このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
異能と無能
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- 1 : 2016/04/06(水) 14:24:25 :
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この世では異能と呼ばれる特殊な能力を持ったものがいる。
5人に1人。いや、それ以上かもしれない。
能力を持っているにしてもずば抜けているわけでもない。
どんなに強い能力を持っていても銃で撃たれたりナイフなどで刺されるとイチコロだ。
そして能力のない無能の人。要するに一般人だ。
能力のあるものはそれを国のために使うか自分の私利私欲に使うか。あるいはまた別か。
人それぞれ使い方は違うだろう。
1人の少年は異能の力に目覚めた。
その少年は10歳で自警団に入る。
その五年後突如少年は消えた。
同じ年の男と女を連れて……。
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- 2 : 2016/04/06(水) 14:40:37 :
「はぁ〜〜。暇だなぁ。暇すぎて禿げそうだ」
ソファにもたれかかりだらんと腕を下げながら少年は言う。
「エレンはいつも同じこと言うんだから…」
金髪の少年は最後に小さく溜息を吐き呆れたようにエレンを見る。
エレン「うるせぇ。仕方ねぇだろ?依頼来ねぇし。ミカサも帰ってこねぇし」
今度は横になり始める。
「今ミカサが必死に探してくれてるよ。その依頼をね」
エレン「アルミンは何してんだ?」
アルミン「本を読んでる」
エレン「よく読めるよな…俺なんて最初の目次で読む気無くすぜ?」
アルミン「いくら何でも早すぎだって…」
ガチャっとドアが開く。サラサラの黒髪を耳にかけ入ってくる。
エレン「普通に入ってこいよミカサ」
ミカサ「かっこいいでしょ?」
無表情のままその言葉を発すると何とも言えない違和感がある。
エレン「はぁ…。それであったのか?」
ミカサ「まぁ、一応」
アルミン「どんなの?」
ミカサ「チンピラ退治」
エレン「用心棒代わりってとこか?」
ミカサ「えぇ。あるカフェによく来るらしい。そこの店主はあまり手荒な真似をしたくないらしくて。」
エレン「へぇ…。」
アルミン「じゃあ僕は準備してくるよ。」
エレン「んじゃ、俺はいつも通り先行ってるぞ〜」
ミカサ「私も行く」
エレンはパーカーを羽織り部屋を出ていく。その後をミカサが真似をしているのかパーカーを羽織り出ていく。
アルミン「…まったく。あの2人は…」
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- 3 : 2016/04/06(水) 15:31:22 :
- 期待しよう
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- 4 : 2016/04/06(水) 17:12:09 :
エレン「それでどんなとこなんだ?」
ミカサ「カフェ“タイタン”ってところ」
エレン「…??」
頭の上にハテナが見えるくらいわからない顔をするエレン。
ミカサ「…いつも聞いてもわからないんだから聞かなくて大丈夫。」
エレン「なんでだよ!捜査の基本だろ!」
ミカサ「捜査じゃない。用心棒」
エレン「くっ…!」
エレン「見てろよ!俺が全員倒してやるからな!」
ミカサ「そう。頑張って」
ミカサの表情は無表情のままだが言葉には優しさがある。
エレンは敵視してるようにしているがいつものことで恨んですらいない。
この2人はこういうコミュニケーションしかとれない。
ミカサ「あ、ついた。あれ」
指を指す方向を見るとタイタンと書かれた看板が見える。
何年も使っているのか汚れが目立つ。
エレン「…甘い飲み物あると思うか?」
ミカサ「えぇ。あると思う」
エレン「よし!じゃあ先に飲みに…」
エレンが何かを言いかけた途端、カフェの窓から椅子が飛び出てくる。
エレン「……」
ミカサ「既に来ているみたい」
エレン「……」
ーーーーーーー
ーーーーーー
チンピラ「いい加減この店を俺らにくれって、な?」
リーダーであろう男はカウンターに肘をつき店主を見る。
他の4人は椅子に座りニヤニヤと笑っている
「お断りだ。誰がお前らみたいな気持ちの悪いやつに渡さなきゃなんねぇんだよ。もっとましな顔になってから来な。」
ここの店主であろう女はビビるどころか相手を煽っている。
チンピラ「あんま調子乗ってると痛い目見るぞ?“無能”風情が」
「はっ。異能持ってることがそんなに凄いって?珍しくもないくせに威張るなんてそのへんの子供と同じだな」
ニヤッと笑い相手を嘲笑う。
チンピラ「おい。やれ。」
他の4人は店の机を蹴り、椅子を投げる。
窓に向かって飛んだ椅子は窓を割り外に出る。
「ちっ。なんで私がこんな役を…。」
バタンと勢いよくドアが開ける音がする。
エレン「…全員殺していいのかミカサ」
ミカサ「えぇ。いつも通り行こう」
2人の“用心棒”の目は獲物を狩る化け物になっていた。
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- 5 : 2016/04/06(水) 18:36:48 :
- 期待
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- 6 : 2016/04/06(水) 19:02:19 :
- 期待
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- 7 : 2016/04/06(水) 19:38:11 :
チンピラ「殺す?お前らが?俺らを?ハハハ!面白い冗談言うじゃねぇか!」
「ガキは家で寝てろよ」
チンピラの1人が近づいてエレンの頭を撫でる
エレン「…こういう大人にはなりたくないよな。ミカサ」
ミカサ「そうね。」
「生意気言ってんじゃねぇよ!糞ガキがぁ!!」
男は振りかぶるエレンを殴ろうとする。
バキッ!
当たった。手加減なんてしていない。
「俺の異能は“筋力の強化”だ!まだ子供のお前は…」
おかしい。何故こいつは立っている?何故俺の手は“燃えて”いるんだ?
「ああああああ!!!手が!!手がぁ!!!!」
床にのたうち回る。
エレン「気安く触ってんじゃねぇよ。クソ野郎が」
チンピラ「こいつも異能使いかよ!おい!水持ってこい!」
エレン「残念だな。俺の炎は消えやしない。」
エレン「俺の力は何者にも消せやしない。消せるのは俺だけだ」
チンピラ「ちっ!おいお前…ら…」
ミカサ「ごめんなさい。あまりにも弱すぎてあとの3人殺した。」
少女の周りに広がる血。後ろには3人の男が積まれている。
チンピラ「なんなんだよ!こんな話聞いてねぇよ!」
「(エレンってやつの異能はわかったが、ミカサってやつのがわかんねぇな。)」
チンピラ「(逃げるしかねぇ!今ドアまで走れば逃げられる!)」
体をドアに向け足を出そうとする。
が、
アルミン「それは出来ないよ。」
チンピラ「いつの間に…」
心臓にナイフが刺さり男は息絶えた。
アルミン「…仕事終わりだね」
エレン「いつからいたんだ?」
アルミン「エレン達がここに入ったぐらいかな?」
ミカサ「…全然気づかなかった」
アルミン「隠れるのは得意だからね」
ニコッと笑うが目が笑っていなかった。
アルミン「それで、エレン。あのまま僕が来なかったら敵が逃げてたと思わない?」
エレン「そ、それは…」
アルミン「ミカサ。そんなに血を出したら後片付け大変だよね?」
ミカサ「こ、これは…」
またニコッと笑う。
アルミン「また“アレ”する?」
エレン「悪かった!悪かったから!」
ミカサ「ご、ごめんなさい。もうしないから!」
まるで子供が親に怒られるかのような様子だ。
「盛り上がってるところ悪いがこいつらどうすんだ?」
アルミン「あ、エレンが燃やすよ」
エレン「…え〜…」
アルミン「なに?」
エレン「今すぐに取りかかります!」
ミカサ「私は掃除をしてくる。」
アルミン「じゃあ僕は店主さんと話してくるから」
「そうかい。こっちに来な」
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- 8 : 2016/04/06(水) 19:54:20 :
- アルミン怖いな。エレンとミカサが謝るとは!期待
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- 9 : 2016/04/06(水) 22:43:00 :
店の奥に行くと部屋がいくつかあった。
「ここだ。入ってくれ」
ドアを開き手招きをする。
アルミン「…お邪魔します」
部屋の中は机に椅子。ベッドや本棚などごく普通の部屋だった。
「おいおい。なんだよそれ」
クスッと小さく笑う店主
アルミン「えっと、名前は?」
ユミル「聞く必要あるのか?まぁ、いいか。ユミルだ」
アルミン「じゃあユミル。今回の報酬は?」
ユミル「せっかちなやつだな。ゆっくりしていけよ」
アルミン「それはゆっくり“していって”欲しいんじゃないの?」
場の雰囲気が一気に緊迫する。
ユミル「……何のことだ?」
アルミン「あの時リーダー的なあいつは意味有り気なことを言ったんだ。」
アルミン「“こんな話は聞いてない”ってね」
アルミン「まるで誰かに頼まれたような言い方とは思わないかい?」
ユミル「それはお前の聞き取り方の問題だろ。」
アルミン「…そうだね。ならもう一つ、君の目だよ」
ユミル「………」
アルミン「あれは呆気に取られて見ている目じゃない。何かを観察する目だよ」
アルミン「君は本当に無能なのかい?」
アルミンはユミルを冷たく睨む。
ユミル「……はぁ。悪かったよ。」
アルミン「…認めるの?」
ユミル「なわけねぇだろ。私は無能だよ。観察するのは癖なんだ。このへんはあんな連中が多いからな」
アルミン「……」
ユミル「それにもし私がお前らを騙そうとしてるなら顔を堂々と見せると思うか?」
アルミン「…それも、そうだね。僕の勘違いみたいだ。悪かったよ」
ユミル「気にしちゃいねぇよ。よく疑われるからな」
アルミン「…今回の報酬はなかったことにしてくれ。失礼なことをしちゃったし」
ユミル「お、ほんとか?そりゃ助かる」
アルミン「じゃあ、これで。」
アルミン「…そうだ。」
ユミル「なんだ?」
アルミン「誰かが僕達の事を探ろうとしてきてバラしたりしたらダメだよ。もし、君とわかった時には君を殺すから」
そう言い捨て部屋を出ていった。
バタンッ
ユミル「クッ…ククク…ハハハハハハ!」
ユミル「あんな鋭いやつ久々だよ。」
ユミル「確かにアイツが言ってたように面白いことがありそうだなぁ」
不敵に笑うユミル。
自分の机に向かいある手紙を開ける。
ユミル「もう少しで始まるな。」
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- 10 : 2016/04/07(木) 04:10:26 :
- 期待
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- 11 : 2016/04/07(木) 11:18:06 :
エレン「めんどくせえな〜…」
エレンは死体を前に座っている。
ミカサ「エレン早くして。アルミンが来る前に終わらそう」
どこから持ってきたのかわからないがミカサはモップを持って掃除している。
エレン「へいへーい」
パチッと指を鳴らすと死体に火がつく。
ミカサ「よし。こんなところだろう。」
汗を拭い満足な顔をして椅子に座る。
アルミン「二人とも行くよ。」
偉く不機嫌そうな顔をしてアルミンが出てくる
エレン「どうしたんだ?」
アルミン「ここで話すのはよくない。1度アジトに戻ろう」
ミカサ「……」
アルミン「ミカサ?」
ミカサ「…いえ、何でもない。行こう」
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ーーーーー
決して盛んとはいえない街並みだが昼間で人が多く見える。
エレン「アルミン、何があったか話してくれよ」
エレンは両手を頭にしながら呑気に聞いてくる
アルミン「……嵌められた」
エレン「は?」
アルミン「この依頼はただのチンピラ退治じゃなかったんだ。依頼主にもある依頼があったんだ」
ミカサ「…私達の異能」
アルミン「そう。どんな能力かを知るため。そして弱点を探すつもりだったんだと思う」
より一層深刻そうな顔を浮かべる
アルミン「その証拠にさっきからつけられてるよ」
エレン「やっぱりか〜」
ミカサ「…3人。」
アルミン「わかってるね?」
エレン「バラバラに分かれる。」
ミカサ「相手が複数だとそのまま逃げて1人だと構わず戦え」
アルミン「うん、戦いが終わったらいつもの場所で集まろう」
エレン「了解」
ミカサ「わかった。」
3人は別々の方向に走り出す。
「あいつら分かれたぞ?気づいたのか?」
「そうみたいだね。どうする?」
「別々におった方がよくない?」
「そうだな。んじゃ俺はまっすぐ走ったやつな」
「じゃあ僕は左の子で」
「私は右の子ってわけね」
こちらも同じように別々に分かれた。
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- 12 : 2016/04/07(木) 12:21:02 :
- 期待です!
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- 13 : 2016/04/07(木) 21:25:55 :
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エレン「(ついてきてんのは1人みたいだな。)」
エレン「(ここら辺でいいか?人少ないし)」
走るから歩くに戻しやがて止まる。
「なんだ?逃げるのはやめたのか?」
エレン「まぁ、そんなところだ」
「自己紹介はした方がいいか?」
エレン「あぁ。頼む。お前強そうだしな」
ジャン「俺はジャン。ジャン・キルシュタインだ」
エレン「ジャンね。馬面がお似合いだよ」
ジャン「……」
一瞬だった。
ジャンの姿が一瞬にして消え、俺の後ろに回った。
エレン「は…!?」
ジャン「俺は馬面って言われるのが大嫌いなんだよ!!」
ジャンの蹴りがエレンの横腹にめり込む。
エレン「がっ…!」
エレンは数十メートルほど飛ばされる。
エレン「がはっ…はぁ…いってぇ…」
エレン「(体が地味に痺れてやがる。てことはあいつが使う異能は“雷”か“体に電気を流す”かだな)」
ジャン「おいおい。今のでギブってわけじゃないよな?」
エレン「なわけねぇだろ。馬面」
ジャン「…絶対殺してやるからな!!」
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ーーーーーー
ミカサ「(あれ、いない?撒けた?)」
「ざーんねん!後ろにいます!」
ミカサ「!?」
ミカサは振り返りながら後ろに飛ぶ。
「もう遅いよ。」
彼女の周りからツルが現れ、ミカサに向かっていく。
ツルはミカサの手足に絡まる。
「それっ!」
彼女は手を右に向け、その方向にミカサを飛ばす。
ミカサ「……」
ミカサは表情を変えず空中で態勢を立て直し着地する。
「嘘…でしょ?私はずれくじかも」
相手は動揺している。
ミカサ「(異能同士での戦いをしたことがない?もしくはすることが少なかった?)」
ミカサ「あなた名前は?」
ミーナ「わ、私?ミーナ。ミーナ・カロライナ」
ミカサ「…名前そんなに簡単に言っていいの?」
ミーナ「あっ…多分大丈夫。」
ミカサ「そう。では構えて。私は今からあなたを倒す」
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ーーーーーー
アルミン「(この辺で大丈夫かな。)」
「…優しいんだね。」
アルミン「何のこと?」
「わざわざ人が少ないとこまで逃げるなんて…」
アルミン「僕達は殺し屋じゃない。ただの何でも屋だよ」
「そっか。でもごめんね?僕は今から君を殺すよ」
アルミン「…残念だね。君は悪い人には見えないのに。」
マルコ「ふふ、そうかい?僕の名前はマルコ。君の名前は?」
アルミン「アルミンだよ。」
マルコ「じゃあアルミン。僕の能力は“物質を人の様に変える”能力だよ」
アルミン「…要するに分身みたいなものか…。そんな簡単に教えていいの?」
マルコは微笑みこう言った。
マルコ「どうせ分かるんだ。隠しても意味無いだろ?」
アルミン「…そうか。」
その言葉には裏があるような気もしたが、疑うことはできなかった。
彼の目は嘘をつけない“バカ正直”なやつだからだ。
アルミン「僕は能力を言わないよ」
マルコ「それでもいいよ。」
アルミン「…そっか。」
2人は少しの沈黙のあと。
同時に走った。
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- 14 : 2016/04/08(金) 15:23:26 :
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ミカサ「……」
ミーナ「はぁ…はぁ…」
ミーナの額からは汗が流れ、息づかいも荒い。
ミーナ「どうして…どうしてあなたは平然としてるの!」
ミーナ「あなたも能力を使ってるし、それに私より動いてるじゃない!」
ミカサ「…簡単なことだ。私はあなたより体力がある。そして能力を使うにも限度がある。」
ミカサ「私はあなたの能力を何度も防いだ。使った回数は変わらない。だが、質の違いだ」
ミカサ「私が1使ったとしてあなたは5使っている。先にへばるのも当たり前だ」
ミーナ「…うるさい、うるさい!うるさい!」
また彼女の周りからツルが現れる。
ミカサ「遅い。」
ツルはミカサの能力により木っ端微塵になる。
ミーナ「あなたの能力はなによ!」
ミカサ「言うと思う?」
ミーナ「くっ……」
頭の中では負けるイメージしか浮かばない。
私が疲れきったところを殺しに来るだろう。
それか今すぐにでも殺しに来る。
こんな事ならもう少し能力を練習をすれば良かった。
そんな事がミーナの脳内で浮かぶ。
ミーナ「(またあの2人に迷惑をかけちゃう…)」
ーーーーーーーーーーー
ジャン「今回の依頼はお前来なくていいぞ」
ミーナ「どうして!?」
マルコ「いつもの依頼より危険なんだ。それに相手は僕達と同じ異能使いだしね。」
ミーナ「嫌だ!私だって2人のために何かできるはずだよ!」
ジャン「……死ぬかもしれねぇんだぞ?」
ミーナ「足手まといにはならない!」
ーーーーーー
ミーナ「(あんな息巻いて来たのにもうダメなのかな…)」
ミーナは空を見上げ涙を流す。
ミカサ「……」
ミーナ「ふふ、ふふふふ。」
ミカサ「……!」
ツルが次々と集まっていく。
ミーナ「私は負けるわけにはいかない!!あの2人にもう迷惑をかけないために!あの2人と肩を並べて歩くために!!」
ツルは集まり、形が出来てくる。
「グオオオオオオオ!!!」
集まったツルは数十メートルほどのドラゴンに変わる。
ミカサ「…そう。それがあなたの決意。なら私はそれに全力で答えよう。」
ミカサ「私の能力は“斬る”能力。あなたの異能の切り裂き私は先に進む。」
ミーナ「出来るものならね!!」
「グオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
ミーナの合図で咆哮をあげながらドラゴンが向かってくる。
ミカサ「…ふぅ…」
ミカサは一呼吸置くと腰に鞘が現れた。
ミカサ「この刀は妖刀“ムラマサ”生きるものを吸い尽くす刀。」
ミカサ「あなたの決意嫌いではない。とても残念だ。」
ミカサは柄に手をかけ刀を引き抜く。
ドラゴンは真っ二つに斬られ緑色が茶色に変わっていく。
ミーナ「そん…な……」
ミーナはふらつき倒れる。
ミーナ「二人…と……も…ごめんなさ……」
そこで意識が途絶えた。
ミカサ「………」
ーーーーーーー
ーーーーー
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- 15 : 2016/04/08(金) 19:49:46 :
人の形のした土や木が5体ほど出てくる。
アルミン「(ほんとに人形なんだ。)」
アルミンは走ったままあたりを見渡す。
アルミン「(あの後すぐ僕はマルコを見失った。この建物の多さじゃ探すのは困難だ。)」
アルミンの上に影が重なる。
アルミン「くっ!」
土の人形の上からの攻撃。
腕は地面に刺さっている。
アルミン「……まさか」
土の人形の腕が大きくなる。
アルミン「はぁ……」
アルミンは自分の額の髪をかきあげため息を吐く。
アルミン「使うしかないか……」
アルミンの瞳が蒼くなる。
バキバキっと音がしたと思うと周りにあった家すべてが半壊する。
アルミン「(このへんは治安悪いし人が住んでるなんてことは無い。となるとマルコは建物の中だ)」
マルコ「君ならそう考えると思ったよ!」
アルミン「……!」
マルコはアルミンを羽交い締めにする。
マルコ「僕の勝ちだね」
アルミン「……マルコ僕の能力はさ“糸”なんだ」
マルコ「糸…?」
アルミン「うん。あの一瞬で建物を壊したのは糸の強度をあげたから。」
アルミン「そして僕の糸は自由自在。距離は30メートル程だ。」
アルミン「だからさ、ごめんね?今君の位置がわかった以上」
マルコ「!?しまっ……」
マルコの体が血が出てくる。
刃物で斬られたかのようにキズが増える。
アルミン「僕の勝ちは揺るがない」
マルコの力は徐々に弱くなりそして倒れた。
アルミン「……はぁ。」
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
エレン「くっそ…ほんと…ムカつくなお前」
エレンの額からは血が流れポタポタと垂れている。
ジャン「偉そうなこと言うくせに大したことないんだな」
ジャンは傷一つ無く息すら乱れていない。
エレン「……まぁ、そろそろいいか。」
ジャン「は?」
エレン「反撃ってやつだよ。馬面」
ジャン「このクソ野郎がぁ!!」
ジャンの体からバチバチと“電気”が流れる。
エレン「(やっぱ“電気”か)」
そしてまた一瞬で姿が消える。
エレン「…………」
エレンは立ったまま身動きをせずにいる。
ジャン「(余裕ぶりやがって…。いいぜ!ならこれで終わりにしてやるよ!)」
ジャンは真正面からエレンを殴りに行く。
だが、それが
エレン「お前の敗因だよ。」
ジャンが踏んだ場所から火の柱が現れる。
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- 16 : 2016/04/08(金) 21:25:02 :
- おお、期待
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- 17 : 2016/04/09(土) 14:12:26 :
ジャン「がああああああああ!!」
服が焦げ、皮膚も焦げ出す。
エレン「これくらいでいいか」
そう言うと火が少しずつ弱まっていく。
ジャン「…くっそ…なんで……」
エレン「俺の能力は“火”だよ。自由に操れる。」
ジャン「有り得ねぇ…!操作系の能力だとしても有り得ねぇ…!そもそも能力は自分の体から放出される!それが地面から出てくるわけがねぇ…!」
エレン「あぁ。その通りだよ。どんな能力でも放出しなきゃ発動はしない」
エレン「けどお前は俺がいつ“放出してない”と思ったんだ?」
ジャン「……!!」
エレン「俺は足を止めた時点で能力を発動させた」
ジャン「だが、能力は目に見えるはずだ!」
エレン「そうだな。けど俺は“自分に纏ったんじゃない”」
エレン「“地面に纏わせたんだ”」
ジャン「…そんなことできるわけがねぇ!火薬が仕込まれてすらいない地面にそんなことできないはずだ!」
エレン「誰が地面の中って言った?俺は地面に纏わせたんだ。」
エレン「火って言うのは酸素があると起こるんだ。俺にとって空気がある場所はお得意様ってわけだ」
ジャン「…ちっ!」
エレンはジャンの前に立ちしゃがんだ。
ジャン「(ここまで…か)」
エレン「ちょっと眠ってろ」
頭に強い衝撃が来た。
それと同時に何かが切れる音がした。
ドォォォォォン
エレン「ごほっ…なんだ今の?何が起こっ…」
エレンの頬に拳が刺さる。
メキメキメキッ
建物の方に飛ばされ建物の木を破った。
エレン「がはっ…はぁ…はぁ…。どういうことだよ。おい」
ジャン「…………」
エレン「……誰だよお前!」
ジャン「…………」
返答はない。無口でこちらを見下している。
エレン「このやろっ……!?」
エレン「(くそっ!さっきのダメージが……)」
一瞬目をそらしたのが間違いだった。
今度は腹部に拳がめり込んだ。
エレン「……!?」
ベチャッと床に血を吐いた。
声にならない痛み。
ジャン「……」
海老反りになったエレンの背中にさらに肘での攻撃が入る。
さっきのジャンとは別人だった。
動き、攻撃速度、踏み込み、殴る角度、全ての癖が無くなっていた。
エレンはただ殴られることしか出来なかった。
ジャンのスピードについていけなかった。
エレン「(やっべぇ……マジで死ぬ)」
殴られ続ける。地上につくことなくずっと空中にいる状態が続いた。
エレン「(悪い。ミカサ。アルミン。)」
エレン「(俺を止めてくれよ)」
エレンの体に雷が落ちるかのような衝撃、そして音が響いた。
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- 18 : 2016/04/09(土) 14:28:41 :
エレン「……あれ?」
ギリギリと言う音が目の前でする。
ミカサ「ふざけないで。勝手に“アレ”を使われては困る」
エレン「……悪い」
アルミン「悪いと思ってるなら手伝って!どうやらこの人操られてるみたい」
エレン「……(操られてる?それだけでこの力が出るか?)」
アルミン「……強度かなり上げてるのに糸が切れそうだ。」
ミカサ「……身体強化?」
エレン「そのまま抑えてろよ!」
エレンの手に火。いや、炎が集まる。
エレン「おい馬面。操られてんじゃねぇよ!正気に戻りやがれ!」
床を思いっきり蹴る。
エレン「頼むから死ぬんじゃねぇぞ!」
エレンの拳がジャンを捉える。
エレン「うおおおおおお!!!」
ジャン「……!」
バキバキッ
床が軋み今にも崩れそうだった。
エレン「(くっそ、骨が…)」
痛みに顔を歪めるがニヤッと笑う。
エレン「関係ねぇ!ぶっ飛ばす!」
ドォォォォォン
大きな爆発と共に建物が崩れた。
ミカサ「……」
ミカサは瓦礫をどかし出てくる。
エレン「ジャンの野郎は?」
仰向けにエレンは寝転がっていた。
ミカサ「あそこで倒れてる。死んではないみたい」
エレン「そうか。」
アルミンが歩いてこちらに来る
アルミン「……ごめん。エレン。操った本人逃がしたみたい」
エレン「なんで謝ってんだよ。仕方ねぇだろ。」
エレン「……二人とも助かった。ありがとな」
ミカサ「当たり前だ。」
アルミン「……うん。当たり前だよ。じゃあアジトに帰ろうか」
エレン「あいつ連れてくぞ」
ジャン「」
アルミン「……そうだね」
ーーーーーーー
ーーーーーー
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- 19 : 2016/04/10(日) 13:36:01 :
ミーナ「……あ…れ?ここどこ?」
見慣れない部屋。
丁寧にベッドに寝かせてくれている。
ミーナ「確か…私は負けて……」
ミカサ「私に運ばれた」
ミーナ「うわぁっ!!」
どこから出てきたのか、気配すら感じることが出来なかった。
ミカサ「そんなにびっくりしなくても……」
表情が少し緩んだ気がした。
ミーナ「ど、どうして運んだの?」
ミカサ「拷問するため」
ミーナ「えっ……」
ミカサ「と言うのは冗談で依頼主について知ってることを教えて欲しい」
ミーナ「……言えない」
ミカサ「…そう。それは残念。」
徐々にこちらに近づいてくる。
身構えるが、何をしても負けることはわかっていた。
スッとミカサが手をあげる。
ミーナ「うっ……」
手を頭の上に置かれた。
ミカサ「ゆっくり休むといい」
頭を撫でられる。
ミーナ「へっ?」
ミカサ「返事は?」
ミーナ「は、はい!」
ミカサ「よろしい。何かあれば下に来てくれればいい」
ミーナ「う、うん」
そう言うとミカサは部屋を出ていった。
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ーーーーーーー
ミカサ「……」
階段を下りるとソファにだらりと座っているエレンと椅子に座り本を読んでいるアルミンがいた。
アルミン「あっ、ミカサどうだった?」
ミカサ「言えないと言われた。」
エレン「まぁ、そうだよな〜」
エレンのあちこちに包帯が巻かれていた。
アルミン「マルコも喋ってくれなかったし」
エレン「ジャンの野郎は起きねぇし」
ミカサ「どん詰まり。」
沈黙が流れる。
アルミン「ユミルのとこ行ってみるよ」
エレン「あいつのとこね。」
ミカサ「行ってらっしゃい」
エレン「気をつけろよ」
アルミン「わかってるよ。」
ーーーーーー
ーーーーー
-
- 20 : 2016/05/22(日) 16:16:01 :
アルミン「…もぬけの殻ってやつだね…」
看板のあった店に看板はなく中にあった荷物はほとんど片付けられている。
アルミン「やられたよ。僕としたことが…」
ーーーーーーーー
エレン「なぁ。ミカサ」
ミカサ「なんだろう」
エレン「ジャン達が俺達を襲ってきたのはユミルだとしてだ。どうして顔を見せたんだと思う?」
ミカサ「…また会うことがあるから…だろうか?」
エレン「ん〜…。なんか違う気がするんだよなぁ」
エレン「あいつにある違和感があったんだけど…」
ミカサ「今は傷を癒すことが先。考えるのはあとにしよう」
ミカサは包帯を替えようと救急箱を取り出した。
エレン「へいへい。」
ーーーーーーーーー
アルミン「確かここはユミルの部屋……」
中に入ると机の上に手紙があった。
アルミン「………!まずい!!」
ーーーーーーーー
エレン「……やっぱりあの違和感が気になるな…。」
ミカサ「……!エレン!!」
エレン「…は?」
エレンの体をナイフが貫いた。
続く。
-
- 21 : 2016/07/21(木) 13:58:42 :
- 続きが気になるから期待
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