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苗木「死にたがり」
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- 1 : 2016/01/27(水) 18:36:13 :
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〜絶望前の世界〜
苗木「あ〜今日も学校…疲れたな」
苗木「なんか最近…クラスの雰囲気がピリピリしてるんだよね」
苗木「腐川さんも朝日奈さんもさ…根本的な考えが違うってのはよーくわかるよ」
苗木「でもさ…なんで相手に少しでも寄り添おうとしないかな?」
苗木「そしてどうして…2人が話すたびにボクがこんなにもハラハラした気持ちにならないといけないのかな…?」
苗木(最近さ…こうやってベッドの上に寝転がって1日のことを考えると、絶対こう思うんだ)
苗木(死にたい、ってね)
苗木(だけどボクに死ぬ勇気なんてない)
苗木(だからボクは自分のことをこうやって呼ぶ)
苗木(死にたがり………ってね)
※全国の死にたがりさんに送るストーリーです
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- 2 : 2016/01/27(水) 18:43:42 :
苗木「あ!」
桑田「どうした、苗木?」
苗木「クラス看板の配色間違えちゃった…」
桑田「あ〜、だいぶミスってんな」
苗木(ああ…死にたい)
苗木「!!」
桑田「今度はどうした!?」
苗木「いや…ごめん、なんでもない」
苗木(今までは…これくらいのミスじゃ「どうしよう…」くらいにしか思わなかった)
苗木(だけど…最近はごくごく小さいものにも「死にたい」って思うようになってしまった)
苗木(どれだけそう思っても…死ねないのに)
桑田「まあ…こんなの気にすんの石丸くらいだろ」
苗木「え?」
桑田「バレないバレない!こっちの方がカッケーからこうやったんだ!っていえばヘーキヘーキ」
苗木「…ありがとう」
桑田「ははは!」
苗木(こんな会話をすると…自分の小ささに気づく)
苗木(そしてまた「死にたい」と思ってしまう)
苗木(もちろん、死なないよ)
苗木(そんなボクは…やっぱり死にたがり)
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- 3 : 2016/01/27(水) 18:47:52 :
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苗木(ほらさ…なんか嫌なこととがあった時さ、すべて捨ててしまいたくなってしまうことない?)
苗木(物も…交友関係も…何もかも)
苗木(でもね…気がついたんだ、最も早くすべてのものを捨てれる方法)
苗木(それが…「死」なんだ)
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- 4 : 2016/01/27(水) 19:19:41 :
石丸「さて…今回の文化祭だが、主に誰のために企画するものか考えようか」
桑田「今まではどーだったんだよ?」
石丸「主に学生の為であったそうだ!」
腐川「じゃ、じゃあ…もうそれでいいじゃない」
朝日奈「うーんでもさ…学校って地域に根ざしてるものじゃん?だから、地域の人のことも第一にしていいと思うんだよね」
舞園「確かに!お客さんあってこそのアイドルとおなじように…地域の人が支えてくれてこそ学校ですもんね!」
大和田「でもよ…ここは私立の希望ヶ峰学園だぞ?別に地域と連携とか特にしてねえだろ」
セレス「私もその意見に賛成です。別に今更そこを変えたところで何か良いことがあるとは思えません」
大神「だが…新しいことに挑戦すること、それが己の成長に繋がる。それも良いことではないか?」
江ノ島「なになに?それって結局地域の人のためでも他クラスの人のためでもなく自分の為ってかんじ?」
朝日奈「さくらちゃんはそんな気持ちで言ったわけじゃないよー!!」
大和田「自分のためのどこが悪いんだ?」
江ノ島「なに?」
山田「そうですとも!学校はやっぱりすべての経験が自分に返ってくるものだと思いますぞ!」
苗木「!!!」
苗木(ああ…またこれだ)
苗木(さっきまでは普通の話し合いだった…でもここでまた、空気が変わった)
苗木(朝日奈さん…霧切さん…舞園さん…みんな睨んでる)
苗木(ああまた…話の論点がずれていってるよって)
苗木(だからこいつらはだめなんだよって、だから根本的に合わないんだよって)
苗木(その気持ちの合致から…今度は彼らの元の意見も非難したくなるんだ)
苗木(「他クラス主体のままでいいんじゃない?」)
苗木(これがとても保守的な意見にきこえてきて、苛ついてくるんだ、きっと)
霧切「はあ…論点がずれてきてるわよ」
舞園「さっさと話し合いを進めましょうよ」
苗木「え、えっと…それぞれの意見の理由をもっとちゃんと聞くのはどうかな?」
不二咲「うーん…やっぱり、新しいことに踏み出すのってちょっと怖いかな」
朝日奈「…………」
不二咲「ご、ごめん…」
朝日奈「別に…はっきり言ってもいいんだよ。たださ…やってもないのにできないってちょっと情けなくない?」
舞園「私達は仮にも…世界の希望となる者達ですからね」
苗木(そして自分たちがちょっと話がずれているなと感じた時は…スルーしてしまうんだ)
苗木(そんなことばっかり考えてしまうボクの立場は「中間者」)
苗木(双方の意見をちょっと後ろから眺めて、波風立ち過ぎないように抑える役)
苗木(だからこそみんなになぜか頼られる、いてほしいと言われる)
苗木(だからこそなんだかめんどくさくなってしまう)
苗木(こんな話し合い…さっさと終わってしまえばいいのに)
苗木(ほらほら…そんな風にまた言い合いになったらさ)
苗木(死にたい…って思っちゃうじゃないか)
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- 5 : 2016/01/27(水) 19:27:36 :
苗木(時々無性に叫びたくなる)
苗木「…………っ」
苗木(でもその声がでることはない)
苗木(だって…おかしいじゃん、いきなり叫びだす奴って)
苗木(時々誰かに無性に相談したくなる)
苗木「……………」
苗木(誰に相談すればいいか分からなくなった)
苗木(時々無性に山に引きこもりたいと思う)
苗木「いやいやいや…」
苗木(授業あるしな…って思っちゃう)
苗木(時々無性に死にたくなる)
苗木「……………」
母『どうして…どうして誠が!?』
こまる『お兄ちゃん……お兄ちゃん!!!』
苗木(そうすると…絶対に家族の姿が頭にうかふ)
苗木(もし、ボクがすべてをすてることができても…)
苗木(ボクの「死」は永遠に家族の頭に残る)
苗木(楽しいことがあっても、どれだけ笑っても、必ずどこかでボクのことを思い出す)
苗木(そんなボクの存在で…家族を傷つけたくなんかないんだ)
苗木(そしてボクはまた…死ねない)
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- 6 : 2016/01/27(水) 19:27:58 :
- 期待!!
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- 7 : 2016/01/27(水) 19:34:43 :
苗木「あはははは!!!」
桑田「いいだろいいだろ〜〜!!」
苗木(この前…初めてお酒を飲んだ)
苗木(うん…いけないことは分かってる)
苗木(すごく…すごく酔った)
苗木(吐いた、吐きまくった……頭が痛い)
苗木(息がどんどん荒くなる、自分の意識がどんどん遠ざかってゆくのが分かる)
苗木(そんなときおもった)
苗木「死にたく……ない」
苗木(皮肉にも…死を覚悟した途端にボクは手のひらを返したように死にたくないって思った)
苗木(でも次の日…荒れてるボクの部屋をみた)
桑田「ガアー…ガアー…」
苗木「うわ…ゲロまみれ!もしかしてボクのも桑田くんのもまざってる!?」
苗木(酔いから覚めたら…絶対に嫌な現実が待ち受ける)
苗木(それがさらにボクを死にたくさせる)
苗木(酒にもすがれないボクは…何にすがればいい?)
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- 8 : 2016/01/27(水) 19:41:47 :
舞園「あ、苗木くん!」
苗木「舞園さんと…朝日奈さんと霧切さんと大神さん」
苗木(このメンツはもしかして…)
朝日奈「ねえ、苗木はどう思う?アイツラのこと」
苗木(アイツラってのは…意見っていうか根本的なところから合わない人たちか)
苗木「うーん…どっちの意見も分かるんだよね」
霧切「ふふ…苗木くんはやっぱり優しいのね」
苗木「そんなことないよ…ただ、自分の意思がちょっと薄いだけかな?」
舞園「いいえ!そこが苗木くんのいいところなんです!」
大神「ああ…そういう立ち位置も必要だ」
苗木「………」
苗木(ねえねえ、これさ……)
苗木(さっきのボクのセリフ…彼女らが敵対視してる大和田くんとかが言ったとしたらどう思う?)
苗木(自分の意見くらいもってこいよ……思考サボってんじゃねえよ…)
苗木(って思われてたと思うんだ)
苗木(ボクだから許される……うれしい、けど)
苗木(なんか違うって…おもえちゃうんだ)
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- 9 : 2016/01/27(水) 19:51:00 :
桑田「苗木〜!今日の掃除やっといてくんね?」
苗木「いいよ」
苗木(死にたい)
腐川「だから!あたしはこんな仕事したくないの!」
朝日奈「いいじゃん!たまには違うのもしてよ!」
苗木(死にたい)
苗木「戦刃さん………あ」
苗木(江ノ島さんと話てた…しかも辺なタイミングで入っちゃった)
苗木(…死にたい)
十神「苗木…」
苗木「!」
十神「このss…対立する意見、根本的な考えかたの違いが話の軸にあるということでいいのだろう?」
苗木「え、なにいきなり…」
十神「十神財閥…御曹司……根本的な考えの違いなら俺なぜ俺をださなかった?」
苗木「!!!」
苗木(そうじゃん…一切思い出しもしなかったよ……)
十神「…………」
苗木・十神(ああ……死にたい)
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- 10 : 2016/01/27(水) 19:56:31 :
苗木「ああ〜今日もつかれた」
苗木(ベッドに入り、また死にたいと考える)
苗木(布団に顔をうずくめる)
苗木(気持ちいい……このまま窒息して死ねたらいいのに)
江ノ島「な〜えぎ♪」
苗木「!!?」
苗木(え、なに!?今ボク自分のベッドの上にいるんだよね!?)
江ノ島「わ〜良い顔!部屋間違えたとでも思った?」
苗木「う、うん…」
江ノ島「残念!盾子ちゃんが不法侵入しただけでしたー!」
苗木「そっちもそっちでまずいよ!」
江ノ島「あのさ、苗木」
江ノ島「死にたいって思ってるでしょ」
苗木「!!?」
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- 11 : 2016/01/27(水) 20:06:03 :
苗木「なんで…」
江ノ島「顔を見てたらわかるよ…ああ、絶望してるって♪」
苗木「絶……望……?」
江ノ島「そうそう!ほんっと良い顔…ふふふ」
苗木(どうした…どうしたんだよ江ノ島さん!?)
江ノ島「私が殺してあげよっか?」
苗木「!!?」
江ノ島「ああ、また良い顔♪」
苗木「何しに……きたの?」
江ノ島「……苗木、変わりたくない?」
苗木「え?」
江ノ島「自分がそんな性格だからこんなに悩んでるんだっておもうことはない?」
苗木「それは…」
苗木(思う)
江ノ島「じゃあさ、じゃあさ!全然違う人になってみようよ」
苗木「なるっていっても…どうやって?」
江ノ島「これからね…誰も苗木のことを知らない場所にいくの」
苗木「学校を出るってこと?」
江ノ島「違うよ……仮想空間にいくの」
苗木「仮想空間?」
江ノ島「そうそう!意識だけコンピューターで作られた場所にいくんだよね!」
苗木「すごい…そんなことできるんだ!!」
江ノ島「今ね…私たちの先輩がそれで南の島に行くことになってるんだよね」
苗木「南の島…」
江ノ島「それでさ…苗木も全然違う人になってそこで生活してみるってのはどう?」
苗木「楽しそう…でも、違う人になりきれるのかな?」
江ノ島「そうだね…じゃあまず名前を捨てよっか」
苗木「名前…?」
江ノ島「そうそう、苗木誠だ………」
江ノ島「コマエダナギトとか……どう?」
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- 12 : 2016/01/27(水) 20:13:30 :
苗木「コマエダナギト…」
江ノ島「そうそう!いい名前だと思わない?」
苗木「ボクは…コマエダナギト」
江ノ島「仮想空間には自分の記憶の見た目で入るからね、せっかくだから今ちょっとイメチェンしてみよっか」
苗木「うわあ…髪の毛、脱色したなあ…」
江ノ島「パーマも結構似合ってるじゃん」
苗木「うん…せっかく代わるなら服も変えてしまおっかな」
江ノ島「そうだね…まあ、苗木のアイデンティティであるパーカーを残したいから…この長いのとかどう?」
苗木「かっこいいかも……」
江ノ島(いいね…一気にミステリアスさがでてきた)
江ノ島「苗木はさ…あそこではどんなキャラでいくの?」
苗木「え?」
江ノ島「せっかく誰も知らないんだしさ…最低になってもいいんだよ」
苗木「そっか…最低に……」
苗木(狂ってしまいたい……時々そう思うことはない?)
苗木(でも狂った奴なんて…誰も相手にしたくなくなるよね)
江ノ島「ここなら…いいんだよ」
苗木「!!」
苗木(そっか…そうだ!そういう場も……あってもいいかもね)
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- 13 : 2016/01/27(水) 20:18:06 :
江ノ島「…………」
江ノ島「うぷぷぷぷ」
江ノ島(これで…役者はそろった)
江ノ島「苗木くん入れるとか我ながらナイスアイディア!!」
江ノ島(本当は大好きなクラスメートにコロシアイをさせる予行練習として、先輩の意識を閉じ込めてコロシアイをさせようと思っていた)
江ノ島(だけどやっぱり……おもしろくしないと、楽しくない!!!)
江ノ島「苗木くん……いや、狛枝くん!!」
江ノ島「キミの死にたがり…本当の「死」の世界ではどう影響する!?」
江ノ島「私を楽しませて!絶望させて!!」
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- 14 : 2016/01/27(水) 20:28:12 :
〜chapter1 学級裁判〜
花村「ちょちょちょっと狛枝くん!!話が違うじゃないか!!」
狛枝「ああ…ごめんね、やっぱりキミを守りたくなくなっちゃったんだ」
左右田「おい…どういうことだよ!?」
狛枝「まあ、つまり……今回のコロシア、ボクが花村くんに加担したってことだよ」
ソニア「そ、そんな…!?」
狛枝「死んでもいいかなって思って加担したけど……」
狛枝「やっぱり死にたくないって思っちゃった」
左右田「お前…言ってることもやってることも意味わかんねえよ!?」
狛枝「ははは……だってボクは死にたがりだからね」
左右田「は…?」
日向「最初の優しかったお前は…なんだったんだよ!?」
狛枝「あれは…まだ、こうなることに戸惑いがあったから、かな」
西園寺「全然なにいってるかわかんなーい」
狛枝(たとえここが仮想空間だとしても…)
狛枝「やっぱり…死ねないな」
おしまい
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- 15 : 2016/01/27(水) 20:29:24 :
見てくださった方々、ありがとうございました!
死なないでね!
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- 16 : 2017/04/22(土) 16:51:18 :
- ここから続いてくれないと
日向の出汁に使われてるみたいでやだなあ
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