ssnote

x

新規登録する

このスレッドの編集には編集パスワードが必要です。

表示するレスにはチェックしを、表示しないレスはチェックを外してください。

▼一番下へ

  1. 1 : : 2015/08/15(土) 15:11:52
    エレアニです。
    地の文ばっかです。
    妄想ストーリーです。
    ゆっくりのんびり書いていきます。
  2. 2 : : 2015/08/15(土) 15:12:49




    『氷の女』



    そう呼ばれるヤツが居るらしい。



    「なんでも、ヒドく目つきの悪い、背の小さいブロンドの女の子らしいんだけどね」



    アルミンはそう言っていた。



    興味のない話だった。



    「そうかよ」



    これが、アニ・レオンハートという人物について知るきっかけとなった。




  3. 3 : : 2015/08/15(土) 15:13:23




    対人格闘の訓練をしていた。



    ライナーと取っ組み合い、やられてはやり返すの繰り返し。



    「なぁ、あいつさぼってるぜ?」



    ふと、そう言われた。



    「ほっとけ。興味ねぇよ」



    俺はただ、自分の訓練が出来ればそれで良かった。



    「良いから見てみろ」



    仕方なくその指さす方へ顔を向ける。



    背の低い女だった。



    要領よく、教官の目を盗みながら誰とも組まずにやり過ごしていた。



    「見たぞ。さぁ、再開だ」



    「おい、お前!」



    俺が構えるのとほぼ同時に、ライナーはそいつを呼び止めた。



    「俺たちと組もうぜ」



    気だるそうな顔をしながら、その女は俺たちを見た。



    目つきの悪い女だった。



    「ライナー、そんなヤツほっとけよ」



    「あのなぁ、エレン。こういうヤツは教育してやんねぇとだめだろ?」



    そう言って、俺とその女が組み手をするよう促した。



    「ったく、仕方ねぇな」



    しぶしぶ、俺は構えた。





  4. 4 : : 2015/08/15(土) 15:14:09





    宙を舞ったのは何時ぶりだったろうか。



    子供の頃、でかい餓鬼に背負い投げをされたとき以来だったか。



    「……気が済んだ?」



    初めて聞く声だった。



    「お、おう……悪かったな」



    若干冷や汗をかきながらライナーがそう言った。



    「……ライナー、お前も教育してやれよ」



    そう、睨んでやった。



    あのライナーが宙を舞うのは、新鮮だった。



    あの小さな体の何処にこんな力があるのかと、不思議に思った。






  5. 5 : : 2015/08/15(土) 15:15:03






    何日か経った日の対人格闘で、俺の目はそいつを探していた。



    「……!おい、アニ!」



    そして、見つけた。



    「……」



    前と何も変わらない、鋭い目つきと気だるそうな顔。



    またお前かと言わんばかりの雰囲気だった。



    「今日、俺と組んでくれないか?」



    あの日から、気になっていた。



    何故女であるこいつが、男である俺たちに宙を舞わせることが出来たのか。



    「……他を当たりな」



    「ちょ、おい!」



    そう言って、アニは俺に背を向けた。






  6. 6 : : 2015/08/15(土) 15:16:10








    「エレン、こっち」



    食堂で、夕食を持った俺をミカサが手招きをする。



    「悪い、今日は別のヤツと食べようと思ってんだ」



    「……そう」



    少し残念そうな顔。



    「誰と食べるんだい?」



    「アニってやつに、ちょっと頼みごとがあってな」



    「へぇ、そうなんだ」







  7. 7 : : 2015/08/15(土) 15:16:44




    いつもの二人と別れ、一人テーブルにつくアニのところへ。



    「よぉ」



    「……」



    俺には、見向きもしなかった。



    「隣良いか?」



    「……好きにしな」



    その席へ座った。



    一方のアニは、夕食を摂る手を止めない。



    「なぁ、何で対人格闘サボってんのに俺やライナーより強いんだ?」



    「……嫌み?」



    「ただの疑問だ」



    「子供の頃、お父さんに教わった」



    「へえ、凄い父さんだな」



    「……」



    「少しでも良いから、それ俺にも教えてくれねぇか?」



    「アンタもしつこいね」



    「だな」



    「……」



    食事の手を止め、横目に俺を見た。



    「……一回だけだよ」



    「おう、ありがとう」



    一言、そう言ってアニは食べ残した残飯を片付けに席を立った。







  8. 8 : : 2015/08/15(土) 21:30:13




    「さぁ、やろうぜ」



    また数日後の、対人格闘訓練。



    「……」



    目の前に立つアニは、面倒くさそうな顔をしていた。



    ゆっくりと両腕を顔の高さまで持って行き、拳を作った。



    その数秒後、俺はまた宙を舞った。





  9. 9 : : 2015/08/15(土) 21:30:41





    会話は無かった。



    ただ、俺はアニに倒され、立ち上がり、また倒されの繰り返しだった。



    俺の苦痛に対する呻き声だけがアニとの間に聞こえるだけだった。



    訓練時間が終わると、アニに礼を言って去った。




  10. 10 : : 2015/08/15(土) 21:31:10






    その日の夕食の時だった。



    「なぁエレン。女に蹴倒されるのは楽しかったか?」



    笑い混じりに俺の肩をたたくジャン・キルシュタイン。



    「楽しいわけねぇだろ」



    「最高だったぜ、あの時のお前の間抜けな姿は」



    ニヤニヤと、気持ちの悪い顔をして笑い出した。



    「お前みたいに適当に訓練を流してるようなヤツよりはマシだ」



    「ただ、倒されてただけのヤツがよく言うぜ」



    いっそう大きな笑い声。



    「……」



    腹が立った。



    だが、相手にする気はなかった。



    「それにしても、よくもまぁあんな女と組めたもんだな」



    存分に高笑いを響かせたジャンは、また喋りだした。



    「ジャン、いい加減にしなよ!」



    アルミンがジャンに言った。



    が、聞く耳を持たなかった。



    「あんな目つきの悪い、誰とも関わらないような変な女をどうやって捕まえたんだ?まさか、アレで割とビッチだったりするのか?」



    ずっと食事を摂っていた手を止め、俺の眼がジャンを睨みつけた。






  11. 11 : : 2015/08/15(土) 21:31:48







    気がつけば、俺は席を立ち目の前に倒れるジャンを見下ろしていた。



    大きな物音に、教官が食堂へ入ってきたため騒ぎは収まった。



    手を出すつもりはなかった。



    言わせておけば、飽きて何も言わなくなると思っていたからだ。



    俺のことを言われている内は、それで良かった。



    たが、俺以外の、アニのことを言われると、思っていたよりも大きな怒りを感じた。



    そして、行動に至った。



    アニの動きを、見よう見まねで再現して、ジャンを蹴倒した。



    予想よりもうまく倒すことが出来て、少し気持ちが高揚した。






  12. 12 : : 2015/08/15(土) 21:32:39





    食事が終わると、俺の目は自然とアニを探していた。



    何故か、話をしたくなった。



    「なぁ、アニ!」



    その姿をとらえると、すぐさま駆け寄った。



    「……なに?」



    アニは振り向き、俺を見た。



    「今日は本当にありがとうな。お前のおかげで、少しだが対人格闘に自信がついた」



    「……あんなので、アンタは満足なのかい?」



    「!……見てたのか?」



    「あれだけ騒いでれば、嫌でも目に留まるよ」



    どうやら、俺の動きはアニに見られていたらしい。



    そして、アニにとっては俺の格闘術もまだまだなようだった。



    「……だろうな」



    「……」



    「まぁ、ライナーにでも相手してもらいながら努力するよ」



    そう言って、背を向けようとしたときだった。



    「……今度、また教えてあげるよ」



    予想外の言葉だった。



    ただ純粋な驚きと、嬉しさを感じた。



    「本当か?」



    「あんな体術を、私から教わったなんて言われるのは恥ずかしいからね」



    そう言って、アニは足早に去っていった。





  13. 13 : : 2015/08/15(土) 23:11:07
    期待!
  14. 14 : : 2015/08/17(月) 20:48:48
    エレアニぃぃ!!期待です♪
  15. 15 : : 2015/08/18(火) 13:24:44
    期待のコメントありがとー。
    内心めちゃめちゃ嬉しいっす(´ー`)
  16. 16 : : 2015/08/23(日) 01:58:00
    続きはよ

▲一番上へ

編集パスワード

スレッド投稿時に設定した編集パスワードを入力してください。