一:どうやら透明人間になりました

朝。私は目を覚ました。
カーテンを開けると目が痛いくらいに眩しい。
いつも通りの日常。
顔を洗いに洗面所に向かう。

いつも起きると寝癖がひどい。いや、むしろ芸術的だろう。
朝の私の密やかな楽しみだ。

いつも通り洗面所のドアを開け、私のひどい寝癖は───
無かった。
いや、映っていない。
鏡に私の姿がない。

普段は透明人間なんてなれたらいいな、とか思っていたのに。とりあえず喜ぶのは後だ。
なぜ?どうしてこうなった?夢か?

まぁ、透明人間になったんだ。
どうしてそうなったか、なんて置いといて。
今までの夢もかなったんだ。
やりたいことやれるじゃないか。