僕らの戦記
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- 1 : 2015/09/05(土) 21:52:29 :
- 時は、2348年、各地で戦争が繰り広げられる。
優秀な兵士のDNAを元にクローンが作られ、莫大な兵が動く。
東アドガルド城
兵士1「よっこいしょ・・・」
錆びた宝箱は、嫌な音を出しながら開いた。
兵士2「何だぁ?このガキ。」
フォーン「う・・・あ・・。」
兵士1「まあこの服装からして、奴隷だろ。混乱に乗じて、ここに逃げ込んだんだな。まぁ、運が悪かったな。この城の奴は、皆殺しだ。」
そう言って、手に持った斧を振り上げた。
しかし、その手は首筋に届く少し前で止まった。
ガイル「よさぬか!こんな幼い子を殺すなど!ここは危険だから、城に帰る途中で捨てておけ!」
兵士1、2「はっ!申し訳ありませんガイル軍曹!」
そう言って二人は右手を斜め右に振り上げた。敬礼だ。
二時間前
アドガルド「むぅ・・・もはやここまでか。」
窓の外では沢山の兵が火のついた矢を放っている。
アドガルド「この城はもうすぐ落ちる。その前に・・・」
フォーン「こんなに丈夫なこの城が?そんな!」
アドガルドは、ぼろぼろの衣を息子、フォーンに着せた。アドガルドの本気の目が全てを物語っていた。フォーンは何も言えなくなった。
アドガルド「地下に着いて来なさい。」
フォーン「はい」
二人は真剣な面持ちで長い螺旋階段を降りる。
アドガルド「フォーン、ここに入れ。」
フォーン「何故です?御父様。」
アドガルド「敵から身を守るためだ。従いなさい。」
フォーン「はい。」
アドガルド「フォーン、今から誰がお前を襲っても、何も言うな。敵は恐らくお前を奴隷と思うだろう。」
フォーン「はい、御父様。」
フォーンは、平然と答えるが、その顔には不安が浮かぶ。
アドガルド(恐らく、ここにはガイルが当たるだろう。奴はそういう奴だ。)
アドガルド「じゃあ、達者でな。」
そう言って宝箱を閉めた。
アドガルド「また、必ず、会う!」
地下室の扉が閉まった。
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