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この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

はたしてニートの俺はネトゲ世界で生きていけるだろうか

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  1. 1 : : 2015/08/12(水) 14:32:14
    [アスナール王国に伝わる伝説より]
    今からちょうど数百年前、アスナール王国に災鬼王(さいきおう)と呼ばれる化け物が姿を現した。災鬼王は手下の災鬼(さいき)を数10万ほど引き連れ、国を襲った。

    人々は逃げまどい、建物は災鬼たちの炎により焼け崩れ、国を瞬く間に滅ぼしたという。

    しかし、そこに1人の旅人が現れた。

    その旅人はたった1人で災鬼王に立ち向かい、災鬼王の首をうちとったという。

    のちにその旅人はアスナール王国の伝説となった。
  2. 2 : : 2015/08/13(木) 16:54:37
    俺の名前は拓也。どこにでもいそうなニートである。中肉中背で背も日本人男性の平均より少し下くらい、自慢では無いが顔はいい方だと思う。

    そして俺の最近の生活は[起きる⇨ゲームする⇨飯食う⇨ゲームする⇨飯食う⇨ゲームする寝る]というゲーム三昧のグータラ生活である。

    その甲斐あってか俺のゲームテクはかなりあがった。

    悲しいことにそのせいで俺はどんなゲームを簡単過ぎるほどにクリアできるようになってしまった。

    (もっと難しいゲームが欲しい。)

    そんなことを思いながらネトゲをするためにパソコンを開くと一通のメールが届いているのに気づく。

    俺「どこの業者からのメールだよ……」

    悲しいことに[友達からのメール]という選択肢は無い。いや、別にこれまで生きてきた中で友達が1人もいなかったわけじゃないよ?。だってほら小学校低学年のころはクラスメイト全員が友達じゃん?…………ヤバい、自分で言っといて泣けてきた。

    気をとり直して俺はメールをクリックしてみた。

    『どうも初めまして。突然ですがあなたは今もっと張り合いのあるゲームを探していませんか?もしそうなら下記のリンクをクリックして下さい。あなたは満足させましょう。』

    拓也「怪しすぎる…」

    いつもならすぐに無視するところだったが、今の俺は確かに張り合いのあるゲームを求めていた。

    明らかに怪しかったが俺は好奇心に負け、クリックしてしまった。ーーーーーーーーーーーー
  3. 3 : : 2015/08/13(木) 16:56:23
    期待です!
  4. 4 : : 2015/08/15(土) 00:07:45
    気がつくと俺は、森の中にある一本道の真ん中に立っていた。

    高さ20メートルほどの木が道の脇に生い茂っている。

    あれ?俺さっきまで家に居たよな?

    そんなことを思っていると、どこからか声が聞こえてきた。

    ⁇「やぁ、よく来てくれたね。僕が創った世界へようこそ。」

    中性的で何を考えているのかよく分からないような声だった

    俺「だ、誰だ!?どこにいる!?」

    俺はそう言いながら辺りを見まわす。

    ララク「僕はこの世界の神、ララクだよ。あと僕はそこにはいないよ」

    ララク「いいかい?君がいるこの世界は、今滅びの危機にある。君にはそれを救って欲しいんだ」

    俺「何でお前がそれをしないんだよ!?」

    俺は問うた。

    ララク「そうしたらつまんないでしょ?だから君を呼んだんだよ。」

    俺「お前な……!」

    ララク「この世界ではHPとMP、スタミナがあるんだけど、HPが無くなるとゲームオーバーだよ。ちなみにゲームオーバーになるってことは現実世界の死と同じだから気を付けてね。スキルもあるんだけどそれはそのうち手に入れられるから。じゃねー」

    俺「おい!行くなー!」

    こんなことならクリックしなきゃよかった……

    何てことを思いながら、俺は目の前の状況を理解することに苦しんでいるとずしんずしんと大地が揺れてきた。

    俺「な、なんだ!?」

    それはだんだん大きくなり、辺りを見回すとゲームでよく見るオークが3体、森の方から俺がいる道のすぐ目の前に現れた。

    オークは4、5メートルはあり、棍棒も持っている。普通に戦えば間違いなく負ける。

    慌てて逃げようとしたが恐怖で体が硬直し動けない

    その間に1匹のオークが俺に襲いかかる

    ヤバイ、俺ここで死ぬの?

    そう思っている間にもオークはどんどん近づいてくる

    次の瞬間、1人の少女が俺の頭上を飛び越えオークの首元に剣を突き刺す

    オークA「グォォ!……バタン」

    オークが断末魔を上げながら倒れる

    ⁇「大丈夫ですか!?」

    肩まで伸ばした綺麗な金髪を揺らしながら彼女は振り向き、俺に尋ねる。

    俺「……あ、おかげさまでなんとか」

    なんて美しいんだろうか……

    透き通るような金色の髪に、生命力にあふれる青い瞳、そして整った端正な顔立ちの美しい少女だった。
  5. 5 : : 2015/08/15(土) 22:21:06
    オークB、C「「グォォォ!」」

    仲間が倒されたことによりオーク2体は激昂した

    俺「はっ! 」

    彼女の美しい姿に見とれていた俺はすぐに
    目の前の状況に意識を戻す。

    そう、まだ絶望的な状況に変わりないのだ

    ⁇「あなた、お名前は!?私はエレナよ!」

    オーク2体と睨み合いながら彼女は聞いてきた

    俺「え、拓也!……です」

    エレナ「じゃあ拓也!はやくここから逃げて!」

    俺「え……!でもエレナは?」

    エレナ「私のことは大丈夫よ!第一、鎧もつけてないあなたがオークと戦うことなんて無理よ!」

    俺「え……で、でも」

    エレナ「早く!ここは任せて!」

    俺「っ!……わかった!」

    そう言って俺はその場から逃げた。

    そう、俺はいつだってこういう時、逃げてきた。友達がいなかったのだってそうだ。

    人と関わるのが怖くて自分から話しかけることすらしなかった。

    今だって見ず知らずの少女を取り残して俺はこうしてどこへ向かえばいいのか分からずに、森の中を走っている。

    俺「このままでいいのかよ……!」

    俺は足を止め、呟く。

    さっきの少女、口ではあんなこと言ってたけど手足は震えていた。

    きっと怖かったんだろう。

    俺「くそっ!女の子残して俺だけ逃げれるかよ!」

    ーーー
  6. 6 : : 2015/08/16(日) 23:16:29
    取り残されたエレナはまだオーク達と睨み合っていた。

    エレナ「ああいったものの、この数ちょっとキツイなぁ……」

    オークB「ウォォォ!」

    オークの棍棒がエレナを襲う

    エレナ「ハッ!」

    エレナはすぐさま後ろに跳びのいた。
    オークは動きこそ遅いが、力が強いので攻撃を食らえば、ひとたまりもない。

    オークB、C「グォォ!」

    オーク2体が同時に攻撃してきた。
    エレナは片方のオークの攻撃を剣でいなすが、もう片方のオークの攻撃を食らってしまう

    エレナ「キャッ!」

    エレナの体は吹きとび、勢いよく地面に衝突した。持っていた剣は宙を舞い、オークのすぐ近くに刺さってしまった。

    エレナ「うっ……!」

    エレナは逃げようとしたが、地面に勢いよく衝突したせいで脳震盪を起こしたらしく立つことも出来なかった。

    オークB「ウォォォ!」

    オークがエレナにトドメをさそうとすると

    俺「エレナーー!!」

    俺は走りながらエレナの体を抱きしめ、そのまま横にジャンプした。

    間一髪、オークの攻撃を避けられたが、すぐさま別のオークが攻撃を仕掛けてくる。

    俺はエレナを抱き上げ、森の茂みに隠れた。

    エレナ「何で戻ってきたの!?」

    俺「女の子残して逃げれねーよ!」

    エレナ「あ、ありがとう。」

    エレナは恥ずかしそうに言った。

    俺「じゃあ俺行くわ」

    エレナ「行くってどこに!?」

    俺「オーク達を倒しにだよ」

    エレナ「なぜ!?無理よ!」

    俺「あぁ、無理かもな。でも俺決めたんだ!もう逃げないって!」

    俺は本気だった。

    エレナ「……えぇ、分かったわ。でも一つ約束して、生きて戻ってくると」

    俺「あぁ!」

    ーーー
    俺はさっきの場所に戻り、剣を探す。

    俺「あった。あれだな」

    剣は道端に突き刺さっているままの状態で放置されていた。

    幸いなことにオークは俺たちを探しにどこかに行ったらしい。

    俺は急いで剣を取りにいった。

    オークB、C「「グワァァ!!」」

    俺「なに!? グハッ」

    オーク2体はどうやら待ち伏せしていたらしい。

    そして俺はそれにまんまとハマりオークの棍棒が腹に直撃した。

    運がいいことになんとか骨折だけは免れたようだ。

    しかし今まで味わったことのないくらいの衝撃を受けたのでダメージはかなり大きった。

    オークB、C「「ブァァァ」」

    俺「クッ」

    オークは続けざまにどんどん攻撃してくる。俺はそれをなんとか避け続けた。

    しかし避けるのが精一杯で剣を取りに行くこともできない。

    もう一度攻撃が直撃するのも時間の問題だ。

    次にまた攻撃が当たると恐らく動くことも、ままわらなくなるだろう。

    俺は攻撃を避ける中で必死に考えた。

    どうしたら剣を取りに行けるか。不意に俺はある事を思いついた。

    俺「よし!反撃開始だ!」

    俺は地面の土を掴み取り、タイミングを見てオーク2体の目に投げつけた

    オークB、C「グワァァァ」

    オーク2体は目を抑え攻撃の手を止めた。

    俺「今だ!」

    俺は必死に剣を取りに行く。

    俺「ウォォォ!! パシッ」

    剣を握り俺はオーク2体に体を向けて剣を構える。既に目に入った砂は拭われていてオーク2体はかなりの怒り状態である。

    しかし、俺にとってはもうオークなど取るに足らない存在であった。

    俺「ここからが本番だぜっ!!」

    俺はオークの足元まで疾走し、片方のオークの足の腱を斬り裂き、オークがバランスを崩し地面に尻もちをついたところで、首もともに剣を突き刺した。

    オークB「グォォォォ!……」

    オークはそのまま絶命した。

    もう片方のオークが攻撃してきたので俺は剣をオークの体から抜き取り攻撃を避けた。

    そして俺はオークの攻撃してきた方の腕を斬り飛ばし、オークの心臓に剣を突き刺した。

    俺「くらえぇぇ!」

    オーク「ギャァァァァ………」

    オークの最後の叫びが森に木霊する。

    痛む腹を抑えながらも俺はエレナの所に戻った。
  7. 7 : : 2015/09/26(土) 21:22:49
    俺はエレナの所へ戻ると

    エレナ「拓也ぁ!」

    俺「え!ちょっとエレナ?」

    エレナ「良かった。本当に良かった……」

    いきなりエレナが抱きつき、泣いているので俺は動けなくなっていた。

    ーーー

    結局エレナは泣き止むまで俺に抱きついたままだった。

    エレナ「ねぇ、これからどうするの?」

    泣き止んだエレナが俺に聞く。

    俺「んー、全然考えてないな」

    エレナ「そっか!じゃあさ私の家に来てよ!」

    俺「え!いいの!?」

    エレナの言葉に気持ちが高ぶる。

    エレナ「では早速行きましょう!」

    俺「おーぅ!」

    そうして俺らはエレナの家に向かった。

    ーーー

    まるで中世のヨーロッパに出てきそうなくらいの屋敷に俺は連れてこられた

    エレナ「少し待っていてください。部屋を綺麗にしてきます」

    数分後、彼女はピンクのワンピースに着替えて、俺を呼びに来た。

    俺「でけぇ……」

    エレナ「なにがです?」

    俺「オッパ……じゃなくて家がな笑」

    危ねぇ、オッパイっていうところだった。さっきは鎧でよくわかんなかったけど、かなりデカイな…うん。

    エレナ「さ、入りましょ」

    俺「おう!」
  8. 8 : : 2015/09/30(水) 20:48:27
    エレナの家に入るとーーー

    ⁇「エレナ様、おかえりなさいませ。」

    銀色の髪をした凛々しい顔立ちのスラっとした、いわゆる[イケメン]がそこにはいた。

    ⁇「ところでエレナ様、そこにいる男は……誰でしょうか?」

    イケメンはエレナに言った。

    そしてそのイケメンからは殺気にも似た視線が俺に刺さっていた。

    エレナ「ただいまラミエル。この人は拓也よ、私のことを助けてくれたのよ」

    ラミエル「そうだったのですか。それではあとでお礼をしないとですね。」

    ラミエルと呼ばれる者は顔では微笑んでいるが、目が全然笑っていなかった。

    絶対お礼ではない何かをされる。

    と、俺は長年の経験から直感したのであった。
  9. 9 : : 2015/10/01(木) 21:25:17

    客室に通され、ここで待っているように言われたので、少し昼寝をすることにした。

    ーーー

    夕飯どきになり、ラミエルが呼びに来た。

    ラミエル「エレナ様が、お呼びです。」

    ラミエルが無愛想に言った。

    ーーー

    ラミエルについて行く途中、

    ラミエル「あんた、エレナ様のなんだ……?」

    ラミエルが歩きながらボソッと俺に聞いた。

    拓也「えっ、えーと、なんだろ」

    突然の質問に俺は戸惑う。

    ラミエル「じゃあ、エレナ様のことをどう思ってる?」

    拓也「ん〜、勇気があって誰にでも優しそうで、どこかの国の姫って感じの女の子かな」

    ラミエル「よくわかったな。実はエレナ様はアスナール王国の元お姫様だったんだよ。」

    拓也「マジか!……てかなんだよ元って?」

    ラミエル「それを今から話そう。あれはーーー」

    そう言ってラミエルはアスナール王国で起きた驚愕の事実を語った。
  10. 10 : : 2015/10/04(日) 16:20:42
    サーナ「3年前、アスナール王国で1番と評された預言者サーナ様がある一つの予言を言った。
    [ 災鬼王が復活し、手下の災鬼を数10万を引き連れて、またこの世界を絶望の淵へいざなう]と。」

    これがララクの言っていた滅びの危機か、と俺は思う。

    サーナ「人々はこれを信じなかった。災鬼王は数百年も昔に倒されたとされていたからだ。」

    俺「うん。」

    サーナ「しかし、サーナ様の言ったことは正しかった。サーナ様の予言からちょうど2年後、つまり今から1年前のことだ。突如として現れた災鬼王と手下の災鬼が国を襲ったのだ。人々は逃げまどい、建物は焼け崩れ、瞬く間に国は滅びていったのだ。」

    マジかよ、もう現れちゃってんのかよ。

    サーナ「生き残った我々はこの森の中に逃げ込み、今も密かに生きている。しかしここが見つかるのも時間の問題だ。災鬼王を倒さない限り、我々に希望の道は無い。」

    俺「マジか……」

    思っていたより深刻な事態だな。

    サーナ「よし、着いたぞ」

    扉を開けると部屋中に色々な食べ物の匂いがした。

    俺「うぉぉ、すげぇ!」

    テーブルには豪華な食材がたくさん並べており、どれもとても美味しそうだった。

    エレナ「2人とも座ってください。」

    俺「あぁ」

    ラミエル「はい。」

    エレナに言われ俺とラミエルは席につく。

    エレナ「拓也、今日はありがとう。助けてくれて」

    俺「いやいや!助けられたのは俺の方だから」

    俺「ところでさ、今気づいたんだけど。いいのか?こんなにたくさん食べても」

    エレナ「えぇ、いいですよ。ここは森なので、たくさん食べ物が手に入るんです」

    俺「そういうことか」

    エレナ「えぇ。 ではそろそろ食べるとしますか。」
    ーーー
    俺「ふぅ〜、食った食った」

    俺は満足げに腹をさすりながら言う。
  11. 11 : : 2015/10/04(日) 20:05:35
    話がうまく繋がらなくなったので修正しました
  12. 12 : : 2015/10/05(月) 18:22:05
    食事を終え俺はエレナと楽しく談笑していた。

    それを横目で見ていたラミエルが不満そうな顔をしている。

    俺はそれに気づいたが特に気にせず、エレナとの会話を続けていた。

    ラミエル「お風呂に入ってきます!」

    とうとう我慢出来なくなったのかラミエルは部屋を出て風呂場に行ってしまった。

    数分後エレナが、ハッと思い出したように、

    エレナ「そういえばお風呂の石鹸きらしてるんだった。」

    と言い、調理場の方から石鹸を取ってきた。

    俺は女のエレナに行かせるのはダメだなと思い、

    俺「エレナ、俺が行くよ!」

    と言って石鹸をエレナの手から取り、部屋を出た

    エレナ「拓也が行ったらまずくないかな……」

    拓也が部屋を出た後、エレナは呟く。

    ーーー
  13. 13 : : 2015/10/05(月) 19:21:55
    お風呂場へ行く道は、さっきミカエラについていった時に見かけたので覚えていた。

    お風呂場についた俺は脱衣所に入り、そのままシャワーの音のする風呂への扉を開けた。

    [男同士だからいいだろう]

    そんなことを思いながらーーー
  14. 14 : : 2015/10/06(火) 18:14:10
    俺「ラミエル、石鹸持ってき……」

    俺は目の前の光景に目を奪われ、言葉を失ってしまった。

    なぜならラミエルはやや小ぶりではあるが確かに女の子特有の胸の膨らみがあったからだ。

    ラミエル「キャーーー!!」

    ラミエルは慌てて胸をおさえしゃがむ。

    ラミエル「出てって!!」

    頬を赤く染めながらラミエルは言う。

    俺「ごごごごごめんなさい!!」

    とは言ったものの、女性の胸を初めて生で見てしまった俺は、思考が停止してしまいその場から動くことができなかった。

    ラミエル「じゃあ早く出てけぇ!!」

    ラミエルのかかとが俺の脳天に突き刺さる。

    それよりラミエルさん大事なとこ見えてますよ?

    色々と見てしまった俺は、そのまま気を失った。
  15. 15 : : 2015/10/11(日) 00:22:44
    女の子と発覚したラミエルにかかと落としをくらい気絶した俺はベッドにいた。

    俺「う、うぅ……」

    俺はまだ意識がはっきりしないまま、寝返りをうつ。

    ポニュ

    ……ん?なんだこれ?

    マシュマロのように柔らかく、ずっしりとした弾力のある何かをつかんでいるようだ。

    ポニュ「あっ…… 」

    ポニュ「あっ……」

    あ、これはアレですね。はい。しかもこの肉圧……多分あの人のモノじゃないか?

    俺が目を開けるとやはりそこにはエレナがいた……ガチャ

    エレナの胸をガッチリ鷲掴みしているところにラミエルが入ってくる

    ラミエル「…………」
    俺 「…………」

    まるでこの部屋だけ時間が止まってしまったかのような静寂が訪れた。

    俺「ち、違うんだ!!話せばわかーーー」
    ラミエル「問答無用ぉ!!」

    ラミエルのかかとがまたもや俺の脳天に突き刺さる。
  16. 16 : : 2015/10/11(日) 21:11:03
    俺「いってーー!!」

    エレナ「あれ、拓也どうしたの?」

    俺の叫び声にエレナが起きたようだ

    俺「こっちが聞きたいわ!なんでエレナが俺と一緒に寝てんだよ!?」

    エレナ「ごめんね、拓也が気持ちよさそうに寝てたから……怒ってる?」

    俺「べ、別に怒ってない……」

    エレナが上目遣いで俺を見てくる。

    うっ…これは反則だろ。

    ラミエル「そんなことよりエレナ様、少々無防備すぎます。さっきだって、そ、その……拓也に胸を揉まれていましたし……」

    赤面しながらラミエルは言った。

    [じゃあラミエルは気をつけなくていいな、だって胸がないんだもの]

    言ったらまたかかと落としをくらうであろう言葉を俺は飲み込んだ。

    エレナ「拓也そんなことしてたんだ……」

    俺「ご、誤解だ!」

    ラミエル、エレナ「「………」」

    明らかに疑いの眼差しで俺を見てくる。
    もうほんと最悪……

    ーーー
  17. 17 : : 2015/10/21(水) 19:54:45
    あのあと、およそ30分にも及ぶ説得の末、ついに誤解が解けた俺。

    いつもなら気分が下がっているところだが、エレナのおっぱいを触ることが出来たこともあり、気分は上々。
  18. 18 : : 2015/10/26(月) 00:32:12
    俺「あぁ、エレナの胸柔らかかったな……。」

    俺は、手に残った感触を思い出しながら余韻に浸っていた。

    俺「おっと、これじゃダメだ。災鬼王を倒すために、まずは武器を揃えないとだな。」

    倒すべき相手、災鬼王。そいつを倒せばおそらく俺は元の世界に戻れる。

    しかし、災鬼王と呼ばれるくらいだ。当然この前のオークより桁外れに強いに決まっている。

    その為には、まずどうにかして強い武器を手に入れなくてはならない。

    俺はエレナとラミエルがいる部屋に向かいーーー
    俺「なぁ、この辺りに武器屋はあるか?」

    と問う。

    ラミエル「残念ながら、ここには武器屋はない。1年前の災鬼王の襲撃により武器職人は全員殺されてしまったのだ……。」

    ラミエルが悲しげに言った。それに同調してエレナも悲痛な表情を浮かべる。

    俺「そうか……」

    もしやーーーとは思っていたが、やはり武器屋はないか……。

    エレナ「でも、武器ならありますよ。」

    俺「本当か!?」

    エレナの予想外の言葉に気持ちが高ぶる。

    エレナ「えぇ、でも……」

    どうしたのか、エレナは口ごもる。

    ラミエル「もしかしてエレナ様、あいつにあの剣を渡すつもりですか?」

    ラミエルは言った。

    エレナ「ダメ……かな?」

    ラミエル「ダメです。だいたいあの剣は、伝説のあの方のものだったのですよ。それを、ついこの間知り合ったばかりの者に渡すだなんて。」

    よく分からないが、エレナとラミエルは、話し合っていた。
  19. 19 : : 2015/11/07(土) 01:24:02
    俺「どうしたの?」

    俺は聞いた。

    エレナ「実はこの屋敷には、アスナール王国に伝わる伝説に登場した旅人の聖剣があって、それを渡そうと思ったんだけど……」

    ラミエル「お嬢様、あれはアスナール王家に代々伝わる聖剣で、王族のみに使うことの許された宝なのです。それをコイツなんかに渡そうだなんて、そんなのダメです。」

    ラミエルはキッパリと言った。

    エレナ「でも私はもう王族じゃないから、そんなの関係ないよ。」

    ラミエル「それはそうですが、私は昨日会ったばかりの者に聖剣を預けることはできません!」

    頑なにラミエルは言った。

    エレナ「うぅぅ……わかったよ、もう。」

    納得のいかないとばかりにエレナは口を尖らせた。
  20. 20 : : 2015/11/18(水) 17:00:32
    カーンカーンカーンーーー

    翌日の朝早く、鐘の音が村中に突然鳴り響いた。

    俺「こんな朝早くからなんだよ……。」

    朝に弱い俺は、やや不機嫌気味に呟いた。

    バンッ

    エレナ「大変よ!災鬼達が攻め込んできたわ!もうそこまで来てる。拓也は急いで起きてこの屋敷に隠れてて!」

    エレナが武装した状態で部屋に飛び込んできた。

  21. 21 : : 2015/11/18(水) 23:59:51
    俺「なんだって!?……」

    突然のことに俺は驚いたが、一呼吸おいてーーー

    俺「でも、隠れてることはできない。俺はもう二度と逃げないって決めたんだ。」

    エレナ「拓也……じゃあ私の予備の剣を使って。多少は小さいかもしれないけど、充分に使えるはずよ」

    俺「悪いな、ありがとう。」

    エレナが左腰に下げていたやや小さめの剣を手に、俺とエレナは屋敷のすぐそばにまで差し迫った災鬼達の元へ向かった。
  22. 22 : : 2015/11/20(金) 22:00:38
    俺「うそ……だろ」

    エレナ「そんな……」

    俺とエレナは絶句した。

    森の中にひっそりながらも活気あふれる生活を送っていた村が、無惨にも襲い来る災鬼達に壊されているのだ。

    災鬼達は数こそ10数体と少なかったが、この前のオークよりはるかに大きく、ゆうに15メートルは超えていた。

    「キャーー!!」「うぇぇん、お母さぁん」「誰か……助けてくれ」

    人々の逃げ惑う姿、子供の泣きわめく姿、災鬼達に殺されてしまった人などの姿が、俺たちの目の前に地獄絵図のように広がっていた。

    俺「おい、嘘だろ……」

    襲い来る災鬼達のやや後方に、見覚えのある者が1人、災鬼の肩の上に乗っていた。

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著者情報
taichiro0916

御子柴 剣

@taichiro0916

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