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  1. 1 : : 2015/12/20(日) 15:07:06
    地の文多めです。原作は未読でアニメ組です。
    ので意図しないキャラ崩壊注意かも。あとシリアスだったり。
    支援してくれると嬉しいけどなぁ~
  2. 2 : : 2015/12/20(日) 15:11:46



        ~プロローグ~


    「二週間以内に彼女を作らなきゃダメだよお兄ちゃん」

    比企谷八幡、唐突に俺にとって世界一難しい難題を押し付けられたのであった。我が妹によって。

    いやなんでだよ……?

    「あの小町ちゃん? 多分それ地球が終わってまた地球が始まるとして、それを三百回くらい繰り返しても無理だと思うよお兄ちゃんは」

    そんな自分を馬鹿にした成分を含んだ俺の言葉を聞いた小町は相変わらずな心配した顔で、「出来ないを出来るにするのがお兄ちゃんでしょ」なんて言葉を返してきた。

    小町の中のお兄ちゃんの凄さは知らないが、しかし今の言葉は本気で言ったわけではないだろう。まぁ態度に関しては本気だとは思うが。

    「急にどうしたんだよ小町」

    いつもの朝。そしていつもの素朴な朝ごはん。これに何か変な成分など含まれてはいないはずだ。

    「いやねお兄ちゃん。流石にこの年頃になっても彼女の一人もできないなんてやばいでしょ」

    今の言葉に関しては本気だと思った。態度は相変わらず真面目だ。

    「学生時代の内に彼女が出来ないということは、今以上に女の子と仲良くお話も出来ないし、周りより何かが劣るんだよ?」
    「多分もう劣ってると思うんですけど……?」
    「もうそういうのはいいから、小町は本気でお兄ちゃんのこと心配してるんだよ?」

    俺もそろそろどうして急に小町が近所のおばさんみたくおせっかいになったのか気になりだしてくるよ? いや気になってるけれども。

     気になるから、明らかに分かりやすい表情で頭に『?』を浮かべていると、小町はしょうがないな、みたいな表情でその口を開いた。

     全く訳が分からないが、お兄ちゃん、聞いてやることにしよう。

    「昨日小町2チャンネル見てたんだけどね」

     なるほどね。
     俺はさらに首を傾げながら、小町を見る。別に何か深い意味はないが、とにかく小町を凝視する。

    「そこでは彼女がいない歴年齢の人が悲惨な人生を語ってたの」

     心配する表情は変えないまま、小町はこちらを見て、「分かる? この意味」と質問を投げかけてきた。

     俺はそれに対し自信満々に似合わない笑顔を浮かべると、

    「ああ分かりますとも。つまりあれだよな。俺にこの先彼女が出来なかったら、俺もいずれ悲惨な人生を語るサイドに回り込んでしまうと」

     そういう意味だろ? と小町を見る。

    「正解だよお兄ちゃん。小町はお兄ちゃんの気持ち悪くニタニタ笑う顔が見たいの。ニタニタ笑いながら涙を流すお兄ちゃんは見たくないの」

     今の言葉については意味を察せないです。というか察したくないです。

    「つまりはこうなのお兄ちゃん。隣に女の子を連れてニタニタ笑うお兄ちゃんが見たい。ネットを見ながらニタニタ笑って、カップルを見て涙を流すお兄ちゃんは見たくないの」

     ……丁寧な説明あるがとうございます。

     もはや無意識に曇った表情のまま、俺は小町へと視線を送る。しかしこれもまた無意識に視線が朝食の卵焼きへと移り変わる。

     今の俺の顔はいつも以上に腐っているだろう。特に目。

    「逃げちゃだめだよお兄ちゃん。小町は心配してるの」
    「分かってるよ。……がんばりまーす」

     なんだか適当感否めない返事をするが、小町はやはり心配の眼差しだ。恐らく小町はその悲惨な人生を語った人間と俺を重ねてるのだろう。分かるよ、分かるよ。そりゃ心配になってくるでしょうね。

     俺は心底小町の気持ちを理解しながら、朝の食事を進める。

    「あ、お兄ちゃん」

     と、小町は一転明るい表情を見せると、

    「今日帰りにドーナツ買ってきてね!」

     そんな言葉と表情に、「なんで?」と一言。

    「もう知らないのお兄ちゃん。お兄ちゃんの通う高校の近くにドーナツ屋が出来たんだよ」
    「つまり買って来いと?」
    「大大大大正解だよお兄ちゃーん!」

     さっきとはテンションがあからさまに違う小町。

     まぁいい、買って帰るか。

    「それと」

     小町はその明るい表情のまま俺を見て、右手の指で二本指を立てると、

    「なるべく二週間以内に頑張るんだよ!」

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