その夜に※セトマリ
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- 1 : 2015/10/06(火) 00:30:10 :
- こんなマリーは嫌だって話。
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- 2 : 2015/10/06(火) 17:48:40 :
【セトへ
お手紙を書くなんて何時振りかな?便箋を取り出してペンを手に取った瞬間からセトに伝えたい言葉がいっぱいいっぱい浮かんできたよ。
でもそれはまた今度。
あのね、明日の午前0時までに私を探して欲しいの。早くしないとアジトもセトの大切なものも全部粉々になっちゃう。大事な人達を守りたいなら絶対にこのことを誰にも言っちゃダメ。絶対に絶対に一人で来てください。
突然でごめんね。
マリーより】
当たり前のようにやって来た朝
ふと目についたのは机の上に真っ直ぐと整えられて置かれた見知らぬ封筒
(ホントに突然すぎるっすよ)
(何処にいるんっすかマリー)
『マリーはどうした?』
朝食の際キドに聞かれた
手紙には【誰にも言っちゃダメ】と書かれている
仲間に嘘をつくか
マリーを裏切るのか
【粉々になっちゃう】
もちろんマリーがそんなことをするなんて思っていない
でももし仮にそれが本当だとしたら
いくらなんでも失うものが大きすぎる
『マリーならまだ寝てるっすよ』
『寝てるのを邪魔したら悪いっすし、また後から俺が起こしにいくっす』
セトは"仲間に嘘をつく方“を選んだ
根っからの正直者のセトにとって
嘘が嫌いなセトにとって
それはとてつもなく苦しいもので、キドの作ってくれた朝食はほとんど喉を通らなかった
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- 3 : 2015/10/08(木) 22:11:06 :
- 朝食を3分の1程度食べ終えた(残りはコノハが美味しくいただいた)セトはマリーの部屋へ向かった
「マリー、いるんっすか?」
もしかしたらマリーはまだここにいるのかもしれない。キドやカノ、他の団員に怪しまれないよう至って自然にノックする
物音や声は...しない
その後10秒ほど返事がないのを確認し、セトはゆっくりとドアを開けた
「入るっすよ....」
カチャっと音がする
しかし、やはりそこには誰もいなかった
部屋をぐるりと一周見渡してみたが特におかしなものはない
(ここにはいないみたいっすね....)
カサッ
「ん...?」
他を当たってみようと部屋から出ようとしたとき、セトの足になにかが当たった
それはくしゃくしゃに丸められた紙だった
なにか彼女を探すための手掛かりが隠されているのでは、とセトは紙を広げる
それは所々に折り目のあとがあり見辛くなってはいるが、マリーが書いたであろう手紙だった
しかし文の内容はセトが見付けた手紙と同じ内容で、なにか手掛かりをと期待していたセトはその場でがっくりと肩を落とした
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- 4 : 2015/10/13(火) 19:58:29 :
「はあ....」
(けど....なんでマリーは同じものを二枚も...)
手紙をもう一度見る
「....ん...?これは....」
そこでセトはあることに気付く
(文が途切れている...?)
そう、よく見ると手紙の文は【___________アジトもセトの大切なものも】という中途半端なところで終わっていたのだった
そして更によく見てみるとところどころの字が滲んでいる
(水でも溢し.....)
(いや...それはないっすね....)
となると考えられるのは一つ
「マリー.....一体なんで泣いたんっすか.....」
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- 5 : 2015/10/14(水) 00:32:58 :
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"マリーと散歩してくるっす“
マリーの部屋から出た後、セトはそう団員達に偽って外に出た
幸いなことに特に怪しまれることはなく、意外とすんなりと出ることができた
(ごめんなさいっす...皆....)
セトは痛む心の中で謝った
改めてくしゃくしゃになった方の手紙を見る
今更だが事態はかなり深刻なようだ
いや、マリーがいなくなってしまった時点から余裕なんてなかったのだ
(マリー..)
セトは手紙を丁寧に折り畳みポケットにしまった
(絶対に見つけてみせるっすよ....)
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