エレン「コーヒーで…良いですか?」
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- 1 : 2016/01/02(土) 21:06:37 :
- 以下、このような要素を含みます。
・リヴァハン
・エレン・ミカサ・アルミン等が高校生
・文章力&更新速度が…
よろしくお願いします。
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- 2 : 2016/01/02(土) 21:31:52 :
「雨降ってんな…」ガチャ
喫茶店のドアを開けながら、そう言う。
外は土砂降りの雨。
どうしようか、今日は傘を持ってきていない。
「くそ…ミカサの言うことを聞いて持ってくれば良かった…。」
雨に濡れつつ、エレンはほぞを噛んだ。
ザアザアと雨が降りしきる中、この喫茶店の店主であるエレン・イエーガーはドアに掛かる「OPEN」の文字を「CLAUSE」へと変えた。
「…閉店っと」
今日も客は0人。
こんな、路地にある寂れた喫茶店ではしょうがないことなのだが。
正直なところ、来るはずもない客を待つのは辛い。
でも、オーナーから
『俺が帰るまで、お前がここの店主だ』
なんて真面目な顔で言われては、放っておく訳にも行かない。
「…先輩、いつ帰ってくるのかなぁ…」
そう呟く。
もう、この店を任されてから何年たつだろう。
コーヒーを入れるの、前よりずっとうまくなったんですよ…先輩…。
エレンは雨に濡れながら、「CLAUSE」の文字を見つめていた。
…その時だった。
バシャリ
後ろで、人が倒れた音がしたのは。
振り向くと、自分と同じ年ほどの少女が倒れていた。
「だ、大丈夫ですか…ッ?!」
驚いて少女を抱きかかえる。
傘も差さずに居たであろう少女の体は、冷え切っていた。
なのに、顔は真っ赤で…おでこに触れると燃えるように熱かった。
エレンは、急いで少女を店の中へと運び込んだ。
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- 3 : 2016/01/02(土) 21:55:28 :
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「…風邪だろうな…なんでうちの前で倒れたんだろう…」
誰かの声が聞こえる。
優しく…でも、不器用な温かい声。
まるでお姉ちゃんみたいな…。
「…あ…」
目を開けると、そこはどこかの部屋だった。
私は服が着替えられていて、柔らかい布団に寝かされていた。
右側では、怖い顔の少年が私を見つめている。
「体、大丈夫ですか?…まだ安静にしていてください」
その言葉で、この人が私を助けてくれたのだと分かった。
…助ける?
そうだ、私はあのお店の前で倒れて…。
記憶がドーッと流れ込んでくる。
「ぁ…あの、助けていただいてありがとうございます…」
申し訳なくなってお礼を言うと、彼は返した。
「大丈夫ですよ…何か飲みます?体冷えてるでしょう」
「あ、ありがとうございます。何でも良いです…」
「分かりました」
そう言って、彼は行ってしまった。
周りをよく見る。
私が寝かせれていた部屋は、棚にたくさんのアンティークが並んでおり、コーヒーを淹れる機械ようなものも置いてあった。
少しして、彼は二つのカップを持ってきた。
ベッドのわきにある小さなテーブルにそれを置く。
とても美味しそうな匂いがした。
「コーヒーで…良いですか?」
彼は聞いた。
私はもちろん、と答えた。
「頂きます」
匂いにたまらなくなった私はカップをとった。
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- 4 : 2016/01/03(日) 14:42:01 :
「ど、どうでしょうか…?」
先輩が居なくなり客も来なくなって、俺が淹れたコーヒーを飲んでくれるのは、幼馴染と親友だけになってしまった。
二人だって、一人は有名な高校で学業優先で忙しい。
もう一人は、自分の彼氏とデートに行ったりと…ゆっくりコーヒーを飲む時間はあまり無い。
それに、二人は俺を傷つけまいと、俺に嘘をついているかもしれない。
お世辞は無しで、コーヒーの味を聞くのは久しぶりだった。
「と…とっても美味しいです…」
「そうですか…!…良かったです」
良かった。どうやら俺は、本当に腕が上がっているようだ。
「…そう言えば、どうして店の前で倒れたんですか?」
気になっていたことを聞いてみた。
「ぁ…そ、れは…」
言えない、といった顔をした彼女を見て、また余計なことを聞いてしまったと思った。
「あっ、嫌でしたら答えなくて結構です…!」
慌てて言葉を付け加える。
「すみません…」
何だか、嫌な空気になってしまった。
どうしよう、そう思って居たときに、カランコロン…とドアが開く音が聞こえた。
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- 5 : 2016/01/03(日) 15:31:02 :
「えっ…誰…」
私が驚いていると、私たちのいる部屋に少女が入ってきた。
「…エレン遅い。夜ご飯が冷めてしまう」
その少女は、どうやら私のことを助けてくれた少年…エレン(?)に話しかけているようだ。
…家族だろうか?
「ミカサ…悪い。ちょっと用があって…」
その少女の名は、ミカサと言うらしい。
私を助けてくれた間に、彼はもう家に帰っているはずだったのだろう。
「その子を看病していた」
「あぁ…店の前で倒れててな。たぶん風邪だ」
そう会話を交わすと、ミカサは私の元へと歩いてきた。
「…エレンに、何か変なことされてない?」
「えっ…」
「ミカッ…!?俺はそんなことしねぇよ!」
ミカサの突然の問いに驚く。
ミカサに疑われたエレンは、慌てて否定する。
私も否定した。
「だ、大丈夫です。エレン…さん、は私を助けてくれただけです…」
「…そう。ならいい」
納得したようなミカサは、また再度質問をした。
「もう外は真っ暗…一人は危険。家に帰れるなら家まで送るし、行く当てがないなら私たちの家に泊まって」
「あ…」
私が倒れて、助けられてからもう2時間は経っている。
うちには…帰れない。
でも、行く当てもない…。
「だけど…ミカサ…さんたちに悪いんじゃ…」
見ず知らずの人に、これ以上迷惑はかけられない。
「大丈夫。あぁ、そうだ。泊まっていくなら名前教えて」
少し、考えた。
外は雨…土砂降りの雨。
この喫茶店に泊まらせてはもらえないだろうし、外には…。
この人たちは良い人そうだ。
悪いけど、泊まらせてもらうしか…。
「私の名前は、クリスタ…レンズ。…16歳です」
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- 6 : 2016/01/12(火) 17:25:19 :
- 期待やでぇ〜( ´ ▽ ` )ノ
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- 7 : 2016/01/13(水) 17:32:59 :
- >>6
ありがとうございます(^^♪
頑張りますね!
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- 8 : 2016/01/13(水) 17:58:29 :
俺が助けた少女の名前は、クリスタ…というようだ。
16歳。同い年だ。
俺が心でそう思って居ると、ミカサが口を開いた。
「…クリスタ。じゃあ、私達の家に行こう」
「はい!」
良かった、顔を見る限り熱も下がったようだ。
…送っても大丈夫だろう。
「よし、じゃあ行くか…」
「待って」
「え?」
俺を呼び止めるミカサ。
「この子、風邪なんでしょ?…上着なしで外に行かせる気?外、まだ雨降ってるけど」
「い、いいですよ…私は大丈夫です」
「だめ。クリスタは今日倒れたばかり」
上着…俺とミカサが来てる分以外に何かあっただろうか。
いや、無いな…どうしよう。
「…エレン、そのジャンパー脱いで」
ミカサ…その考えは無かった。
「え、ミカサ」
「男でしょ?傘だって私の分と、エレンのために持ってきた二人分しかない…エレン」
ミカサ…上着に加え、傘まで取る気か。
まぁ傘は、ミカサが気を利かせて持ってきてくれたものだけど。
…でも俺が風邪引くよ。
「よこせってのか…まぁいいけどな、そんなに遠くないし」
土砂降りの中を、駆け抜けていく自分を想像した。
「だ、駄目ですよ…私は大丈夫…」
「…ふふ。なんてね」
ミカサがそう言って、カバンから出したのは…折り畳み傘。
「これ、エレン使って…上着は無いけど」
「ちっ…ミカサぁ傘あるのかよー」
「私がエレンを風邪にかからせるわけがない」
「だよなぁ」
ミカサの冗談にまんまとはまってしまったようだ。
俺は騙せたことでの、ミカサのにやけ顔を眺めていた。
すると。
「…ぷふふっ」
笑い声が聞こえて来た。
「クリスタ?」
「ふふ…すみません、ミカサさん…あはっ…でもおかしくって…あはははっ」
クリスタは、腹を抱えてコロコロと鈴の音のような笑い声を部屋に響かせた。
「おかしい?」
俺が聞き返すと。
「だって…あははっ凄い息ぴったりで…ふふっ、コントみたい!」
「コント…ふふっ」
弾けるように笑うクリスタに、ミカサもつられて笑っている。
「俺とミカサはコンビか…どんなコンビ名だろうな」
「エレミカでいい」
「それ…カップリングみたいじゃんか…」
「…じゃあミカエレ?」
「ばか」
クリスタの笑い声は、ずっと部屋に響いていた。
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- 9 : 2016/01/26(火) 17:07:13 :
- 「ただいま~…お、いい匂いが…」
「お邪魔します…」
「ちゃんと手洗いうがいしてから」
「分かってるよ!」
私は玄関を見渡した。
二人は私と年が変わらないけど、立派な家に住んでいるらしい。
「お帰りー」
奥から、料理の用意をしていると思われる青年の声が聞こえた。
あれが二人に聞いた「アルミン」なのだろう。
この家は3人で暮らしており、家の費用は裕福な家のエレンの父が出してくれたらしい。
ミカサと「アルミン」は昔からエレンの面倒を見ていたらしく、ミカサ曰く友達の居なかった、エレンの親友になってくれた恩返し代わりにと…
遠くの高校へ行って、一人暮らしをするアルミンの家として、これをくれたのだとか。
しかし、アルミンが一人で使うには広すぎるからと、ミカサとエレンもお邪魔してしまっている。
…と、ミカサはこの家までの帰り道で話してくれた。
「あ、クリスタ。体冷えてない?大丈夫?」
アルミンはエプロンをつけて、カレーと思わしき鍋料理を作りながら、私の方を向いてそう言った。
アルミンは聞いていた通りの、中性的な美少年だった。
「服なら着替えましたので。…私よりも」
私は視線を外して、ミカサとエレンを見た。
雨は弱まってきていたとはいえ、私を庇いながら歩いてきた二人はびしょびしょだ。
「エレン、ミカサ、お風呂入ってきなよ。着替えなら用意してあるから」
アルミンはそう言い、こう付け加えた。
「…ひさしぶりに流しっこしてさ」
二人は、そんな関係だったのか…まぁなんとなくそうだとは思ったけど。
そう私が勝手に納得していると、エレンは
「なっ…ミカサにはジャンが居るだろ!///」
赤く顔を染めた。
ミカサには彼氏が居たのか…。一方のミカサは
「ジャンは別に怒らない。それに、私も久しぶりにエレンとお風呂に入りたい」
エレンのように照れるそぶりも見せず、朗らかに言った。
「お前なぁ…それ浮気だぞ、浮気」
飽きれたようにエレンは言うが、ミカサは不思議そうにこう答える。
「…エレンとは兄妹。家族。疾しいことは何もない」
「まぁまぁ…早く入らないと体風邪引いちゃうから。…カレーもそろそろできるし」
アルミンは出来かけのカレーをお玉で回している。
「アルミンのカレーは喰いたいけども…」
「…私と入るの、嫌?」
「…嫌ではねぇけど」
少し哀しそうな目で言われて、つい頷いてしまいそうになるエレン。
「じゃあ入ろう」
「あっ!ミカサ引っ張るな」
ミカサにお風呂へと、強制連行されるエレン。
面白い二人だなぁ、とそう私は思ってみていた。
「はは、面白い二人でしょ」
まったく同じことを言われて、噴き出しそうになる私。
私はこう返した。
「まるで、コントみたいですよ…何か手伝いますか?」
「本当だよね。…あ、サラダ盛り付けて」
二人みたいな関係は、とても羨ましいな…。
私はこう思いながら、ミニトマトをレタスの上に飾り付けた。
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- 10 : 2016/01/31(日) 22:47:04 :
- ミカサキモ死ね
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- 11 : 2016/08/31(水) 07:47:42 :
- 期待!!
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- 12 : 2016/08/31(水) 08:20:05 :
- ミカサは叩かれまくりじゃね?
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- 13 : 2016/09/22(木) 19:31:25 :
- 続けてほしい。
是非最後まで‼︎
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- 14 : 2016/09/22(木) 19:57:13 :
- 続き
期待する
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- 15 : 2016/09/22(木) 20:11:32 :
- 大いに楽しみにしてる
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- 16 : 2016/09/30(金) 08:55:31 :
- 早くリヴァハンが見たい・・・
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- 17 : 2016/09/30(金) 09:18:22 :
- 続き期待
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- 18 : 2016/09/30(金) 09:46:03 :
- 放置しないで>* ))))><
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- 19 : 2016/09/30(金) 10:11:09 :
- とにかく最後まで頼むわ
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- 20 : 2016/09/30(金) 10:33:18 :
- と言うか、運営側が督促を出すようにすればいんじゃないの?
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