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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

この作品は執筆を終了しています。

<東方×仮面ライダー>幻想ライダー大戦

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  1. 1 : : 2015/11/17(火) 00:39:17
    東方キャラクター×仮面ライダーな長編(予定)ssです

    注意事項としては

    ・少々グロがあるかもしれない
    ・私が東方にわかな所もあり設定に至らぬ点があるかもしれない
    ・同様に仮面ライダー側にもそういうことがあるかもしれない
    ・東方に関しては二次設定を利用するかもしれない
    ・オリジナルの主人公が登場する
    ・出来ればオールスターにしたいけどもしかしたら何人か登場しないかもしれない
    ・文章に不備があればすぐに直しにかかるので許して欲しいです・・・
    ・《更新が遅いかもしれない》←重要
    ・《更新が遅い等の連絡は私のグループでして欲しい》

    ・私の信念としては絶対に主人公ハーレムだとか主人公最強なんかには絶対しねぇぜ!(*´∀`)それで話を進める策はある(注意事項というか宣言)

    以上です。

    次のレスからスタートします。何卒よろしくお願いしますm(_)m
    良いssライフを
  2. 2 : : 2015/11/17(火) 00:42:12
    気が付くとここに居た

    だが、動けない

    動けないので仕方なく何故こんな所に居るのか考えてみたが、何も思い出せない

    それどころか今まで自分が誰で、どんな存在だったことすら思い出せない

    体がだんだん馴染んできた・・・馴染んできた?

    ここでようやく、「俺」は頭が回って来た・・・そして気づいてしまった

    自分の体が「無い」という事に


    <第一話『揺らめく時空超えて』>


    (これって門だよな・・・)

    ゆらゆらと揺れる青白い炎のようなその人魂は、その門の前で立ち往生していた。

    ???「む、脱走者ですか・・・いやでも始めて見る形ですし、幽々子様が新しく連れてきたんでしょうか・・・」

    人魂は、その声を聞くと安堵したようにその声の主へ話しかけた。

    人魂「ああ、丁度良かった・・・ここら辺に住んでる方ですよね?少し聞きたいことg・・・」

    よく見ると、声の主はその人魂にとってとても不思議な姿をしていた。

    気が付く以前のことを思い出せないとは言え、その意識には常識があった。

    まず背格好が小さく見える・・・少女だろうか、だが子供のようにも見えるが顔立ちは大人のように凛々しい。そこまではまだ不思議と呼べる程でも無いだろうが問題はその背中と腰にある物だった。

    人魂「二本の刀?・・・それに・・・・・・雲?」
  3. 3 : : 2015/11/17(火) 00:44:01
    ???「ああ、これは・・・」

    ブンッ

    人魂「え」

    一瞬で抜かれた刃を少女は人魂に突きつけ、こう言った。

    ???「先にそっちの事を教えて欲しい・・・教えてくれればこの刀は退ける」

    人魂(そ、そんな事言われてもどうすれば・・・)

    人魂はあたふたしている

    ???「怪しい・・・」

    ???「まさか何かの良からぬことの為の下調べにでも来たんじゃ・・・」

    人魂「い、いや俺はただ自分n・・・「弁明したければまず自分のことを話してみなさい」

    ???「名前と、性別・・・出来れば生前の記憶も」

    どうやら少女は人魂がただの亡霊だと思っているらしい・・・だが今の人魂にはそれは不可能だった、それゆえに人魂は黙っているしか無かった。

    ???「答えないのなら・・・今ここで・・・」

    ガツンッ

    少女が刀をふり下ろそうとした時、何かが少女の刀に当たった。

    勢い余った少女は尻餅をついてしまった。

    ???「あたっ・・・な、何!?」

    人魂「ベル・・・ト?・・・」

    人魂には見覚えがあったらしいが、それどころでは無かった。白いカメラのような四角い物が付いたベルトを見て人魂は酷く苦しみ始めた。

    人魂(何か・・・思い出せそうな・・・う・・・ぐっ・・・)

    みるみるうちに人魂の形が人型の揺らめく「何か」へと変わっていく。

    ???「んな・・・貴方ただの亡霊なんじゃ・・・!?」

    人のような形となった人魂の腰あたりに吸い付かれるようにベルトが巻かれる。

    人魂「そうだ・・・知ってる・・・これは《ディケイドライバー》」

    人魂「《仮面ライダー》になる為の・・・ベルト」

    人魂はこのベルトを知っていた・・・が、人魂は違和感を覚えた。

    人魂(でも《俺のじゃない》)

    そう、人魂はこのベルトを自分が持つべき物ではないことがわかっていた。だがそれが何故なのか、それなのに何故自分が装着しているのか、使い方がわかるのか・・・人魂はわからなかった。

    人魂(《仮面ライダーディケイド》・・・《世界の破壊者》・・・)

    人魂(わからないけど・・・今俺はピンチだったんだ、使えるもんは使わせて貰う!)

    ???「どう見ても異変・・・幽々子様に危害が及ぶ前に、始末する!」

    人魂(カードがあるはずだ・・・これか)

    ベルトのカメラのような部分に中途半端に挟まれたカードを、丁度そのカードが収まる場所に人魂が入れ直す。

    そして、カメラの両端にそっと手を置いて・・・こう言った。

    人魂「変身」

    ガシャン

    両端をベルトの中心に押し込むように動かす

    ベルトのカメラのような物体が縦から横になり真ん中から見えていたカードのマークが正しい向きへと変化する。

    『カメンライドゥ・・・ディケイド!』

    ピンクと黒のコントラストなデザインの奇妙な姿に板のような物が縦に差し込まれる・・・今の人魂のことを一言で表すには・・・やはり人魂の言っていた《仮面ライダー》なのだろうか。

    ???「ピンクの・・・しましま・・・」

    少女が刀を構え、戦闘態勢に入ろうとしていた時・・・間の抜けた声が門の向こう側から聞こえて来た。

    ???「妖夢ぅ~大変よ~・・・早く来なさい~」

    ???「幽々子様ッ!」

    妖夢と呼ばれた少女は目の前に佇むピンク色の奇妙な人型に向けて威圧するように言った。

    妖夢「運が良いみたいね・・・でももしこの門の中に入ったら・・・わかってるでしょう?私はそんな子供だましには引っかからないから」

    門の向こうへと大急ぎで走っていく少女を、《仮面ライダー》は無言で見送った。
  4. 4 : : 2015/11/18(水) 22:57:08
    広い建物の中を走っていたせいか荒い息で妖夢はその主人をようやく見つけた。

    妖夢「何があったんですか!幽々子さm

    妖夢「またそれですか・・・」

    ???「朝枕元に置いてあって・・・」

    いかにも困ったという顔をして、芝居がかったようにも見える大袈裟な手つきでその姿に似合わないベルトのような物を持つのは「冥界」に存在する広大な建造物、「白玉楼」の主人「西行寺幽々子」である。

    妖夢「・・・?それにそういえばいつも連れている幽霊はどうされt「それがさっきから呼んでも来なくて・・・」

    妖夢「はい?」

    幽々子「そうそう、私もついに地獄に連れてかれるんじゃないかと思ったけど・・・なんとか冥界に来る幽霊の管理くらいは出来るから大丈夫よ。でもちょっと不便だからこれから貴女には・・・」

    妖夢「ちょ、ちょっと待って貰えます!?・・・状況がわからないので簡潔に話してくませんか幽々子様!?」

    幽々子「えーとぉ・・・つまり・・・《能力が殆ど使えなくなっちゃった》の・・・」

    妖夢「ハァッ!?そんなこと有り得る訳・・・」

    (『カメンライドゥ・・・ディケイド!』)

    妖夢「あー・・・有り得ますね・・・今日なら有り得そうですね・・・」

    幽々子「それで・・・この腰巻みたいなのなんだけど、多分これって能力の代わりにって感じよねぇ・・・」

    妖夢「さっき似た物を門の前で見ましたが・・・何なんでしょう」

    幽々子「見たの!?どういう風に使うのか教えて!」

    妖夢「似ているとは言いましたが使い方は全く違う物かと・・・向こうはその腰巻に付いている物だけで《変身》してましたし・・・」

    幽々子「《変身》!?《変身》するの!?かっこいいじゃない!」

    妖夢「いえあんまり格好良く無いですよ」

    妖夢(幽々子様をあんなしましまピンクにしたく無い・・・)

    幽々子「あ、そうそう妖夢の分もあるわよ」

    妖夢「え」サーッ(血の気が引く音)


    <第二話『鍵は開けられてしまった』>


    人魂(行っちゃったか・・・)

    人魂(そういえば・・・これ、見覚えがあるし・・・使い方もわかるけど、違和感というか・・・窮屈な物を感じるような・・・)

    人魂(無理やり当てはめられたというか・・・)

    人魂(それに、今のままだと足りない物が多すぎる気がする。この《仮面ライダー》まだ何かあったはず・・・)

    ベルトのレバーを引き、変身を解除しながら・・・人魂は異常な程冷静に今の状況について考えていた。

    人魂(ふう・・・ってさっき人型になったと思ったらまたこの体に・・・)

    人魂(でもそもそも気が付く前が人だったとはまだわからない・・・全く思い出せないし、ナチュラルに「俺」とか言ってるけど男だとも限らなそうな気がする・・・さっきあった女の子だって絶対に可愛い方だと思うのに・・・なんだか無機質な感情が・・・)

    人魂(・・・あ、今可愛い方って何を基準にした感情だったんだろう?・・・)
    _____________________
  5. 5 : : 2015/11/18(水) 23:04:19
    妖夢(まさか私も能力を失っていた・・・?いやでもまだわからない今日はさっきまでずっとそこに見える庭の手入れをしていたからまだ能力を使って無いのでまだわからないはず・・・)

    妖夢「きききっと幽々子様はお疲れなのでしょう・・・そ、そうですきっとだから能力が少し落ちているんです!取り敢えず今日の所はお休みになってはいかがでしょうか!お布団用意しますから!ね!」

    幽々子「でもじゃあこれは」ガシャ

    妖夢「あう・・・そ、それはきっと・・・そうです多分不審者です!不審者が置いていったんです!まだ近くに居るかもしれせん!だから幽々子様は安全な場所でゆっくりとお休みしていてください私が少し見回りをしてきます!」

    幽々子「じゃあさっき似た物を見たって言ってたけどきっとそれって・・・」

    妖夢「あ・・・」

    妖夢(そうだったぁぁぁぁ・・・先にあの不審者を取り敢えず捕まえておけば良かった物を・・・急ぐあまり忘れて・・・)

    妖夢「とにかく!幽々子様はじっとしていてください!私があいつに話を聞いてきます!」

    そう言って門の所へ行こうとする妖夢に幽々子が持っていたベルトを差し出そうとするが、機敏な動きで手を払いのけれた。

    妖夢「要りません!そんな怪しい物持って行きませんから!」

    幽々子「でもやっぱり心配よ・・・もし能力が使えなくなってたりしたら・・・」

    妖夢「・・・わかりました。持っていくだけ持っていきます」

    幽々子「ふふ・・・じゃあ気をつけてね・・・」

    走っていく少女を見送ると、幽々子は何かを含むような微笑みを浮かべた。

    幽々子(今回ばかりはどうなるかわからないわね・・・)

    _______________________


    門の前へ来た妖夢を待ち構えていたのは、あの《仮面ライダー》では無かった。

    妖夢「な、な、な・・・」

    揺らめく鏡のような向こう側が透けて見える不思議な壁に禍々しい植物で出来ている裂け目が空いていた。

    そこから虫にも植物にも似た何かが出てきては庭に存在する大きな岩や桜の木や池を破壊して回っている。

    その光景を見て妖夢は冥界全体に甲高い絶叫を轟かせた。

    妖夢「なんだこれぇぇぇぇ!!!」

    _______________________
  6. 7 : : 2015/11/20(金) 23:03:37
    <第二話その二『「今」という風は何を伝える為に』>


    ガゴンガシャンボゴン

    人魂(あの子は多分俺をあの子の言う幽々子様って人に会わせたくないんだろうな・・・)

    人魂(あの声がそうだったんだろうか、妖夢って言ってたっけ・・・でもさっきのあの子の様子を見る限りここら辺って結構危険な場所なのかな?)

    人魂(周りに人影は無いし・・・道もわからない。幸いこの体なら疲れることもお腹が減ることも・・・つまり生物的な欲求は何も無い、と思うけど・・・それでも自分から危険に飛び込むのは辛いかもしれない・・・)

    人魂(やっぱり少し中に入って話を聞いて貰おうかな・・・)

    ガガゴンガゴンズドン

    人魂(さっきから何の音だ?・・・・・・)

    ナンダコレェェェェェェェ!!!

    人魂(この声さっきの女の子の!?)

    人魂はその声を聞いて門を開けようと思い切りぶつかったが、門からは鈍い音がしただけだった。

    人魂「くっ・・・鍵がかかってる・・・おーい聞こえてるなら返事してくれ!大丈夫か!?」

    __________________________
  7. 8 : : 2015/11/20(金) 23:04:42

    妖夢「!?」

    妖夢「貴方まだ居たんですか!何なんですか!?嫌がらせですか!?せっかく人が綺麗にした庭を滅茶苦茶にして!?」

    今の妖夢にはほんの数分前に人魂に浴びせたような威圧感こそ殆ど無いが・・・その叫びにはれっきとした怒りが込められていた。

    人魂「し、知らないって!そっちではどうなってるんだ?出来れば門を開けて欲しいんだけど・・・」

    妖夢「いえ絶対貴方の所為ですそうなんですそうでないと私頭がどうにかなりそうです」

    人魂(余程庭が大事だったのか・・・)

    人魂「もしかしたらその状況をなんとか出来るかもしれない。だから開けて欲しい・・・」

    妖夢「・・・本当に?」

    人魂「もしかしたら本当に俺の所為かもしれない・・・でも今目の前でえぇと・・・妖夢さんが困ってるなら今俺の覚えてること・・・《仮面ライダー》として、助ける」

    妖夢「・・・よくわかりませんがわかりました・・・今開けます」

    ガチャン

    人魂「な、あれは・・・」

    妖夢「単刀直入に言いますけど・・・あれは何なんですか!?あんな物《幻想郷》でも見たこと無いですよ!?」

    人魂「《初級インベス》・・・何でこんな所に・・・あれは《鎧武》が・・・ん?鎧武ってなんだっけ・・・」

    妖夢「そんなブツブツ言われても何が何やら・・・」

    人魂「ごめん、取り敢えず・・・ベルトを使ってみる」

    「変身」

    『カメンライドゥ・・・ディケイド!』

    妖夢「私もッ!ハァ!」

    ガツン

    妖夢「やっぱり・・・私の剣じゃ・・・」

    人魂「・・・ッ!」

    体が覚えていた格闘術を試しているが、人魂には全く手応えが無かった。そしてふとした考えを頭の中で巡らせていた。

    人魂(あの壁と裂け目・・・あそこから出てきたのか・・・もう出て無いだけ安心出来るかもしれない・・・だけど)

    怪物の攻撃は誰が見ても避けられる程の速度しか無いが、数が多く避けることで人魂は手一杯になっていた。

    人魂(硬い・・・信じられない程硬い・・・多分全然効いて無いぞ)

    人魂(そういえば、俺のこのベルトについてた変身に使うカード・・・そうだ・・・足りないのはカードとカードを保管してる物!)

    そう人魂が思ったと同時にどこからともなく本の様な物体が人魂の手元に飛んで来た。

    人魂「ライドブッカー!これがあれば・・・」

    《ライドブッカー》から仮面ライダーと思われる絵柄の描かれたカードを取り出すが・・・人魂は愕然とした。

    人魂「そんな・・・全部白くなってて・・・力が使えない!」

    妖夢「ぐっ・・・何やってるんですか!こっちは数が多すぎて・・・抑えるのが精一杯で・・・」

    ギギギ

    人魂「どうすれば・・・ッ!」

    人魂がふと妖夢の方を見ると、彼女の腰にベルトのような物が付いてるのが見えた。

    人魂「それだ!それを使うんだ!」

    妖夢「え!?これを?だってさっき貴方の力じゃ・・・「それじゃないと駄目なんだ!」

    人魂「そのベルトは俺のとは違う」

    人魂「今の俺は完全じゃない・・・だからせめてその怪物に相性の良い力を使わなければいけない・・・それは・・・そう・・・思い出した」

    ガシャン

    刀で妖夢が抑えていた数体のインベスを人魂が押しのけた。

    人魂「あいつらの動きは特別遅そうだから・・・時間は作れたはずだ・・・」

    人魂「そのベルトの名前は《戦極ドライバー》・・・そうか妖夢さんが《鎧武》に・・・」

    人魂「思い出して来た・・・そう・・・《仮面ライダー鎧武》・・・良いライダーだ」

    妖夢「《仮面ライダー》・・・《鎧武》・・・」

    人魂「そのベルトにある錠前・・・《ロックシード》をまずベルトについてる機械の真ん中に付けるんだ・・・勿論開錠してから」

    『オレンジ!』

    妖夢「ひぃぃ!喋った・・・」

    人魂「時間がないから次だけど・・・付けたらしっかり施錠を・・・」

    『ロック・・オン!』

    妖夢「出来ました」ガシッ

    人魂「?・・・どうして次に刀を下ろすってわかってるんだ?」

    妖夢「あ・・・なんとなく」

    人魂「なんとなくね・・・それを下ろせば《変身》出来るから・・・後は自分で色々やってればわかるはず・・・」

    妖夢(ゴクリ・・・)

    妖夢「ピンクのしましまじゃありませんように」ザクッ

    人魂「これはピンクじゃない、マゼンダだ」


    『ソイヤッ!オレンジアームズ!花道・オン・ステージッ!!』


    _____________________________________
  8. 9 : : 2015/11/25(水) 00:02:07
    <第二話その三『明日が夢がまだ見えなくても』>


    妖夢「おおおみかんがっ!みかんが降ってきたぁぁぁぁ!」

    人魂「それが鎧武の特徴・・・別名『アーマードライダー』たる証だ!」

    妖夢「な、なんか輪切りのみかんと拳銃みたいな刀が両手に・・・」

    人魂「妖夢さんにぴったりの二刀流じゃないですか!これでインベスに勝てるはず!」

    両手の剣を構え、妖夢が怪物に突進するかのように勢いよく正面から斬りかかると、いとも簡単に怪物の真っ二つに切り裂いた。

    妖夢「これなら!」

    次々と怪物をなぎ倒す妖夢を横目に、人魂は歪んだ壁に出来た裂け目を見ながら考え事をしていた。

    人魂(確か俺の知ってることでは出てくるだけ出てきてから勝手に裂け目は消えてた・・・と思う。まさかまだ出てきたりするんじゃ・・・)

    妖夢「簡単に倒せるけど数が多すぎ!何か無いんですか!必殺技とかスペルカード的な・・・」

    人魂「ん・・・ああベルトに付いてる刀でロックシードをもう一度斬って見るといい」

    妖夢「はい!」シャキン

    『オレンジ!スカッシュ!』

    オレンジの断面を模した刀「大橙丸」が光り輝き、刀身が大きくなったようにも見える。

    妖夢「お庭をこんなにして・・・絶ッッッ対に許さない!」

    大ぶりで残った全ての怪物を薙ぎ倒すように一閃し、切り裂く。

    怪物は爆散した。

    妖夢「・・・」

    妖夢(ちょっと・・・格好良いかも)

    _______________________________________
  9. 10 : : 2015/11/25(水) 00:05:56
    妖夢が「大橙一刀」によって怪物を倒している最中、人魂は別の物を見ていた。

    人魂(まだ・・・裂け目の向こうに何かが居るとしたら・・・)

    人魂が中を覗こうと裂け目の方へ一歩踏み出した瞬間、何かが裂け目からこちらを見ていることに気づいた。

    人魂「ッ・・・」

    余りにも一瞬のことで人魂はすぐに気付くことが出来なかった。

    妖夢「ようやく片付きまし・・・た・・・」

    ライダースーツを着た人魂の右腕にあたる所には、腕が無くなっていた。代わりに、ドロドロと溢れ出るどす黒い血液がライダースーツの側面を赤黒く染めていたのだ。

    人魂「いッ・・・・・・どうして俺にこんな・・・腕がっ・・・」

    ???「お前が力を使うから肉体が必要なんじゃないか・・・元々人間用なんだから」

    人魂「お前・・・『オーバーロードインベス』か!?」

    人魂(ヘルヘイムの森の主か・・・?こいつの名前も覚えてる・・・『デェムシュ』とか言ってたはずだ・・・意味はたしかオーバーロード語で「深紅」)

    デェムシュ「まあ今はそうだが・・・外見を借りてるだけだ・・・っよっと」ガシィン

    話の途中であったが、真っ赤な騎士のような姿をした怪物は不意打ちを仕掛けるように錫杖の様にも見える両手刀で斬りかかる。だが、それが左腕に届く直前で人魂は《ライドブッカー》を剣のような形態に変化させ、盾にしていた。

    人魂「残った腕を千切りに来ることくらいわかるさ・・・勘だけど」

    人魂「それよりお前・・・俺について何か知ってるなら全部話せ、俺は俺の事が知りたい」

    デェムシュ「その必要な無い、ここでそっちには消えて貰う」

    人魂(こいつは俺の知ってるオーバーロードじゃない・・・スペックが桁違いに高くて・・・それに元々血気盛んな性格のはずだ・・・一体こいつは・・・)

    デェムシュ「後ろに気を付けないとな・・・仮面ライダー」

    いつの間にか後ろに回られていて同様したのか対応が間に合わなかったらしく、斬撃が人魂の正面から振り下ろされようとした時、先ほど見た閃光が怪物にぶつけられた。

    『オレンジスカッシュ!』

    怪物は衝撃で倒れた・・・かのように見えた。次の瞬間には妖夢の目の前に現れ、人魂に向けた物と同じように両手剣が振り下ろされる。

    妖夢「くっ・・・」

    両者が鍔迫り合いを繰り広げている中、人魂の脳裏にはあるカードが浮かんだ。《ライドブッカー》から無意識にそのカードを取り出し、バックルにセットする。その様子は、まるで何かに取り憑かれたような・・・今までとは別人とも言える程、冷静で、無機質な物だった。

    人魂「だいたいわかった」

    『カメンライドゥ・・・フィフティーン!』

    デェムシュ「何ぃ!?知識だけでは無かったのか!」

    妖夢「腕が治って・・・そにに私と・・・同じ・・・さっき言っていた《アーマードライダー》!?」

    人魂「まだ慣れないか・・・なら」

    『フォームライドゥ・・・ディケイドアームズ』

    妖夢「あ、ピンク!・・・に似てる」

    人魂「これで対抗しながらこっちの慣れた動きで戦える」

    その姿は妖夢の《アーマードライダー》に似ているが、まるで侍の仮装のような派手さがあった。そしてさらにもう一度形態を変化させ、《ディケイド》の面影を感じる物へと変わり、妖夢のように二本の剣を構えると、人魂は怪物に飛びかかる。

    シュン

    人魂「鍔迫り合いから瞬時に避けたか・・・やっぱり元より速さのスペックが違うんだな」

    デェムシュ「くそっ・・・」

    裂け目へ逃げようとする怪物に人魂が追撃をする。

    『アタックライドゥ・・・スラッシュ!』

    剣の形態になった《ライドブッカー》から残像のような物が現れ、連続で怪物の背中を狙って斬撃を振るうが、相手の方が早いのか当たらない。

    デェムシュ「折角使いこなれた体だ・・・絶対に壊させはしない!」

    『カメンライドゥ・・・ディケイド!』

    人魂「なら、誘導攻撃が出来れば・・・」

    『ファイナル・フォームライドゥ・・・ガガガガイム!』

    人魂「ちょっとくすぐったいぞ」

    妖夢「ふえ!?」

    人魂が鎧武となっている妖夢の背中に手を当てると、妖夢の体が縦に開いていく・・・すると開いた中から大きく丸いオレンジが出てきた。

    人魂「誘導は任せた!」

    人魂は思い切りオレンジを投げた。するとオレンジは真っ直ぐ飛んでいくのでは無く、怪物の方へ向かっていく。

    妖夢(え?ナニコレ?た、多分これでいいんだよね!?)

    人魂「オレンジスパァァァキング!」

    デェムシュ「あと一歩!あと一歩で・・・」

    ズドォォォォン
  10. 11 : : 2015/11/25(水) 00:08:34
    跡形もなく怪物が消えると同時に、壁と裂け目が消えていき・・・オレンジが変形して元の鎧武へと戻っていった。

    妖夢「あの怪物の口ぶり・・・まさか本当に何も覚えて・・・」

    人魂「無い・・・」

    妖夢「じゃあ何者かもわからないんですか・・・?」

    人魂「いや、何者かはわかる」

    妖夢「じゃあ何者なのか、教えてください」

    人魂「簡単な話だよ」



    人魂「ただの・・・通りすがりの《仮面ライダー》だ」


    _________________________________________

    <妖夢・ディケイド編―完―>
  11. 12 : : 2015/11/25(水) 00:11:59
    ______________________________________________


    <第三話『いいじゃん!いいじゃん!すげーじゃん!』>


    幽々子「・・・それで、お庭が滅茶苦茶になったと」

    妖夢「はい」

    幽々子「私を置き去りにしたと」

    妖夢「はい、危ないので正解でした」

    幽々子「そう・・・(泣)」

    妖夢「本当に危なかったんですよ!あの人魂が居なければ今頃・・・」

    幽々子「でもつまりそのベルトがしっかり使えれば誰でも良いんでしょう?」

    妖夢「幽々子様は使えるんですか」

    幽々子「そんなの使ってみないとわからないじゃない」プクー

    妖夢「わかりました、でもそれは次からですよ。人魂に教えて貰ってからです。」

    幽々子「さっきその亡霊ちゃんが言ってたけど妖夢の奴と大体同じだから妖夢に教えて貰うようにって・・・」

    妖夢「・・・わかりました今教えます。」

    妖夢(本当はあんまり巻き込んでここを危険に晒したく無いんだけど・・・仕方ないか・・・)

    _________________________

    人魂(全く思い出せない・・・どうやってこのフィフティーンのカードを使ったんだ?白くなってて使えないぞ・・・)

    人魂はライダーに変身して、亡霊達と庭の片付けを手伝っていた。ほぼ戦闘のあった範囲は全壊しており、辛うじて池が池としての形を失っていなかったくらいしか良いと言えることは無かった。

    人魂(もっと思い出さないと・・・)

    キュキュキュキュウウウンキュキュキュキュウウウン

    片付けも殆どやることが無くなり、人魂が妖夢に会いに行こうとすると・・・サイレンにも似た音が鳴り響いた。

    人魂(この音・・・ッ!・・・《デンライナー》か!)

    妖夢「なんですかこのキンキンする音は!」

    幽々子「何事なの~?」

    余程音で大きかったのか、妖夢、幽々子が縁側に飛び出してくる。すると、縁側の目の前に線路のような物が現れた。

    幽々子「?」

    プォォン

    幽々子が気になって横を向くと、その方向から赤い流線形の何かがこっちへ向かって来ていた。

    ???「只今着きましたこちらは~白玉楼~白玉楼~」

    向かって来た物は、どことなく電車を思わせるような形をしていた。そして、その扉らしき物から一方は胡瓜をかじりながら、一方は四つの仮面を携えながら二人の人影が姿を現した。

    ???「仮面ライダーさんはここに居るかな?」

    ???「出来れば早く乗って・・・森にも行かないと行けないの」

    _____________________________
  12. 13 : : 2015/12/01(火) 16:15:43
    「よし、君達のことはわかった。取り敢えず始めて見る顔もあるから自己紹介しておこう。私は河城にとりそしてこっちが・・・」

    「秦こころ!」

    にとり「二人合わせて!」

    こころ「かm・・・「やらなくていいから」

    妖夢「まずどういう状況なのか教えてください」

    こころ「しゅん・・・」

    にとり「しゅん・・・」

    にとり「・・・全くこれだから馬鹿真面目は」

    妖夢「これ以上余計なこと言ったら切り捨てるのであしからず」

    にとり「まずは私たちがどうしてこんなことをしているのか話してやろう」

    人魂(反応が早いな・・・)

    にとり「朝、自分の身付けてたこいつを私はとにかく使える物全てを利用して調べてた」

    そう言いながら彼女が取り出してきたのは、また人魂や妖夢の物に似たベルト・・・かと思いきや彼女の腕に付いていた腕輪だった。

    妖夢「?さっき仮面ライダーがどうこう言ってたからベルトでも見せくれるのかと・・・」

    にとり「ああ、ベルトもあるよ。ほら・・・でもちょっと君達のとは使い方が違うからね、私の変身・・・いや、多分・・・私の命そのものになってしまってるこの腕輪がメインだよ」

    人魂「命そのもの・・・?」

    妖夢「それはどういう?」

    にとり「取り敢えず絶対に外せないってことだよ・・・私の知ってるこのベルトの本当の持ち主・・・『仮面ライダーアマゾン』によれば・・・ね」

    にとり「まあ話が長くなるからそこら辺は省略させて貰おう」

    妖夢(如何にも恐ろしい話をさらっと流しちゃったよこの河童・・・いや河童だけにか・・・)

    人魂(うーん・・・アマゾン・・・それも良く知ってたような、思い出せないけど)

    にとり「で、出来る限り腕から外れない程度にいじってたら電車みたいな音が聞こえて、行ってみると変なポーズしながら無表情で仮面ライダーは居ないかと叫んでる奴が居たんだ」

    話の合間を見計らったようにいつの間にか赤い仮面を付けたもうひとりの少女、こころが誇らしげに言った。

    こころ「それが私の使命だと言われて来たからなフンス」

    にとり「そうそう、使命だとか何とか言ってて・・・もし私の物と同じようにベルトとか腕輪とかを持ってる奴が居るんなら是非いじらせて貰いたいと思って付いて行くことにしたんだ」

    またどこからか青い仮面に付け替えたこころが話し出す。

    こころ「因みに玄武の沢に一番先に行くと良いと使命を貰ったからあそこに言ったんだよ」

    妖夢「ところでその使命っていうのは何です?何かこの異変について知ってるんですか?」

    こころ「異変についてはあまり知らない、ただ・・・朝起きたら枕元で何者かが寝ぼけた私にこのベルトを渡しながら「仮面ライダーを探せ・・・出来れば全部、奴が全てを壊す前に。まずは玄武の沢で探すといい・・・これはどうしても、このベルトを持てる君にしか頼めないことだ」と言って来た・・・その姿に私は心を撃たれて、あの人のくれた使命の為、『仮面ライダー』を探すことにした」

    にとり「という訳で今にいたる訳」

    妖夢「森って魔法の森でしょう?何故先にそっちへ行かなかったn「あんなの無理に決まってるだろ!」

    にとり「森の現状はあんまりよろしくないんだよ・・・魔法使いが二人居るからって今は魔法も使えない、あの二人は仮面ライダーだけどあれはあの二人じゃ倒せない!だから倒せる仮面ライダーを探した」

    怯えるようにそう話すと彼女は人魂に人差し指を突きつけてこういった

    にとり「そして、見つかった・・・そのベルトがあれば『一番安心出来る』そうだろうディケイド」

    にとり「お嬢さんのベルトから仮面ライダーを探知出来る機械が作れて本当に良かった・・・おかげで少なくとも十人の仮面ライダーの働きが出来る存在を見つけられた。」

    人魂「俺が?十人?」

    にとり「さあさあ話すことは大体話した、さっさと人助けといこうじゃないか。盟友」

    こころ「・・・私の時より若干嬉しそう?」

    にとり「い、いやいやいや・・・そんな訳ないじゃない」

    妖夢「すこーし怪しい感じありますが・・・もしかしたら元に戻る方法がわかるかもしれないってことですよね?行きますけど・・・はぁ・・・どうしてこんなことに・・・」

    妖夢「貴方はどうするんです?」

    人魂「勿論行くよ、俺は俺が何なのか知りたいし・・・どんなことにも足は必要そうだし・・・それに・・・」

    妖夢「それに?」

    人魂「仮面ライダーとして・・・困ってる人は助けないといけない気がして・・・」

    にとり「へぇ・・・君のベルトのことを考えると面白いセリフかもしれないね」

    _______________________________________
  13. 14 : : 2015/12/01(火) 16:16:07
    幽々子「行ってっらしゃ~い」

    こころ「仮面ライダーなのに置いてくの?」

    妖夢「幽々子様の身に何かあってはいけないので」

    にとり「まあ戦力としては十分だから大丈夫さ、それに『使命の人』も全員集めることを強制してた訳じゃないんだろ?」

    こころ「・・・・」

    にとり「よ~ししゅっぱ~つ!」

    幽々子「気をつけてね妖夢~心配は要らないわ~」

    妖夢(ええ、帰った後の食べ物の残りがどうなってるかは心配でたまりませんが一応信じてますからね幽々子様)

    三人と一つは柔らかな笑顔に見送られながら旅立って行くのだった。

    ______________________________________________________________________
  14. 15 : : 2015/12/09(水) 00:06:56
    <第四話『大空に聞け、俺の名は』>

    にとり「ところでディケイド君」

    人魂「何?」

    にとり「名前の記憶も無いんだってね」ニヤニヤ

    人魂「それがどうかして・・・」

    にとり「私から名前を付けてやろう」ニヤニヤ

    こころ「あっ、抜けがけずるいでごわす!」

    人魂(!?)

    急に聞きなれない口調を聞いて人魂が振り返ると、この電車の持ち主?らしいこころが金色のゴツゴツした仮面を付けて話に割って入って来ていた。

    こころ「オレのセンスなら、人魂はんもきっ・・・と気に入るでぇ?」

    人魂「・・・この人大丈夫なのか?」

    にとり「新しい仮面が手に入ってはしゃぎたいんだってさ・・・別に戦力としては問題無いさ、それどころか核になってるし・・・」

    こころ「オレの強さは泣けるでぇ!」

    妖夢(私・・・ちゃんと五体満足で帰れますよね?)

    にとり「っと・・・で君の名前だけど「まーだ話は終わって無いよ」

    こころ(仮面:青)「と・・・い・う・わ・け・で・・・ボクに任せてみなよ。きっと良い名前を付けてあげられるかr「こっちが先に付けるって言ったんだからこっちに任せろよ~」

    にとり「ディケイドなんだからツカサって呼びたいんだよ!」

    こころ(仮面:赤)「そんなお前の趣味なんかで決めてこっちはどうすんだよ!オレはそんなの知らねぇよ!」

    にとり「人の子によくある名前なんだから別に良いだろ!」

    こころ(仮面:青)「い~や良くないね、全然そんなんじゃ何も釣れない「何を釣らせる気だよ!」

    こころ(仮面:青)「もっとボクみたいなイケメンとか美人な名前にしないと」

    にとり「名前だけ格好良くしても人の形してないんだけど・・・」

    妖夢「あ、はいはーい」

    にとり「ん?」

    こころ「?」

    妖夢「何かの魂?ってことだから・・・タマシイ・・・略してタマなんてのは・・・」

    にとり「・・・」

    こころ「・・・」

    にとり「チェンジ」

    妖夢「え・・・」

    妖夢(結構自信あったのに・・・)

    人魂「いやそれがいい、タマが良い変な名前付けられるより良い」

    妖夢(『変な名前付けられるより』って!?それって妥協なんですか!?妥協ですよね?)

    にとり「まあ呼びやすいからいいか、よろしくタマ」

    こころ「タマ!タマ!t「連呼しなくてよろしい」

    妖夢「はぁ・・・あー・・・よろしくお願いします」

    タマ(これでまた人が増えたらどれだけうるさくなったりするんだろうな・・・)

    タマ「・・・ってそういえばさっきからかなり仮面ライダーについて詳しいようだけどにとりさんって・・・」

    にとり「うん?ああ・・・まあね・・・好きなんだよ・・・それで・・・」

    にとりが口を開きかけたその時、電車の車体全体に衝撃が走った。

    ガゴン
  15. 16 : : 2015/12/09(水) 00:07:10
    にとり「おうわぁ!・・・っと」

    妖夢「敵襲・・・?」

    こころ「そろそろ付くはずだったから・・・遅いと思ってたけど、まさか」

    にとり「そのまさかかもね・・・奴らもう森全体に広がってるのか、早くデンライナーを!」

    こころ「わかってる」

    先程まであった朗らかな会話から一変し、真剣な顔で二人は示し合わせ。こころは車体の前方へと向かって行った。

    にとり「コックピットへ向かったんだよ。いつまでも自動じゃいられない状況になった」

    にとりが窓から外を見下ろしながら焦るように言った。

    タマ「外が見えるのか」

    にとり「ああ・・・見てみるといい・・・そっちの鎧武も」

    妖夢「ライダー呼び・・・」

    三人が窓を見ると、目の前を何かが通りかかった。

    驚くことに、それは先刻妖夢やタマが戦った怪物よりも巨大な物だった。

    タマ「今のは・・・!」

    にとり「おや、知らないか・・・『イッタンモメン』だ・・・それに大量に魔法の森に出現してる」

    妖夢「い、一反木綿・・・あのヒラヒラした・・・よ、妖怪・・・」

    にとり「あれ?妖怪が怖いのかい?」

    妖夢「そ、そんな訳ないでしょうが・・・」

    にとり「安心して大丈夫だ・・・こいつは妖怪じゃない、『魔化魍』っていう妖怪に近いかもしれないが・・・簡単に言えば仮面ライダーの敵キャラだよ」

    妖夢「だから怖くなんか無いと言ってるでしょうが」

    タマ(明らかに嫌そうなんだけどな・・・)

    にとり「まあ詳しいことはまた後で説明しよう。まずは地上に降りて作戦会議及び現地の仮面ライダーとの合流だ」

    タマ「また・・・骨が折れそうな・・・」

    タマ(いやそういえば折れるというか俺は前に腕ごと持ってかれたよな・・・頑張ろう)

    にとり「君ともあろう仮面ライダーが怖気づいてるのかな?」

    タマ「大丈夫だ、俺は俺の存在を知る為に、まずは俺のしたいことをやる。二人も仮面ライダーが困ってるなら・・・俺は助けたい」

    にとり「ふむ・・・やっぱり似てるようで似てないんだよなぁ・・・」

    タマ「?」

    ____________________________________________________________________________
  16. 17 : : 2015/12/18(金) 23:31:40


    <第五話『君が願うことなら全てが現実になるだろう・・・選ばれし者ならば』>


    にとり「さて・・・ちょいと数が多すぎるかな・・・しかぁし!」

    にとりはそう叫ぶと同時にタマの方を見ると、にやりと笑いながら続けた。

    にとり「君のベルトに備わった機能があれば!我々響の世界以外に存在したライダーでは完全に倒せない魔化魍も!完璧に倒せる!」

    タマ「でも今の俺のベルトに使えるカードは・・・」

    にとり「心配は要らないさ!君のそのバックルに備わった石があれば・・・あ・・・れ・・・ば・・・」

    タマ「どうしたんだ?」

    妖夢「何かいけないことが?」

    にとり「シックスエレメントが機能してない?」

    こころ「エレメント?・・・」

    タマ「何のことだ?」

    タマは手に持っていたベルトを舐めまわすように隅々まで見てみたが、最初に手に入れた時の状態と何も変わらないベルトを見て不思議そうな仕草をした。

    タマ「手に入れた時と何も・・・「それなら余計に大問題だ!」

    にとり「君の・・・『ディケイド』のベルトは本来地・水・火・風・光・闇の元素を宿す印があるはずなんだ・・・君のそれには形はあれど色が付いてない・・・」

    タマ「この引く所に付いてる奴か」

    にとり「・・・ちょっと貸して」

    タマ「うわっ・・・ちょ・・・それ外れるのかよ!?」

    にとりは強引にタマのベルトのバックル部分だけを取り外すと中身を調べようとドライバーを取り出した。

    タマ「大丈夫なの?それ・・・うわぁあんなに開いちゃって・・・」

    にとり「やっぱり・・・トリックスターも無いのか・・・」

    こころ「トリックスター・・・カッコイイ」

    タマ「一応聞くけどさ・・・それって・・・」

    にとり「ディケイドの力の源であり、全てのライダーの力を再現する為の物でもある」

    にとり「因みに、一度自分のタイプとは全然違うライダーに変身したのは本当かい?」

    タマ「ああ」

    妖夢「私もばっちり見ました。えらい目に遭いましたが」

    にとり「・・・まずいね・・・非常にまずい・・・」

    こころ「腐った玉子より?」

    にとり「・・・もしこれで本当に本来の力をタマ君が持っていないのだとすれば、我々は無駄足を踏んだことになる」

    にとり「だが森の様子を見る限り時間は無さそうだ。こうなったら力があるという前提で作戦を立てよう」

    妖夢「取り敢えず力があると過程して、本当にこんな数相手に勝算があるんですか」

    にとり「勿論、そうじゃなきゃやってられないね」

    こころ「・・・!?・・・!!!?」

    突然こころが声にならない声を出して騒ぎ始め、一同が彼女が指差す空の方向いた。

    にとり「あん?まだ奴らから距離は遠いはずだけど・・・!!?」

    空からは何かが高速で接近してきていた。それは段々と大きくなってきていて、即ち一同に元へ一直線に向かってきていることを意味していた。
  17. 18 : : 2015/12/18(金) 23:32:02

    シュゴォォォォォォォォ

    ???「お~ろ~しぃ~てぇ~!!!」

    ???「まだ微妙に扱いきれてないんだからしょうがないだろ!」

    ???「じゃあなんでこんな方法で移動してるのよ!」

    ???「それはアリスが変身出来なくなったからだろ!そのせいでこれしか飛んでいける方法が無くなったんだからからな!」

    にとり「来たか・・・全員退避しないと突っ込んでくるぞ!仮面ライダーのご登場だ!」

    妖夢「えぇ!?ふぇ!?」

    タマ「あれ大丈夫なのかよ!?」

    こころ「楽しそう・・・」

    にとり「ここら辺ならまだ土が柔らかいからドンと来い!魔理沙!」

    ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ

    魔理沙「あれ?地面に着地することになってる?ま、まあ大丈夫だな!」

    アリス「バカァァァァァァァァァァァ!私はどうなるのよぉぉぉぉぉ!」

    魔理沙「私のライダースーツは大丈夫だし、私がクッションになるから・・・な?」

    アリス「うわあぁぁぁぁん!」

    タマ「あれが・・・仲間になる仮面ライダーか・・・」

    片腕にオレンジ色のロケットのような物を付け、それで飛んでいるだけでも奇妙な光景だが。更に空いたもう片方の腕で人形のように整った顔をした金髪の少女を抱き抱えて居た。それでいて不安定な飛行をする彼女達の姿に一同は不安感を覚えるばかりだった。

    魔理沙「アリス・・・行くぞ」

    アリス「おうちでこうちゃをのんでへいわにくらしたかった・・・」

    魔理沙「すぐに叶うさ・・・多分」

    ズサァァァァァァァァァァァァァァァァァァア

    ウワァァァァァァダイジョウブカー!?

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    ___________________________

    大騒ぎしている一団を前に、木の陰からカブトムシの頭部に似た赤いマスクが一団を覗いていた。


    ???「あれが『ディケイド』・・・全てを破壊する・・・悪魔」

    ______________________________________
  18. 19 : : 2015/12/26(土) 14:01:47
    <第六話『こわさないで・・・はなさないで、心つなぐ愛を』>


    魔理沙「ふぃ~かなりキツかったぜ・・・」

    アリス「ごめん・・・私のせいで・・・」

    魔理沙「そんな落ち込むことは無いって、アリスが変身出来無くても私達が無傷で済んだんだし・・・それにしてもどこに行ったんだあの人形達?・・・アリスから離れて・・・」

    妖夢「人形?まさかまだ能力が使える・・?」

    魔理沙「いや、ちょっとアリスのは特別みたいなんだけどな・・・」

    タマ「その前にさっきかなり酷い落ち方だったのに無傷なことに突っ込みたいんだが・・・」

    にとり「フォーゼのベースステイツの強度を舐めちゃいけないよ。何せ宇宙用だからね」

    アリス「所でそのユラユラしてる青いのは何なのよ」

    話を遮るようにアリスが人魂を指さして言った。

    にとり「まあコイツも特別って所だね・・・私達の仲間なのは確かだから安心して欲しい」

    魔理沙「まさかそれが言ってた主戦力候補なのか?・・・何かよくわからないパワーを感じるぜ・・・」

    にとり「そうそう、コイツが居れば確実にあいつらを倒せるって訳・・・多分」

    アリス「多分!?今多分って言った!?心配になってきたわ・・・」

    妖夢「私も・・・それで作戦は?」

    こころ「ぶっ飛ばし大作戦!ぶっちぎり大作戦!大惨事大作戦!」

    にとり「作戦名は大事だもんn「それはどうでもいいから早く言いなさいよ」

    アリス「結構時間無いんだから」

    にとり「それでは説明しよう!」

    話をまとめると、まず三つの役割に分割して一箇所に敵を集めた後にタマが一掃する・・・といった内容だった。

    タマ「俺がアリスを保護しながら指定場所で待機」

    にとり「私とこころが周りからイッタンモメンを寄せていって」

    魔理沙「私と妖夢が寄せて来たのを留めておく・・・って訳か」

    にとり「おっけー解散!よろしく頼むよ!」

    魔理沙「了解!」

    こころ「うずうずしてきた・・・」

    妖夢「くれぐれも二人っきりだからと言って変なことはしないように・・・タマ」

    タマ「するように見えるの・・・」

    妖夢「しないようにも見えないからです・・・顔がわからないからってだけかもしれませんが」

    魔理沙「アリスの危機となれば『あの』人形だって帰ってくるだろ・・・流石にな」

    アリス「・・・・・・」

    にとり「私はあっちに行ってくる。魔理沙達は向こうで待っててくれ、すぐにあいつらを持ってくるさ」

    魔理沙「ふう・・・またあいつらの足止めなんて、あの魚みたいなのなんであんなに飛び回るんだ・・・」

    にとり「まあ集めればすぐに終わるから・・・」

    _______________________________
  19. 20 : : 2015/12/26(土) 14:02:52
    それぞれが指定の場所へ向かう途中、タマは何かが居たような気がして後ろを振り返ったが・・・タマは何も見つけることは出来なかった。

    目的地に着き、タマは隣で座り込んで何か考え事をしているアリスに怪物が向かって来ないように辺りを見回した。

    タマ(やっぱり気配はあるように感じるけど・・・向こうに飛んでる奴らの気配なのか?何も見つからない・・・)

    アリス「あ、ごめんなさいね気を使わせちゃって・・・」

    タマが不安そうな様子をしているのを見て、アリスは言った。

    タマ「守るのが仮面ライダーの使命だから、そんなに気にしなくて良いさ」

    タマ(それに今気になってたのは気配のことくらいだしな・・・)

    アリス「あの子達が居れば・・・私も戦えたのに・・・」

    タマ「そういえば、さっきから言ってた人形って何の・・・」

    アリス「私は能力を失う前は、魔法使いだったの・・・人形を使って魔力を行使するのよ」

    タマ「魔法使いか・・・俺が記憶を失う前、魔法の存在をどう捉えてたかわからないけど・・・きっと良い魔法使いだったんじゃないかな・・・アリスは」

    アリス「え?」

    タマ「すごくその人形を大切にしているみたいだ・・・だからさっきから座り込んで落ち込んでるんだろう?」

    アリス「・・・そうね、あの子達は私の研究の到達点でもあるし・・・とても大切なの」

    アリス「完全な自立人形・・・完全な魂と肉体を宿した人形・・・私の能力が失われて長年の研究目的を達成するなんてなんだが悔しいけど嬉しかった・・・」

    タマ「まさかその悔しさを人形に見抜かれて離れて行ったと思ってるのか?」

    アリス「違うわ、でも・・・確かに私は少し不安定にはなってたかもね・・・その悔しさと、私も管理下から完全に離れた人形に対しての不安が・・・あいつらとの戦闘中に重なって・・・」

    タマ「それでどこかへ行ってしまったと」

    アリス「ええ・・・あの子達に悪いことをしたかも・・・」

    タマ「・・・それで、研究っていうのは・・・」

    アリス「勿論、人形が完全に自立すること。その為に必要な人形の魂と肉体について・・・」

    タマ「俺みたいなのについても詳しいのか?」

    アリス「貴方は・・・よくわからないわね。観ても全然・・・何もわからない・・・本当に生きてたの?」

    タマ「え?・・・そう言われると不安になるな」

    アリス「・・まあいいわ。ええと・・・それで、私の枕元にあったベルトと一緒に置いてあった・・・あれはメダルで良いのよね?それに何か力を感じて、人形に入れてみたのよ。そしたら・・・」

    タマ「完全な魂と肉体が完成したのか」

    アリス「そう・・・私の作った人形なのに別物みたいな見た目になったのも居れば・・・殆ど変わらない見た目のも居たけど・・・あれはもう・・・完全に生命が宿った何かだった」

    アリス「もう一度あの子達に会ってちゃんと話がしたい・・・ちゃんと・・・!」

    タマ(・・・この戦闘が終わったら・・・一緒に探してやらないとな・・・)

    タマ(・・・?・・・またこの気配・・・ッッ!!?)

    アリス「っ!?・・・誰!・・・誰か居るの!?」
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    _______________________________________________________________

    ???「・・・むー・・・・」サッサッ

    巫女の様な服を来た緑の少女は、何かを思いながらその身を宿す神社の掃除をしていた。

    ???「何か考え事?早苗」

    少女にそう話しかけたのは、目玉のような物の付いた帽子を被り、幼い容姿をした少女だった。

    早苗「なんだかベルトが疼く気がして・・・森へ向かっても良いですか諏訪子様」

    諏訪子「良いけど、まだあそこの隅にちょっと葉っぱが多いからそこを掃除してからにして欲しいな・・・」

    早苗「わかりました!ささっ!と終わらせてびゅびゅん!と行って来ます!」

    諏訪子「今日は朝から色々と変だから、気を付けてね」

    早苗「はい!」
    __________________________________________
    _______________________
  20. 21 : : 2016/01/08(金) 17:49:47
    <第七話『暴走を始めてる世界を元に戻すには・・・もう・・・時間が無い』>


    『カメンライドゥ・・・ディケイド!』

    間一髪の所だった、何かの気配を感じたタマは条件反射のようにベルトを身にまとい複眼のような仮面とスーツの姿へと変化させ武器を構えた。

    その瞬間、クナイのような赤い武器が構えた武器に当たりアリスへと向かうはずだった刀身を横へ逸らした。

    タマ「出て来い!居るんだろ・・・仮面ライダー・・・」

    ???「本当に・・・自分を知らないみたいね・・・」

    出てきたのは赤いカブトムシに似たマスクをした、仮面ライダーであった。

    タマ(また・・・『女性』か・・・)

    ???「貴方の所為でこんなことになってることも・・・何もかも」

    タマ「・・・疑問なら・・・持ってないことは無い」

    赤いマスクをクイッと動かし、先程投げられたクナイの方を見て赤いライダーは言った。

    ???「でしょうね・・・今の貴方には悪意を感じない・・・なら何故こんな事態を引き起こしたのか、アイツならわかるのかもしれないわね」

    タマ(俺の良心を知る為にわざと変身出来ないアリスに投げたのか?・・・だが・・・傷つける為の、そこまでの悪意を俺も同様にコイツに感じない。最初から俺が庇うことを想定してた?)

    タマ(それに・・・アイツってまさか最初の・・・)

    ???「でも・・・まずは試さないと・・・ね」

    ???「『クロックアップ』」

    『Clock Up』

    アリス「・・・ッッ!」

    タマには赤いライダーが消えたように見えたが、アリスの目はしっかりとそれを捉えて居た。赤いライダーが落ちていたクナイを拾い、タマの喉元に突きつける所を・・・それを寸前に赤いライダーの腕を掴み止めたタマを・・・

    『Clock Over』

    タマ「『仮面ライダーカブト』・・・しっかりと思い出したよ」

    ???「チッ・・・」

    ギギギ・・・ギリ

    タマ「『クロックアップ』は普通なら常人には決して捉えることの出来ない程の物だけど・・・この仮面のおかげなのか・・・はっきり見えた」

    タマ「そしてこのカードも今なら使える!」

    『カメンライド・・・ダークカブト』

    タマの体が黒いシルエットに変化する。赤いライダーと似た姿だが、タマの物は不気味な程表情の掴めない姿であり・・・とても禍々しいスーツを身に付けていた。

    ???「!?私と同じ・・・」

    タマ「今ここでやられる訳にはいかない!」

    『アタックライド・・・クロックアップ!』

    『Clock Up』

    お互いの技の起動音が鳴ると同時にお互いのクナイのような武器が金属音を奏でている。

    その光景をアリスはただ呆然と眺めて居ることしか出来なかった。
  21. 22 : : 2016/01/09(土) 22:52:10
    <第七話その二『君が想像してた未来が歩き出した道に・・・未来はない』>


    アリス(タマの・・・所為・・・?)

    ???「・・・」

    赤いライダー、『カブト』の手がベルトのバックルに付いているカブトムシのような形をした『ゼクター』のボタンに手をかける。

    『1』

    カブトのベルトからカウントダウンのような音声が流れる。

    タマ(これは・・・ライダーキックをこの至近距離でやるつもりなのか?)「

    タマは阻止の為に攻撃の手を緩めずに応戦するが、カブトは手馴れた動作でクナイを操り簡単にいなされていた。

    『2』

    またカブトはボタンを押してカウントダウンを進めている。

    タマ(この距離だと俺のベルトのギミックじゃライダーキックに応戦出来ない・・・なら・・・)

    『3』

    カブトが最後のボタンを押す。その直後、タマは勢いに任せてクナイを突き出した。

    ???「ッ・・・」

    少し動揺した様子を見せたものの、そのタマの攻撃は反射的に振り下ろされたクナイによって弾き返され・・・タマは反動で後ろに倒れそうになる。

    タマ(今・・・カブトゼクターに手を掛けられたら・・・)

    ???「ライダーキック」

    『Rider kick』

    『アタックライド・・・クロックアップ!』

    ???「!?カードを使わずに・・・」

    アリス「・・・貴方の過去って・・・まさか本当に・・・」

    この時、アリスにはタマの姿が憎悪や苦しみにまみれた・・・何かに見えていたがその事は今にも右足で回し蹴りをしようとしていたカブトにはわからなかった。

    『ファイナルアタックライド・・・ディディディディエンド!』

    加速によりカブトの回し蹴りから逃げようとするタマの後ろからカブトと挟むようにビームのような物が飛んで来た。

    タマ「あ・・・が・・・」

    タマはそれを避けようと前に出た瞬間、頭に強い衝撃を受けその場に倒れ込んだ。

    タマ「・・・」カシャン

    の、ように見えた。

    『ファイナルアタックライド・・・ディディディディケイド!』

    タマ(予想外だったけど・・・ギリギリの所で両方の衝撃を免れた・・・ラッキーだった!)

    『Put On』

    ???「私に止めを刺して居ないことがわからないとでも?」

    『Cast Off』

    タマのベルトから音声が出ると共に重なるようにカブトのベルトからも音声が流れ、ゴツゴツとした形態へカブトを変化させる。

    そしてそのままゴツゴツとしたアーマーのような物をまた別の音声と共にタマへ向かって弾き飛ばす。

    タマ「ガハッ・・・」

    アーマーが当たりよろけたタマの隙を逃さぬようにカブトのクナイがタマの腹を真っ二つに切り裂いた。

    ???「私のより耐久性は低いようね・・・こんなこと言ってももう関係無いけど」

    アリス「あ・・・あああ・・・」


    アリスの中で、つい数時間前の記憶が蘇る。一緒に戦っていた人形達・・・その中でも赤い人形が敵の攻撃の前に立ち・・・アリスの目の前で無残な姿に変わっていく・・・それを見た人形達が無残な姿になった人形を抱え、アリスからメダルを奪い去っていく・・・その抱えられた人形からは血のように灰色のメダルがこぼれ落ちていく・・・

    今の二つに裂かれたタマの姿はその人形とよく似ていた。

    アリス「ああ・・・あ・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

    宝石のような輝きを放つ物がアリスの目からこぼれ落ちる。
  22. 23 : : 2016/01/09(土) 22:56:45
    タマ「・・・・・・・・・」ガリガリ・・・

    タマの傷口からはどす黒い血液がだらだらと流れ落ち、その生命に危険が迫っていることを示していた。

    だがその手には一枚のカードが握られていて、必死に自分の頭の上に吹き飛ばされた下半身に付いているベルトへ装着しようとしている。

    ???「本当に人間では無いみたいね・・・」

    ???「これで元に戻るの?」

    木の陰に隠れる人影に向かってカブトが言う。

    ???「ああ、後は僕が一手間加えるだけさ」

    青いライダーだ、そしてそのベルトはタマの物と全く同じ形をしていた。

    ???「ディエンド、助けなんて要らなかったわよ?」

    ディエンドと呼ばれたライダーがうっすらと笑うような声で答える。

    ディエンド「わかってるよ。これも予定通りだ・・・そいつのやることは全て予想が付く」

    ディエンド「これで君の『主』も元通りだ」

    「さて・・・」

    そして青いライダーはタマの上半身の頭に仮面を近づかせ耳元で囁くようにこう言った。

    ディエンド「君がいけないんだ・・・我々と道を違えた君が・・・今の記憶量だとわからないだろうから・・・わからせてやろう、この記憶を持って・・・我々にオマエが従うべきシメイを」

    そう命令するように言いながら、ディエンドはタマの頭に手をかけた。
  23. 24 : : 2016/01/19(火) 21:39:38
    <第八話『自分の価値は自分で決めるものさ』>


    顔が見える・・・

    自分が持っているベルトと似た物を持って口を裂けそうなくらい大きく開けて笑っている顔

    憧れの存在に近づいたことを喜ぶ顔

    子供の顔

    やがてその顔は歪み始める

    部屋が見える・・・

    おもちゃでいっぱいの部屋とおもちゃで楽しそうに遊ぶ子供

    幸せに溢れている部屋と母親

    子供の部屋

    やがてその部屋に酔った男が現れる

    男の顔が見える・・・

    その顔は自信に満ち溢れ子供の憧れの存在だった

    子供に取ってそれはベルトの持ち主と同等かそれ以上の存在だった

    その顔は歪み始める

    なんとなく見える・・・

    悲劇と惨劇・・・落胆・・・絶望・・・憧れは遠かった

    目が覚める

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    ___________________________________


  24. 25 : : 2016/01/29(金) 00:26:19
    タマ「・・・これ・・・は・・・」

    ディエンド「君の記憶さ・・・君が我々と共に居なければならない理由だ」

    いくつもいくつも経験がタマの中に流れ込んで来る。

    タマには何故こんなにも悲しい記憶ばかりが自分の中にあるのかわからなかった。

    タマ「何で・・・こんなに・・・もう・・・やめ・・・やめろ・・・嫌だ・・・」

    ディエンド「ふむ・・・これで戻らないなら仕方ない。手荒だけど早く解決する為だ・・・

    「消せ」

    ???「・・・」

    ディエンド「消せと言っている」

    ???「・・・私に言ってるの?」

    ディエンド「ああ、こっちは僕がやるから君はそっちのお人形さんみたいな子をね」

    ???「私は誰を敵に廻しても構わないけど、無関係なものは殺さないと言ったはずだけど」

    ディエンド「状況が変わったんだ、多少の犠牲は仕方ない・・・邪魔だから早くやってくれないかな?」

    ???「私はm・・・「お嬢様・・・とか言ってたよね?どうなっても僕は構わないんだよ?」

    ???「・・・わかった」

    ディエンド「じゃあ気兼ねなく・・・

    アリス「待って!」

    もう一度頭に手をかざそうとしたディエンドを枯れた声が静止させる。

    アリス「駄目・・・駄目よ・・・」

    彼女は今にもこの世から去ってしまいそうなタマの姿が、自分の目の前で居なくなった人形の姿と重ねて見ていた。

    アリス「守られてたのは私なのに・・・それなのに私は・・・あの子達を『友達』として見てあげられなかった・・・」

    アリス「あの子達はただの人形なんかじゃない!・・・もっと・・・どうしてあげるべきか考えなきゃいけなかったの!」

    タマの元へ駆け寄ると、アリスは泣きながら呟いた。

    アリス「『何の為に生まれてきたのか』『自分は何者なのか』それがわからないあの子達に・・・私はそうしてしまったの・・・貴方のことを聞いて、そっくりだって思った!」

    ディエンド「・・・だから僕がそれを教えようと・・・「嘘!」

    アリス「彼は苦しがってた!『それ』は他人の価値観で完全になる物じゃない・・・他人の価値観を吸収して、自分で作っていく物なんだから!」

    アリスはそう言うとディエンドに掴みかかった。

    ディエンド「たかだか動く人形を作っただけで神様にでもなったつもりなのかい?そんなに甘くないんだよ僕達の心の構造は!」

    ディエンドが掴みかかってきたアリスの襟元を掴み、地面へ叩きつける。

    アリス「皆が来れば・・・あんた達なんか・・・」

    ディエンド「来る前に片付ける」

    ディエンド「・・・お前はいつまで決断をしないっ!」

    ???「・・・ッ・・・」

    ディエンド「今が好機だ!君がその迷いを断ち切れば・・・全てが元通りになる!」

    手が震えるカブトにディエンドが甘く、怪しく、優しい声でカブトに言う。

    カブトがベルトに手をかけ先程の戦いで見せた加速をしようとした時・・・事は起こった。

    ハイヤー!

    セイヤー

    ザケンナー!

    赤い何かがカブトとディエンドの頭に飛びつき、視界を塞ぐ。

    ディエンド「んなっ・・・なんだこれ!・・・離れろ!」

    カブト「な、何!?」

    よく見ると緑や黄色の何かも居て、足に飛びついたりひたすら胴体に体当たりをしていたりもしている。

    エートエート・・・コレッ!

    赤い何かの一つが横たわるタマの頭の上にあるベルトにカードを差し込んだ。

    アリス「まさか・・・まさか・・・み・・・ん・・・な・・・」

    喜びのあまりアリスはまた宝石のような涙を流した。

    人形達「カメンライダーグリードグンダン!タダイマサンジョウ!」
  25. 26 : : 2016/01/29(金) 00:47:40
    <第九話『OOO! OOO! OOO! OOO! Come on!』>


    アリス「アンクちゃん・・・皆・・・無事だったのね!・・・」

    赤い人形アンク「アンナ事クライデ死ヌワケナイダロ・・・」

    赤い人形タカ「チョットコワカッタダケー!」

    黄色い人形トラ「アリスハトモダチ!アブナカッタラ・・・」

    緑の人形バッタ「マモル!」

    「「「「「マモル!」」」」」

    口々に人形達がディエンド達にまとわりつきながらアリスとの再会を喜ぶように叫んだ。

    赤い人形アンク「マア少シ手間ガカカッタガナ・・・」

    「ウケトレ」

    そう言うとアンクはアリスの手元に三枚の赤いメダルを投げた。

    アリス「!・・・ありがとう、これで私も戦える」

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    タマ「・・・ちょ・・・と・・・まった・・・」

    赤い人形タカ「?」

    タマ「それじゃなくて・・・こいつを・・・」

    そう言うとタマはまだ何も描かれていないカードをライドブッカーから左手に吸い寄せた。

    赤い人形タカ「・・・?デモコレツカエナイ・・・?」

    タマ「もう少し・・・もうちょっとなんだ・・・・・・」

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  26. 27 : : 2016/01/29(金) 00:49:41
    ディエンド「くそっ・・・くそっ・・・人間にすら慣れない人の形をした化物共が・・・」

    「我々の邪魔をすると言うのかぁぁぁぁぁ!」

    荒い声で叫びながらむしり取るようにディエンドは人形達を投げ捨てる。

    ディエンドがカブトの方へ顎を動かし何か合図をするとカブトも同じように人形を振り払った。

    その直後、静かな怒りの籠った声でディエンドが囁く。

    ディエンド「君の失態でもあるんだ、我々の為にその責任は取って貰う」

    『ファイナルアタックライド・・・ディエンド!』

    銃のような形をしたディエンドライバーにカードを装填し、ディエンドは銃身と思われる部分をカブトへ向けた。

    カブト「・・・私は貴方に敵わないから協力してる訳じゃなくってよ?」

    『Clock Up』

    ディエンド「ハハハ・・・そんな物何もしなくても見切れ・・・!?」

    何かを察したかのようにディエンドはその場から飛び退いた。するとその真横から何かが飛んできて今にも掠めるような距離を通過する。

    『Put On』

    ディエンド「あいつと同じ手に掛かるものか!・・・ん?おい!」

    そこにはもうカブトの姿は見当たらず。ディエンドはまた静かに怒りを募らせていた。

    アリス「随分と信頼されてない仲間だったのね・・・」

    ディエンド「だったら何だ・・・味方を増やすのに信頼は必要無い。必要なのはお互いに目的を達成させられる関係さ・・・」

    アリス「タマは他の人形に任せるとして、貴方は一人・・・私がここで皆の為に貴方を倒す」

    ディエンド「おっと一人だと思ったら大間違いだよ。お嬢さん」カシャン

    『カメンライド・・・・

    アリス「させない」チャチャチャリン

    アリスは素早く赤いメダルを自身のベルトへ装填すると片手に持ったリング状のオーズスキャナーを横一線に滑らせる。

    アリス「変身!」カカカン!

    どちらのベルトのギミックが速かったか、ディエンドのベルトから出る音声に重なるようにアリスのベルトから音声が鳴った。

    『タカ!』『クジャク!』『コンドル!』

    『タージャードルー!』

    アリス,赤い人形アンク「「タジャドル!・・・コンボォォォ!」」
  27. 28 : : 2016/02/06(土) 00:04:16
    <第十話『満たされる物を探して』>


    『カメンライド・・・

    『アーク!』『コア!』

    アリス「同時・・・!」

    ディエンド「ぬるい!」

    変身したアリスの目の前にアリスの三倍はありそうな程巨大な人型が現れる。

    アーク「・・・」

    アリス「・・・このくらい・・・」

    ディエンド「この程度で終わらせる訳があるまい・・・もうオマエ達なんぞに用はないからな!」

    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    アリス「ッ・・・下から!?」

    地震にも似た振動を感じ取るとアリスはその場から後ろへ下がった。

    ディエンド「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

    「もう止まらないぞ!この幻想郷は皮肉にも幻想を作り出すこの『オネイロイ』に滅ぼされる!こイツがやられてモ永遠にこの世界ヲ蝕ムノダ!・・・」

    その隙にディエンドは自分の背後に現れた鏡のような歪んだ壁に吸い込まれるように消えていった。

    アリス「待ちなさ・・・

    ゴゴゴ・・・

    轟音をたてながら魔理沙やにとりの向かった場所から大きな赤い山のような物が見えてきた。アリスはその正体を見て愕然とする。

    アリス「う・・・そ・・・・」

    それは巨大で、禍々しく、悲しみに溢れた炎に包まれていた。だがそれはアリスにとってはどうでもよくなっていた・・・彼女が見た物はそれの姿そのものだった。

    アリス「あれがまさか・・・私達と同じものなの・・・?」

    その姿はまさしく『仮面ライダー』だった。

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    ______________________________________

    タマ「あ・・・れは・・・」

    中途半端に人間の形をした異形とも言える上半身にバイクのような形をした下半身を持つ巨大なライダーはどこか悲しげな顔をしているようにも見える。

    タマ(あれは、ライダーに似てるけど少し違うやつ・・・だったかな。でも、俺の知ってる大きさの数倍はでかいぞ・・・)

    赤い人形タカ「ハヤクシナイト・・・」

    タマ「わかってる!」

    タマ(奴はディエンドが出したのか・・・あいつも俺が妖夢にやったことと同じようなことが・・・)

    タマ「アリスは今『力』を求めているはずだ・・・あの時の妖夢と同じように・・・だから必ずこいつをあいつに渡してやるんだ」

    人形は心配するように白紙のカードを見つめるが、何も起きない。

    その様子を見ながらタマは付け足すように人形には聞こえないくらい程小さな声で呟いた。

    「たとえ人の形に留まれなくなろうとも」

  28. 29 : : 2016/02/06(土) 00:05:49
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    コア「シュウウウウウウ・・・・・・仮面ライダーとは・・・憎しみと悲しみの記憶の積み重なり・・・そしてそのたった一つでしかない・・・人と同じく有る事も許されず異形の仲間になることをも拒む存在・・・この出来損ない共はその業すらも無い唯の人形だ・・・」

    アリス「・・・」

    アーク「・・・」

    ディエンドによって呼び出されたアークがアリスに向かって走り出す。そしてコアも同時に行動を始めた。

    コア「嗚呼・・・この体・・・記憶・・・全てが幻影として呼び出された物だとしても・・・憎い・・・その姿はとても醜い・・・」

    我が名は、仮面ライダー・・・コア!!

    言うが早いが、コアの口から放たれた熱線は森を焼き尽くさんとしていた。

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    _______________________________

    魔理沙「おい・・・聞いて無いぜこんなの・・・」

    魔理沙の目の前にはコアの体によって無残な姿となったイッタンモメンが散り散りに焼け死んでいた。

    妖夢「邪悪な物を感じます・・・」

    魔理沙「なんだと?あれでもライダーじゃないのか?」

    妖夢「人にも良い人や悪い人が居るし、雨雲や太陽も見方によっては良くも悪くもなる物ですから・・・仮面ライダーも色々あるんでしょう」

    魔理沙「そういう物か・・・って!アリス!・・・あーあとそれに河童に仮面好きに人魂!あいつらと合流して・・・「その前に!」

    魔理沙の言葉を遮り切羽詰まった口調で妖夢が叫んだ。

    「口からなんかやばい物出そうしてるからなんとか出来ませんか!」

    見ると微かにコアの口元が今にも何かを吐き出しそうに蠢いている。

    魔理沙「えぇー無理だって・・・さ、早く逃げるぞ」

    妖夢「あの元人形使い以外はオマケと言わんばかりの発言の次に私の扱いがそれですか・・・」

    魔理沙「あいつは今悲劇のヒロインなんだよ・・・だから誰かが救ってやらないといけないんだ・・・変身も出来ないみたいだし」

    妖夢「・・・」

    ゴォォォォ

    ドゴォン

    魔理沙「なんだ!?」

    妖夢「あ!あれってあの仮面の・・・」

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  29. 30 : : 2016/02/16(火) 16:06:20
    <第十一話『始まりはいつも突然』>

    魔理沙「あが・・・これは・・・たまげた」

    コアの口から放たれる熱線を遮るようにこころ(仮面ライダー電王)のデンライナーが現れた。

    こころ「俺、参上!」

    にとり「熱ぅぅぅぅぅぅぅい!」

    こころ(赤い仮面)「こんなことで壊れる程柔じゃない・・・はず・・・いや絶対だ!

    にとり「よっしゃぁぁぁぁ!やっちまえぇぇぇい!」

    こころ(赤い仮面)「さっきからうるせぇな!お前は何もやってねぇだろ!」

    こころ(赤い仮面)「小僧!出番だ・・・派手にかましてやれ!」

    こころの仮面達が顔の周りを一周すると紫の仮面が顔から少しずれた場所に吸い付くように装着される。

    こころ(紫の仮面)「ようやく出番だね!僕の力でこいつを倒しちゃうけど・・・いいよね?」

    赤い仮面「ああ!やっちまえ!」

    こころ(紫の仮面)「答えは聞いてないよ」

    にとり「それ喋れたのかよ!」

    ガガゴン

    にとり「おっと」

    操縦していたバイク、こころをマシンデンバードが外に射出されにとりがそれに捕まる。

    熱線を耐え切ったデンライナーはすぐに体制をコアの方向へと向きを直し、紫の車両が全体から離れて並走する。

    そして挟み込むように分離したデンライナーと合体し、その先頭車両の上にマシンデンバードが着地する

    こころ(紫の仮面)「ビームにはビームってね!」

    ピコン

    『GUNFOAM』

    ベルトのバックルにこころがライダーパスをスキャンすると紫の装甲が姿を現した。

    にとり「全く・・・こんなんじゃ救世主ビジネスもやってらんないな」ボソッ

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  30. 31 : : 2016/02/22(月) 16:49:32
    こころ(ガンフォーム)「いくよ!」

    紫の先頭車両の龍の口のような形をした所が開き、コアの方へ突っ込んで行く。

    そこからビームのような物が放たれコアがよろめいた時、にとりは周りをキョロキョロと見回していた。

    にとり(タマはどこに居るんだ?こんなデカブツに気づかない訳無いはずなんだが・・・)

    にとり(!そうだ)

    にとり「アァ・・・・

    こころ(ガンフォーム)「え!?ここで?」

    にとり「マァ・・・


    にとり「ゾォォォォォォォォン!!!!」


    にとりの体がゴツゴツとした爬虫類にも似た肌に変異する

    にとり「キキィ・・・」

    にとり(多分・・・多分だけど視力がこれで強化され・・・たのか?ここからならほぼ全域が見渡せるから見つかるはず・・・居た!)

    にとり「キキー!キィー!」

    こころ(ガンフォーム)「うーん何て言ってるんだろ・・・まあ好きにしてれば?」

    にとり「キー!!!」

    にとり(タマじゃなくてアリスが戦っている?・・・そんなことより、あっちにもデカブツが居るなんて聞いて無いぞ・・・ここはこころとデンライナーに任せるとして・・・あっちに加勢するか)

    アマゾンへと変異したにとりは捕まっていたバイクから飛んでアリスの近くに居るデカブツの元へ向かった。

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    タマ(あの時も・・・何か記憶が蘇って・・・それで戦えたはず)

    タマ(そういえばあいつが残していったこの記憶・・・俺の・・・そう・・・まだ何か思い出せそうな・・・)

    手に握られたカードが光りだした。

    赤い人形タカ「・・・!?」

    タマ(あれは俺の目的・・・俺の・・・過去・・・俺の

    タマ「全て・・・!?」

    手に持っていたカードがベルトに吸い込まれるようにセットされ、タマが手を加えていないにも関わらずバックルの両端が押し込まれる。

    『FINAL FORM RIDE:OOO000!!!』

    タマの体が光に包まれ、人の形を創りだす。

    出てきた姿はやはりディケイドの姿であったが、マスクの角は以前より尖がり、目は歪み、額の光は紫色に変化していた。

    赤い人形タカ「アノキズガ・・・イッシュンデ・・」

    タマ「俺は・・・全てを捨てても戦わなければいけなかったんだ」

    タマ「来てくれアリス・・・」


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  31. 32 : : 2016/03/09(水) 13:44:12
    <第十二話『限界なんてぶっ壊してやれ自分の手で!』>


    アリス「・・・」カカカン

    スキャナーを当てたベルトのメダルから光の輪が放たれる。

    『スキャニングチャージ!』

    アリス「セイッッッッヤァァァァァァァァ!!!」

    飛翔するアリスの前に三つのリングが現れ、それを通り抜けながら爪のように変形した両足をアークに突き出す。

    アーク「・・・!?・・・!」シュンッ

    恐ろしい程静かにアークの体が消えていった。

    アリス「なんとかなったのかしら・・・?」

    アリス「あの燃えてるのは喋ってたけど・・・あれは全然何も話さないし、手応えも生身の物を相手にしてる気がしなかった・・・」

    アリス(早くあの燃えてるおっきいのも倒さないと森が・・・そうだ魔理沙は!?確かあそこの方に!早く行かな・・・

    アリス「あぐっ!?」

    何かに引っ張られるようにタマの方へと浮きながら勢いよくアリスは突っ込んでいった。

    アリス「タマ!?いつの間に!」

    タマ「ちょっとくすぐったいぞ」

    アリス「へ?わわっ!?」

    タマは突っ込んできたアリスの背中に手を入れ、変形させようとする。

    タマ「無理やり引き寄せることも出来たなら・・・これだって俺の思った通りに・・・」

    アリス「ちょっ、何すんのよ!」

    タマ「あのライダーを倒しに行くんだよ!」

    タマがアリスの背中を開くように手を動かすとアリスの体が巨大な紫の斧のような形に変化する。

    アリス「これが・・・貴方の力なの?・・・なんだか私も力が湧いてくるような・・・」

    タマ「突っ込むぞ。奴の核を破壊する!」

    アリス「・・・わかった、私をあいつに思いっきりぶつけなさい!!!」

    カシャカシャン

    『ATTACK RIDE BATTALEG』

    『ATTACK RIDE ILLUSION』

    ほぼ同時に二枚のカードを使い、タマはコアに向かってとてつもない脚力で飛び上がり分身した。

    そのまま連続で木々を飛び移りながらコアの方へ真っ直ぐ向かおうとするとコアもタマの方に気づいたらしく、燃える巨大な腕をタマの方へ伸ばした。

    タマ「・・・」ガツン

    アリスで巨大な腕を分身全員で受け止めたタマだったが、コアの方が力が強いのかジリジリとぶつかり合いながらもタマの方が少し押されて居るようだった。

    タマ「うう゛ぅ・・・」

    タマ(勢いが・・・消える・・・っ!)

    アリス「・・・ッ」

    こころ「タマ!・・・クソッタレ諦めやがれ!」

    デンライナーはコアの左腕の攻撃をかわし続けているがコアは腕の動きを止めるつもりは無いらしく、こころはタマ達を助けることが出来なかった。

    コア「オワリダ・・・」

    コアが口に熱を溜め込んで熱線を発射しようとしていた時、コアと同じくらいの大きさの拳がコアの頭に直撃する。

    コア「ゴハァ・・・誰だ・・・?」

    ???「あ、熱い・・・熱いよぉ・・・ハッ!?」

    ???「エーコホン・・・ある時は神様として、またある時は人間として、そしてまたまたある時は巫女として・・・」

    ???「世界を守り奇跡を起こす!そう、私は・・・!」

    ???「東風谷早苗!またの名を・・・」


    早苗「仮面ライダァァァァJ!!!」


    __________________________________________________

    魔理沙(あれはタマと・・・まさかアリスか!)

    苦虫を潰したような顔をして魔理沙は手元のスイッチを握り締めた。

    魔理沙(まだ全然使い方がわからないけど・・・きっと・・・きっと使ってみせる。今が正念場だ)

    魔理沙(今助けるぜ!)
  32. 33 : : 2016/03/28(月) 12:29:06
    <第十三話『それぞれの歴史が輝いて』>


    タマ「今だ!」

    アリス「あと・・・少し!」

    カシャン

    『FINAL ATTACK RIDE:OOO000!!!』

    目の前に巨大なカードのようなバリアがコアに向かって一直線に並べられる。一枚ずつ砕くようにその真ん中をアリスを構えたディケイドが突っ切っていく。

    そしてアリスがその身体に起こる異変に気づいた。

    アリス(分身が消えている?)

    タマ「まだだ!まだ保ってくれ!」

    アリス「タマ!その足・・・」

    ディケイド、タマの身体はもう既に膝から下を失っていて、今にも消えそうな程煙にも似た物体へと徐々に変化させていた。

    アリスが驚愕と心配を混ぜた声でディケイドの名を叫んだ時、後ろから轟音を立てながら飛んでくる人影があった。

    魔理沙「私も手伝うぜ」

    アリス「ま、魔理沙!・・・遅かったじゃない・・・」

    魔理沙「主役は遅れてでも格好良く活躍するもんだ!」

    タマ「ロケットステイツ!?最初からそんな物を・・・」

    タマの身体の変化が遂に上半身を侵食し始めスピードが下がる。

    そこに魔理沙がアリスの斧を抱くように持つ。

    アリス「ま、魔理沙・・・」

    魔理沙「後は私が行く!」

    タマ「いや、最後まで・・・せめて持つだけでも!」

    魔理沙「どうしてそこまでするんだ?」

    タマ「仮面ライダーだから」

    アリス「・・・」

    魔理沙「そっか、じゃあ一緒にな」

    静かに笑う魔理沙と静かに何かを悟ったように悲哀を現すアリスを見てタマは叫んだ。

    タマ「ライダぁぁぁぁ!」

    魔理沙「えちょっ、きりもみ!」

    アリス「スラッシュ!」

    紫色をした閃光がコアの身体を貫いた。


  33. 34 : : 2016/03/28(月) 13:41:59
    <第十四話『世界の破壊者』>


    流れ込むこの記憶は、紛れもなくこの土地の・・・幻想郷の人々の記憶

    そしてその記憶に今色濃く記録されているこの人達は・・・


    ________________________

    しっかりと手応えを感じた。メダルのような物を壊した手応え。そして・・・

    アリス「あれは・・・」

    コアの身体の中に確かに見た、翼がある人型のシルエット。アリスは人型に戻るとその人型に手を伸ばした。

    巨大なコアの身体がとてつもない音を立てて崩れて行く、その最中3つの人影が現れた。

    一人は翼を持つ人を抱えたアリスという少女、もうひとりはオレンジ色をしたスーツの仮面ライダー魔理沙。

    そこにはあのマゼンダ色をした仮面ライダーの姿は無かった。

  34. 35 : : 2016/03/28(月) 13:43:28
    _________________________

    にとり「魔理沙!アリス!」

    俊敏な動きで近寄り、変身を解きながら背の低い少女が魔理沙とアリスに駆け寄った。

    こころ「かっこよかったじゃないか・・・」

    続いてデンライナーから複数の仮面を持った少女が降りてきた。

    そして息を切らしながら走ってくる少女が二人・・・

    妖夢「はぁ・・・はぁ・・・いきなり飛び出したと思ったらあのでかいのが消えていて・・・倒したなんて・・・」ハァハァ

    早苗「凄かったですよ!・・・」ゼイゼイ

    アリス「でも・・・」

    魔理沙「まあ、そうだな」

    妖夢がアリスの抱える物に気づいて、目を丸くして質問をする。

    妖夢「あの、その人は・・・」

    魔理沙「ああ、多分・・・いや間違いなく紅魔館の・・・」

    早苗「小悪魔さんですよね?」

    魔理沙「知ってるのか」

    早苗「ええ、最近はそこの河童さんと一緒にいつも鑑賞会を・・・」

    にとり「・・・?タマは?」

    話を遮ってにとりが言った。

    アリス「消えた・・・」

    妖夢「へ?」

    魔理沙「何か・・・限界が来ていたみたいだ・・・もう跡形も・・・」

    妖夢「・・・残念です」

    魔理沙「これじゃあ何かで呼び戻すってのも・・・無理だよな」

    にとり「何だって?・・・じゃあ一体これから・・・」

    アリス「私達がやるしかないじゃない」

    決意したようにアリスが声を張る。

    アリス「私達、多分あの魂に託されたのよ。この幻想郷で仮面ライダーとして戦うことを」

    アリス「その為に私達を助けて・・・」

    にとり「それなら話は早いか」

    先程まで焦っていたのが嘘のようにニヤニヤと笑みを浮かべながらにとりが言う。

    にとり「仮面ライダーとして戦うなら仮面ライダーのお勉強が必要だからね・・・まだあるよな?」

    にとりが早苗の方を見る。

    早苗「ばっちりです!」

    にとり「守矢に向かおう、そこからが私達の出発点となる」

    こころ「いえーい」

    魔理沙「しょうがないか・・・そういえば」

    魔理沙「霊夢はどうしてるんだ?こんな時に」

    魔理沙の質問に答えるように何かが魔理沙達の間を風のように通り抜けた。

    アリス「きゃっ・・・白い鳥?」

    魔理沙「私も・・・白い鳥が通り過ぎたように見えた・・・」

    全員が二人の言葉に頷く。

    飛んでいった方を暫く見ていた魔理沙が足元を見ると奇妙な形をしたベルトが置いてあった。

    魔理沙「なんだこりゃ!?」

    にとり「ダブルドライバー?でもガイアメモリが無いな・・・」

    アリス「タマ・・・」

    ベルトを見て何かを感じたのはアリスはタマの名前を口に出した。

    アリス「取り敢えず私が預かっておくわね」

    魔理沙「ああ・・・アリスなら安心だな」

    にとり「お、おい皆なんだよ・・・なんで私をそんなこいつは変なことしかねないからな見たいな目で見るんだよ!」

    魔理沙「良くわかってるじゃないか」

    にとり「と、とにかく守矢神社に向かうんだよ・・・その・・・小悪魔も、そこで話をしよう。何事にも休息と準備が必要だ」

    魔理沙「それには賛成だな」

    アリス「うん」

    妖夢「はい」

    早苗「はい」

    魔理沙(そういえば巫女として仮にも悪魔だとか河童だとかと遊んでるって・・・まあいいか)
  35. 36 : : 2016/03/28(月) 13:44:56
    ____________________________________


    ???「んむ・・・んー・・・うんっ!?」ガバッ

    たった今やや疲れ気味の顔で目を覚ましたのは幻想郷とその外の世界における重要な存在である『博麗大結界』の管理者、『博麗の巫女』こと『博麗霊夢』だった。

    霊夢「・・・何かおかしいわね」

    コツン

    霊夢「あら?」

    起き上がり正装着替ようとした霊夢の足元で何やら硬い物がぶつかった。

    霊夢「何、これ」

    見ると隣には手紙が置いてあった。

    霊夢はそれを拾い上げ、寝ぼけながらも読むことにした。


    __とある風の噂でこの幻想郷において絶大な力を持つ何人かの少女のことを聞いた

    __その中に貴女が含まれてるということも、そして貴女がその中でもかなり重要で、かなりの活躍があったということも・・・そしてそれが俺にとっては求める力その物だと言うこと

    霊夢「う・・・また変なことが起こってそう・・・いやもうこんな手紙と白いのを枕元に置かれてる時点で異変ね・・・はぁ」

    __事情により俺は顔も出せない所かもうすぐ消えて無くなりそうなので単刀直入に

    霊夢「怪しいような気がしなくもない」

    __まず貴女には特殊な力、能力、妖力、魔力、神聖な物、全て失ってることには気づいて居るだろう

    霊夢「・・・目がかすむわね」ゴシゴシ

    霊夢「・・・起きてから変だと思ってたけど悪い冗談よね?」

    霊夢「で、出てきなさいよ誰か!イタズラでしょ!大体想像付くけど誰か!出て!来なさい!」

    暫く霊夢は辺りを見回した後、手紙に目を戻した。

    __この事態は幻想郷全土で起こっている。大変な事態だ、だから貴女にそれを託すことにした。

    霊夢「・・・で、これを託されちゃったと・・・」

    託すという一文を見るや否や、霊夢は支度を始めた・・・

    霊夢「面倒事だけど、ここまで面倒だと動かざるを得ないわね」

    だが手紙にはまだ続きがあった。

    __貴女はこれから仮面ライダーになる。それは英雄であり希望の象徴である、人と人ならざる者の境界線を生きる全ての存在の希望・・・だがその力は紙一重。

    __貴女に託したそれはどこかのある場所で『世界の破壊者』と呼ばれた仮面ライダーのベルト、くれぐれも扱いには気をつけて欲しい。


    __タマより



    幻想ライダー大戦 序章 ~完~


  36. 37 : : 2016/03/28(月) 13:49:30
    ______________________________________

    ディエンド「我々の力の一部とはいえ・・・あれ程までの力とは・・・」

    人里の人気の無い店と店の間・・・裏路地でディエンドは戦闘の疲れを癒そうとしていた。

    ???「ねぇ?そろそろ良いんじゃないかしら・・・私の身体から出て行ってくれないと私が困るわ」

    ディエンド「!?まさか・・・ぐっ!」

    ディエンドの身体から魂が・・・いやディエンドだった物が飛び出し、変身が解除された。

    ???「オネイロイ・・・って言ったかしら?貴方にはがっかりね・・・私の身体を殆ど乗っ取ったクセに紅魔館の一件以降全然成果上がって無いじゃない」

    オネイロイ「何故記憶まで・・・」

    ???「そういえば貴方私のことも何も知らずに乗っ取ってたんだっけ・・・馬鹿ね。私は仙人なんだから気を張って完全に乗っ取るのを防いで、貴方の記憶なんて物もたくさん見て廻ったわよ?」

    そう、この青く美しい髪を持ち、天女のような姿をしている彼女は仙人『霍青娥』である。

    オネイロイ「そんな物まで存在しているのか・・・ここは・・・」

    青娥「そ、だからもうくるっと回って尻尾巻いて逃げることね。私には貴方の乗っ取りは通じないんだから」

    オネイロイ「・・・ッ」

    黙ってオネイロイは消えるように青蛾の前から居なくなった。

    青娥「んーでも巻いたと思ってた尻尾は実はこっちにあるのよねー」

    わざとらしい仕草で後ろから前に回した青蛾の手にはディエンドライバーとカードが握られている。

    青娥「もう居なくなったんだから仕方ないわよね・・・このお宝は頂戴しとくわ」

    青娥「仮面ライダー・・・外の世界の力の象徴の一つ・・・そして今幻想郷には沢山のライダーが生まれて居てそれぞれに変身アイテムが存在する・・・」

    青娥「こんなチャンス滅多にないわ。私が・・・そう私がそのお宝を全て手に入れれば・・・どうなることやら・・・フフフ」

    __________________________________________________________________

    大きな赤い洋館の前にまた赤い人影が立っていた。

    カブト「お嬢様、今暫くお待ち下さい・・・必ず、助けます」



    To be continued……
  37. 38 : : 2016/03/28(月) 14:19:32



    ~非表示にした応援コメントのコーナー~

    6 : 神威 : 2015/11/19(木) 01:48:16
    仮面ライダーって発想がすごい

    とりあえず期待


    「ありがとうございます。発送自体は結構MMD動画とかでは見かけたりはするのですがSSは私も見たことは無いですねぇ」

    以上です

    執筆終わってても感想書いてくれて良いのよ?コミュニケーションもモチベーションの一つですし・・・ではまた次回

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