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【相棒ss】杉下右京「紅茶を粗末にするんじゃありません!!!」プルプル
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- 1 : 2016/03/18(金) 21:30:59 :
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警視庁、特命係の部屋
杉下「おはようございます亀山君」
亀山「あっ、おはようございます右京さん。今日も寒いっすね〜」
杉下「おや、君にしては珍しいことをしていますねぇ」
亀山「これっすか?もうすぐ右京さんが来るだろうと思って、いつも飲んでる紅茶を淹れていたんですよ」
杉下「そうでしたか。それはどうもありがとう」
亀山「あはは、別にお礼なんていいっすよ。右京さんだって先に来た時は温かい紅茶淹れて迎えてくれるじゃないすか」
杉下「そうでしたね。では、早速頂くとしましょう」
亀山「はい、どうぞ」スッ
杉下「どうも。んっ」ゴクリ
亀山「どうですか?」
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- 2 : 2016/03/18(金) 21:41:26 :
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杉下「気になりますねぇ……亀山君、一つよろしいですか?」
亀山「はい、何ですか?」
杉下「これは普段僕が愛飲している紅茶ではありませんね?」
亀山「きゅ、急に何言い出すんですか右京さん?これはいつものやつですよ?」
杉下「本当にそうですかねぇ。どうにも僕には、これは本場イギリスの紅茶ではなく、インスタントの紅茶だとしか到底思えないのですよ」
亀山「そ、それは……」
杉下「素直に白状した方が身のためだと思いますよ?」
亀山「す、すいませんでした!右京さん!」
杉下「やはりそうでしたか。では、何故インスタントの紅茶を朝一番から僕に振る舞ったのか、その理由をお聞かせ願えますか?」
亀山「はい、実は……」
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- 3 : 2016/03/18(金) 21:47:01 :
以下回想
特命係の部屋
亀山「う〜、今朝は冷えるなぁ。早くコーヒー淹れて温まろう」
亀山「コーヒー、コーヒーっと」ガサゴソ
亀山「あった、これこれ」ヒョイ
亀山「げっ、コーヒー切れてたのすっかり忘れてた……」
亀山「どうっすかなぁ、今から近くのコンビニに買いに行くのも面倒だし……」
亀山「あっ、そうだ!たまには右京さんの紅茶でも飲んでみるか!」
亀山「えっと、確かこの戸棚にいつも置いてあったはずだよな」ガサゴソ
亀山「おっ、あったあった」ヒョイ
亀山「にしてもイギリス産の高級そうな紅茶だよなぁ。これ値段いくらぐらいすんのかな?」
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- 4 : 2016/03/18(金) 21:52:50 :
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亀山「缶の裏に値段とか書いてあんのかな?ちょっと裏返して見てみるか」クルッ
茶葉缶「」中身バサッ
亀山「あっ?」
亀山「ああああああああああああああっっっっっっっ!!!!!!!?」
亀山「嘘だろ!?蓋が緩んでたせいで裏返したら茶葉が床に全部こぼれ落ちた!?」
亀山「どどどどどどどどうする!?俺はどうすりゃいいんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」アタフタ
角田「よっ、暇か?って、亀ちゃんそれ何やってんだい!?」ヒョコ
亀山「これが暇そうに見えますか!?今年一番の大事件ですよ!右京さんの大事な紅茶の茶葉を床に全部ぶち撒けちまったんですから!」
角田「あちゃ〜そりゃ御愁傷様だわ。温和な警部殿もこれは流石にお怒りだろうね」
亀山「あークッソ、どうしよう。マジでどうしよう」オロオロ
角田「まぁまぁ落ち着きなって。あぁ、そうだ、たしかインスタントなら置いてあるけど、どうする?」
亀山「本当ですか!?じゃあそれで何とかごまかしてみます!」
角田「ははは、これは警部殿の舌が本物か試されるな」
亀山「あはは、それもそうっすねー」
回想終了
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- 5 : 2016/03/18(金) 22:00:33 :
亀山「と、いうわけです……」
杉下「なるほど、そういうことでしたか……」
亀山「で、でも、流石は右京さんです!一口飲んだだけで言い当てちゃうなんて、やっぱり本物の紅茶愛好家は違いますね!惚れ直しましたよ!」
杉下「それはどうも。さて、君にはそれ相応の罰を受けて頂かないと困りますねぇ」
亀山「ば、罰……ですか?」
杉下「えぇ、君の犯した罪に対する正当な罰ですよ」
亀山「ど、どんな罰ですか?」
杉下「そうですねぇ。君にはイギリスまで自費で出向いて、僕のお気に入りの紅茶の茶葉を買ってきてもらいましょうか」
亀山「じ、自費ですか!?」
杉下「えぇ、イギリスの往復交通費と茶葉の購入費を大まかに見積もると……」カキカキ
亀山「……」ゴクリ
杉下「これくらいの費用が必要ですかねぇ」スッ
亀山「ぶっ!?」
杉下「安心してください。特命係は安月給ですが、時間だけは申し分無くたっぷりありますからねぇ」
亀山「な、何年かかるんすかこれ……」
杉下「僕にとってあの茶葉は、それほどまでに尊いものだったということですよ」
亀山「そう、ですよね……。分かりました。責任もって弁償します。本当にすみませんでした」
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- 6 : 2016/03/18(金) 22:04:55 :
杉下「と、いうのは冗談です。君を少しからかいたくなるのは、僕の悪い癖ですね」
亀山「えっ」
杉下「たしかにあの茶葉缶はそこそこいい値段はしますが、弁償は結構ですよ。ストックも家にまだまだありますからねぇ」
亀山「い、いいんですか?」
杉下「それに君はちゃんと謝りましたから、僕はそれ以上は望みませんよ」
亀山「う、右京さん……!」
杉下「しかし、君は証拠隠滅を図ろうとしたことは事実ですからねぇ。もう少し警察官として正義感を持つべきだと思いますよ」
亀山「はい、返す言葉もありません……」
亀山「はぁ、あの時に缶の裏を確かめようなんて馬鹿な真似をしなければこんなことには……」
杉下「おっと、僕としたことが忘れかけていました。そこです亀山君、本当に缶の蓋は最初から緩んでいたのでしょうか?」
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- 7 : 2016/03/18(金) 22:10:17 :
亀山「はい、それは間違いないっす」
杉下「だとしたら妙ですねぇ。普段あの缶に触れるのは僕だけですから、蓋の閉め忘れなんてまずしないはずなのですが……」
亀山「やっぱりそうっすよね!右京さんがそんなミスをするなんて俺にも考えられないんですよ!」
杉下「えぇ、これはもう少し慎重に捜査を進める必要があるかもしれませんねぇ」
亀山「もしかしたら俺や右京さん以外の誰かが密かに缶に触れてたかもしれないっすよ!とりあえず鑑識の米沢さんに缶の指紋検査を頼んでみましょう!」
杉下「もちろんそのつもりです。他人の大事な茶葉缶を閉め忘れるなんて、人として決して許される行いではありませんからねぇ」
数時間後
特命係の部屋
米沢「失礼します。杉下警部、頼まれていた例の指紋検査の結果ですが……」
杉下「ご苦労様です米沢さん。それでいかがでしたか?」
亀山「おっ、ついに分かったんですね!」
米沢「はい、例の缶からは杉下さん、亀山さんの他に一名の指紋が検出されました」
杉下「それはどなたでしょうか?」
亀山「誰だったんですか?」
米沢「えぇ、少々申し上げにくいんですが、その方の名前とは……」
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- 8 : 2016/03/18(金) 22:13:28 :
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一方その頃……
警察庁、官房長官の部屋
小野田「えぇ、その件は君に任せるよ。それじゃあよろしくね」ポチッ
小野田「はぁ〜、どうにも最近日中の疲れが取れないなぁ。夜ぐっすり眠れないせいかしら?」
小野田「仕事のストレスは強いし、血圧も高いし、女房は冷たいし……」
小野田「あ、そういえば今朝、杉下の紅茶をこっそり飲みに特命係の部屋へ行った時、缶の蓋ちゃんと閉めるの忘れてたっけ……」
小野田「いやはや、何かと忘れっぽくもなるし、歳は取りたくないものだねぇ」
完結
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- 9 : 2016/03/18(金) 22:17:32 :
- あとがき
初めての相棒ssは短めですが以上で終了となります。読んでくださった方々ありがとうございました。個人的に好きな歴代の相棒は亀山君です。頭脳派右京さんと肉体派亀山君のバランスがいいですね。
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- 10 : 2016/03/18(金) 22:20:18 :
- お疲れ様
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- 11 : 2016/03/19(土) 00:15:11 :
- いやあ、平和な1ページありがとうございます。官房長ぉ!!!!って最後叫んじゃいました(*^▽^*)お疲れ様でした!
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- 12 : 2016/03/19(土) 21:35:55 :
- 執筆お疲れさまでした。
なんだか本当に舞台裏で起こっていそうな事件(笑)で、とても面白かったです。
米沢さん良い人w
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- 13 : 2016/03/19(土) 22:26:16 :
- 皆さんコメントありがとうございます!
あと一応はこれ推理カテゴリーなのに推理要素ゼロでごめんなさいです笑
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- 14 : 2016/03/19(土) 22:53:22 :
- 相棒もののSS始めて読みましたけど面白かったです!
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- 15 : 2016/03/22(火) 17:38:36 :
- 執筆お疲れ様でした!
私も一番好きな“相棒”は亀山さんなので、登場してきて嬉しかったです。
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- 17 : 2018/09/24(月) 20:41:56 :
- 読みました!!面白かったです!!相棒とコナンのコラボ作品をお願い出来ますでしょうか??
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