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The WALKING DEAD ~ザ▪ウォーキングデッド~season1─ep1

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  1. 1 : : 2015/07/30(木) 17:37:09
    海外ドラマ、ウォーキングデッドと平行しているオリジナシナリオです。

    オリジナルなので設定などがおかしかったりします。

    また、一度書いたものをコピペしているので間違っている文等ありましたらご報告をお願いいたします。

    ウォーキングデッドとは、ポストアポカリプスの作品の中でも極めてリアルな物語です。

    突然、ゾンビのような、作品中ではウォーカーや、バイターなどと呼ばれている者たちがパンデミックをおこし、生き残った者たちがサバイバルをするという単純なストーリーです。
  2. 2 : : 2015/07/30(木) 17:39:07
    ジョージア州北西部に属する此処、アトランタ。

    そのアトランタのとある刑務所から、一人の男が釈放された。

    刑期は14年。罪は殺人。

    規則的に剃ってきたおかげであまり毛が蓄えられていないアゴを一度さすり、久々の外の空気を胸一杯になるまで吸う。

    止まっているパトカーからの無線が五月蝿い。なにやら事件を起こした二人の容疑者とカーチェイスになっているらしい。

    しばらく歩き、電車でアトランタの中心部、大都市に向かう。

    電車はすぐに駅に到着し、大勢の人垣を掻き分けながらホームに降りる。

    ジャパンでは降りる人を優先に順番に乗り込んでいくらしいが、ここでは全く考えられない風景だ。

    何とかしてホームに降りたが、そこで少し近くの辺りに不審な人物を見かけた。

    足取りが深夜の酔っ払いよろしくフラフラしている。
  3. 3 : : 2015/07/30(木) 17:39:33
    左側の隣のサラリーマンもそれに気付き、声をかけにいく。

    わざわざ声をかけてやるとは、余程のお人好しだなと呆れ、ふいと視線を出口方面へ向かわせた。

    瞬間────────



    俺の左側の顔が、赤く染まった。






    The WALKING DEADザ ウォーキングデッド


    シーズン1 エピソード1
  4. 4 : : 2015/07/30(木) 17:40:11
    悲鳴、悲鳴、悲鳴。

    血、血、血。

    頬に手をあて、それに触れる。

    ぬるりとした、クソったれな感触。

    間違いようもない、血の臭い。

    何が起きたのか、左側に向き直る。

    そこには倒れている男とその男の上に覆い被さるようにしがみついている男が。

    倒れている男の首もとに顔を埋め、クチャクチャと咀嚼する男。

    (食ってやがる......!)

    それも、人肉。生きたままかぶり付きやがったチクショウ。

    何人かの、これまたお人好しの善人たちが男を引き剥がしに掛かる。

    これまたガッチリ男は食糧の男をつかんでいる。

    やっとの事で男を引き剥がすが、その男はまた次に狙いを定めた。

    そばで茫然としている女だ。どうやらこのクソったれな男は女の尻を追いかける事にしたらしい。

    素早くそいつは女に掴みかかった。女は激しく抵抗し、訳もわからない意味不明な言語を発していた。

    そこで一人の老人が杖を手に男を殴りに掛かった。

    「こんの!娘を離せぇ!!ファッキン野郎!」

    なるほど、この老人は女の父親だったか。しゃがれた声で叫びながら殴りに掛かったが男は腕をひとふりさせると老人をはねのけた。

    実年齢より老いていそうな老人は尻餅をつき、そこから動けなくなった。
  5. 5 : : 2015/07/30(木) 17:40:37
    誰もがその光景を眺めていた。

    あの数人のお人好したちは?どこへ行ったのだ?今こそ助けに行くべきでは無いのか?

    そっと視線を巡らせ、その彼らを探すが、その善人たちは一人もいなかった。

    結局はこうだ。人間とは冷酷な生き物である。

    なら自分がやってやるさと思いきり、その男の襟首を掴んで引き剥がしてから線路上に突き落とした。

    が、不運にも俺は男に足を掴まれ引きずられる様に同じく線路上に落ちた。

    落ちかたが悪かったのか頭を打ち、数秒の間動けなくなる。

    それをクソったれ野郎は見逃す気が無いようで上に覆い被さってきた。

    こんなとこで死ねるか。やっとのこさ14年も我慢して外に出てこれたんだ。目的をまだ果たしていない。死ぬのはその後で良い。
  6. 6 : : 2015/07/30(木) 17:41:00
    「っの野郎!」

    ソイツの腕を掴み、噛まれないように抵抗する。

    やっぱりそうだ。この世界では善人が損をするように出来ていやがる。

    最初の犠牲者だって善人だった。

    あの事件だってそうだ。

    だから先の善人もどきたちは逃げて正解だったのだ。

    悪が、クズな人間ほど長生きしやがるんだ、このクソったれな世界は。
  7. 7 : : 2015/07/30(木) 17:41:32
    そう世界の創りに絶望仕掛けていたその時、男が吹き飛んだ。

    どうやら線路に誰か一人が降りてきて、俺を助けてくれたらしい。

    お礼を言うべく、ソイツを見上げる。

    警備員だった。彼の右手には血が滴り落ちている警棒が握られている。

    どうやら俺を助けるために、凶行に出たらしい。

    吹き飛んだ男を確認すると、頭の一部が少し陥没し、首がポッキリ折れている。

    「ありがとよ、警備員さん」

    意地悪い顔で礼を言った。すると警備員の男は眉間にシワを寄せて言った。

    「仕方がなかった。既に一人が犠牲になって、君も含めて二人も襲った男だったんだ。こうするしか無かった」

    どうやら彼は心底落ち込んでいるらしい。なるほど、こいつも善人か。

    「別に責めてなんかいないさ。むしろ感謝だね。さもなければ俺が殺されていたぜ」

    そう言ったところで、駅にアナウンスが入る。
  8. 8 : : 2015/07/30(木) 17:41:55
    『間もなく、通過電車が通ります。危ないですので、白い線の内側までお下がり下さい』

    その放送を聞くなり、警備員はホームに上がり、こちらに手を伸ばした。

    それほど高くも無いので助けは要らないと思ったのだが、頭を打ったのが響いているのか、軽い目眩を感じたのでその手を掴んだ。

    その時、死んだはずの男が俺の足にしがみついてきた。

    折れた首をだらりとさせながら、しかししっかりと口を開けながら強く引っ張ってくる。
  9. 9 : : 2015/07/30(木) 17:46:52
    「っ!?どうゆうことだよクソったれ!死んだんじゃないのか!?」

    ソイツの顔面に何度も蹴りをいれる。

    「おい!早くするんだ来ちまうぞ!」

    警備員が叫ぶ。

    「わかっているさ!だけどもコイツ、全然離さねぇ!!」

    しつこく蹴りをいれ続けているが少し手が緩んだだけだ。

    そこでトンネルの奥の方で、電車が発する光が目に入った。

    「クッソ!?早くしねぇと!!」

    何度も蹴る。

    何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!

    蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴りつける!!

    そこまで電車が来ていやがるっ!!

    「早く離れろぉぉおおおおおっ!!!」

    心からの絶叫。赤ん坊だってこうまで叫ばない。

    だがその絶叫、祈りが通じたのか俺の最後の蹴りは男の頭を蹴り潰した。

    急いで警備員に引き上げられて直ぐに先ほどまでいた所を電車が通り抜けていく。
  10. 10 : : 2015/08/01(土) 12:40:26
    線路上に置き去りにされた男の死体が飛び散る。

    体はバラバラになり、今度こそ確実に死んだだろう。

    「何だってんだよ。チクショウが!」

    苛立ちと恐怖でつい叫んでしまう。

    「落ち着け、もう終わったんだ」

    「わかってるさ。ただ、あれは人間じゃねえ!人の形をした化けもんだ。アンタが殺ったんだから分かっている筈さ。あれは確かに一度死んでいる!」

    「分かった、分かったから落ち着くんだ。お前、名前は?」

    「クソっ!......ジャック▪ニコライだ......」

    「オーケー、ジャックか。俺はマイケル▪アントニーだ。見ての通り警備員さ」

    マイケルと名乗った警備員をジロジロと眺める。

    ジャック「ふんっ、確かに警備員体型だな」

    マイケルは警備員と言うにはヒョロヒョロな姿だ。しかし筋肉が無いという訳ではないらしく、ただ痩せて見えるだけのようだった。
  11. 11 : : 2015/08/01(土) 12:41:20
    マイク「おいおい、失礼だな。一応俺は君の恩人だぜ?」

    そう言うわりには肩をすくめておちゃらけてやがる。

    と、笑う暇もなく何処からともなく悲鳴が聞こえてきた。

    何処からなんてじゃない、駅内のあちこちから聞こえてくる。

    マイク「何だっ!?」

    ジャック「っ!憶測だが、さっきみてぇな奴が他にも!?」

    マイク「クソっ!」

    マイクが勢いよく立ち上がり走りだそうとする。

    ジャック「おい!何処いく気だ!」

    マイク「決まってんだろ!俺は警備員だ!」

    ジャック「落ち着け!もしこの騒ぎが駅内あちこちで本当に起きているなら、あっという間に駅内はパニックに陥って大変な事になるぞ!」

    マイク「何が言いたいんだよ!」

    マイクが大声で叫ぶ。早く行かせろということらしい。

    ジャック「馬鹿か!?そうなれば俺たちは此処から脱出するのが難しくなるぞ!」
  12. 12 : : 2015/08/01(土) 12:42:00
    マイク「知ったこっちゃねぇ!俺は人を助けるのが仕事だ!」

    そうマイクが叫んだ瞬間。

    先まで忘れ去られていた、最初の犠牲者が、ゆっくりと起き上がった。

    ジャック「なっ!?蘇った!?」

    マイク「まさか!生きてただけだろ!おい!アンタ大丈夫か!」

    マイクがその男に近寄るが、途中で足を止めた。

    何故ならばその犠牲者の男の目に光は無く、抉られた首もとの傷が凄まじい事になっていたからだ!

    マイク「まさか、本当に!」

    ジャック「おいおい!殺された奴は蘇るのかよ!?」

    最初の犠牲者はフラフラした足取りで立ち上がった。

    ジャック「マイク!もう良いだろう!行くぞ!」

    マイク「待て!老人が倒れている!助けに行く!」

    マイクが言っている人物は、直ぐに思い浮かんだ。

    あの時男に殴りに掛かった老人だ。

    その老人を探すと、娘に肩を借りてやっと立ち上がった所だった。

    確かにあれは危険だ。
  13. 13 : : 2015/08/01(土) 12:43:10
    ジャック「クソっ!マイク!その若いピンピンしてる老人をさっさと助けに行け!俺がコイツを足止めしとく!」

    マイク「おう!感謝するぜ兄弟!」

    クソ、何かコイツを足止めするものは無いのか?

    と、直ぐ近くに売店があることを確認する。

    そこに急いで向かい、レジ等を漁る。

    そこには回転式拳銃──恐らく護身用──と、トンファーが置いてあった。

    拳銃をベルトに挟み、トンファーを握る。

    そしてあの男へ近寄り、腹を思いっきり殴る。

    ふつうならそこで悶える筈だが、殴られたことなんてお構いなしに手を伸ばして掴もうとする。

    これは予想通りだった。映画通りとは思わないが、こうして蘇った人外は頭を潰さないと死なないのが定石である。

    そこでトンファーを振りかぶり、頭を殴る。

    少し陥没したが、倒れない。やはり完全な脳の破壊が必用なのか。

    何度も何度も頭を殴る。

    するとそれはばったりと倒れ、動かなくなった。
  14. 14 : : 2015/08/01(土) 12:43:45
    ジャック「おい!マイク!さっさと行くぞ!」

    マイク「わかってる!早くでるぞ!」

    マイクが老人を背負ってこちらへ走ってくる。もちろん娘も一緒だ。

    ここから一番近いだろう出口を考え、そこへ向かい走る。

    道中は地獄絵図だった。

    人が人を食う。

    これ以上の狂気はあるだろうか。

    途中、何人かの奴らに襲われたが、頭を叩き潰して逃げた。

    そこで、後少しで出口だというところで男と女の二人組が襲われていた。

    二体の奴らに取り囲まれて絶対絶命だ。

    素早くアイコンタクトでマイクと思考を合わせ、その二体の頭を叩き潰した。

    ジャック「おい!逃げるぞ!」

    二人に声をかけ、出口に向かっていった。
  15. 15 : : 2015/08/03(月) 11:34:44
    駅の改札口を飛び越え、階段を駆け上がる。

    外にでた。

    しかしそこは駅内と同じく人ではない何かに変わってしまった者たちに追われ、逃げ惑う人々で溢れている。

    男「お、おい!助けてもらって言うのもなんだが、逃げるあてはあんのかよ?」

    無い。

    そんなのは考えていなかった。外に出れば何とかなると思っていたのはあまりにも軽率だった。

    チクショウ。もう少し考えてれば分かったことを、願望だけで押し通してしまった。

    これじゃあの時と──────

    マイク「おい!おいジャック聞いてるのか!」

    マイクが俺の肩を強く引っ張ってくる。

    男の質問に反応してなかった俺を気に掛けたのか、それとも自分の命に不安を抱えたからか。

    今はどちらでも構わないが、とりあえずは解決策を考えなければ。

    男「おいおい、何も考えて無かったのかよ!何だよそれは!」

    男「ふざけんなよ!なら何で助けた!俺達を餌にでもする気かよ!」

    男が半狂乱で叫ぶ。

    ジャック「......車だ」

    マイク「?車?」

    ジャック「とりあえず車を探して、この街を抜け出すしかない。最悪ここよりもマシな所へは行けるはずだ」
  16. 16 : : 2015/08/04(火) 18:06:30
    マイク「車はどうするつもりだ?タクシーでも呼ぶのか?」

    ジャック「ふざけてる場合じゃない。そうだな、車は......」

    男「そこらへんの車で良いじゃあないか!だから早く行こうぜ」

    マイク「は?何を言ってやがる、盗難だぞ!それも警備関係者の俺の前でやる気か!?」

    ジャック「マイク、マイク落ち着くんだ。お前の言い分も分からないわけではないが緊急事態だ。仕方がないだろう」

    マイク「お前こそおかしいんじゃないのか!?いくら緊急事態だろうとも、直ぐに解決するかもしれないだろうが!」

    男「はっ!アンタこそ大馬鹿者だ!こんなパニックになってんだぞ?直ぐに治まる訳がないね!」

    マイク「こんのクソがきが!」

    ジャック「マイクやめろ!考えてる時間も無いし、こっちには歩けない老人が居るんだ。答えは一つだろう?」
  17. 17 : : 2015/08/04(火) 18:17:55
    マイク「...っ、俺は認めないからな、こんなのは!」

    マイクはそこら辺の車の運転席にドカッと乗っかる。

    ジャック「あぁ、なんなら俺が罰を受けてやるさ」

    俺は老人を後部座席に乗せるのを手伝ったあと、助手席に乗り込んだ。

    マイク「で、どちらに行くのかな犯罪者さん?」

    ジャック「犯罪者か、あながち間違ってもいないな。とりあえず、ハイウェイに乗らなければアトランタは抜けれないだろう」

    マイク「了解だ。お前らせめてシートベルトはしろよな!」

    マイクがアクセルを踏み込む。

    マイクのドライブテクは凄まじいものだった。

    車と車のわずかな間を縫うように進む。

    しかし───

    マイク「クソっ!これじゃあ俺のテクを使ってでも通れねぇよ!」

    ハイウェイの入口では渋滞で動けなくなった車で埋まっていた。

    ドアも開けるすきまが無いようで、逃げる事すらできない。

    ジャック「戻るしかないな」

    幸い、俺達は最後尾なのでUターンが可能だった。

    男「は?戻るって何処に戻る気だよ!もしかしたら直ぐに動くかもだろ!」

    マイク「は?お前は馬鹿じゃないのか?ほぼ街に居たもの達がひとつのハイウェイに乗ろうとしてんだ、渋滞は当たり前だし、動くわけがないだろう」

    ジャック「マイク、やり返しは良いから戻るんだ。行き先は近くのホテルで良い」

    マイク「ホテル?」
  18. 18 : : 2015/08/05(水) 16:03:41
    ジャック「良いから戻れ」

    語気を強くし、拒否権は無いと宣告する。

    かなり我がままだが、これでいい。

    マイク「わかった。どこでも良いんだな」

    マイクがギアを変え、一度バックしてからUターンで来た道を走らせる。

    男「おいおいおい、街に戻った所で何をするんだよ!」

    助手席と運転席の間に男が身を乗り出す。

    マイクは窮屈そうに顔を歪ませた。

    ジャック「アトランタから出たところでこの騒ぎが外までいってない保証が無いからな。それならば内に閉じ籠って治まるのを待つか、もしくはマシになるまで待機していたほうが良い」

    そう告げると男の目が赤く染まらんばかりに目を見開く。

    男「ここに来ようと言ったのはアンタだろ!言ってることが真逆すぎるじゃないか!」

    狭い助手席と運転席の間にさらに身を乗り出す。

    ジャック「そうだ、真逆だ。しかし状況が変われば意見も変わる。違うか?」

    男「クソっ!」

    勢いよく男は後部座席に身を落ち着けた。

    マイク「あそこで良いか?」

    マイクがハンドルを握っている右手の小指を向ける。

    小指が指した場所は人気のあるビジネスホテルだった。

    ホテルの名前が蛍光灯でいつも光りながら展示されていたのだが、電源が止まったのか光りは消えていた。
  19. 19 : : 2015/08/05(水) 16:21:59
    ジャック「あぁ、あそこで問題ない。全員がホテル内に入ったら俺の責任で扉を封鎖しておく」

    マイクが路肩に車を止める。

    ジャック「さぁ、全員早くホテルに入るんだ」

    マイクが先に降り、後部座席のドアを開ける。

    そこから男、女、老人、娘の順に降りていく。

    マイクは老人の助けをし、娘と一緒にホテルに入っていった。

    次に女。そして男が入ろうとしたところでそいつは足を止めた。

    男「なぁ、アンタ。俺ら二人だけでも良いからもう一度ハイウェイに戻らないか?」

    男が眉を八の字に曲げて見てくる。

    ジャック「いや、ダメだ。皆を置いていけない」

    男「あんな奴ら、ただの他人だろ?どうでも良いじゃないか」

    ジャック「確かに他人だが、あの女の子はどう説明するつもりだ?お前の彼女じゃ無いのか?」

    ホテル内に入り、ソファーに座り込んで陰鬱な表情を浮かべている女の子を指差す。

    男「なんだ?知り合いだって言いたいのか。そんなのは関係無いね!彼女だろうがなんだろうが他人は他人。そもそも俺はあいつの事なんか好きじゃねぇしな!」

    一歩こちらに踏み込んできて、胸ぐらを掴みそうな勢いで人差し指を目の前に指してくる。

    その勢いに押され、俺は一歩下がった。

    ジャック「お前、名前は何て言うんだ」

    男「は?今更何を」

    ジャック「良いから言え!」

    今度は俺が一歩入り込む。

    男「スティーブン。スティーブン▪コマンドだ」

    ジャック「そうか、スティーブン。なら言ってやろう。俺達から離れればお前は直ぐに死ぬぞ」

    指をたててスティーブンの心臓辺りをつつく。

    ジャック「お前は頭が固すぎる。それじゃ冷静な判断はできない。早死にするだけだ。わかったんなら後ろを向いてとっととホテルに入れ」

    スティーブンはこちらを睨みつつも素直にホテルに入っていった。

    最後に俺が入り、ドアにトンファーを閂代わりにさした。
  20. 20 : : 2015/08/11(火) 18:57:02
    ホテル内はシンとした空気に包まれていた。

    ほんの数十分前には多くの人間が滞在していたであろうこのホールには、仲間を除いて誰一人居ない。

    どうやらこの騒ぎをいち早く察し、ホテル関係者が客を誘導して避難させたに違いない。

    もし急いで何の準備も無しに出ていったとすると、食糧は有り余るほどあるはずだ。

    この事態がもし長引くようであらば、食糧は必須である。

    何故ならば食糧を輸入したり、生産する者たちが皆無になるからだ。

    すると食糧は減り続ける。そして最後には食糧をかけた人間同士の殺し合いに発展するだろう。

    そうならない為にも、この食糧は確実に確保し、守らなければならない。
  21. 23 : : 2015/08/12(水) 23:01:28
    また、同様な理由で拠点がいる。

    このホテルは滞在するにはもってこいだろう。が、維持をするのに負担が掛かり過ぎる。

    頃合いを見て移動する必要があるだろう。なら、移動するのに必用なものをまとめておくべきか。

    だいたいのものは常識的に考えて先ほどいった食糧だったり、衣類などが最優先だろう。

    しかし、個人の必用なものまでは分からないし、そこは仲間一人一人の考えに任せたほうが良いだろう。

    それと次は武器がいるな。

    どういう訳か奴らは頭部を破壊しなければ死なないらしい。

    死体が動くのだから殺すという表現は少し違うかもしれない。

    とにかく奴らを倒すためには武器しかない。

    ホテルに防犯用の何らかの道具はあるはずだ。

    なんなら厨房の包丁でも何でもいい。頭部を破壊することができれば。
  22. 24 : : 2015/08/29(土) 09:02:58
    その考えから、俺はカウンターに向かった。

    普段は受付の人間しか見ないであろう場所で見慣れず、何処に何が分からないままに漁っていった。

    マイク「おい、ジャック何してる?」

    マイクが不審そうにこちらに向き直り、低く声を発した。

    あまり周りに話回るのは不本意だが、一人くらい知ったおいてもらってもいいだろと思い、先ほどの考えを話す。

    しかし、やっぱりやめときゃ良かったと思う。

    マイク「そう言うことなら他の奴らにも言ったほうが良いんじゃないか?」

    マイクがさも当然といったように発言する。

    ジャック「い、いや、しかし」

    マイク「...?何が気に入らないんだ。拠点を守るのに一人なんて無理だ。遅かれ早かれ協力は求めるだろう?」

    そうではない。この提案はなるべく遅めのほうが良いのだ。

    そう発言したかったが、そうなればマイクは納得せず結果言い争いになるかもしるない。

    それもまた面倒くさい事だ。

    仕方なく、カウンターをマイクに任せ、他のメンバーに話回る事にした。
  23. 25 : : 2015/10/03(土) 10:21:18
    ジャック「よぉ、調子はどうだ?」

    片手をあげ、なるべく警戒されないような軽い調子で尋ねた。

    老人「なんじゃ、何か用か?」

    娘「何かありましたか...?」

    老人はギンとした鋭い眼光を宿し、俺を睨み付けてくる。対して娘は俺にどこか怯えてるかのようだった。

    いや、この世界の状況に怯えてるのかもしれない。

    ジャック「いきなり何いってんだって思うかもしれないが、この事態、すぐに決着がつくとは思わないんだ。となれば救助を待つか、それか立て籠るしか無いと俺は考えてる。救助を待つにしても物資が必要だし、立て籠るにはもっと物資が必要だ」

    老人「ほう?とすると?」

    ジャック「これからこのホテルの事を調べる必要性が出てくる。どこでも良いから調べて来てくれると嬉しい。他のメンバーにも話をつけてくる気でいるよ」

    娘「そ、それで、何を調べれば良いのか、具体的に教えて頂けませんか?」

    ジャック「そうだな、じゃあアンタ達には......すまん、名前を教えて貰えないか?俺はジャックだ」

    娘「わ、私は」
    老人「言う必用は無いぞ!」

    娘が名乗ろうとした瞬間、老人が大声でそれをさえぎった。

    老人「こいつはお前が駅で襲われてても傍観してたグズ野郎だ。名前なんて教える必用は無いぞ!」

    娘「で、でもおじいちゃん!彼のお陰で私は助かったよ!?名前くらい良いじゃない!」

    老人「......。勝手にしろ」

    そう老人は言い残し、杖をカツカツ鳴らして離れていってしまった。
  24. 26 : : 2015/10/03(土) 10:31:11
    ジャック「ずいぶん嫌われたようだな、俺は」

    娘「気にしないで下さい。たぶんおじいちゃんも気が動転しちゃってるんですよ。あ、それと私はローズ▪キャロルです」

    ジャック「あぁ、わかった。それと、調べるのはやっぱり後で良いよ。じいさんと和解することが先決となりそうだ」

    俺がそう言うと、彼女はクスッと笑った。

    ローズ「はい、わかりました。でも、おじいちゃんには私から言っておきますので、他の人にもそのお話をしてきてもらっても構いませんよ?」

    ジャック「そうか、それは助かる。なるべく早く対策は打ちたいからな」

    そう言って俺は手を軽くふってその場を後にした。

    次に向かったのは、カップル...の彼女の方だ。あのスティーブンの姿が見えない。

    トイレだろうか?

    ジャック「やぁ、気分はどうだい?」

    女「あ、あの、駅では助けて頂いてありがとうございます」

    彼女は勢いよく座っていたソファから跳ね起きるとすぐさまに頭を下げた。

    ジャック「良いって。顔をあげてくれ。それと、俺はジャック。君は?」

    女「あ、そ、そうでした、名前忘れてましたね。私はサラ▪ミハエルと言います」

    ジャック「そうか、サラと言うのか。今から大事な話をしようとしたんだが...スティーブンが居ないな」

    サラ「あ!大丈夫です、私が後から伝えときます」

  25. 27 : : 2015/10/03(土) 10:45:08
    ジャック「そうか、それは助かる」

    そうして俺はローズにも話した通りに1から説明した。

    サラ「た、確かに、物資が無ければ大変ですもんね」

    ジャック「ま、そういうことだ。彼のほうは頼んだぞ?」

    サラ「はい!お任せ下さい」

    その返事を聞き、俺はマイクのもとへ戻った。

    ジャック「これで気がすんだかい?」

    両手のひらを天井に向け、肩をすくめた。

    マイク「作戦は皆に伝えなければ作戦として起動しない。ただの悪巧みとなんらかわりないさ、自分だけに留めていたらな」

    ジャック「ハイハイ」

    俺が2度目の肩をすくめた。

    と、

    スティーブン『誰だ!』

    ホテル一階にスティーブンの大声が響いた。

    マイク「異常事態かっ!」ダッ

    ジャック「みたいだ!」ダッ

    俺はベルトからニューナンブを抜き取り声のした方向に走った。

    奥の階段手前にスティーブンはいた。

    マイク「何があった!?」

    スティーブン「わ、わからない。けど、確かに誰かいたんだ」

    ジャック「姿は!?」

    スティーブン「知らねぇって!本当視界のはしに影か映っただけなんだよ!」

    マイク「まさか!奴ら!?」

    ジャック「いや違う。それにしては移動が速いし、何より人間が多くいる所に向かってくるだろう」

    マイク「ってことは......」

    ジャック「他の人間がいたのか...」

    俺とマイクはスティーブンを放っておいて2階へ上がった。
    長い廊下に沢山のドアが並んでいる。

    ひとつだけ...スキマが開いている扉があった。

    マイクと目配せをして、ドアをマイクに開けてもらい、ニューナンブを構えて俺は部屋に踏み込んだ。







    瞬間、何かに跳びかかられた。
  26. 28 : : 2015/10/03(土) 10:47:11
    S1

    Ep1
    「出会い」

    End



    To be contnued
  27. 29 : : 2015/10/03(土) 10:54:55
    イメージ程度に。

    ジャックです。

    http://www.fastpic.jp/images.php?file=0761131136.jpg
  28. 30 : : 2023/07/04(火) 22:21:10
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
    http://www.ssnote.net/archives/90991
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
    http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
    toyama3190

    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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