このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
みほ「わたしが…希望ヶ峰学園へ…?」
- ガールズ&パンツァー × ダンガンロンパ
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- 1 : 2016/04/03(日) 22:38:52 :
- どうもご無沙汰しております。シャガルT督と申します。
この作品はダンガンロンパとガールズ&パンツァーのクロス作品となっております。
まだ「ガルパン」をご存知でない方も楽しめる作品となるよう頑張って筆を進めていきたいと思います。次レスで本編が始まります。
最後までお楽しみ頂けたら幸いです。
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- 2 : 2016/04/03(日) 22:44:49 :
- ~Chapter 1 「超高校級の戦車道家」~
20XX年9月1日。
夏休みは終わっても夏の勢いはまだ衰えない。
洋上の学園艦もまた同じ。
みほ「よし…と。」
今日からは新学期。
夏休みボケなのか、少し寝坊気味だ。
みほ「急がなきゃ…!」
いつもの通学路を駆け抜けるとあの校門だ。
そど子「遅いわよ! 遅刻ギリギリよ!」
みほ「ご…ごめんなさい!」
そう、いつもと同じ。あの校門。
みほ「……本当に…守り通せたんですね……」
そど子「…っ! いいから早く教室に行きなさい! 遅刻するわよ!」
全国大会、大学選抜チームとの戦い。
数々の苛烈な戦いをくぐり抜け、とうとう守り抜いたこの学園。
みほ(いつも通り学校に来れる事が…こんなに嬉しいなんて…)
いそいそと教室に駆け込む。一時間目は始業式だ。
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_____
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桃「学園長挨拶。学園長、お願いします。」
学園長「ウム。」
麻子(長い…眠い……)
沙織(麻子! 寝ちゃダメ!)
学園長「皆さん。おはようございます。 知っての通り… 我が校は一度… 廃校の危機を迎えました……。」
学園長「一時はこの学園艦その物の解体が決定となり… この学園艦全体で大規模な引っ越しが行われましたね。」
学園長「ですが、今日!皆さんはこの大洗女子学園の二学期始業式に参加できています。この学園の存続のために、力を尽くし、戦い抜いてくれた生徒たちがいます!」
学園長「戦車道履修者の皆さんはステージへお願いします!」
みほ(へ…? えぇ!?)
沙織(麻子! 起きてってば! 立ったまま寝てないで!)
麻子(ん…?おぉ……?)
ステージに、激戦を勝ち抜いてきた仲間が立ち並ぶ。
学園長「君が… 隊長の西住みほさんですね?」
みほ「あ…あぁ…… は……はい!」
学園長「我々の学園を守ってくれて… 本当にありがとう……。
大洗女子学園を代表して…あなたにお礼を申し上げます。」
学園の長はその一人の生徒に対し、深々と頭を下げた。
学園長「皆さん! 大洗女子学園戦車道部の皆さんに…盛大な拍手を!」
拍手が大波のように押し寄せる。
所々から歓声すら聞こえてきた。
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- 3 : 2016/04/14(木) 21:00:55 :
- ~大洗女子学園 教室~
みほ「はぁ…… 緊張した…」
沙織「まさかいきなりステージに呼び出されるなんてね~」
麻子「学園長が自ら頭を下げるなんてな。」
華「みなさん喜んでましたね…」
沙織「わたしたちまるでヒーローみたいだったね! またモテモテになっちゃったらどうしよ~~!」
麻子「ここ女子校だぞ…。」
沙織「うわぁ~ん!そうだった~~!」
教室の扉を開けて誰かが入ってきた。
優花里「西住どの~!」
みほ「優花里さん!」
優花里「始業式お疲れさまでした!西住どの!」
優花里「学園長…喜んでましたね!」
みほ「うん… わたしもなんだか… いつも通りに学校に通えるのがこんなに嬉しいなんて…想像もしなかった。」
優花里「まさに校史に残る偉業ですね!」
華「みほさんの銅像が建つかもしれませんね。」
みほ「ど…銅像!? わ…わたしの…??」
沙織「さすがに…それはどうだろう…」
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- 4 : 2016/04/14(木) 21:04:02 :
~大洗女子学園 学園長室~
桃「そん……な…」
柚子「またそんな…急に……」
学園長「…………」
杏「……」
学園長「………申し訳ない…。」
学園長はうつむきながら呟く。
杏「学園長。 西住ちゃ…いえ、西住みほ選手は… 今、ようやくこの学園にも溶け込んで…学園の友人とも楽しく過ごしています。」
杏「そして…今やこの学園の救世主です。」
杏「それだと言うのに… 急にこのような条件……」
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- 5 : 2016/04/14(木) 21:08:26 :
- 学園長が重い口を開く。
杏「理にかなわないのでは…」
そしてポツリと呟いた。
学園長「希望ヶ峰学園………」
桃「えっ…」
柚子「まさか……」
学園長「君たちも…名前くらいなら聞いたことはあるだろう…」
杏「全国から優れた才能を持つ高校生を集めているという世界でも特殊な学校ですね。」
学園長「そう。 この転校届けは…」
学園長「希望ヶ峰学園からの物だ。」
桃「だとしても…! 転校するか否かは西住本人の意思では…!」
学園長「………………」
学園長の表情に影がいっそう濃くなる。
学園長「……今から言うことは… 西住さんには内密にしてほしい……」
杏「………っ!」
学園長「……この希望ヶ峰学園は…政界とも太いパイプで繋がっていることで有名だ…」
3人は察する。 この学園長の言いたいことを。
「太いパイプ」の意味するところを。
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- 6 : 2016/04/14(木) 21:12:33 :
- 学園長「……そもそもこの学園艦の解体が持ち出されたのは政府からの通達だ…」
学園長「だが… その通達には不透明な部分が多すぎる…」
学園長「転校や…引っ越す方々の扱いがあそこまでぞんざいだったのも… その杜撰な計画のせいだろう……」
学園長「政府がこの学園艦を解体して何をしたかったのかは…私にも分からない。だが……」
学園長「………この学園艦の解体がお流れになって… 快く思っていない政治家が…少なからず存在するんだ……っ!」
杏「無言の圧力……そういう事ですね。」
柚子「では……まさか…」
学園長「体のいい人質…………そういうことになるな……。」
学園長「……… ちなみに角谷さんが交渉を取り付けたあの役人は…単なる末端に過ぎない。」
学園長「…………今では行方知れずのようだ…」
学園長「そもそも… あの試合だって…!!」
桃「なんで……こんな…っ」
すすり泣く声が静かな部屋に残る。
歯ぎしりの音がはっきりと聞こえた。
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- 7 : 2016/04/14(木) 21:15:41 :
- 学園長「…君たちを……こんな汚い大人の事情に巻き込んで…… 本当にすまない…っ!!」
学園長「この学園艦は…解体を免れたとはいえ… まだフラフラで何とか立ち上がった程度なんだ……」
学園長「力ない学園長で…っ 本当に申し訳ない!!」
学園長「それと… 角谷さん……」
学園長「今回ばかりは… 試合で実力を示すことで……免除させることはできない……」
学園長「……むしろ…」
杏「はい。分かっています……」
学園長「君たちに悲しい思いばかりさせて…… 私は…っ!」
柚子「学園長は悪くありません! 」
学園長は頭を上げない。
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- 8 : 2016/04/14(木) 21:23:48 :
- ~生徒会室~
杏「……………………」
取り戻したはずの生徒会室。
せっかく元に戻った生徒会室。
しかし、まるで曇天。むしろ廃艦が決定したときより暗い空気が漂う。
柚子「どうしましょう……」
桃「西住には… 必ず伝えねばならないことだな…」
杏「いやぁ…参ったね……」
重たい沈黙が生徒会室をとりこむ。
杏「二人はもう帰っていいよ。」
杏「西住ちゃんには… わたしから説明しておくからさ……」
杏「さ~て、なんて言い訳するか…」
杏の肩に手が添えられる。
桃「…させませんよ……。1人で悪役を買って出るなんて…」
杏「河嶋…っ!」
杏「ちがっ… そんな……」
柚子「会長も… たまにはわたし達を頼ってください。」
杏「い…いや…… ホントにそんなつもりは…」
桃「会長…。」
桃「『横暴は生徒会に与えられた正当な権限』ですよ……。」
杏「河嶋… 小山………っ」
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- 9 : 2016/04/15(金) 22:26:07 :
- ~翌日 放課後~
沙織「ふへぇ~~……」
みほ「沙織さん…」
沙織「まだ夏休み気分が抜けてないよ~……」
華「帰りにどこか寄っていきますか?」
麻子「アイスクリームがいい。」
沙織「いいね! アイス! まだまだ暑いし…」
みほ「そうだね。優花里さんも誘って…」
すると、教室の扉が勢いよく開いた。
優花里「西住どの~!一緒に帰りましょ~!」
みほ「優花里さん! ちょうどよかった… これから優花里さんも誘いに…」
~廊下~
杏「楽しそうだね…」
桃「はい…。」
杏「そういえば… 初めて西住ちゃんに戦車道頼みに行ったときも…こんなだったっけ…?」
杏「あん時は完全に悪役だったねぇ~……」
柚子「大丈夫ですよ。 悪役には慣れてますから…」
杏「いいのか…? 二人とも……」
杏「今から二人だけ帰っても…!」
柚子「なに言ってるんですか。」
桃「会長1人に悪役はさせないって…言ったじゃないですか…」
杏「……すまない。」
桃「謝らないでください…!」
杏は軽く咳払いした。
未練を振り切ろうとしているかにも見えた。
杏「い~い? 二人とも…」
桃「えぇ…」
柚子「桃ちゃん。泣いちゃダメだよ?」
桃「分かってるっ!」
ガラガラッ
勢いよく教室の扉を開ける音がした。
杏「西住ちゃ~ん いる~?」
みほ「あ、はい! なんで…」
明らかに雰囲気がいつもと違う。
三人が椅子に座るみほを見下ろしていた。
みほ「あ…あの…」
杏「西住ちゃん。ちょっと話あるんだけどさぁ これから生徒会室寄ってくんない?」
みほ「え? わ…わかり…ました…」
みほ「みんなごめんね! わたし…ちょっと行ってくるから…先に行ってて!」
四人は教室の外へと出ていった。
華「今の光景…」
沙織「すごく見たことあるよね…」
優花里「どうしたんでしょう…?」
沙織「どうする? 追いかけてみる…?」
華「もちろん追いかけます!」
優花里「えっ? ちょっと~!五十鈴どの~!武部どの~!」
麻子「………。」
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- 10 : 2016/06/02(木) 09:44:20 :
- ~生徒会室~
みほ「え…?」
みほ「それは… いったいどういう……?」
桃「会長の話を聞いていなかったのか?」
みほ「いえ…そういうことではなくて……」
杏「これ招待状ね。門入る時に必要みたいだから失くさないでね~」
文字通り「招待状」と書かれた封書を渡された。
みほ(「大洗女子学園 西住みほ殿 貴女を『超高校級の戦車道家』として、希望ヶ峰学園にご招待いたします。」……)
みほ「これって…!」
杏「そっ。かの有名な希望ヶ峰学園からの招待状。」
柚子「おめでとう。西住さん。」
みほ「困ります…! そんな……!」
桃「そちらの困る困らないはこちらは認知しない。」
杏「…ま、そういうわけだからさ。あとは西住ちゃんがこの書類にサインとハンコ押すだけなんだよね~」
みほ「待ってください! わたしは…!」
杏「西住ちゃ~ん。」
杏「西住ちゃんさぁ…そんなに頭悪い方じゃないよね?」
西住「そ…それは……」
杏「だったらさぁ… 今のに拒否権が無いことくらいはだいたい察しがつくよねぇ…?」
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- 11 : 2016/06/02(木) 09:47:43 :
- ~生徒会室前~
扉の前で聞き耳を立てる人影があった。
沙織「ちょっと…! どういうことなの!?」
華「こんなの…あんまりです!」
優花里「西住どのが…… てん…こう…………」
麻子「人が見てるぞ…」
~生徒会室~
柚子「あの希望ヶ峰学園への転校よ?何を迷うことがあるの?」
みほ「わ…わたしは……っ!」
みほ「…確かにわたしは…最初は戦車が嫌で……戦車道から逃げたくて…黒森峰から逃げ出してきて…ここへやって来ました。」
みほ「だけど… 沙織さんや華さんが友達になってくれて…」
みほ「優花里さんや麻子さんに会って…」
みほ「他のチームの皆さんや… 他の学校の皆さんとも仲良くなって…」
みほ「今では… お姉ちゃんとも仲直りできて…」
みほ「戦車道も… 大好きになりました!」
杏「……それで?」
みほ「そ…それで…… わたしは…」
みほ「大洗に…残りたいです!」
みほ「残り1年半… もっと皆さんと仲良くなって… 戦車道もがんばって……」
みほ「わたしは…っ 大洗で戦車道を続けたいです!」
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- 12 : 2016/06/02(木) 12:10:05 :
- 杏「……」
柚子「……」
桃「……」
桃「そんな事は知らん。決まった事は決まったのだ。」
みほ「ど…どうして……?」
その時、扉が吹き飛ばんばかりの勢いで開いた。
優花里「西住どの~~~~!!行かないでくださぁ~~い!!」
桃「なっ…!?」
みほ「優花里さっ… みんな…!?」
沙織「さ…さっきから黙って聞いてれば… どういう事なのよーっ!!」
華「あんまりです!」
麻子「………。」
杏「あぁ…聞いてたんだね。今の話…。」
-
- 13 : 2016/06/02(木) 12:11:28 :
- 華「どうして!? みほさんはここに残りたいと必死で訴えているのに…!」
沙織「だいたいそれを決めるのはみぽりん意思でしょ!? 強制的に転校ってどういう事なのよ!!」
桃「横暴は生徒会に与えられた正当な権限だ。苦情は一切受け付けない!」
麻子「随分と横暴が過ぎるものだな…」
麻子「西住さんは… わたし達の学校のために…わざわざ嫌だった戦車道を採ってくれて… 優勝まで導いてくれたんだぞ…」
みほ「麻子さん…それは…!」
麻子「それに対する生徒会の報いがこれか? やっていい横暴と悪い横暴があるだろ……!!」
杏「すまないが…今回に限ってはいかなる意見も聞き入れる事はできない。」
杏「これは決定事項だ……」
みほ「そん…な…」
優花里「どうしてですか…!せめて理由くらい教えてください!!」
柚子「悪いけど…わたし達から言える事は何もないの…。」
唇を噛み締める者、力なく膝をつく者。
生徒会室に流れる空気はドロドロの水銀よりも重苦しい。
沙織「……ひどいよ…」
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- 14 : 2016/06/02(木) 12:12:05 :
- 沙織「こんなの… 浮気してヘラヘラしてる男よりひどいよ…!!」
桃「………ッ!!」
柚子(桃ちゃん!!)
桃(す…すまない……)
沙織「廃校の危機だからって……」
みほ「やめて……」
沙織「みぽりんに散々助けてもらったクセに!!!」
みほ「やめてください!!!」
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- 15 : 2016/06/09(木) 11:19:32 :
- みほ「……わかりました…」
みほ「わたしが…希望ヶ峰学園に…転校すればいいんですね……」
沙織「みぽりん!?」
華「みほさん!」
麻子「こんな……っ」
優花里「に…西住どの……」
優花里「い…行かないでください…! 西住どの…っ!」
力なく泣き崩れる優花里の頭をみほがそっと撫でる。
みほ「大丈夫… ここへ来たときも…わたしは一人だったし……」
みほ「それに… 二度と会えないわけじゃないから……」
麻子「西住さん……」
沙織「……みぽりんは…それでいいの?」
みほ「…………」
みほは力なく頷いた。
-
- 16 : 2016/08/18(木) 22:57:36 :
- ――――――――――
――――――
―――
みほ「では…失礼します…。」
生徒会室の扉が静かに閉じた。
みほ「あと2日……」
優花里「に… 西住どの……」
沙織「……ねぇ。今日はみぽりんの家寄っていかない?」
みほ「え…?」
華「いいですわね。」
麻子「行こう。」
沙織「もちろん…みぽりんの都合しだいだけど…」
みほ「うぅん… ありがとう…みんな…」
沙織「で、ゆかりんはどうする?」
優花里「に…しずみどの……」
優花里「ぜひ…ご一緒させてください!」
いつもの彼女の様子とはまた違う。
沙織「決まりだね!」
みほ「はい…!ぜひいらしてください!」
みほ「だけど…」
~みほのアパート~
沙織「おじゃましま~す」
みほ「どうぞ。」
優花里「…………。」
沙織(ゆかりん!)
優花里の肩にそっと手を置いた。
優花里(はわっ!? た…武部どの……)
優花里(ごめんなさい… せっかく武部どのが気を効かせてくれたのに… 辛気くさい顔して…)
沙織(大丈夫だよ。…さみしいのは……わたしも同じだから…)
-
- 17 : 2016/08/18(木) 22:58:58 :
- 沙織「今日はわたしの得意料理の肉じゃがだよ!」
華「まぁ…!楽しみです」
麻子「楽しみに待ってる……」
沙織「みんなで作るの!」
麻子「え…?」
優花里「おまかせください!」
沙織「ゆかりんはご飯炊いて。みぽりん。包丁使える?」
優花里「了解です!」
みほ「はい!大丈夫です」
沙織「華はお湯沸かして。麻子、野菜洗って。」
華「分かりました。」
麻子「ほーい…」
沙織「よ~し! じゃあ張り切って作ってみよ~!」
-
- 18 : 2016/08/18(木) 23:09:14 :
- 5人入るには少し狭いキッチン。
だが、5人はてきぱきと夕食の支度を整える。
沙織「前にもあったね~こんなこと。」
優花里「たしか…決勝戦の前夜でしたね!」
みほ「うん… あの時は…やっぱりすごく不安だったよ……」
みほ「だけど… みんながいてくれたから…」
みほ「…………」
優花里「西住どの…」
みほ「あぁ…ごめんなさい ちょっと玉ねぎが……」
優花里「西住どの… 大丈夫ですか…?」
みほ「あ… 優香里さ……」
みほ「ごめ……ん …っ」
みほは思わず膝をついた。
沙織「もう…みんな……そんなんじゃ… 準備進まないじゃん……!」
麻子「まったく……捗らないな…」
華「みほさん………」
窮屈なキッチンは嗚咽で満たされた。
-
- 19 : 2016/08/19(金) 00:43:02 :
~2、3時間後~
沙織「さて… 食べようか!」
お世辞にも出来がいいとは言えない。
麻子「やれやれ… ひどい出来だな…」
沙織「目の下赤くなってるよ」
麻子はふいと顔を伏せた。
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- 20 : 2016/08/19(金) 13:18:31 :
- みほ「いただきます。」
食卓は粛々と静かに箸を進める。
沙織「本当に行っちゃうんだね……」
みほ「うん……」
優花里「けど… 大洗から東京都でしたら…遊びに行けないこともありませんから…」
華「けど… わたし達の陣頭に立って指揮してくださる事はもう………」
みほ「わたしは大丈夫… 大洗にも…きっと遊びに来るね。」
みほ「あと……」
みほ「チームを……お願いね…」
麻子「分かった。」
沙織「うん!任せといて!」
華「お任せください。」
おそらく最後になるであろう卓はこれで解散となった。
-
- 21 : 2016/08/19(金) 13:29:57 :
- _____
___
_
一気に4人が抜けた部屋はやけに広く、静かに感じる。
みほ「『荷物は全て業者が持って来るからすぐに学園に集合』………」
明日には転校とは思えぬほど「普段通り」の部屋の光景。
みほ「友達…… できたのにな…」
ぬいぐるみを抱く腕がきつく締まる。
みほ(ボコともしばらくお別れだね……)
ベッドの隅にみほはうずくまった。
-
- 22 : 2016/08/19(金) 14:00:13 :
- 次の日は昨日までとはうって変わり、大忙しとなった。
みほ「身の回りの荷物は… これで大丈夫。」
引っ越し業者も入り始め、独り暮らしの部屋はあっという間に騒がしくなる。
業者(ったく非番がおじゃんだよ……)
業者1(こんな雑な依頼の仕事初めてだ……)
どうやら引っ越し業者にとっても唐突に、かつ、雑な依頼の仕事のようだ。
みほ「………はぁ」
胸の淀みを吐き捨てるように深いため息が出た。
その時、携帯が通知音を鳴らした。
みほ(非通知………)
みほ「はい。」
携帯「もしもし。希望ヶ峰学園事務局の者でございます。」
みほ「あ… はぁ…」
一方的な報告と確認ばかりであった。正直半分くらいは聞き流しだ。
みほ(こっちだって忙しいのに……)
すると、再び携帯が鳴った。
通知の相手には「お姉ちゃん」と表示されている。
みほ(お姉ちゃんから……?)
みほ「はい。」
まほ「……みほ。」
みほ「お姉ちゃん…! どうしたの?」
まほ「……みほが急に転校すると聞いたのでな…」
まほ「大丈夫… なはずがないか…… 」
みほ「ううん…わたしは大丈夫。ありがとう。お姉ちゃん」
まほ「……そうか。」
まほ「……… お母様も… みほの急な……いや、不審な転校を止めようと奔走してくださったのだが…」
みほ「お母さんが……!?」
まほ「…お母様には内緒だぞ。」
まほ「それから… 自分がいよいよダメそうな時は…仲間を頼るんだ。」
まほ「みほ、お前の後ろには… 頼れる仲間が大勢いるんだ。」
まほ「1人で無理はするな。」
みほ「お姉ちゃん…… ありがとう………」
-
- 23 : 2016/08/21(日) 09:01:12 :
- 応援します
-
- 24 : 2016/08/21(日) 20:41:50 :
- それからは様々な場所から電話がかかって来た。
思ったよりも情報の広がりが早いようだ。
夕方にはベッド等の大物を除いては殆ど片付いてしまった。
~翌日 早朝~
桃「いよいよ今日……ですね…」
杏「………あっという間だったね。」
柚子「本当に… 行かなくていいんですか?」
杏「…………………………」
~大洗女子学園 学園艦 発着デッキ~
巨大な学園艦のデッキにクルーザーがゆっくりと横付けされる。
沙織「絶対連絡するからね!」
華「必ず… またお会いしましょう。」
麻子「……また会おう。西住さん…」
優花里「西住どの!! 新しい学校生活も…どうか楽しんで………」
優香里「ご武運を!!」
直立不動の敬礼で優花里はみほを見送る。
-
- 25 : 2016/12/14(水) 20:50:15 :
そど子「……これ…風紀委員から…」
そど子「いいこと! 転校したからといって……
西住さんは大洗女子の看板を背負ってるんだから………」
そど子「むこう行っても……ちゃんとに……っ」
ゴモ代「そど子……」
ゴモ代「西住さん。転校しても…西住さんのますますのご活躍。風紀委員一同、心からお祈りしています!」
パゾ美「………全員、連れてく?」
パゾ美「……………分かってる……冗談だから…」
-
- 26 : 2016/12/14(水) 21:46:05 :
左衛門佐「今こそ別れ目か……」
カエサル「La vita può essere tanto triste da farti piangere……… .」
カエサル「さらばだ隊長。また会う日まで…」
エルヴィン「名将とは…決して部下に不安な素振りを見せない。 後のことは任せてくれ…」
エルヴィン「Auf Wiedersehen meine Freundin!」
おりょう「人間いかなる場合でも好きな道、得手の道を捨ててはならんぜよ…」
おりょう「もう1度戦車に乗る隊長の姿…楽しめにしてるぜよ。」
左衛門佐「我々からの餞別じゃ…受け取って欲しい。」
左衛門佐「隊長の見せた戦車道! 受け継ぎ申す!」
-
- 27 : 2016/12/17(土) 01:09:43 :
- 面白いです!ガルパンにダンロン...!なんという私得...!
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- 28 : 2016/12/17(土) 01:51:33 :
- う、ううっ!泣けるずなのにエルヴィンとカエサルが何言ってんのか分からない(p_q*)シクシク
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- 29 : 2016/12/19(月) 02:54:03 :
- >>28
エルヴィンが『さようなら、私の友人!』
カエサルが『人生はあなたを泣かせるためにとてもひどいことをします』じゃない?
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- 30 : 2016/12/19(月) 11:49:52 :
- >>28、29
和訳はあとがき的なものに載せておこうと思います!
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- 31 : 2016/12/30(金) 00:00:36 :
- ガルパン好きだからこういうの嬉しい
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