雲海の上、事件と奇跡
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- 1 : 2016/01/31(日) 18:15:31 :
- ・・・分かってる。私は掛け持ち更新が出来るほど器用じゃないってこと。
でも、かきたいんだからしょうが無いですよね(開き直り)
というわけでまたもや終わりのセラフクロフェリです!
そして今回は、現パロ(また)です。毎度ですが、
同性愛&現パロ&亀更新&キャラ崩壊、ご理解いただける方はお次へお進みください~
物凄くねつ造してますがそこはご愛嬌ということで((
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- 2 : 2016/01/31(日) 18:18:16 :
- クロフェリ…<●><●>←
期待です!
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- 3 : 2016/01/31(日) 18:24:30 :
- あは、クロフェリ!!
期待ありがとうございます!行間気にしつつ更新していきます!
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- 4 : 2016/01/31(日) 18:24:54 :
- 期待してます
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- 5 : 2016/01/31(日) 18:25:41 :
- 期待ありがとうございます!
頑張らねば・・・!!
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- 6 : 2016/01/31(日) 18:39:53 :
- つん、と鼻の奥が痛む。
まだ朝が早いからか辺りはひどく気温が低い。
暖房は入っているはずなのにとても寒く感じた。
僕が乗る飛行機まであと15分ぐらい。
搭乗ロビーで、飛行機を待つ。
他にもちらほらと客は見かけるが、誰も彼もスーツで、旅行客というわけではなさそうだ。
それは、僕も同じ。スーツ姿で飛行機を待っている。
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- 7 : 2016/01/31(日) 18:47:38 :
- ・・・そう。今回僕は仕事の都合で外国に行くことになった。
なんでもうちの社長が、向こうの子会社の社長に書類を渡す役目に
僕を推薦したらしい。曰く、
「仕事だけはできるからな」
だそうで。
「んー・・・」
腕を伸ばして伸びをする。いろいろ整理してたら、
休養にと社長がくれた休みをほとんど仕事に費やしてしまった。
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- 8 : 2016/01/31(日) 18:56:00 :
- そのせいで肩が凝っている。
やっぱり休んでおけばよかったかな、なんて思う反面、
書類を期限よりかなり前に終わらせられて、修正に長い時間を取れていい
そう思う僕はやはり仕事人間なのだろうか。
ふと、後輩に言われた言葉が蘇った。
「クローリー先輩って、顔も良くて体付きも良いからモテるのに彼女いませんよね~」
あの時はそんなことないよ、と否定したが、よくよく考えてみると変な話だ。
僕は特に会社で女性に声をかけられたことはないし、外出先でもない。
なのにあの後輩は僕のことをモテると思っているらしい。
帰ったら訂正しておかないと・・・なんて思って再度伸びをする。
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- 9 : 2016/01/31(日) 19:54:29 :
- ♪~ ×時×分発○○○行き□□□便をご利用のお客様にお知らせいたします。
只今より、搭乗手続きを行いますので、△△番ゲートまでお越し下さいませ。 ~♪
僕が乗る便が呼ばれて椅子から立ち上がる。
今回の国は国外の多くに進出しているうちでも遠めで、
飛行機で14,5時間かかるそうだ。
中で書類整理できるかな、なんて考える僕を見透かしたかのように携帯が震える。
「・・・メール?」
どうやら社長かららしい。
内容は、
ーーーーーーーーーーーーー
お前のことだからどうせ飛行機の中で書類整理しようとか思ってるだろうが、
・・・するなよ?休めといったのに仕事してたの知ってるんだからな
仕事漬けで倒れられると困る。とにかく休め。寝ろ。
ーーーーーーーーーーーーー
・・・・・・。
どうやら完全に見透かされているらしい。
どうやって知ったのか知らないが書類整理してたのも知っているようだ。
ここは大人しく休んどかないと後で張り倒されるなあ・・・なんてぼんやり思った。
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- 10 : 2016/01/31(日) 20:04:11 :
- 手続きを終え、機内に乗り込む。
少し広い座席が並んでいる。
まあそれもそうでここはビジネスクラスだから。
座席は特に気にしないのでエコノミーを取ろうとしたら、
社長に止められて何故かファーストにされそうになったので
反抗して揉めに揉めて結局ビジネスに落ち着いたのだ。
外聞はどうでもいいというタイプな社長なのに何故かあのときだけは譲らなかったな。
そんなことを考えつつ携帯もオフにして、
特にすることもなく窓を見つめる。
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- 11 : 2016/01/31(日) 20:15:53 :
- 行き先が行き先なだけに乗客は少ない。同列はおろか前後の列にもいない。
こんな状態で飛行機を飛ばして大丈夫なんだろうか。経営破綻しそうだ。
そして結局。 出発時間まで待っても、席は埋まることなく出発した。
操縦士が上手いのだろうか、ゆれはほとんど無い。
いつもくる恒例の耳鳴りも起こらず、
快適に過ごせそうだな、と座席に背を預ける。
暫くしてインターネットが可能になったが、社長に言われているので今は大人しくすることにする。
凭れていると、社長の言うとおり。
自分でも気付かないうちに疲労が溜まっていたらしい。
すぐに眠気が襲ってきた。
(これは・・・気付かないうちに無理して倒れるっていう暗示かな)
全く社長の言うとおりで、そんな自分に苦笑を零して目を閉じた。
時間はたっぷりある。し、寝ろと言われているのだから従うことにした。
ゆっくり。じわりじわりと眠気が脳を侵食して
僕の思考をどろどろにとかしていく。
力が抜けて。
そこで意識を手放した。
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- 12 : 2016/01/31(日) 21:04:06 :
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- 13 : 2016/01/31(日) 21:27:00 :
- それから。暫くして目覚めた。窓の外を見やると、見事な雲海。
日の光に照らされきらきら輝いて。
美しい。おもわず、ほう・・・と溜息が出るほど。
時計を確認すると、もうすぐお昼時だ。
台にパソコンを乗せる。
十分休んだ。もう仕事したって社長も文句は言わないだろう。
周りに人がいないのを良いことに思い切り伸びをして、肩を回す。
そして大きな欠伸をひとつ。
「ふああ・・・ぁ・・・」
ぐーっと目をつぶったあとぱっと開けて
頬を手で2回ほど叩く。そうして気合いを入れて
「よし」
呟くと、ふと後ろから、クスクスと軽やかな笑い声が聞こえた。
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- 14 : 2016/01/31(日) 21:51:20 :
- 「!?」
驚いて振り返るとそこには一人のCAさん。
まず目に入ったのは、喉元。白くて、細い。おもわず、噛みつきたくなるような。そんな喉。
次に、さらりと輝く艶やかな銀色の髪。彼が肩を揺らして笑うたびにさらさら揺れる。
それからシャープな顎のラインに、僅かに湿った、紅くて、甘そうで、柔らかそうな唇。
その隙間から少し覗く八重歯が印象的で。 すっと通った鼻筋、長い睫毛。
形の整った、表すならば、そう。柳眉という言葉が一番しっくりくるような綺麗な眉。
そうして、最後に、瞳。
引き込まれそうに深く、怪しいほどに赤い。
柔らかく細められて、柔和で優しげな光をたたえた。
視線が交わる。
・・・人の瞳を魅力的だと思ったのは初めてで。
どくん。
心臓が大きく波打った気がした。
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- 15 : 2016/02/01(月) 07:27:00 :
- 多分、時間にするとほんの数秒。
その間目が合っただけ。なのに。
その時なんだと思う。彼の瞳が。
・・・存在が。僕の網膜に焼き付いたのは。
彼は、僕と目が合うとまた軽く微笑み、
「昼食の準備に参りました」
そう言って手元のカートを指し示したのだった。
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- 16 : 2016/02/01(月) 16:23:14 :
- 彼が昼食を準備している間、僕は猛烈な恥ずかしさに襲われていた。
別に一連の動作をみられたことはいい、問題じゃない。
・・・ただ、彼の前で間抜けな顔をさらしたこと。多分、口も開いてたと思う。
同性に数秒とはいえ見惚れたことが、少し後ろめたかった。
僕には衆道の気はないはずだ。・・・確かに女性を魅力的だとか思ったことはないけれど。
彼が近づくたびに、ふわりといい香りが漂う。薔薇の香りだろうか。
キツいにおいでもなく、仄かに香りが鼻腔に届く程度。
僕はあまり薔薇の香りは好まなかったはずなのに、かぐわしく感じるのは何故なんだろう。
気付けば腕を伸ばしていて。
指先が髪に触れる。さらりと逃げる。絹みたいだ、と思う。
瞠目して彼がこちらを見る。
「え・・・っ?」
「・・・!!」
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- 17 : 2016/02/01(月) 16:34:55 :
- 我に返って慌てて腕を引っこめる。
彼は困ったように笑うと、準備が終わったのか僕にお辞儀をしてき踵を返した。
(僕は今、何を・・・?)
自分の手を呆然と見つめる。
意思があったわけじゃない、と思う。多分無意識。
どうしてなのか全く分からなくて混乱する。
掌で顔を覆う。顔がひどく熱かった。
指先にはまだ彼の髪の感触が残っているような気がして、頭を抱える。
瞼をきつく閉じて、早く無くなってしまえば良いと、そう願った。
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- 18 : 2016/02/01(月) 16:35:58 :
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- 19 : 2016/02/01(月) 16:50:02 :
- *****
「・・・っ」
あの席から離れて、関係者以外立ち入り禁止のところまで来て。
そして顔を覆って座り込む。心臓が早鐘を打って、今にも飛び出しそうだった。
顔が発火しそうに熱い。きっと真っ赤だろう。
心臓を鷲掴みにされた気がして、苦しい。シャツの胸元を握り締める。
なんで、なんで。
なんで、あの人はあんなことしたんだろう。
乗車して来たときからガタイの良い男前さんだなとは思っていたものの、
髪に触れられるとは思ってなかった。
「うわー・・・」
まずい、と思う。
本当にまずい。
カートを押していったら頬を叩いて気合いを入れていたから、
なんだか可愛くて思わず笑ってしまったけど。
こちらをポカンとして見つめていて、大型犬みたいだとは思ったけど。
髪に指の感覚が残っている気がする。
おかしいな、髪に触覚はないはずなんだけど。
まだ顔の熱は冷めない。
まともに業務が出来る気がしなくて、腕に顔を埋めた。
*****
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- 20 : 2016/02/01(月) 16:51:02 :
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- 21 : 2016/02/01(月) 21:15:37 :
- 夕方も薄く過ぎ去って辺りを闇が包み始める頃。。もうそろそろ到着する時間。
仕事も一段落して、首を回す。ポキポキッと音がした。固まっている。
音が鳴った。もうすぐ着陸。シートベルト着用の合図。それに従う。
タイヤの出た音がして、ついで少しの振動。着陸したらしい。
ホテルに入ったら仕事のスケジュールの確認やらをいろいろとしなければいけない。
ついでにできた書類を送ってしまおうか。・・・いやでも帰ったら社長に怒鳴られかねないから止めておこう。
首を再度回す。 まだ少し引きつった。
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- 22 : 2016/02/02(火) 22:12:35 :
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飛行機が完全に止まって、荷物を下ろす。
初め聞いたときは長いと思っていた14時間も、いざ着いてから考えてみるとあっという間で。
今自分が日本から遠く離れた外国にいるとは俄には信じがたいくらいだ。
持つものを全部もって飛行機をあとにする。ふと、背中に視線を感じた気がして振り向く。
「? ・・・気のせいかな」
でも後ろには誰もいなくて。不思議だったけど特には気にもとめずに、僕は空港へ歩き出した。
*****
歩き去って行く彼の後ろ姿をぼんやり見つめる。
彼とももう二度と会うことはないだろうな。
客室乗務員はそういう仕事だとはいえ、少し寂しい気もしなくはないけれど。
「・・・行かなきゃ・・・」
軽く伸びをする。それでもってふと彼のことを思い出して頬を叩いてみる。ぺちん。
力加減を間違えたのか、結構痛かった。
じんと痛む頬を擦る。ちょっと笑った。
何してるんだろう僕。ちょっと楽しくなってクスクス笑うと、無口な操縦士に変な目で見られた。
頬はちょっと痛いけど、これから気合い入れにこれを使おうかな、なんて思って、またちょっと笑った。
*****
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- 23 : 2016/02/06(土) 21:50:40 :
- 荷物を空港で回収して、ホテルに向かう。
明日から早速仕事だから今のうちに出来ることをしておこう。
そんなことを頭に思い浮かべながら、チェックインした。
部屋に上がる。暫く滞在する部屋。
(あ、・・・結構広い)
一人で使うには広い部屋。日本に比べて格安だから多少つくりが悪くても仕方ないかと思っていたけど。
べつに格段悪いところもなく、ごくごく普通の良い部屋だ。
どさっとベッドに腰掛けてぼんやりする。
慣れない長旅だから疲れたのかもしれない。
ぼやっと思考に靄がかかっていく。回らない頭で
あ、眠いんだな、と理解する。
仕事はあるが別に急ぎの物でもない。
スケジュールはさっきざっと確認したし大丈夫だろう。
今はもう寝てしまおう。どうせ僕は眠りが浅いから、数時間すれば目が覚めるだろうし。
お風呂はその時入ればいいや・・・・。
眠気が僕の思考をねじ曲げて自分に都合よく作り替えていく。
とにかく眠い。それだけしか考えられなくなる。
視界も霞がかっていく。だんだん暗くなる。瞼が閉じていってるんだろう。
・・・・そこで記憶が途切れたから、きっと眠りに落ちたんだと思う。
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- 24 : 2016/02/09(火) 17:37:37 :
次に目が覚めたのは、数時間経ってからだった。
まだ仄かに眠気の残る頭を無理に回して、ベッドから身体を起こす。
座った体制から寝たから膝が曲がっていて少し動かす度にじわりとした痺れが脚全体を覆う。
これは暫く動けないな・・・なんて思ってまたぼんやりとする。
さっき寝たからか眠気はさっぱり襲ってこなくて、溜息をついて書類に手を伸ばす。
また社長に怒られそうだな・・・なんて思いながら。
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- 25 : 2016/02/10(水) 19:33:06 :
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「んー・・・」
仕事といってもほとんどやってしまっていたのでものの数分後には僕はまた暇な状況に戻ってしまったので
シャワーを浴びて、そうしてまたベッドに腰掛けぼんやりとする。
こんなにのんびりしたのは久しぶりだ。
ぼんやり、ぼんやり。完全に脱力していると、いきなり携帯電話が鳴った。
~♪
画面を見る。今回の仕事相手。
「・・・はい、もしもし」
無理矢理にいつも通りの声を出した。どうか取り繕えてますように。
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- 26 : 2016/03/05(土) 23:29:05 :
- 「・・・クローリー・ユースフォード君、で間違いないかな?」
携帯越しに聞こえる声。
「そうです」
頭が冴えていく。書類をたぐり寄せる。
「・・・なにか、ありましたか?」
用件を問うと笑う気配がする。
「いや、特にそういうわけではない。・・・君の声を聞いておこうと思ってね」
「声・・・ですか?」
「ああ」
社長の言葉を思い出す。
“「あいつは少々・・・いや、ものすごい面倒くさい奴だ」”。
面倒くさい。なんとなく分かる気がする。仕事前にわざわざ僕の声を聞くために電話をかけてくる辺り、特に。
「(・・・これは、どういう返答を期待されているんだろうか)」
どう答えようか迷って黙ると、彼は愉しそうに喉の奥でくつくつと笑った。
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- 27 : 2016/03/24(木) 02:05:36 :
- 期待だ
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- 28 : 2016/03/25(金) 15:24:00 :
- ありがとうございます!
あっ
進めないと・・・進めないと・・・
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- 29 : 2016/04/04(月) 07:22:30 :
- 「そんなに警戒するな」
別に取って食いやしないさ。電話越しの声はそう笑った。
それになんだか理由もなく厭な感じがして眉をひそめた。
それから、なんだかんだ腹を探り合いながら(といってもこちらだけだろうが)、
似合わない世間話を数分、通話を切った。
どっと疲労が押し寄せる。
この調子では、本件ではもっと疲れることになるかもしれない。
予感に溜息をつきつつ、再度ベッドに沈み込んだ。
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- 30 : 2016/04/05(火) 14:57:45 :
- 期待です!
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- 31 : 2016/04/05(火) 16:19:15 :
- ありがとうございます!
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- 32 : 2016/04/06(水) 17:51:45 :
- (筆者の都合上仕事は省略)(すみません仕事内容分からなかったです)
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