わったのか…?
  44. 44 : : 2016/05/07(土) 22:09:45

    コトダマリスト

    モノクマファイル1
    『被害者は苗木誠。
    死亡推定時刻は午後10時40分頃。
    殺害現場は苗木誠の個室。
    致命傷は胸部の傷。他に目立った傷は存在しない。』

    きれいな包丁
    『苗木誠のそばに落ちていた。しかし血痕は付着していない』

    ダイイングメッセージ
    『苗木誠の左側の壁に“NO37”と書かれている』

    死体の状況
    『右手人差し指のみ血痕が付着している。他に付着しているものはない。
     また、壁にもたれかかって座る形で死んでいる』

    金箔の模擬刀
    『鞘の部分に傷跡がある。持つと手に金箔がつく。原作と同じ』

    シャワールームのドアノブ
    『鍵はついてないが無理矢理こじ開けられたような痕跡がある。原作と同じ』

    シャワールームの痕跡
    『床の部分に血痕が、奥の壁に金箔が少量付着している』

    メモ帳の痕跡
    『使われた形跡がある。
    内容は以下の通り。
    『 今晩話したいことがあるんです。
      ネームプレートをよく確認して
      部屋に入ってくださいね。
                  舞園 』



    舞園の怪我
    『右手首あたりを負傷しているようだ。骨折もしているかもしれない』

    交換されたネームプレート
    『苗木と舞園のネームプレートが交換されている。原作と同じ』

    苗木が持っていた鍵
    『舞園さやかの個室の鍵を所有していた。だが、苗木自身の個室の鍵は所持していない』

    一松の証言
    『深夜1時ごろ男子トイレが使用禁止になっていた』

    寄宿舎のトイレ
    『寄宿舎のトイレは異性のトイレに入ろうとするとサイレンが鳴る』

    スク水のひも
    『男子トイレに落ちていた。誰の所有物かは不明』

    不二咲の証言
    『食堂に向かう途中転びそうになって苗木のドアに捕まり、中を覗いて死体を発見し、気絶した』

  45. 45 : : 2016/05/07(土) 22:11:13

    学級裁判 開廷

    モノクマ「まずは、学級裁判の簡単な説明から始めましょう!!

    学級裁判の結果は、オマエラの投票により、決定されます!!

    正しいクロを指摘できれば、指摘されたクロだけがお仕置き。

    だけどもし、間違った人物をクロとした場合は…。

    クロ以外の全員がお仕置きされ、生き残ったクロだけがこの学園を卒業します!!」


    モノクマ「それでは、議論を始めちゃってください!!」


    朝日奈「始めると言っても、何から話せばいいのか…」

    石丸「苗木君のそばに落ちていた包丁…あれこそが凶器だ!!」

    大和田「んなもん見れば分かるだろぉが」

    チョロ松「でも凶器が包丁ってことは、厨房から調達したんだよね」

    江ノ島「でも、誰もいないときに取りに行くこともできるから分かんないんじゃない?」

    大神「いや、我と朝日奈は夜時間近くまで厨房にいた。厨房に入ったとき包丁は1本も欠けていなかった」

    腐川「じゃあ、あんたは見たっていうの? 誰が包丁を持ち出したのか…」

    大神「うむ。包丁を持ち出したのは…舞園だ」

    舞園「…ッ!」

    大神「あのときの舞園は水を飲むといってたが、もしかしたら凶器を持ち出すためだったのかもしれぬな」

    セレス「あら、あっさりと片付きましたわね」

    山田「被害者である苗木誠殿とは知り合いだったようですからな。その立場を利用して…、うらやまけしからんっ!!」

    一松「何で羨ましいの…?」

    桑田「ちょっと待てよ!! 舞園ちゃんが犯人って、本気で言ってんのかよ!!」

    朝日奈「私も信じられないけど、さくらちゃんの言ってることは間違ってないよ」

    チョロ松(本当に舞園さんが犯人なのか…?)
  46. 46 : : 2016/05/07(土) 22:11:57

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    モノクマファイル1
    死体の状況
    金箔の模擬刀


    腐川「決まりね…犯人は【舞園さやか】よ!!」

    桑田「勝手に決めつけんじゃねぇ!! 証拠がなけりゃただのでっちあげだ!!」

    十神「だが朝日奈と大神は舞園が厨房に入ったと証言している。【包丁を持ち出したのは明らか】だ」

    山田「そして舞園さやか殿は苗木誠殿とオナチューであることを利用して殺したのですな」

    不二咲「でも、部屋は荒らされていたから、抵抗はしていたと思うよぉ」

    江ノ島「そりゃ、【模擬刀で対抗した】んでしょ。死にたくないから」


    チョロ松(舞園さんが犯人なら“あれ”を使ったのは苗木くん。だったら、そこを否定すれば…!!)

  47. 47 : : 2016/05/07(土) 22:16:32


    【模擬刀で対抗した】←死体の状況

    チョロ松「それは違うね!!」


    チョロ松「江ノ島さん、苗木くんが模擬刀で対抗したって言ったよね」

    江ノ島「言ったけど、それがどうかしたの?」

    チョロ松「模擬刀には金箔がついているんだよ。その場合、苗木くんの両手には金箔が付着しているはずなんだ」

    チョロ松「だけど苗木くんの手には金箔がついた跡はどこにもなかった」

    チョロ松「つまり、苗木くんが模擬刀を使ったってことはありえないんだ!!」

    石丸「何!? では苗木君は模擬刀以外で舞園君に対抗したというのかね!?」

    一松「いや、違うだろ。流石に」

    チョロ松「もちろんそれも違う。あの荒らされた痕跡は舞園さんと苗木くん以外の誰かとの争いでできたんだ」

    葉隠「いや無理があるべ。苗木っちが部屋にいるのに」

    霧切「苗木君が自分の部屋に居なかったとしたらどうかしら?」

    朝日奈「そんなことありえるの?」

    チョロ松(苗木くんが自分の部屋に居なかった証拠…それは)

    ダイイングメッセージ
    メモ帳の痕跡
    苗木の持っていた鍵
  48. 48 : : 2016/05/07(土) 22:16:48
    期待です~!
  49. 49 : : 2016/05/07(土) 22:17:35


    →苗木の持っていた鍵

    チョロ松「これだ!!」


    チョロ松「苗木くんは殺されたときには自分の部屋の鍵を持っていなかったんだ」

    チョロ松「そのかわり、舞園さんの鍵を持っていた。つまり」

    一松「苗木は変態だった?」

    チョロ松「そう、変態…じゃねーよ!! 議論を乱すな一松!!」

    葉隠「え? 変態じゃないのか?」

    霧切「変態かどうかはおいといて、ある事実が浮かび上がらないかしら?」

    不二咲「ある事実って…?」

    チョロ松(そう…、苗木くんと舞園さんはあることをしていたんだ)


    閃きアナグラム

    へ○のこ○かん
  50. 50 : : 2016/05/07(土) 22:18:32


    へやのこうかん

    チョロ松「成程、これだね!!」


    チョロ松「苗木くんと舞園さんは部屋の交換をしていたんじゃないかな?」

    石丸「へ、部屋の交換だと!? 異性の部屋に泊まるなど不純甚だしいではないか!!」

    霧切「不純かどうかはともかく、これなら苗木君が舞園さんの部屋の鍵を持っていても不思議じゃない」

    セレス「…で、そろそろ答えたらどうなのです。舞園さん?」

    舞園「…はい。私は苗木君と部屋の交換をしていました」

    石丸「ふ、風紀が…」バタッ

    江ノ島「石丸が倒れた!?」

    チョロ松「とにかく、舞園さんは部屋の交換をしていて…」

    腐川「誰かを呼び出して殺そうとしたってことでしょ」

    舞園「……」

    腐川「結局のところ、疑われても仕方がないことじゃない。自業自得よ」

    朝日奈「ちょっと!! そんな言い方ないでしょ!?」

    霧切「落ち着きなさい。今は苗木君を殺した犯人を突き止めるのが先よ」

    大和田「まぁ確かにそうだがよ…、どうやって犯人を割り出すんだ?」

    十神「そんなことも分からんのかプランクトンは」

    大和田「んだと!?」

    十神「単純なことだ。その女に聞けばいい」

    葉隠「えーっと、つまりどういうことだべ? 何で舞園っちが知ってるんだべ?」

    チョロ松(もしかして十神くんは犯人を…)

    苗木
    争った相手
    舞園
  51. 51 : : 2016/05/07(土) 22:19:33


    →争った相手

    チョロ松「これだ!!」


    チョロ松「もしかして十神くんは、舞園さんと争った相手が犯人だと思うの?」

    十神「さあ、どうだかな。だが、聞いておく必要があるだろう」

    山田「確かにそこは気になるところですな」

    江ノ島「で、どうなのよ舞園。ここまできたら言ったほうがいいんじゃないの」

    舞園「…言いません」

    一松「は?」

    舞園「私は知っているんです。その人が犯人じゃないってことを。だから言いません」

    十神「まあいい、いずれ分かることだ」
  52. 52 : : 2016/05/07(土) 22:21:03


    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    きれいな包丁
    ダイイングメッセージ
    メモ帳の痕跡

    朝日奈「舞園ちゃんが呼び出した人が犯人の可能性か…」

    大神「霧切よ、メモから誰に宛てたのかわかるか?」

    霧切「残念だけど、【舞園さんが書いたこと】しかわからないわ」

    一松「どうすんの? 犯人も呼ばれた相手も【何の手がかりもない】んだけど」

    石丸「素直に【挙手をすればいい】のではないかね?」

    チョロ松「復活早ッ!?」

    チョロ松(苗木くんの遺したもの、それは…)
  53. 53 : : 2016/05/07(土) 22:22:23


    【何の手がかりもない】←ダイイングメッセージ

    チョロ松「それは違うね!!」


    チョロ松「いや、手がかりはある。苗木くんが遺したダイイングメッセージだ」

    一松「そんなのあったの?」

    大和田「確かにあるはあるけどよ、それで分かるのか? そこのプログラマーの女なら分かるかも知れねぇが」

    大神「ダイイングメッセージの内容は“NO37”だったな」

    不二咲「でも、普通ダイイングメッセージって犯人の名前を書くよねぇ」

    江ノ島「そんな暗号めいたものを遺すとか、何考えてんの?」


    霧切「…いえ、これはある人物の名前を示しているのよ」


    チョロ松「ある人物って? どうしてそんなことが分かるの?」

    霧切「後ろの壁に文字を書くと、字が180度回転するのよ。ここまで言えば分かるわね?」

    朝日奈「えーと、180度回転すると L E O N…」


    一松「LEON、つまり桑田!?」


    桑田「…なっ!?」
  54. 54 : : 2016/05/07(土) 22:23:42

    大和田「オメェだったのか、苗木を殺したのは」

    桑田「いやちげーよ!! オレは苗木を殺してねぇ!!」

    山田「ならばあのダイイングメッセージはどう説明するのですかな?」

    桑田「真犯人が偽装したに決まってんだろ!!」

    セレス「随分と往生際が悪いですわね」

    葉隠「あ! そういえば俺見たべ!! 桑田っちがランドリーに行くところ!!」

    朝日奈「え!?」

    葉隠「俺がトイレに行こうとしたときに見たんだべ。もしかして血を洗い流すためなんじゃねえのか?」

    桑田「適当な事言ってんじゃねぇぞ鳥の巣頭が!! オメーが犯人か!?」

    葉隠「オメーが適当なこと言ってんだべ!! バイキングソーセージを偽装とかありえねぇべ!!」

    一松「それを言うならダイイングメッセージやでー」

    山田「なんで関西弁!?」

    腐川「とにかく決まりね…。犯人は桑田よ」

    江ノ島「だったら投票タイムに…」



    舞園「待ってください!!」



    不二咲「ど、どうしたの?」

    舞園「桑田君に投票しないでください。そうしないと、私たちは…」

    十神「…そういうことか」

    石丸「どういうことだね?」

    十神「舞園が言っただろう。自分が呼び出したのは犯人じゃないとな。ここで止めるのはそういうことだろう」

    チョロ松「もしかして…

    凶器は2つあった
    事件は2つあった
    死体は2つあった
  55. 55 : : 2016/05/07(土) 22:24:33

    →事件は2つあった

    チョロ松「これだ!!」


    チョロ松「舞園さんが襲った事件と苗木くんが殺された事件、つまり事件が2つあったってこと?」

    十神「社会の役にも立てない人間の割にはよくたどり着けたものだな。褒めてやる」

    チョロ松「馬鹿にしてんだろ」

    霧切「つまり舞園さんが襲ったことと苗木君が殺されたことは無関係ということね」

    大和田「それでかばってるってことは…」


    桑田「…ああ、そうだよ」



    桑田「俺は舞園ちゃんに呼び出されたんだよ。それで…殺されかけたんだ」
  56. 56 : : 2016/05/07(土) 22:27:07


    不二咲「殺されかけたって…」

    セレス「あなたは舞園さんを恨んではいませんの?」

    桑田「まあ、襲われたあとは恨んだけど…冷静に考えてオレも舞園ちゃんに無神経なところもあったしな」

    山田「では、舞園さやか殿が言っていたのは…」

    舞園「私と桑田君は、モノクマファイルにある死亡推定時刻のときに2人で桑田君の個室にいました」

    霧切「つまりアリバイがあるということね」

    石丸「ちょっと待ちたまえ!! 舞園君も桑田君も犯人でないとするなら、議論は振り出しに戻ったぞ!?」

    朝日奈「嘘!? あれだけ時間をかけたのに!?」

    腐川「ど、どうすんのよ…」

    桑田「いや、その心配はいらねえよ」

    江ノ島「心配いらないって、アンタ犯人わかってんの?」

    桑田「ああ、オレには分かってんだよ。苗木を殺した犯人がな」

    一松「この世のどこかだったら殴るけどな」

    桑田「そんなんじゃねーって。オレが部屋に入って疑問に思ったのがなぜか部屋がきれいだったんだ」

    石丸「部屋を清潔にすることはいいことだ!」

    霧切「でも髪の毛が1本も残ってないというのはおかしくないかしら?」

    桑田「それは犯人がやったんだろ? だったら証拠になるものをどうやって隠滅するんだ?」

    朝日奈「それはトラッシュルームに捨てて…って掃除当番以外は開けられないんだった」

    大神「裏を返せば、掃除当番なら簡単に証拠を隠滅できるということだな」

    不二咲「ちなみに掃除当番って誰なの?」

    セレス「確か今日は山田君でしたわね」


    桑田「そういうことだ。山田、掃除当番のオメーが犯人だ!!」


    山田「な、ななな、何ですとおおおおぉおおおお!!?」

  57. 57 : : 2016/05/07(土) 22:29:20

    ノンストップ議論開始


    コトダマ
    きれいな包丁
    舞園の怪我
    一松の証言


    江ノ島「証拠を隠滅するための焼却炉ってさ、【掃除当番しか使えない】んだったよね」

    セレス「その場合、山田君が犯人ってことになりますわね」

    一松「【焼却炉以外で証拠隠滅した】んじゃないの?」

    大和田「つっても【他に証拠を揉み消すところなんかねぇ】だろ」

    葉隠「だったら、山田っちが犯人で決まりだべ!!」


    チョロ松(いや、焼却炉以外にもあったはずだ…)
  58. 58 : : 2016/05/07(土) 22:30:31


    【他に証拠を揉み消すところなんかねぇ】←一松の証言

    チョロ松「それは違うね!」


    チョロ松「証拠を隠滅できるのは焼却炉以外にもあるよ」

    大和田「あぁ? どこだよそれは」

    チョロ松「トイレに流したんだよ」

    腐川「と、トイレですって!? 嫌なこと思い出させるんじゃないわよ!!」

    チョロ松(何かあったのか…)

    チョロ松「一松が深夜1時ごろに男子トイレが使用禁止になっていたって言ってたんだ」

    モノクマ「はい、チョロ松クンの言う通りです。トイレが詰まっちゃって、工事していました!!」

    チョロ松「つまり、トイレが使用禁止になったのは証拠品を流してトイレが詰まったんじゃないかな?」

    朝日奈「ちょっと待ってよ!! そんなことされたら手詰まりじゃん!!」

    石丸「いや、確か男子トイレには妙なものが落ちていたぞ」

    チョロ松(その妙なものって…)


    きれいな包丁
    金箔の模擬刀
    スク水のひも
  59. 59 : : 2016/05/07(土) 22:32:15


    →スク水のひも

    チョロ松「これだ!!」


    チョロ松「スクール水着のひもだね」

    大神「スクール水着…だと?」

    十神「それがどうしたというんだ?」

    桑田「ちょっと待て、スクール水着…!!」

    桑田「そうか分かったぞ!! 今度こそ犯人が分かった!!」

    江ノ島「はぁ、分かったってアンタまた適当な事言ってんじゃないわよ」

    桑田「いや今度はマジだって!! チョロ松、オメーも見てるはずだぞ」

    チョロ松「え? 僕も見てる…?」

    チョロ松(もしかして、犯人は…)


    怪しい人物を指名しろ
  60. 60 : : 2016/05/07(土) 22:35:11

    →葉隠

    チョロ松「お前しか、いない!!」


    チョロ松「葉隠くん…だよね」

    葉隠「…は? 俺が犯人?」

    桑田「オレとチョロ松はランドリーで見たんだよ。オメーの名前が入ったスクール水着をな」

    チョロ松「しかもそれを干してたってことは…、普段服の下に着ているんだろうね」

    山田「誰得ですかな? 全くもって需要がありそうにないのですが」

    葉隠「いやいや何を言ってんだべ!? どう考えてもありえねぇだろ!!」

    大神「だが桑田はシロだと判明している。その桑田が言うのならば真実なのだろう」

    一松「結局持ってるわけ?」

    葉隠「それは…持ってるけど、俺は犯人じゃないべ!!」
  61. 61 : : 2016/05/07(土) 22:36:05

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    シャワールームのドアノブ
    寄宿舎のトイレ
    不二咲の証言


    石丸「男子トイレから発見したスクール水着のひも、あれは【葉隠君のもの】かね!?」

    葉隠「それは違うべ!!」

    腐川「口だけだったら誰でも言えるわよ」

    不二咲「【女の人が男子トイレに入って証拠隠滅をした】んじゃないかな?」

    山田「超高校級のスイマーである朝日奈葵殿なら持っていそうですが」

    朝日奈「私は犯行当時【さくらちゃんと一緒にいた】よ」

    石丸「また不純異性交遊か!! いい加減にしたまえ!!」

    大神「【我は女】だが?」

    石丸「…し、失礼した!!」


    チョロ松(あの発言は、これまでのルールと矛盾する…!)
  62. 62 : : 2016/05/07(土) 22:37:27

    【女の人が男子トイレに入って証拠隠滅をした】←寄宿舎のトイレ

    チョロ松「それは違うね!!」


    チョロ松「ちょっと待って不二咲さん、女子が男子トイレに入ることは無理だよ」

    不二咲「え? どうして?」

    チョロ松「寄宿舎のトイレは異性が入るとサイレンが鳴る仕組みなんだ」

    一松「つまり、あのスク水のひもは男子の所有物ってことだな」

    桑田「葉隠、反論はあるのか? まぁ、ないだろうけどな」



    葉隠「…あるべ」



    桑田「ん? なんて言った?」

    葉隠「あるあるあるあるあるに決まってるべ!! 今までのは適当なすいとんだべ!!」

    霧切「それを言うなら推論よ」

    桑田「おい、もう犯人は決まったんだ。見苦しいぞ」


    葉隠「だったらあのスク水をどうやって切り裂いたんだべ!?」

    チョロ松「え?」

    葉隠「服を素手で切り裂けるのはオーガや大和田っちならともかく俺には無理だべ!!」

    一松「クソ松はできてたけどな」

    チョロ松「十四松もできそうじゃない?」

    葉隠「つまりだ、力の強い男子だったら大和田っちが犯人ってことになるべ!!」

    大和田「んだとてめぇ、オレを犯人呼ばわりしようってのか!! あぁ!?」

    葉隠「ひいっ、と、とにかくこれで俺は犯人じゃないべ」

    チョロ松「いや、刃物があればスク水を切り裂けるよ」

    葉隠「どこにあるんだべそんなもの!?」



    チョロ松「今からそれを証明して見せるよ」

  63. 63 : : 2016/05/07(土) 22:38:20


    マシンガントークバトル開始


    コトダマ
    きれいな包丁
    金箔の模擬刀
    スク水のひも


    「俺は違ぁあああう!!」
                「模擬刀の先制攻撃だべ!!」
        「とんだ濡れ衣だべ!!」
            「どうだっての」
    「俺の占いは3割当たる」
             「オメーに言われたかねぇべ!!」
      「あ・れ・ま!?」
           「俺の子供とオメーの子供は、母親が一緒らしいべ!!」


    「刃物もないのに、どうやってスク水を切り裂くことができるんだべ!?」
  64. 64 : : 2016/05/07(土) 22:41:15

    ←きれいな包丁

    チョロ松「これで証明だ!!」


    チョロ松「刃物なら苗木くんの個室にあったよ」

    葉隠「はぁ? 何のことだ…!?」

    チョロ松「分かったようだね。凶器の包丁だよ」

    腐川「包丁!? あれは苗木を殺すために使ったんでしょう!?」

    チョロ松「確かにそうだけど、殺した後で返り血のついた服を切るのに水で洗い流して使ったんじゃないかな?」

    大神「凶器として使われたのに血で汚れなかったのはそういうことだったのか」

    チョロ松「つまり、そこまで力がない葉隠くんでもスク水を切り裂くことはできるんだ」

    十神「それで、反論はあるのか? 葉隠」

    葉隠「……」

    霧切「何も無いようだし、これまでの推理をまとめましょうか」
  65. 65 : : 2016/05/07(土) 22:43:03

    クライマックス推理

    チョロ松「これが事件の全貌だ!!」

    Act1
    チョロ松「死体発見現場となった苗木くんの個室では2つの事件があったんだ。

    1つは舞園さんと桑田くんが争った事件、もう1つは犯人が苗木くんを殺した事件だ」

    チョロ松「舞園さんたちの事件のほうは、舞園さんが怪我をしたけど、殺人にはならなかったんだ」

    Act2
    チョロ松「犯人は苗木くんの個室を見て、ある計画を思いついた」

    チョロ松「争いのあった個室で苗木くんを殺して、舞園さんたちに罪を擦り付ける計画をね」

    チョロ松「苗木くんを何らかの方法で呼びつけて殺した後は、ダイイングメッセージを偽装したんだ」

    チョロ松「桑田くんが犯人じゃなかったから、あのダイイングメッセージは犯人が書いたものだよ」

    チョロ松「そのあとコロコロを使って部屋の掃除を行ったんだ」

    Act3
    チョロ松「ただ、血のついた服やスク水などを処分した方法だけど、焼却炉はシャッターが降りて使えなかった」

    チョロ松「そこで、男子トイレに流す方法を思いついたんだよ」

    チョロ松「ただ、そのまま流すのには無理があるから、凶器の包丁を使って服を切り裂いたんだ」

    チョロ松「ある程度切り裂いたあとはトイレに全部流したんだ。ただ、そのときに流し忘れがあったんだよ」

    Act4
    チョロ松「そして犯人は使い終わった包丁を部屋の中に置いて立ち去ったんだ」

    チョロ松「だけど流し忘れていたものがスクール水着のひもだった」

    チョロ松「そして寄宿舎のトイレは異性が入るとサイレンが鳴る仕様だった」

    チョロ松「このことから犯人はスクール水着を持っている男子なんだ」


    チョロ松「つまり、お前が犯人なんだ!! 葉隠康比呂くん!!」

  66. 66 : : 2016/05/07(土) 22:44:17


    チョロ松「これで終わりだよ、葉隠くん」

    葉隠「終わり、これが終わりなのか?」

    一松「そうだよ終わったんだよ。何回も言わすなボケ」

    葉隠「終わった、かあ…。へへ、へへへへ、あへあへあへ…」

    桑田「うわ、完全にネジ吹っ飛んでやがる…」

    朝日奈「こ、壊れちゃった…」


    モノクマ「うぷぷ、うぷぷぷぷ…」

    モノクマ「議論の結論が出たみたいですね。オマエラ、お手元のスイッチを押して投票してください」

    モノクマ「さぁて、犯人は誰になるのか? 果たしてそれは正解なのか?」

    モノクマ「さぁ、どうなるんでしょう?」


        VOTE

    葉隠  葉隠  葉隠


    学級裁判 閉廷
  67. 67 : : 2016/05/07(土) 22:45:04
    これで1章の学級裁判は終わりです。

    次の投下は日付が変わったころにします。
  68. 68 : : 2016/05/08(日) 00:12:36
    今回の投下で1章は終わります。

    それでは、投下します。
  69. 69 : : 2016/05/08(日) 00:13:45


    モノクマ「大正解!! 苗木誠クンを殺したクロは葉隠康比呂クンでした!!」




    葉隠「はは、は…もう終わりだべ」


    十神「フン、実にあっけなかったな」


    一松「本当に、殺したのかよ…」


    霧切「…葉隠君、少し聞きたいことがあるの」


    葉隠「どうしたべ? こんな俺に聞くことなんか何もないべ」


    霧切「あのダイイングメッセージよ」


    桑田「そんなのオレを犯人に仕立て上げるためだろ?」


    霧切「…なぜ桑田君なのかしら?」


    大神「どういうことだ?」


    霧切「葉隠君は犯行当時、苗木君の個室を舞園さんの個室と勘違いしていたはずよ」


    セレス「確かネームプレートが交換されていたからですわね」


    霧切「だったら舞園さんを犯人に仕立て上げた方が都合がいいわ」


    山田「もしかして、葉隠康比呂殿は桑田怜恩殿が個室からでるのを見ていたのでは?」


    葉隠「いや、俺は見てないべ」


    一松「だったら何で…」


    葉隠「俺の才能を忘れたか? 俺は超高校級の占い師だべ」




    葉隠「どうすれば助かるのかを占いで見たからに決まってんだろ?」

  70. 70 : : 2016/05/08(日) 00:14:34


    チョロ松「占いで…!?」


    葉隠「俺の占いはインスピレーションでできる。3割しか当たらないが具体的に見れるべ」


    大和田「それでダイイングメッセージを偽装したのかよ!?」


    朝日奈「でも学級裁判のことが分かったのって、苗木の死体が発見された後だよ?」


    朝日奈「まるで殺しても助からないというのが分かってたみたいに言ってるけど…」


    葉隠「もちろんそれも占いだべ。占いで見たときにこの裁判場が見えたんだべ」


    腐川「ここまでくるとオカルトね…」


    一松「オカルトとかありえないでしょ?」


    チョロ松「ネコと合体したやつが何言ってんだ」


    不二咲「苗木君を殺したのって、あのDVDが原因なの?」


    葉隠「もちろんそれもあったけど、あのときは冗談だと思ったんだべ」


    葉隠「どうせ学園が仕掛けたドッキリだろうと思っていたべ」




    葉隠「…苗木っちの部屋の惨状を見るまでは」

  71. 71 : : 2016/05/08(日) 00:15:08


    <葉隠:回想>



    葉隠「ランドリーの雑誌も見飽きたべ。部屋に戻るとすっかね」


    葉隠「ん? おかしくねぇかこの部屋の並び? ってか舞園っちと苗木っちの部屋が入れ替わってる?」



    <苗木の個室>



    葉隠「な、何だべこれ!?」


    葉隠「も、もしかしてモノクマが言ってたのって、冗談じゃなかったのか?」


    葉隠「ど、どうすればいいんだべ? これ…」




    「…葉隠クン?」




    葉隠「な、苗木っち!?」


    苗木「なにがあったの?これ…」


    葉隠「あ、あ、あ…」


    苗木「舞園さんがいたはずなんだけど、いったい、どこに…」


    葉隠(足元に、包丁が…!!)


    葉隠「も、もしかしたら、そこのシャワールームの中かも知れないべ」


    苗木「本当に!? 舞園さんっ!!」


    苗木「…あれ、いない? 舞園さんはどこに…。ねぇ、葉隠ク」


    葉隠「っ、うぁあああああああああああああ!!」



    苗木「…え?」




    <回想終了>

  72. 72 : : 2016/05/08(日) 00:15:58


    葉隠「あのときパニックになって、苗木っちを…」


    舞園「そ、そんなことで苗木君を…」


    桑田「ま、舞園ちゃん?」


    舞園「そんなことで苗木君を殺したんですか!?」




    葉隠「…オメーにだけは言われたくねぇべ、元凶のくせに」


    舞園「え…あ…」

  73. 73 : : 2016/05/08(日) 00:16:50


    葉隠「大体この事件はオメーが桑田っちを殺そうとしたのが始まりだべ」


    舞園「うぅっ…」


    葉隠「オメーが殺そうと考えなきゃ苗木っちも俺も死ぬことはなかったんだべ」


    舞園「い、いや…」


    桑田「おい、葉隠、いい加減に…」


    葉隠「何をかばうんだべ? 苗木っちが死んだのはそいつのせいだべ」


    葉隠「舞園っちが全部悪いんだ。オメーのせいで俺も死ぬんだ」


    葉隠「結局この事件が起きたのも俺が犯人になったのも全部舞園っちのせいだべ!!」


    桑田「っ、テメェ!!」


    桑田くんが殴り掛かろうとした…




    葉隠「ばべっ!!」




    よりも前に葉隠くんは何者かに殴られ、後ろに倒れた。




    一松「…オイ」


    チョロ松「い、一松…」

  74. 74 : : 2016/05/08(日) 00:18:01


    一松「テメェ今なんつった? 悪いのは全部舞園のせい? じゃあテメェは悪くねぇのかよ」


    葉隠「そ、それは…」


    一松「人殺しておいてよくそんな口がきけたもんだな、あぁ?」


    一松「俺は別に舞園をかばうわけじゃねぇ。当然あいつも悪いに決まってる」




    一松「けどなぁ、どんな事言ったって苗木を殺したことが正当化されるわけがねぇだろ!!」




    葉隠「じゃあ、俺はどうすれば…」


    一松「知るかボケ」


    セレス「一松君の言う通りですわ」


    セレス「あなたには苗木君を殺さない選択肢もあったはず、なのに殺した」


    セレス「桑田君は舞園さんを逆恨みで殺すこともあったはず、だけど殺さなかった」



    セレス「結局のところ、あなたには明確な殺意があったということですわ」

  75. 75 : : 2016/05/08(日) 00:18:54


    モノクマ「えーと、そろそろいいかな? とっておきのアレがあるんですけど…」


    チョロ松「あれって、まさか…」



    モノクマ「そう、オシオキでーす!! もうそろそろ始めちゃってもいいよね?」



    葉隠「ひぃっ、い、いやだ、死にたくねぇべ」


    葉隠「そ、そうだ!! 初回だけサービスでオシオキは無しってことで…」


    モノクマ「キミの占いじゃあるまいし、そんな都合のいいサービスは存在しません!!」


    モノクマ「オシオキはきっちり行っちゃいます!!」


    葉隠「だ、誰か助けてくれ!!」
  76. 76 : : 2016/05/08(日) 00:19:26

    モノクマ「今回は超高校級の占い師である葉隠康比呂クンのために」


    葉隠「死にたくねぇ!! 死にたくねぇ!!」


    モノクマ「スペシャルなオシオキを」


    葉隠「な、何でもするからぁ!!」


    モノクマ「用意しました!!」


    葉隠「だ、誰か」




    モノクマ「それでは張り切っていきましょう、オシオキターーーーーイム!!」



    葉隠「助けてくれぇえええええええええええええええ!!!!」




    ハガクレくんがクロにきまりました
    オシオキをかいしします

  77. 77 : : 2016/05/08(日) 00:19:57


    超高校級の占い師 葉隠康比呂 クイズ!3割の確率で聞きました


    モニターに映し出されたのは、バラエティー番組のようなセットに立っている葉隠くんだった。

    その葉隠くんの後ろには3つの扉がある。

    葉隠くんがAの扉を選ぶと、その扉は空を飛んで逃げていった。

    次にBの扉を選ぶと、その扉は足が生えて逃げていった。

    最後に残ったのはCの扉。大きな口を開けて葉隠くんに襲い掛かる。

    葉隠くんは逃げ回りながら、最期になる占いをしていた。

    だけど、葉隠くんの顔はかつてないほど真っ青だった。

    ついに追いつかれて噛み殺される葉隠くん。

    葉隠くんの体は扉の中へ消えていく。

    葉隠くんを食べた扉はもぐもぐと咀嚼をした後、何かを吐き出した。

    それは血にまみれた水晶玉だった。

  78. 78 : : 2016/05/08(日) 00:21:24


    モノクマ「いやっほぉおおおお!! えくすとりぃぃぃぃいいいいむ!!」


    モノクマ「アドレナリンがぁぁぁ、しみわたるぅぅぅうううう!!」


    不二咲「あぁああ、葉隠君…」


    山田「なんてむごい…」


    葉隠くんのオシオキを見たみんなの顔は絶望ばかりだった。


    その中でも…




    舞園「あ、ああぁあ…」


    桑田「一歩間違えれば…、オレたちがああなってたのかよ」


    クロになるかもしれなかった舞園さんと桑田くんは別格だった。
  79. 79 : : 2016/05/08(日) 00:22:12

    モノクマ「いやあそれにしても、最初の殺人のわりには複雑だったねぇ」


    モノクマ「オマエラって意外とノリがいいのかな?」


    一松「んなわけねぇだろ」


    モノクマ「またまた御冗談を。…あ、そうだ、舞園さんに言いたいことがあるんだ」


    桑田「おいてめぇ、舞園ちゃんに何する気だ!!」


    モノクマ「やだなぁ、ボクは舞園さんにお礼が言いたいだけだよ」


    舞園「お礼って、何のことですか…?」




    モノクマ「もちろん、最初にコロシアイを始めてくれたお礼だよ」


    霧切「っ!! 舞園さん耳を塞いで!!」

  80. 80 : : 2016/05/08(日) 00:22:47


    モノクマ「殺人が一度起これば次の人がやりやすいからね。何事も最初が肝心なんだよ」


    モノクマ「これからのコロシアイ学園生活が楽しみだよ」


    モノクマ「何せジェットコースターの勢いのように殺人事件が次々と発生するからね」


    舞園「や、やめて…」



    モノクマ「だから舞園さん。コロシアイを最初に始めてくれてありがとう」



    舞園「やめてよぉおおおおおおおお!!」

  81. 81 : : 2016/05/08(日) 00:23:57

    桑田「モノクマぁぁあああああああ!!」


    チョロ松「だめだ桑田くん!! モノクマへの暴力は校則違反になる!!」


    桑田「離せ、離せよぉ!!」


    チョロ松「ここで手を出したらモノクマの思うつぼだ!! 落ち着くんだ!!」


    桑田「け、けど」


    チョロ松「今は舞園さんを落ち着かせるのが先だ。分かった?」


    桑田「あ、ああ…」


    チョロ松「舞園さん、あんな奴の言うことなんて真に受けちゃ…」




    舞園「…ゴメンナサイ、ナエギクン…ゴメンナサイ、ハガクレクン…ゴメンナサイ、…」


    チョロ松「まい、ぞの…さん?」


    超高校級のアイドルとして笑顔を振りまいていた舞園さんの顔は今、絶望に染まりきっていた。

  82. 82 : : 2016/05/08(日) 00:24:51


    舞園「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ナエギクン、ハガクレクン…」


    朝日奈「舞園ちゃん、大丈夫なの?」


    十神「あれのどこが大丈夫だ? 舞園はもうだめだ、このゲームを勝ち抜くことなどできん」


    石丸「ゲームって、何を言っているのだ君は!?」


    十神「分からないのか? これはいかに相手を出し抜いて勝つかのゲームだ」


    十神「自分を見失っているようでは殺されるのがオチだ」


    一松「ゲームって、…ここは現実だぞ」


    十神「それぐらい百も承知だ。俺は部屋に戻らせてもらう」


    セレス「わたくしも一足先に個室に帰りますわ」


    大神「舞園、肩を貸すぞ」


    舞園「…ゴメンナサイ、…」


    朝日奈「舞園ちゃん…」

  83. 83 : : 2016/05/08(日) 00:25:56


    <教室 1-A>



    皆が個室に帰っていくなか、僕と桑田くんは教室にいた。


    なんでも桑田くんが僕に話があるようなんだけど…


    チョロ松「話って何?」


    桑田「なんていうか…、その、ありがとな。色々と」


    チョロ松「お礼とか恥ずかしいって。これ以上誰も死んでほしくなかっただけで」


    桑田「それだけじゃねぇ。あのとき、チョロ松の兄弟のことを聞かなかったら」




    桑田「舞園ちゃんを殺してしまったかもしれねぇからな…」


    チョロ松「え?」

  84. 84 : : 2016/05/08(日) 00:26:48


    <桑田:回想>



    桑田「ふざけんなよ!! 何でオレが殺されなくちゃいけねぇんだ!?」


    桑田「殺られるくらいなら、こっちから殺ってやるよ…」



    <苗木の個室>



    桑田「よし、鍵も壊した。後は…」



    舞園『いやだ、死にたくない、助けて、苗木君…』



    桑田「殺そうとしたくせに命乞いかよ? 無駄なあがきしやがって」


    桑田「まあいいか。これであの女を殺して外に出て…」




    桑田「…それでいいのか?」




    桑田「あいつら、人殺しのオレに対して幻滅すんじゃねぇのか…?」


    桑田「いや、関係ねぇよ。あいつらとはほんの数日だけの仲だし」


    桑田「…けど、」



    チョロ松『ただ、十四松が野球好きだから桑田くんに教えてもらおうかなって』


    桑田『教えるぐらいならいいぜ? 何ならサインもつけるからさ』



    桑田「オレ、一応約束したしな…」
  85. 85 : : 2016/05/08(日) 00:27:28


    桑田「十四松ってやつも、人殺しなんかに野球を教えてもらいたくないだろうし」


    桑田「…なんで舞園はオレを殺す相手にしたんだろうな」


    桑田「ひょっとして、オレが野球をナメてたからか?」


    桑田「DVD見てあそこまで取り乱していたってことは、それだけ思い入れがあったってことだよな」


    桑田「きっと、心の中では腹立たしかったんだろうな…」


    桑田「…そうだな、慰めるか」



    <回想終了>

  86. 86 : : 2016/05/08(日) 00:28:18


    桑田「おかげで冷静になって気づけたんだよ。舞園ちゃんに無神経なことを言ってたって」


    桑田「いつの間にか舞園ちゃんを傷つけていたって」


    桑田「だから決めた。舞園ちゃんをもう傷つけたりなんかしないって」


    桑田「死んでしまった苗木の代わりに、舞園ちゃんを支えてやるって」


    チョロ松「桑田くん…」


    桑田「それに、オレも大事な事に気付けたんだ」


    チョロ松「大事な事って?」


    桑田「何だかんだで野球を馬鹿にしてたけどさ、やっぱり野球が好きだってことに」
  87. 87 : : 2016/05/08(日) 00:28:54

    桑田「よしチョロ松!! グローブとボールが見つかったらキャッチボールしようぜ!!」


    チョロ松「いいね!! そしてゆくゆくはセンバツに…」


    桑田「いや、それはさすがに無理だろ」



    結局、コロシアイは起きてしまった。


    苗木くんと葉隠くんはもう帰ってこない。


    舞園さんも心を閉ざしている。


    それでも、すべてが絶望というわけではない。


    まだ、僕たちは前に進める。



    希望を胸に抱いて…

  88. 88 : : 2016/05/08(日) 00:29:12


    <???>


    モノクマ「…馬鹿だよねぇ、オマエラ」


    モノクマ「この学園には、希望なんて何もないんだよ」


    モノクマ「あるとしたら絶望…、ただそれだけだよ」


  89. 89 : : 2016/05/08(日) 00:29:35


    CHAPTER1 オモイキル END


    コロシアイ学園生活参加者

    松野チョロ松
    松野一松
    【 苗木誠 】 DEAD
    石丸清多夏
    十神白夜
    大和田紋土
    桑田怜恩
    山田一二三
    【 葉隠康比呂 】 DEAD
    舞園さやか
    霧切響子
    朝日奈葵
    腐川冬子
    大神さくら
    セレス
    江ノ島盾子
    不二咲千尋

    残り15人
  90. 90 : : 2016/05/08(日) 00:30:58
    以上で1章の投下を終わります。

    2章以降は昼ごろを予定しています。
  91. 91 : : 2016/05/08(日) 13:19:44
    それでは2章を投下します。

    この章は一松視点で進行します。
  92. 92 : : 2016/05/08(日) 13:20:37


    CHAPTER2 週刊少年絶望SUNDAY (非)日常編



    コロシアイ学園生活5日目 夜


    <一松のシャワールーム>



    俺はあの悪趣味なオシオキを見せつけられた気分をなんとかしようと、シャワーを浴びていた。


    けど、いくら浴びても気分は晴れない。


    一松「……」


    一松「結局、コロシアイが起きた…。胸糞悪ぃ」


    一松「…食堂に行くか」


  93. 93 : : 2016/05/08(日) 13:21:29

    <廊下>



    俺が食堂に行く途中、苗木の部屋の前に桑田がいた。


    一松「何やってんの?」


    桑田「一松か? 苗木の個室に来たんだけどさ、開かねぇんだよ」


    一松「いやそりゃそうだろ。なんで開けようとしたんだよ」


    桑田「だって苗木の死体が部屋にあるからさ、せめて弔おうと…」


    モノクマ「いや苗木クンの死体はもう個室にはないよ」


    一松「…呼んでないんだけど」


    モノクマ「呼ばれなくても来ますよ。ボクは自由気ままに生きるクマなのですから」


    モノクマ「死体がいつまでもあるって気味悪いでしょ? ボクが片づけておいたからさ、お礼はいいよ」


    そういうとモノクマはすぐに俺たちの元を去っていった。


    桑田「弔いさえしてくれねぇのかよ、あのクマ野郎」


    一松「あんな奴ほっとけよ。ああいうのは無視するのが一番だから」

  94. 94 : : 2016/05/08(日) 13:22:23


    <食堂>



    食堂には全員が集まっていた。多分これからの方針なんだろうけど…


    石丸「桑田君、苗木君の個室はどうだったかね?」


    桑田「いや、案の定閉まってた」


    セレス「やはりそうでしたか。時間の無駄ですわね」


    大和田「で、これから何を話す気だ?」




    セレス「決まってますわ。舞園さんの処遇についてです」


    舞園「……ゴメンナサイ、……ゴメンナサイ、……」



    あの学級裁判の後、舞園は心を閉ざしてうわ言のように謝ってばかりいる。


    見ているこっちまで気が滅入りそうなんだけど。


    腐川「拘束したほうがいいわよ。こ、殺そうとしたんだから当然よ」


    石丸「仲間を縛りつけるなど言語道断!! 僕は認めんぞ!!」


    山田「ですが、最低限でも監視はつけてほしいですな。あの状態だと何をやらかすか…」


    石丸「君たちは舞園君のことを信じられないというのか!?」


    チョロ松「そうだよ!! 仲間を疑うなんて…」




    桑田「いや、俺は見張りだけはしたほうがいいと思う」


    十神「ほう、貴様からそんな言葉が出るとはな」

  95. 95 : : 2016/05/08(日) 13:23:19

    朝日奈「ちょっと待ってよ桑田、それ本気で言ってんの?」


    桑田「ああ」


    不二咲「もしかして、まだ舞園さんのことを恨んでいるの?」


    桑田「ちげぇよ。俺はもう舞園ちゃんを恨んじゃいねぇ」


    大神「ならば何故見張りを付けるなどと言うのだ?」


    桑田「決まってんだろ。舞園ちゃんは苗木が死んだ今とてつもなく絶望している」




    桑田「最悪、苗木の後を追って自殺しちまうかもしれねぇ…」


    江ノ島「自殺!?」



    霧切「ありえない話ではないわね。それを防ぐためにも誰かが見ていた方がいい。そういうことね」


    朝日奈「そっか、それなら私が舞園ちゃんを見るよ!! 裁判のとき、疑っちゃったし…」


    大神「朝日奈よ、我も手伝おう」
  96. 96 : : 2016/05/08(日) 13:23:48

    石丸「そうか、それなら仕方がないな…。しかし桑田君、君には感動した!!」


    桑田「な、何だよイインチョー」


    石丸「初めて会ったときは軽薄そうな男だと思ったが見直した!! 君はじつに素晴らしい!!」


    桑田「そっか、何か悪い気がしねぇな」


    石丸「それに比べて大和田君はすぐに怒鳴り散らす、仲間を殴る。人としてどうかと思うぞ!!」


    大和田「オイそれケンカ売ってんのか? 売ってんだよな!?」


    霧切「皆、もうすぐ夜時間よ。食堂も閉まるからそろそろ個室に戻りましょう」


    チョロ松「そうだね」


    話も終わったし、個室で寝るとするか。



    チョロ松「せめて何か言って一松!!」


    江ノ島「あ、いたんだ…」

  97. 97 : : 2016/05/08(日) 13:24:22


    コロシアイ学園生活6日目



    <体育館>



    俺たちは朝だというのに体育館にいる。


    何で体育館にいるのかって?




    『腰を左右に少し振りながらゆっくり屈伸し、ヒザの伸びに合わせて両手を動かす運動~』←モノクマダンス


    全員で訳分からん体操をやらされているからだ。ワンパターンな動きを6分ほど。



    一松「何でこんなことしなくちゃいけないの…」


    チョロ松「俺に聞くな」



    モノクマ「えー、いい感じに体がほぐれてきたところで、ボクから報告があります」


    モノクマ「この学園は学級裁判が開かれるたびに新しい世界が広がります」


    モノクマ「2階などを開放しましたのでオマエラで確認してください!!」


    新しい世界? 2階は他の人が見に行くし後でいいや、部屋に戻ろう。

  98. 98 : : 2016/05/08(日) 13:25:35


    <寄宿舎 廊下>



    一松「あれ、何か開いてる…」


    一松「えっと、大浴場…? 入ってみよっと」



    <大浴場>



    一松「サウナも付いてる。いい感じじゃん」ピロリン


    一松「ん? 校則が追加されました?」



    校則

    11.電子生徒手帳の他人への貸与を禁止します。



    何だこれ? …ああ、2階に更衣室があるからか。納得した。


    江ノ島「あ、一松。こんなところにいたんだ」


    一松「何?」


    江ノ島「食堂で報告会があるって」


    一松「分かった。先に行ってて」


    江ノ島「早く来てよー!!」


    さてと、脱衣所を確認するか。

  99. 99 : : 2016/05/08(日) 13:26:19

    <脱衣所>



    一松「……」


    やっぱり、ここだけ監視カメラがない。


    まあ、俺が言わなくても霧切あたりが気付くでしょ。とりあえず食堂に戻ることにした。




    <食堂>



    どうも報告会によると、2階には教室の他に更衣室とプール、図書室があるらしい。

    3階への階段もあったけど、シャッターが降りていたそうだ。多分裁判が開いたときに開放されると思う。

    寄宿舎では俺が見つけた大浴場の他に倉庫が開放されていた。桑田が野球道具を見つけて喜んでたな。


    今はチョロシコスキーと情報交換している。


    チョロ松「チョロシコスキーって誰だ!? ロシア人じゃねぇし!!」



    一松「誰に向かって言ってんの? …で、希望ヶ峰学園が廃校になったって俺たちとどういう関係が?」


    チョロ松「おそ松兄さんたちのことだよ」


    ああ、おそ松兄さんとクソ松か。たしか俺たちより1年早く入学したんだよな。


    チョロ松「あの手紙、埃の溜まり具合から見て1年以上は経っているらしいんだ。つまり…」


    一松「おそ松兄さんたちが入学したときはもう廃校になっていた?」


    チョロ松「そうなんだよ、イヤミが紹介したブラック工場みたいに騙されてないか心配で…」


    一松「いいんじゃないの? どこかで元気にやってるよ。心配するだけ無駄だって」


    我ながらクズだな。まあ生きる気力もない燃えないゴミだし。



    チョロ松「それもそうか。仮に騙されたとしても上2人が馬鹿なだけだったってことだし」


    あ、やっぱりこいつもクズだな。

  100. 100 : : 2016/05/08(日) 13:27:15

    コロシアイ学園生活7日目





    <食堂>



    今日の朝食会は十神だけいなかった。どうも図書室で読書をしていたらしい。

    結局十神抜きで朝食会を終えて、今は自由行動だ。え? 自家発電三郎はどうしたって?

    何か腐川に用があるといわれてどこかへ行ったよ。ナニをするかは聞いてないけど。

    まぁそれよりも気になるのは…。



    不二咲「……」


    一松「何で落ち込んでんの?」



    大和田「十神のヤローが不二咲を泣かせたんだよ。気にしなくてもいいのによ」


    一松「そうだよな。あんなかませ眼鏡のことなんか気にすんなよ」


    不二咲「そうじゃないんだ…。僕、十神君に言われっぱなしで弱いなって…」


    一松「別にいいじゃん。女なんだから」


    不二咲「……」グスッ


    一松「え? なんでここで泣くの?」


    大和田「ああもう泣くな!! 仕方ねぇ、不二咲、男の約束をしようじゃねぇか」


    不二咲「男の約束?」


    大和田「ああ。オメェはもう一々泣くな。その代わりオレもむやみに怒ったりしねぇ。男の約束な」


    不二咲「男の約束かぁ…。えへへ」


    一松「あれ? 機嫌直った? それにしても男の約束ってやつに結構こだわるね」


    大和田「『男の約束だけは絶対に守れ』…こいつはオレの兄貴が遺した言葉だからな」


    一松「遺したって…」


    大和田「ああ、兄貴は死んじまってな…。一松、オメェは兄貴を大切にしろよ」



    一松「言われなくても分かってるよ、そんなこと」
  101. 101 : : 2016/05/08(日) 13:29:02


    コロシアイ学園生活8日目



    <食堂>



    俺と桑田が食堂で雑談しているとき、それは起きた。


    桑田「昨日は体育館でチョロ松や大神や朝日奈と野球してたけどさ、チョロ松の奴足速くね?」


    一松「ガキの頃からそうだったよ」


    桑田「だったらチョロ松は1番打者だな」


    一松「何考えてんの?」


    桑田「クラスメイトで打順組んでんだ。4番は当然俺として大神が5番打者。3番は…」



    ガシャーン


    一松「何の音?」

  102. 102 : : 2016/05/08(日) 13:29:43


    山田「ええと、僕の入れたミルクティーですが、何か御気に召しませんでしたかな?」


    セレス「有体に言うなら全てですわね。あとわたくしが欲しているのはロイヤルミルクティーですわ」


    山田「ロイヤルミルクティー? あのセレス殿、少々無理があるかと…」



    セレス「いいからさっさと持って来いこの豚野郎がぁあああああああ!!」


    山田「はぃいいい!! 今すぐご用意致しますぞぉおおお!!」



    桑田「…こえー、どうしたんだセレスの奴。キャラ崩壊してるぞ」


    桑田「そう思わねえか一松? あれ、どこに行った?」



    一松「ねぇ、あの豚みたいに俺を罵ってくんない?」


    セレス「はぁ?」


    桑田「何言ってんだオメー!?」

  103. 103 : : 2016/05/08(日) 13:30:42

    <食堂>



    今日はセレス様に存分に罵ってもらったので大満足だ。

    とりあえず喉が渇いたから食堂に向かったんだけど、行かなきゃよかった。



    大和田「おう一松、丁度いいところに来たな。立会人やってくれねぇか?」


    一松「いや何の立会人だよ」


    石丸「サウナでの我慢対決だ!! 大和田君のような根性無しには負ける気がしないがな!!」


    大和田「言ってくれんじゃねぇかテメェ。だったら俺は学ラン着たまま勝負してやらぁ」


    石丸「そうか、なら僕も服を着たままでいい。どちらが根性があるか勝負だ!!」


    いや俺を置いて勝手に話進めないでくれる? めっちゃ傍迷惑なんだけど。


    桑田「何やってんだオメーら?」


    一松「死なばもろとも…」


    桑田「はい?」


    大和田「丁度いいな。桑田、オメェも立会人やってくれよ」


    桑田「…アポ?」

  104. 104 : : 2016/05/08(日) 13:31:19


    ~2時間後~



    <脱衣所>



    桑田「バカじゃねぇの!? バカじゃねぇの!?」ガラララ


    一松「いつまでやる気だよアイツら…」




    不二咲「あ……」




    桑田「……」←全裸


    一松「……」←桑田に同じ



    不二咲「お、お邪魔しました…///」



    「「ちょっと待ってえええええ!!」」

  105. 105 : : 2016/05/08(日) 13:33:14


    コロシアイ学園生活9日目



    <食堂>



    一松「…ということがあったんだ」


    朝日奈「まぁ、不可抗力だし、さ。気にしなくていいよ。そうだよね? 舞園ちゃん」


    舞園「………………」


    チョロ松「舞園さんの様子は?」


    大神「何も変わっておらぬ。自殺をする気がないのが救いだな」


    江ノ島「ふーん、それで…」




    石丸「はっはっはっは、見事な根性だったぞ兄弟!!」


    大和田「それはこっちのセリフだぜ兄弟!!」




    江ノ島「あれは何が起こったわけ?」


    桑田「知らねぇよ」

  106. 106 : : 2016/05/08(日) 13:33:58

    一松「俺が気になるのはあっちなんだけど…」




    腐川「ぐへへへ、白夜様に心配された…。風呂入れって言われた…」




    一松「何があったの、サクランボ松兄さん?」


    チョロ松「いやサクランボ松って誰だよ? 知らねぇし」


    舞園「……チェリー……ボーイ……」


    朝日奈「え? 何て言ったの?」


    チョロ松「それよりも気になるのはあっちだよ」




    セレス「テメェはいつになったらロイヤルミルクティーの淹れ方を覚えんだよぉおおおおおお!?」


    山田「申し訳ございません!! 僕はバカな醜い雄豚です!!」




    チョロ松「セレスさんキャラ崩壊してない?」


    桑田「それオレが昨日言った」



    不二咲「とっても賑やかな朝食会だねぇ」ホッコリ


    霧切「…賑やか過ぎるわよ」

  107. 107 : : 2016/05/08(日) 13:35:13


    <体育館>



    朝食会が終わった後、モノクマに呼び出された。次は何をする気だ…?


    モノクマ「ようやく集まったねオマエラ。

    なかなかコロシアイが始まらないからそろそろテコ入れの時期かなってね」


    一松「まさか…」


    モノクマ「そう!! 新しい動機を発表しちゃいまーす!! それはね…オマエラの秘密だよ!!」


    そういうとモノクマは封筒を俺たちの頭上にばら撒いた。全員、自分の分の封筒の中身を確認する。


    俺の秘密は…



    『松野一松は野良猫以外友達がいない。』


    …ふーん、それで? 確かに言うことじゃないけどさ、そこまでヤバくはない。けど…



    大和田「クソっ、これをどこで…」

    腐川「嘘でしょ!? な、何で…」

    大神「モノクマめ…!!」

    江ノ島「え、ちょっと待って? マジで?」

    不二咲「ど、どうしよう…」



    何人かは狼狽えている。よっぽどまずい秘密なんだろうな。だけどこれが動機って…?
  108. 108 : : 2016/05/08(日) 13:36:00

    モノクマ「今から24時間以内に殺人が起きなかった場合、これを全世界に公表しちゃいます!!」


    十神「…成程、そういうことか」


    霧切「秘密を守るために誰かを殺す、ということね」


    朝日奈「けどさ、たかが秘密だよ? そんなことのために人を殺すわけないじゃん!!」


    石丸「そうだな、いっそのことここで秘密を言おうではないか!!」


    大和田「わりぃ、こればかりは無理だ」


    十神「馬鹿馬鹿しい、誰が言うか」


    腐川「白夜様の言う通りよ。ふざけんじゃないわよ」


    不二咲「あ、あの、僕も今は言えないけど、いつか秘密を言うねぇ…」


    皆が秘密を言い合うか否かでもめている。そのとき、



    モノクマ「あ、そうだ。チョロ松くんに一松くん。キミたちには言ってなかったことがあるんだけど」


    チョロ松「何だよ?」




    モノクマ「実はキミたち2人だけはあと秘密が5つもあるんだよね」


    一松「え!?」
  109. 109 : : 2016/05/08(日) 13:37:07

    モノクマ「まあ学園中にばら撒くのはメンドくさいから男子更衣室にまとめてあるんだけど」



    モノクマ「もしかしたら、出し抜かれるかもね?」



    モノクマ「どこかの誰かさんに」



    俺は全速力で男子更衣室に向かった。



    <男子更衣室>



    一松「どこだ!? どこにある!?」


    全然見つからない。さっきからシコ松も見ないし、まさか…。


    一松「いや先に見られたとかないから」


    チョロ松「何が見られたって? ひょっとしてこれ?」 つ分厚い封筒


    一松「そ、それは!?」


    チョロ松「ああ、これって一松のだったんだ」


    やべぇえええええええ!! どうしよう!? 見られた!? 見られたの!?



    チョロ松「じゃあ、これ返すよ」


    一松「へ?」
  110. 110 : : 2016/05/08(日) 13:38:05

    チョロ松「よく考えたらさ、カースト最底辺の兄弟で秘密を暴露し合うのって空しいんだよね」


    チョロ松「はい、一松」


    一松「あ、ありがとう…」


    チョロ松「それじゃ、僕は部屋に戻るから」


    意外といいやつだったな。意外と。



    <一松の個室>



    一松「驚いたな。普通に返すなんてさ」


    とりあえず中身を確認するために封筒を開けようとした…



    一松「…何で開いてんの?」



    ら、なぜか開いていた。まさか…



    『松野一松はスタバァで脱糞しようとしていた』

    『松野一松は末弟のトド松のパチンコの金をむしりとった』

    『松野一松は次男のカラ松を馬鹿にしているが、次男の服を着てカラ松を演じていた』

    『その状態で長男のおそ松にバレないために愛の告白をでっちあげた』

    『最後に着替え中もつれ合ってカラ松に押し倒される形でBLみたいになった』
    ↑流石に引いたわ by チョロリン



    一松「ちゃっかり見てんじゃねぇええええかぁあああ!! あのシコやろぉおおおおうううう!!」



    <チョロ松の個室>



    チョロ松「危なかったなー、段ボール製のPCで社会人の真似事をしているとかヤバいし」

  111. 111 : : 2016/05/08(日) 13:39:01


    <一松の個室>



    一松「シコ松の野郎…後で覚えとけよ」


    終わった…。一生アイツにいじられるぞ、これ。


    気付けばすでに夜時間になっていた。


    一松「もう遅いし、寝るか。…あれ?」


    最初に配られた封筒がない。まさか、探しているときに落とした?


    一松「…取りに行くか」


    俺は男子更衣室に向かった。



    <男子更衣室>



    一松「一体どこに落とし…え?」ガチャ


    男子更衣室を開けた先には信じられない光景があった。




    男子更衣室なのに真っ青な顔でいる不二咲。


    その不二咲をダンベルで殴ろうとしていた大和田がいた。
  112. 112 : : 2016/05/08(日) 13:40:01

    不二咲「い、一松君?」


    大和田「あ、ああ、オレは…」


    一松「…何、やってんだよ。大和田」


    大和田「オレは、何を、う、ぁ、うおおおあぁぁあああああああ!!」


    大和田は何かにおびえるように男子更衣室から出て行った。




    一松「おい、大丈夫か不二咲!?」


    不二咲「う、うん…だい、じょうぶ」


    一松「どう見ても大丈夫じゃねえだろ!!」


    不二咲を落ち着かせようとしたとき、石丸が慌てた顔で入ってきた。


    石丸「な、何があったのだね一松君!! 兄弟が突然更衣室から飛び出したのだが!?」


    一松「石丸、お前は大和田のところに行け。取り返しがつかなくなる前に」


    石丸「い、一松君?」


    一松「いいから早く行け!!」


    石丸「わ、分かった!!」
  113. 113 : : 2016/05/08(日) 13:40:48

    石丸はすぐに大和田の後を追うように更衣室を出た。残ったのは俺と不二咲だけだ。


    一松「ここで何があったんだ、不二咲? あと何で男子更衣室にいるんだよ?」


    不二咲「…それは、僕が男だからだよ」


    一松「…は? 嘘だろ?」


    石丸「一松君!! 兄弟を連れてきたぞ!!」


    大和田「……」


    石丸に連れてこられた大和田は普段からは想像できないほど弱弱しい顔をしていた。


    一松「とりあえず、俺の個室に来い。何があったのかはそこで聞くから」



    <一松の個室>



    大和田が不二咲を殴ろうとした原因は秘密によるものらしい。


    不二咲の秘密は『実は男で女装をしていた』


    大和田の秘密は『実の兄を殺した』


    秘密を打ち明けて変わろうとした不二咲に対して、秘密を守ってチームを守ろうとした大和田が嫉妬した。


    大和田自身が言っていたように、変わろうとする心の強さに対してのぶっ壊れた嫉妬だった。
  114. 114 : : 2016/05/08(日) 13:42:40

    石丸「何で僕に話してくれなかったんだ!? 危うく不二咲君を殺すところだったんだぞ!!」


    大和田「あぁ、分かってる。すまねぇ兄弟…、すまねぇ不二咲…。うぅっ」


    不二咲「大丈夫だよ大和田君。僕も大和田君を傷つけてしまったから…」


    大和田「不二咲…、こんなオレを許してくれるなんて…オメェは十分強ぇよ」


    大和田「あと一松…、オメェにも迷惑をかけちまった、すまねぇ。そして、…ありがとな」


    一松「何でお礼言うの?」


    大和田「オメェがいなかったら不二咲を殺すところだったからよ。取り返しがつかなくなるところだった」


    一松「別にいいよ。…何か恥ずかしいし」


    不二咲「あ、そうだ。一松君」


    一松「何?」


    不二咲「この封筒、一松君のだよね? 更衣室に落ちてたんだけど…。あと、中身も見えてて」


    一松「あぁそれは大丈夫。大した秘密じゃないから」


    石丸「どんな秘密だったのだ?」


    一松「『野良猫以外友達がいない』だよ」


    石丸「ふっ、それはモノクマがでっちあげたものだな」


    一松「え? 間違ってないけど」




    石丸「友ならいるじゃないか。僕たちが君の友達だ。だからその秘密は捏造だ」
  115. 115 : : 2016/05/08(日) 13:43:23

    大和田「…いいこと言うじゃねぇか、兄弟」


    不二咲「そうだよ一松君。僕たちは友達だよぉ」


    一松「友達ねぇ…、悪くないかも」


    ここでの共同生活はクソみたいだと思っていた。けど、ようやくこの生活も悪くないって思えたんだ。


    ニートのときにはできなかった友達がここにいる。俺は幸せだなと実感できた。



    それでも、コロシアイは止まることはなかった…。



    コロシアイ学園生活10日目



    <一松の個室>



    ピンポーン



    一松「…ん、もうこんな時間か。誰だ?」ガチャ


    石丸「一松君!! 無事だったのか」


    俺が扉を開けると、石丸と大和田と不二咲がいた。


    一松「無事って何?」


    不二咲「実はねぇ…」


    そのときに、あの不快な放送が流れた。



    ピンポンパンポーン

    モノクマ『死体が発見されました!! 一定の捜査時間の後、学級裁判を開きます!!』




    一松「…は!?」
  116. 116 : : 2016/05/08(日) 13:44:12

    大和田「ちっ、嫌な予感はしていたが…」


    不二咲「そんな…、また誰かが…」


    石丸「…僕は不二咲君と一緒に寄宿舎を調べる。兄弟と一松君は校舎のほうに行ってくれ」


    大和田「おう、分かった。一松、急ぐぞ!!」


    一松「…ああ、分かった」


    一体、誰が死んだんだよ。まさか、アイツが…?




    <校舎1階 廊下>




    「ぬぉあああああああああああああ!!!!!!」



    一松「な、何だよ今の叫び声?」


    大和田「2階の方だ!! 行くぞ!!」

  117. 117 : : 2016/05/08(日) 13:45:58


    <2階 男子更衣室>



    一松「…また、起きたのかよ」


    大和田「…クソッ!!」



    男子更衣室で俺たちが見たものは…。



    普段とは違って大きくうなだれ肩を震わせる大神…、そして…、



    磔にされ、頭から血を流して息絶えた、朝日奈だった…。


  118. 118 : : 2016/05/08(日) 13:46:40
    以上で投下を終わります。

    次は夕方くらいに投下します。
  119. 119 : : 2016/05/08(日) 15:35:35
    期待
  120. 120 : : 2016/05/08(日) 17:29:15
    それでは2章非日常編を投下します。
  121. 121 : : 2016/05/08(日) 17:29:48


    CHAPTER2 週刊少年絶望SUNDAY 非日常編



    <2階 男子更衣室>



    大神「朝、日奈……」


    桑田「また、始まるのかよ…」


    舞園「……ゴメンナサイ、ナエギクン…ハガクレクン……アサヒナサン……」


    また始まる…。あのときのモノクマの言葉が思い出される。




    モノクマ『何せジェットコースターの勢いのように殺人事件が次々と発生するからね』


    結局、殺人事件は“また”発生してしまった…。




    十神「随分と思いきったことをするものだな、今回は」


    山田「確かに…、“チミドロフィーバー”などという血文字。どうみても異常ですぞ」


    チョロ松「あと…、どうして男子更衣室で死んでいるの? おかしくない?」


    霧切「それは捜査すれば分かること。私たちにできることは朝日奈さんを殺した犯人をつきとめることよ」


    モノクマ「そういうこと。はい、モノクマファイル~」


    ドラ○もんみたいな言い方でモノクマファイルを渡してきた。とりあえず確認する。
  122. 122 : : 2016/05/08(日) 17:30:32

    【モノクマファイル2】

    被害者は朝日奈葵。

    死亡推定時刻は午後10時30分頃。

    死体発見現場は2階の男子更衣室。

    頭部の傷と右手の火傷、体の一部に縛られた跡がある。


    コトダマ:モノクマファイル2 獲得



    一松「10時30分って…」


    俺たちが男子更衣室にいた時間帯だ。


    あのときに朝日奈は殺されたのか…!!


    だけど、犯人はどこで朝日奈を殺して、男子更衣室に運んだんだ?


    大神「…我は朝日奈を見張る。後は頼んだぞ」


    大和田「オレも見張る。わりぃが、捜査のことは任せた、一松」


    一松「ああ、分かった」
  123. 123 : : 2016/05/08(日) 17:31:19

    〈 捜査開始 〉



    まず殺人事件の捜査だったら死体を確認する必要がある。けど…


    大神「……」


    一松「いや別にやましい気持ちとかじゃないから」


    霧切「一松君、朝日奈さんの確認は私がするわ。大神さん、一緒に見てもらえるかしら?」


    大神「分かった。くれぐれも妙な真似はせぬよう頼んだぞ」


    死体の確認は霧切に任せるか。ここから目につくものは…。やっぱりあの血文字だろ。


    コトダマ:チミドロフィーバーと書かれた血文字 獲得


    あとはダンベルだな。これで大和田が不二咲を殺しかけたんだよな…。


    コトダマ:ダンベル 獲得


    一松「この水泳バッグって…」


    大神「中身を確認したが、水着やタオルが使われていた。恐らく、プールで泳いだ後に…」


    コトダマ:水泳バッグ 獲得
  124. 124 : : 2016/05/08(日) 17:31:48

    あれ…?


    一松「チョロ松と桑田は?」


    山田「十神白夜殿に連れていかれましたぞ。何か見せたいものがあるそうで…」


    一松「じゃあ、江ノ島と腐川は?」


    セレス「腐川さんが壊れて江ノ島さんが個室まで連れて行きましたわ」


    そういえば、腐川って血が苦手なんだっけ?


    セレス「ではわたくしも個室に帰らせていただきますわ」


    一松「捜査しなくていいの?」




    セレス「必要ありませんわ。だって、犯人の目星はつけていますもの」


    一松「!? それって誰だよ?」


    セレス「それは裁判で明らかになるでしょう。それでは」


    セレスは個室に帰っていった。犯人が分かった? どういうことだ?


    山田「松野一松殿は捜査しなくてもよろしいのですかな?」


    一松「あ…そうだな」


  125. 125 : : 2016/05/08(日) 17:32:28


    <プール前ホール>



    俺はプール前にあるホールに何か手がかりがないか探していた。見つけたのは…


    一松「これって…延長コードのコンセントの部分だよな? 何でこんなとこにあるんだよ」


    コトダマ:延長コードのコンセント部分 獲得



    霧切「一松君、ちょっといいかしら」


    一松「どうしたの?」


    霧切「朝日奈さんの死因だけど、窒息死だったわ」


    一松「は!? それじゃ頭から血を流していたのって…」


    霧切「あれは死後につけられた傷よ。首のところに絞殺された跡があったわ」


    一松「じゃあ、犯人は朝日奈を絞め殺した後にダンベルで頭を殴ったのかよ…」


    霧切「そうなるわね。あと、朝日奈さんの髪の毛が少し濡れていたわ」


    コトダマ:死体の状況 獲得

  126. 126 : : 2016/05/08(日) 17:33:10

    <男子更衣室>



    俺はもう一度死体のある場所に来た。


    大神「一松よ、何か用があるのか?」


    一松「安心しろよ。俺が見たいのは磔にされているロープだから」



    磔に使っているのは、…延長コードだ。しかも2種類もある。


    プール前で見つけたのは黒色だった。けど、磔には黒と白の2種類が使われている。


    しかも、黒い方はコンセント部分がない上、先端部分の銅線がむき出しだ。


    コトダマ:磔に使われた延長コード 獲得



    <1階 玄関ホール>



    他に手がかりがないか1階で探していると、玄関ホールで山田を見つけた。


    山田「松野一松殿ですか。捜査は順調ですかな?」


    一松「まあね。こんなところで何してんの?」


    山田「朝日奈葵殿が男子更衣室で発見されていましてな、もしやと思って玄関ホールに来たのですぞ」


    一松「何で玄関ホール?」


    山田「そこの引き出しには死んだクラスメイトの電子生徒手帳が収納されておりましてな」


    ってことは苗木と葉隠の手帳がそこにあるのか。


    山田「つまり、朝日奈葵殿はここにある男子の手帳を使って男子更衣室に入ったはず!! …ですが」


    一松「ですが?」


    山田「どちらも壊れておりましたぞ…」


    コトダマ:玄関ホールの手帳 獲得
  127. 127 : : 2016/05/08(日) 17:34:04


    <寄宿舎 廊下>



    寄宿舎に行くと石丸と不二咲がいた。


    石丸「一松君! 丁度いいところに来た!! 実は倉庫の備品を調べていたのだ!!」


    不二咲「レインコートとゴム手袋が1つずつなくなっていたんだ」


    一松「それだけ? 延長コードとかは?」


    石丸「それはなくなっていないな」


    あの延長コード、どこから調達したんだ?


    コトダマ:倉庫の使用状況 獲得



    一松「そういえばさ、石丸に聞きたいことがあるんだけど」


    石丸「どうしたのだね?」


    一松「どうして夜時間に男子更衣室に来てたわけ?」


    石丸「それは…兄弟を探すためだ」


    石丸「兄弟は今回の動機で動揺していた。何か力になるかもしれないと、兄弟の部屋まで来たのだが…」


    石丸「何度呼んでも兄弟は出てこなかった。もしかしたら他の場所にいるかもしれないと思い、探していたのだ」


    石丸「兄弟がプール前の扉から出てきたのもそのときだな」


    コトダマ:石丸の証言 獲得
  128. 128 : : 2016/05/08(日) 17:34:34


    一松「今回の事件の動機って、どう考えても封筒に書かれた秘密だよな」


    石丸「確か不二咲君は男だということを隠しているのが秘密だったな」


    一松「動機が発表されたときにそのうち打ち明けるって言ってたけどいつにする?」


    不二咲「裁判の後がいいかな…」


    コトダマ:不二咲の秘密 獲得



    チョロ松「一松。こんなところにいたんだ」


    一松「丁度いいや。聞きたいことがあるけどさ、腐川に頼まれてたじゃん。あれ何?」


    チョロ松「いや別に大したことじゃないんだけど。十神くんが好きらしくてさ、図書室まで連れられたんだ」


    そういえばアイツ動機のときに白夜様って言ってたな。


    コトダマ:チョロ松の証言 獲得



    モノクマ『えー、捜査時間が終了しました。オマエラ、校舎1階の赤い扉の前に集合してください!!』



    一松「え? 手がかりが少ないんだけど」


    チョロ松「落ち着け一松。こっちも手がかりはある程度集めている」


    だったら、大丈夫か。大丈夫…だよな?

  129. 129 : : 2016/05/08(日) 17:35:08


    <校舎1階 地下エレベーター前>



    全員集まって、エレベーターに乗り込んだ。


    この中に朝日奈を殺した犯人がいる。


    大神「朝日奈よ、必ずや無念を晴らして見せる…」


    セレス「さて、犯人は誰なのでしょうね?」チラッ


    不二咲「……」


    エレベーターが止まり、再びあの裁判場が俺たちの前に現れた。



    チョロ松「…また、ここに来てしまったね」


    一松「俺は苗木の席に行くよ」


    チョロ松「分かった。僕は反対側に行くよ」




    『朝日奈』 チョロ松 『葉隠』




    チョロ松「この席、両隣が遺影だ…」


    一松「ドンマイ」

    いよいよ始まる…。


    命がけの騙し合い。

    命がけの裏切り。

    命がけの謎解き。

    命がけの言い訳。

    命がけの信頼。

    命がけの…学級裁判…!!
  130. 130 : : 2016/05/08(日) 17:36:20
    これで一旦投下を終わります。

    次の投下は夜8時ぐらいにします。
  131. 131 : : 2016/05/08(日) 20:30:59
    お待たせしました。

    これから2章学級裁判を投下します。
  132. 132 : : 2016/05/08(日) 20:31:37
    CLASSROOM TRIALS 2


    モノローグ


    再び起きた殺人事件。被害者は超高校級のスイマー、朝日奈葵。

    現場の血文字と磔は何を意味するのか?

    そして、男子更衣室に彼女の死体がある謎とは…?


    コトダマリスト

    モノクマファイル2
    『被害者は朝日奈葵。
    死亡推定時刻は午後10時30分頃。
    死体発見現場は2階の男子更衣室。
    頭部の傷と右手の火傷、体の一部に縛られた跡がある』

    チミドロフィーバーと書かれた血文字
    『壁に大きく“チミドロフィーバー”と書かれている』

    ダンベル
    『男子更衣室に置いてあった備品。血が付着している』

    水泳バッグ
    『男子更衣室に置いてあった。中身は使用済みの水着やタオルなどがある』

    延長コードのコンセントの部分
    『プール前のホールに落ちていた。色は黒』

    死体の状況
    『死因は窒息死。首に絞殺された跡がある。また、髪の毛が少しだけ濡れている』

    磔に使われた延長コード
    『白と黒の2種類の延長コードが使われている。黒の延長コードはコンセント部分がなく、一部銅線がむき出しである』

    玄関ホールの手帳
    『死んだ生徒の手帳は玄関ホールに保管されている。ただし、2枚とも壊れている』

    倉庫の使用状況
    『レインコートとゴム手袋が1つずつなくなっている』

    石丸の証言
    『大和田を探すために校舎中を探していた。そのときに大和田がプール前の扉から飛び出した』

    不二咲の秘密
    『実は男の娘である。このことを打ち明けているのは大和田、石丸、一松のみである』

    チョロ松の証言
    『腐川に頼まれて、十神がいる図書室まで連れてこられた。腐川は十神のことが好きらしい』

  133. 133 : : 2016/05/08(日) 20:33:06

    学級裁判 開廷

    モノクマ「まずは、学級裁判の簡単な説明から始めましょう!!

    学級裁判の結果は、オマエラの投票により、決定されます!!

    正しいクロを指摘できれば、指摘されたクロだけがお仕置き。

    だけどもし、間違った人物をクロとした場合は…。

    クロ以外の全員がお仕置きされ、生き残ったクロだけがこの学園を卒業します!!」


    モノクマ「それでは、議論を…」


    十神「その必要はない」

    モノクマ「ホエ?」

    一松「デカパン博士?」

    チョロ松「絶対関係ないから、反応すんな」

    十神「何故なら俺は犯人が誰なのか分かっているからだ」

    石丸「それは本当かね十神君!? で、一体誰なのだ!?」



    十神「単刀直入に言う。朝日奈を殺したのは、ジェノサイダー翔だ!!」



    一松「誰?」

    江ノ島「ジェノサイダー翔って、あの連続殺人鬼の?」

    十神「そうだ。奴は犯行を行うとき、“チミドロフィーバー”という血文字を残す」

    桑田「けど、それだけじゃ本人がやった証拠にはならねぇだろ。…もう1つあるんだろ?」

    十神「桑田やチョロ松は分かっていると思うが、今回の死体は磔にされている」

    十神「これは警察内部でしか知らない極秘情報だが、ジェノサイダーも死体を磔にするのだ」

    山田「何ですと!? ではジェノサイダー翔はこの中にいるのですかな?」



    十神「ああ、そして、俺は誰がジェノサイダー翔なのか分かっている。それは腐川冬子、お前だ」


    腐川「なあっ!?」
  134. 134 : : 2016/05/08(日) 20:34:04

    不二咲「腐川さんが…ジェノサイダー翔?」

    大和田「オイ嘘だろ? アイツ、血が苦手なんだろ? 殺人鬼とか想像できねぇぞ」

    セレス「確かに、あの卑屈な性格から殺人鬼のイメージが湧きませんわ」

    チョロ松「いや、その卑屈な性格を持つ人格とは別に、殺人鬼としての人格もあるんだ」

    桑田「いわゆる多重人格ってヤツだな」

    十神「さて、反論はあるか? 貴様が殺人鬼だということは分かってるぞ」

    腐川「黙ってくれるって、信じていたのに…」

    十神「貴様が勝手にそう思っていただけだろう」

    腐川「うぐぐ…うあああぁあああああああ!!」


    バタッ


    桑田「おい、だ、大丈夫かよ? 今思いっきり後ろに倒れたぞ」

    山田「まさか、ショック死とかでは…」



    「……あり? ここどこだ?」ムクッ

  135. 135 : : 2016/05/08(日) 20:35:06


    大和田「何言ってんだ? 今は学級裁判だろーが」

    腐川?「んなもん知らねーっつの。つーかあの根暗、また気でも失ったのか?」

    石丸「さっきから何を言って…」

    江ノ島「つーか、アンタ誰? 全然雰囲気が違うっつうか…」

    腐川?「しゃーねーな。一回しか言わねーから、耳の穴かっぽじってよく聞きやがれ」



    ジェノサイダー翔「アタシの名は超高校級の殺人鬼、ジェノサイダーーーーー、翔っ!!」

    超高校級の殺人鬼 ジェノサイダー翔



    ジェノ「こう見えて意外と家庭的なところもある殺人鬼でぇーーーーーす!!」

    ジェノ「って、自分で家庭的とかウケる!! ゲラゲラゲラゲラ!!」

    不二咲「こ、これがあの腐川さん?」

    チョロ松「イメージが180度変わったんだけど…」

    十神「ようやく尻尾を現したか。お前が朝日奈を殺した犯人なのだろう?」

    ジェノ「あ? 何言ってんだこのかませ眼鏡?」

    一松「ブフッ!!」

    十神「なっ!? …フン、まあいい。お前が犯人なのは明白だ」

    十神「ジェノサイダー翔と今回の事件の犯人、殺人の手口が一致しているからな」


    チョロ松「それは違うね!!」
  136. 136 : : 2016/05/08(日) 20:35:43

    十神「…何が言いたいんだ? チョロ松」

    チョロ松「僕はジェノサイダー翔についてのファイルを見ているから分かるけど、手口は一致してないよ」

    十神「どこが違うというのだ? それなりの根拠があるんだろうな?」

    一松(何だコイツ…。まるでチョロ松を試しているように言ってやがる)
  137. 137 : : 2016/05/08(日) 20:36:46

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    モノクマファイル2
    ダンベル
    死体の状況


    チョロ松「まず被害者なんだけど、【ジェノサイダー翔は男性しか殺さない】んだ」

    桑田「確かにあのファイルに載っていた被害者は【全員男】だったぜ」

    チョロ松「なのに、今回の被害者は女子の朝日奈さん。これって、どう考えてもおかしい」

    チョロ松「次にジェノサイダー翔は【凶器も磔に使うのもハサミ】なんだ」

    チョロ松「だけど今回の事件、【凶器はダンベル】で、【磔には延長コード】が使われている」

    江ノ島「けどそれって、【犯行時にハサミを持っていなかった】からなんじゃ…」

    ジェノ「あ? 殺人鬼なめてんの? アタシはこのマイハサミを欠かさず持ってるっつーの!!」

    チョロ松「…つまり、【ジェノサイダー翔は犯人じゃない】!!」


    一松(ちょっと待てよ? 一致していないのは分かったが…、勘違いしていないか?)
  138. 138 : : 2016/05/08(日) 20:37:53

    【凶器はダンベル】←死体の状況

    一松「それは違う!!」


    一松「ちょっと待てチョロ松。お前、勘違いしているぞ」

    チョロ松「何言ってんだ、どう考えても一致してないだろ」

    一松「そっちじゃねぇ、今回の事件、凶器はダンベルじゃない」

    江ノ島「は? なんでそんなこと言えるわけ?」

    霧切「朝日奈さんの死体を調べていたんだけど、首に絞殺された跡があったのよ」

    大神「我も確認している。朝日奈の死因は窒息死だ」

    石丸「本当なのかね!? だとしたら、あの頭の傷は…」

    一松「犯人が死因を誤認させるためにつけた傷だ」

    不二咲「ひどいよぉ、そんなことするなんて…」

    霧切「凶器の違いはともかく、ジェノサイダー翔の犯行でないことは証明されたわ」

    霧切「もう1つ、ジェノサイダー翔が不可能な理由があるわ。それは、男子更衣室での犯行よ」

    江ノ島「え? それって玄関ホールの電子手帳を使えばいいんじゃ…」

    一松(それは無理だ…何故なら)

    なくなっていた
    電池切れだった
    壊れていた
  139. 139 : : 2016/05/08(日) 20:38:50

    →壊れていた

    一松「これだ!!」


    一松「玄関ホールの手帳はどちらも壊れていたんだよ」

    チョロ松「え? あれって結構頑丈だよね」

    セレス「誰か壊した方がいるのでは?」

    桑田「葉隠はともかく、苗木のは壊れないよな」


    石丸「すまない!! それは僕と兄弟だ!!」

    大和田「兄弟の言う通りだ。サウナ対決をしたときに服に入れたままだったからな」

    石丸「そのときに故障してしまったのだ!! それで仕方なく玄関ホールの手帳を…」

    山田「成程、つまりこの手帳は熱に弱かったのですな」

    不二咲「分かるよぉ、だって、精密機器は高熱でダメになってしまうから…」

    江ノ島「何か壊したことがある言い方だね…」

    ジェノ「壊れてるやつならそこにいんだけどねー、つーか全然しゃべってねぇし」



    舞園「……」
  140. 140 : : 2016/05/08(日) 20:39:58


    大神「ジェノサイダーよ、舞園のことはそっとしておいて欲しい」

    大和田「けどよぉ、まだ分からねぇことが残ってやがるぜ」

    セレス「朝日奈さんの死体が男子更衣室にあることですわよね」

    桑田「おかしいよな? 朝日奈はどうやって男子更衣室に入ったんだ?」



    山田「…その疑問、この山田一二三めが解決して見せましょう!!」



    桑田「ブーデー、いつになくやる気だな」

    山田「死因が絞殺と分かった以上、僕の仮説が正しかったことが証明されましたぞ!!」

    セレス「随分と自信がおありのようですわね」

    山田「見直しましたかなセレス殿?」

    セレス「くだらない仮説でしたら見下しますわよ」
  141. 141 : : 2016/05/08(日) 20:40:56

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    ダンベル
    水泳バッグ
    玄関ホールの手帳


    山田「結論から言うと、【殺されたのは男子更衣室じゃない!!】 プール前で殺されたんだ!!」

    ジェノ「その根拠って、どこから来るのかしらぁ~ん?」

    山田「玄関ホールにある手帳は全て壊れておりましたのでな、朝日奈葵殿は【男子更衣室に入るのは不可能】です」

    山田「つまりぃ~、朝日奈葵殿は【プールに行く前に殺されて】、」

    山田「男子更衣室に運び込まれたのです。そして、あたかもそこで殺されたかのように見せるため…」

    チョロ松「ダンベルで殴ったってことか…」

    石丸「しかし、死んでいるとはいえ朝日奈君を【男子更衣室に入れても問題ない】のかね?」

    桑田「確か【ガトリングガンが反応する】んだよな」

    モノクマ「大丈夫です。死体には反応しませんから問題ありません!!」


    一松(山田の考え自体は間違ってないけどな…)
  142. 142 : : 2016/05/08(日) 20:42:01

    【プールに行く前に殺されて】←水泳バッグ

    一松「それは違う!!」


    一松「プールに行く前に殺されたのはないな。そうだろ、大神?」

    大神「そうだな。朝日奈の水泳バッグには水着やタオルが使われていた。おそらく、プールで泳いだ後だろうな」

    山田「何ですと!?」

    セレス「あらまぁ、何とも無様な結果になりましたわね」

    霧切「いえ、山田君の仮説は悪くないわ。少なくとも、男子更衣室以外の場所で殺して…」

    霧切「死体を男子更衣室に運び、ジェノサイダー翔がやったように見せかけたのよ」

    一松「それだと、犯人は男に絞られるな」



    チョロ松「…いや、犯人に当てはまるのは1人しかいない」

    チョロ松「よく考えるんだ。男子更衣室の偽装工作は、ジェノサイダー翔のことを知っていないとできない」

    一松「ということは、犯人は…」



    怪しい人物を指名しろ
  143. 143 : : 2016/05/08(日) 20:45:21


    →十神

    一松「お前しか…いねぇよ」


    一松「十神、お前じゃないのか?」

    十神「俺を疑うのか。もちろん、それなりの根拠はあるのだろうな?」

    一松「お前はジェノサイダー翔のことを知っていたんだろう? チョロ松や桑田に教えたのもお前だしな」

    十神「確かにそうだな。だが、根拠はそれだけではないはずだ。言ってみろ」

    一松(随分余裕だな…。犯人だと疑われてんのに)

    チョロ松「それは僕が答える。磔に使われていた延長コード、あれは図書室のものだ」

    チョロ松「僕は見ているんだ。十神くんが延長コードを使っているところを」

    チョロ松「その延長コードで磔を行ったんだろうね」


    十神「……」


    大和田「だったら決まりだな。犯人は十神のヤローだ」

    大神「いや、まだ犯人と決めつけるにはまだ早い」

    不二咲「え? どうしたの、大神さん?」

    大神「朝日奈は首を絞められて殺されたのだ。その場合、犯人は朝日奈のすぐ近くにいたことになる」

    霧切「つまり大神さんが言いたいのは、そのときに朝日奈さんが抵抗するということね」

    チョロ松「その謎を解かない限りは十神くんが犯人と決まったわけじゃないんだね」

    桑田「けどよ、そんなの気絶させりゃいいだろ」

    石丸「だが、どうやって気絶させたのだね?」

    一松(気絶させる方法か…。もしかして…)


    閃きアナグラム

    か○で○
  144. 144 : : 2016/05/08(日) 20:45:55

    かんでん

    一松「そうか、こいつだ!!」


    一松「もしかして、感電させたんじゃないの?」

    チョロ松「感電?」

    一松「磔に使われた延長コードなんだけどさ、1つだけ銅線がむき出しになっていたんだよ」

    大和田「それを使って感電させたのは分かったが、素直に触らねぇだろ」

    一松(普通は触らないよな。だけど、この方法なら感電させられる…!)


    プールサイドに出す
    ドアノブにつける
    荷物に紛れ込ませる
  145. 145 : : 2016/05/08(日) 20:47:06

    →ドアノブにつける

    一松「これだ!!」


    一松「いや、銅線の部分をドアノブにつければ、感電させられる」

    チョロ松「成程!! それなら更衣室に入るときにドアノブを握るから、感電する!!」

    大神「右手に火傷の跡があったのは、ドアノブを握ったからか」

    石丸「レインコートとゴム手袋がなくなっていたのは自分も感電しないために犯人が持ち出したのだな!!」

    不二咲「でも、そのまま感電死することもあるよねぇ」

    桑田「元々殺すつもりだったんだし、それでも良かったんだろ」

    江ノ島「とりあえずこれで十神がどうやって朝日奈を殺したのかもわかったし、投票しようよ」

    ジェノ「んだよ結局かませじゃねーか!!」



    霧切「いえ、逆よ。十神君が犯人じゃないことが証明されたわ」



    チョロ松「え? 何言ってんの!?」

    山田「十神白夜殿が犯人ではないと!?」

    セレス「その根拠はどこからくるのですか?」

    霧切「簡単なことよ。犯行の手口を洗い出せば分かるわ」
  146. 146 : : 2016/05/08(日) 20:47:58

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    チミドロフィーバーと書かれた血文字
    延長コードのコンセントの部分
    玄関ホールの手帳


    山田「被害者である朝日奈葵殿は【プールで泳いでいた】のですな」

    石丸「その間に【ドアノブに延長コードの銅線を巻き付けた】のだ!!」

    ジェノ「そんであの水泳バカは【ドアノブを握って】感電してんだよな。勘弁してってな!!」

    桑田「その後で身動きがとれねぇ朝日奈を【絞め殺して】…」

    チョロ松「男子更衣室で偽装工作を行った」

    不二咲「どこも【おかしいところ】なんてないと思うんだけどなぁ…」


    一松(いや、あの行動…十神には不可能だ)
  147. 147 : : 2016/05/08(日) 20:50:26

    【ドアノブに延長コードの銅線を巻き付けた】←【おかしいところ】

    一松「それは違う!!」


    一松「霧切の言う通りだな。十神には、というか男子には不可能だ」

    チョロ松「どこがおかしいんだ?」

    一松「ドアノブに銅線を巻き付けるのってどっちにつける?」

    大和田「そりゃ女子更衣室だろ。男子更衣室のドアを握ることはねぇし」



    一松「だから無理なんだよ。女子更衣室には女子しか入れないから」



    桑田「あ…」

    一松「つまり、犯人は女子で決まりだ」

    江ノ島「はぁ!? だったら、男子更衣室の偽装工作ができないじゃん!!」



    霧切「そもそも、それは犯人がやったことなのかしら?」



    チョロ松「え? それって…」

    霧切「男子更衣室の偽装工作は男子にしか行えない、女子更衣室での感電の方法は女子にしか行えない」

    霧切「つまり、男子更衣室の偽装工作を行った人物は犯人ではないのよ」

    チョロ松「だけど、その偽装工作をした人はどこで死体を見つけたんだろう?」

    一松(きっとあそこだな)


    プールサイド
    女子更衣室
    プール前ホール
  148. 148 : : 2016/05/08(日) 20:52:10

    →プール前ホール

    一松「これだ!!」


    一松「プール前ホールだな」

    チョロ松「何で断言できるの? 女子更衣室は入れないから分かるけど、プールにあるかもしれない」

    一松「もしプールに死体を置いたままなら、水泳バッグは女子更衣室の中にあるはずだろ」

    一松「しかも朝日奈は服を着ている。これはプールに行く前に殺されたと見せかけるために犯人が着替えさせたんだよ」

    山田「死体の着せ替えって、考えるだけで恐ろしいものですな…」

    一松「そして、プール前で朝日奈の死体を見つけ、男子更衣室で偽装工作を行ったのは…十神だ」

    一松「間違いがあるなら聞くけどさ、どうなの?」

    十神「…チョロ松だけでなく、弟のお前もかなり頭が回るほうだな」



    十神「ああそうだとも。男子更衣室の一件は全てこの十神がやったことだ」
  149. 149 : : 2016/05/08(日) 20:53:06

    桑田「…オメー、それ本気で言ってんのか? 犯人でもねーのにそんなふざけたことやってたっていうのか!!」

    石丸「桑田君の言う通りだ!! 君は一体何を考えているのだ!?」

    十神「決まっているだろう。少しでもこの学級裁判を手ごたえのあるものにするためだ」

    大神「…そのために、朝日奈をダンベルで殴ったというのか!? 貴様…」

    十神「あの血文字を書くのは大変だったぞ? 完成させるまでにどれだけ血を流させたか…」

    一松「人間のやることじゃねぇ…」

    霧切「十神君に構うのはそこまでよ。私達は、朝日奈さんの犯人を突き止めないといけない」

    チョロ松「そうだよね。間違えたら、犯人以外全員処刑されるんだ」

    江ノ島「それじゃ議論に戻るけどさ、犯人は女子で決まりでしょ? アリバイとかないの?」

    セレス「いえ、そのような面倒なことはいりませんわ」



    セレス「何故なら、わたくしには犯人が分かっているのですから」

    ジェノ「え~? 知ってたの~? じゃあ今まで言わなかったのはなんでかしら~?」

    セレス「男子更衣室の謎が分からずじまいだったのです。ですが、それが十神君の仕業である以上…」

    セレス「わたくしの結論は間違っていなかったということが分かりましたの」

    セレス「単刀直入に言いますわね。犯人は……」




    セレス「……不二咲千尋だよぉぉおおおおおおおおお!!」




    不二咲「…え!? ぼ、僕!?」
  150. 150 : : 2016/05/08(日) 20:54:28

    セレス「あれは昨日の夜時間のことでした。倉庫に行ってみたら、不二咲さんが何やら準備をしていたのです」

    セレス「スポーツバッグにジャージを入れていましたので、トレーニングでもするつもりだと思っていました」

    セレス「彼女は人を待たせているようでしたので、そこまで話はしておりませんでしたが…」

    セレス「不二咲さんはあのとき、倉庫で殺人計画に必要なものを調達していたのですわ」

    大和田「オイ、それだけでアイツを犯人と決めつけるのかよ!?」



    大神「待て。人を待たせていた…だと?」



    一松「…何か引っかかんの?」

    大神「実は朝日奈も誰かと約束をしていたようなのだ。我は舞園を見張るため、共に行けなかったが…」

    大神「故に我はその相手が犯人だと確信したのだ」

    江ノ島「はぁ? 何で今まで言わなかったわけ?」

    大神「我もセレスと同じくあの偽装工作に悩まされていたのだ…」

    山田「な、何ということでしょう…。天使だと思っていた不二咲千尋殿が実は悪魔だったとは…」

    不二咲「や、やってないよ!! 本当だよ!! 信じてよ…」

    一松(不二咲の言う通りだ…だって、アイツは…)


    閃きアナグラム

    お○○のこ
  151. 151 : : 2016/05/08(日) 20:55:49

    おとこのこ

    一松「そうか、こいつだ!!」


    一松「セレス、不二咲が犯人だと決めつけているけど、無理なんだよ」

    セレス「何が無理なのですか?」

    一松「それは…」

    不二咲「一松くん、僕の口から言うよぉ。皆には言ってたよね、いつか秘密を明かすって」

    桑田「その秘密が、犯人じゃない証明になるのか? そんなピンポイントなことありえねぇだろ」

    舞園「……」

    不二咲「それがあるんだよ。だって、僕は…」




    不二咲「本当は男だから!!」


  152. 152 : : 2016/05/08(日) 20:57:35

    チョロ松「ああ、なるほど。不二咲さんは男だから女子更衣室には入れない。つまり犯人じゃないんだね」


    チョロ松「…って、ぇぇええええええええええええええええ!!?」


    チョロ松「ななな、何を言ってるんだよ不二咲さん!? 嘘でしょ!?」

    不二咲「本当だよぉ、何ならモノクマに聞いてみたら?」


    モノクマ「はい、その通りです。不二咲クンは何と、男の娘だったんです!!」


    チョロ松「アクシデンツッ!!」

    山田「男の娘…だと…? まさかリアルに存在するとは…」

    ジェノ「男だぁ!? マジで!? 最っ高じゃないのおぉおおおおおお!!」

    一松「シコ松やたらと焦ってるな。まさか、不二咲にときめいたとか?」

    チョロ松「いやいやいや一松そんなことな、ないって。つーかシコ松言うな!!」

    一松「図星だな」


    霧切「大和田君、あなたは分かっていたんじゃないのかしら?」

    大和田「…何で分かったんだよ?」

    霧切「あなたが不二咲君を呼ぶときに“アイツ”と言っていたわよね?」

    霧切「他人の事を“アイツ”と呼ぶのは男子に対してだけのはず」

    霧切「つまり不二咲くんが男だと知っていたということよ」

    大和田「…オメェ、意外と人のことを見ているんだな」
  153. 153 : : 2016/05/08(日) 20:59:09

    石丸「ちなみに僕も不二咲君の秘密は知っていた。何故なら、一緒に男子更衣室にいたからだ!!」

    一松「そのときいたのは俺と不二咲、大和田と石丸。しかも犯行時刻のときにな」

    一松「犯人が女と決まってるから意味ないかもしれないけど、俺達にはアリバイがある」

    一松「だからありえないんだよ。不二咲が犯人なのは」


    セレス「…ふ、ふ、ふざけんじゃねぇぞビチグソがぁぁああああああああ!!!!」


    桑田「ってゆーか、実はオメーが犯人じゃねぇのか?」

    セレス「私にはアリバイがあんだよ!! そうだろ山田ァ!!」

    山田「はいぃ!! セレス殿が納得いくまで何度もロイヤルミルクティーを作らされましたぞ!!」

    セレス「…そのおかげで、ようやく飲めなくもないレベルには達しましたわ」

    大神「我もアリバイがある。舞園を見張る目的でな」

    舞園「……」コクッ

    チョロ松「霧切さんと江ノ島さんは?」

    霧切「その時間は個室にいたわ」

    江ノ島「あたしもー」

    チョロ松「じゃあ、腐川さんは?」

    ジェノ「言っとくけどアタシは知らねぇんだけど。あの根暗とは記憶を共有してないから」


    石丸「なら、犯人はこの3人の中にいるのだな!!」

    大神「だが、ここから犯人を割り出すための手がかりなどあるのだろうか」

    山田「確かに、十分議論しましたからな…」

    一松(いや、まだ謎が残っている。それは…)


    約束した相手
    死体を置いた理由
    凶器を調達した場所
  154. 154 : : 2016/05/08(日) 21:00:45

    →凶器を調達した場所

    一松「これだ!!」


    一松「犯人って、延長コードをどこから調達したんだろうな?」

    大和田「倉庫からじゃねぇのか?」

    石丸「それは僕が確認したが、倉庫からはレインコートとゴム手袋だけで延長コードは無くなっていなかった」

    チョロ松「…多分図書室じゃないかな?」

    一松「確か十神が磔に使った延長コードも図書室から持ち出したんだよな」

    一松(図書室ってことは、犯人は恐らく…)


    怪しい人物を指名しろ
  155. 155 : : 2016/05/08(日) 21:03:18

    →腐川

    一松「お前しか、いねぇよ」


    一松「腐川、お前だな」

    ジェノ「何言ってんだ? さっきから知らねーっつってんだろ!!」

    一松「そりゃ知るわけないよな。だって、殺したのはお前が言う根暗な方だから」


    ジェノ「え? …アイツマジで殺っちゃったわけ?」

    ジェノ「マジ受けるんだけど!! 結局どっちも人殺しとか!!! ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!」


    桑田「いや、笑い事じゃないんだけどな…」

    チョロ松「だって、延長コードが置いてたのは書庫の奥だよ?」

    チョロ松「図書室には十神くんがよくいたからね。誰も近寄っていないんだ」



    チョロ松「…十神くんに好意を持っている、腐川さん以外は」

  156. 156 : : 2016/05/08(日) 21:04:23


    桑田「でも今は殺人鬼の人格だろ? 元に戻すにはどうすりゃいいんだ?」

    十神「腐川が言うには、くしゃみで人格が変わるようだ」

    山田「何というか、かなりギリギリですなその設定…」

    一松「誰かコショウ持ってない? 腐川にぶっかけるから」

    チョロ松「いやいや、そんな都合よく持っているわけが」

    舞園「……」つ コショウ

    チョロ松「何で持ってんだよ」


    とりあえずコショウを腐川にふりかけた。

    ジェノ「いーっきし!!」

    腐川「あれ? あたし、確か気を失って…」

    霧切「腐川さん、ちょっといいかしら?」

    腐川「な、何よ」

    霧切「今は議論の途中だけど、あなたが疑われているわ。無実を証明するためにもアリバイが知りたいんだけど」

    腐川「アリバイ? 分かったわよ、言えばいいんでしょ?」
  157. 157 : : 2016/05/08(日) 21:05:38

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    石丸の証言
    不二咲の秘密
    チョロ松の証言


    霧切「あなたは夜時間にどこで何をしていたの?」

    腐川「当然、【白夜様を廊下で見ていた】のよ!! 部屋に入るなと言われたから…」

    江ノ島「うげ、ストーカーじゃん」

    不二咲「その間、何か異変とかあったの?」

    腐川「特に何もなかったわよ。【相変わらず静か】だったわ…」

    セレス「十神君は【部屋に入らないように言った】のですか?」

    十神「臭いからそれがなくなるまで部屋に入るなとは言ったな」


    一松(葉隠でも分かるくらいボロが出てるんだけど…)
  158. 158 : : 2016/05/08(日) 21:06:43

    【相変わらず静か】←石丸の証言

    一松「それは違う!!」


    一松「本当に廊下にいたのか?」

    腐川「は? いたに決まってんでしょ」

    一松「だってさ、夜時間に大和田がプール前の扉から出てきたんだよ。そうだよな、石丸」

    石丸「そうだ!! 兄弟は慌てて飛び出したんだ!! …んむ? おかしくないかね、腐川君」

    石丸「きみは廊下が静かだと言ったが、そうではないじゃないか!!」


    腐川「うぐっ!?」


    大神「どういうことだ、腐川…。まさか、お主が朝日奈を…」

    腐川「ち、違うわよ!! そういえば、途中でトイレに行っていたから、見ていなかったのよ」

    山田「後付け設定乙ですな。怪しいですぞ」

    腐川「うるさいわよ!! そもそも、そんな根拠がどこにあるのよ!?」

    腐川「私を疑うなら、証拠でも出してみなさいよ!!」
  159. 159 : : 2016/05/08(日) 21:07:10

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    チミドロフィーバーと書かれた血文字
    ダンベル
    水泳バッグ


    腐川「【証拠がないならただのでっちあげ】よ!!」

    チョロ松「そのセリフ、【桑田くん】の2番煎じだけど…」

    桑田「でも腐川が怪しいと思う手がかりはありすぎるんだけどな」

    大和田「けどよぉ、アイツ二重人格で記憶を共有してねぇだろ」

    大和田「議論の中身について【記憶がねぇ】んだろ。だからあんな強気なんだろーよ」

    石丸「ならばもう一度議論の内容について説明しよう。断言しよう!! 【殺されたのは朝日奈葵】だ!!」

    江ノ島「そこから始めなくていいから!!」

    腐川「何度言っても同じよ。どうせ朝日奈を【絞め殺してなんかいない】んだから」


    一松(ついに出やがった…。取り返しのつかねぇ失言が!!)
  160. 160 : : 2016/05/08(日) 21:08:17

    【絞め殺してなんかいない】←【記憶がねぇ】

    一松「それは違う!!」


    一松「…フヘッ。失言あざーっす」

    腐川「なによその顔。マジで引くんだけど…」

    山田「腐川冬子殿のストーカー行為も同レベルなのですが」

    一松「お前さぁ、朝日奈を絞め殺してないって言ったよな?」

    腐川「それがどうしたのよ?」

    一松「ジェノサイダーが言ってたんだよ、記憶は共有してないって。だったら議論の内容も知らないよな」



    一松「…なんで朝日奈が絞め殺されたのが分かったんだ?」

    腐川「……!!?」



    一松「言っとくけど、捜査時間で突き止めたのはなしな。だってお前捜査時間中は…」


    ずっと気絶していた
    ずっと寝ていた
    ずっと部屋にいた
  161. 161 : : 2016/05/08(日) 21:09:07

    →ずっと部屋にいた

    一松「これだ!!」


    一松「自分の個室に閉じこもっていたもんな」

    江ノ島「確かに腐川は、ずっと部屋に閉じこもってばっかだったよ」

    十神「モノクマファイルはもらっていただろうが、あれだけでは殴殺としか考えられない」

    霧切「にも関わらず、議論の記憶がないのに絞殺と言った。これはどういうことかしらね」

    腐川「か、簡単な話よ…覚えているからに決まってるじゃない!!」

    不二咲「で、でもジェノサイダーは言っていたよ。記憶を共有してないって」

    腐川「あんた、おめでたい頭してるわね。殺人鬼のアイツの言うことを信じるなんて」

    一松「…本当に覚えてんの?」

    腐川「当然でしょ!? あたしが覚えてないなら、その証拠を出してみなさいよ!!」
  162. 162 : : 2016/05/08(日) 21:10:05

    マシンガントークバトル 開始

    コトダマ
    チミドロフィーバーと書かれた血文字
    磔と使われた延長コード
    不二咲の秘密


    「どうせ…あたしなんて」
                 「白夜様ぁぁああ!!」
         「それって、あたしがブスだから…?」
                  「もういや…」
       「な、何とかいいなさいよ…」
    「おめでたいわよね…」
                「ここから出してよぉ…」


    「あたしが覚えてない証拠なんて、どこにあるのよ!!」
  163. 163 : : 2016/05/08(日) 21:11:06

    ←不二咲の秘密

    一松「これで、証明だコラァ!!」


    一松「本当に、覚えてるんだったら答えられるよな? 不二咲が告白した秘密を」

    腐川「不二咲がどうしたっていうのよ…。あの女の秘密なんて大したことないわよ」



    「……………………」



    腐川「な、何よ…、急に黙り込んで…」

    大和田「…オメェ、今不二咲のことを女って言ったか?」

    腐川「そ、それがどうしたのよ?」

    セレス「不二咲さん、いえ…、不二咲君の秘密は実は男の娘だったのですわ」

    腐川「へ?」

    大神「何故お主は不二咲を女だと言ったのだ?」

    桑田「要するに覚えてねぇんだろ。覚えてたら不二咲のことを女扱いしねぇだろ」

    腐川「あ、ああああ…」

    霧切「つまり議論の内容を覚えていなかったということ。なのに、絞殺のことが分かったのは…」

    一松「腐川が犯人だからだ」



    腐川「ぁああああぁぁああああああああああああ!!!」



    十神「だから言っただろう。犯人はジェノサイダー翔、つまり腐川冬子だと」

    桑田「黙ってろかませ眼鏡」

    大神「…これで、終わったのだな」

    一松「ああ、最後に事件の内容をまとめるぞ」
  164. 164 : : 2016/05/08(日) 21:11:56

    クライマックス推理 開始

    一松「これが事件の全貌だ!!」


    Act1
    一松「犯人は朝日奈をプールに誘い、理由をつけて朝日奈だけ先に泳がせた」

    一松「その理由は、その間にドアノブに銅線を巻き付けてコンセントに挿し、感電させる仕組みを作るためだ」

    一松「もちろん、自分が感電しないよう、レインコートとゴム手袋をつけて作業したんだよ」

    Act2
    一松「そして朝日奈は泳ぎ終えてドアノブに手をかけた。そのとき感電して、気を失った」

    一松「右手の火傷は感電したときにドアノブを握っていたから、そのときに跡がついたんだろうな」

    Act3
    一松「そして犯人は感電させるために使用した延長コードで朝日奈の首を絞めて殺した」

    一松「その後、朝日奈を普段着に着せ替えして、プール前のホールに放置したんだ」

    一松「なぜなら、ひと泳ぎし終えた後に見せかけるからだ」

    一松「だが、事件はこれで終わらなかった」

    Act4
    一松「十神が朝日奈の死体を発見し、男子更衣室に運んだんだ」

    一松「その後犯人が使用した延長コードと自分が持ち出した延長コードで磔を行った」

    一松「そして血文字を書くためにダンベルを使って頭を殴打した」

    一松「十神が言ってたように、死体からなかなか血が出なかったから何度も殴ったんだろうな」


    一松「十神が余計な事をしたせいでややこしくなったが、延長コードで朝日奈を殺した犯人は…」

    一松「腐川冬子!! テメェだ!!」
  165. 165 : : 2016/05/08(日) 21:13:04

    一松「腐川、反論があるなら聞くけど、どうなんだ?」




    腐川「…反論、ね」



    腐川「もう、無いに決まってるでしょ…」



    腐川「そうよ。あたしが、朝日奈を殺した犯人よ」



    腐川「だから、さっさと投票しなさいよ…」





        VOTE

    腐川  腐川  腐川


    学級裁判 閉廷
  166. 166 : : 2016/05/08(日) 21:13:47
    これで学級裁判は終わりです。

    夜11時くらいに2章の残りを投下します。
  167. 167 : : 2016/05/08(日) 23:06:43
    それでは投下を始めます。

    今回で2章は終わりです。
  168. 168 : : 2016/05/08(日) 23:08:10


    モノクマ「またもや大正解!! 朝日奈葵さんを殺したクロは腐川冬子さんでした!!」


    腐川「ぐぅうう、結局、あたしなんかじゃ無理だったのよ…」


    一松「…それでも殺したのは、やっぱり今回の動機か?」


    腐川「当たり前でしょ、あたしが実は殺人鬼なんて世間に知られたら、死んだも同然に決まってるじゃない…」


    腐川「言っておくけど、あたしは葉隠みたいに言い訳なんてしないわ」




    腐川「たとえ人を殺してでも守りたかったのよ」




    大神「…何故だ、何故朝日奈を殺した?」


    腐川「…あんた、今までの話聞いてなかったの?」


    霧切「腐川さん、大神さんが言いたいのは殺す相手が朝日奈さんだった理由よ」


    セレス「確かに、何も殺すだけなら弱っている舞園さんや非力な不二咲君のほうが狙いやすいはず」


    セレス「何故アスリートの朝日奈さんを殺す対象にしたのでしょうね?」


    大神「腐川の殺人の手口…始めから朝日奈を狙っていたものだった」


    大神「朝日奈は誰とでも親しくなり、我にも話しかけてくれた心優しき者だ」


    大神「故に我は理解ができん。何故朝日奈を殺したのだ?」


    江ノ島「根暗な自分と比べて底抜けに明るい朝日奈を妬んでいたんじゃない?」


    腐川「そんな理由で選ぶわけないわよ…。簡単よ、アイツの言った言葉があたしの癪にさわったからよ」


    腐川「あのときの動機の発表のとき、アイツは何て言ったか、覚えてる?」




    腐川「たかが秘密だ、って。秘密なんかで人を殺すわけがない、って…」




    腐川「そうほざいていたのよ、あの女は!!」

  169. 169 : : 2016/05/08(日) 23:10:11

    腐川「アイツは自分の秘密が大したことないからそんなことが言えるのよ…」


    腐川「だからあたしはアイツの言葉をアイツごと殺すことで否定してやるって決めたのよ!!」


    大和田「それで殺したのか……。恐ろしいもんだよな、言葉ってのは」


    不二咲「そうだねぇ、何よりも人の心を傷つける凶器だよ」


    大神「…そうか、ならば我から言うことは何もない。お主を許すかどうかは朝日奈が決めることだ」



    チョロ松「…僕も聞きたいことがある。腐川さんは十神くんのこと好きだったんだよね?」


    腐川「そうね。それが?」


    チョロ松「もし腐川さんが卒業したら十神くんはオシオキされて死ぬ。好きな人を殺すことになるんだよ」


    腐川「それぐらい分かってるわよ。だから妥協したの」


    桑田「妥協って?」


    腐川「あたしがみんなを騙して卒業して、白夜様が死んだらモノクマにお願いして、」




    腐川「白夜様を剥製にして持って帰って、愛でるつもりだったのよ」



    チョロ松「ええっ!? それホントかよ!?」


    一松「ヤンデレってこういうのか…?」


    十神「とんだ食わせ者だな。結局、無駄に終わったが」
  170. 170 : : 2016/05/08(日) 23:10:58

    モノクマ「ねえねえもういい? もうオシオキの準備はできているんだけど?」


    腐川「っ!? …そう、もう来たのね。白夜様、腐川冬子一生のお願いがあります」


    十神「何だ? 叶えるつもりなど微塵もないが一応聞いてやる」


    腐川「死にゆくあたしにどうか、一言だけ別れの言葉をください!!」


    腐川「あたしはそれだけ聞ければ、もう未練はありません!!」


    十神「…お前と言葉を交わすのもこれが最後だからな、特別に叶えてやる」




    十神「二度とその薄汚い顔を見なくて済むと清々する。潔く死ね」




    腐川「…はい!! ありがとうございます!!」


    モノクマ「それでは改めまして、」


    モノクマ「今回は超高校級の文学少女である腐川冬子さんのために、スペシャルなオシオキを用意しました!!」


    モノクマ「それでは張り切っていきましょう、オシオキターーーーーイム!!」



    腐川「白夜様…、あたしは、腐川冬子は、いつかあなたが来るのを待っています。いつまでも…」



    フカワさんがクロにきまりました
    オシオキをかいしします
  171. 171 : : 2016/05/08(日) 23:11:54

    超高校級の文学少女 腐川冬子 はじめてのイタズラなチュウ


    モニターに映し出されたのは、何もない空間にいる腐川だった。

    そこから巨大なローラーが出現した。悪趣味なことにローラー部分に十神の写真がプリントアウトされている。

    次第に近づくローラーだが、腐川は微動だにしない。すでに死を覚悟しているのだろう。

    ローラーに巻き込まれる瞬間、腐川はこの上ない笑みを浮かべていた。

    そして、そのまま巻き込まれ、腐川冬子は原型を留めることなく、ただの肉塊となり果てた。

    その肉塊からは、彼女が見せた最期の笑みの名残は微塵もなかった。

  172. 172 : : 2016/05/08(日) 23:12:48

    モノクマ「いやっほおおおおおう!! えくすとりぃいいいいいいいいむ!!」


    モノクマ「いやぁ、やめられないね!! 止められないね!! オシオキはさぁ!!」


    大和田「…え、えげつねぇ」


    不二咲「うう…」


    舞園「……ナエギクン、ハガクレクン、…アサヒナサン、……フカワサン、……」


    チョロ松「う、うぐ、ぉええええ…」


    山田「ま、松野チョロ松殿。大丈夫ですかな…?」


    一松「無理もないよ、あんなの見せられちゃ」


    セレス「全くもって胸糞悪いですわね」


    霧切「ええ、同感よ」


    十神「もう終わったか。もうここには用はない。先に帰るぞ」
  173. 173 : : 2016/05/08(日) 23:13:51

    桑田「ちょっと待てよ十神。オメー、何か言うことあるんじゃねぇのか」


    石丸「そうだぞ!! 朝日奈君の遺体をあそこまで傷つけて、君は何とも思わないのかね!?」


    舞園「……」


    十神「何だそんなことか、くだらない」


    大神「くだらない…だと? 貴様のやったことは、一松が言った通り人間のやることではない」


    大神「貴様には感情がないのか?」


    十神「そんなもの、このゲームには不要だ」


    霧切「そう思っているのね。それなら、あなたに一つだけ忠告しておくわ」


    霧切「人の感情というものを軽んじているといつか足元を掬われるわよ…」


    十神「…フン」


    桑田「もう行ったか十神のヤツ、面倒なことしやがって」


    大神「もういい、あのような男に構う必要などない。我も舞園を見張るのでこれで失礼する」


    チョロ松「大神さん、大丈夫? 朝日奈さんのこと…」


    大神「案ずるなチョロ松。我も後ろを向いてばかりでは朝日奈に会わせる顔がない」


    大神「少しでも前を向いて歩まねばならぬ。恐らく、朝日奈もそれを望んでいるだろう」


    霧切「私も協力するわ。見張りも交代で行いましょう」


    大神「すまないな、霧切よ」


    石丸「ならばこれで解散としよう」


    そして俺は個室へと戻った。

  174. 174 : : 2016/05/08(日) 23:14:25


    <一松の個室>



    また、人が死んだ。コロシアイが起きてしまった。


    一松「…今日は何もする気ない」


    ピンポーン


    一松「…誰だろう?」ガチャ


    石丸「一松君!! 今は暇かね!?」


    一松「暇と言えば暇だけど…何の用?」


    石丸「うむ、実は不二咲君が僕たちと一緒に風呂に入りたいというのでな、君も誘うことに決めたのだ!!」


    一松「他に誰か行くの?」


    石丸「僕の他は兄弟だけだが…? 最初は緊張するから親しい僕たちだけで裸の付き合いをするのだな!!」


    一松「…まあ別にいいけど」



    <脱衣所>



    大和田「おう一松か。丁度いいところに来たな」


    一松「何? またサウナ勝負の立会人とかゴメンだけど」


    不二咲「実はねぇ、一松君たちに見せたいものがあるんだ。これなんだけど…」


    石丸「これは…!?」

  175. 175 : : 2016/05/08(日) 23:15:22

    <???>


    モノクマ「いやぁ、もう4人も死んだんだ。いいペースだね」


    モノクマ「やっぱり最初にコロシアイをしようとした舞園さんには感謝しないとね」


    モノクマ「キミもそう思うでしょ?」




    モノクマ「内通者の大神さん?」


    大神「……」


    モノクマ「あれれ? もしかしてお友達が死んじゃったから機嫌が悪いのかな?」


    モノクマ「でも分かってるよね、人質の件。裏切ったらどうなるか…」


    大神「貴様に言われなくとも分かっている…」


    モノクマ「ホントかな~? まぁいいか。ところでさ、ボクに何か聞きたいこととかあるんじゃないの?」


    大神「ならば聞かせてもらおう。18人目の高校生とは何者だ?」


    モノクマ「…どうして18人目がいると思うの?」
  176. 176 : : 2016/05/08(日) 23:17:03


    大神「違和感があったのはあの裁判場だ」


    大神「我らは17人いるが、席は何故か16しかなかった。最初から数が足りていない」


    モノクマ「深い意味はないよ。最大16人収容可能な裁判場ってだけ」


    モノクマ「それに裁判が開かれるのは誰かが死んだときだから16人で十分なんだよ」


    大神「…ならば投票のスイッチが18個もあるのは何故だ?」


    大神「誰が死ぬのか分からなくとも17個あればいいのではないのか?」


    モノクマ「奇数だと何かバランス悪いでしょ? だから偶数の18個にしたの」


    大神「違うな。我は過去に起きた二度の裁判でどちらも無名のスイッチを押した」


    大神「あのスイッチが無意味なら、我が押し直すまで投票結果は発表されなかったはず」


    大神「にも関わらず、投票結果は何事もなく発表された。つまり、あのスイッチに意味があったということだ」


    大神「一体、あのスイッチに割り当てられた者とは、何者だ?」




    モノクマ「…それは答えられないなぁ」
  177. 177 : : 2016/05/08(日) 23:17:50

    大神「少なくとも、いるのだな」


    モノクマ「大神さんがそう思うならそれでいいよ」


    モノクマ「まぁ、オマエラはみんなまとめてボクの手のひらの上だからさ、考えるだけ無駄だよ」



    大神「…もう一つだけ、聞きたいことがある」


    モノクマ「何さ?」


    大神「貴様はここまで大掛かりなものを用意して、何がしたいのだ?」


    モノクマ「ボクは、キミたちに感じてもらいたいんだよ…」




    モノクマ「絶望…ただそれだけだよ」

  178. 178 : : 2016/05/08(日) 23:18:17


    CHAPTER2 週刊少年絶望SUNDAY END


    コロシアイ学園生活参加者

    松野チョロ松
    松野一松
    【 苗木誠 】 DEAD
    石丸清多夏
    十神白夜
    大和田紋土
    桑田怜恩
    山田一二三
    【 葉隠康比呂 】 DEAD
    舞園さやか
    霧切響子
    【 朝日奈葵 】 DEAD
    【 腐川冬子 】 DEAD
    大神さくら
    セレス
    江ノ島盾子
    不二咲千尋

    残り13人

  179. 179 : : 2016/05/08(日) 23:18:50
    以上で2章の投下を終わります。

    次の投下は明日の夜を予定しています。
  180. 180 : : 2016/05/09(月) 20:34:25
    お待たせしました。

    これから3章を投下します。

    なお、この章はチョロ松視点で進行します。
  181. 181 : : 2016/05/09(月) 20:35:01


    CHAPTER3 新世紀赤塚伝説再び!! 無職童帝よ希望となれ!! (非)日常編



    コロシアイ学園生活11日目



    <食堂>



    石丸「それではみんなで、いただきます!!」


    石丸くんの元気ないただきますで、恒例の朝食会は始まる。


    ニート暮らしで早起きに慣れなかったけど、今は割とそうでもない。


    一松も今日は遅れずに朝食会に来た。だけど、全員じゃない。何故なら…



    山田「十神白夜殿が相変わらず欠席のままですな」


    セレス「当然ですわ。あのようなことをしでかして堂々と来ること自体考えられませんもの」


    当然だ。死体を殴って血を流して、犯人でもないのに事件を混乱させて…。碌なことしない。


    一松「どうせ図書室だろ。あんな奴どうだっていいよ」


    桑田「そうだな。とりあえず、飯食い終わったら探索するか」


    江ノ島「昨日裁判があったから、新しく行ける場所ができるんだよね」


    僕たちは朝食を食べ終わった後、新しく開放された場所に向かった。

  182. 182 : : 2016/05/09(月) 20:35:49


    <3階 美術室倉庫>



    今回開放されたのは、1階の保健室と3階だ。


    3階には娯楽室と物理室、美術室があった。僕は美術室の倉庫を調べていたんだけど…。



    チョロ松「何だよ、これ…」


    そこには1枚の写真が落ちていた。


    けど、これは普通に考えてありえない。だって…




    苗木くんと葉隠くんと朝日奈さんが教室で笑い合っている写真だからだ。


    しかも、今の教室には鉄板が打ち付けられているのに、この写真にはそれがない。




    チョロ松「これって…」


    モノクマ「ちょっと何見てんのチョロ松くん!?」


    写真はモノクマに取り上げられてしまった。何なのか気になるのに…。


    モノクマ「まったく、こんなところにあるなんてね」


    チョロ松「モノクマ、これって…」


    モノクマ「ボクは忙しいのです!! オマエみたいなクズニートに構っている暇などない!!」


    チョロ松「く、クズニート…」グサッ


    モノクマは僕に暴言を浴びせてそのまま去っていった。
  183. 183 : : 2016/05/09(月) 20:36:34

    <脱衣所>



    あのあと食堂で情報交換をした。気になるのは、物理室に山田くんのデジカメがあったことくらいかな。


    ちなみに写真については捏造だろと言われた。まあ、そうだろうね。


    その後不二咲くんに呼ばれて今は脱衣所にいるんだけど…、すごいね、超高校級って。




    アルターエゴ『みんな、僕はアルターエゴっていうんだ。よろしくね』


    山田「二次元ktkr!!」


    セレス「黙れ腐れラード」



    不二咲くんは監視カメラのない脱衣所で、ノートパソコン内に人工知能をプログラミングしていたんだ。


    その人工知能こそがアルターエゴ。アルターエゴはパソコン内部のファイルを解析しているようだ。


    不二咲「それじゃぁ、引き続き頑張ってねぇ」


    アルターエゴ『わかったよご主人タマ!!』


    チョロ松「すごいや不二咲くん、まるで生きているみたいだよ」


    一松「でも自分で作ったやつにご主人タマって言わせてるのはどうなの?」


    江ノ島「そういう願望とかあるんじゃない?」


    不二咲「ち、違うよぉ」
  184. 184 : : 2016/05/09(月) 20:37:04

    大和田「なぁ不二咲。このアルターエゴってよ、他にどんなことが出来るんだ?」


    不二咲「他には、クラスメイトやその知り合いのデータをもとに擬似的に真似できたりとか…かな」


    桑田「例えばどんな感じだ?」


    不二咲「大和田君だったら…」



    アルターエゴ(Ver.大和田)『よぉ兄弟。元気でやってるか?』



    石丸「な、何だ? 兄弟がいるのに僕の中に兄弟の魂が…」


    霧切「やめてちょうだい」


    不二咲「あとは、一松君の兄弟だったら…」




    アルターエゴ(Ver.おそ松)『あぁ働きたくねぇ~、一生遊んで暮らしてぇ~』


    アルターエゴ(Ver.カラ松)『そんなに見つめられても困るぜカラ松girl’s、俺は静寂と孤独を愛する男…』


    アルターエゴ(Ver.十四松)『野球やる!? いいよ!! ハッスルハッスル!! マッスルマッスル!!』


    アルターエゴ(Ver.トド松)『君可愛いね~。メアドとか交換しようよ、これから仲良くなりたいし』




    霧切「  や  め  て  」

  185. 185 : : 2016/05/09(月) 20:37:33


    <脱衣所前>




    あのあとモノクマに問いただされそうになったけど、セレスさんが機転を利かせてなんとかやり過ごした。


    そして今は一緒に入るのを断った江ノ島さん以外の女子が入浴している。つまり…、


    一松「覗きのチャンス到来」E:男のロマン


    桑田「一松の言う通りだな」E:男のロマン


    山田「僕は二次元限定ですがね」E:男のロマン


    チョロ松「くれぐれもヘマはするなよ」E:男のマロン


    え? 風紀委員が黙っていないって? 石丸くんは大和田くんや不二咲くんと一緒に体育館でトレーニングだよ?


    だから何も問題ない。


    チョロ松「じゃあ、行こうか」


    三人「「「おう」」」



    楽園を眺めるために…!!

  186. 186 : : 2016/05/09(月) 20:38:50


    <食堂>



    僕たちは楽園を十分堪能した後、食堂に集まっていた。


    一松「それにしても大神って、やっぱり女だったんだな。女装しているのかと思ったよ」


    チョロ松「それ本人に言ったら殺されそうだよな…。みんなは誰が良かった?」


    桑田「こういうのは言い出しっぺからだろ?」


    チョロ松「僕は霧切さんかな? 意外とスタイルいいし。けど、何で風呂にまで手袋を?」


    一松「俺と一緒だ。見られたくないものでもあるんじゃない?」


    山田「僕はセレス殿ですな。人形みたいな肌は二次元の世界から飛び出したようですぞ」


    桑田「オレは当然舞園ちゃんだな。アイドルだからスタイル抜群だし、あとは笑顔だったらな…」


    チョロ松「…まだ舞園さんは元に戻らないの?」


    桑田「大神の話によると、まだ謝ってばかりだって。しかも、悪化しているらしい」


    一松「…具体的には?」


    桑田「誰かが死ぬたびに謝っている相手が増えてんだよ。このままじゃ…」


    山田「本当に自殺をしてしまうと…」


    一松「誰かが死んだこともコロシアイを始めた自分に責任があるって感じてるんだろうな」


    チョロ松「どうすれば…」




    モノクマ『えー、校内放送、校内放送。オマエラ、今すぐ体育館に集合しなさい! 来ないとオシオキだよ!!』

  187. 187 : : 2016/05/09(月) 20:39:37


    山田「…嫌な予感しかしませんぞ」


    桑田「また動機でも発表するんだろ?」


    一松「それよりも俺が気になるのはこの放送使いまわしじゃ」


    チョロ松「それ以上いけない、一松」



    <体育館>



    僕たちが体育館に着いたときには全員揃っていた。もちろんアイツも…


    十神「相変わらずの仲良しごっこか。毎度毎度よく飽きないものだな」


    一松「とか言って、本当は輪に入りたいんじゃないの?」


    十神「馬鹿げたことを言う。こっちから願い下げだ」


    霧切「無駄話はそこまでよ。そろそろ来るわ」


    霧切さんが言い終わったときに、モノクマが現れた。


    モノクマ「モノクマ登場だよ。待たせちゃったかな?」


    大和田「オメェなんか誰も待っちゃいねぇよ」


    モノクマ「ショボーン、別にいいけどね。それでは気を取り直して、今回の動機の発表といっちゃいますか!!」




    そしてモノクマの後ろに落ちてきたものは…、大量の札束だ。




    モノクマ「ひゃっくおっくえーん!! 誰かを殺したときにはこの100億円をあげちゃいます!!」
  188. 188 : : 2016/05/09(月) 20:40:45

    霧切「お金で人を殺す…、ありがちな動機ね」


    十神「俺にははした金しか見えん。100億などとうにデイトレードで稼いでいる」


    セレス「わたくしも不要ですわ。その程度、ギャンブルで稼げますもの」


    江ノ島「じゃ、ここにいるみんなでやりそうなのって…」




    「…………」ジーーーーッ




    チョロ松「いやこっち見ないでくれる!?」


    一松「確かに金は欲しいけどさ、人を殺してまで欲しくないって」


    大神「…信じていいのだな?」


    チョロ松「当たり前だよ!!」


    桑田「そういうことだ。オレたちはそんなもんなんかで動かされねぇぞ!!」


    モノクマ「あぁ、そう…。じゃあボクが自己満足で金持ちごっこにでも使うよ…」


    そういってモノクマは去っていった。いい気味だ。


    石丸「それでは各自部屋に戻ろう!! モノクマもいなくなったことだしな」


    そして僕たちは部屋に帰っていった。


    今回の動機については、みんな殺人を否定していたけど…、


    チョロ松「本当に大丈夫…、だよね?」


    不安は拭えなかった。

  189. 189 : : 2016/05/09(月) 20:41:35
    今日は短いですが、ここまでにします。

    明日の夜に、また投下します。
  190. 190 : : 2016/05/10(火) 21:25:33
    遅くなりましたが、投下します。

    今回も短めです。
  191. 191 : : 2016/05/10(火) 21:26:15

    コロシアイ学園生活 12日目




    <3階 娯楽室>



    ジャラジャラジャラジャラ…



    …今、僕たちは娯楽室で麻雀をしている。


    相手はセレスさんと山田くん、そして一松。


    ルールは東風戦でトビはなし。最下位になった人がトップの言うことを1つだけ聞くというものだ。


    …超高校級のギャンブラーであるセレスさんと対局するなんて、嫌な予感しかしない。


    最下位だけは避けないといけないな。



    セレス「…それでは準備はよろしいですか?」

    超高校級のギャンブラー セレスティア・ルーデンベルク



    山田「ええ、できておりますぞ」

    全ての始まりにて終わりなる者 山田一二三



    一松「遠慮なく潰すぞ」

    麻雀卓返しの達人 松野一松



    チョロ松「覚悟しなよ」

    ノーリターンなオープンリーチ 松野チョロ松

  192. 192 : : 2016/05/10(火) 21:26:48


    <東1局>

    セレス「ロン。8000ですわ」

    山田「ブヒィ!?」


    <東2局>

    セレス「ツモ、4000・8000です」

    一松「お、親かぶり…」


    <東3局>

    チョロ松(これ以上アガらせる訳にはいかない)

    チョロ松「り、リーチ!!」四萬-七萬待ち

    セレス「……」

    ……

    チョロ松「あれ? 出ないな」四萬-七萬待ち

    (いや、出るわけない!!)


    <オーラス>

    セレス「ツモ、6000オール。これで終わりですわね」1位

    山田「流石セレス殿、圧倒的ですぞ…」最下位

    一松「最下位はまぬがれた…」3位

    チョロ松「2位の僕でもマイナスって…」2位

    セレス「命令の件ですが、保留という形にしておきますわ。山田君、分かりましたか?」

    山田「…はい、肝に銘じておきますぞ」
  193. 193 : : 2016/05/10(火) 21:27:30

    <チョロ松の個室>



    チョロ松「セレスさんに指摘されたけど、そんなに目に出ているのかなぁ?」


    ピンポーン


    チョロ松「どちら様?」ガチャ


    大神「我だ」


    チョロ松「うぉわ!! びっくりした…。あ、ゴメン」


    大神「気にするな。その扱いには慣れている」


    チョロ松「そうなんだ。ところで、僕に何か用かな?」


    大神「…舞園のことについてだ」


    舞園「…ゴメンナサイ、ゴメンナサイ……」

  194. 194 : : 2016/05/10(火) 21:30:37

    <脱衣所>



    アルターエゴ『初めまして大神さん、舞園さん。ご主人タマから話は聞いているよ』


    大神「驚いたものだ。まるで生きているかのようだ」


    舞園「……」



    不二咲「舞園さんが立ち直るといいんだけど…」


    霧切「そう願うしかないわね」


    チョロ松「舞園さん…」



    アルターエゴ『…どうしたの舞園さん? 元気ないけど』


    舞園「……」


    大神「舞園は己を責めている。苗木の死が己にあると…」


    アルターエゴ『どうすれば元気を取り戻すんだろう?』


    不二咲「…アルターエゴ、苗木君の真似してくれないかな?」


    アルターエゴ『え? …うん、分かったよ』



    チョロ松「苗木くんの顔だけでも見せることで反応が変わるのかな?」


    霧切「アルターエゴを苗木君と思い込むかもしれないわ」


    チョロ松「それって、かなりヤバいんじゃ…」


    大神「そうならぬよう願うしかないだろう」

  195. 195 : : 2016/05/10(火) 21:35:19


    アルターエゴ(Ver.苗木)『舞園さん、どうしてそんなに元気ないの?』


    舞園「…ナエギ、くん?」


    アルターエゴ(Ver.苗木)『舞園さんはアイドルだから、笑顔でいないと』


    舞園「…笑顔なんて無理ですよ」




    舞園「私のことを案じてくれた苗木君を騙して、利用して、死なせてしまって…」


    舞園「…それでも笑っていられるなんて、無理に決まってるじゃない!!!」


    舞園「それに私は、苗木君に謝りたかったのに…」




    <回想:舞園>



    <苗木のシャワールーム>



    舞園「いやだ、死にたくない、助けて、苗木君…」


    舞園(何命乞いしているの? こんな目にあったのも全部自業自得なのに…)


    舞園(苗木君も騙して、人を殺そうとして…、もう、アイドル失格ですね)


    ガチャ ギィィ…


    桑田「……」


    舞園(…桑田君、怖い思いさせてごめんなさい、苗木君、騙してごめんなさい…)


    舞園(直接謝りたかったけど、もう無理ですよね…)


    舞園(だって私は、桑田君に殺される…)

  196. 196 : : 2016/05/10(火) 21:36:14


    桑田「…舞園」


    舞園「…え?」




    桑田「オメーが何でオレを殺そうとしたのかはなんとなく分かる。オレが野球をナメてたからだろ?」


    舞園「…何で、恨まないんですか?」


    桑田「そんなことしてもあのクマ野郎が喜ぶだけだ。何の得にもなりゃしねぇよ」


    桑田「それに…、オレはもう許したからよ」


    舞園「桑田、く、…ごめんなさい、ごめんなさい…」


    桑田「分かったから、とりあえずオレの個室で話を聞くから」



    <桑田の個室>



    桑田「やっぱり、舞園のDVDは同じメンバーの子の様子だったんだな」


    舞園「…はい」


    桑田「…オレのDVDはな、前にいた学校の野球部のみんなだったんだ」


    桑田「オレがいたグラウンドでチームメイトだった奴らが励ましのエールを送ってくれて…」


    桑田「画面が変わったと思ったら、同じグラウンドが血まみれになっていて…」


    桑田「オレ、別に野球に思い入れなんてなかったのに、あのDVDを見せられて…」



    桑田「何か大事なものを奪われた気分になったんだ」


    桑田「ようやく分かったんだよ。やっぱりオレ、野球が好きなんだってことに」


    舞園「桑田君…」
  197. 197 : : 2016/05/10(火) 21:36:51

    桑田「オメーも同じだったんだろ? ゴメンな、軽い気持ちでミュージシャンになるなんて言って…」


    舞園「そんな、謝るのは私のほうなのに…」


    桑田「…だったら、苗木に謝ってくれねえか? アイツ、舞園のことを心配していたんだぞ」


    舞園「もちろんそのつもりです。…ありがとうございます、桑田君」


    桑田「気にすんなって、…ん、舞園?」


    舞園「スー…、スー…」


    桑田「寝ちゃったか…、とりあえず床で寝るか」



    <回想終了>



    舞園「私は、苗木君に謝りたかった…。だけど、苗木君が死んで…、謝れなくなって…」


    舞園「私はもう、どうすれば…」


    チョロ松「舞園さん、苗木くんは今の君を見てどう思う? 落ち込んだままでいいと思うの?」


    舞園「それは、私にも分かってますけど、苗木君にあんなことして…」


    チョロ松「それでも、苗木くんのためにも、君は元気を取り戻すんだ」


    チョロ松「だって、苗木くんが守りたかったのは今の落ち込んでいる舞園さんじゃなくて…」



    チョロ松「超高校級のアイドルらしい笑顔でいる舞園さんだから」
  198. 198 : : 2016/05/10(火) 21:40:09

    アルターエゴ(Ver.苗木)『舞園さん…』


    舞園「…そうですよね、そのほうが苗木君もうれしいですよね」


    舞園「…だけど、一度だけ、謝らせてください。たとえ、本物じゃなくても…」


    アルターエゴ(Ver.苗木)『いいよ、舞園さん』




    舞園「…苗木君、騙して、罪をかぶせようとして、ごめんなさい、ごめんなさい…」


    舞園さんは、アルターエゴが模した苗木くんに泣きながら謝り続けた。




    舞園「…皆さん、ご迷惑をおかけしました」


    チョロ松「大丈夫だよ、ようやく立ち直れたんだし」


    不二咲「良かったねぇ」


    霧切「何事もなくて良かったわ」


    舞園「大神さん、今まで私のことを見てくれてありがとうございました」


    大神「礼を言う必要などない」


    舞園「そうですか。それで、もう一つお願いがあるんですけど…」

  199. 199 : : 2016/05/10(火) 21:40:55


    コロシアイ学園生活 13日目



    <食堂>



    舞園「桑田君、本当にありがとうございました」


    桑田「舞園…ちゃん?」




    そこには、髪を切ってショートヘアーにした舞園さんがいた。


    桑田「その髪って…」


    舞園「はい。大神さんにお願いしました」


    桑田「もう、大丈夫なのか?」


    舞園「大丈夫です。絶対にモノクマなんかに屈しませんから」


    桑田「そうか、ようやく前を向けたんだな…。本当に、良かった…」



    桑田くんは今にも泣きそうだ。当然だよ、心配していた舞園さんが立ち直れたから…。


    一松「良かったじゃん、桑田」


    石丸「うむ!! 舞園くんも立ち直れたことだし、いい朝食会になりそうだ!!」




    今日の朝食会はいつもより晴れやかだった。

  200. 200 : : 2016/05/10(火) 21:41:42
    今日はここまでです。

    忙しくなければ明日の夜投下します。
  201. 201 : : 2016/05/11(水) 20:04:29
    期待
  202. 202 : : 2016/05/14(土) 15:16:36
    お久しぶりです。忙しくて時間がとれませんでした。

    それではこれから投下します。
  203. 203 : : 2016/05/14(土) 15:17:55



    コロシアイ学園生活 14日目




    <3階 美術室>



    僕は今、山田くんといっしょに美術室にいる。その山田くんはというと…、


    山田「はぁ、アルたん…」


    少し落ち込んでる。昨日のことが応えたのか?


    モノクマにバレるのを防ぐため、アルターエゴとの接触は最小限にするとみんなで決めた。


    にも関わらず、山田くんは度々アルターエゴに会いにいっていたのだ。


    しかも、恋愛感情に似たようなものまで抱いて…。っていうかあれ男だろ?


    そのせいか、セレスさんに麻雀のときの命令で接触を禁じられた。だから今の有様である。


    チョロ松「そんなに落ち込んでいないでさ、同人誌でも書いたら?」


    山田「…それもそうですな」


    チョロ松「ところで山田くんって超高校級の同人作家だよね? BLとかも書いてるの?」


    山田「僕が書くわけないでしょ!?」


    チョロ松「そうなんだ。超高校級の同人作家で書いてると思ってたし、十四松がBL本出していたから…」


    山田「何ですと!? 松野チョロ松殿の弟君は所謂腐男子だった…?」


    チョロ松「BLと言ってもBaseball Loveの略だけど」


    山田「野球じゃん!!」
  204. 204 : : 2016/05/14(土) 15:19:13


    一松「…こんなところにいたのか」


    チョロ松「どうした一松?」


    一松「一緒に風呂入ってくんない?」


    チョロ松「…分かった、今すぐ行く」




    <脱衣所>




    僕たちが脱衣所に行くのは、落ち込んで泣きそうな不二咲くんがいた。


    不二咲「ごめん、大和田君、男の約束なのに…」


    大和田「心配すんな不二咲。大事なモンだろ」




    チョロ松「何があったの?」


    舞園「それが、アルターエゴが何者かに盗まれたんです」


    チョロ松「もしかしてモノクマに…」


    霧切「それはないわ。モノクマが来たら大声を出すようにアルターエゴに言っているの」


    桑田「十神とかじゃねぇのか?」


    江ノ島「もしくは山田だったり?」


    山田「僕がそんなことするはずないでしょう!?」


    霧切「十神君や山田君が来ても同様に大声を出すようにしているから違うわ」


    江ノ島「一体誰が…?」


    結局、アルターエゴを盗んだ犯人は分からずじまいだった。



    石丸「何事もなければいいのだが…」




    だけど、何だ? この嫌な予感は…

  205. 205 : : 2016/05/14(土) 15:20:35

    コロシアイ学園生活 15日目




    <食堂>


    今日の朝食会に集まっていたのは…



    僕、桑田くん、舞園さん、霧切さん、大神さん、江ノ島さんの6人だけだった。




    江ノ島「いくらなんでも少なすぎない?」


    舞園「何かあったのでしょうか…」


    大神「……」


    桑田「…何かヤベーぞ。探しに行った方がいいだろ」


    霧切「そうね、手分けして探しましょう」


    僕たちは2人1組で他のみんなを探すことにした。


    組み合わせは桑田くんと舞園さん、大神さんと江ノ島さん、僕と霧切さんだ。




    大神「我は寄宿舎を当たってみる」


    舞園「私は2階を探してみます」


    霧切「チョロ松君、私たちは3階を探しましょう」


    チョロ松「分かった」




    みんな、特に一松、どこに行ったんだ。まさか…。

  206. 206 : : 2016/05/14(土) 15:21:33

    <3階 娯楽室>


    僕たちは最初に娯楽室に向かった。そこには…、



    床に横たわっている、セレスさんがいた。




    チョロ松「セレスさんっ!!」


    霧切「…大丈夫、眠っているだけよ」


    チョロ松「良かった…」


    生きていることが確認できてほっとする。


    チョロ松「とりあえず、保健室に運ぼう」




    十神「おい、お前たちそこで何をしている?」


    霧切「決まっているでしょう? 朝食会の集まりが悪いから探していたのよ」


    チョロ松「そっちこそ何しに来たんだよ」


    十神「2階の書庫に不二咲がいたのでな、舞園たちに任せたのだ」


    チョロ松「不二咲くんが…!?」


    十神「どうも眠らされていたようだ」


    十神「個室以外で寝るのは校則違反…保健室に睡眠薬があったからそれで眠らされたのだろう」


    チョロ松「とりあえず保健室に行こう」
  207. 207 : : 2016/05/14(土) 15:22:51

    <1階 保健室>


    保健室には合流した大神さんと江ノ島さん、舞園さんに桑田くん、眠っている不二咲くんとセレスさん…




    …それと、同じく眠っている石丸くんがいた。




    舞園「保健室のトイレにいたんです。縛られた状態で」


    桑田「不二咲も同じような状態だったぜ」


    江ノ島「寄宿舎には誰もいなかったよ。十神は図書室にいたんじゃない?」


    大神「恐らくそれで間違いあるまい。ところでチョロ松よ、霧切はどうした?」



    チョロ松「あれ? いつの間に…」


    十神「霧切なら一人で探しに行ったぞ」


    舞園「これで残ったのは大和田君と山田君、そして一松君ですね…」


    チョロ松「一松…、どこにいるんだよ」




    不二咲「う、ん…、あれ? ここは? なんでみんないるの?」


    石丸「ん…、はっ、ここは保健室か? 僕は一体…」

  208. 208 : : 2016/05/14(土) 15:23:17


    大神「二人とも目を覚ましたか」


    江ノ島「セレスはまだ起きそうにないね」


    不二咲「そうだ…、僕、眠らされて…」


    石丸「不二咲くんもか!? 僕も同じなのだ!!」


    桑田「朝食会に来てないやつが多すぎて探したんだよ。まだいないのは大和田とブーデーと一松だ」


    石丸「兄弟もいないのか!? こうしちゃおれない、すぐに探しに行く!! まずは美術室だ!!」


    不二咲「僕も行くよぉ!!」


    石丸くんと不二咲くんは保健室を急いで飛び出した。


    江ノ島「あたしは石丸について行くよ」


    十神「俺も石丸の後を追う」


    大神「我はセレスを見ておく。チョロ松たちは物理室へ向かってくれ」


    チョロ松「分かった!!」


    僕と舞園さん、桑田くんは物理室へと向かった。

  209. 209 : : 2016/05/14(土) 15:23:50


    <3階 物理準備室>




    ピンポンパンポーン


    モノクマ『死体が発見されました!! 一定の捜査時間の後、学級裁判を開きます!!』




    桑田「オイ、マジかよ…」


    舞園「そんな、また…」



    物理室の奥にある準備室…、そこにいたのは…



    頭から血を流して壁にもたれ掛かり息絶えた山田くんの姿が…




    ピンポンパンポーン


    モノクマ『死体が発見されました!! 一定の捜査時間の後、学級裁判を開きます!!』

  210. 210 : : 2016/05/14(土) 15:24:31



    チョロ松「え? 何で死体発見アナウンスが…?」


    桑田「さっき鳴ったよな?」


    舞園「もしかして…」




    「うぁあああああああああああああああああああ!! 兄弟ぃぃいいいいいいいいいいいい!!」




    !? 今の声って…



    <3階 美術室倉庫>



    チョロ松「石丸くん!?」


    僕たちが目にしたものは…




    石丸「何故だ!? 何故なんだぁぁあああああああ!?」


    不二咲「嘘だよ、嘘だと言ってよぉ…」





    大粒の涙を流している石丸くんと不二咲くん…、そして…





    頭から血を流しながらうつ伏せの体勢で息絶えた大和田くんだった。
  211. 211 : : 2016/05/14(土) 15:25:34
    以上で3章日常編は終わりです。

    次の投下は今夜する予定です。
  212. 212 : : 2016/05/14(土) 22:29:56
    それではこれから投下します。
  213. 213 : : 2016/05/14(土) 22:30:22
    CHAPTER3 新世紀赤塚伝説再び!! 無職童帝よ希望となれ!! 非日常編




    <3階 美術室倉庫>



    桑田「山田だけじゃなくて、大和田も死んじまったのかよ…」


    舞園「そんな、二人も…」


    江ノ島「え? それじゃ、あのアナウンスは山田のだったの?」


    チョロ松「そうだよ、物理準備室で殺されていたんだ…」


    それにしても、一松はどこにいるんだ…?




    霧切「みんな、ここにいたのね」


    十神「霧切か、どうした?」


    霧切「一松君を見つけたわ」


    チョロ松「それってホントかよ霧切さん!? …それでどこにいたんだ?」


    霧切「2階のプールよ」


    桑田「だったらそこに行くか」


    石丸「…すま、ない。僕はここにいる…。兄弟…」


    不二咲「うん、僕も…、ここに残るよ」


    石丸くんと不二咲くん以外のみんなはプールへと向かった。

  214. 214 : : 2016/05/14(土) 22:30:49


    <2階 プール>



    チョロ松「嘘、だろ…?」




    僕たちがプールで目にしたものは…




    一松『Zzz……』


    何か訳分からんハリボテに入ってぐっすり寝ている一松の姿があった。




    チョロ松「…何だこれ。心配して損した」


    桑田「生きてるだけ良かったじゃねぇか」

  215. 215 : : 2016/05/14(土) 22:31:54


    ~数分後~


    一松「…あれ、ここどこ?」


    チョロ松「やっと目が覚めたか」


    一松「何があったの?」


    舞園「山田君と大和田君が死んでいたんです」


    一松「!? 嘘だろ、大和田が!?」


    モノクマ「そうだよ。というわけではい、モノクマファイル」


    十神「今回は渡すのが遅かったな」


    モノクマ「まあね。二人分のファイルだから、そりゃ時間もかかるよ」


    モノクマ「それじゃ捜査を頑張って…」



    霧切「待ってモノクマ。今回は二人死んでいる。指摘するクロは一人なの? それとも二人?」


    モノクマ「少しは考えたら? まぁそれぐらいならいいか。今回指摘するクロは一人だよ」


    桑田「ってことは、そのクロが大和田と山田を殺したのか」


    霧切「それはどうかしらね? モノクマの嘘かもしれないし、あらゆる可能性を考えたほうがいいわ」


    一松「そうだよな、捜査しなくちゃ分からないよな」



    そうだ…。僕たちは死んでしまった二人のためにも、学級裁判でクロを突き止めるんだ…!!

  216. 216 : : 2016/05/14(土) 22:32:14


    〈 捜査開始 〉


    まずはモノクマファイルの確認だ。これで3度目か…。




    【モノクマファイル3-1】

    被害者は山田一二三。

    死体発見現場は3階の物理準備室。

    致命傷は頭部の傷。他に傷跡は見られない。



    【モノクマファイル3-2】

    被害者は大和田紋土。

    死体発見現場は3階の美術室倉庫。

    死因は失血死。頭部と腹部及び右手の甲に傷がある。




    死亡推定時刻は書かれていないのか。

    だけどなんだろう? この2つのモノクマファイルから感じる違和感は…

    コトダマ:モノクマファイル3-1 獲得
    コトダマ:モノクマファイル3-2 獲得


  217. 217 : : 2016/05/14(土) 22:33:17


    <物理準備室>



    山田くんの死体を調べようとすると、大神さんと江ノ島さん、そして、まだ眠っているセレスさんがいた。


    チョロ松「セレスさんはまだ起きないの? 保健室に置いたほうがいいんじゃない?」


    大神「そういう訳にもいかぬ。セレスに見張りの人員を割いたら、捜査を行うのが4人のみとなる」


    チョロ松「それでここにいるんだ。これから山田くんの死体を調べるけど…」


    江ノ島「分かったから、ちゃっちゃと調べてくんない?」



    山田くんの死体を確認すると、そばに電卓が落ちていた。


    チョロ松「これ、ボタンのところに血がついている。もしかして、ダイイングメッセージかも…」


    江ノ島「けどさぁ、最初の事件もダイイングメッセージがあったけど、あれ捏造だったじゃん?」


    チョロ松「一応調べてみようよ」


    電卓には誰かが血を付けて押したような跡がある。押されているボタンは…




    7 ● 9

    ● 5 6

    ● 2 3




    大神「1と4と8か…」


    しかも、ボタンによって血の付き具合が違う。


    4に血がかなり付着してその次に1、8は1度だけ押したような付き方だ。

    コトダマ:血の付いた電卓 獲得

  218. 218 : : 2016/05/14(土) 22:34:08


    あと気になるのは、コーティングされているハンマーかな。


    “ジャスティスハンマー4号”と書かれている。しかも血が付いている。


    チョロ松「1号から3号はどうしたんだよ」


    大神「1号ならセレスが持っていたぞ」



    …何でセレスさんが持っているんだ?

    コトダマ:ジャスティスハンマー4号 獲得
    コトダマ:ジャスティスハンマー1号 獲得



    次は、山田くんの死体か…。右手の人差し指に血が付着している。


    これでダイイングメッセージを遺したのか、それとも、犯人の偽装か…。


    あと、左手にかすかに塗料がついていた。頭の傷は、血の他には何も付いてないな。

    コトダマ:山田の死体の状況 獲得




    <美術室倉庫>



    石丸「…チョロ松君か」


    不二咲「チョロ松君…」


    石丸くんと不二咲くん…。目元がすごく赤い。


    大和田くんとは仲が良かったからな。それだけ涙を流したんだろう。
  219. 219 : : 2016/05/14(土) 22:35:04


    チョロ松「これから大和田くんの死体を調べるけど、…いい?」


    石丸「構わない…。必ず、犯人を突き止めてくれ!!」


    大和田くんはうつ伏せの体勢で死んでいる。そういえば…、


    チョロ松「モノクマファイルに書いてあったけど、腹部にも傷があるんだよね」


    石丸「僕が起こしてみよう」


    石丸くんが少し起こしてみると、腹部は血まみれだった。


    よく見ると、切り傷っぽいな。


    あとは頭の傷は血の他に塗料が付いている。右手の方は…、引っ掻き傷かな?

    コトダマ:大和田の死体の状況 獲得



    あとは凶器のハンマーだけど、やっぱりここで調達したんだ。


    しかも、サイズの違うハンマーが4個もなくなっている。


    チョロ松「あれ…、このハンマーだけ洗われているな」


    洗われているのは一番大きいサイズのハンマーだ。

    コトダマ:美術室倉庫のハンマー 獲得

  220. 220 : : 2016/05/14(土) 22:35:36


    チョロ松「二人に聞きたいことがあるんだけど」


    石丸「どうしたのだね?」


    チョロ松「目を覚ましたときに、眠らされたって言ってたよね。どういうこと?」


    不二咲「実は、誰かに呼び出されて…、手紙は持っていないけど」


    チョロ松「どんな内容だった?」


    不二咲「午後10時半に図書室で待つって…。約束通り来たんだけど、誰かに薬を嗅がされて…」


    チョロ松「そのまま眠らされたのか…」

    コトダマ:不二咲の証言 獲得



    チョロ松「石丸くんは?」


    石丸「…僕にも呼び出しの手紙は来た。だが、2通あったのだ」


    チョロ松「えっ!? 2通も!?」


    石丸「1つは10時半に保健室で待つという手紙、…もう1つは11時半に物理準備室で待つという手紙だ」


    チョロ松「物理準備室って…、山田くんの死体発見現場じゃないか!!」


    石丸「保健室が待ち合わせ場所の手紙に応じたが、僕も薬を嗅がされて眠らされていたのだ」


    石丸「もし物理準備室の方に向かえば、山田君を助けることが出来たかもしれないな…」

    コトダマ:石丸の証言 獲得

  221. 221 : : 2016/05/14(土) 22:36:12


    <2階 男子更衣室>



    男子更衣室に来たけど、ここはいい思い出がないな…。


    桑田「チョロ松、調子はどうだ?」


    チョロ松「結構進んでるよ。ところで、不二咲くんと石丸くんを発見したときのことだけど…」

    桑田「先に見つけたのは舞園ちゃんだけど、不二咲を縛ってるロープをほどくのに苦労してたな」


    あぁ、そうか。舞園さん、右手首を骨折していたんだったな。


    桑田「オレが手伝ってほどいた後は不二咲を背負って保健室まで運んだぜ」


    桑田「そんでトイレに行ってみたら、石丸がいたんだよ」


    桑田「その石丸のことだけどさ、両手両足がロープで縛られていたな」


    チョロ松「何のためにそんなことする必要があるんだろう?」

    コトダマ:桑田の証言 獲得



    桑田「あとさ、こんなの見つけたけど」


    桑田くんが見せてくれたのは、2つのハンマーだった。


    チョロ松「“ジャスティスハンマー2号”と“ジャスティスハンマー3号”…、ここにあったんだ」

    コトダマ:男子更衣室のハンマー 獲得

  222. 222 : : 2016/05/14(土) 22:37:07

    <プール>



    舞園「チョロ松君、丁度良かったです」


    チョロ松「どうしたの?」


    舞園「六つ子のチョロ松君ならこれを着れるはずです」


    チョロ松「これ、一松が着てたハリボテだよね? これ着て意味あるの?」


    舞園「どのくらい動かせられるのかテストしてみたいんです。すでに一松君にもやらせています」


    チョロ松「それじゃ僕がやる意味ないよね?」



    舞園「…チョロ松さん」


    チョロ松「舞園さん?」


    舞園「お願い♪」ニコッ


    チョロ松「喜んで」キリッ

  223. 223 : : 2016/05/14(土) 22:37:31



    結局ハリボテを着て動作テストをすることになった。けど…



    チョロ松「ポンコツすぎんだろ!! 腰は曲がらん、倒れたら起き上がらん」


    チョロ松「しかもこれ、1人じゃ着ることも脱ぐこともできないし!!」


    舞園「一松君と同じですね。ありがとうございました」

    コトダマ:一松が着ていたハリボテ 獲得



    チョロ松「そういえば、舞園さんは不二咲くんを見かけたの?」


    舞園「不二咲君は書庫にいましたよ。手足を縛られた状態でした」


    チョロ松「そこは石丸くんと一緒か」


    もしかして、石丸くんと不二咲くんを呼び出して眠らせたのは同一人物?


    だけど何のために…?

    コトダマ:舞園の証言 獲得

  224. 224 : : 2016/05/14(土) 22:38:47


    <保健室>



    保健室に行くと、そこには一松がいた。


    チョロ松「一松、聞きたいことがあるんだけど」


    一松「…何?」


    チョロ松「お前なんであんなことになってたの?」


    一松「…いつの間にか眠らされて、気付いたらあのハリボテの中にいて」


    チョロ松「眠らされる前は?」


    一松「手紙が来てた。プール前に午後11時に来てほしいって」


    チョロ松「罠とか思わなかったのかよ?」


    一松「そりゃ思ったよ。そのために、大和田に相談したんだけど…」


    チョロ松「え? お前大和田に相談したの? それで大和田はなんて?」


    一松「用事があるからそれが済んだら来るって言ったのに、全然来なかったんだよ」


    チョロ松「それで1人で言ったのか?」


    一松「いや、山田と行った。たまたま近くにいたのが山田しかいなかったから」


    今度は山田って一松、お前被害者と関わりすぎだろ。

    コトダマ:一松の証言 獲得

  225. 225 : : 2016/05/14(土) 22:39:44

    チョロ松「そういえばここって睡眠薬があったよな」


    引き出しを開けてみると、奥に睡眠薬の袋が16袋あった。


    チョロ松「薬品リストには20袋ってあるから、使われたのは4袋か」


    薬品リスト内の説明書には、



    『超高校級の保健委員特製睡眠薬
    ふゆぅ。1袋で10時間きっちり眠らせる代物ですぅ。
    どんなことがあっても絶対に起きませんからぁ。』



    と書かれていた。超高校級の保健委員って誰だよ。あと説明文おかしすぎだし、手書きで読めないし!!


    一松「あ、それ俺が書いた。最初に調べたときに汚したから」


    お前かよぉぉおおおおおおおお!!

    コトダマ:保健室の睡眠薬 獲得



    霧切「2人とも、ここにいたのね」


    チョロ松「どうしたの霧切さん?」


    霧切「今から見せたいものがあるの」

  226. 226 : : 2016/05/14(土) 22:40:11

    <3階 廊下>



    僕たちが来たのは4階へと続く階段だ。普段はシャッターが降りているけど…


    チョロ松「シャッターがない?」


    一松「その代わり立ち入り禁止のテープがめっちゃ貼られてる…」


    霧切「おかしいのはそれだけじゃないわ。校則を確認してもらえるかしら?」


    校則がどうしたって、…あれ?




    チョロ松「追加されている…」



    12.鍵のかかったドア及び封鎖されているシャッターを壊すのは禁止とします。



    一松「いつの間に…」


    昨日はこんなルールなかったのに。いつ追加されたんだ…?

    コトダマ:4階へと続く階段 獲得
    コトダマ:追加された校則 獲得
  227. 227 : : 2016/05/14(土) 22:41:01

    モノクマ『えー、捜査時間が終了しました。オマエラ、校舎1階の赤い扉の前に集合してください!!』



    一松「ここも使いまわ」


    チョロ松「だからこれ以上言うなって一松!!」




    <校舎1階 地下エレベーター前>



    僕たちがたどり着いたときには全員がそろっていた。その中には…


    チョロ松「セレスさん!! 目を覚ましたんだね」


    セレス「ええ、ご心配をおかけしましたわ」


    霧切「セレスさん、娯楽室で気絶していたけど、何があったの?」


    セレス「わたくしも何者かに眠らされていましたの。恐らく、…11時20分くらいですわね」


    石丸くんと不二咲くんが10時半、一松が11時、セレスさんが11時20分か…。

    コトダマ:セレスの証言 獲得

  228. 228 : : 2016/05/14(土) 22:42:46


    全員揃った僕たちはエレベーターに乗り込み、…3度目となる裁判場に着いた。



    チョロ松「今度は僕が苗木くんの席だね」


    一松「ああ、…絶対に、犯人を突き止めてやる」



    いよいよ始まる…。


    命がけの騙し合い。

    命がけの裏切り。

    命がけの謎解き。

    命がけの言い訳。

    命がけの信頼。

    命がけの…学級裁判…!!
  229. 229 : : 2016/05/14(土) 22:43:02
    今日はここまでです。

    学級裁判は明日にします。
  230. 230 : : 2016/05/15(日) 09:46:29
    え・・・初ssだ・・・と・・・!?

    すごい期待です!!!
  231. 231 : : 2016/05/15(日) 17:23:04
    これから3章学級裁判を投下します。

    よろしくお願いします。
  232. 232 : : 2016/05/15(日) 17:24:06
    CLASSROOM TRIALS 3

    モノローグ

    三度起きた殺人事件。今回の被害者は2人いた。1人目は超高校級の同人作家、山田一二三。

    2人目は超高校級の暴走族、大和田紋土。

    さらに、眠らされた石丸、不二咲、一松、セレス。

    これらの複雑な事件はどのような結論に結びつくのだろうか…?



    コトダマリスト


    モノクマファイル3-1
    『被害者は山田一二三。
    死体発見現場は3階の物理準備室。
    致命傷は頭部の傷。他に傷跡は見られない。』

    モノクマファイル3-2
    『被害者は大和田紋土。
    死体発見現場は3階の美術室倉庫。
    死因は失血死。頭部と腹部及び右手の甲に傷がある。』

    血の付いた電卓
    『山田のそばに落ちていた電卓。押されているボタンは

    7 ● 9

    ● 5 6

    ● 2 3

    ボタンの血の付着具合は4>1>8』

    ジャスティスハンマー4号
    『山田のそばに落ちていたハンマー。血が付着している』

    ジャスティスハンマー1号
    『セレスが所持していた』
  233. 233 : : 2016/05/15(日) 17:24:24

    山田の死体の状況
    『右手の人差し指に血が付着している。左手に僅かに塗料が付着している。
    頭部の傷は血痕のみで他は付着していない。壁にもたれ掛かる体勢で死んでいる』

    大和田の死体の状況
    『腹部には切り傷がある。頭部の傷は血痕の他に塗料が付着している。右手に引っ掻き傷あり』

    美術室倉庫のハンマー
    『ハンマーが4個無くなっている。残ったハンマーの中で一番大きいハンマーのみ洗われている』

    不二咲の証言
    『午後10時半に図書室に来てほしいという手紙が来た。約束通り来たが、薬を嗅がされて眠らされた』

    石丸の証言
    『午後10時半に保健室に来てほしいという手紙と、
    午後11時半に物理準備室に来てほしいという手紙が来た。
     午後10時半に保健室に来たが、薬を嗅がされて眠らされた』

    桑田の証言
    『保健室のトイレで石丸を発見したとき、両手両足がロープで縛られていた』

    男子更衣室のハンマー
    『男子更衣室内に“ジャスティスハンマー2号”と“ジャスティスハンマー3号”が置かれていた』

    一松が着ていたハリボテ
    『発見したときに一松が着ていたハリボテ。腰が曲がらず、一度倒れたら起き上がれない。
     しかも、1人で着脱不可能など機能性は最悪』

    舞園の証言
    『図書室の書庫で不二咲を発見したとき、両手両足がロープで縛られていた』

    一松の証言
    『午後11時にプール前に来てほしいという手紙が来た。
     事前に大和田に相談したが来なかったので、山田と待ち合わせ場所に行った。
     そのとき薬を嗅がされて眠らされ、ハリボテの中に入れられた』

    保健室の睡眠薬
    『超高校級の保健委員特製の睡眠薬。効果は10時間でその間は絶対に起きない』

    4階へと続く階段
    『シャッターが無くなっている代わりに、立ち入り禁止のテープが貼られている』

    追加された校則
    『以下の校則が追加された。追加された時間は不明。
     12.鍵のかかったドア及び封鎖されたシャッターを壊すのは禁止とします。』

    セレスの証言
    『午後11時20分くらいに薬を嗅がされて眠らされた』

  234. 234 : : 2016/05/15(日) 17:24:58


    学級裁判 開廷



    モノクマ「まずは、学級裁判の簡単な説明から始めましょう!!

    学級裁判の結果は、オマエラの投票により、決定されます!!

    正しいクロを指摘できれば、指摘されたクロだけがお仕置き。

    だけどもし、間違った人物をクロとした場合は…。

    クロ以外の全員がお仕置きされ、生き残ったクロだけがこの学園を卒業します!!」



    一松「やっぱここも使い回」

    チョロ松「だから言うな一松!!」
  235. 235 : : 2016/05/15(日) 17:25:32


    モノクマ「それじゃ議論を開始してください!!」

    江ノ島「議論って言っても、犯人は丸分かりじゃない?」

    十神「一応聞くだけ聞いてやる。誰なのかは想像がつくがな」

    江ノ島「犯人は一松だよ。この写真を見れば分かるよ」

    江ノ島さんが見せたのは、ハリボテに捕まっている山田くんの写真だった。

    一松「し、知らねーぞ…。こんなの」

    江ノ島「とぼけたって無駄だよ。霧切が来たとき、アンタこのハリボテを着てたじゃない」

    霧切「仮に犯人が一松君だとして、そのハリボテは彼が作ったのかしら?」

    江ノ島「当然だよ。桑田にも調べてもらったから」

    桑田「確かに設計図は一松の部屋にあったけどよ、普通に濡れ衣じゃねーか?」

    十神「一松が作ったのだとしたらとんだ馬鹿だな。あのハリボテは欠陥だらけだ」

    舞園「そもそもあのハリボテ、1人では着脱が出来ないんですよ」

    チョロ松「僕と一松が確認済みだよ」



    江ノ島「…1人じゃ無理なら、2人はどう? チョロ松が共犯とか」

    チョロ松「…え?」

    石丸「もしや江ノ島君、君は一松君だけでなくチョロ松君も疑っているのかね!?」
  236. 236 : : 2016/05/15(日) 17:26:03

    ノンストップ議論 開始

    コトダマ
    モノクマファイル3-1
    ジャスティスハンマー4号
    一松が着ていたハリボテ


    江ノ島「死体は2つあったんでしょ? だったら、【チョロ松と一松が1人ずつ殺した】のよ」

    舞園「それじゃ、あの写真は誰が撮ったのですか?」

    不二咲「【カメラを持っていたのは、セレスさん】だったよねぇ」

    桑田「セレスが撮ったんだったら、生きているのはおかしくねーか?」

    江ノ島「【セレスは眠ってた】んでしょ? 先に襲われてカメラを盗られたんだって」

    江ノ島「その後山田を2人で襲って、チョロ松が写真を撮ったんだ」

    江ノ島「図体のデカい山田でも【2対1じゃ勝てない】しね」

    十神「…お前の推理は残念過ぎて指摘する気にもなれん」

    江ノ島「あ、あたしのどこが残念だってのよ!?」


    チョロ松(こいつと同意見なのは何か腹立つけど、確かに残念だよな…)
  237. 237 : : 2016/05/15(日) 17:26:56


    【2対1じゃ勝てない】←一松が着ていたハリボテ

    チョロ松「それは違うね!!」




    チョロ松「…江ノ島さん、ちゃんと捜査した?」

    江ノ島「は? したから言ってんでしょ?」

    舞園「あのハリボテなんですけどね、1度倒れたら起き上がれないんですよ」

    一松「あの写真の場面だったら、山田が後ろに押し倒せば済むだろ」

    桑田「あとカメラを盗るのにセレスが先に襲われたって言ったよな? だったらセレスを殺せばいいだろ!!」

    石丸「それに兄弟も死んでいたんだぞ? いくらチョロ松君たちでも兄弟を殺すのは不可能ではないか!!」

    不二咲「大和田君だったら、あのハリボテを倒して、タイマンにするよねぇ。タイマンだったら負けないよぉ」

    江ノ島「…何でそこまでボロクソに言われるの?」

    霧切「そもそもチョロ松君と一松君が共犯なのは無理なのよ。それはモノクマが証明しているわ」


    チョロ松(モノクマが証明したことって…)


    クロは1人
    クロは2人
    クロは3人
  238. 238 : : 2016/05/15(日) 17:28:02

    →クロは1人

    チョロ松「これだ!!」




    チョロ松「指摘するクロは1人だよね?」

    モノクマ「はい、その通りです!! 今回指摘するクロは1人で十分です!!」



    桑田「ってことは、共犯はありえないってことか」

    霧切「違うわ。モノクマが証明したことは今生きている人間同士で共犯の可能性がないことだけよ」

    石丸「生きている人間同士ではない、…ということは、兄弟か山田君が共犯の可能性があるということかね?」

    舞園「大和田君と山田君のどちらかがもう一方を殺し、共犯の人が裏切って殺したということですか?」


    一松「…だったら、山田の方だろ。俺、山田についてきてもらったにも関わらず眠らされたから」

    石丸「その場合、兄弟は山田君に殺されたというのか!?」

    大神「あくまでも共犯の場合の話だ。共犯ありきで議論を進めるのは悪手であるぞ」

    桑田「そうだよな。単独犯ってこともあるし。あれ、待てよ…」

    一松「どうしたの?」


    桑田「…やっぱり、山田が共犯じゃねーのか? あの写真の事を考えると」

    舞園「そうですね。山田君が一松君を眠らせた後ハリボテに入れて…」

    舞園「襲われたかのようにみせるために写真を撮ったと考えるのが自然ですよね」

    不二咲「それだと、写真を撮る人が必要だよねぇ? その人と山田君が共犯じゃないかなぁ…」


    チョロ松(そうなると、カメラを持っていたのは…)



    怪しい人物を指名しろ
  239. 239 : : 2016/05/15(日) 17:28:30

    →セレス

    チョロ松「お前しか、いない!!」




    チョロ松「セレスさんだよね?」

    セレス「……」

    十神「あのデジカメはセレスが所有していたものだ。お前が山田と組んでいたのだろう」

    一松「確かセレスと山田はよく一緒にいたよな。麻雀もしたし」

    桑田「つまり、この事件の黒幕はセレスということかよ」



    霧切「…まだそう結論付けるのは早いわ」
  240. 240 : : 2016/05/15(日) 17:29:03

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    ジャスティスハンマー1号
    石丸の証言
    桑田の証言


    江ノ島「犯人がセレスだとすると、【みんなを眠らせたのもセレス】なの?」

    十神「恐らくそうだろうな」

    舞園「だけど、不二咲君と石丸君は【両手足が縛られていました】よ?」

    一松「【もしものための保険】だったり…」

    桑田「碌な事言わねーな…」

    不二咲「その場合、【手紙の差出人は全てセレスさんか山田君】になるよね?」

    江ノ島「どうなのよセレス?」

    セレス「……」


    チョロ松(全部じゃないはず。だって、彼だけは他の人と違う状況だったんだ)
  241. 241 : : 2016/05/15(日) 17:29:51

    【手紙の差出人は全てセレスさんか山田君】←石丸の証言

    チョロ松「それは違うね!!」




    チョロ松「全部セレスさんたちじゃないと思うよ。そうだよね、石丸くん」

    石丸「うむ、僕のところには2通届いたからな。同一人物が出したとは考えられない」

    チョロ松「石丸くんに届いた手紙の時間が午後10時半と午後11時半、1時間もずれがあるからね」

    桑田「…なあ、とりあえず手紙を全部まとめてみねーか?」

    霧切「そのほうがいいわね。恐らく、時間などで誰が出したか判明するわ」


    一松:午後11時にプール前
    不二咲:午後10時半に図書室
    石丸:午後10時半に保健室と午後11時半に物理準備室


    舞園「まず一松君の手紙の差出人はセレスさんで決まりですね」

    十神「恐らくセレスは一松に罪を着せるつもりだったのだろうな。それにしてはお粗末な出来だが」

    チョロ松「確かに、クソ長男の名前と同じお粗末だったね」

    石丸「チョロ松君、君は兄の事を尊敬していないのかね…?」

    霧切「次に午後10時半の待ち合わせの手紙は同一人物ね」

    大神「何故断言できる?」

    霧切「それぞれの待ち合わせに応じた不二咲君と石丸君の状況が同じだからよ」

    チョロ松(同じというのはきっと…)


    襲われたとき
    見つかったとき
    見つめ合ったとき
  242. 242 : : 2016/05/15(日) 17:30:27

    →見つかったとき

    チョロ松「これだ!!」




    チョロ松「2人を発見したときだよね?」

    桑田「確か、どっちも両手足をロープで縛られていたんだよな」

    舞園「ここまで一緒だと同一人物ですよね。だけど、何のために…」

    霧切「次はその人物について議論してみましょうか」
  243. 243 : : 2016/05/15(日) 17:31:05

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    モノクマファイル3-1
    男子更衣室のハンマー
    追加された校則


    大神「2人は【眠らされる直前に見なかった】のか?」

    不二咲「僕は【見なかった】よぉ…」

    石丸「僕も姿は見ていない。懸命に【抵抗はした】が…」

    桑田「証拠とか残してねぇのかな?」

    舞園「眠らせるのを前提にしていますから、【そんなミスはない】と思います」

    一松「誰か【目撃していない】の? 例えばセレスとか」

    セレス「…わたくしは知りませんわ」

    十神「【お前か山田が襲った】のならそう言い張るしかないだろうな」


    チョロ松(あの2人の発言…、矛盾しているかもしれない)
  244. 244 : : 2016/05/15(日) 17:31:56

    【そんなミスはない】←【抵抗はした】

    チョロ松「それは違うね!!」




    チョロ松「いや、その人はミスをしているのかもしれない…。ねぇ、石丸くん」

    石丸「僕かね!?」

    チョロ松「さっき抵抗したって言ったよね? 具体的には?」

    石丸「口元を手で押さえられたのでな、その手をどかそうと引っ掻いてみたのだが、この有様だ」



    霧切「…そう、もう十分よ」

    江ノ島「十分って、もしかして分かったの?」



    霧切「…石丸君、不二咲君。最低限、覚悟だけはしなさい」



    石丸「何を、言っているのだね…?」

    霧切「…チョロ松君、ここまで言えば分かるわね?」


    チョロ松(分かるよ。2人を眠らせたのは、間違いなくあの人だ…!!)



    怪しい人物を指名しろ
  245. 245 : : 2016/05/15(日) 17:32:57

    →大和田

    チョロ松「お前しか、いない!!」




    チョロ松「石丸くんと不二咲くんを眠らせたのは、…大和田くんだよ」

    不二咲「…え?」

    石丸「なっ!?」

    霧切「大和田君のモノクマファイルを見て。右手の甲に傷があると書いてあるでしょ?」

    チョロ松「あれは引っ掻き傷、つまり石丸くんがつけた傷なんだよ」

    石丸「…それは、本気で言っているのかね?」

    十神「当然だろう。大和田は不二咲と石丸を眠らせたのだ。恐らく、後で殺す気で…」



    石丸「ふざけるな!!! 兄弟がそんなことするはずがない!!!」

    十神「何故そう言い切れる? 現にお前たちは大和田に騙されて眠らされたというのに」

    十神「所詮兄弟と言っていたのは口先だけで、本当は油断させて殺す気だったのだろうな」

    一松「…本気で言ってんのか、テメェ」

    十神「どうした一松? お前も内心裏切ったのだと思っているのだろう」

    一松「んなわけ、ねぇだろ…」

    不二咲「そうだよ、大和田君が、そんなこと…」




    チョロ松「そうだよ。石丸くんたちの言う通りだよ」


    十神「…何故そんなことが言える?」

    霧切「何も殺したり陥れたりするためだけじゃないのよ。ここまで言っても分からないのかしら?」

    十神「そんなこと、あり得るわけがない…」
  246. 246 : : 2016/05/15(日) 17:33:30

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    血の付いた電卓
    山田の死体の状況
    保健室の睡眠薬


    石丸「兄弟が僕たちを陥れるなどあり得ない!! すべて【お前のでっちあげ】なんだ!!」

    不二咲「僕も大和田君がそんなことするなんて、【信じられない】よぉ…」

    一松「そうだよ。大和田にとって石丸や不二咲は【守る】べき相手なんだよ!!」

    江ノ島「だけど、霧切たちが大和田だって言っているし…」

    十神「何度言っても無駄なことだ。【大和田がお前たちを眠らせ】…」

    十神「【後で殺すつもり】だったのだろうな」

    霧切「…本当にそれだけなのかしら?」

    十神「殺すか陥れる…、【それ以外に理由などない】」


    チョロ松(違う、大和田くんはそんなことしない…!!)
  247. 247 : : 2016/05/15(日) 17:34:51

    【それ以外に理由などない】←【守る】

    チョロ松「それは違うね!!」




    チョロ松「十神くん、大和田くんが石丸くんや不二咲くんを眠らせたのはそんな理由じゃない」

    十神「ならば言ってみろ。どんな理由かを」



    チョロ松「それは…、2人を守るためだ」

    十神「…あり得んな。他人のために疑われるような真似をするなんて正気とは思えん」

    桑田「十神に賛同するわけじゃねーけどよ、話し合いとかで穏便に済めばいいんじゃね?」

    桑田「何か回りくどいっていうか…」


    チョロ松「石丸くんたちだったら、どうする?」

    石丸「それは、勿論止めるために手紙に応じるが…」

    不二咲「僕も、やめようよって言うために行くかも…」



    チョロ松「だからだよ。石丸くんたちには無理をしてほしくなかったんだよ」

    霧切「彼は不器用だから、そんな行動しかとれなかったのよ」

    舞園「それじゃ、大和田君は本当に、石丸君たちを守るために…」

    桑田「あらかじめ呼び出したのは、他の奴が手を出せねーようにするためだったのかよ…」



    十神「バカなことを言うな!! チョロ松!!」

    十神「お前の言っていることはただの願望だ!! 他人のために動くことなどあり得ない!!」

    十神「そもそもそんな行動があったとしても、そのためにはきっかけが必要だ!!」

    十神「そんなもの、ヤツの周りにはなかっただろう!!」

    十神「俺は認めん、絶対に認めんぞ!!」
  248. 248 : : 2016/05/15(日) 17:35:31

    マシンガントークバトル開始

    コトダマ
    一松の証言
    4階へと続く階段
    セレスの証言

    「目障りだ」
           「黙れ」
      「さて、食うとしよう」
          「おいお前、そこで何をしている!?」
     「失せろ」
               「やかましい」
    「俺が導いてやる!!」
            「十神の名にかけて!!」


    「大和田は、どこでその不穏な空気を感じたというのだ!?」
  249. 249 : : 2016/05/15(日) 17:36:12

    ←一松の証言

    チョロ松「これで証明だ!!」




    チョロ松「大和田くんが行動に移したきっかけは、一松だよ」

    一松「俺!? …もしかして、大和田が言っていた用事って」

    チョロ松「一松が手紙で呼ばれたのを知って、石丸くんたちも同じかもしれないと思ったんだ」

    霧切「現に石丸君を呼び出した手紙も別にあったわ」

    チョロ松「大和田くんの用事は、石丸くんたちを別の場所に隠すことだったんだよ」

    桑田「待てよ。石丸ってもう1通呼び出しがあったよな? もしそっちの方に行ったら…」

    霧切「殺されていたかもしれないわね」



    不二咲「それじゃ、大和田君は、僕たちを守るために…」

    石丸「きょ、兄弟…。僕は、兄弟に命を救われたということなのか…」



    江ノ島「…じゃあ、何で大和田は死んだわけ?」

    一松「そうだよな。後で俺と一緒に行くはずだったのに…」

    舞園「アクシデントがあったんじゃないんでしょうか?」

    チョロ松(アクシデント…、あれのことかな?)

    コトダマ
    血の付いた電卓
    大和田の死体の状況
    4階へと続く階段
  250. 250 : : 2016/05/15(日) 17:37:02

    →4階へと続く階段

    チョロ松「これだ!!」




    チョロ松「4階に続く階段、あそこにはシャッターが降りてあったんだけど、今はそれがないんだ」

    霧切「その代わりテープで貼りつけられて通れないようになっているけどね」

    モノクマ「あれはシャッターを壊されたから、代わりに貼っているだけだよ」

    モノクマ「裁判が終わったら、しっかり取り除くからね!!」



    霧切「…そう、シャッターは誰かに壊されたのね」

    モノクマ「は!? しまった…」

    桑田「そのシャッターを壊したのって…」

    チョロ松(あの人ぐらいだ、そんなことができるのは…)


    怪しい人物を指名しろ
  251. 251 : : 2016/05/15(日) 17:38:05

    →大神

    チョロ松「お前しか、いない!!」




    チョロ松「大神さんだよね? シャッターを壊すことができるのは」

    大神「…チョロ松の言う通りだ。あのシャッターは我が破壊した」

    江ノ島「マジで!? じゃあ、何で今までやらなかったわけ?」

    一松「校則違反になるからじゃね?」

    霧切「いえ、少なくとも壊したときには追加されていなかったはずよ」

    桑田「そうじゃなきゃ大神が生きている説明がつかねーよな」

    霧切「それもあるけど、新しい校則をよく確認してみたら分かるわ」

    チョロ松「新しい校則って…」



    『12.鍵のかかったドア及び封鎖されているシャッターを壊すのは禁止とします。』



    舞園「あ、鍵のかかったドア…」

    チョロ松「つまり、大神さんはシャッターを壊した後…」


    ドアを壊した
    壁を壊した
    モノクマを壊した
  252. 252 : : 2016/05/15(日) 17:38:49

    →ドアを壊した

    チョロ松「これだ!!」




    チョロ松「大神さんは、ドアも壊したんだね」

    江ノ島「ちょっと、言ってることがおかしくない!?」

    江ノ島「だって4階は何があるのか誰も知らないし!? そんなの無理だって!!」



    十神「…いや、ある例外がいるだろう。あらかじめ4階の間取りを知ることが出来る者は」


    チョロ松(もしかして、大神さんは…)


    閃きアナグラム

    な○つう○ゃ
  253. 253 : : 2016/05/15(日) 17:39:45

    ないつうしゃ

    チョロ松「なるほど!! これだね!!」




    チョロ松「…大神さんは、内通者だったんじゃないかな?」

    不二咲「な、内通者!?」

    石丸「そんな馬鹿なことがあるわけない。そうだろう、大神君」



    大神「……」

    石丸「お、大神君?」



    大神「…皆の者、今まで黙っていてすまなかった」

    大神「我は道場の門下生を人質にとられ、内通者とならざるを得なかったのだ」

    大神「だが我は決めたのだ。もうモノクマに屈しないと」



    一松「…それがあのシャッターの破壊に繋がるのか」

    霧切「勿論モノクマも見過ごすわけにはいかなくなったから、実力行使に出たのでしょうね」

    大神「無論我も死ぬ気はない。モノクマに対抗したのだ。だが、…」

    石丸「まさか…」



    大神「大和田が騒ぎを聞きつけて駆け付けたのだ。そして我をかばって…」

    不二咲「大和田君…」

    石丸「兄弟、君というやつは…!!」

    霧切「つまり、大和田君を殺したクロはモノクマなのよ!!」

    チョロ松「どうなんだよモノクマ!!」

  254. 254 : : 2016/05/15(日) 17:41:16

    モノクマ「…あーあ、バレちゃった。ま、しょうがないよね」

    モノクマ「その通り!! ボクが大和田クンを殺したのです!! …言っておくけどボクは校則違反してないからね」

    モノクマ「大神さんが校則違反した件は大和田クンを殺してしまったことでチャラにしているからね」

    モノクマ「つまり今回の裁判は山田クンを殺したクロを指摘するの!!」



    桑田「都合のいいことばっかりだな。最初から言えば済むだろーが!!」

    舞園「そうですよ。校則違反が起きたことを隠して裁判を行うなんて、フェアじゃないですよ!!」

    一松「どういう落とし前つける気だこのクマ野郎…」

    モノクマ「あーもー分かったよ!! コロシアイ学園生活に影響しないレベルで1つだけ言うこと聞くからさぁ」

    モノクマ「だからさっさと議論を進めてよ!!」



    チョロ松「…分かった。その代わり、その約束はちゃんと守れよな!!」

    江ノ島「そんじゃ、議論を再開するよ」

    霧切「それなら大神さん、あなたがあの事件の日の行動を教えてもらえるかしら?」

    大神「分かった。犯人に繋がる手がかりがあるやも知れぬからな」
  255. 255 : : 2016/05/15(日) 17:41:55

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    山田の死体の状況
    大和田の死体の状況
    不二咲の証言


    大神「我は美術室の前で【モノクマと闘っていた】のだ」

    大神「そのときに【大和田が現れて】、我をかばい、命を落としたのだ」

    石丸「兄弟…」

    大神「モノクマに対する暴力行為は御咎めなしとなり、我が罰せられることはなかった」

    大神「大和田の遺体はそのままにしておくのも忍びないので【美術室倉庫に寝かせ】、弔ったのだ」

    大神「その後は何もなく【我の個室に戻った】」

    不二咲「…弔ってありがとう、大神さん。大和田君も嬉しいと思うよぉ」


    チョロ松(今の状況と比べると何か引っかかるな…)
  256. 256 : : 2016/05/15(日) 17:42:26

    【美術室倉庫に寝かせ】←大和田の死体の状況

    チョロ松「それは違うね!!」




    チョロ松「…大神さん、大和田くんを美術室倉庫に寝かせたとき、うつ伏せだった?」

    大神「いや、仰向けだが…」

    チョロ松「だけど、石丸くんたちが発見したときはうつ伏せだったんだ」

    江ノ島「それじゃ大神が嘘ついてたってこと!?」

    霧切「それは違うわ。あれは犯人がやったのよ」

    十神「…何故そう言い切れる?」

    霧切「大和田君の死体をよく見て。今までの話の流れであり得ないものがあるわ」

    チョロ松(あり得ないもの…、それは)


    頭の傷
    腹の傷
    手の傷
  257. 257 : : 2016/05/15(日) 17:44:15

    →頭の傷

    チョロ松「これだ!!」




    チョロ松「頭部にある殴られた跡だね」

    大神「確かに妙だ。我をかばったときに大和田が負傷したのは腹部だったぞ」

    桑田「…つまり真犯人が大和田も誰かに殺されたかのように見せかけるためにやったのかよ」

    不二咲「…なんで死体を発見したときに、大和田君はモノクマに殺されたと思わなかったんだろう?」

    霧切「犯人がうつ伏せにして腹部の傷を隠したから、致命傷が頭部の傷と誤認したのよ」

    霧切「もう1つ挙げるとするなら、アレをモノクマが意図的に隠したからね」

    チョロ松(モノクマが意図的に隠したもの…、それは)


    大和田の死亡推定時刻
    大和田の致命傷
    大和田の死因
  258. 258 : : 2016/05/15(日) 17:44:47

    →大和田の致命傷

    チョロ松「これだ!!」




    チョロ松「大和田くんの致命傷だね」

    霧切「そうよ。2つのモノクマファイルを見れば分かるわ」




    【モノクマファイル3-1】

    被害者は山田一二三。
    死体発見現場は3階の物理準備室。
    致命傷は頭部の傷。他に傷跡は見られない。

    【モノクマファイル3-2】

    被害者は大和田紋土。
    死体発見現場は3階の美術室倉庫。
    死因は失血死。頭部と腹部及び右手の甲に傷がある。




    霧切「山田君の場合、“致命傷は頭部の傷”とはっきり書かれているわね」

    霧切「だけど大和田君の場合は“死因は失血死”と書かれているだけで致命傷については書かれていないの」

    チョロ松「モノクマファイルを見たときに感じた違和感はそれだったんだ…」

    舞園「大和田君の死体を見つけたとき、私もハンマーで殴られて殺されたと思い込みましたからね」

    一松「それじゃ、これまでの事件の流れをまとめるぞ」
  259. 259 : : 2016/05/15(日) 17:45:17

    セレスと山田、一松と石丸に呼び出しの手紙を送る。

    一松、大和田に相談する。

    大和田、不二咲と石丸に呼び出しの手紙を送る。

    不二咲と石丸、大和田の手紙に応じる。

    大和田、不二咲と石丸を眠らせて隠す。同時刻にて大神、シャッターを破壊する。

    大神、モノクマと戦闘。

    大和田、戦闘に乱入。大神をかばい、死ぬ。

    大神、大和田の遺体を美術室倉庫に置く。

    一松、山田と一緒に待ち合わせ場所に行く。

    一松、山田に眠らされ、ハリボテに入れられる。

    セレス、襲われる風の写真を撮る。

    山田、犯人に殺される。

    犯人、大和田をうつ伏せにして頭を殴る。
  260. 260 : : 2016/05/15(日) 17:45:49


    一松「こんなのでどうっすか?」

    桑田「随分あっさりまとめたな」

    江ノ島「何で石丸のもう1つの手紙をセレスたちが出したと決めてるわけ?」

    霧切「待ち合わせ場所である物理準備室は山田君の死体発見現場よ」

    舞園「関係ないとは思えませんね…」

    十神「…議論がかなり長引いたが、犯人はセレスで決まりだ。間違いない」

    桑田「…で、セレス。オメーはいつまで黙ってるんだ。何か言えよ」



    セレス「…そうですわね。最早これまでですわ」

    十神「くくっ、ついに認めたか。お前が山田を殺した犯人だと…」




    セレス「何を勘違いなさっているのですか? 確かに山田君を騙して殺そうとしたのは認めます」


    セレス「一松君を呼び出して眠らせ、ハリボテに入れてあの写真を撮ったのもわたくしです」


    セレス「ついでに、石丸君を物理準備室に呼び出して山田君に殺させようとしたのもわたくしです」




    セレス「…だけどなぁ、私は犯人じゃねぇえええんだよおおぉおおおお!!」
  261. 261 : : 2016/05/15(日) 17:46:38

    ノンストップ議論開始

    コトダマ

    ジャスティスハンマー1号
    美術室倉庫のハンマー
    保健室の睡眠薬


    セレス「わたくしの計画は、一松君に罪をかぶせて、【山田君を裏切って殺す】予定でした」

    一松「俺が言うのもなんだけど相当ゲスいな」

    セレス「ですがわたくしは【何者かに眠らされた】のです」

    江ノ島「それ嘘とかじゃね? 【ルール】の裏をかくギャンブラーだから嘘とか得意でしょ」

    チョロ松「だけどセレスさんを見つけたときは【本当に眠っていた】よ」

    セレス「お分かりですか? チョロ松君の言う通り、わたくしも【真犯人に嵌められた】のですわ」

    十神「そんなの簡単なことだ。【自分で睡眠薬を飲めばいい】」


    チョロ松(その行為は禁止されているはず…)
  262. 262 : : 2016/05/15(日) 17:47:22

    【自分で睡眠薬を飲めばいい】←【ルール】

    チョロ松「それは違うね!!」




    チョロ松「自分で睡眠薬を飲むのは無理だよ。それは校則違反になる」

    不二咲「そういえば、個室以外で寝ることは校則で禁止されていたよねぇ」

    石丸「その通りだ!! もし自分で睡眠薬を飲んで眠った場合、故意の就寝と見なされて…」

    舞園「モノクマにオシオキされます。ですから、セレスさんが犯人なのもあり得ない」

    桑田「マジかよ。オレ、セレスが犯人だと思ったんだけどな…」

    セレス「ようやくわたくしの疑いが晴れたようで何よりですわ」

    大神「だが疑われても仕方のないことだ。殺人を図ろうとしていたのは事実だからな」



    江ノ島「それじゃ、犯人は誰なのよ!?」

    霧切「まず眠らされた一松君、不二咲君、石丸君、そしてセレスさん。この4人は犯人じゃないわ」

    桑田「あと舞園ちゃんも犯人じゃないだろ。あんな重いハンマーを片手で持てるわけないよな」

    石丸「大神君も犯人ではないだろう。犯人なら美術室倉庫に置くとき兄弟を仰向けにしたとは言わないからな!!」

    舞園「確かに犯人なら失言はしませんよね…」

    大神「ならば犯人はチョロ松、十神、桑田、霧切、江ノ島の5人の中にいるのだな」

    江ノ島「ここからどう絞り込むのよ?」

    霧切「…そうね。犯行の手口を洗い出したら、おのずと分かるかも知れないわ」
  263. 263 : : 2016/05/15(日) 17:47:54

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    山田の死体の状況
    ジャスティスハンマー4号
    石丸の証言


    石丸「断言しよう!! 【山田君はハンマーで殴り殺されていた】!!」

    桑田「それぐらい分かってんだよ」

    舞園「問題は【どのハンマーで殴られたか】ですよね」

    不二咲「【血が付いていたハンマーは1つだけ】だったよねぇ」

    江ノ島「決まりでしょ。【そのハンマーで山田を殺した】んじゃない?」

    一松「【大和田を殴ったのもそのハンマー】か」


    チョロ松(ハンマーがゲシュタルト崩壊する…)
  264. 264 : : 2016/05/15(日) 17:48:43

    【そのハンマーで山田を殺した】←山田の死体の状況

    チョロ松「それは違うね!!」




    チョロ松「血が付いていたハンマーってジャスティスハンマー4号の事だよね?」

    チョロ松「山田くんはそのハンマーで殺されていないよ」

    江ノ島「何で断言できるわけ?」

    チョロ松「山田くんの頭部には血以外には何も付いていなかったんだよ」

    江ノ島「そんなの当たり前じゃない?」

    霧切「大和田君の頭部には塗料がついていたのに?」

    舞園「つまり、あのハンマーは大和田君を殴るためだけに使用されたのですね」

    石丸「それでは、どうやって山田君を殴り殺したのだね!?」

    セレス「恐らく美術室倉庫にあるハンマーでしょうね。1つだけ洗われたハンマーがあるはずですわ」

    不二咲「確かに一番大きいハンマーが洗われてたけど、どうして分かったのぉ?」

    セレス「…本来の計画ではわたくしもそのハンマーで山田君を殺すつもりでしたので」

    桑田「だから分かったのかよ。おっかねーな…」


    十神「…オイ霧切。犯行の手口はあらかた分かったが、犯人は判明したのか?」

    霧切「残念ながら無理だったわね。…だけど手がかりはまだあるわ。山田君の傍に落ちていたアレが」

    チョロ松(山田くんの傍にあったのって…)


    コトダマ
    血の付いた電卓
    ジャスティスハンマー4号
    ジャスティスハンマー1号
  265. 265 : : 2016/05/15(日) 17:49:14

    →血の付いた電卓

    チョロ松「これだ!!」




    チョロ松「血の付いた電卓だよね?」

    大神「確か1と4と8のボタンに血が付いていたな」

    石丸「だがそれで山田君は何を伝えたかったのだね?」

    霧切「分からないかしら? 数字を押すことで言葉が浮かび上がるものがあるはずよ」


    チョロ松(もしかして…)


    閃きアナグラム 開始

    ○いたいの○ール
  266. 266 : : 2016/05/15(日) 17:50:03

    けいたいのメール

    チョロ松「なるほど!! これだね!!」




    チョロ松「携帯電話のメール送信?」

    舞園「それですよ!! 携帯電話でメールを作成するときに番号をおして作りますよね?」

    大神「そうか。1はア行、2はカ行というように、言葉が浮かび上がる!!」

    桑田「その場合、山田が伝えたかったのって、名前だよな? けど、押されたボタンを見たら…」



    桑田「ア行とタ行とヤ行だけの名前の人物を示しているよな?」



    石丸「だが、苗字でも名前でも誰も該当しないぞ!!」

    一松「ここで行き詰ったのかよ…」

    チョロ松「そんな…」

    霧切「まだ諦めるのは早いわ。山田君が押したのは電卓よ。携帯電話じゃない」

    舞園「つまり、電卓と電話の違いが分かれば、謎が解けるんですね」


    チョロ松(電卓と電話の違い。それは…)


    ボタンの色
    ボタンの形
    ボタンの順序
  267. 267 : : 2016/05/15(日) 17:50:44

    →ボタンの順序

    チョロ松「これだ!!」




    チョロ松「もしかして、ボタンの順序が違っているんじゃ…」

    不二咲「そういえば、携帯電話の場合、上の方が1、2、3だったよねぇ?」

    桑田「そうか!! 上の段と下の段の番号が逆なんだ!!」

    霧切「山田君が死の間際に遺したときは番号が見えなかったんでしょうね」

    大神「その場合、山田が遺したかった番号は2、4、7…」

    セレス「カ行とタ行とマ行ですわね」

    十神「…まだそんなものに踊らされているのか? 葉隠のときと同様、捏造に決まっている」



    セレス「あら、随分焦りが見えていますわよ、御曹司さん?」



    十神「…俺が焦っているだと?」



    チョロ松(そうか、山田君を殺した犯人は…)


    怪しい人物を指名しろ
  268. 268 : : 2016/05/15(日) 17:53:16

    →十神

    チョロ松「お前しか、いない!!」




    チョロ松「十神くんだよね? 山田くんを殺した犯人は…」

    石丸「十神君だと!?」

    十神「…そんな下らん言葉遊びなんぞで俺を犯人と決めつけるとはな」

    霧切「そうでもないわよ? 電卓を見れば分かることよ」

    一松「…よく見たらボタンによって付いてる血の量が違うな」

    舞園「タ行にあたる部分が多く、カ行にあたる部分が少ないですね」

    大神「メールを打つとき、オ段は同じ番号を5回打たねばならん。山田は4を5回打ったのだな」

    桑田「それで血の付いてる量が多いわけだな。だったら4は“と”で、2は1度だけで“か”。これって…」

    舞園「そうですね。十神君の苗字が浮かび上がりますね。そして7は4と2の間くらいの血の量です」

    不二咲「それなら、十神君の苗字を示す最後の“み”も2回押されたから、それくらいの血の量なんだねぇ」



    チョロ松「もう、言い逃れはできない。ここまで凝っているからこそ山田くんが遺したという信憑性がある」

    江ノ島「偽装するんだったら素直に血文字で書くだろうし」

    十神「…だが、山田の見間違いということもあるだろう。それに、俺には動機がない」

    一松「確かに金で動きそうにないけどな」

    十神「だったら犯人は俺ではありえないな。チョロ松が俺に変装でもしたのだろう」

    チョロ松「何で僕が犯人!?」

    十神「お前は無職で金欠のはずだ。100億に目が眩むのも当然だ」

    チョロ松「違う、僕は犯人じゃない!!」

    一松「…ホントに?」

    チョロ松「何疑ってんだよ!?」
  269. 269 : : 2016/05/15(日) 17:53:47

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    桑田の証言
    舞園の証言
    セレスの証言


    江ノ島「最初の事件は【外の世界のDVD】が原因で発生して」

    江ノ島「次の事件は【知られたくない秘密】が原因で発生したんでしょ?」

    石丸「その場合、今回の事件は【100億の大金】が原因のはず…」

    不二咲「御曹司の十神君が今更そんなお金を欲しがることはないし…」

    十神「当然だ。あんなもの、はした金に過ぎない。よって、【動機はない】ということだ」

    大神「その場合、【金に困っている人間】が起こすはずということだな?」

    一松「その場合、チョロ松か江ノ島だよな?」

    江ノ島「何でアタシも入ってるの!?」

    一松「お前言ってただろ。【ホームレスの経験がある】って…」

    江ノ島「あ…、そう!! そうだった!! って、【アタシは違う】からね!!」


    チョロ松(そもそも今回の事件、動機がお金とは決まっていないはず…)
  270. 270 : : 2016/05/15(日) 17:54:21

    【動機はない】←【外の世界のDVD】

    チョロ松「それは違うね!!」




    チョロ松「確かに十神くんは御曹司だからお金で人を殺すことはないだろうね」

    十神「分かったか。これで俺が犯人でないと…」

    チョロ松「だけど、それ以外が動機だとしたら? 例えば、外の世界のDVDとか…」

    一松「俺たちのDVDは実家がメチャクチャにされた奴だった」

    桑田「オレは元いた高校の野球部のグラウンドだったぜ」

    大神「我は道場の門下生たちだった」

    舞園「…私は、同じアイドルのメンバーのことでした」


    チョロ松「だったら、十神くんのDVDの内容は…」


    十神の家族
    十神の財閥
    十神の友達
  271. 271 : : 2016/05/15(日) 17:55:16

    →十神の財閥

    チョロ松「これだ!!」




    チョロ松「十神財閥だろうね」

    十神「…っ!!?」

    桑田「十神は超高校級の御曹司だからな。やたらと十神の名を強調していたし」

    十神「………」

    セレス「モノクマのことですから、十神君に対してはその家が滅んだという映像なのでしょうね」



    十神「……黙れ!!」

    不二咲「十神君…?」



    十神「十神家が滅ぶはずがない!! 頂点に立つ、十神財閥が滅ぶわけがない!!」

    十神「あんな馬鹿げた映像、捏造に決まっている!!」

    霧切「…だからこそ、誰よりも外に出たかったのね。それが真実なのかどうかを知るために…」

    一松「で、それは本当なのかよ?」



    十神「…っ、ああそうだとも認めてやる!! 俺は誰よりも外に出たかったんだ!!」

    十神「だが犯人は俺ではない!! そこまで言うなら証拠を出してみろ!!」

    十神「どれだけ俺を犯人に仕立て上げようが、証拠がないのならそれは推論でしかない!!」
  272. 272 : : 2016/05/15(日) 17:56:03

    石丸「だが、山田君の遺したダイイングメッセージからも、十神君が一番怪しいぞ!!」

    不二咲「でも、犯人と決まったというのは、まだ弱いような…」

    霧切「…それなら、新しい手がかりを出すわ」

    そう言って霧切さんが出したのは、1つのメモだった。



    『脱出の糸口を見つけた。11時にプール前に来てほしい。』



    一松「…これ、俺のところに届いたメモだ」

    霧切「山田君のパンツの中に入っていたわ」

    江ノ島「パンツ!? あんたパンツの中まで調べたの!?」

    霧切「パンツくらい靴下の中を調べることと比べたら大したことないわ。ここまで言っても分からない?」

    チョロ松「うん、分からん」

    桑田「むしろ逆だろ」

    十神「それがどうした? 俺が犯人だと決めつける証拠になるわけがない!!」

    霧切「せっかちね。次はこれよ」


    次に取り出したのは、血が付いているメモの切れ端だった。


    舞園「この切れ端って、どこにあったんですか?」

    霧切「大和田君のポケットの中よ」

    大神「おそらく、石丸か不二咲に宛てた手紙の一部だろうな」

    霧切「そうよ。大和田君は石丸君と不二咲君から手紙を回収していた。山田君と同様に持っていたはずよ」

    桑田「なのに持ってねーってことは、犯人が持ってるってことか?」

    一松「何で犯人がそんなもの盗る必要があるんだよ?」

    霧切「おかしいと思わなかったかしら? これまでの議論で不自然な点があったはずよ」


    チョロ松(不自然な点って…)


    一松の場所を知っている
    セレスの場所を知っている
    山田の場所を知っている
  273. 273 : : 2016/05/15(日) 17:56:24

    →山田の場所を知っている

    チョロ松「これだ!!」




    チョロ松「どうして山田くんがいるところを知っていたかってこと?」

    舞園「そういえば、犯人は山田君がどこにいるのか分かりませんよね。…もしかして、メモが無い理由って」

    不二咲「犯人が山田君の場所を知るために盗っていったんだよねぇ」

    霧切「その点について議論していきましょう。証拠も出てくるかも知れないわ」

    十神「好きにしろ。どうせ出るわけがないがな」
  274. 274 : : 2016/05/15(日) 17:56:57

    ノンストップ議論開始

    モノクマファイル3-1
    大和田の死体の状況
    保健室の睡眠薬


    霧切「犯人は山田君の居場所を割り出すために【大和田君の持っていたメモを盗った】のよ」

    桑田「それなら【メモを持っている奴が犯人】ってことだな」

    セレス「ですが、すでに【犯人によって処分されている】のではありませんか?」

    舞園「【メモの切れ端から犯人を辿る】ことは無理ですよね」

    十神「当然だ。【内ポケットに入れていた】切れ端だけで誰の手紙なのか特定できん」

    不二咲「誰の手紙か分かっても、【誰が盗んだかが重要】だから意味ないよねぇ」

    一松「盗んだのも【犯人しか知らねぇ】し…」

    石丸「…ここまで来ても分からないのかね!? どうすれば、どうすればいいのだ!?」


    チョロ松(あれ、何かおかしいぞ、あの発言…。まるで…)
  275. 275 : : 2016/05/15(日) 17:57:44

    【内ポケットに入れていた】←【犯人しか知らねぇ】

    チョロ松「それは違うね!!」




    チョロ松「…十神くん。今、内ポケットに入れていた切れ端と言ったよね?」

    十神「……!?」

    チョロ松「霧切さんが言ったのは大和田くんのポケットの中にあったと言っただけだよ?」



    チョロ松「…何で内ポケットにあると分かったんだ?」

    十神「それは…、勘だ」

    霧切「あら不思議ね。この切れ端も大和田君の内ポケットに入っていたのよ」

    霧切「…本当に勘なのかしらね?」

    十神「………」

    セレス「随分と弱弱しいですわね」

    霧切「十神君、ついにボロが出たわね。ずっと待っていたのよ」

    大神「…霧切よ、最初からそれが狙いだったのか」

    セレス「十神君に失言させるのが目的だったのですね」



    十神「……」



    桑田「何も言えねーか。そりゃ墓穴掘ったからな」

    チョロ松「それじゃ、事件の内容をまとめて…」



    十神「…いや、まだだ!!」



    桑田「は? 何つった?」

    十神「まだ俺が犯人と確定していないだろう」

    一松「見苦しいな。お前本当に御曹司か?」

    十神「まだ他のヤツが犯人の可能性はある。先ほども言ったが、俺に変装して殺したという手もある…!!」

    セレス「…そうですか。あなたはまだ悪あがきをするのですね」

    霧切「つまり、その手段がなければあなたが犯人ということね」
  276. 276 : : 2016/05/15(日) 17:58:49

    ノンストップ議論開始

    コトダマ
    血の付いた電卓
    ジャスティスハンマー4号
    舞園の証言


    舞園「十神君の主張は【真犯人が変装して】、山田君が誤解してダイイングメッセージを遺したんですよね?」

    桑田「変装って言ったら【カツラ】とかか?」

    石丸「なら桑田君はあり得ないな!! 彼の髭が目立つからな!!」

    セレス「霧切さんや江ノ島さんは髪が長いですから隠せないですし、【チョロ松君ぐらい】ですわね」

    一松「いや髪型だけじゃなくて服装でも判断するんじゃね?」

    大神「服装と言えば十神は【スーツ】を着用していたな」

    不二咲「あとは眼鏡くらいかなぁ?」

    江ノ島「用意するなら【伊達眼鏡】だろうけどね」

    霧切「後は【靴】と【靴下】が変装に必要ね」


    チョロ松(いや、あれを用意するのは不可能だ…)
  277. 277 : : 2016/05/15(日) 17:59:32

    【真犯人が変装して】←【スーツ】

    チョロ松「それは違うね!!」




    チョロ松「…十神くん、少し聞きたいことがあるんだけど」

    十神「何だ?」

    チョロ松「そのスーツって、どこにあるの?」

    十神「…俺の個室のクローゼットにある。何着も入っているがな」

    一松「俺も同じ制服が入っていたんだよな。F6用のが」

    江ノ島「F6って何!?」

    桑田「気持ち悪いくらいあるよな。それがどうしたんだよ?」

    チョロ松「十神くんのスーツってさ、絶対特注品だよね? 御曹司だから」



    チョロ松「だったら十神くんの体型に合わせて作られているよね?」

    石丸「そうか!! だから仮に手に入れたとしてもスーツを違和感なく着ることはできないのか!!」

    セレス「そもそも彼が自分の服を他人に盗まれるような愚かなことはしないでしょうね」

    霧切「さて、変装できないと知った今、あなたに反論は残されているのかしら?」




    十神「……そんな、俺は…、負けたのか?」




    セレス「…そうですわ。あなたは、負けたのですよ」


    チョロ松「…それじゃ、今度こそ事件の内容をまとめるよ」
  278. 278 : : 2016/05/15(日) 18:00:47

    クライマックス推理 開始

    チョロ松「これが事件の全貌だよ!!」




    Act 1
    チョロ松「今回の事件、一番最初に動いたのはセレスさんだ。セレスさんは山田くんと組んでいたんだ」

    チョロ松「その山田くんは一松と石丸くんにそれぞれ待ち合わせ場所に呼び出す手紙を出した」

    チョロ松「一松は午後11時にプール前に、石丸くんは午後11時半に物理準備室にね」

    チョロ松「その目的は石丸くんを殺して、一松に罪をなすりつけることだった」



    Act2
    チョロ松「だけど疑い深い一松は大和田くんに相談したんだ」

    チョロ松「そのときに大和田くんは石丸くんや不二咲くんも呼ばれたかもしれないと思ったんだ」

    チョロ松「だから2人の安全を確保するために一松には用事を済ませてから行くと言った」

    チョロ松「そして石丸くんと不二咲くんに呼び出しの手紙を出した」



    Act3
    チョロ松「そして午後10時半、大和田くんは保健室で石丸くんを、図書室で不二咲くんを眠らせた」

    チョロ松「そのあと、他の人に見つからないように隠して、動けないように手足をロープで縛った」

    チョロ松「その結果、2人は犯人でないことが証明されたんだ」

    チョロ松「大和田くんはその後一松と合流するはずだったけど、あるアクシデントが起きた」

  279. 279 : : 2016/05/15(日) 18:01:12

    Act4
    チョロ松「その頃、大神さんは4階に続くシャッターを壊して侵入し、ドアの鍵を壊した」

    チョロ松「どこにあるか分からないドアの鍵を壊せたのは彼女が内通者だからだ」

    チョロ松「内通者にも関わらずそんな行動に出たのはモノクマと決別するためだったんだろうね」

    チョロ松「勿論モノクマも黙って見過ごすわけにはいかないから、戦闘になったんだ」

    チョロ松「そのときに大和田くんが異変を感じて駆け付けた」

    チョロ松「そしてモノクマの攻撃から大神さんをかばって命を落としたんだ」

    チョロ松「大神さんは大和田くんを美術室倉庫に置いた後、部屋に戻ったんだ」

    チョロ松「だけど、事件はそれで終わらなかった。犯人がその場面を目撃したんだ」

    チョロ松「大和田くんが持っていた手紙を内ポケットから抜き取り、その内容を確認したんだろうね」

    チョロ松「そして犯人はセレスさんの計画を乗っ取って殺人を行うことを思いついたんだ」



    Act5
    チョロ松「一方で大和田くんが来ないので山田くんを連れてきた一松がプール前に来た」

    チョロ松「だけど山田くんは手紙を出した本人だから一松を睡眠薬で眠らせてハリボテに入れた」

    チョロ松「そしてセレスさんと協力してあの写真を撮影し、山田くんは一松をハリボテごとプールに置いた」

    チョロ松「その後山田くんは一松の個室に設計図を持ち込み、犯人に見せかけるようにした」

    チョロ松「セレスさんはそのまま娯楽室に向かったんだろうね」

    チョロ松「ここまではセレスさんの思い通りだったんだ」

  280. 280 : : 2016/05/15(日) 18:01:43


    Act6
    チョロ松「だけど、セレスさんは犯人に睡眠薬を嗅がされて眠らされた」

    チョロ松「その後はセレスさんをそのまま放置して美術室倉庫へハンマーを調達しに向かったんだ」

    チョロ松「そして物理準備室で待機している山田くんを調達したハンマーで殴り殺した」

    チョロ松「犯人は山田くんが持っていたジャスティスハンマー4号を持って物理準備室を後にした」

    チョロ松「だけど山田くんにはまだ息があった。彼は最後の力を振り絞って、ダイイングメッセージを遺した」

    チョロ松「それは電卓に携帯のメールを作成するときのようにボタンを押すことだった」

    チョロ松「ただ血を流しすぎたせいでボタンの配置を携帯と混同したんだろうね」

    チョロ松「そして山田くんはダイイングメッセージを遺した後、息を引き取った」



    Act7
    チョロ松「その頃犯人は大和田くんをうつ伏せにし、ジャスティスハンマー4号で大和田くんの頭を殴った」

    チョロ松「こうすることで大和田くんも誰かに殺されたかのように見せかけることができた」

    チョロ松「その後美術室倉庫から調達したハンマーを洗い流して戻した後、物理準備室に戻った」

    チョロ松「それは当然ハンマーを物理準備室に置くためだ。これで犯人の計画は終わった」

    チョロ松「だけど犯人は気づかなかった。山田くんが遺したダイイングメッセージに…」




    チョロ松「そしてそのダイイングメッセージの人物は、十神白夜くん!! お前が犯人なんだ!!」


  281. 281 : : 2016/05/15(日) 18:03:05


    チョロ松「…もう、これ以上は覆らないよ」

    江ノ島「何とか言ったら、十神?」



    十神「…何故だ? 何故社会の底辺であるお前がここまで突き止められた?」

    一松「動揺してんの? 頂点に立つお前がその社会の底辺の人間に負けたことがショックとか?」


    霧切「…何もチョロ松君の力だけではないわ」


    霧切「最期に手がかりを遺してくれた山田君がいなかったら解けなかったでしょうね」


    チョロ松「勿論それだけじゃない。十神くんが失言をしたのは動揺したからだ」



    チョロ松「動揺したのは動機を当てられただけじゃなくて、

    大和田くんや大神さんの行動が信じられなかったんだよ」



    チョロ松「…他人のために動く人間などいないと思い込んでいる十神くんにはね」




    霧切「言ったはずよ。人の感情を軽んじているとそのうち足元を掬われるって」



    セレス「…どうやら、そのようですわね」






         VOTE

    十神   十神   十神


    学級裁判 閉廷
  282. 282 : : 2016/05/15(日) 18:03:52
    以上で3章の学級裁判は終わりです。

    夜に残りの3章を投下します。
  283. 283 : : 2016/05/15(日) 20:28:38
    これから3章の残りを投下します。
  284. 284 : : 2016/05/15(日) 20:30:16


    モノクマ「またまた大正解!! これで3度目だよ!!」


    モノクマ「そう!! 山田一二三クンを殺したクロは、十神白夜クンでした!!」



    十神「…さっさとオシオキをやれ。1秒たりとも惨めな姿を晒したくない」



    舞園「1つだけ教えてください。十神君が山田君を殺した動機って、本当にあのDVDなんですか?」


    十神「そうだ。十神家は俺にとってなくてはならない存在だった。それがなければ、俺は…」


    チョロ松「そこまで十神家にこだわるわけ? そんなものなくても十神くんだったらなんでもできそうなのに」




    十神「…お前には分からないだろうな。俺が今の地位を得るのにどれだけの苦労を重ねたのか」




    石丸「苦労だと? 御曹司の十神君なら丁重に育てられたのではないのかね?」


    十神「そんなことはあり得ん。十神家は当主が多くの子供を作り、兄弟同士で次期当主の座を争わせたのだ」


    十神「俺はその闘いを勝ち抜き、次期当主としての座を得ることが出来たのだ」


    不二咲「それじゃあ、負けた人たちはどうなったのぉ?」


    十神「負けたものは十神家を追放されてお前たちと同じ落ちこぼれになる。これほど屈辱的なことはない」


    十神「負けたものの思いと当主の座を得るための闘い、そのうえで俺は御曹司としてここにいる」
  285. 285 : : 2016/05/15(日) 20:30:38


    十神「だからこそ勝ち続ける必要がある。そこらの甘やかされた御曹司連中と一緒にするな」


    石丸「君は、僕と同じ努力でその座を勝ち取ったのだな…」




    十神「だが、俺はこうして負けた。これまでの闘いを無意味にしないために勝ち続けていたというのに」


    十神「…いや、ヤツの思惑に乗った時点で負けは必然だったのかもな」




    モノクマ「そろそろいいよね? こっちの準備もできたことだし」


    モノクマ「今回は超高校級の御曹司である十神白夜クンのために、スペシャルなオシオキを用意しました!!」


    モノクマ「それでは張り切っていきましょう、オシオキターーーーーイム!!」




    十神「お前たちがどこまで抗えるか、地獄で見届けるとしよう…」




    トガミくんがクロにきまりました
    オシオキをかいしします

  286. 286 : : 2016/05/15(日) 20:31:02

    超高校級の御曹司 十神白夜 人間★失格


    モニターに映し出されたのは、玉座に座っている十神くんだった。

    その下に穴が開き、玉座ごと落ちていく。落ちた先はゴミ箱だった。

    ゴミ箱から這い出た十神くんは御曹司には見えない。薄汚れた浮浪者のようだ。

    その十神くんに対して小学生に扮したモノクマが石などを投げつける。

    十神くんが必死に逃げると、突然舞台が雪景色一面に染まった。

    やがて十神くんの足が止まり、雪原に身を委ねる。

    その目は何も映さない空虚な目だった。

  287. 287 : : 2016/05/15(日) 20:35:37
    大和田モノクマに殺されたのか!?意外すぎる!?
  288. 288 : : 2016/05/15(日) 20:36:36

    モノクマ「えくすとりぃいいいいいいいむ!! 今回もステキなオシオキでしたね!!」


    石丸「十神君…、君も苦しんでいたのだな」


    不二咲「せめてあの世だけでも気楽に過ごしてほしいねぇ」


    桑田「…どうだろうな? 地獄で腐川に追いかけられる想像しかできねーよ」




    セレス「……」


    大神「どうしたのだセレス?」


    セレス「いえ、まだこの学園に居続けるとは思いませんでしたから…」


    江ノ島「そういやアンタも殺そうとしたんだよね? やっぱ金?」


    セレス「ええ。あの100億があればわたくしの夢に近づけますもの」


    舞園「どんな夢なんですか? 人を殺してでも叶えたい夢って…」


    セレス「西洋のお城に住み、イケメンにヴァンパイアの扮装をさせて身の回りを侍らす」


    セレス「その世界に一生過ごすことこそがわたくしの夢なのです」


    チョロ松「そのために、石丸くんや山田くんを殺そうと…」


    セレス「軽蔑しましたか? ですがわたくしはそういう人間なのです。したいならしても構いませんわよ」




    チョロ松「いや別に。人を殺すのはどうかと思うけど…」
  289. 289 : : 2016/05/15(日) 20:40:48

    チョロ松「夢なんてのは人それぞれだよ。おそ松兄さんなんか一生遊んで暮らしたいっていつも言ってるし」


    チョロ松「しかも夢はビッグなカリスマレジェンドって、小学生みたいだろ?」


    霧切「本当に成人男性なのかしら? あなたのお兄さん…」


    チョロ松「別にどう思おうが個人の勝手でしょ?」


    一松「チョロ松は可愛いアイドルを追いかけて一生を終えたいんだよな?」


    チョロ松「何でばらした!?」


    一松「だいたい100億とれる方法って1つじゃないでしょ? 今はモノクマが持ってるよな?」




    一松「モノクマをぶっ潰して100億とればいいじゃん」


    モノクマ「うぷぷ、大きく出たねぇ~。やれるならやってみなよ」


    霧切「私たちは元からそのつもりよ」


    モノクマ「ホントかな~? だって、もう3回もコロシアイが起きたんだよ?」


    石丸「これ以上はコロシアイなど起きない!! 僕たちは団結してお前に立ち向かうぞ!!」
  290. 290 : : 2016/05/15(日) 20:42:12

    モノクマ「言うだけならたやすいよね。それじゃボクはこれで」


    モノクマが立ち去ろうとしたとき…



    霧切「モノクマ。あなた裁判中に言ったわよね? 1つだけ言うこと聞くって」


    モノクマ「コロシアイ学園生活に影響しないレベルでね。何が望みなのさ?」


    モノクマ「言っておくけど、ここから出せとか、動機を出すなとかは無理だからね」


    モノクマ「校則も捻じ曲げるつもりもないよ? それを考えたうえで言ってよね」


    霧切「裁判が終わるたびに新しく開放されるわよね? 全部開放したりは出来ないかしら?」


    モノクマ「うーん、全部は出来ないかな」


    桑田「なんでだよ?」


    モノクマ「だってコロシアイ学園生活に影響するからね!! できるのはこれくらいかな」


    そう言ってモノクマが渡してきたのは学園の見取り図だった。


    霧切「…この見取り図に間違いはないのね?」


    モノクマ「はい、間違いはありません!! あと、今回開放するのは4階だけど…」


    モノクマ「それに加えて死んだみんなの個室も開放しちゃいまーす!!」


    モノクマ「個室の鍵を玄関ホールに置きますので、自由に入ってください!! それじゃボクはこれで…」


    今度こそモノクマは立ち去って行った。

  291. 291 : : 2016/05/15(日) 20:46:14


    舞園「この見取り図から、希望ヶ峰学園は5階までのようですね」


    大神「寄宿舎は2階までか…。一体何が隠されているのだろうか」


    セレス「大神さんは内通者でしたわよね? 4階について怪しい所とかはありませんでしたか?」


    大神「我の見立てでは学園長室だな。鍵を壊したのもその部屋だ」


    不二咲「この情報処理室は壊さなかったの?」


    大神「そこには我が入ったことがある。一面のモニターに学園内の様子が映し出されていた」


    石丸「僕たちを常に監視しているということか…」


    霧切「…大神さん、詳しい話は明日にしてもらえるかしら?」


    江ノ島「そうだね。今はゆっくり休みたいし」


    僕たちは、裁判場を後にすることにした。

  292. 292 : : 2016/05/15(日) 20:47:42

    <脱衣所>



    脱衣所には僕と霧切さん、不二咲くんとセレスさんがいる。


    アルターエゴを盗んだのはセレスさんだった。それを使って山田くんと協力を呼び掛けたらしい。


    チョロ松「まさか別のロッカーに隠すとはね」


    不二咲「でも無事で良かったよぉ」


    セレス「わたくしを恨まないのですね」


    霧切「アルターエゴが無事ならいいわ。あのパソコンの中には黒幕を知る手がかりがあるもの」


    チョロ松「そうだね。ようやく脱出への希望が見えてきたよ」




    セレス「…果たして、それは希望なのでしょうかね?」


    チョロ松「どういう意味?」
  293. 293 : : 2016/05/15(日) 20:48:00

    セレス「よく考えてください。あのパソコンはモノクマが用意したものですわよ」


    セレス「普通に考えれば、わたくしたちを疑心暗鬼にさせる罠かもしれませんわ」


    霧切「確かにその可能性は否定できないわね。だけど、たとえ罠でも情報そのものは真実よ」


    不二咲「どうしてそう言い切れるの?」


    霧切「モノクマは本当の事ははぐらかすけど、嘘も言わないの。だったら、今回も真実のはず」


    セレス「まあ真実が毒になりえることもありますし、覚悟の上ならいいでしょう」


    アルターエゴ『僕も少しでも早くファイルを解析してみんなに届けるよ!!』


    セレス「それじゃあ、わたくしはこれで失礼いたしますわ」


    不二咲「僕も部屋に戻るねぇ」


    チョロ松「それじゃ僕も…」


    霧切「チョロ松君、少しいいかしら?」


    チョロ松「どうしたの?」




    霧切「あなたに調べて欲しいことがあるの」

  294. 294 : : 2016/05/15(日) 20:49:48


    <2階 男子トイレ>



    僕は霧切さんに言われるがままに、男子トイレの用具入れを調べてみた。すると…


    チョロ松「本当にあったんだ、隠し部屋」


    そこには本棚にしまわれている資料があった。僕はその1つを手に取ってみる。そこには…


    チョロ松「何だこれ? “ここから出てはいけない”って…」


    チョロ松「訳分からん。それよりも気になるのは…」


    ???「……」




    チョロ松「『超高校級の六つ子計画』?」


    ドカッ


    そのとき、僕は誰かに殴られて、気を失った…。




    <4階 情報処理室>



    モノクマ「…これ以上は動きそうにないかなぁ」


    モノクマ「舞園さんは立ち直ったし、セレスさんもやる気なくしているだろうし…」


    モノクマ「大神さんもボクを裏切ったし!!」


    モノクマ「こうなったら、アレを動かすしかないか…」




    モノクマ「それじゃ、お願いできるかな? ……さん」


    ???「……分かった」

  295. 295 : : 2016/05/15(日) 20:50:33

    CHAPTER3 新世紀赤塚伝説再び!! 無職童帝よ希望となれ!! END

    コロシアイ学園生活参加者

    松野チョロ松
    松野一松
    【 苗木誠 】 DEAD
    石丸清多夏
    【 十神白夜 】 DEAD
    【 大和田紋土 】 DEAD
    桑田怜恩
    【 山田一二三 】 DEAD
    【 葉隠康比呂 】 DEAD
    舞園さやか
    霧切響子
    【 朝日奈葵 】 DEAD
    【 腐川冬子 】 DEAD
    大神さくら
    セレス
    江ノ島盾子
    不二咲千尋

    残り10人
  296. 296 : : 2016/05/15(日) 20:54:12
    以上で3章は終了です。

    次の投下は早くて明日の夜です。
  297. 297 : : 2016/05/16(月) 22:09:16
    お待たせしました。

    それでは4章を投下します。

    この章は一松視点で進行していきます。
  298. 298 : : 2016/05/16(月) 22:10:48

    CHAPTER4 オール・オール・ハイド (非)日常編




    コロシアイ学園生活16日目




    <一松の個室>



    一松「……もう7人も死んだのか」


    苗木、葉隠、朝日奈、腐川、大和田、山田、十神。


    皆、このコロシアイ学園生活で命を落とした。


    残ったのは10人。ここから先さらに減るかと思うと気が滅入る。



    一松「…食堂に行くか」




    <食堂>



    俺たちは食堂で内通者だった大神が調べた情報を聞いていた。


    大神「…これが我の知る全てだ」


    大神から得られた情報は…




    ・大神に与えられた命令は、コロシアイが膠着状態になった場合、口火を切ること。

    ・4階の情報処理室にはモニターが一面にあり、自分たちを常に監視している。

    ・また、奥にモノクマの絵が描かれている扉があるが、詳細は不明。

    ・モノクマとのやり取りから18人目の高校生がいる。

    ・黒幕は自分たちの体に何か細工をした。




    だった。
  299. 299 : : 2016/05/16(月) 22:11:38

    桑田「18人目の高校生も気になるけどよ、モノクマのヤツ、オレたちの体に何しやがったんだ?」


    舞園「大神さん、どうして細工されたと思ったんですか?」


    大神「我が目を覚ましたとき、いつもより肉体が鍛えられたような感覚があったのだ」


    江ノ島「超高校級の格闘家が言うんだから、間違いないよね」


    石丸「モノクマめ、一体僕たちに何をした!?」


    不二咲「でも、これ以上は分かりそうにないよ」


    セレス「では、4階について調べてみては? 新しい発見があるかもしれませんわ」


    霧切「セレスさんの言う通りね。見取り図と比較する必要もあるし」



    チョロ松「…そうだね。本当かどうか分からないし」


    一松「どうしたのチョロ松? 何か変じゃない?」


    チョロ松「いや、別になんでもない」



    何でもないわけがないだろ。何年一緒に暮らしていたと思っているんだ?



    まあ、話す気もないだろうし、とりあえず探索するか。

  300. 300 : : 2016/05/16(月) 22:13:49


    <4階 職員室>



    俺たちは今回開放された4階を調べていた。


    その中で入れるのは音楽室、化学室、職員室だ。その中で俺は職員室を調べていた。


    一松「おかしいだろ。何で机の上にガーベラばっかあるわけ?」


    どう考えても作業しづらいだろ。ここの教員は何やってんだ?



    一松「ん? これって…、写真だよな?」



    その写真には…




    腐川と十神と山田の3人が教室でカラ松愛用のサングラスをお揃いでかけていた。


    しかもその教室は鉄板が打ち付けられていない。



    一松「は? ツッコミどころ多すぎだろ。シコ松かトッティ呼んで来い」


    モノクマ「呼んだ? その写真返してよ!!」


    一松「呼んでねぇし、これお前のかよ」
  301. 301 : : 2016/05/16(月) 22:14:13

    モノクマ「まったく、チョロ松クンといいキミといい、人の持ち物を勝手にみるなんて最低だよ」


    一松「最低なのはお前の方だし、そもそもお前人じゃなくてクマだろ」


    モノクマ「は!? そうだった」


    モノクマは写真をひったくると、慌ててその場を去ろうとした。


    一松「何だよあの写真。本物なのか?」



    モノクマ「うぷぷ、この写真は間違いなく本物だよ!! それじゃあね~」


    そう言ってモノクマが立ち去った後、俺はあることを思い出した。


    一松「そういえば、3階を捜索したときにチョロ松も言ってたな、写真のこと」


    鉄板がない教室で笑い合っているクラスメイトの写真…、それが本物だとすると、




    一松「いつ撮ったんだ?」


    …とにかく報告が先だな。

  302. 302 : : 2016/05/16(月) 22:15:00


    <脱衣所>



    食堂で情報交換をした後、全員で脱衣所に向かった。


    どうもアルターエゴがパソコン内のファイルのロックを解除することに成功したらしい。


    そのファイルの内容は、




    ・学園主体で高校生を校舎内に隔離し、場合によっては一生共同生活を送らせる計画があった。

    ・計画が立てられた原因は1年前に起きた「人類史上最大最悪の絶望的事件」。

    ・その事件のせいで希望ヶ峰学園は閉鎖に追い込まれた。




    らしい。そしてその隔離計画の責任者は…。



    チョロ松「希望ヶ峰学園学園長の霧切仁。30代後半で今も学園内にいるらしい…」


    桑田「霧切って苗字、偶然じゃねーよな…」


    セレス「霧切さん、あなたは何か知っているのですか?」


    霧切「…期待を裏切るようで悪いけど、私は何も知らないわ」
  303. 303 : : 2016/05/16(月) 22:15:31

    江ノ島「何も知らないって…、それで済むと思ってんの? アンタ隠し事多すぎ」


    セレス「確かにそうですわね。特に貴方の才能とか」


    一松「…そういえば、霧切の才能って誰か知ってる?」


    誰も言わない。と思いきや…




    大神「…我が知っている。教えてもらったわけではないが」


    大神が取り出したのは1枚の紙だった。


    石丸「これは?」


    大神「希望ヶ峰学園の生徒名簿だ。我が学園長室に侵入した際、1枚だけだが持ち出すことができた」


    その紙には…

  304. 304 : : 2016/05/16(月) 22:16:06


    『希望ヶ峰学園 第78期生 生徒名簿

     超高校級の幸運      苗木誠
     超高校級の風紀委員    石丸清多夏
     超高校級の御曹司     十神白夜
     超高校級の暴走族     大和田紋土
     超高校級の野球選手    桑田怜恩
     超高校級の同人作家    山田一二三
     超高校級の占い師     葉隠康比呂
     超高校級のアイドル    舞園さやか
     超高校級の探偵      霧切響子
     超高校級のスイマー    朝日奈葵
     超高校級の文学少女    腐川冬子 / 超高校級の殺人鬼 ジェノサイダー翔
     超高校級の格闘家     大神さくら
     超高校級のギャンブラー  安広多恵子
     超高校級のギャル     江ノ島盾子
     超高校級のプログラマー  不二咲千尋
     超高校級の軍人      戦刃むくろ

     特例
     超高校級の六つ子     松野チョロ松
     超高校級の六つ子     松野一松





    と書かれていた。良かった、俺たちだけ違うってことはないようだ。
  305. 305 : : 2016/05/16(月) 22:18:00

    不二咲「この名簿だと、学園側もジェノサイダー翔を知っていたんだねぇ」


    舞園「殺人鬼を入学させられるなんて、希望ヶ峰学園は本当にすごいですね」


    石丸「セレス君の本名は安広多恵子というのか。良い名前ではないか!!」


    セレス「その名前で呼ぶんじゃねぇぞビチグソがぁああああああ!!」


    桑田「チョロ松たちが特例で入学したのは本当なんだな」


    チョロ松「今まで疑ってたの!? そりゃ僕たちも半信半疑だったけど…」


    一松「この戦刃むくろって誰? なんでいないの?」


    江ノ島「…さあ、何でだろうね?」


    大神「恐らく戦刃むくろこそが18人目の高校生なのだろうな」




    霧切「超高校級の探偵、ね。…皆、少し話があるけどいいかしら?」


    チョロ松「どうしたの?」


    霧切「これまで黙っていたけど、私は記憶がなかったの。自分の名前以外思い出せなかったわ」


    一松「才能を答えられなかったのはそういうことか」


    霧切「だけど私の才能が探偵だってことが分かったとき、少しだけ思い出したの」




    霧切「単刀直入に言うわ。学園長は私の父親よ」
  306. 306 : : 2016/05/16(月) 22:19:02

    <脱衣所前>



    石丸「まさか霧切君の家系が代々探偵だったとは…」


    不二咲「霧切さんのお父さんは探偵を継がずに希望ヶ峰学園に行ったんだねぇ」


    桑田「それで霧切は父親に絶縁を告げるために入学したんだな」


    チョロ松「何で全員説明口調なんだよ」


    一松「気にしたら負けだろ」E:男のロマン


    桑田「一松、それを出すってことはやる気だな?」E:男のロマン


    チョロ松「楽園に行く準備は整ってるよ」E:男のマロン


    石丸「君たちは一体何をやっているのだね!?」


    一松「今は女子が入浴中。ってことは、…ここまで言えば分かるだろ?」


    石丸「全くもって分からん!!」


    不二咲「もしかして、覗き?」


    一松「Yes, I do」


    石丸「覗きだと!? 不健全だぞ!!」


    桑田「分かってねーなイインチョー。これは男の思い出作りだぜ?」


    チョロ松「そうそう、男同士でしかできないイベントなんだよ」


    不二咲「男、同士…。や、やってみようかな」E:男のロマン


    石丸「不二咲君!? …だが、一理あるかもしれんな。これもいい思い出作りの一環になるだろう」E:男のマロン


    一松(マジでチョロい)
  307. 307 : : 2016/05/16(月) 22:19:37



    <脱衣所>



    一松「よし、気づかれていないな」


    桑田「そーっとだぞ、一松」


    不二咲「こういうのって、ドキドキするねぇ」


    石丸「…本当にいい思い出作りなのか?」


    チョロ松「気にしないほうがいいよ。さて、中の様子はと…」



    江ノ島「何やってんの?」


    一松「見て分かんないのかよ覗きだよ覗き」



    江ノ島「……へえ、そうなんだ」


    「「「「「あ」」」」」

  308. 308 : : 2016/05/16(月) 22:20:10


    <脱衣所前>



    覗きが見つかった俺たち男子全員は正座させられている。


    セレス「江ノ島さんに見張りを任せて正解でしたわね」


    舞園「その、気持ちは分かりますけど…」


    大神「まさか石丸までもが参加していたとは…」


    霧切「男全員参加とは驚いたわ。覚悟はいいかしら?」


    江ノ島「オシオキいっちゃう?」




    桑田「いやホント出来心で…」


    石丸「すまない兄弟、僕はなんて馬鹿なことを…」


    チョロ松「すいませんでしたぁあああああ!!」


    一松「優しく…、してくれよ」


    不二咲「うう、ごめんなさい…」

  309. 309 : : 2016/05/16(月) 22:21:10

    モノクマ「ねえねえ、これは一体何の騒ぎなの?」


    セレス「女子の体を覗こうとした愚か者にオシオキするところですわ」


    モノクマ「覗きだって!? そんな学園生活にふさわしくないことをするなんて、…先生は悲しいです」


    桑田「何言ってんだ、元はといえばオメーが唆したんだろうが!!」


    モノクマ「え? 今日はそんなことしてないよ」


    霧切「つまり初犯じゃなかったのね」


    桑田「アポ…」


    モノクマ「まあボクも唆したのは事実だし、みんなと一緒にオシオキをくらいます!!」


    舞園「モノクマへの暴力は校則違反じゃなかったんですか?」


    モノクマ「今回だけ特別ね。その代わり、オシオキの内容はボクが決めるから!!」


    江ノ島「…死なない範囲でキツいやつお願い」


    モノクマ「実はもう用意しています!! こちらをどうぞ!!」


    モノクマが出してきたオシオキとは…




    ハタ坊『みんな社員にするじょ~!!』



    ハタ坊がかつて用意していたケツ用の旗だった。
  310. 310 : : 2016/05/16(月) 22:21:44


    一松「!? お前、これをどこで…」


    チョロ松「な、ななな何でこんなところに…」


    桑田「オイ、まさかこれをケツに…?」


    石丸「しかも一本だけ棘が巻き付いているぞ!?」


    不二咲「こ、こんなの受けたら…、死んじゃうよぉ。色んな意味で…」



    大神「他の者の手を汚させるわけにはいかん。我が全て執り行おう」


    大神「さて、覚悟はいいか?」ゴゴゴゴゴ………


    モノクマ「バッチこーーーい!!」


    チョロ松「いやちょっとm」




    桑田「アッーーーーーーーーーー!!!」デュクシッ

    石丸「ヌァァアアアアアア!!!」デュクシッ

    チョロ松「ウワァァアアアアアアア!!!」デュクシッ

    一松「アッアァア……///」デュクシッ

    モノクマ「ッイヨイショーーーーー!!!」デュクシッ

    不二咲「アァアアアン///」デュクシッ




    「「「「「女子の入浴を覗こうとして、すいませんでしたぁあああああああああ!!!!」」」」」

  311. 311 : : 2016/05/16(月) 22:22:25
    今日はここまでです。

    次の投下は早くても明後日です。
  312. 312 : : 2016/05/18(水) 20:38:57
    これから続きを投下します。

    このSSも折り返し地点に到達しましたが、今後ともよろしくお願いします。
  313. 313 : : 2016/05/18(水) 20:39:37


    コロシアイ学園生活 17日目




    <食堂>



    桑田「うう、ケツが痛ぇ…」


    石丸「これは罰だ。甘んじて受けねばならん!! 何故僕は賛同してしまったのだ…」


    不二咲「あのオシオキ、とっても大きかったなぁ…///」


    チョロ松「何かヤバい発言だよそれ!?」




    ピンポンパンポーン


    モノクマ『えー、オマエラ!! 今すぐ体育館に集合してください!! いいこと教えてあげるよ!!』


    モノクマ『言っておくけど、全員参加だからね!! 来ないとオシオキだよ!!』




    一松「オシオキって昨日のアレ?」


    桑田「2日連続でくらうのは嫌だぞ!?」


    俺たち(特に男子)は急いで体育館に向かった。




    <体育館>



    モノクマ「…悲しい話です。オマエラの中に内通者がいます」


    一松「それ知ってる」
  314. 314 : : 2016/05/18(水) 20:40:44

    チョロ松「用件それだけ? 早く帰りたいんだけど」


    セレス「裁判で大神さんが自白したことをお忘れですか?」


    モノクマ「…確かに大神さんが内通者なのは間違いないけどさ、」




    モノクマ「ボクは内通者が1人とは言ってないよ?」


    一松「……は?」




    モノクマ「ここで重大発表です!! オマエラの中にもう1人内通者がいます!!」



    モノクマ「大神さんみたいに人質をとったわけじゃないからね!! 完全にボクのことを知っています!!」



    モノクマ「その内通者はボクと密接に繋がっているのです!!」



    モノクマ「後はオマエラで頑張って探してね!! それじゃあバイナラ~」



    …モノクマはとんでもない爆弾発言を投下していなくなった。


    俺たちの中に内通者がいる…?


    石丸「そ、そんな馬鹿な…。この中に、内通者がいるなんて…」


    セレス「…大神さん、あなたは知っていましたか?」


    大神「我はそのようなことは聞いていないぞ…!!」


    チョロ松「ど、どうすれば…」


    霧切「みんな落ち着いて。食堂で話し合いましょう」

  315. 315 : : 2016/05/18(水) 20:41:55


    <食堂>



    舞園「大変なことになりましたね。私たちの中に内通者がいるなんて…」


    桑田「一体誰なんだよ…」


    ヤバい。この上なくピリピリしている。一致団結すると決めた矢先に内通者がいると宣言されたからな…。




    霧切「…不二咲君、アルターエゴを個室に持ち帰ってくれるかしら?」




    チョロ松「霧切さん!? 何でアルターエゴのことを…」


    石丸「アレは秘密にするべき事項ではなかったのかね!?」


    セレス「よく考えて発言してください。アルターエゴはすでにモノクマに筒抜けですわよ、内通者を通して…」



    !? そうか、ここにいる全員はアルターエゴのことを知っている。もうモノクマにばれてるのか。




    セレス「…申し訳ございませんが、わたくしはこれ以降1人で行動しますわ」


    一松「…内通者がいるからか?」


    石丸「正気かね安広君!? 僕たちを疑うというのか!?」


    セレス「疑うも何も内通者がいるのは事実ですわ。…あとその名前で呼ぶんじゃねぇつってんだろダボが」


    石丸「モノクマがでっちあげた嘘かもしれないだろう!!」


    セレス「たとえ嘘でも警戒しないわけにはいきません。それでは…」
  316. 316 : : 2016/05/18(水) 20:42:59


    セレスはそう言って食堂を後にした。そして次々と…


    舞園「…ごめんなさい、私も1人にさせてください」


    桑田「オレも無理だ。舞園ちゃんは違うと信じてるけど…、他のみんなは別だ」


    江ノ島「アタシも…。もう誰も信じらんない…」


    チョロ松「ごめん、僕も1人にさせて欲しい」


    不二咲「チョロ松君も!?」


    チョロ松「実は僕、霧切さんに言われて2階の男子トイレにある隠し部屋を調べたんだ。そのときに襲われて…」


    チョロ松が隠してたのはこのことだったのか。


    チョロ松「僕は、霧切さんが怪しいと思っている」


    霧切「……」


    チョロ松「もしかしたら、アレは霧切さんが仕組んだ罠かもしれない」




    チョロ松「だから一松、兄としてのお願いだ。他のみんなはいいけど、霧切さんだけは信じるな」




    石丸「チョロ松君!! …行ってしまった」
  317. 317 : : 2016/05/18(水) 20:43:38

    不二咲「どうして、こうなるのぉ…」


    霧切「…みんなは、私が内通者だと疑っているんでしょうね」


    大神「霧切よ、我はそのようなこと…」


    霧切「お世辞でもありがとう。私も1人で行動するわ」




    一松「…結局残ったのは4人だけか」


    大神「この様子だと朝食会にも姿を現さないだろうな」


    石丸「何故だ…、僕たちは打倒モノクマのために力を合わせるべきなのに…!!」


    一松「…俺も個室に帰る」


    不二咲「一松君も1人で行動するのぉ?」


    一松「朝食会には出るから、心配すんなよ」




    <一松の個室>



    一松「…誰が内通者だ?」


    石丸は信じなかったけど、内通者は確実に俺たちの中にいる。


    一松「大神は膠着状態になったら殺人を実行しろと命令されたよな…」


    だったら、コロシアイに動いた舞園と桑田、セレスは除外されるか?


    一松「あと、事件に巻き込まれたらコロシアイを促進しようとするよな?」


    それなら不二咲と石丸も除外できるが…。


    一松「これまでの事件に巻き込まれていないのはチョロ松、霧切、江ノ島…」


    この中に内通者がいるのか?


    一松「…ゴミがこれ以上考えても仕方ないか」


    俺は寝ることにした。

  318. 318 : : 2016/05/18(水) 20:44:21
    今日は短いですがここまでです。

    忙しくなければ明日の夜投下します。
  319. 319 : : 2016/05/22(日) 16:38:30
    お久しぶりです。このところ多忙でして…


    これから投下を開始します。
  320. 320 : : 2016/05/22(日) 16:39:13


    <食堂>



    石丸「ではこれより朝食会を始める!!」


    不二咲「……」


    大神「……」


    一松「…少ないな」


    大神「無理もない。皆は内通者の存在に怯えているのだ」


    石丸「ここまで寂しい朝食会は初めてだ…」




    不二咲「…ねぇ、少し話があるんだ」


    一松「話って何?」


    不二咲「実は昨日の夜霧切さんが来たんだけど…、アルターエゴを貸してほしいって言われたんだ」


    大神「それで了承したのか?」




    不二咲「ううん、断ったよ」


    一松「不二咲、お前…」

  321. 321 : : 2016/05/22(日) 16:41:16


    不二咲「チョロ松君が言っていたよね? 霧切さんが内通者かもしれないって…。僕も同じ意見なんだ」


    石丸「不二咲君も、霧切君を疑っているのかね?」


    不二咲「うん。だって、死体を見ても動揺しないし、学園長の娘だし…」


    一松「…その可能性は否定できないよな」


    石丸「一松君まで…」



    大神「モノクマの性格からして嘘はつかない。ならば、内通者はいると考えるだろう」


    大神「現に我はモノクマを裏切ったにも関わらず、モノクマはそこまで気にしていないようだった」


    大神「ならば内通者が他にいるから不安でない、ともとれる」


    石丸「…なら、何故それを僕に話す? 僕がそうかもしれないんだぞ」


    一松「悪いけどさ、お前が内通者なのは想像できない」


    不二咲「嘘つけなさそうだし…」


    大神「我も同意見だ」


    石丸「そうか、そう見えないか、はっはっは!! …嬉しいのやら悲しいのやら分からんな」

  322. 322 : : 2016/05/22(日) 16:43:22

    <一松の個室>



    いつもより寂しい朝食会を終えた後、部屋に戻った。


    一松「…食堂に来なかったアイツラ、飯食ってるのかな?」


    その後はずっと内通者について考えたけど、結論は出ないままだった。


    そして夜時間に入った頃…



    ピンポーン



    一松「…誰?」ガチャ


    霧切「……」


    一松「…ああ、お前か」


    霧切「一松君? 少し話があるけれどいいかしら?」


    一松「…別にいいよ」



    霧切「私を招き入れていいのかしら? チョロ松君には信じるなと言われたはずだけど?」


    一松「何を信じるかは俺の勝手だろ」


    霧切「そう、もし断られたときのことも考えて用意したのだけど」E:子猫のヘアピン


    一松「…それはもらう」


    霧切「本当に猫好きなのね、貴方」


    一松「で、話って何? くだらなかったらすぐに部屋を出て欲しいんだけど」


    霧切「話と言うよりはお願いね。単刀直入に言うわ」




    霧切「…不二咲君を説得してくれないかしら?」
  323. 323 : : 2016/05/22(日) 16:45:10

    一松「…アルターエゴの件か?」


    霧切「そうよ。詳しくは言えないけど、危険にさらすことになるわ」


    一松「説得って言っても、肝心の中身が分からなきゃ無理だと…」ピンポーン


    一松「…ゴメン、誰か来たみたい。隠れてくれる?」


    霧切「ええ、あなたのお兄さんかもしれないものね」




    一松「…どちら様?」ガチャ


    不二咲「あ、一松君? 脱衣所で話したいことがあるんだけど…」


    一松「それだけ?」


    不二咲「うん、僕は待ってるから…」


    一松「…行っちゃった」




    霧切「一松君、さっきの話はもういいわ。ありがとう」


    一松「え? 何か解決した?」


    霧切「ええ、十分よ。…ねえ、一松君」


    一松「今度は何だよ?」




    霧切「…もし私に何かあったら、あとは任せたわ」


    一松「は?」


    霧切はそのまま俺の部屋から出て行った。


    一松「何だったんだ? あ、不二咲が待っているんだったな」

  324. 324 : : 2016/05/22(日) 16:47:40


    <脱衣所>



    一松「待った?」


    不二咲「ううん、大丈夫だよぉ」


    一松「それで、話したいことって?」


    不二咲「協力してほしいことがあるんだけど…、アルターエゴを隠し部屋に持っていくんだ」


    一松「隠し部屋に? どうして?」


    不二咲「隠し部屋にはネット回線が繋がる場所があって、そこにアルターエゴを接続させるんだけど…」


    一松「…それって霧切にお願いされたこと?」


    不二咲「うん、…危険だけど助けを呼べるかもしれないって。だけど、僕、信じられなくて…」


    一松「どうして心変わりしたわけ?」


    不二咲「そのことを話したらアルターエゴが力になりたいって言ったんだ」


    不二咲「そんな強いアルターエゴを見て、僕はまだ弱いままだってことに気付いたんだ」




    不二咲「大和田君に強くなりたいって言ったのに…」


    一松「不二咲…」


    不二咲「だからアルターエゴをネット回線に接続するために行くんだけど、やっぱり怪しまれそうで…」


    一松「つまり自然な形で男子トイレに行けばいいんだな? 俺に任せろ」ニヤァ
  325. 325 : : 2016/05/22(日) 16:48:18

    <2階 男子トイレ>



    一松「どうした不二咲? 早く来いよ」


    不二咲「でも僕、心の準備が…」


    一松「いや連れションぐらいで心の準備とかいらないから」


    不二咲「それはそうなんだけど…」


    一松「…どうも思い切りが良くないな。俺なんかトイレで用も足さないのに下半身丸出しだったんだけど」


    不二咲「それは特殊すぎるよぉ」


    一松「…おい不二咲。そこの用具入れに入れ。男らしさってやつを見せるから」


    不二咲「ちょっと、一松君…」




    <2階 隠し部屋>



    一松「よし、自然な形で入れたな」


    不二咲「そうは見えないよぉ…」


    一松「とりあえずサッサと繋ぐぞ」


    不二咲「そうだね。アルターエゴ、後はお願いね」


    アルターエゴ『分かったよぉ、ご主人タマ』


    俺たちはアルターエゴをネット回線に接続した後、すぐに男子トイレを後にした。

  326. 326 : : 2016/05/22(日) 16:51:15

    <2階 廊下>



    一松「根性ないなぁ、次に引き延ばしたって意味ないぞ」


    不二咲「ごめんねぇ、次は頑張るから…」


    モノクマにバレてないよな…? 早く個室に戻ると…、ん?




    大神「……」


    大神か。こんな時間に何やってんだ?


    不二咲「今、3階の方に向かったよねぇ?」


    一松「…とりあえず後をつけるぞ」




    <4階 化学室前>



    大神はどうも化学室に用があったようだ。


    一松「プロテインでも取りに来たのか」


    不二咲「僕も飲めば強くなるかなぁ?」


    一松「それで強くなれたら苦労しないだろ。筋トレが一番だと思うけど?」


    不二咲「そうだよね、地道なのが一番だよねぇ」


    一松「十四松はしょっちゅう野球に行くし、トッティはランニングしたりジム行ったりしてるし」


    不二咲「ジムかぁ…、外に出たら考えようかなぁ」


    なんて他愛ない雑談を交わしていると…、




    パリーンッ


    「「……!?」」

  327. 327 : : 2016/05/22(日) 16:51:55


    一松「今の音…」


    不二咲「プロテインか何かを落としたんじゃないかな?」


    一松「…もしかしたら、誰かに待ち伏せされて、殴られた音かもしれない」


    不二咲「え…?」


    一松「とりあえず中の様子を確認するぞ」



    俺は勢いよく化学室のドアを開けた。




    <4階 化学室>



    大神「…不二咲に、一松!?」


    不二咲「大神さん…」



    俺たちが目にした光景は、割れた瓶と散らばった中身の粉末…


    どうも大神が落としたらしく、コロシアイは発生していなかった。けど…





    一松「大神、その手に持っているものは何だ?」


    問題は大神が手にしていた瓶…




    ドクロマークの付いていたソレはどうみても毒薬だった。

  328. 328 : : 2016/05/22(日) 16:56:35


    一松「それで何するつもりだったんだ?」


    大神「違う!! 我は断じてコロシアイなどせぬ!!」


    不二咲「そうだよ、大神さんがそんなことするわけ…」


    一松「俺も分かってる。分かってるけど、何で毒薬を持って…」


    大神「…一松よ、これには訳があるのだ」




    不二咲「毒薬が持ち出されていないか調べていたの?」


    大神「プロテインを取りに行くついでだ。もし毒が持ち出されていたなら打ち明けるつもりだったのだ」


    一松「そうだったのか…、疑ってゴメン」


    大神「気にするな。疑われるようなことをした我に原因がある」


    不二咲「それで、今日はどうだったの?」


    大神「…昨日までは持ち出されていなかったが、今日は1つだけ毒薬が無かった」


    一松「それ、マズいだろ。このままじゃコロシアイが…」


    大神「いや、あの毒薬は別の毒薬を飲ませることで体内に毒が生成され、死に至るものだ」


    大神「アレ単体では毒にすらならない」


    不二咲「そうなんだ。だけど、他の毒薬も隠したほうがいいよね?」


    一松「どうする? 確実に手を出せない場所ってある?」


    大神「…1つだけ方法がある」

  329. 329 : : 2016/05/22(日) 16:58:01


    <寄宿舎 廊下>



    一松「…これでいいか」


    化学室にあった毒薬は俺が全て苗木の個室に置いた。


    その後鍵を閉め、苗木の個室の鍵を大神が十神の個室に隠した。


    次に十神の個室の鍵を不二咲が大和田の個室に隠した。


    以上の手順を全ての空き個室で行った。これなら毒薬に手を出せない。


    大神「いずれモノクマが毒薬を補充するかもしれぬが、そのまま置くよりはましだろう」


    不二咲「少なくとも2,3日くらい時間は稼げたかな?」


    一松「そうだな。食料と違ってすぐ用意出来るものじゃないだろ」


    俺たちはそのまま個室に戻って寝た。


  330. 330 : : 2016/05/22(日) 16:58:56


    コロシアイ学園生活19日目




    <食堂>



    石丸「…今回も朝食会に参加したのは4人だけか。ずっとこのままなのか…?」


    不二咲「大丈夫だよ石丸君。諦めないで」


    一松「そうだよ。分かりあえるよ」


    大神「2人の言う通りだ。諦めないのが石丸の取り柄だろう?」


    石丸「そうだな大神君。僕は決して諦めないぞ!!」




    そのとき、江ノ島が慌てた様子で食堂に来た。


    江ノ島「みんないる!?」


    一松「どうしたんだ江ノ島? そんなに慌てて…」


    江ノ島「今すぐ娯楽室に来て!! 中に霧切がいるの!!」


    石丸「霧切君だと!? 分かった、今すぐに行く!!」

  331. 331 : : 2016/05/22(日) 17:00:42

    <3階 娯楽室前>



    俺たちは娯楽室に駆け付けた。


    ドアの小窓から見ると、ソファーに座って動じない霧切がいた。


    江ノ島「ね? 本当にいるでしょ?」


    不二咲「何で中に入らないの?」


    江ノ島「このドア、何かに引っ掛かって動かせないの!! 何かドアの前に物を置いてるみたいで」


    一松「だったら早く開けないと…っ!?」



    そのとき、俺の目に入ったのは…、テーブルの上に置かれた1本の注射器だった。




    一松「何で、注射器が…? まさか!?」


    石丸「霧切君に何かあったのか!?」


    江ノ島「もしかして…、自殺!?」


    不二咲「え!? そんな…」


    江ノ島「大神!! 早く娯楽室のドアを壊してよ!!」


    石丸「待ちたまえ!! 鍵のかかったドアを破壊するのは校則違反だぞ!!」


    一松「いや、娯楽室のドアは鍵がない。壊しても問題ねぇ!!」


    大神「ならば、…憤ッ!!!!」
  332. 332 : : 2016/05/22(日) 17:01:14


    大神が全力でドアを破壊し、江ノ島が霧切に近づいて安否を確認する。


    江ノ島「霧切!! しっかりして霧切!!」


    だが、霧切は…





    霧切「……」バタッ




    重力に身を任せて地面に倒れた。




    不二咲「…え、嘘だよね?」


    江ノ島「嘘に決まってるでしょ!! 起きなさいよ霧切!!」


    江ノ島は何度も霧切に呼びかける。それでも霧切は目を覚まさない。そして…




    ピンポンパンポーン

    モノクマ『死体が発見されました!! 一定の捜査時間の後、学級裁判を開きます!!』




    石丸「そんな、バカな…」


    不二咲「霧切さん…」





    無情な死体発見アナウンスが、霧切の死を決定づけた。
  333. 333 : : 2016/05/22(日) 17:01:56
    以上で4章日常編が終わりです。


    夜に非日常編を投下します。
  334. 334 : : 2016/05/22(日) 23:01:46
    お待たせしました。

    それでは投下します。
  335. 335 : : 2016/05/22(日) 23:02:37


    CHAPTER4 オール・オール・ハイド 非日常編




    <3階 娯楽室>



    江ノ島「そんな、霧切…」


    …今でも信じられない。あそこまで冷静でしっかりしていた霧切が殺されるなんて。


    昨日話したときに最後に聞いた言葉が耳から離れない。




    霧切『…もし私に何かあったら、あとは任せたわ』




    一松「…アイツは、自分が殺されるかもしれないって分かっていたんだろうな」


    モノクマ「うぷぷ、またまたコロシアイが起きたね。しかも今回の被害者は霧切さんかぁ~」


    いつの間にかモノクマが現れていた。コイツは神出鬼没だからな。



    モノクマ「霧切さんはボクの正体を見破るためにいろいろ調べていたからね、少しホッとしたよ」


    石丸「人が死んでいるのに、ホッとしたとはどういう神経をしているんだ!?」


    モノクマ「まあまあ落ち着いて、モノクマファイルも出来次第、後で渡すからさ」


    モノクマ「それじゃ、後は捜査頑張ってね~」
  336. 336 : : 2016/05/22(日) 23:03:15


    大神「いなくなったか…、モノクマがいると碌なことにならないな」


    不二咲「また、始まるのぉ? あの学級裁判が…」


    江ノ島「霧切もいないのに、どうするのよ…」



    一松「…やるしか、ねぇだろ。霧切のためにも、俺たち自身のためにも!!」


    そのとき、朝食会に来なかった他のみんなが来た。



    舞園「そんな、霧切さん…」


    桑田「嘘だろ、霧切が死ぬなんて…」


    セレス「これは、どういうことなのですか?」


    チョロ松「霧切さん……」


    全員、霧切が死んだことに動揺している。だけど、やらなくちゃいけない。


    何としても、霧切の無念を晴らしてみせる。

  337. 337 : : 2016/05/22(日) 23:04:26

    〈 捜査開始 〉



    捜査を始めるにあたって、見張り役が2人必要になる。いつもは大神が見張りの1人だったが…



    大神「済まないが、今回我は見張りではなく捜査を行いたい」


    江ノ島「何で? いつも見張りをしていたのに」


    大神「我自身気になることがあるのだ」


    セレス「ならばわたくしと江ノ島さんで見張りを行いましょう。動き回るのは性に合いませんので」


    というわけで今回の見張りはセレスと江ノ島が担当することになった。そのときにモノクマが来た。



    モノクマ「いやーお待たせしました!! こちらが今回のモノクマファイルです!!」



    そのモノクマファイルには…




    【モノクマファイル4】

    被害者は霧切響子。

    死体発見現場は3階の娯楽室。

    死因は化学室の毒薬による服毒死。




    桑田「また時間が書かれてねーのか」


    不二咲「え? 毒殺?」


    舞園「そこは驚くところなんですか?」


    知らないのも無理はないよな。だって、あの事情を知るのは俺と不二咲と大神だけだからな。


    しかし科学室の毒薬って、そんなことまで書くか?


    コトダマ:モノクマファイル4 獲得

  338. 338 : : 2016/05/22(日) 23:05:29

    石丸「死因は科学室の毒薬か…、今すぐ科学室を調べるぞ!!」


    不二咲「待って石丸君、僕も行くよぉ」


    桑田「オレは霧切の個室を調べに行く。何か手がかりがあるかもしれねーからな」


    舞園「鍵は霧切さんのポケットに入っていました。持ち出されてはいないようですね」


    石丸と不二咲は化学室を調べに、桑田と舞園は霧切の個室を調べに行った。



    一松「まずは死体を調べるか…」


    チョロ松「一松、くれぐれも無理はしないでね?」


    霧切の死体を調べてみると、右腕の辺りに注射痕があった。


    チョロ松「恐らく注射器で毒を入れられたんだろうね」


    それは間違いないけど、2つあるのは何でだ?



    大神「それ以外の外傷は無いな、あとはあの手袋のみだが…」


    手袋を外してみると、火傷まみれの手が見えた。


    一松「なるほどな、いつも手袋をしていたのはそういう理由だったのか」


    チョロ松「確かに気にするよね、でも事件とは関係ないよね」


    コトダマ:死体の状況 獲得

  339. 339 : : 2016/05/22(日) 23:08:22


    江ノ島「…なんかここ暑くない? メイク落ちそうなんだけど」


    セレス「確かにそうですわね。暖房か何かつけているのでは?」


    大神「確かに暖房のスイッチが入っているな。恐らく犯人がつけたものだろう」


    チョロ松「何のためにつけたんだろう?」


    コトダマ:娯楽室の暖房 獲得




    暖房を消した後、周辺を調べてみる。


    一松「やっぱりテーブルに空の注射器が1本だけある。これで毒を入れたのか」


    チョロ松「一松は注射苦手だよね?」


    一松「あんなの平気な奴がどうかしてるだろ」


    コトダマ:娯楽室の注射器 獲得

  340. 340 : : 2016/05/22(日) 23:08:41


    一松「壊されたドアの近くに椅子があるな」


    セレス「ということは密室殺人なのでしょうか?」


    これでドアが引っ掛かっていたのか…


    コトダマ:娯楽室のドア 獲得




    大神「……」


    チョロ松「どうしたの? ロッカーを見て」


    大神「小窓から覗いたときは、このロッカーは閉じていたのだが…」


    今は開いているな。誰か入っていたのか?


    コトダマ:娯楽室のロッカー 獲得




    ここはもう調べるところはなさそうだ。他の場所を調べるか。
  341. 341 : : 2016/05/22(日) 23:09:15


    <1階 保健室>



    大神「睡眠薬が15袋。ということは…」


    一松「1つだけ使われていたか。霧切を眠らせるためだろうな」


    コトダマ:睡眠薬 獲得




    チョロ松「注射器はリストには3本あるらしいけど、今は1本しかないね」


    一松「………」ガクガクブルブル


    大神「…そこまで注射を嫌っているのか」


    一松「…もうあんな太いのはゴメンだ」


    コトダマ:保健室の注射器 獲得




    石丸「ここにいたのか一松君!!」


    一松「…もしかして、隠しておいた毒薬のこと?」


    不二咲「うん、持ち去られていないか改めて確認しようと思って」

  342. 342 : : 2016/05/22(日) 23:10:24

    <苗木の個室>



    チョロ松「ここに隠していたんだ」


    大神「…当然だが苗木の死体は片づけられているな」


    石丸「科学室の薬品リストがここにあるから、何が持ち去られたか確認するぞ」


    不二咲「大神さん、昨日毒薬を1つだけ持ち去られたって言ったよね? 他は持ち去られていないのぉ?」


    大神「プロテインが1つなくなっていたな。それ以外は変わりない」


    コトダマ:大神の証言 獲得




    石丸「大神君の言う通りだ。毒薬A以外は持ち去られていないようだ」


    チョロ松「毒薬Aって何? それで殺したの?」


    一松「いや、それだけじゃ殺せない。別の毒薬が必要なんだよ」


    石丸「その通りだ。ここに説明書もある」
  343. 343 : : 2016/05/22(日) 23:11:25

    その説明書には…




    『毒薬Aの扱い方
     ・毒薬A(以下Aとする)は単体では服用しても死に至りません。

     ・Aを服用して2時間後に作用します。効果は1時間です。

     ・その間に毒薬Bを服用することで体内で毒が生成され、苦しまずに死に至ります。』




    つまり、毒薬Bがなければ毒にならないんだな。ちなみに毒薬Bの説明書には…




    『毒薬Bの扱い方
     ・毒薬B(以下Bとする)は単体では服用しても死に至りません。

     ・Bを服用してすぐに作用します。効果は1時間です。

     ・毒薬AとBを混ぜて服用しても死に至りません。』




    なんか面倒くさいな。つまり毒殺するならAを服用した後2時間後にBを服用する必要があるのか。


    コトダマ:毒薬A 獲得

    コトダマ:毒薬B 獲得

  344. 344 : : 2016/05/22(日) 23:11:52


    <霧切の個室>



    俺は桑田たちの成果を聞くため、霧切の個室に来た。


    一松「何か発見はあった?」


    桑田「大したものは見つかってねーよ。あの目覚まし時計ぐらいか?」


    一松「目覚まし時計?」


    舞園「倉庫に置いてあるもので、朝の6時にセットされていました」


    桑田「だけどその時計正直言って使えねーよ」


    一松「何か不便なことでもあるの?」


    舞園「まず電池を交換できません。要するに使い捨てですね」


    桑田「あとアラームが鳴ったら止めるまでずっと鳴りっぱなしだ。しかも設定も1回きりで変更できねーんだよ」


    舞園「だから大量に置いてあったんですね。ただ時間は電池が切れるまで正確に示すらしいですよ」


    変わってるな、そんな目覚まし時計を使ってるなんて。


    コトダマ:霧切の個室の目覚まし時計 獲得

  345. 345 : : 2016/05/22(日) 23:12:22


    <一松の個室>



    俺はいったん自分の個室に戻った。


    一松「もしかしたら、ここに手がかりを残してるかもな」


    霧切は殺される前日に俺の部屋を訪れた。何か手がかりがあるかもしれない。


    俺は片っ端から探すことにした。




    <一松のシャワールーム>



    一松「これって…」


    シャワールームにあったのは、脱衣所のロッカーの鍵だった。


    一松「なんで俺のシャワールームに鍵が? 霧切が置いたものか?」




    <脱衣所>



    脱衣所に入ってロッカーの鍵を開ける。そのロッカーの中には…


    戦刃むくろの顔写真付きのプロフィールと手紙が置いてあった。




    『 超高校級の軍人 戦刃むくろ

     幼少の頃、海外旅行中の事故で行方不明となり、その期間を海外の傭兵部隊「フェンリル」に所属し軍人として生活した。
     右手にはフェンリルの一員の証である狼のタトゥーが彫られている。
    また、学園に入学するまでその身体には外傷一つない。 』




    こんな情報どこで仕入れたんだ? もしかして、大神がシャッターを壊したときか?


    コトダマ:戦刃むくろのプロフィール 獲得

  346. 346 : : 2016/05/22(日) 23:12:51


    モノクマ『えー、捜査時間が終了しました。オマエラ、校舎1階の赤い扉の前に集合してください!!』




    一松「手紙の内容も気になるけど、まずは学級裁判だな」




    <校舎1階 地下エレベーター前>



    俺が着いたときには全員が揃っていた。だが、全員顔が暗い。


    エレベーターが開き、裁判場に着くまで誰も一言も発しなかった。


    無理もないよな…。まだ内通者が誰なのか分かってないから。


    そして俺は苗木の遺影がある席に立っている。


    いよいよ始まる…。


    命がけの騙し合い。

    命がけの裏切り。

    命がけの謎解き。

    命がけの言い訳。

    命がけの信頼。

    命がけの…学級裁判…!!
  347. 347 : : 2016/05/22(日) 23:13:15
    これで今日の投下は終わりです。

    次の投下は未定です。
  348. 348 : : 2016/05/27(金) 22:34:09
    長い間お待たせしました。

    これから4章学級裁判を投下します。
  349. 349 : : 2016/05/27(金) 22:34:42


    CLASSROOM TRIALS 4



    モノローグ


    内通者が潜んでいる状況下で起きた殺人事件。被害者は超高校級の探偵、霧切響子。

    内通者として疑われている霧切を殺したのは誰なのか。

    彼女のいた密室での殺人はどのように行われたのか。

    そして、今も潜んでいる内通者は誰なのか。



    コトダマリスト

    モノクマファイル4
    『被害者は霧切響子。
    死体発見現場は3階の娯楽室。
    死因は化学室の毒薬による服毒死。』

    死体の状況
    『右腕の辺りに注射痕が2か所ある。両手は火傷の跡があるが事件とは関係ないと思われる。』

    娯楽室の暖房
    『なぜか暖房のスイッチが入っていた。いつ、誰が入れたかは不明。』

    娯楽室の注射器
    『ソファーに1本置いてあった。中身は空である。』

    娯楽室のドア
    『発見当時椅子がドアの前に置いていた。そのことから、密室殺人であると思われる。』

    娯楽室のロッカー
    『ソファーの後ろにあるロッカー。小窓から見たときは扉は閉じていたが今は開いている。』

    睡眠薬
    『10時間何をしても起きない睡眠薬。さらに1袋減っていた。』

    保健室の注射器
    『保健室にある注射器。全部で3本あるはずだが、今は1本しかない。』

    大神の証言
    『事件前日に調べた際、毒薬Aが無くなっていた。また、毒薬以外ではプロテインが1つ無くなっていた。』

    毒薬A
    『・毒薬A(以下Aとする)は単体では服用しても死に至りません。
     ・Aを服用して2時間後に作用します。効果は1時間です。
     ・その間に毒薬Bを服用することで体内で毒が生成され、苦しまずにすぐに死に至ります。』

    毒薬B
    『・毒薬B(以下Bとする)は単体では服用しても死に至りません。
     ・Bを服用してすぐに作用します。効果は1時間です。
     ・毒薬AとBを混ぜて服用しても死に至りません。』

    霧切の個室の目覚まし時計
    『霧切の個室に置いてあった目覚まし時計。電池が交換できない。
     また、アラームは1回しか設定できず、変更はできない。
     アラームが鳴った場合、止めるまで鳴り続ける。ただ、電池が切れるまで正確な時間を示す。』

    戦刃むくろのプロフィール
    『顔写真付きでプロフィールが記載されている。
     プロフィールについては以下の通り。

    超高校級の軍人 戦刃むくろ

    幼少の頃、海外旅行中の事故で行方不明となり、その期間を海外の傭兵部隊「フェンリル」に所属し軍人として生活した。
      右手にはフェンリルの一員の証である狼のタトゥーが彫られている。
    また、学園に入学するまでその身体には外傷一つない。』
  350. 350 : : 2016/05/27(金) 22:36:23


    学級裁判 開廷



    モノクマ「まずは、学級裁判の簡単な説明から始めましょう!!

    学級裁判の結果は、オマエラの投票により、決定されます!!

    正しいクロを指摘できれば、指摘されたクロだけがお仕置き。

    だけどもし、間違った人物をクロとした場合は…。

    クロ以外の全員がお仕置きされ、生き残ったクロだけがこの学園を卒業します!!」




    一松「毎回同じセリフ喋ってしんどくない?」

    モノクマ「うぷぷ、これは所謂テンプレってヤツですからな~、おいそれと変えるわけにはいかないんだよ」

    モノクマ「それじゃ議論を始めてください!!」



    セレス「流石に4度目ともなると慣れてきますわね」

    桑田「んなモン慣れたくねーよ」

    舞園「最初の話題はやっぱり密室殺人についてでしょうか?」



    大神「…いや、それよりも優先すべきことがある」

    江ノ島「それって何の話よ? 重要なのはどう見ても密室殺人でしょ?」


    大神「それも大事だが、まずはどのようにして化学室の毒薬を調達したかだ」

  351. 351 : : 2016/05/27(金) 22:36:57


    ノンストップ議論 開始

    コトダマ
    睡眠薬
    大神の証言
    毒薬A


    チョロ松「どうやって調達したって、普通に【化学室から調達した】んじゃない?」

    石丸「だが、いつから調達したのかが分からないぞ!!」

    大神「我は毎日化学室の毒薬が無くなっていないか調べていた。【犯人が毒を調達したのは昨日】だ」

    桑田「だったら、【その毒で殺した】んだろ? 重要でもないだろ」

    舞園「やっぱり、密室殺人の謎を解決するのが先なんじゃないでしょうか?」


    一松(今回無くなった毒薬は、使用方法が複雑だよな…)
  352. 352 : : 2016/05/27(金) 22:37:39


    【その毒で殺した】←毒薬A

    一松「それは違う!!」



    一松「桑田、その毒では殺せないんだよ。持ち出された毒は毒薬Aというんだけどな」

    桑田「持ち出されたのが毒薬Aでも、それで殺せばいいだろ」

    一松「その毒、別の毒と組み合わせることで毒薬になるんだよ。単体じゃ毒にもならねぇ」

    不二咲「だから、どうやって毒殺したかが重要になるんだよ」


    セレス「持ち出した毒が使えないのは分かりました。ですが、何も化学室以外でも毒は調達できますわ」

    セレス「例えば洗剤を混ぜ合わせて有毒ガスを発生させて殺す、といったように」


    一松(いや、それは否定されていた。アレが証明している…)


    コトダマ
    モノクマファイル4
    死体の状況
    毒薬B

  353. 353 : : 2016/05/27(金) 22:38:30

    →モノクマファイル4

    一松「これだ!!」



    一松「いや、モノクマファイルには“死因は化学室の毒薬による服毒死”と明言されている」

    一松「だから化学室以外で毒を調達することはありえないんだ」

    石丸「ということは、毒薬Aは毒殺するために持ち出されたのだな」


    舞園「ですけど、毒薬Aには別の毒薬が必要なんですよね? 普通その毒薬も持ち出しませんか?」

    不二咲「確かに、そんな間抜けなことはしないよねぇ」

    チョロ松「だけど他には無くなっていないんだよね?」

    大神「ああ、そうだ。だが、言われてみると妙だな…」

    一松(もしかして…)


    閃きアナグラム 開始

    す○か○
  354. 354 : : 2016/05/27(金) 22:39:13

    すりかえ

    一松「そうか、こいつだ!!」



    一松「…もしかして、すり替えたとか?」

    江ノ島「すり替え!?」

    一松「ああ、今残っている毒薬Bは別物だ。毒薬Bも持ち出されていたんだ」

    舞園「その場合、毒殺は可能ということになりますね」

    不二咲「それじゃ、今残っている毒薬Bは何なの?」

    一松(恐らく、無くなっていたアレだ…)


    パロテイン
    ピロテイン
    プロテイン
  355. 355 : : 2016/05/27(金) 22:40:30

    →プロテイン

    一松「これだ!!」



    一松「プロテインじゃないか? 大神が言っていたが、プロテインも1つ無くなっていたそうだ」

    石丸「何だと!? ならばこの毒薬はプロテインだったのか!!」E:毒薬B

    桑田「オメー裁判場に毒薬持ってきたのかよ!?」

    石丸「何か手がかりになるかもしれないと思って…」


    舞園「あれ? ちょっと待ってください、この瓶のラベル…」



    舞園が毒薬Bと書かれたラベルを剥がすと…、




    ペリリッ…




    別のラベルが現れた。



    舞園「えっ!?」



    石丸「まさか、毒薬Bのラベルだけを別の瓶に貼りつけて、偽装したのか!?」

    大神「…!? 石丸よ!! その瓶をよく見せてくれ!!」



    大神が石丸から瓶を渡してもらい、確認する。



    大神「もしや…」ペロッ



    大神「これは!? 間違いない!! プロテインだ!!」
  356. 356 : : 2016/05/27(金) 22:41:24

    チョロ松「何だって!? 間違いないよね!?」

    大神「見間違うものか。これは昨日無くなっていたプロテインそのものだ。ということは…」


    江ノ島「毒薬Bも持ち出されていたんだ…」


    一松「これで分かったことがある。霧切は持ち出された2つの毒薬で殺されたんだ」




    不二咲「…本当にそうなのかな?」



    チョロ松「どうしたの、不二咲くん? 何かおかしなことでもあった?」

    不二咲「確かに毒薬が使われていたと思うよ。けど、殺されたんじゃなくて、自殺じゃないかな?」

    舞園「自殺…、娯楽室が密室だったからですか?」

    桑田「それはありえそうだよな。内通者と疑われてたから、それで苦しくて自殺を…」


    チョロ松「それだと、霧切さんは内通者じゃない? ぼ、僕はなんてことを…」



    自殺か…。そうなのかどうか議論すべきだな。
  357. 357 : : 2016/05/27(金) 22:41:56


    ノンストップ議論 開始

    コトダマ
    死体の状況
    娯楽室のロッカー
    戦刃むくろのプロフィール


    セレス「霧切さんが【自殺の可能性】ですか。彼女の性格からしてないと思いますが」

    不二咲「でも自殺じゃなかったら、あの密室はどう作られたのぉ?」

    桑田「そこなんだよな。そこさえ解決できれば…」

    舞園「【どこかに身を潜めていた】んじゃないですか?」

    チョロ松「そんなことできるの?」

    江ノ島「【誰かに見つかる】んじゃないの?」

    石丸「やはり、【霧切君が自殺した】のか?」


    一松(あそこならやり過ごせそうだな…)

  358. 358 : : 2016/05/27(金) 22:42:42

    【誰かに見つかる】←娯楽室のロッカー

    一松「それは違う!!」



    一松「ロッカーの中に身を潜めば、見つからないんじゃないか?」

    大神「そういえば、最初に霧切を見つけたときは閉まっていたが、今は開いていたな」




    江ノ島「なるほど、それだったら犯人は半分まで絞れたね」



    石丸「そうか!! 密室が破られるまで犯人は密室の中にいたから…」

    一松「そのとき外にいた俺と不二咲と石丸と大神と江ノ島は犯人じゃないというわけだな」


    不二咲「それ以外の人は、桑田君、舞園さん、セレスさん、チョロ松君の4人だよね」


    江ノ島「そうだよ。その中に犯人がいるんだよ!!」

  359. 359 : : 2016/05/27(金) 22:43:25


    ノンストップ議論 開始

    コトダマ
    娯楽室の暖房
    娯楽室の注射器
    睡眠薬


    大神「犯人は霧切を殺害した後、【ロッカーの中に身を潜めていた】のか」

    石丸「その場合、後から来た4人に絞られるな!!」

    セレス「わたくしはチョロ松君が怪しいと思いますわ」

    チョロ松「え!? そりゃ、霧切さんが内通者だと思ってたけど…。【それだけで殺さない】って!!」

    桑田「そもそも【ロッカーの中にいたこと自体間違い】じゃねえか?」

    大神「だが、【ロッカーが開いていた】ことの説明がつかぬ」

    不二咲「やっぱり、【密室が破られる】まで待ち続けて…」

    舞園「霧切さんに目が向いているときに【娯楽室を出た】んですね」

    セレス「そして、【今訪れたかのように見せかけた】のでしょうね」


    一松(それは出来ないだろ。あの娯楽室じゃ…)
  360. 360 : : 2016/05/27(金) 22:44:18

    【今訪れたかのように見せかけた】←娯楽室の暖房

    一松「それは違う!!」



    一松「…やっぱり、桑田たちの中に犯人はいない」

    一松「考えてもみろよ。娯楽室には暖房が入っていた。そこで長時間待ち続けたら…」

    桑田「熱中症あたりで倒れるとか?」

    石丸「僕は倒れんがな!! サウナに比べたらどうということではない!!」

    舞園「そういうことじゃないと思います…」



    一松(暑い中長時間も待ち続けたらどうなるか…)


    汗をかく
    恥をかく
    べそをかく
  361. 361 : : 2016/05/27(金) 22:44:40

    →汗をかく

    一松「これだ!!」



    一松「普通汗をかくだろ。だけど、後から来た4人は誰も汗をかいてなかったんだよ」

    江ノ島「それじゃ、ロッカーに誰かいたこと自体間違い?」

    大神「ロッカーがひとりでに開いたとでも言うのか?」

    一松(違う、ロッカーにいた可能性はまだある。中にいたのは…)

    怪しい人物を指名しろ
  362. 362 : : 2016/05/27(金) 22:45:25

    →モノクマ

    一松「お前しか、いねぇよ」



    一松「モノクマ、お前がロッカーの中にいたんじゃないか?」

    モノクマ「…へ?」

    チョロ松「何言ってんだよ一松。それだとモノクマが犯人ということになるよ」

    モノクマ「そうだよ失礼だなぁ!! 僕が生徒に手を出すのは校則違反したときだけだよ!!」

    一松「だけど共犯の可能性はあるだろ? 犯人が霧切を殺して部屋を出た後、モノクマが密室を作った」

    一松「そしてロッカーの中に潜んで、頃合いを見計らって出てきたんじゃないのか?」

    セレス「ですがそれではモノクマが犯人に肩入れしたことになりますわ」

    不二咲「そんな不平等なこと、認められるのかなぁ?」



    一松(確かに認められない。だけど、犯人がある人物だったら…?)

    主催者
    内通者
    立役者
  363. 363 : : 2016/05/27(金) 22:46:50

    →内通者

    一松「これだ!!」



    一松「内通者が犯人だったらどうだ?」

    舞園「それでもグレーですけど、そちらのほうがまだ可能性はありますよね」

    チョロ松「でもモノクマが認めなければ…」



    モノクマ「はいその通りでございます!!」



    チョロ松「…はい?」



    モノクマ「まあ確かに不公平だからね!! バレたらすぐ白状するつもりだったんだよ!!」



    モノクマ「ついでに言うと、犯人は内通者で間違いないよ」



    一松「!? …バラシていいのかよ」


    モノクマ「別に気にしないもん。要するに、霧切さんは内通者じゃなかったんだよね」


    モノクマ「それなのに疑っちゃって。ああ、可哀想だなぁ、霧切さん…」


    一松「どうせ本心ではそう思ってねぇだろうが…!!」


    チョロ松「ぼ、僕は霧切さんにひどいことを…。どうすれば…」


    一松「チョロ松!! 今は議論に集中しろ!!」


    チョロ松「ご、ごめん一松」

    桑田「そうだよな、間違えればまとめてオシオキだよな。とりあえず、これまでのことをまとめるか」

    石丸「うむ!! 犯人は内通者で密室はモノクマが作ったのだな!!」

    大神「そして化学室の毒薬で殺したのだな…」

    舞園「問題は何時に殺したか…、ですよね」
  364. 364 : : 2016/05/27(金) 22:47:26



    ノンストップ議論 開始

    コトダマ
    睡眠薬
    大神の証言
    霧切の個室の目覚まし時計


    江ノ島「そういえば、霧切っていつ殺されんだっけ?」

    不二咲「モノクマファイルには【時間が書かれていない】よねぇ」

    チョロ松「逆に言うと【殺された時間】が重要なんだね」

    石丸「恐らく【殺されたのは深夜あたり】だろうな!!」

    桑田「そのほうが【誰かに見つかりにくい】もんな…」

    大神「だが、毒薬Aを服用させた後、2時間経ってからでないと毒薬Bを服用させても死には至らぬ」

    舞園「【2時間】くらい娯楽室で待っていたんでしょうか?」

    セレス「そこまで待ち続けていたら、誰かにバレると思うのですが?」


    一松(アレなら霧切が殺された時間帯が分かるかも…)
  365. 365 : : 2016/05/27(金) 22:48:07

    【殺されたのは深夜あたり】←霧切の個室の目覚まし時計

    一松「それは違う!!」



    一松「深夜に殺されたのは違うだろ。それはあの目覚まし時計が証明している」

    桑田「そうか!! あの目覚まし時計、アラームが午前6時に設定されているんだった!!」

    舞園「あのアラームは止めるまで鳴り続ける仕様でしたね。でも、部屋に入ったときには鳴っていません」

    石丸「ということは、霧切君が殺されたのは午前6時以降ということか」



    一松「いや、もっと後だ。毒薬Aは2時間後に作用するんだ。つまり殺されたのは午前8時以降だ」


    大神「午前8時以降だと…!? 朝食会のときではないか」

    チョロ松「一松、まさか…」




    一松「ああ、霧切は俺たちの目の前で殺されたんだ」




    セレス「目の前で殺人を行ったのですか。随分と大胆ですわね」

    一松「もちろん憶測で言っているわけじゃない。霧切が倒れたとき、ある違和感があったんだよ」

    不二咲「その違和感って…?」

    一松(違和感、それは…)


    死体発見アナウンスのタイミング
    死体発見アナウンスの内容
    死体発見アナウンスの音質
  366. 366 : : 2016/05/27(金) 22:48:34

    →死体発見アナウンスのタイミング

    一松「これだ!!」



    一松「死体発見アナウンスのタイミングだ。あらかじめ殺されていたら、霧切を見たときに鳴るはずだろ?」

    石丸「そういえば、あのアナウンスはいつもと比べて遅かったような…」

    不二咲「それであのときに殺されたんだねぇ…」

    大神「ならば、そのときに近寄っていたのは…」


    怪しい人物を指名しろ
  367. 367 : : 2016/05/27(金) 22:49:22

    →江ノ島

    一松「お前しか、いねぇよ」



    一松「江ノ島、お前だよな? あのとき霧切を起こそうとしたのは…」



    江ノ島「…は!? アタシが犯人!? 何フザけたこと言ってんのよ!!」



    桑田「けど、霧切を見つけたのはオメーだろ?」

    舞園「最初に霧切さんに駆け付けたのも江ノ島さんですよね?」

    大神「死体発見アナウンスが鳴っていたとき、霧切の傍にいたのは江ノ島だけだ」

    江ノ島「あんなのモノクマがサボってただけでしょ!?」

    モノクマ「ボクがサボりだって? そんなことするわけないでしょ!!」

    江ノ島「大体、アタシが殺したとして、どうやって殺したのよ!?」

    一松(それはアレに決まっている…)

    コトダマ
    娯楽室の注射器
    睡眠薬
    保健室の注射器
  368. 368 : : 2016/05/27(金) 22:50:21


    →保健室の注射器

    一松「これだ!!」



    一松「保健室の注射器、それを使ったんだよ」

    江ノ島「そんなの娯楽室のテーブルに置いてあったでしょ?」

    一松「ああ、置いてあったさ。だけどな、問題はそこじゃない」



    一松「娯楽室に1本だけ注射器があった。これはどういうことか分かるか?」



    チョロ松「それって普通なんじゃ…、それで毒を入れたんだよね?」

    大神「いや、それは不可能だ。我が見たときはあの注射器は空だった」

    舞園「じゃあ、どうやって毒を入れたんですか?」



    一松「注射器は2本無くなっていた。1本は娯楽室、そしてもう1本は…」


    江ノ島が隠している
    江ノ島が壊している
    江ノ島が持っている
  369. 369 : : 2016/05/27(金) 22:51:32

    →江ノ島が持っている

    一松「これだ!!」



    一松「江ノ島が持っているんじゃないか?」

    江ノ島「なっ…!?」

    桑田「いや、ちょっと待てよ!? そもそも、何で注射器を2本も使うんだよ!? 普通1本でいいだろ?」

    石丸「…それは毒薬の特性だろうな。毒薬Aと毒薬Bは混ぜて服用しても効果はないのだ」

    不二咲「そのために2回に分ける必要があったんだねぇ」

    セレス「それなら今も持っているはずですわ」

    大神「…江ノ島よ、調べさせてもらうぞ」



    大神がボディーチェックを行い、そして…



    大神が、注射器を見つけた。



    大神「やはりそういうことか…」

    江ノ島「…………」

    一松「もう言い逃れできないぞ、江ノ島!!」




    江ノ島「…あーあ、バレちゃった」



    江ノ島「そうだよ。アタシが霧切を殺したんだよ」



    舞園「…どうして霧切さんを殺したんですか?」

    江ノ島「決まってんでしょ。モノクマに殺せと言われたのよ」

    桑田「内通者なのは否定しねーんだな…」

    江ノ島「そうよ。アタシがモノクマの内通者。これで納得したでしょ? さっさと投票しなよ」



    一松「…その前に、これまでの事件を振り返るぞ」
  370. 370 : : 2016/05/27(金) 22:52:29

    クライマックス推理 開始

    一松「これが事件の全貌だ!!」


    Act1
    一松「犯人は午前6時ごろ、学園内を調べていた霧切を睡眠薬で眠らせた」

    一松「犯人は内通者だったから、モノクマに彼女の行動を聞いていたんだろうな」

    一松「モノクマも霧切を殺したがっていたし」

    Act2
    一松「その後娯楽室のソファーに座らせ、毒薬Aを注射器で入れた」

    一松「そのときに暖房のスイッチを入れた。恐らく、いつ死んだか分からないようにするためだ」

    一松「そして注射器をテーブルに置いた。それは自殺に見せかけるためだ」

    一松「犯人はモノクマを残して部屋に出て、残ったモノクマが椅子をドアの前に置いて密室を作った」

    一松「モノクマはロッカーの中に入り、誰かが来るのを待っていたんだよ」

    Act3
    一松「それから2時間して、犯人が朝食会に参加しているみんなを呼ぶ」

    一松「そのときに自分は部屋の外にいた証明になったんだ」

    一松「そしてみんなを連れて娯楽室の前まで来た」

    Act4
    一松「最後の犯行はみんなの前で密かに行われていた」

    一松「大神がドアをぶち破った後、犯人はすぐ霧切のもとへ駆けつけた」

    一松「勿論助けるためじゃねぇ。注射器に入れた毒薬Bを入れて殺すためだ」

    一松「毒薬Bを入れられた霧切はみんなの目の前で死んだんだ」

    一松「その後犯人は使い切った注射器を手元に隠して、犯行を終えた」




    一松「一連の犯行を行った内通者は…」



    一松「江ノ島盾子!! テメェだけだ!!」

  371. 371 : : 2016/05/27(金) 22:53:01
    学級裁判の途中ですが、今日はここまでです。


    続きは明日投下します。
  372. 372 : : 2016/05/27(金) 23:07:40
    期待
  373. 373 : : 2016/05/28(土) 23:29:30
    これから学級裁判の続きを投下します。

  374. 374 : : 2016/05/28(土) 23:32:18

    江ノ島「…分かったから、サッサと投票してよ。待ちくたびれてるんだけど」

    チョロ松「…霧切さん、終わったよ。本当に疑ってゴメン…」

    舞園「これで終わりなんですね…」


    なんだ…? コイツ、死ぬのが怖くないのか? 内通者だからか?


    …待てよ? そもそも霧切は自分が殺されるのを分かっていたんだぞ。普通警戒するだろ。


    なのに、江ノ島があっさり殺せるのか? 考えられない。まるで江ノ島じゃないような…。




    …江ノ島じゃない?




    桑田「オイ、いい加減投票タイムに移るぞ」

    石丸「うむ、もう議論は尽くした!! 投票しようではないか!!」




    一松「…それは違う!!」




    チョロ松「…何言ってんの一松。もう犯人は江ノ島で決まってるよ」

    桑田「そうだって、結論は出ただろ。犯人は江ノ島だって」

    セレス「あなたが突き止めたんですよ。何が違うのですか?」

    不二咲「それに、江ノ島さんも自白しているんだよ?」

    大神「…何か気になることでもあるのか、一松よ?」


    一松(気になること…。それは…)


    江ノ島の態度
    江ノ島の犯行
    江ノ島の見た目
  375. 375 : : 2016/05/28(土) 23:33:03

    →江ノ島の見た目

    一松「これだ!!」



    一松「…江ノ島、お前の外見、雑誌と違うよな?」

    江ノ島「今更その話題? みんなからよく言われたけど、あれは雑誌用に盛ってるだけだって」


    一松「…本当にそうなのか? お前、江ノ島か?」


    チョロ松「一松、その聞き方はまるで江ノ島さんが偽者だと思ってるようだけど」

    舞園「偽者だったら、誰だと思っているんですか?」



    大神「もしや一松…、江ノ島が戦刃むくろだと思っているのか?」


    桑田「戦刃むくろって、超高校級の軍人の!?」

    石丸「ギャルと全然違うではないか!!」

    セレス「疑うからにはそれなりの根拠があるのでしょうね」


    一松(勿論だ。その根拠は当然…)


    コトダマ
    モノクマファイル4
    死体の状況
    戦刃むくろのプロフィール
  376. 376 : : 2016/05/28(土) 23:34:03

    →戦刃むくろのプロフィール

    一松「これだ!!」



    一松「…俺は戦刃むくろのプロフィールを持っている」

    不二咲「本当!? そうだとしても、どこで手に入れたの?」



    一松「…詳しくは分からない。霧切に託されたものだからな」

    チョロ松「霧切さん…」



    江ノ島「…で、そのプロフィールから何でアタシが戦刃むくろだと思うわけ?」

    一松「そのプロフィールには顔写真があるんだよ。それと今の江ノ島にはある共通点がある」

    舞園「共通点…?」


    一松(その共通点は…)


    閃きアナグラム 開始

    ○ばか○
  377. 377 : : 2016/05/28(土) 23:35:50

    そばかす

    一松「そうか、こいつだ!!」



    一松「顔写真の戦刃むくろと今のお前、どっちもそばかすがあるんだよ」

    石丸「確かに今の江ノ島君にはそばかすがあるが…」

    江ノ島「一松!! アンタ適当なこと言ってんでしょうが!!」


    一松「ついでに髪の色が違っていた。それ、カツラじゃねぇのか?」


    セレス「一松君、それはウィッグと言うのですよ」

    舞園「そういえばセレスさんも付けていましたね」


    石丸「安広君のカツラ事情などどうでもいいではないか!! それよりも江ノ島君についてだな…」


    セレス「セレスだって何度言えば分かるんだこのKY委員長が!!」

    舞園「ウィッグですよ石丸君!!」



    石丸「失礼した、舞園君にヤス…セレス君!!」

    セレス「…まあ良しとしますわ」

    一松「少し脱線したけど、どうなんだ?」

    江ノ島「何言ってんの? これは地毛だって…」


    石丸「それは触れば分かることだ!!」

    江ノ島「ちょ、何やって…」
  378. 378 : : 2016/05/28(土) 23:37:11


    石丸が隣にいる江ノ島の髪の毛がカツラ、いや、ウィッグかどうか調べるために触ろうとして…




    石丸「うぉわ!?」

    江ノ島「あだっ!?」




    石丸が江ノ島を押し倒す形になってしまった。




    江ノ島「何やってんだよ!?」

    石丸「すまない!! 僕はなんて失礼なことを…」




    大神「…江ノ島よ、どういうことだ?」

    江ノ島「は? 何の…!!」




    起き上がった江ノ島の頭部は、地毛であるはずの金髪がずれて、黒い髪の毛が見えていた。




    一松「…地毛は黒か。戦刃も髪の毛の色は黒だったんだよ」

    江ノ島「いやだから、これも雑誌用のやつで…」

    桑田「流石に怪しくなったぞ…」

    不二咲「うん、そうだね…。江ノ島さんが戦刃さんかもしれない」




    江ノ島「だから違うって言ってんでしょ!? そこまで言うなら証拠を出しなよ!!」

  379. 379 : : 2016/05/28(土) 23:39:16


    マシンガントークバトル 開始

    コトダマ
    モノクマファイル4
    大神の証言
    戦刃むくろのプロフィール


    「意味わかんない!!」

        「これで満足?」

      「盛ってるんだって!!」

              「何、これ…」

    「何言ってんの?」

        「ありえない、でしょ…」

      「アタシは参加しないからね!!」




    「アタシが戦刃むくろだって証拠はどこにあるのよ!?」
  380. 380 : : 2016/05/28(土) 23:40:41

    ←戦刃むくろのプロフィール

    一松「これで、証明だコラァ!!」



    一松「戦刃むくろだという証拠、それは右手にあるタトゥーだ」

    一松「フェンリルという傭兵集団の証として狼のタトゥーが彫られてあるんだよ」

    江ノ島「な、何よそのフェンリルとか知らないし…、それに右手とか何もないでしょ? ホラ」

    舞園「確かにタトゥーはありませんけど、ファンデーションで誤魔化せますよね?」

    石丸「ならばそれを落とせば出てくるのだな!!」

    江ノ島「だから触るなって!!」



    江ノ島の呼びかけを無視して石丸は手の甲を擦っていく。すると…




    江ノ島の手の甲に、狼の模様のタトゥーが現れた。




    石丸「…どうやら一松君の言っていたことは本当のようだな」


    大神「狼の、タトゥー…」


    一松「今度こそ、言い逃れできねぇぞ」


    江ノ島「……」




    江ノ島?「まさか、ここまでバレるなんて、絶望的…」




    そう言ってずれたウィッグに手をかけて、取る。そこから現れたのは、黒い地毛。




    顔写真に載っていた人物が今、目の前にいた。
  381. 381 : : 2016/05/28(土) 23:42:25

    一松「…お前が、戦刃むくろか」

    戦刃「そう、私が18人目の高校生、超高校級の軍人の戦刃むくろ。そして…」




    戦刃「超高校級の絶望でもある」



    舞園「超高校級の絶望って…」

    不二咲「まさか、人類史上最大最悪の絶望的事件を起こしたのって…」


    戦刃「それは違う。少なくとも私は…」


    桑田「誰が起こしたのか知ってんだな」

    戦刃「そうだよ。言う気はないけど」

    戦刃「それより投票はどうするの? みんなは私に投票するんだよね」



    チョロ松「当然だよ。お前に投票して…!?」



    セレス「…戦刃むくろの名前がない。いえ、明らかになったのは今だから当然ですわ」



    石丸「ど、どうすればいいのだ!?」




    モノクマ「はい、タイムアップです」
  382. 382 : : 2016/05/28(土) 23:43:13


    一松「どういうことだ? 今までそんなもの無かっただろうが」



    モノクマ「あのさぁ、霧切さんを殺したクロは分かったんでしょ? これ以上は時間の無駄だよ」

    モノクマ「オマエラ、お手元のスイッチで投票してください!!」



    桑田「ちょっと待てよ!! 戦刃はどのスイッチなんだよ!?」


    モノクマ「嫌です!! 待ちません!!」


    舞園「この場合、江ノ島さんのスイッチを押せばいいんですか?」


    不二咲「だけど、犯人は戦刃さんだよねぇ?」


    チョロ松「ど、どうすれば…」



    一松(投票するのは…)


    江ノ島と書かれたスイッチ
    何も書いてないスイッチ
    何も押さない
  383. 383 : : 2016/05/28(土) 23:44:24


    →何も書いてないスイッチ

    一松「これだ!!」



    一松「みんな!! 何も書いてないスイッチを押せ!!」


    石丸「な!? だが、本当にそれで…」


    一松「いいから!! 時間がないぞ!!」


    大神「…!! 皆よ、一松の言う通りにするのだ!!」


    桑田「…っ!! こうなりゃ賭けだ!!」


    セレス「後は天に祈るのみ…」


    不二咲「お願い…」




    モノクマ「果たして、結果はどうなんだぁぁあああ!!?」




        VOTE

    戦刃  戦刃  戦刃


    学級裁判 閉廷
  384. 384 : : 2016/05/28(土) 23:44:57
    これで4章の学級裁判は終わりです。

    明日に4章の残りを投下します。
  385. 385 : : 2016/05/29(日) 23:30:58
    お待たせしました。

    それでは続きを投下します。
  386. 386 : : 2016/05/29(日) 23:31:45


    モノクマ「……」


    チョロ松「戦刃って出ている…」


    舞園「…もしかして」




    モノクマ「…うぷぷ、まさか正解するなんてね。今度こそダメだと思ったよ」




    モノクマ「その通り!! 霧切響子さんを殺したクロは、戦刃むくろさんでした!!」




    桑田「…戦刃で、正解なのか?」


    不二咲「もし、江ノ島さんに投票していたら…?」



    モノクマ「その場合、不正解でオマエラ全員オシオキだったよ」


    石丸「な…!?」




    モノクマ「オマエラ、一松クンに感謝しなよ!! 彼が気付かなかったら正解にたどり着かなかったからね!!」


    一松「悪趣味な罠仕掛けやがって…」


    セレス「…ギリギリで、踏みとどまったのですね」
  387. 387 : : 2016/05/29(日) 23:34:11


    戦刃「…すごいね、無理だと思っていたよ」


    舞園「霧切さんを殺したのは、モノクマの命令だったのですか?」


    戦刃「その通り」


    一松「…黒幕を探していたから?」


    戦刃「それもあるけれど、もっと大事な理由がある。だけど、それ以上は言えない」


    大神「ならば1つだけ聞きたいことがある」


    戦刃「…言っておくけど、超高校級の絶望という肩書きについては答えられないから」


    大神「我が聞きたいのはそこではない。我らの体に、何をした?」


    戦刃「…答えてもいい? モノクマ」


    モノクマ「…それぐらいならいいか。どんな反応するか楽しみだしね」


    戦刃「分かった。モノクマからの許可も得たから話すね」




    戦刃「あなたたちの体にしたこと。それは…、記憶を奪ったこと」


    チョロ松「記憶を、奪った…?」



    戦刃「詳しく言うと、私たちは初対面じゃない。2年間一緒に過ごしてきたクラスメイトだった」



    戦刃「モノクマはその2年間の記憶を奪ったの」

  388. 388 : : 2016/05/29(日) 23:35:15


    石丸「僕たちは、クラスメイトだった…?」


    桑田「それじゃ、オレらはクラスメイトで殺し合っていたのかよ!?」


    舞園「そ、そんな…」


    モノクマ「うぷぷ、そうだよ!! オマエラは2年間一緒にいたのに、記憶を失っただけで殺し合うもん!!」


    モノクマ「あまりにも滑稽で笑っちゃったよ!!」




    モノクマ「それよりも忘れてない? オシオキのこと。もちろん戦刃さんも分かってるよね?」


    戦刃「分かっているよモノクマ。それじゃみんなとはここでお別れだね」


    不二咲「…戦刃さん、僕たちはクラスメイトだったんだよね?」


    戦刃「…うん、そうだよ」


    不二咲「それは、戦刃さんも一緒なんだよね?」


    戦刃「もしかして、私の心配をしているの?」


    不二咲「うん、そうだよぉ。内通者でも、クラスメイトが死ぬところなんて…」


    戦刃「…優しいね、ここまで生き残れたのが不思議なくらい。1つだけ不二咲君にアドバイスを言うね」
  389. 389 : : 2016/05/29(日) 23:35:45


    戦刃「この先は不二咲君にとってつらいことがあるかもしれない」



    戦刃「絶望の私が言うのもおかしいかもしれないけど、どんなことがあっても前を向いて…」




    戦刃「…希望を捨てないで」


    不二咲「戦刃さん…」




    モノクマ「それでは、今回は超高校級の軍人である戦刃むくろさんのために」


    モノクマ「スペシャルなオシオキを用意しました!!」


    モノクマ「それでは張り切っていきましょう、オシオキターーーーーーーーーイム!!」




    戦刃「みんな、それじゃあ…、またね」




    イクサバさんがクロにきまりました
    オシオキをかいしします
  390. 390 : : 2016/05/29(日) 23:36:05


    超高校級の軍人 戦刃むくろ グングニルの槍ハリセンボン級


    モニターに映し出されたのは、金網に囲まれている闘技場らしき舞台の中央に立っている戦刃だった。

    そのとき、地面から、壁から、天井からあらゆる方向から槍が飛んでいく。

    その槍の大群を戦刃は躱し続ける。時には突き刺さった槍を拾い、降ってくる槍を弾く。

    槍が降り終わったころには…、息を切らしながらも立ち続けた戦刃がいた。

    そのとき、正面から槍が戦刃に向かって発射された。

    あの無双ぶりから、躱すだろうと思ったそのとき、戦刃はその槍に貫かれた。

    どうも脇腹を貫かれたようだ。そのまま戦刃は地面に倒れた。

    そこで、モニターの映像が途切れた。

  391. 391 : : 2016/05/29(日) 23:36:50


    モノクマ「えくすとりぃいいいいいいいむ!! これぞ醍醐味!!」


    不二咲「…戦刃さん、忘れないよ」


    大神「不二咲、お主はやはり強いな…」


    一松「………」



    …何だ、このオシオキは? 他のと比べて、何かおかしい…。けど、それが何かは分からない。



    一松「これで終わりだろ? もう帰るぞ」


    モノクマ「えーもう帰るの? せっかく今回の裁判を乗り越えたプレゼントをあげるのに」


    チョロ松「お前からのプレゼントなんて嫌な予感しかないんだよ!!」


    モノクマ「またまた御冗談を。はい、これがプレゼントだよ」


    そう言い終わると、俺の後ろから煙幕が現れ、何かが乗っている台座が現れた。



    その台座の上にあったものとは…





    スクラップにされた古いノートパソコンだった。

  392. 392 : : 2016/05/29(日) 23:37:44


    一松「ま、まさか…」


    不二咲「あ、ああぁああ…」


    モノクマ「そう!! あのガラクタはオマエラが愛してやまないアルターエゴクンです!!」


    モノクマ「あんな三文芝居にボクが気付かないわけないでしょ?」


    モノクマ「ねえどんな気持ち? 希望とか言っていたものがズタボロにされたのはどんな気持ち?」


    不二咲「嘘だよ、そんな…」


    不二咲は壊されたアルターエゴの近くに寄り添う。その目から出る涙は頬を濡らした。



    桑田「どういうことだよ!? ここについて調べるのは自由だろーが!!」


    モノクマ「あのさぁ、自由にも限度があるよ。パソコンの中のファイルを見るのはいいけどさ…」


    モノクマ「ネット回線に繋いで助けを呼ぶのは大問題だよ!! だからそれなりの報復だよ」


    石丸「自分勝手すぎるぞ!!」


    モノクマ「ここではボクがルールだから問題ないの。さて、不二咲クン…」




    モノクマ「キミにもそれなりの罰が必要だよね…」


    モノクマは不二咲に対して爪を向ける。
  393. 393 : : 2016/05/29(日) 23:38:18


    舞園「まさか…」


    モノクマ「そう、そのまさかさ!!」


    モノクマは不二咲目掛けて自分の爪を飛ばした。




    石丸「不二咲君!! 今すぐよけるんだ!!」


    不二咲「え、あ…」


    当の不二咲は体がすくんだのか、動こうともしない。



    一松「不二咲ぃぃいいいいいいいいいい!!!!」




    ドスッ



    モノクマが飛ばした爪が、何者かに刺さった。それは…




    不二咲「あ、ああああ…」




    不二咲ではなく…







    大神「ぶ、無事なのだな、不二咲…、ごふっ!!」




    不二咲をかばった大神だった。

  394. 394 : : 2016/05/29(日) 23:39:00


    舞園「お、大神さん!!」


    石丸「大神君!! しっかりするんだ!!」



    不二咲「大神さん!!」


    大神「守り通せて、良かった…」


    不二咲「良くないよ!! だって…」


    大神「いいのだ。我は大和田に命を救われた恩がある。その恩を、ようやく返すことが出来た…」


    不二咲「駄目だよ!! 大神さんも生きてよぉ!! もうこれ以上、死ぬのは見たくないよぉ…」


    チョロ松「不二咲くん…」



    セレス「…モノクマ、大神さんを助けなさい」


    モノクマ「は? 何で助けなきゃいけないのさ?」


    セレス「あなたは本来不二咲君を罰するはずだったのに、実際には大神さんが受けてしまった」


    セレス「お分かりですか? あなたは大神さんを罰することはできないのですよ」


    モノクマ「ごめん、何言ってるか分かんない」


    セレス「…いいから大神を助けろって言ってんだよ!!」


    モノクマ「分かったようるさいなぁ。殺人ドクターの異名を持つボクに任せてよ」


    チョロ松「殺してんじゃねーか!!」


    モノクマ「それじゃ、大神さんはボクが責任を持って治しますので、さっさと部屋に戻って寝ろ!!」

  395. 395 : : 2016/05/29(日) 23:39:35


    セレス「…というわけで、部屋に戻りましょう」


    不二咲「ありがとう、セレスさん」



    セレス「別に大したことはしていませんわ、何故ならわたくしたちは、…クラスメイトですもの」



    セレス「あと一松君、あなたはモノクマを倒して100億とればいいと言っていましたよね?」


    一松「言ったけどそれがどうしたの?」




    セレス「…その案、わたくしも乗らせていただきますわ」


    桑田「マジかよ!?」


    舞園「ありがとうございます!! セレスさん」


    セレス「…あくまでもその方がいいと思ったまでですわ」


    石丸「今度こそ一致団結だ!! みんなの力を合わせてモノクマを倒すぞ!!」


    チョロ松「気持ちは一緒だけど、声に出すのはちょっと…」


    石丸「そ、そうか…。まだ早かったか」


    俺たちは心を1つにして、部屋に戻った。

  396. 396 : : 2016/05/29(日) 23:40:22

    <脱衣所>



    一松「……」


    俺は、霧切が遺した手紙を脱衣所で見ていた。


    その手紙の内容は、あまりにもふざけたものだった。




    『松野一松君へ

     この手紙を読んでいるころ、私は恐らく死んでいるでしょうね。

     何故他でもないあなたに託したか、それはあなたがこの中で一番私に近いからよ。

     皮肉屋でネガティブなことばかり話すとあなたの兄は言うけど、それとは違う一面もある。

     あなたは現実的に物事を見すぎているだけで、本当は優しいということ。

     だからお願い。もし私が死んだら、あなたがこのコロシアイを打ち破って。

     あなたならきっとこの暗い道を切り開けると信じているから。

    霧切響子より

     P.S.
     手紙の中にある鍵はあらゆる扉を開けることが出来るマスターキーよ。

     モノクマの正体を突き止めるのに有効に活用して。                    』

  397. 397 : : 2016/05/29(日) 23:41:24


    一松「…何だよこれ、ふざけんなよ」




    一松「分かった風な口聞きやがって!!」




    俺が切り開く? 無理に決まってんだろ。 前に出ることすらできないゴミクズだぞ?




    一松「荷が重いんだよ…」


    そんなの潰されるに決まってる。だから…




    一松「…少しだけだ、ここを出るまでだからな」


    一松「お前の頼み、聞き入れてやるよ」




    俺は決意する。これ以上誰も欠けずにこの学園を脱出すること。そして…



    一松「覚悟しろよ、テメェの間抜け面を拝ませてもらうぜ…」



    一松「江ノ島盾子ぉ!!!」




    俺をその気にさせたことを後悔しろ、江ノ島盾子。

  398. 398 : : 2016/05/29(日) 23:42:02


    <???>



    情報処理室ではないどこか。


    そこでモノクマが話しかけている。



    モノクマ「…もうコロシアイは起きないけど、十分だよ」



    モノクマ「何せここまでボクの予想通りだもんね」




    モノクマ「それにしても楽しみだなあ。アイツラが真実を知ることが…」




    モノクマ「この絶望の学園の真実を…」





    モノクマ「…あ、そうだ。ボクのこれからの予想を話しちゃおうか」





    モノクマ「まあ予想というよりは、予言だね」





    モノクマ「そんな顔しないで聞いてよ。 ボクの予言はね…」






    モノクマ「どんなことがあっても必ず事件は起こる。そして…」






    モノクマ「その学級裁判では見事に間違えるんだよ!!」






    モノクマ「だからそのときが来るまで楽しみにしているよ、オマエラ!!」

  399. 399 : : 2016/05/29(日) 23:42:50


    CHAPTER4 オール・オール・ハイド END

    コロシアイ学園生活参加者

    松野チョロ松
    松野一松
    【 苗木誠 】 DEAD
    石丸清多夏
    【 十神白夜 】 DEAD
    【 大和田紋土 】 DEAD
    桑田怜恩
    【 山田一二三 】 DEAD
    【 葉隠康比呂 】 DEAD
    舞園さやか
    【 霧切響子 】 DEAD
    【 朝日奈葵 】 DEAD
    【 腐川冬子 】 DEAD
    大神さくら
    セレス
    《 江ノ島盾子 》 UNKNOWN
    不二咲千尋
    【 戦刃むくろ 】 DEAD

    残り9人?
  400. 400 : : 2016/05/29(日) 23:43:18
    以上で4章は終わりです。

    次の投下は未定です。
  401. 401 : : 2016/05/31(火) 20:53:03
    これから5章日常編を投下します。

    この章はチョロ松視点で進行します。


    また、この章から著しい独自設定、捏造が含まれています。

    それでもOKという方はどうぞお楽しみください。
  402. 402 : : 2016/05/31(火) 20:53:50


    CHAPTER5 疾走する青春の絶望カリスマレジェンド (非)日常編




    コロシアイ学園生活 20日目




    <食堂>



    石丸「それでは、本日の朝食会を始める!!」


    今日は治療中の大神さんを除いて、全員が参加していた。



    セレス「朝食会が終わったら、早速調査に入りますわ」


    舞園「セレスさん、やる気マンマンですね」


    桑田「俺も負けてらんねーな」


    一松「大丈夫か、不二咲?」


    不二咲「うん、落ち込んでばかりもいられないから…」


    チョロ松「くれぐれも、無理はするなよ」


    残ったのは大神さんを入れても8人。ついに残り半分を割った。


    もう、これ以上死なせるわけにはいかない…!!

  403. 403 : : 2016/05/31(火) 20:55:05


    <5階 植物庭園>



    今回開放されたのは5階だ。上に続く階段がなかったから、ここが最上階だろう。


    5階には植物庭園、武道場、生物室があった。生物室は開かなかったけど…。



    チョロ松「ここは見取り図通りなんだな…」


    桑田「チョロ松、こっち来てくれよ」


    チョロ松「何かあるの?」



    桑田くんに連れてこられたのは飼育小屋だった。そこには6羽のニワトリがいた。


    チョロ松「トサカの色が違う。赤、青、緑、紫、黄、桃…」


    これ、うちの兄弟の色分けだよな? なんか作為的なものを感じるんだけど。


    桑田「しかも行動が面白いんだよな。笑えるだろ?」


    チョロ松「…笑えない」


    だって…




    赤→グータラしている

    青→何かカッコつけている

    緑→大人しいけどどこか挙動不審

    紫→隅っこにひっそりといる

    黄→激しく動き回る

    桃→身だしなみを整えているし、何かあざとい




    チョロ松「うちの兄弟とダブって見えて怖い…」


    桑田「オメーの兄弟そんな感じかよ」


    チョロ松「それよりも怖いのはニワトリに完コピさせてるところだけど」


    何このミステリー!? 怖いんだけど!!
  404. 404 : : 2016/05/31(火) 20:56:10

    そのとき、石丸くんが僕のところに来た。


    石丸「チョロ松君、こっちに来てくれたまえ」


    桑田「モテモテだなチョロ松」


    チョロ松「…何か違う」



    石丸くんが連れてきた場所は物置小屋だった。


    石丸「僕は、とんでもないものを発見してしまったのだ!!」


    石丸くんは1つのツルハシを見せてくれた。その柄の部分には…



    『暮威慈畏大亜紋土』



    と書かれていた。これって…


    チョロ松「大和田くんのチームの名前だよね? なんでこんな所に…」



    石丸「あくまでも仮説だが、これは兄弟の私物かもしれない」


    チョロ松「そうか、2年間の間に…」


    石丸「チョロ松君や一松君が見つけた写真もその間に撮影したのだろうな」


    あの写真は本物だった。ということは、みんなで学園生活を過ごしてきたんだ。


    僕はモノクマへの怒りが高まった。僕たちの思い出を奪いやがって…。



    一松「チョロ松、ちょっといい?」


    チョロ松「あぁん!?」ギロッ


    一松「え、俺何かした…?」


    チョロ松「あ、ゴメン。モノクマに対して腹が立っていたから…、それで何の用?」


    一松「俺、教室を見て回ったけど、そのうちの1つが…、見れば分かるよ」

  405. 405 : : 2016/05/31(火) 20:57:25


    <5階 教室5-C>



    チョロ松「な、何だよこれ…」




    そこは、荒らされた教室と床や壁や天井などあらゆるところに残っている血痕があった。




    一松「もしかしたら“人類史上最大最悪の絶望的事件”に関係しているかもしれない」


    チョロ松「それって1年前の…、記憶がないときに起きた事件だよね?」


    一松「ああ、ここは他と違って1年前と同じ状況にしたのかもしれないな」


    モノクマ「その通りです!! 勘がするどいね!!」


    モノクマ「ここは“人類史上最大最悪の絶望的事件”の始まりの場所でもあるんだよ!!」


    一松「ここで起きた大量虐殺をきっかけに事件が発生したんだな。いや、それを引き起こしたのは…」




    一松「テメェだろうが!! 江ノ島盾子!!」




    モノクマ「へ? ボクが江ノ島さん? やだなぁ、冗談はよしてよ」


    一松「とぼけたって無駄だぞ。戦刃は江ノ島に変装していた。だったら、本物の江ノ島はどこにいる?」


    チョロ松「…黒幕として動いているのか!!」


    一松「覚悟しろよ。テメェの化けの皮剥がしてやる…!! そのときまで待っていろ」


    モノクマ「…オマエがそう思うんだったらそうなんだろうね、オマエの中ではね!!」


    モノクマ「まあ、くだらない妄想は個人の自由だし、勝手に考えなよ!! それじゃあね~」



    一松「何が妄想だ。ボケ、殺すぞ」


    チョロ松「…一松、何か雰囲気変わってない? 黒い手袋するようになったし…」


    一松「まあね。こんなゴミの俺に託すバカがいたからさ。少しでも期待に応えようと思って…」


    チョロ松「一松…」


    一松「とりあえずここから出ようよ。一分一秒もいたくない」


    チョロ松「そうだね。食堂でみんなと合流しよう」
  406. 406 : : 2016/05/31(火) 20:58:49



    <食堂>



    僕たちが食堂に戻ると、他のみんながいた。けど、知らない人がいる。



    「会いたかったぞ、チョロ松に一松よ」


    チョロ松「えっと、どちら様でしょうか?」




    その人は日焼けした肌で長い銀髪、あちこちに古傷がある。それなら大神さんだろうけど…


    何て言うか…、筋肉の量が違う。大神さんは格闘家らしく男と見間違うほど鍛え上げていたのに…。


    目の前にいる女性は大柄ではあるが美少女と言っても差し支えない体つきだった。




    一松「もしかして、大神?」



    大神「…そうだ、恥ずかしながらな」



    チョロ松「…えええぇぇぇえええええええっ!!?」


    桑田「気持ちは分かる。スゲー分かる」

  407. 407 : : 2016/05/31(火) 20:59:41


    大神「モノクマの爪には毒が塗られていてな、どうやら中学時代にまで筋肉の量が衰えてしまったようだ…」


    不二咲「大神さん、僕のせいで…」


    大神「気に病むことはない。生きているだけで十分だ」


    石丸「だが大神君、君は懸命に鍛え上げた肉体が衰えてしまったんだぞ!! ショックではないのかね?」


    大神「そうだな、驚くには驚いたが、…後悔はない」


    大神「それに前向きに考えるならば、今の状態から別の鍛え方を模索するのもいいだろう」



    大神「…あの男を超えるためにな」


    舞園「大神さん、目標としている人がいるんですか?」


    セレス「地上最強の生物と言われているあなたが?」


    大神「そうだ。名はケンイチロウと言ってな、我が認めるライバルなのだ」


    桑田「だけど今の地上最強は大神だよな? そのケンイチロウってやつはどうなったんだよ?」


    一松「もしかして…」


    大神「心配するな。今もあやつは闘っている。…病気とな」


    チョロ松「病気?」
  408. 408 : : 2016/05/31(火) 21:00:23

    大神「心臓に病を抱えているのだ。ケンイチロウが全快するまでの間、地上最強の座は我が預かっている」


    不二咲「…大丈夫かなぁ? 2年も経っているから…」


    大神「あやつが死ぬはずない。我はそう信じている」


    石丸「そうだとも!! 信じなければ何も始まらない!! ならば友好を深めるためにもまずは風呂だ!!」


    一松「それじゃ、先に入るか」


    チョロ松「行こう。汗も流したいし」




    男子が浴場に向かった後…


    舞園「それにしても大神さんって、やっぱり女の子なんですね」


    セレス「逆にどうしたらあのような肉体になるのか不思議ですわね」


    大神「…少し照れるな///」



    舞園「そういえば今は男子が入浴中ですよね? …覗いてみませんか?」E:女のロマン


    セレス「そうですわね。あのときのお返しというわけですね」E:女のロマン


    大神「…止めても聞かぬのだろう。我も参加しよう」E:女のマロン


  409. 409 : : 2016/05/31(火) 21:00:54


    <脱衣所>



    舞園「そういえば、不二咲君はまだスカートを履いていますよね?」


    セレス「衣服だけ見れば1つだけ女物…、犯罪の臭いしかしませんわね」


    大神「それよりも我が気になるのはチョロ松たちの制服なのだが…」


    舞園「…“F6用制服”?」


    大神「6は六つ子だとして、Fはどこから来たのだ?」


    セレス「1つの謎、ですわね」


    舞園「…本題を忘れていました。早速覗いてみましょう」


  410. 410 : : 2016/05/31(火) 21:02:10



    <大浴場>



    僕たちは背中を洗いっこしている。成人男性が何やっているんだとも思うが、子供のころからの癖である。


    石丸「相手の背中を流し、自分も背中を流してもらう!! いい友情ではないか!!」


    一松「別に意識してやってるわけじゃないし。ガキの頃からやってただけだし」


    不二咲「でもこういうのいいよね。僕、こんな体験初めてだよぉ」


    チョロ松「……」←不二咲の背中を流している


    桑田「どうしたチョロ松?」


    チョロ松「…いや、何でもない」


    一松「興奮した?」


    チョロ松「するか!!」




    石丸「それではこれからサウナに入る。サウナに入ると兄弟と我慢比べしているように感じるのだ!!」


    一松「一々宣言しなくていいから。静かに入ってくんない?」


    石丸「そうだな。失礼する」ガララッ

  411. 411 : : 2016/05/31(火) 21:03:13


    不二咲「チョロ松君、いつも兄弟と一緒に銭湯に行くの?」


    チョロ松「そうだね。風呂上りにコーヒー牛乳を買って飲むのがいいんだよ」


    桑田「あー、分かる。風呂上りの牛乳ってなんか美味いんだよなぁ」


    不二咲「…こんな雑談、2年間過ごしてきた間にたくさんあったんだろうねぇ」


    桑田「そうだな。早いとこモノクマ倒して、記憶も取り戻さないとな」


    一松「ああ、そのためにも情報を集めないと…」



    ガララッ



    チョロ松「石丸くん、どうし…」


    石丸?「あァ? 石丸だぁ? それはどこのどいつだ?」
  412. 412 : : 2016/05/31(火) 21:04:07

    一松「…まさか、またアレになったのか?」


    桑田「いつもサウナから出るとああなるんだよな…」




    石田「オレは石丸と大和田を合わせて石田だぁ!!!」



    石田「感じるんだよ… オレの魂に兄弟が宿っているのを感じるんだよ!!」



    石田「オレは、オレなんだぁあああああああ!!」




    チョロ松「桑田くん、急いで冷水を持ってきて!!」


    桑田「分かった!! つーか、どんなメカニズムだよ…」


    一松「下手したら女になるかもよ?」


    不二咲「もはやオカルトだよぉ…」


  413. 413 : : 2016/05/31(火) 21:04:55


    <脱衣所>



    大神「…すごいものを見たな」


    セレス「ええ、まさか石丸君がああなるとは…」


    舞園「そろそろ出そうですし、退散しましょう」




    ~数分後~



    桑田「イインチョー、サウナから出るたびに変わるの何とかしてくれよ…」


    石丸「すまない!! だが、何故変わるのか記憶にないんだ」


    一松「サウナに入るのをやめたら?」


    石丸「それは無理な相談だな!!」


    チョロ松「だろうね。そう言うと思ったよ」


    不二咲「…誰かいなかった?」


    一松「気のせいだろ」

  414. 414 : : 2016/05/31(火) 21:08:42
    今日は短いですがここまでです。

    初ssですが、期待してくれている人たちのためにも完結目指して頑張ります。
  415. 415 : : 2016/06/06(月) 20:46:36
    お久しぶりです。

    少しばかり体調を崩していました。

    短いですが投下します。
  416. 416 : : 2016/06/06(月) 20:47:23


    コロシアイ学園生活21日目




    <食堂>



    今日の朝食会は全員揃って…、とはいかなかった。



    石丸「一松君が欠席だと…?」


    セレス「しかも、モノクマにも分からないそうですわ」


    大神「一松よ、一体どこに行ったというのだ…?」


    一松…、なんでいないんだ?



    桑田「…チョロ松、ちょっと脱衣所に来てくれないか?」


    チョロ松「うん、分かった」


    どうしたんだろう、桑田くん…?


  417. 417 : : 2016/06/06(月) 20:48:24


    <脱衣所>



    チョロ松「話って何?」


    桑田「…一松がいないんだろ? もしかしたら、あそこかもしれない」


    チョロ松「一松がどこにいるか知ってるの!?」


    桑田「詳しくは知らねーけどな。昨日の夜、一松に頼まれたんだよ。何でもいいからモノクマを引きつけろって」


    チョロ松「どうしてそんな頼みを…」


    桑田「一松によるとな、黒幕はモノクマの操作とオレたちの監視は同時に出来ないらしいんだ」


    そういえば大神さんが見た情報処理室の扉の奥、あそこでモノクマを操作していたとすると…


    チョロ松「そうかもしれないね…」


    桑田「それでオレが引きつけている間に鍵が何なのか調べるらしいんだよ」


    チョロ松「その鍵って…」


    桑田「どうも霧切に託されたらしくてな、一松はその鍵でモノクマの目が届かない場所に行ったんじゃないか?」


    一松は、霧切さんに後を任されたんだな…。


    チョロ松「一松については分かった。それで、桑田くんはどんなことでモノクマを引きつけたの?」


    桑田「別に大それたことはしてないぜ。何が目的なのか、お前の正体は何なのかぐらいだな」


    桑田「正体についてははぐらかされたが、目的は絶望を感じてもらいたいだとよ」


    戦刃さんが超高校級の絶望と言っていたから、絶望させるのが目的なんだろうな。
  418. 418 : : 2016/06/06(月) 20:48:59



    桑田「しかもアイツ、妙なことを言ってたよな…」


    チョロ松「妙なことって?」


    桑田「何でも、この学園には絶望しかない、希望なんてのは上っ面だけだって」


    桑田「希望ヶ峰学園なんて名前にはふさわしくないって言ったんだよ」


    希望ヶ峰学園にはふさわしくない…?


    桑田「いつもは冗談めいたこと言ってたけど、そのことだけはガチで言った感じだったな…」


    チョロ松「そうなんだ、ありがとう桑田くん」


    桑田「いいって、…チョロ松、お前大丈夫か?」


    チョロ松「え? 何が?」


    桑田「オメー顔色悪いぞ。体調崩してんだろ?」


    チョロ松「そうかもしれない…。一松がいないからかな?」


    桑田「オメーは早く部屋に戻って寝ろ。一松なら無事さ」


    チョロ松「そうだね。部屋に戻らせてもらうよ」



  419. 419 : : 2016/06/06(月) 20:49:42


    <チョロ松の個室>




    チョロ松「う…、うぅ…」



    気分が悪い。なんで…?




    ???『何出ようとしてんだよ、チョロ松』


    だ、誰…?




    ???『分かってんだろ、外がどんなことになってるのか…』


    誰なんだよ、お前…。




    ???『お前がやることはここに残ることだよ。自分で決めたことだろ?』


    何言ってんだよ…、そんなの知らないよ。




    ???『…本当に出たいのか? 後悔しても知らないぞ?』


    お前に、言われなくても…、後悔するか!!




    ???『そうか、だったら俺から言うことは何もねぇよ。だけど、これだけは約束してくれ』




    ???『絶対に死ぬなよ、チョロ松』

  420. 420 : : 2016/06/06(月) 20:50:04




    チョロ松「…兄さん?」


    何だったんだ、今のは? 気になって目を開けると…




    ???「……」




    覆面をして白衣を着た誰かが、ナイフを持って…、僕を殺そうとしている。




    チョロ松「うわぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!?」




    …僕はどうなった? まさか、死んだのか?



    恐る恐る僕は目を開けた。すると…、




    一松「……」




    いち…、まつ…?


  421. 421 : : 2016/06/06(月) 20:51:06
    短いですが今日はここまでです。
  422. 422 : : 2016/10/09(日) 07:12:58
    期待してます!頑張って下さい
  423. 423 : : 2017/03/17(金) 21:22:17
    更新まだですか?
  424. 424 : : 2017/08/29(火) 15:38:31
    作者さん私生活が忙しいのかな?
    更新気長に待ってます
  425. 425 : : 2017/10/10(火) 17:45:09
    二期始まったし作者さんのモチベ上がらないかな
    更新がもう無理ならせめて黒幕知りたい・・・
  426. 426 : : 2017/10/29(日) 23:31:07
    更新まだかな
  427. 427 : : 2018/07/07(土) 23:12:56
    ついに二期も終わり年が明けてしまったか
    諦めるしかないか…
  428. 428 : : 2019/10/13(日) 17:58:53
    生き残り組がクロだったのはすごいな。
  429. 429 : : 2020/03/13(金) 16:33:05
    こちら2020年作者さん生きてるか?!

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