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『水晶の中のアニ』
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- 1 : 2016/01/27(水) 11:35:36 :
- 題名『水晶の中のアニ』
閲覧ありがとうございます!
遅い投稿かもしれませんがよろしくお願い致します。
⚠︎注意
・単行本ネタバレ含む。
・獣の巨人が出てきますが、全て私の捏造です汗
口調とか、性格とか、私が考えました汗
こんな感じかな…と汗
・エレン、アルミン、ミカサ、アニ、コニー、ジャン、104期生が中心に出て来ます。
・会話文が多く、地の文に違和感などあるかもしれません。
・コメント下さると嬉しいです!
誹謗中傷はやめて下さい。
⚠︎⚠︎原作ではどんどん話が進んでますが、こうだったらいいなという私の考えです汗
それではよろしくお願い致します。
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- 2 : 2016/01/27(水) 11:37:49 :
- ──────────
──────
───
俺は…何してる?
ここで突っ立ってハンネスさんが喰われるのを見て…何してんだ?
仲間が巨人に喰われてるこの光景を見て
俺は…俺は…
「エレン」
その時俺に声をかえてくれたのは、
ミカサだ。
周りが巨人に喰われ
今、目の前に母さんを喰った巨人が近づいてる中
「エレン、聞いて伝えたいことがあるの
私と一緒にいてくれてありがとう
私に生き方を教えてくれてありがとう
私に…マフラーを巻いてくれてありがとう」
そうミカサは俺に言った。
こんな顔をミカサにさせるなんて
俺は何してるんだ?
イマナニシテル?
黙って死ぬのか…ミカサと?
俺はまだ
「そんなもん何度だって巻いてやる…これからもずっと俺が何度でもっ!」
ここで死んでたまるか…!!
ミカサと生きて帰るんだ!
その思いを込めた渾身の一撃はかつて母さんを喰った巨人の手の平にペチンと音を立てて当たる。
その瞬間……
《《ビリビリ》》
と何かが起こるそんな衝撃が走る。
するとー
その場にいた巨人が一斉に
エレン達を喰おうとした
巨人に襲い掛かる。
そして、ライナー、ベルトルト、ユミルにも同じように頭の中である衝撃が走った。
そうその衝撃ははるか遠く
地下室ー水晶の中で眠っている
アニ・レオンハートをも呼び起こした。
─────────水晶の中のアニ
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- 3 : 2016/01/27(水) 12:23:21 :
エレン「どういうことだよ!?」
ミカサ「分からない…けど、助かったことは確か。ありがとう、エレン」
エレンとミカサは目の前で起こった奇妙な出来事に困惑しながらもエルヴィン隊長の撤退命令により壁の中へと帰還した。
──────────壁の上
エレン「何が何だか…って、結局ライナー達は逃すし…ハンネスさん、も」
ミカサ「エレン、今は私達が助かったことに…」
エレン「あぁ…だけど結局なんの成果も」
ハンジ「それはないと思うよ〜」
そう言ってきたのはニコッと笑いながら俺たちの質問に答えたハンジ分隊長だった。
エレン「は、ハンジさん!」
ハンジ「ちょっと良いニュース、水晶の中のアニが目を覚ました」
エレン「え…?」
ミカサ「アニが…」
ハンジ「みんなにはまだ伝えてないけどね。アニを捕まえたエレン、君には伝えとこうと思って、ね?」
エレン「な、なんでこのタイミングで!?」
ハンジ「私も詳しいことはわからないけれど、さっき、リヴァイ兵長とエルヴィン団長に色々聞いたらエレンーあなたが何かしたら巨人が巨人を襲った…ってね?」
エレン「そ、そうだけど、なんでそれでアニがっ!?」
ハンジ「これは憶測なんだけど、もしかしたらエレン、君のその出来事で水晶の中のアニも何か反応したんじゃないかってね〜巨人は本当に興味深い…フフッ」
ミカサ「…そ、それでアニは?水晶の中から」
ハンジ「んー、そう、バシッと割れたみたいでね〜今はぐるぐる巻きにして閉じ込めてる…フフッ」
エレン「バシッと割れたって…あんなにいくらやっても割れなかった水晶が?」
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- 4 : 2016/01/27(水) 13:19:36 :
ハンジ「そう!それが不思議なんだよね〜エレン、君の力は計り知れないってことも分かっちゃったわけだけど」
ミカサ「それじゃ…もしかしたら巨人に関する質問が出来るかも」
ハンジ「そ、れはどうかな?そう簡単に口を割るとは思えないからね」
少し首を傾げエレンの質問に答えるハンジ。
エレン「じゃ、じゃぁ、なんか、拷問みたいな…」
ハンジ「そうじゃないかな?」
エレン「…そうじゃないかなって、んな、仲間が拷問…」
ミカサ「それは本気で言ってるの?エレン」
エレン「えっ…」
ミカサ「あの女は私達の仲間を沢山殺した…それでもそんなことを言うの?」
エレン「んなこと言ってんじゃねーよ!ただ、なんか嫌だな…ってだけだ」
ハンジ「……ってことなので私も地下室に行かないと。それじゃ2人も早く休みなね」
エレン「あ、の!アニに会えるんですか?」
ハンジ「会いたい?」
エレン「えっ!?」
ハンジ「覚悟があるなら会ってもいいけど?」
ミカサ「……つまりもう拷問にかけられてると」
ハンジ「……だから覚悟があるかって聞いてるんだけどねぇ」
エレン「あ、会います!あってあいつの目を見て確かめたいことがあるんだ!」
ミカサ「エレン……私も」
ハンジ「残念ながらお1人様ってことでミカサはまた今度でいいかな?」
ミカサ「そんな!」
ハンジ「いきなり女型さんも2人には会いたくないはず、1人ずつね?」
ミカサ「わ…かりました。エレン気をつけて」
エレン「大丈夫だ!!あいつに聞きたいことは山ほどあんだからよ。」
ハンジ(聞きたいこと…ねぇ)
─────────────地下室
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- 5 : 2016/01/27(水) 16:13:28 :
- 現在、大量殺人犯でもある
アニ・レオンハートは地下室の1番深い
ところで取り調べを受けていた。
取り調べなんて、生易しいものではない、が。
椅子に手足をぐるぐる巻きに固定されている。
アニが動くたびガチャリガチャリとその
固定されてる金属が嫌な音を立てて鳴る
のだ。
そして地下で聞こえる怒号…それは
男「テメェのせいで俺の仲間は死んだっ!お前も死ね!!」
その男は持っていた鞭をアニの体に叩きつける。
「はぁ…はぁ…」
何度も何度も、アニが口を割るまで。
アニが巨人の事について話すまで。
何度も、何度も、血が吹き出るまで打ち続けるのだ。
男「はっ、巨人とかなんとかな〜こんな女がよー」
そしてもう1度持ってる鞭をアニに振りかざす。
「グッ……はぁ…はぁ」
男「ははっ!!愉快愉快。なにやっても死なないんだってなー!」
「………」
男「いいか?ここは地下だ…お前なんか逃げられねーんだよ?分かるか?いっぱい巨人について話をしてもらおうじゃねーか?な?」
アニの髪の毛を右手で掴みそう囁く男。
「はぁ……はぁ……」
男「口をさっさと割れやーー!!!この人類の敵めっ!!!」
「………」
男「このっ!」
そう鞭をまた振りかざそうとした時扉が開いた。
ハンジ「どーも」
男「は、ハンジ分隊長!」
ハンジ「どう?やってる〜?」
「全然口を割らないんです!コイツ!!この野郎がっ!!死ねっ!」
ハンジ「死んだら困るな〜お手柔らかに?」
男「っ!すみません」
ハンジ「でもー…この子の前だと口を割るんじゃない?」
ハンジの後ろにいたのは目隠しをされたエレンだ。
エレン「ここはどこですか?」
地下室に連れてこられたエレン。
場所を特定されたくないとのことで目隠しをされながらここまで来たのだ。
ハンジ「ごめん。ごめん、目隠しとるね」
───・───
エレン「ん………アニッ!!!!」
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- 9 : 2016/01/27(水) 20:19:27 :
- アニ「………」
エレン「アニッ!!」
男「おいおい、近付くなよ。」
ハンジ「ごめん、この子は女型を捕まえたあの巨人になれるエレンさ」
男「へー、お前が」
男「同類ってやつか」
エレン「なっ!」
男「怖いな〜巨人化されたらよ」
ハンジ「それは大丈夫。ここは地下だから、それと…あまりお喋りがすぎるぞ、君」
男「!ーーす、すみません。で、どうすんですか?」
ハンジ「やっと会えたんだ、話があるんだって。少しの間、時間をあげるから2人で話しなね」
男「えぇ!!いいんですか!?逃げでもしたら」
ハンジ「大丈夫だって、出入り口は1つだけ、その前にずっと立ってるし、ここは地下だから」
男「分隊長が言うなら…ちっ、早くしろよな。こいつからまだ絞りとってねーからよ」
エレン「……わ、分かりました」
ハンジ「なんか有益な情報を引き出せたら教えてね〜エレン」
エレン「……はい」
ハンジ「それじゃぁ、ADIÓS!」
そう朗らかに言うとハンジは扉をバタンと閉めた。
────────────────
薄暗くろうそくの炎だけが2人の顔を映し出す。
下を向いてるアニにエレンは声をかけた。
エレン「アニ…顔を上げろ」
アニ「……はぁ」
疲労が溜まってるせいかグッタリとしながらも顔をエレンの方に向けるアニ。
その瞬間ー
パチンっ!!
アニ「!?」
アニの右頬にエレンはピシャリと1発くわらした。
エレン「1発…じゃすまねぇよ。この馬鹿野郎」
震える声でエレンは言う。
アニ「…平手打ちなんて優しいじゃないか」
フイと顔を背けそう答えるアニ。
エレン「あのなぁ…なんかもうわけわかんねぇんだよ。」
アニ「…そうだろうね」
エレン「なんでこんなことしてんだ?」
アニ「……さっきのやつもいって…ゴホッ…」
エレン「だ、大丈夫か!?」
アニ「フッ…心配なんてしなくていいよ。バカだね、あんたは。仲間を殺したのは私なのに」
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- 11 : 2016/01/27(水) 22:38:55 :
- >>10 コメントありがとうございます!
是非想像しながら読んでくださると嬉しいです(^ ^)
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- 12 : 2016/01/27(水) 22:42:02 :
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エレン「うるせぇ…事実はそうかも知んねーけどな、けどなっ!俺バカだから…まだしんじらんねーんだよ」
拳を震わせながらエレンは言う。
アニ「……あんなに戦ったのにね」
エレン「だな………なぁ、何がしたいんだ?本当に。教えてくれよ」
アニ「私…たちは戦士」
エレン「は?」
アニ「ここで口は割らない…死んでもね」
エレン「この拷問に耐えるってことか……んでもって、ライナーもよ、ベルトルトも…お前の仲間なんてな」
アニ「!!ーーそう、知ったんだね」
エレン「あぁ、お前らが……なぁ、本当に何にも話せねぇのか?拷問に耐え続けんのかよ!」
アニ「はぁ……兵士にも戦士にもなりきれない私への罰かなって」
エレン「わかんねぇ!お前は俺たちの仲間アニレオンハートじゃねーのかよ!?」
アニ「私こそ分からないね…あんたがよく私と話せるのか。普通だったら殺してやりたいぐらい憎いだろう?」
エレン「あぁ!凄いムカつく、すっげー、殺してやりたいぐらい憎いんだよ。けどな、それ以前にお前は俺たちの仲間だった…過去形でも…仲間だったんだ」
アニ「バカみたいなお人好し…ホントバカ………」
エレン「ペトラさん…グンタさん…お前は俺の仲間をめちゃくちゃに殺した。お前らの目的がどうあれ、大量殺人犯なのは変わりねぇ…けど、けど!」
アニ「……ベルトルトとライナーは」
エレン「……あいつらは獣みてーな巨人とどっかいった。ユミルもなぜか一緒ってな」
アニ「!!」
エレン「ん?」
アニ「…そう。」
エレン「なるほどな…そっちのお仲間の心配かよ。」
アニ「……そうだね」
エレン「……お前は絶対に口をわらねぇんだな」
アニ「そうだよ」
エレン「……じゃぁ違うことを聞く。お前は少しでも俺たちの仲間でいたことはあるか?」
アニ「…ないね」
エレン「そうか……俺たちは利用されてたんだな」
アニ「唯一の予想外は…あんた、あんたがあの瞬間巨人になれたことで私たちの目的は変わった」
エレン「は?」
アニ「ホント……めんどくさい男だよ」
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- 13 : 2016/01/27(水) 23:21:34 :
エレン「……やっぱりこう喋ってると信じられねぇなぁ。アニ」
アニ「……ココで巨人化すれば目がさめる?」
少しだけ目を細めアニはエレンの顔を見て言う。
エレン「じょーだんはよせよ」
アニ「本気だけど?」
エレン「もう…やめてくれ。お前はお前のままでいてほしい。あの格闘術の練習の時、クリスタやミーナと話してる時、お前が1番楽しそうに見えたのは…俺の思い違いかもな」
アニ「……そうだよ」
エレン「はっは……俺は悲しい」
声を震わせながら、エレンの瞼は涙で膨らむ。
アニ「……なんであんたが泣くのさ」
エレン「気付いてやれなかった。もっと早くに気付いてればお前もあいつらも何か変われたんじゃないかってな…俺は仲間のことが…全く見えてなかった」
そこまで言うとエレンの瞼から涙がハラハラと零れ落ちる。
アニ「…バカ」
アニも下を向き、ポタリと地面に水滴が落ちた。
すると
不意にエレンの後ろの扉がガタンと開いた。
───────────────
ハンジ「よー!もーいいかい?話せた?ね?」
エレン「あ…あぁ、また、来るからなアニ」
そう言いながら指で涙をスッとエレンは拭う。
アニ「来なくていいよ、もう」
エレン「来る」
アニ「…」
──────────
──────
ハンジ「どう?久しぶりに話せてなんか聞けた?」
エレン「全然」
ハンジ「そうか…むこうも…なかなかねぇ……これは長期戦になりそうだ。あ、このことは明日にはみんなに伝えようと思うから。目隠して、行くよ?」
エレン「ん……」
──────────
──────
ハンジ「ということがあってね〜リヴァイ兵長?」
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- 14 : 2016/01/28(木) 08:06:45 :
ハンジがリヴァイにその話をしたのはエレンがアニと接触した約1週間後の今日である。
リヴァイ「なるほど…あいつの前でも口をわらねぇか」
グビッと手にしたコーヒーを飲むリヴァイ。
エルヴィン「…聞き出したいものだな、せっかく目が覚めたのだから」
机の上で手を組みながらエルヴィンは言う。
ハンジ「でもね〜あの子が何か喋るとは思わないんだよねぇ〜いろんな拷問使ってるけど、なかなか口を割らなくてねぇ」
リヴァイ「チッ、結局目を覚ましても何も変わらずかよ」
エルヴィン「困ったな。なんとかしてあの獣のことや巨人の秘密とか知りたいのだが」
ハンジ「…」
リヴァイ「なんだ?なんか、考えがありそうな、そんな顔じゃねーか」
ハンジ「あまり…使いたくない手なんだけどね」
エルヴィン「言ってみろ」
ハンジ「まぁ、ちょっとした賭けだよ」
そう言うとハンジは2人に向かってある「作戦」を、話し始めた。
────────地下室
男「この野郎っ!!全く喋らねーーー!」
男「クソッ!!テメェらのせいで俺の仲間は死んだっ!!少しでも償いをしようとか思わねぇのか!情報よこせって言ってんだろっ!!そんで死ねっ!」
アニ「…はぁ……はぁ……」
殴られ続けアニの口の中は鉄の味でいっぱいになり、段々と意識が朦朧としてくる。
男「ここまで黙ってるとはホント、敵ながらあっぱれだわ。なぁー、巨人さん?あ?!」
アニ「うるさいね……さっきから」
振り絞る声は少し震え、空腹のあまり声も掠れる。
男「なんだとっ!!?この人類の敵めっ!!大量殺人犯っ!!!」
アニ「う……ぐっ………」
殴られ蹴られ、いつまで続くんだというこの感じを、アニはもう死ぬかもしれないそんな思いで拷問に耐え続けていた。
アニ「はぁ…はぁ……」
固く閉ざされた扉。
真っ暗でろうそくの光でしか分からない周りの状況。
昼か夜かそんなことも分からない。
アニ
(ツライ…今私はなにをしてるんだい?
戦士にもなりきれず…
兵士にもなりきれず…
私は………
私は………何者なんだい?
なにをしてるのさ…)
アニはだんだんと自分というものが見えなくなっていっていたのだ。
──────────
─────
──
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- 15 : 2016/01/28(木) 11:23:54 :
- エレンも仲間たちと合流できたのは約1週間後、の今日であった。
エレン「あれ?サシャとクリスタは?」
アルミン「サシャなら…エレンの奪還作戦の時、右足骨折…多分1カ月ぐらい、クリスタは…ユミルがホラ向こうに行って…その…まだ混乱してる」
エレン「そうか…サシャは、良かった……クリスタ…」
アルミン「ね、ねぇ!それで、エレンは会いに行ったんだよね?」
エレン「?ーあぁ」
ジャン「どーだった?あいつは」
エレン「普通ーだった」
コニー「なんだそれ?」
ミカサ「普通に…変わらないアニだったってこと?」
エレン「俺は…信じられなかった。俺自身がアニの巨人化を見て戦って捕まえたのに…それでもなんかよ…アニを見たら…な、仲間だったんだよな?って思って……もう…訳わかんなくなったわ」
エレンは頭を抱え皆んなに話す。
ジャン「………本当バカだぜ、お前は」
アルミン「エレン……」
コニー「そうか…」
ミカサ「でも、あの女は大量殺人犯なのは変わりない。それだけは変わらない。仲間であろうとなんであろうと、今は…敵」
コニー「まぁな、ミカサの言うことも分かるけど俺はエレンの言うことも…分かるぜ」
アルミン「コニー…」
するとアルミンの横の扉がガチャリと開きリヴァイ兵長が顔を出す。
リヴァイ「おい、エレンはいるか?」
エレン「えっ?あ、いますけど」
リヴァイ「ちょっと来い」
エレン「え、この後は」
リヴァイ「いいから、来い」
エレン「はい…」
2人が出て行った後、腕を組みながら壁に寄りかかりジャンはポツリとこういった。
ジャン「俺はな、あいつの言うことが少しでも分かる今の自分が、凄い嫌なんだよ。」
アルミン「…僕だって、アニが敵だと思った時、そうであった時も、冷静に対応していた…でも、それはアニは敵だって思い込まないと本気で思わないとやっていけなかったから…僕だってやっぱり少しエレンの気持ちは分かる…よ。仲間だったんだ…から」
コニー「…今は拷問受けてます、か。はぁぁ……なんなんだよもう。俺バカだからわかんねぇ」
ミカサ「……私だって、敵とは思うけど…エレンの気持ちがわからないでもない」
アルミン「…ミカサ」
ジャン「誰だってどんな理由があろうと、仲間が………拷問にかけられてるなんて聞いて良い気持ちはしないだろうよ」
────────扉の前
エレン「な、なんでしょうか?」
リヴァイ「あいつを囮に使う」
エレン「はぁ?」
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- 16 : 2016/01/28(木) 13:27:02 :
リヴァイ「1週間が経過した…拷問してから。だが、一向に情報すら得られない。俺たちの出した結論はアニ・レオンハートを囮に使い、あの2体巨人共をおびき寄せる」
エレン「……さっきから聞いてれば、囮?おびき寄せる?俺は絶対に嫌です。なんでわざわざアニを囮に使って…」
リヴァイ「お前の気持ちはわかる。仲間を囮にするなんて」
エレン「…な、仲間じゃありません!あいつはそういった…ただ、アニをそう言う使い方するなんて嫌だって…」
リヴァイ「言っとくがなエレン。俺はこう見えて感情を表に出すのを隠すのが上手い。」
エレン「えっ?」
リヴァイ「…あの女型の巨人でもあり、俺の仲間を殺したアニ・レオンハートを前に冷静でいるようにしてるが俺のハラワタは煮え繰り返り、八つ裂きにしたい気分なんだが。分かるか?エレン」
エレン「り、リヴァイ兵長…」
リヴァイ「お前は忘れたのか?あの時、仲間を殺したのはあいつなんだぞ?なぜ、そいつの心配をする?」
エレン「……そ、それは」
リヴァイ「それは…まだお前が少しでもあいつのことを信じたいと思ってるからではないのか?」
エレン「そ、そんな…」
リヴァイ「まだまだ、お前は事の重大さに分かっていないようだな。エレン・イェガー」
エレン「……そ、その作戦は俺の協力が必要なんですか?」
リヴァイ「大いに必要だからこうして呼んでるんだが?」
エレン「わ、分かりました。俺はやります!」
リヴァイ「…本当か?」
エレン「はい!やってみせます。俺だって調査兵団の一員として…」
リヴァイ「なら、言葉ではなく行動で示せ。ハンジから作戦を聞きアニ・レオンハートとまた接触しろ。他の奴らにも伝えとく。」
エレン「………はい」
そこまで言うとリヴァイはボソッと呟く。
リヴァイ「……馬鹿野郎が」
エレン「えっ?」
仲間としてまだアニのことを信じているエレンを見つめるリヴァイは少し憐れんだ目をその背中に向けた。
リヴァイ「…なんでもない。さっさと行け」
───────────────
リヴァイ兵長に言われた通り、ハンジがいる部屋へと向かうエレン。
エレン「作戦を聞きにきました」
窓の方を向いていたハンジはエレンの声を聞き、扉の方へ体を向ける。
ハンジ「おお!リヴァイ兵長から聞いたんだね〜まぁ、全く進展がないから、この作戦を実行に移すことに昨日決まったんだよ」
エレン「なんですか…その作戦とは」
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- 17 : 2016/01/28(木) 15:25:31 :
ハンジ「まず君がアニを説得してほしい」
そう言いながらハンジはビシッと人差し指を立てた。
エレン「せ、説得?」
ハンジ「アニをこちら側につけさせる」
「こちら側につけさせる」エレンの頭の中でハンジの言葉が繰り返される。
エレン「こ、こちら側って、敵を味方にってことですか!?」
ハンジ「そう!」
エレン「えぇ!?リヴァイ兵長は囮にって…」
ハンジ「囮?やだなー、リヴァイ兵長は適当なことを。アニレオンハートを味方につけるってことだよ。」
やれやれと言ったようにハンジはエレンに話した。
エレン「んな無謀…無理ですよ!向こうだって覚悟があって」
ハンジ「そこなんだけどね…確かにそうなんだけど…味方というか…まぁ〜丁寧に言うと囮?」
エレン「はい?さっき囮って言いましたよね?俺っ!」
ハンジ「んーなんていうのか…味方につくとライナーとベルトルト?さん達は敵になるわけ。つまりそれでアニレオンハートを罠におびき寄せるってわけ」
エレン「…なんかよく分からないよーな。分かるような」
ハンジ「まぁ、まず作戦はこうだ───
アニとエレンで原則行動するんだけど、もちろん私たちもコッソリ後はつけるよ。
それで例の森までまず行く。そこで女型の巨人でもある彼女が叫びでライナーたちに居場所を伝える。」
エレン「え?叫びって…そんなんで来ん…来るんですか?」
ハンジ「必ず来る…あそこでしか休める場所はないから。しかもこの1週間何もしていなかったわけじゃない。森に調査に行った人らによると獣の巨人とおまわしきヤツと2人はいたそうだ」
エレン「ま、まじかよ!?」
ハンジ「しかも絶対にエレン、君をまた狙ってくるに違いない。だから遠すぎず近すぎないあの森が絶好の場所ってわけさ」
エレン「なるほど…で。アニが居場所教えてどうするんですか?」
ハンジ「その後は私達が3人を仕留める。勿論アニにも協力してもらう。君もねエレン。油断してる相手にこれほどのチャンスはない。」
エレン「わかった………無理だ」
ハンジ「ええ?」
エレン「んなのっ!アニがほとんど協力するじゃねーか!アニは…敵なんだぞ。あんたおかしいよ…そんなに信じるなんてよ」
ハンジ「おかしい…かなぁ?私は君がアニと会ったあの時からこの作戦は思いついてたんだけど」
そこまで言うとハンジはエレンの方に近づいていく。
エレン「な、なんで」
ハンジ「君には何か知らないけど…相手を変えられるような力がありそうな気がするんだよなぁ。大量殺人犯でもあるあのアニ・レオンハートでさえも変えてしまいそうなそんな力がさ」
エレン「それは…ハンジさん、あんたは俺を買いかぶりすぎだ……俺はそんなに凄い人間じゃねー」
でもハンジはエレンの目をみてしっかりと話す。
ハンジ「無理だったらいい。でも、説得してみるだけしてみてよ。」
エレン「もし、それで裏切ったら…アニが!」
ハンジ「それは…また考えよう」
フッと笑うハンジ。
エレン「はっは、無理だ…そんなこと」
ハンジ「何かを始める前に無理だなんて言ってたらいつまでたっても出来ないと私は思うんだ……けど?」
エレン「なんか聞いたことがあるよーなセリフで」
ハンジ「ふふ、リヴァイ兵長の受け売りだよ。やってくれるね?エレン。いや、やってくれ」
何か決意に満ちたような、お願いだ、と言った目をエレンに向け、肩をガシッと掴んだ。
エレン「っ、精一杯やるべきことをやってみ…ます!」
ハンジ「よしっ!それじゃ頼んだよ。エレン・イェガー君」
エレンは考えた。
今何ができるのか。
調査兵団の一員として…
エレン(俺に…今出来ることを)
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- 19 : 2016/01/28(木) 21:58:43 :
-
──────────地下室
男「ククッ…こいつ、よくまぁ、ここまで喋らねーな」
男「……これ使うか…」
男「ハッハ…大量殺人犯への罰だな…サッサと吐けばこんな痛い思いもしないのになぁ〜〜クック」
アニ「なっ……」
男「はっはっはっ!!!」
そう言うと男らは特製の拷問器具をカチャカチャとアニの前に見せる。
アニ「…ぐっ…………あんたらは、」
男「あ?」
アニがなにかを言う前に、男はまたアニの髪を掴み思いっきりお腹を蹴り上げた。
アニ「こんな……世界で……いい」
男「あぁ!?喋るんだったら巨人について話せ!!」
アニ「……私は……イヤだね」
そうアニが言うと男ら2人はアニの顔面に、窒息してしまうのではないかと思うほど殴り続けた。
殴る方も体力がいる。肩で男は息をしながらアニにこういった。
男「へ、へへ…ふぅ……なに言ってんだよ。てめーは…喋れんだったら巨人の事について話せって言ってんだろ!」
アニ「はぁ…………」
男「死んじまったか?死んだら困るんだけどな!」
もう1発、と思い男はまた拳を振り上げるするとまた、男の後ろの扉が開いた。
ハンジ「どーも!」
男「分隊長!」
ハンジ「……拷問って言っても聞き出さないと意味がないんだよ?さっきから黙って見てれば」
男「はぁ…でも、こいつ」
ハンジの後ろからその男に向かって声をかけるリヴァイ。
リヴァイ「気持ちは分かる。だが、それを抑えて情報を聞き出す方が先決だ。エレン入っていいぞ、」
リヴァイの後ろから目隠しを外されたエレンが中に入る。
エレン「はい…」
男「チッ」
エレン「おい」
男「あ?」
エレン「てめぇ!!今どんだけ殴ってんだこのやろうっ!!」
エレンはアニの声、男の声、そして殴られる音を聞いて、カッと自分の体の中が熱くなり、突風の如くその男たちに飛びかかる。
ハンジ「うわぁぁぁ!!エレン君!」
リヴァイ「落ち着けこの馬鹿が」
アニ「…!!」
エレン「だって、こいつら意味なく殴って…」
肩で息をしながらも拳を震わせその男たちを睨みつけるエレン。
ハンジ「まぁ、情報を聞き出すためだからねー」
エレン「何のんき…」
そんなエレンにダンッと壁に足を叩きつけリヴァイは睨みつけた。
リヴァイ「おい、お前の頭の中は空っぽか?今テメェーは何をするべきか考えんだな。」
エレン「…は、はい」
リヴァイの言葉により冷静を取り戻したエレンはアニの方を見る。
リヴァイ「それじゃ俺たちは一旦出る。行くぞハンジ…それとてめぇらもな」
男ら「…はい」
ハンジ「じゃ、エレン君よろしくね〜」
ハンジはいつものように朗らかにエレンに言うと手をヒラヒラとさせながら出て行った。
そして扉を閉める前エレンに「頼んだよ」と言うとエレンもコクリと頷いた。
───────────────
エレン「…」
エレンはこの前とは比べものにならないほどひどいアニの姿を見る。
口は切れ、髪は乱れ、目は半開き、心底疲れた、といった目をエレンに向けるアニ。
そんなアニの目を見つめ、なんとも言えない気持ちになるエレン。
沈黙を破ったのはアニの言葉であった。
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- 20 : 2016/01/28(木) 22:57:32 :
- >>18 コメントありがとうございます!!思ってるよりも結構文が長くなってしまうかもしれません汗
矛盾点などあったらすみません汗
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- 21 : 2016/01/28(木) 22:57:53 :
アニ「何しに…来たのさ」
エレン「…あー、また喋りたくて」
少し上を向いて話すエレン。
アニ「何も…喋ることなんてないよ」
エレン「……コレ」
ポケットからエレンはあるものを取り出す。
アニ「何コレ」
エレン「みりゃわかんだろ、パンだよ…」
アニ「…いらないよ」
エレン「ずっと…食べてねーんだろ」
アニ「…あんた何してんの?」
エレン「…アニにパンあげてる」
アニ「…そーじゃなくて本当に何しに来たの?」
エレン「パン食ったら言う」
アニ「この状態でたべれると思う?」
ジャラっと音をさせてアニはエレンに手を見せる。
エレンはその様子を見てパンをちぎり、アニの口元へ持っていく。
エレン「…はい」
アニ「……」
エレンの手に持ってるパンを無言で食べるアニ。
エレン「美味い?」
アニ「……昔からご飯は美味しくないでしょ」
エレン「……いつもサシャがパン食ってたっけなー」
アニ「昔のことだけどね」
エレン「……お前にお願いがあってきた」
アニ「は?」
エレン「……俺たちの作戦に協力してくれ」
アニ「……分かってるの?私は敵ー」
エレン「んなことは知ってる!けどな、この作戦にはお前の協力が必要なんだよ」
アニ「……何考えてるか知らないけど、
勝手にやってな。」
エレン「…ライナーとベルトルトを捕まえる作戦だ」
アニ「なっ!?」
エレン「お願い出来るか?」
アニ「あんた何言ってるか分かってるの?それは私が裏切れって言ってるようなもんじゃないか」
エレン「…そうだ。俺たちのまた仲間になれ!アニ」
アニ「ふざけないで」
エレン「お願いだ」
アニ「ふざけないでって言ってるでしょ」
-
- 23 : 2016/01/29(金) 07:44:50 :
- >>22
エレアニを求める旅人さん!
コメントありがとうございます(^ ^)
私の作品が好きと言っていただけてとても嬉しいです涙そうです。はい、この作品は1番最後の作品です!
-
- 24 : 2016/01/29(金) 07:45:17 :
エレン「ふざけてるわけねー!おねー」
そこまで言うとアニは手についた鎖をガシャリと鳴らしエレンの目を見て
アニ「ふざけるなぁぁ!!」
アニの叫び声は地下室の中に響き渡った。
エレン「あ、アニ…」
アニ「…はぁ……はぁ…あんた何言ってるか本当に分かってるの?敵である私があんたたちの協力?仲間…?これが正気の人が言ってると思うかい?」
エレン「だ…」
エレンが何か言おうとした時、エレンの後ろの扉がまた開き、エレンの代わりに答えた。
「僕たちは協力して欲しいと思ってるんだ」
エレン「えっ?」
リヴァイ「ったく、こいつらもお前と話がしたいってな。ハンジの許可済みだ」
エレン「アルミン、ミカサっ!!」
アルミン「エレン、僕らもアニと話したいよ」
ミカサ「そういうこと。アニ、あなたと話す。」
ハンジ「はぁー、あんな形相でいってきたら通さないわけないでしょ〜怖いなぁ」
扉を片手で止めながら背の高いハンジは寄りかかるようにしてアルミンとミカサを見る。
そんなハンジの様子を横目でリヴァイは見る。
リヴァイ「ふん、これをお前狙ってたな。」
ハンジ「そんなー、リヴァイ兵長ありえませんって」
ケラケラと笑うハンジに疑いの目を向けるリヴァイ。
リヴァイ「チッ、めんどくせぇ、さっさと終わらせろ。」
エレン「は、はい」
───────────────
アニ「なにさ、次から次へと…」
アルミン「僕たちもアニ、君の協力を求めに来たんだ」
アニ「利口なアルミン。あんたまでそんなこと言うなんてね…頭打っちまったんじゃないのかい?」
ミカサ「アルミンの判断は間違いない。アニ、みんなの意見の一致。あなたが協力して欲しい」
-
- 25 : 2016/01/29(金) 12:21:28 :
アニ「…私を受け入れられるっていうのかい?私が逆の立場なら殺してやりたいほど憎いけどね。私が」
アルミン「そうだよ」
エレン「……アルミン」
アルミン「僕は心の広い人でもないし、なんでも許せるなんて思わない。けど、今なにをすべきかは分かる。アニの力が必要なんだよ。今は」
アニ「ライナーとベルトルトを捕まえるため………ふざけんじゃないよっ!!」
ミカサ「アニ…」
アニ「何回私は裏切ればいいのさ!私は…戦士…である……だから、そんな、ライナーとベルトルトを捕まえるなんて作戦に協力するわけないだろうっっっ!!」
エレン「…アニ」
アニ「……はぁ……はぁ…」
アルミン「……アニの言う戦士ってなんなの?そこまでして僕たち壁の中の人間になにをしようとしてるのさ?」
アニ「…それは」
アルミン「言えないんだね」
アニ「……もう分かったろう。私はなにも話さないしあんたらの作戦に協力はしない。もう話すべきことはなにもない」
アルミン「…本当は後悔してるでしょ?」
アニ「は?」
アルミン「さっき、何回裏切ればって言った。僕たちのことを仲間だと思ってたから自分のやったことが裏切りだと思った。そうじゃない?」
アニ「そんなの…単なる言葉のあやだよ。」
アルミン「じゃぁ、どうしてエレンを奪還する時、僕がエレンじゃないとわかった時殺さなかったの?」
アニ「それは…殺す必要がなかったから」
ミカサ「それじゃ、なんで、アニはコニーとサシャが巨人を仕留め損ねた時、コニーを助けたの?」
アニ「…あれは助けないと変だと思ったから。」
アルミン「なんで…マルコの立体機動装置を拾ったなんて嘘をついたの?」
アニ「…拾ったんだって」
アルミン「違う…あれは外されたんだ。誰かに。今だからわかる。ライナーかベルトルトか君か。正体を知られてしまったせいか」
アニ「い、今は関係ないでしょ」
アルミン「でもあの時、拾ったなんて言ったのは…仲間を手にかけたなんて思いたくなかったから」
アニ「違うっ!」
エレン「ほ、本当なのかよ…アルミン」
アルミン「憶測だけどね」
ミカサ「……アニ、なんでエレンを奪われた時、泣いてたの?」
アニ「………あ…れは、自分の不甲斐なさ」
ミカサ「違うっ、あなたは心では本当はそんなことをしたくない、そう思っていた。だから」
アニ「違うのはあんたらの方だよっ!
なに勝手に人が後悔してるみたいな、あんたらの仲間の方が良かったみたいな…勝手に…決めつけないでっ!!」
アルミン「決めつけてないっ!僕らはアニの行動を見てそう、思ってるんだよ。アニは本当は…」
エレン「そうだ…アニお前は」
ミカサ「あなたは…」
「僕たちの仲間でいたかったんじゃないかって」
「俺たちの仲間でいたかったんじゃないか」
「私たちの仲間でありたかったのではないの?」
アニ「ちが…うっ!私は、私は……本当は」
そこまで言うとアニの目から大粒の真珠のような涙がポロポロと落ちていく。
アルミン「アニ…」
アニ「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
下を向きながらあらん限りの声をあげアニは泣き叫んだ。
エレン「アニ…」
ミカサ「アニ…」
アニ「も、もう、帰ってくれ。帰れっ!」
帰れと言われるが3人はそこを動かない。そしてその沈黙を破ったのはエレンであった。
エレン「………くっ…104期生訓練兵アニ・レオンハートぉぉぉぉ!!!」
エレンも地下室中に響き渡るような大きな声を出しアニに想いを伝える。
アニ「!?」
-
- 26 : 2016/01/29(金) 14:36:13 :
エレン「変えられねぇ、お前が戦士だろうがなんだろうが、お前が俺たち104期生訓練兵ってことはかわらねぇ!!お前は本当は今どうしたいんだよ!?」
アニ「…いいよ、分かった、仲間になろうって言ってっ!!また裏切ったらどうするの?あんたら。」
アルミン「それはもう…また、力づくで止めるだけ」
ミカサ「そう、私たちが止める」
エレン「俺も、お前を全力で止める」
アニ「止めるって……なにバカなこと。そもそも私はライナーとベルトルトを裏切れない。」
涙声でアニは3人に言う。
エレン「……あいつらはお前よりも罪は重いな。なんせ壁壊した奴らだからな。その2人を捕まえて色々聞きたいんだよ。」
アニ「私と同じように口が固いよ。多分、いや…絶対喋らない」
エレン「………でもやってみなきゃわからない」
アニ「やる前から分かることもある。私があんたら側に寝返ったら、結局得をするのはあんたらの方。私はまた捕まり、ライナーもベルトルトも捕まり、」
アルミン「そうだよ。でも、お願いしてるんだ。アニ」
アニ「……もし、私が首を縦に振らなかったら?」
アルミン「その場合は…考えてないよ」
エレン「……ケモノみてーな巨人とライナーやベルトルトはいるんだ……良くわかんねーけど、なんかやばい気がする。もし、もし、まだあいつらが壁を破壊とかすんならよ。お前だけなんだよ、止められるの」
アニ「とめる?壁を壊した側の私に止める?」
エレン「っ、…もういいよ…戦士とかなんとか、訳わかんねーから。ライナーも兵士か戦士か分かんなくなってる、ベルトルトもあんな…辛い顔で」
アニ「私たちは覚悟があって…」
アルミン「その覚悟ってなんなのさ!!
ライナーやベルトルトも戦士だの、なんだの言ってたけど、僕たちが力を合わせれば君たちの問題ってものは解決出来きないの?敵対することでしか、なにもできないの!?」
ミカサ「…そう、あなた達は…壁を壊しエレンを奪おうとし沢山の私たちの仲間を殺した。それはあなた達が何かの使命でやってることかもしれない…でも、人を殺してまで何かを成し遂げられるなんて、例え成し遂げたとしてもそれは…辛いものでしかないはず」
アニ「綺麗事だね。何かを成し遂げるには大きな犠牲も必要なんだよ」
エレン「その重荷…俺も背負っていいか」
アニ「え?」
エレン「……お前ら3人で何かをしようとしてるのは分かった。けど、お前達の戦うべき相手は俺達とかじゃない。協力して、104期生の仲間として、出来ないのかよ、どーしても俺たちを敵とみなすのか?」
アニ「…あんたらは…どうしてここまで私を…苦しめるんだい?……うぅ………どうして………私だって……本当は………殺したくて殺してるわけない…だろうっ!」
アルミン「………」
アニ「……やるべきことがあるから、
やっているんだ………でも、もう、私には帰るべきところはない………任務を全うできなかった私は………戦士でも、ましてや…兵士でもない……じゃぁ、私は一体なんなのさぁぁぁ!?」
手に付いた鎖をガシャリと鳴らしながらアニは手で顔を覆った。
「「「アニ」」」
そんなアニに、3人同時に声をかける。
アニ「…うぅ………」
アニは鎖のついた手で涙を拭き、その涙は嗚咽へと変わっていった。
エレン「お前はなんなのかって…んなの……格闘術が得意で、」
微かに笑うように頬を動かしエレンは言う。
アルミン「ちょっと怖いけど…優しくて」
ミカサ「………私達104期生の仲間」
『アニ・レオンハートでしょ?』
アニ「!!」
エレン「お願いします。すごい不利な条件で、お前になんの得もないけど」
アニに向けて腰を曲げ言うエレン。
アルミン「僕たちの作戦に」
ミカサ「協力してください」
アルミンもミカサもエレンと同じようにアニに向けてそう言った。
そんな姿を見てアニはふぅと息を吐き、
真っ暗な天井を見つめる。
アニ「あーーー…………なんなんだろうね。もう。」
-
- 27 : 2016/01/29(金) 17:07:21 :
エレン「……」
アニ「……その作戦、成功したらさ…私はまたあんたらの仲間ってこと?」
(あんたらの言う…仲間ってなんなのかなぁ)
エレン「あぁ!っていうか参加した時点で…な?」
ちょっぴり嬉しそうにエレンはミカサに問いかける。
ミカサ「………うん」
そして誰も話さなくなるとその場はシンと静まり返った。
暫くすると、椅子に座っていたアニは手と足に付いてる金属具をガチャリと動かし、肩を震わせ…
アニ「ふふ、あははははっ!!!」
そうまたあの時のように笑った。
アニの声は地下室中に響き渡る。
「あーー……」
そして、
笑うのをやめ、エレン、アルミン、ミカサの順に顔を見つめ、
「いいよ。あんたたちのその話……のった」
と言ったのだ。
エレン「ほ、本当かっ!!」
アニ「……あぁ」
アルミン「アニッ!」
ミカサ「…」
ミカサはアニのその姿をじっと見る。
アニ「…信じるんだろう?」
ミカサ「……そう。信じる…」
座ってるアニの目の前に片足を立てエレンは座る。
そしてアニの目を見ながら
エレン「ありがとう」
と言った。
アニ「え?」
エレン「俺今な、すっげー、嬉しい」
アニ「……そ、そう」
───────────────
そして3人は出て行った。
バタンと扉が閉められると暗い暗い空間にまた1人。
──────────
アニ
(なんなんだろう…
なんであんたらはそんなに信じるんだい?
仲間ってなんでまだ言ってくれるんだい…?
ライナー、ベルトルト…
わたしは本当は辛かった。
でも、言えなかった。
私達に与えられた選択肢はこういうことだったから…
でも、あいつらを見てると……
こう胸のところが熱いんだよ。
なんだろう…
こんな気持ちは、はじめてだ…)
──────────
──────
───
アルミン「話は終わりました」
リヴァイ「どうだ?」
ミカサ「アニは作戦に協力すると」
リヴァイ「なるほど、よく説得したな。」
エレン「いえ!!アニはもともと仲間ですから」
ニコッとエレンはリヴァイに笑顔を向ける。
・・・・・
アルミン「リヴァイ兵長」
リヴァイ「なんだ?」
アルミン「もしも…」
リヴァイ「あぁ、その時は分かってる」
-
- 28 : 2016/01/29(金) 18:45:45 :
─────────地下室
アニ
(本当に…何考えてんだか。
私が途中で裏切らないと
絶対に思ってるなんて…
ー「104期生アニ・レオンハートでしょ?」ー
あんたら、また、仲間だと思ってくれるなんて…
こんなことまでして…
本気で私を頼ろうとしてるあんたらバカだよ……)
──────────
───────
────
ジャン「で、どうだったよ?」
エレン「なんとか、協力してくれるとっ!!」
ジャン「本気か?俺は全く信用ならねーな」
エレン「ジャン!アニはそー言ったんだ。協力…」
アルミン「でもね、エレン。信用って取り戻すことは完全にはできないんだよ?僕たちはああ言ったけどもしかしたらアニは逃げられるチャンスとか思ってるかもしれないし」
ミカサ「確かに」
エレン「はぁぁ?んなことするわけねーだろ!」
コニー「おい、おい、いくらバカな俺でもわかるぞ?俺がアニの立場なら抜け出せるチャンスだって思うし」
エレン「そうかよ、そうやって……信じねーんだな。だったら俺はコニー、お前以上のバカでもいい。それでも俺は信じると言ったら信じる」
ミカサ「…エレン」
ジャン「よく…まぁ、心が広いというかなんというか」
エレン「けど、本当に裏切ったらその時は俺は…アニを……」
アルミン「…」
エレン「殺す…しかねぇ」
コニー「なにも殺すとか」
エレン「俺はあいつと戦ったから分かるんだよ。生半可な気持ちではあいつは止められない」
ミカサ「それほどの覚悟ってこと。コニー。だから私たちも全力でエレンをサポートする」
ジャン「はー、ったく」
アルミン「ん、そうだね。アニは裏切らない、そう考えてやるしかない」
ミカサ「うん…」
コニー「だな」
──────────
リヴァイ「おい、」
ハンジ「ん〜リヴァイ兵長〜〜」
鉛筆をクルクルと回しながら机の上に頬杖をつきリヴァイの方を見るハンジ。
リヴァイ「ったく呑気なもんだな。明日決行日だぞ?」
ハンジ「まぁ、エレンくん達もいるしなんとかやってくれるはずだよ」
そう言うと椅子を後ろに引きグッと背伸びをした。
リヴァイ「はぁ…」
エルヴィン「まぁ、この作戦が成功すれば真相に一歩近づけるそんな気がするよ」
ハンジの前に座ってるエルヴィンは無くなった右腕をさすりながらそう言った。
リヴァイ「で、女型の奴にはキチンと説明したのか?」
ハンジ「もう、バッチリ、彼女頭が良くてねぇ〜1回でわかっちゃったよ」
リヴァイ「ほー」
エルヴィン「すまない。私は…重要な時に行けなくて申し訳ないが。」
ハンジ「だね。リヴァイ兵長〜期待してるよ」
リヴァイ「期待されるほど重いもんはねぇ…」
ハンジ「はっはっは」
リヴァイ「が、あんたは休んでろ。その手で、馬もろくに引けない。」
エルヴィン「…頼んだぞ」
リヴァイ「………」
-
- 29 : 2016/01/29(金) 20:10:38 :
- 【決行日】
──────────地下室
ハンジ「それじゃぁ、金具の拘束道具つけさせてもらうよ。痛いけど」
アニ「……」
ハンジ「外でエレン達は待ってるから」
アニ「……あんたが作戦を考えたの?」
ハンジ「ん〜なんでそう思うんだ?」
アニ「…なんとなくだよ」
ハンジ「さぁ〜誰だろうねぇ。でも協力感謝するよ」
アニ「………別に」
──────────
──────
ハンジ「ん〜あ、もう少しだねぇ。何ヶ月ぶりの日の光?ポカポカしてるぞぉ〜」
アニ「……!!」
(眩しい…!!)
アニ「……」
エレン「よう、アニ」
アニの目の前には調査兵団の羽織を着た仲間たちが待っていた。
ジャン「はっは、スッゲー久しぶりだな」
コニー「風が凄っげーつぇー!」
アニ「あ、あんたら」
アルミン「みんな、いるよ。アニ。」
アニ「………っ」
なぜかアニの目は涙でいっぱいになる。
コニー「えぇ!な、泣いて」
エレン「バカっ!んなこと言うなよっ!」
ジャン「おいおい、エレンにしては気を使うってか」
エレン「うるせーー!」
アルミン「あはは」
アニ「………私は」
エレン「ん?行くぞ、アニ」
いろんな思いが募る中アニの目の前にエレンが手を差し伸べる。
アニ(あんたらはなんも思わないのかい?
ここにあんた達の仲間を殺した本人がいんだよ?
なんで、笑ってられるの?
仲間って…なんなんだい?)
ミカサ「アニ、先に行って。私は後ろにつかないといけないから」
アニ「あぁ」
アルミン「戸惑ってる?」
アニ「別に」
アルミン「みんなで決めたんだ。」
アニ「みんな…?」
アルミン「今この時だけでしかいれないかもしれないけど、アニはアニ・レオンハートは、僕たちの仲間だってね」
アニ「……仲間」
エレン「なぁなぁ!アニさ!外明るいだろ!地下なんかよりやっぱり良いよな〜」
アニ「暗いところは私も嫌いだね…」
エレン「なー?だから、もっと顔を上げてさ、見てみろよ。」
アニ「…」
コニー「そーだぞ!」
馬に乗り、門のところへと向かう調査兵団。そして、入り口付近へ止まるとハンジが皆に声をかける。
ハンジ「はぁーい!では、これから巨人捕獲作戦を実行する。」
アニ「……ほ、かく」
エレン「…」
ハンジ「まず、鎧さんが1番巨人化した時手強いから、そこはアニ、エレン、君たちでお願いするよ。」
エレン「…」
アニ「…」
ハンジ「まぁ。その前にレオンハートさんが2人に近づいてうまく誘導してくれればいいんだけどね〜」
アニ「…2人だけ?」
ハンジ「あぁ、獣さんの方…偵察班は見なかったらしい。原則ライナーとベルトルトが2人でいるようだ。」
アルミン「つまり…アニが普通に森で巨人化して叫び声をあげてライナー達に存在を知らせる。それで近づいてきたらそのまま2人を森の奥へ誘導捕獲ってことですか?」
ハンジ「そうそう!まとめるのがすごいなぁ」
エレン「でも、本当に、叫び声を変えるだけで巨人がよったりよらなかったり、出来るのかよ…?」
アニ「出来るよ…」
エレン「へー、凄いなぁ」
ハンジ「とにかく、よろしくね。エレンも彼女のサポートってことを忘れずに」
ミカサ「もし危険な目にあえば私達も助けるから」
アニ「…」
エレン「おう!がんばろーなアニ」
アニ「あ、あぁ」
リヴァイ「……」
ハンジ「よーし、じゃーいくよ!」
リヴァイ「信号弾を忘れるな、気をつけろよ」
ハンジ「それでは巨人の捕獲作戦、開始!!」
リヴァイ「進めっ!!!」
「おおうっ!!!」
皆、リヴァイの掛け声とともに門の扉が開いた途端馬を走らせた。
アニ「!!」
───『水晶の中のアニ』第2部ー仲間
-
- 30 : 2016/01/29(金) 20:13:47 :
題名は変わりませんが、ここから2部?的なものに…
書いていて長くなってしまいましたが、ここまで読んで下さった方ありがとうございます。
続きはまた、ここから書きます↓↓
よろしくお願いします。
-
- 33 : 2016/01/30(土) 16:01:19 :
- コメント下さりありがとうございます!!第2部もよろしくお願いします!
-
- 34 : 2016/01/30(土) 16:02:33 :
- 見やすくするために頂いたコメントは非表示にさせていただきます汗
すみませんっ!!
-
- 35 : 2016/01/30(土) 16:08:30 :
──────────
─────
回想─────────────
ハンジ「いいかい?アニ、君が巨人化するのは、叫びの時だけ。
2人が来たら森の奥へ誘い出してほしい。その時は巨人化を解いて。
エレンは君が捕まえたと見せかけて、
縄で縛っておく。
…その後は、あらかじめそこで待ってる班員達が捕まえる」
アニ「……つまり、エレンは私が捕まえた…ということでライナー達のところへ行くと」
ハンジ「そーいうこと!そうすればエレンがいるのもおかしくはない。し、怪しまれない。」
アニ「……巨人化はその叫びの一度だけ」
ハンジ「うん、もしそれ以外にやったら[裏切り行為]とみなすってことになってるからね?」
アニ「……」
ハンジ「このことは伝えてある。それじゃぁ、レオンハートさん、あとはよろしくね」
アニ「信用しすぎじゃない?」
ハンジ「ん?」
アニ「私のこと…」
ハンジ「私が信用してるじゃないよ」
ふふと笑いながらアニの質問に答えるハンジ。
アニ「えっ?」
ハンジ「あの子達がさー、あいつならって聞かないんだもーん。初めは賭けだったけど、今は確信を持ってこの計画を遂行できるよ」
アニ「…あいつらって」
ハンジ「それはもちろん」
アニの方へ振り向きハンジは言った。
「104期生…君の仲間だよ」
──────────
──────
アニ
(ジャン、あんたはいつも何考えてるか分からなかった。憲兵団に行くと思ってたのに[あいつ]の影響か調査兵団へ
コニー、あんたはバカっぽいけど実は色々確信をついてきて怖いね。
ミカサ、あんたは特に気に入らなかったな。あいつと格闘術組んでるとなぜかよく絡むし。
アルミン、あんたは本当に賢いよ。
そして意外と…勇気があって強いね。
そして、敵にまわすと怖いね…
最後に、エレン。
あんたと格闘術でよくペアになってたね…だんだん強くなってきて焦ったよ。
でも、あんたの言う通り、そーいうことをしてる時が1番楽しかった……
そしてだんだんあんたのことが……
フッ、まさかあり得ないか……
・・・
あんたら、みんなバカだよ。
こんな私なんかを信じて。
でも、こんな気持ちは生まれて初めてだよ。
そう……こんな風にみんなと、
話したり、笑ったり……して、
みんなの中にいるっていうのも
悪くない……ね)
─────巨大樹の森ー入り口付近
今回は前回と比べて巨人も少なく早くに森についたエレン達。森は相変わらず不気味なくらい静かであった。
エレン「ふぅ、着いた…」
ハンジ「今回はやけに巨人がいなくて怖いなぁ〜」
アルミン「確かに前と比べたら静かすぎて怖いね」
リヴァイ「よし、俺たちは後方へ向かう、前方作戦班、頼んだぞ。チッ…エルヴィンがいないと」
ハンジ「まぁまぁ、手を怪我してるわけだし、ねぇ〜?」
リヴァイ「ならお前が仕切ろ」
ハンジ「それはーちょっと」
────────
前方作戦班
エレン「よし、やってくれ。アニ」
アニ「………」
-
- 36 : 2016/01/30(土) 16:23:27 :
- アルミン「頼んだよアニ」
ミカサ「…アニ」
コニー「頼んだぞ!」
ジャン「…ったく、ヘマすんなよな」
アニ「フッ……大丈夫だよ」
アニはみんなの声掛けに少し頬を緩める。
エレン「!!ーよしっ!ミカサ、俺も準備だ」
ミカサ「うん」
アニ
(お父さん、
世界中で敵になったとしても
味方でいてくれるっていったっけ?
今のこの状況…周りの人達…
今だけ味方
でいてくれるのか…な?)
アニ「………っ!!」
エレン「っ!!!!」
アニが手を噛んだ瞬間周りがピカッと光り、アニの体の周りが煙のようなもので覆われる。
そして……
女型の巨人アニがエレンたちの目の前に現れた。
エレン「…よ、よし。ん?」
少し戸惑ってると巨人化したアニはスッと手のひらをエレンの方へ出す。
アニ「…」
エレン「……乗ればいいんだな!」
エレンがそう言うとコクリと頷く女型の巨人と化したアニ。
ミカサ「気をつけてエレン」
そんな2人を心配そうな目で見ながらミカサはそう声をかけた。
エレン「おう!」
そのままアニは森の中に入りエレンはアニの肩に乗り目的の場所へと2人は目指す。
─────────────作戦1
森につき、アニが巨人化したらまず、「叫び」でここの場所をライナーとベルトルト達に知らせる。
目的の場所へ着くとエレンはまず手足を縛り木の上へと横になった。
そしてアニが…
アニ「キヤァァァァァ!!!」
森全体に響き渡るかのような叫び声をあげた。
エレン「ぉぉお!!すげーな」
ビリビリと全身に痺れが来るようなアニの叫び声。
そして森の中にいた鳥が一斉に飛び出す。
その声はあの2人に届くだろうか?─
-
- 38 : 2016/01/30(土) 17:42:49 :
- >>37期待コメントありがとうございます‼︎第2部もよろしくお願いしますっ!
-
- 39 : 2016/01/30(土) 17:43:22 :
───────巨大樹の森の中ー
木の上にベルトルトとライナーは
立ちながら、これからどうやってアニを助けるか話し合っていた。
ベルトルト「どうするの?ユミルは先に行っちゃったし」
ライナー「あいつのことだ。大丈夫だろう。けど今はな、アニを助けることが先決だ。」
ベルトルト「うん、アルミンの話…」
そんな中ある声が聞こえたーー
キャァァァァ!!!!!!
ライナー「今…アニの声だっ!まさか!?」
ベルトルト「そうだよ!!もしかして脱出できたのかもっ!!」
ライナー「森のあっち側だっ!!」
ベルトルト「アニッ!!!!!」
2人はその声を聞いたー
慌てて駆けつける
──────────
──────
会いたかった相手アニを発見する、ライナーとベルトルト。
ライナー「いたぞっ!!あの巨人、アニだ!!」
ベルトルト「本当だ!アニっ!!!」
そばに寄ろうとするが──────
木の陰から出てくるある男によってその進路は絶たれる。
男「はいはぁい〜ちょい待ち」
ライナー「な、なんだ、お前」
-
- 40 : 2016/01/30(土) 18:42:05 :
男「えー?覚えてないの?獣の巨人の中の人でーすけど。ヨー」
ベルトルト「!!」
男「なんかさー、怪しくなーい?レオンハート君が〜あの地下から抜けてここまでこれたなんてぇ」
その男は顎に髭を生やしており、なんだか、クネリクネリと体を動かし怪しげだ。
ライナー「はぁ?んなこと知らん。今はあそこにアニが立ってんじゃねーか!行くぞ!ベルトルト」
ベルトルト「う、うん!」
2人の背中に声をかける男。
男「君たち、裏切られるかもよー」
ライナー「は?」
男「一応警告したからなぁ〜」
ベルトルト「……まさかアニが」
ライナー「敵に感化されたって?ばかいえ」
そんな男の言葉なんて間に受けず、ライナーとベルトルトは立体機動を使いアニのもとへと向かった。
そんな2人の背中を見ながら、
木の上で腕を組み、ぽりぽりと頭を掻く男。
男(んー、周りに調査兵団たちいたし〜やばいと思うんだよね〜ま、ここは様子を見てますか)
──────────
───────
エレン「きたっ!!ライナー、ベルトルトっ!!」
-
- 42 : 2016/01/30(土) 20:41:13 :
- >>41 期待コメントありがとうございますっ!感動と言って頂けて嬉しいですっ!!涙 遅い投稿ですがよろしくお願いします^ ^
-
- 43 : 2016/01/30(土) 20:46:36 :
アニ「……」
ライナー「アニッ!!!」
ベルトルト「アニーーーー!!」
2人の姿を見てアニは巨人化を解く。
アニ「どーも」
ライナー「ん?エレン、エレンじゃねーか!」
アニ「捕まえた」
ベルトルト「凄いなぁ!!これで故郷に帰れるよ!!」
アニ「…なんだけど、さっき逃げる時追いかけられてきたから、もう少し森の奥まで行っていいかい?」
ライナー「ん?おう!もちろんだ!!」
ベルトルト「よかったぁ…心配したよ」
──────────
アニの巨人化を解いたのが2人と接触できた合図でもあった。
それを見た後方作戦部隊はすかさず次の作戦へと実行に移す。
ハンジ「アニが巨人化をといた。2人に接触!!作戦2はじめ!!」
「おおっ!!」
─────────森の中央付近
ライナー「けど、まさかエレンを捕まえてたなんて、凄いな、アニっ!!」
アニ「……」
エレン「……」
ベルトルト「でも、よかったぁ、無事で。拷問受けてたって聞いたからさ」
エレン(アニ……)
アニ「……あぁ」
──────────
リヴァイ「おい、来たぞ…」
ハンジ「ん〜そろそろ私の作った武器が」
コニー「これって……」
ハンジ「名づけてベタベタ装置!!」
アルミン「これを相手に向けて発射すると」
ミカサ「相手の動きを封じられる」
ハンジ「1人1回まで、だから気をつけてね〜」
コニー「難点は…デカすぎだろっ!」
ハンジ「だから待ち伏せしてるんじゃないか〜さてさて2人とも、よろしくだよ」
リヴァイ「ふ…まさか女型のヤツをこんな風に使うなんてな」
ハンジ「なんでも試すさ…たとえ敵を味方につけようなんていうビックリ作戦でもね」
──────────
───────
森の奥へとアニの後をついてくるライナーとベルトルト。エレンはアニの背中に紐でくくりつけられている。
ライナー「もう追ってこないんじゃないか?」
ベルトルト「うん…たぶん大丈夫だよ、アニ」
アニ「……」
-
- 44 : 2016/01/30(土) 21:40:00 :
ライナー「アニ?」
エレン(くるっ!!!)
ベルトルト「大丈夫…?気分でも」
ベルトルトが心配そうにアニの顔を見たときアニは胸ポケットに入れてた信号弾を取り出し、空に放った。
アニが放った信号弾の煙をライナーとベルトルトは見つめる。
ライナー「は?」
ベルトルト「えっ!?」
「確保ぉぉぉお!!!!!」
ベルトルト「なっ!?」
ライナー「なんだとっ!?」
一斉に2人の周りに待ち伏せしていた兵士達が現れる。
手にはあのハンジ特製のベタベタ装置を持ってライナー、ベルトルトに向けて構えるものもいた。
そして、その様子を遠くで見ていた男がいた。
男「ほらほら、言わんこっちゃないねぇ」
ベルトルトは慌てて1発目の攻撃を避けたもののライナーはまだ動揺している。
そしてベルトルトはライナーに庇うようにしてその体の上に飛び乗る。
ベルトルト「ライナー!!伏せろぉぉぉお!!!」
ライナー「うぉぉ!!?」
ライナーに向けられたそのベタベタな粘着液はベルトルトの体にベッタリとくっついた。
ライナー「な、なんだこの、」
ベルトルト「なんで、こんなに調査兵団…」
呆然としてる2人を見ながらエレンは自分で縄を解き木の上に立った。
-
- 45 : 2016/01/30(土) 23:42:37 :
エレン「それはな…アニは俺たちの仲間だからだ」
ライナー「まさか…アニ、裏切ったのか!?俺たちをっ!!!」
ベルトルト「う、嘘だっ!!君たちがまた何か洗脳でもしたんだろおぉぉぉおぉ!!アニを返せっ!!!!」
アニ「……ベルトルト」
エレン「洗脳じゃねーー!アニ自身が決めたんだっ!裏切りとか言うんじゃねー!!!」
そしてかつての仲間であるものがライナーとベルトルトに向かい刃を向ける。
コニー「ライナーぁぁ!!」
ライナー「くっっ!!!」
下から立体機動で木の間をすり抜けライナーに向かうコニー。
ミカサ「今度は逃がさないっ!!!」
ミカサも同様に、ブレードに手をかけ、ライナーの元へと捕獲に向かう。
ライナー「ぬぉぉぉおぉぉ!!!」
(こんな、こんなところでっ!!!)
ライナーは咄嗟に手を噛もうと、口元へ手を持って行き、巨人化の体制に入る。
アニ「あんたっ!伏せなっ!!!」
エレン「えっ」
アニの時と同様にピカッと光りライナーの立っていた場所にあの、鎧の巨人が姿を現した。
ライナー(アニ、お前…目を覚ませっ!!)
その光を見、少し離れていたところで様子を見ていたハンジ達は動揺する。
ハンジ「まずいっ!!巨人化させてしまった!」
リヴァイ「チッ!!」
そう言うや否や、リヴァイは一目散にその光の元ーライナーのところへ向かう。
ハンジ「リヴァイ兵長っ!!」
──────────
間一髪、エレンはアニに助けられ木の葉っぱの上に不時着した。
エレン「いてて…」
アニ「……はぁ」
エレン「だ、大丈夫か!?」
-
- 46 : 2016/01/31(日) 08:19:48 :
アニ「ったく、こうなった場合どうするのさ」
エレン「…俺が巨人化して止めるしか」
そう言うと今度は遠くから刃物みたいなものが飛んでくるのをエレンは察知、そして、
エレン「アニ、伏せろぉぉぉお!!!」
アニ「!?」
アニは驚き、エレンはアニの体の上へ覆い被さる。
エレン「グッ………」
刃物は急所は避けたがエレンの右腕に深く刺さってしまった。
アニ「……!?だ、誰?」
そのアニの声に応えるかのように木の陰からヒョッコリと顔を出す男。
男「はぁーい、やっぱり裏切り?裏切りましたかー?アニ・レオンハート」
ライナー (!!?)
ベルトルト「やつは…」
ライナーとベルトルトが苦戦してる中、その男の声はまるで今の状況を笑ってるかのようだ。
リヴァイもミカサらと合流し鎧の巨人と闘っていたが、その男の姿を見て固まる。
リヴァイ「なんなんだ、あの男」
リヴァイに追いついたハンジも珍しく困ったなぁ、といった顔でリヴァイに言う。
ハンジ「予想外のことだよ。まさかここで1人敵さんが増えるなんてね」
リヴァイ「チッ!敵は増える…わ、こいつは、頸を狙っても硬化で切れねぇわで!ここはエレンがやるしかねぇな」
いくらリヴァイの腕がすごいと言っても全身硬化出来るライナーにはなかなか上手くいかない。
ミカサ「エレン、エレンがさっきアニと落っこちていった!!」
ジャン「あのバカッ!」
アルミン「待って!!ここであそこに行ってもあの変な男が武器を持ってるっぽいからむやみに近づかないほうがいい」
そう、エレンとアニはライナーの巨人化での反動でミカサらと逆の遠い方へ飛んでしまっていたのだ。
ミカサ「私はエレンを守る。」
リヴァイ「落ち着け。あいつはあんなことでやられはしない。レオンハートもいるんだろう?なら今は鎧の野郎が庇ってる大型巨人の奴を確保するのが先決」
ハンジ「……その通りだ。予想外のことがあるのは戦場ではいつもそう…いかに柔軟にその場その場を乗り切るか…今は目の前の敵を捕獲するしかない。」
アルミン「ミカサ、ここは…!!」
ミカサ「…っ、分かりました」
───────────────
エレン「はぁ…はぁ…」
アニ「あんた、腕に刃物みたいなのが」
エレンの腕からは血が溢れるようにしてでてくる。それにつられて息も上がってくるエレン。
男「それは〜俺たちのところの武器。
女庇って自分が受けるなんて、なかなか泣けるじゃねーか、ヨー。
ん〜でも庇った意味はないねぇ。死ぬことには変わりないよぉ人の心配してる暇ないぞ〜レオンハート君?」
エレン「な、なんなんだ、あんた!!」
-
- 47 : 2016/01/31(日) 16:00:26 :
そうエレンが言うや否やその男はさっきのライナーとは違った光を発し巨人化する。
アニ「巨人化っ!?」
獣の巨人「どうもぉ〜巨人でも喋れるから安心…しなっ」
エレン「クッソぉぉぉお!!!!!アニ、俺に掴まれ、っていうかお前も巨人化しろ!」
アニ「…それは無理」
エレン「はぁ?この状況分かってんのかよ!?」
アニ「出来ない…」
エレン「なんでだ!?」
アニ「…2回目巨人化したら裏切り行為に値すると言われたから」
エレン「アニ……そうか、なら話は簡単だな」
アニ「?」
エレン「俺に捕まれ、お前は巨人化するな、俺たちの仲間なんだから」
そうエレンはアニに向けてニコッと笑うとアニもフッと少し微笑みながら
アニ「……そうだね」
エレンの目を見てそう言ったのだ。
そしてエレンは手のひらを噛み切りアニを肩に乗せ巨人化した。
そんな中ライナーとベルトルトがエレン側に近づいていく。
ライナー(アニっ!!!!!!!!
何してんだてめぇ、エレンとそこでっ!!)
ベルトルト「アニ、君は戦士だろ!?何してるんだよ?そんなとこで!!」
獣の巨人「はーい!君たちうるさいよ〜アニ・レオンハートは僕の目から見ても〜裏切り行為と分かっちゃったもんで、君たちは今は黙っててもらおうか」
そう言うと獣の巨人と化したその男は近くにあった木の塊のようなものをライナーとベルトルトに向かってぶん投げた。
ライナー(な、なんか飛んできた!?)
ベルトルト「ライナーよけ…」
鎧の巨人と化したライナーは肩に乗せたベルトルトと共にそのまま森の入り口まで吹っ飛ばされたのだ。
その光景を見ていたリヴァイは呆れながら獣の巨人とライナーたちを見比べる。
リヴァイ「あの獣になった男、味方じゃないのか?鎧の奴に攻撃したんだが」
-
- 48 : 2016/01/31(日) 20:48:47 :
ハンジ「よく分からないねぇ〜仲間割れとか?かなぁ…」
リヴァイ「おい、真面目に答えろ」
ハンジ「私はいたって真面目だよ?兵長さん?」
リヴァイ「はぁ…めんどくせぇ、状況になった。」
──────────
エレン (なんで、仲間に攻撃したんだ?)
アニ「な、なんで」
獣の巨人「あいつらはどーも、レオンハートさんんん〜あなたが裏切ったと信じたくないみたいでねぇ?んん〜ならこの俺が、殺すしかないよねぇ?」
ギラッと目を光らせ獣の巨人はアニに向かってその長い手を伸ばす。
アニ「来るよっ!!」
エレン(速いっ!!!)
─────────
ミカサ「エレンっ!!!」
コニー「おい、向こうやべーぞ!」
ミカサ「助けに!」
リヴァイ「だから、落ち着け。今俺らが行って何ができる?」
アルミン「…エレンのサポートを」
リヴァイ「…見てみろ。あんな巨人同士の対戦でか?逆に俺らがエレンに潰されるぞ」
ミカサ「…エレン。」
ハンジ「結局、こうなってしまってはあっち側の戦いはエレンとアニを信じるしかない。でも吹っ飛んできたこの2人は、捕まえられるよね?」
ライナー(いてぇ…)
ベルトルト「ライナー…」
ライナー(体が動かん…あの猿野郎……)
ベルトルト「来るよっ!ライナー……」
ライナー(く、くそっ!俺はここでなんて負けない…アニお前に会って直接聞くまでっ!!)
ベルトルト「ライナー!」
ライナー「おぉぉおぉおぉぉ!!」
森の入り口まで吹っ飛んだきたライナーとベルトルト。ライナーは渾身の力で体を立たせる。
-
- 49 : 2016/01/31(日) 22:17:38 :
リヴァイ「おいおい、本当に…しかもここは平地。森から離れちまった。どうにもやりづらいな」
アルミン「でも、やるしかない。ここで、ひけないっ!」
ライナー「うぉぉぉぉおお!!」
リヴァイ「ふっ…言うじゃねーか!いくぞっ!!」
──────────
獣の巨人「なーんで、裏切ったりしたのかな〜レオンハートさんんん?」
アニ「強い…これじゃ」
エレン(やばい…なんなんだこの巨人。リードが長い。しかも巨人化してんのに喋れるなんて)
アニ「ここは…一旦後ろに下がりな!」
エレン「ううぅ」
エレンは一旦後ろに下がるも獣の巨人の驚異的なスピードに驚く。
獣の巨人「そこはまだ僕の間合いだよぉぉ!!」
エレン(なっ!!!)
アニ「速い、力も半端なく強い。なんなのこの巨人」
獣の巨人「なんだろうねぇ〜でも君は知ることはないよ。知ってるよね?情報を相手にわたすこと許されざるべし。そして、相手側につくなんて…論外だねぇーーー!!!」
エレン(アニッ!!!!!)
エレンの肩に乗っていたアニは、獣の巨人のパンチにより、木の上へと叩きつけられる。
アニ「グッ………」
獣の「君も巨人化すればいいのに〜なんでしないの?舐めてるってことだよねえ!!」
そのまま獣の巨人の手がアニへと近く。
エレン(アニッ!!!)
咄嗟に巨人と化したエレンはアニに手を伸ばすが、
獣の「はい、スキだらけだよ。イェガー君」
エレン(!!!)
獣の巨人「君はまだ硬質化出来ないねぇ、戦っててわかったんだよぉ〜」
獣の巨人は今度はアニへと向けられた手をエレンのうなじの方へと手を伸ばす。
アニ「エレンっ!!」
エレン (アニにだって出来た、俺だって自分の意思で人に戻ることは…出来るっ!!!!!)
獣の巨人「ん?手応えないねぇ、人に戻ったのかなぁ?」
殺られる前になんとか巨人化を解いたエレンはアニが乗ってる木の方へと飛びのり、
エレン「よけろぉぉ!!」
アニ「…!!」
-
- 50 : 2016/02/01(月) 07:29:28 :
獣の巨人「そーやってまた、庇うと、」
獣の巨人の手がアニの方ではなくエレンの方へとまた向けられ、
エレン「ウォッッ!!!」
木の幹へと全身を叩きつけられたエレン。
アニ「エレンッ!?」
獣の巨人「自分がやられちゃうねぇ」
アニ「………エレッ」
獣の巨人「さてさて、君も巨人化しないみたいだし、戻りますかなぁ」
そう言うとなんのこともなく人の姿に戻る獣の巨人の中の男。
エレン「だ、大丈夫だ……ってヤバイ…な。俺さ…はぁ…はぁ……アニみたいに何度も…巨人化出来ねーんだ……はっは……情けねぇけどこうして立ってるのも辛いっていう」
アニ「……なんで庇うんだい」
エレン「んなの……お前は仲間、だからだろ…変なこと言うなよ。バ、バーカ」
アニ(仲間って…こんなに胸の奥が熱くなるものだった…のかい?)
男「そのくだらなぁい、仲間意識捨てたほうが助かったのにねぇ、と。君はどーでもいいんだよねぇ。レオンハートさんんん、あなたを殺しますよ」
アニ「バカなのは…あんたさ。仲間って言っても敵だった。私がこの作戦を利用するかもしれないって思わなかったのかい」
男「あらら?そうだよねぇ、利用すればよかったのに!そうそう!」
エレン「思って…なかったわけじゃない、けど、[信じなくて]どうすんだよ。過去のことって割り切れねぇよ。お前のやったこと、けど、今は違う。今はお前は…104期生俺たちの仲間…だ、だから、お前はこんな男に殺させねぇ、こんなところで……」
男「んー、子供だなぁ、君は僕たちのやってることが世界を救うことだって分かってるのかなぁ」
エレン「……知らねーよ。てめぇの事情なんざ知らねー。けど、アニがこんな辛い顔をしてんのは…こんな顔をしてんのはてめぇらのせいだろぉぉぉ!!!」
そう言うとエレンは右足に手を置き力を振り絞り立ち上がった。そして男の方へと自分の拳を振り上げた。
男「おお!真っ向からって……なめんじゃねーよっ!!!!!!!!」
だが、あっけなく腹の部分を蹴られ固い木の幹に叩きつけられる。
エレン「グハッ………」
男「お前、殺されずに済んでたのになぁ。あの女の代わりに死ぬか?」
エレン「ググッ……」
アニ「エレンッ!!!」
(なんで、なんなのさ!?あんたらは…あんたは…私のためにこんなになるまで……仲間って)
エレン「…はぁ、痛くねぇなぁ、アニ、大丈夫…大丈夫だ。」
アニ(私は……ずっとこれを)
エレン「お前は俺たちが捕獲するーー!!!このやろうっ!!」
アニ(…求めていたの?)
──────────
リヴァイ「はぁ…はぁ……」
ハンジ「これはマズイね…他の巨人たちも来ちゃってるし」
リヴァイ「……ライナーとか言ったか。硬化能力が半端ねぇな、だが、絶対に捕獲はする。」
ライナー (これは…消耗戦だな…はぁ…はぁ……)
ベルトルト「ライナー、僕を庇ってやってるから!」
ライナー(いいんだ…くそッアニ……)
ベルトルト「……アニが」
ミカサ「…エレン」
アルミン「…森の中はどうなってるんだろう…」
ハンジ「……私も気になる、し、このままじゃぁ、拉致があかない…ミカサ、いや、104期生の諸君、行って見てきてくれ。ここは私たちがなんとかする」
リヴァイ「いいのか?」
ハンジ「私たちが行くよりあの子らが言ったほうがいい。そう思うでしょう?」
リヴァイ「ふ、確かにな。こいつらは俺たちが。」
ハンジ「ふふ。そーいう事だね」
アルミン「行こう、みんなっ!」
ジャン「ちっ!あのバカっ!」
ミカサ「行こう」
──────────
-
- 52 : 2016/02/01(月) 17:33:14 :
- >>51 期待コメありがとうございます!
-
- 53 : 2016/02/01(月) 17:34:37 :
──────────
男「なに、生意気いってるのかなぁ!!」
そう言うと男はエレンに向かって行き、そのまま地面に叩きつけ、首を足で押さえつけた。
エレン「グッグッ…おぇ」
男「はぁー、弱すぎだねぇ」
アニ「え、エレンッ!!」
男「さぁ、どうする?お前にチャンスをやっちゃうよ〜」
エレン「な、なにを…ガハッ」
男は1発、蹴りをまたエレンに入れた。
男「この男を助けたかったらぁ〜
お前が俺に今、殺されるか。
この男が死ねばぁ〜
お前をここから逃がしてやる。
さぁどうするぅ?」
エレン「………アニ、お前はもう、あっちに行っちゃぁダメだ。」
男「おおお!!俺は死んでもいいから、お前は生きろってなぁかんじでぇすかぁ?
甘い甘いぃぃぃぃ!!いいねぇ!!
さぁぁぁ、アニ・レオンハートどうするぅ?」
エレン「あ、アニー」
アニ「はぁ……はぁ……」
男「んんー。究極の選択うぅぅ!!」
アニ「そ、そんな男……仲間でもなんでもない。さっさと殺して、私は生きる」
エレン「…あ、アニ」
男「ひゃぁぁはっはっはっはっ!!!
裏切りぃ!いいよ!アニちゃん!!!
さいっこうだなぁぁぁ!そうでなくちゃよぉぉ!!」
エレン「…アニ」
男「お前は今どんな気持ちだぁぁ!?
仲間って思って、味方になったと思った奴がこうして命のやり取りで本性を出すぅぅ!くくっあははっ!!」
アニ「…」
エレン「るせぇ…」
男「あ?」
エレン「お前になにがわかんだよっ!!あいつは…あいつは……泣いてたんだっ!辛くて苦しくて…泣いてたんだ!!!アニっ!」
アニ「!!」
エレン「お前の選択は……」
男「なにがウルセェ!?お前は死ぬんだよぉ!これからなぁぁ!!」
男は刃物を振りかざす、
するとエレンはアニの方へ顔を向け
エレン「正解だ」
そう微笑んだ。
-
- 54 : 2016/02/01(月) 18:27:15 :
アニ「!!! ーー っ!」
一瞬隙を見せた男の顔にアニは手元にあった石を投げる。
男「ぐっ!!!め、目がぁぁぁ」
エレン「石ころ…?」
アニ「……はぁ…なにが正解だよ。このバカ!」
エレン「!?」
アニ「早くこっちに!!!」
エレンの手を取りアニは自分の方へと引き寄せた。
エレン「おわっ、な、なにを!?」
アニ「なかなか隙を見せなかったけど、奴の顔に思いっきり石をぶつけて怯ませただけ」
エレン「す、すげぇ」
そのまま2人は男から立体機動装置を使って距離をとる。
男「くっそぉぉ!!レオンハートぉぉ!!!もう選択はないっ!死ねっ!!」
そう男は鼻を手で押さえながらとおざかる2人に向かって叫び、そしてまた巨人化したのだ。
アニ「さっきの、選択は違う」
エレン「へ?」
アニ「なんで、あの男をやっつけて2人で生きるって選択はないんだい?相変わらず、バカ?」
エレン「は、はっはっは!アニ、それでこそ、アニだなぁ!」
アニ「笑ってる場合じゃないよ、来るね」
エレン「あいつは立体機動持ってねーみたいだな」
アニ「だから…移動するときは」
獣の巨人「コロス……あの女」
アニ「巨人化する…だろうね」
エレン「はぁ…はぁ……」
森の入り口の方へと来てしまったエレンとアニ。
エレンの方は巨人化した反動か体力を奪われ、肩で息をする。
アニ「大丈夫?」
エレン「きょ、巨人化した時のリスクだな」
アニ「……」
エレン「……またピンチだな」
アニ「本当に…」
そう言ったエレンの見た先に獣の巨人と化した男が立っていた。
-
- 56 : 2016/02/01(月) 19:37:00 :
- >>55
ありがとうございます!いつもコメント嬉しいです^ ^
-
- 57 : 2016/02/01(月) 19:37:22 :
獣の巨人「逃げられないよぉ〜2人とも。……バカだなぁ、結局、レオンハート、チャンスを潰したな」
アニ「チャンスなんかじゃない。あれはチャンスなんかじゃない…」
獣の巨人「本当に寝返ったなぁ〜子供じみてるっていうかさぁ」
エレン「……この野郎……さっきから言いたい放題言いやがってっ!!」
獣の巨人化 「……なんかめんどくさくなってきたなぁ」
エレン「は?」
獣の巨人「色々来ちゃったみたいでさぁ」
───・・・・
ミカサ「エレンっ!」
エレン「ミカサっ!な、なんで?」
ミカサ「他のみんなも来てる」
「おーい!!」
「はえぇよ!コニー!!」
「静かにっ!見つかったらって…居る」
アニ「あんたら…」
エレン「ミカサ、アルミン、コニー、ジャン、お前ら!」
アルミン「あの獣みたいなのが…」
コニー「こえぇ」
ジャン「本当…死に急ぎやろうだな」
エレン「あ?」
ミカサ「あの巨人は…」
エレン「アニが裏切ったとかなんとかで殺そうとしてんだよ。」
ジャン「なるほどな」
アルミン「つまり僕たちの敵だね」
そうアルミンは敵に向かってブレードの刃を向ける。
アニ「あんたら…本当に」
ジャン「猿みたいだな…」
エレン「…あぁ。んで、さっきから、グダグダ言いやがってっ!あの野郎!!」
エレンは木の上に立ちながら、その男を睨みつける。
獣の巨人「なんかぁ、集まりすぎ〜けど屑が集まったとこでどうもならんよねぇ?」
アルミン「屑…?屑なんかじゃない。獣さん」
エレン「ブハッ、獣さんって」
コニー「ぷぷ…アルミンのねーみんぐ」
ミカサ「そんなことより、さっさとあいつを倒せばいいんでしょ?」
獣の巨人「それは無理だと思うなぁ〜君たち全員ここで死ぬよ?」
ジャン「上等っ!!やれるもんならやってみろっ!!」
コニー「その通りだなっ!!」
みんなが向かっていこうとする中、
アニ「待ってっ!!」
アニの言葉が皆んなを引き止める。
ジャン「へ?」
-
- 59 : 2016/02/01(月) 22:16:13 :
アニ「あいつは強い…本当にあんたら、死んで…」
エレン「大丈夫だって!!アニ。こいつらならやってくれる!」
ミカサ「これは…みんなの作戦の1部。もしエレンとアニが危険な目にあうことがあれば……あなたたちを先に逃がすという作戦」
エレン「……そういうことなんだ。アニ」
アニ「あんたらが私らを逃がすために犠牲に?」
アルミン「ううん、犠牲じゃないよ。正確にいえば時間稼ぎ。アニとエレンは絶対に死なせてはならないという命令がある、特にアニは。」
アニ「…そんなの聞いて」
アルミン「それはそうだよ。だって、アニ以外はみんな覚悟を決めてこの作戦に参加した。」
アニ「!」
エレン「…ということだ。行くぞ…アニ」
ミカサ「行って!」
そう言うとみんな獣の巨人へと飛びかかる。
アニ(な、なんでだい?
私が殺されたら困るのは…分かる。
それは情報を私からまだ聞き出せてないから…でも、それでも…)
──────────
──────
───『水晶の中のアニ』3部 ー賭け
-
- 60 : 2016/02/01(月) 22:18:24 :
- >>58 期待コメ本当にありがとうございます!
第3部ー最後…だと思います汗
第3部もよろしくお願いします!↓↓
-
- 61 : 2016/02/02(火) 06:37:57 :
ジャン「なんなんだ!?この巨人、全く、クソォ!!」
ミカサ「ジャン、気をつけてっ!!下にっ!!!」
獣の巨人「お前らは邪魔ぁぁ、あいつら2人に用があるのぉぉ」
コニー「ぬぁぁぁぁぁ!!」
ミカサ「コニーっ!!」
アルミン「今までの巨人とタイプが全く違うっ!!」
ミカサ「…つよい」
ジャン「だが!行かせるわけにはいかねぇ!!」
──────────
──────
エレン「くっ!!後ろを見るな!前をみろ!」
アニ「……見損なったよあんた」
エレン「は?」
アニ「私達は……仲間だって言ってくれた」
エレン「あぁ!当たり前…」
アニ「……これがあんたの選択?」
エレン「………俺だって、あいつらのところへ行き」
アニ「だったら!行けばいいじゃないか!!!!私は…あんたら104期生訓練兵の…仲間なんだろう?!」
そう言うとアニは来た道の方へ体を向きなおし、獣の巨人の方へと向かう。
アニ(……もう、イヤだ。
私を死なせたくない理由なんて、色々あるんだろう。
けど、仲間だと言ってくれた
あんたらを置いてまで私は先にはいかない。
もう、選択は間違えない。
私は戦う…それが今の私の気持ち!)
エレン「アニっ!!!くそッ!!俺がっ!!」
──────────
───────
-
- 62 : 2016/02/02(火) 16:36:12 :
───────
木の上に立ってるミカサの前にアニは降り立つ。
ミカサ「あ、アニ、なんで」
アニ「私がいたほうが早くあの獣みたいなやつを捕獲できる…そう思った」
アルミン「な、なんで戻ってきて!」
アニ「少し…自分でも変だと思う」
エレン「アニっ!!!」
アニ「あんたらを見てると、少しだけ未来をあんたらにかけてみてもいいのかなって思うのさ」
エレン「未来を…」
アニ「私は選択肢が与えられそれを選ぶだけでここまで来た…でも、自分から何かを切り開いて違う選択をするのもありかなって……」
アルミン「アニっ……」
アニ「私は…未来をあんたらに賭けたよ」
そう言うとアニは自分の手を噛み巨人化したのだ。
遠くから巨人化したアニに向かって叫ぶ、エレン。
エレン「アニィィィィィ!!!」
獣「おいおい!巨人化して戦うってかっ!?」
アニ(コレでもう戻れないね…
約束破っちゃったね。最悪だ…私は。でも、今の気分は悪くない……)
-
- 63 : 2016/02/02(火) 18:06:23 :
- 期待です!
-
- 64 : 2016/02/02(火) 20:06:05 :
- >>63 いつも期待コメありがとうございます!!
-
- 65 : 2016/02/02(火) 20:07:00 :
アニはそう思いながら…一瞬隙を見せた獣の巨人に対して蹴りを入れる。
獣「っ!!速いっ!!」
アニ (リーチが長いそれは長所でもあるが逆に弱点でもある!!)
獣「さっきとは大違いだなっ!これは…殺しがいがあるっ!!」
アニ(ここだっ!!)
アニは蹴りだけでなく獣の巨人の顔に思いっきり右拳をねじ込んだ。
獣「やばいねぇ!!!!燃えるねっ!!」
ズドォォォン、凄まじい音が森の中に響く。
エレン「ふ、吹っ飛ばした…スゲェ」
ミカサ「アニ…」
ジャン「つ、つぇー」
アニ (首を狙って蹴るしかない…)
獣の巨人「んん〜でもねぇ〜まだまだ遅い。よ」
コキッと首を鳴らし体制を建て押すとさっきとはまるで違う蹴りをアニへと向けた。
アニ(さっきより、速…っ!!)
アニは右腕で防いだもののアニの体は大きく左へ傾き地面へ吸い付くようにして倒れた。
エレン「アニっ、!!!」
アニ(まだっ!)
獣の巨人「んー、動くな。そこ。命令な〜」
獣の巨人もエレンと似たような叫びの力のようなものを使った。
アニ「!?ーー(体が動かない!?)」
獣の巨人「クック…終わりだねぇ〜
これが力の差ってものだねぇ〜君はぁ速いけど俺のほうがもっと速い…あと君たちにはない能力だねぇ〜〜、さて、うなじを取って死んでもらいますか」
エレン「まてぇぇぇぇぇ!!!」
そんなアニのピンチにエレンは脇目もふらず獣の巨人へと飛びかかる。
-
- 66 : 2016/02/02(火) 21:51:36 :
ミカサ「エレンっ!!」
ジャン「あのバカッ!!」
アニ(あぁ……また、勝手なことして…本当死に急ぎやろうだな)
エレン「お前はここで死ねぇぇぇ!!」
だが、エレンが空中で刃物を取り出す瞬間もう獣の巨人の手はエレンのすぐ前にあった。
エレン「や、やばっ…!!」
アニ (ここはやらせないっ!)
咄嗟にアニは巨人化を解きエレンの前へと出、ブレードで獣の巨人の手を止めた。
獣「レオンハート、そんなにこいつの命が大切か?」
アニ「はぁ…」
コニー「おい!アニの巨人化が解けたぞ!?」
ミカサ「エレンっ、アニッ、今行く!」
アルミン「ミカサ、危険だっ!」
獣の巨人からの攻撃を避けたアニとエレンは地面へと倒れた。
エレン「あ、アニっ!」
アニ「はぁ…はぁ…ったく、ば…」
地面に手をつきながらエレンのことを横目で見るアニ。
-
- 67 : 2016/02/02(火) 23:31:45 :
- すっげぇ…!期待です!
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- 68 : 2016/02/03(水) 17:00:16 :
- >>67 期待コメントありがとうございます^ ^
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- 69 : 2016/02/03(水) 17:00:41 :
エレン「ご、ごめん。だい…」
男「最後油断しちゃぁダメだねぇ」
そう男の方も巨人化を解きエレンの後ろへと来ていたのだ。
振り上げられたその刃物は
アニ「っ!本当…バカッ!!」
エレン「え…」
・
・
・
・
ミカサ「あ、アニッ!?」
アニ「はぁ……ゴホッ」
エレンを庇ったアニの胸へと突き刺さった。
その血はエレンの顔へと飛び散る。
目の前が真っ赤になり、エレンは何が起きたのか分からず動揺する。
エレン「な、なんで…」
男「庇って最後はお前が死ぬか…はっはっはっ!!愉快愉快愉快っ!!裏切り者には申し分ない…」
エレン「うるせぇ!!!てめぇは、てめぇだけはゆるさねぇ!!!」
男「はっはっ…っ!!……あ?」
その男も後ろからの気配に気がつかずミカサが腹の部分を突き刺したのだ。
ミカサ「…ゆるさ…ない!」
男(しまった…俺も油断して……この女………)
コニー「おい!アニッ!!」
ジャン「アニは大丈夫なのか!?」
男「目的は……達成された…ゴホッッ…だが絶対にお前らを殺しに行く……はっ……」
そういうとまた男は腹部を押さえながらも巨人化し、森の外へと出て行く。
ジャン「あのやろうっ!!」
ミカサ「ジャン。今はアニが」
コニー「だ、大丈夫だよな?」
アニ「はぁ……はぁ……」
エレン「おい!目を開けろっ!!」
コニー「あ、巨人化すれば傷もなおるんじゃぁ!?」
アルミン「それはもう無理だよ…体力が。アニ…で、でも、早く連れていけば!助かる………」
そのアルミンの手を掴むアニ。
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- 70 : 2016/02/03(水) 17:27:37 :
- kitaiです!
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- 71 : 2016/02/03(水) 21:02:48 :
- >>70 期待コメントありがとうございます(^ ^)
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- 72 : 2016/02/03(水) 21:03:58 :
アニ「……はぁ……やめて」
アルミン「えっ?」
エレン「な、何言ってんだよ!?さっさと行く」
アニ「みんなの…顔が見える」
エレン「え?」
アニ「ここで…死ぬなら死ぬさ………」
ミカサ「死ぬって…何言ってるの?あなたは」
アニ「確かに…仲間だけど……戻ったらまたあの地下に……」
エレン「………そ、そうだけどよ」
アニ「だっ…たら、みんなの顔が見える、お日様の当たるここがいい…な」
ジャン「アニ………」
エレン「な、何言ってんだよ!?お前からは聞かなきゃいけないことまだあんだよ!死ぬんじゃねーよ!このバカッ!!」
アニ「………希望」
エレン「は?」
アニ「あんたは…私達の………希望になるかもしれないってことさ。」
エレン「んな、そんなこと」
アニ「……ちがう…選択肢を見つけ…た、それは……あんたを信じる……あんたらを信じてみようと思う……それが私の答え」
ジャン「おまえ、バカなこと言ってんじゃねぇぞっ!!!」
コニー「そ、そうだぞ!ば、バカな…」
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- 73 : 2016/02/03(水) 22:36:31 :
ミカサ「……アニ」
アルミン「なんで……そんな、そんな答えなんて…まるで死ぬみたいにっ!!!やめてよっ!!もう仲間が死ぬのなんてっ…」
アニ「…これも罰……沢山殺した……私」
エレン「おい!このやろうっ!!目開けろっ!!」
そんなエレンの思いとは裏腹にアニを支えてるエレンの手は血で真っ赤に染まっていた。
アニ「………今度…私が……賭けるのはあんた…らの未来に……」
(みんな、泣いてる……
こんな沢山の仲間に囲まれて……
……変かな私)
エレン「あ、あぁ…!」
ミカサ「アニっ!!!」
アニ「………1...0..4」
エレン「ん?」
アニ「期……の仲間で……よかった。」
ジャン「おい…おいっ!!まじで死ぬんじゃねーよ!!何言ってんだこの…」
ジャンもアニの顔を覗き込み肩をゆすって声をかける。
アニ「……兵士でもない……戦士になれ………ない私は………」
エレン「うぅ……あぁ……」
エレンの目から涙が溢れ、言葉にならない声が出てくる。
アニ「こうして……最後に……10...4期生のアニ・レオンハー…トでいられたんだか………ら」
(なんか……嬉しいんだよ)
エレン「うわぁぁぁ!!死ぬなっ!!ばかやろぉぉぉ!!!起きろっ!!バカバカバカバカバカバカバカっ!!」
アニ「………あいかわず、うるさいね…バカは…どっち」
エレン「……は、はっは!まだ、喋れ…」
アニ「…そんな、うるさいあんたも……嫌いじゃ……な…ぃ」
エレンの頬に手を伸ばしたアニの手は力をなくしたかのように地面に触れた。
そしてそのまま喋ることはなかった…
森の中に響くのは…
「アニーーーーーー!!!!!!!」
そう叫ぶエレンの声…
仲間たちの悲痛な叫びだけであった。
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──────
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- 74 : 2016/02/04(木) 07:43:05 :
獣の巨人「まさか…後ろからやられるとは……どーも…はぁ…あの女っ!!
はぁ……まだあいつら………あの2人苦戦してるようだ………捕まったら困るからなぁ………グッ……くそッ!」
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リヴァイ「あいつら、遅い…!ハンジっ!!」
ハンジ「やばいね。獣さんがきてるっーー!!!」
ライナー「な、なんだ?」
ベルトルト「あいつ!?」
獣の巨人「今回だけな…助けてやるよ。サッサと終わらせるよーーそこにいる巨人、そいつらを襲えっ!」
そう獣の巨人が命令すると遠くにいた巨人たちが一斉にリヴァイ達のところへと駆けていく。
リヴァイ「なんだ…この!!巨人に命令した!?」
ハンジ「想定外すぎる!!」
──────────
──────
獣の巨人「人に戻れ」
ライナー「く、なんで、なんで助けた…」
ベルトルト「あ、アニは!?」
獣「殺した」
ライナー「なっ!?」
ベルトルト「え!?」
獣の巨人「裏切り者には死をだろ?」
ライナー「んな…アニが」
ベルトルト「うそだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
獣「感謝しろよなー、ここまでやってやったんだからな、脇腹痛…」
ライナー「アニ、アニ。」
ベルトルト「嘘だ…アニが、嘘だぁぁぁぁぁぁぁ!!」
獣の巨人(んーめんどくさいねぇ実に)
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───────
1人の獣の巨人によってこうまでしてやられるのか、そういった思いで走り去るその巨人の背中を見つめるリヴァイ。
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- 75 : 2016/02/04(木) 09:44:35 :
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リヴァイ「最悪だな」
ハンジ「…」
リヴァイ「お前じゃなくて俺がだ」
ハンジ「いや、作戦失敗……私が本当最悪だと思うよ。」
リヴァイ「2人は逃亡、唯一の手がかりアニ・レオンハートは死亡。」
ハンジ「本当マズイことになった…選択を間違えてしまった…あのままアニ・レオンハートからききだすべきだったか…」
リヴァイ「…正しい選択なんてな、誰もわからねぇ…誰も…な」
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- 76 : 2016/02/04(木) 10:50:41 :
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【ANNIE LEONHEARTーREST IN PEACE】
冷たい風が吹く中その石の前に集まったのは…
ジャン「あいつは最後は本当に俺たちの仲間でいてくれたな」
コニー「……どんどん減ってくな」
エレン「……あいつは最初から苦しんでた。」
ミカサ「……」
エレン「なれたって…仲間になれたって………」
アルミン「……みんなっ……け、敬礼…!」
エレン「うぅ……」
胸を張って敬礼はできない。
下を向き、目から出る涙が止まることはない。
アルミン「ひゃ、ひゃく……」
アルミンは声を震わせながら言う。
ジャン「アルミン」
ミカサ「よん、期生。アニ……」
ミカサもいつの間にか視界がぼやけてることに気がつき声が震えてることに自分でも動揺する。
エレン「……レオンハート!!!
お前は、俺たちの仲間を傷つけた、殺した!償いきれないほどの罰を犯した!!」
コニー「お、おい!」
エレン「けど、最後は俺たちの本当の仲間でいてくれて…ありがとう。」
ミカサ「…エレン」
エレン「…あ、ありがとう」
ミカサ「……最後はあなたも」
ジャン「あぁ……最後は」
エレン「……最後は」
アルミン「最後…は」
コニー「く…うぅ…最後は」
「104期生私(俺)達の本当の仲間でいてくれてありがとう」
エレン「本当…にっ、あり…がとう」
──────『水晶の中のアニ』完
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- 77 : 2016/02/04(木) 10:55:42 :
- 執筆終わりました!
水晶の中からアニが出てきたらどうなるかな…と思いながら書いてました。
エレアニ?のようなそうではないような汗
獣の巨人とか…私の想像ですが汗
感想コメいただけるととても嬉しいです!
最後まで読んで下さった方ありがとうございました!
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- 78 : 2016/02/05(金) 18:28:53 :
- あれ?目から水が… ウルウル
次回作も読んできます!
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- 79 : 2016/02/05(金) 18:36:03 :
- なんかもう…目にジーンって!ジーンって!
あと誤字がわかんないですけど
ミカサ「よん、期成。アニ……」
じゃなくてミカサ「よん、期生。アニ……」
かなって
執筆お疲れ様でした!
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- 81 : 2016/03/27(日) 12:22:18 :
- ウワァ!!!!こんな神が居たんですね!!←もう涙しか…なんか誤字ですかね?
エレン・イェーガーじゃないでしょうか?
イェガーになっていたので…
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- 82 : 2023/07/17(月) 10:27:42 :
- http://www.ssnote.net/archives/90995
●トロのフリーアカウント(^ω^)●
http://www.ssnote.net/archives/90991
http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
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2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
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16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
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36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな
22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。
46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね
52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑
89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ
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