このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
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トオル「兄さん!!」ヒロキ「どうしたんだい、トオル?」【ぼくのゆうしゃ】
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- 1 : 2015/06/28(日) 16:09:53 :
- 注意
マイナー作品
知っている人も少ないので軽くキャラ説明
ヒロキ
トオルの兄 恐らく小学6年生 達観している 病弱 ブラコン
トオル
ヒロキの弟 小学4年生 元気 もはや狂信ともとれるブラコン
トオル「兄さん、兄さんっ!!」
ヒロキ「だからどうしたんだい?」
トオル「……えっと、アイス」
ヒロキ「アイス?」
トオル「ア、アイスがないんだ!漬物もない!」
ヒロキ「うん」
トオル「だから、早く、買わなきゃいけなくて……だから、一緒に買いに行こう?」
ヒロキ(なんか様子おかしいなぁ……)
ヒロキ(まぁ、もちろん行くけど、調子もいいし)「うん、いいよ」
トオル「! ほんと!?わーいっ!」
ヒロキ(かわええのう)
こうして僕たちは漬物とアイスを買いに外に出た。
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- 2 : 2015/06/28(日) 16:26:49 :
- まず、僕たちはコンビニに行くことにした。
ちなみにお金はいっぱい持ってきた。
ヒロキ「あれ……漬物ないな……」
トオル「だねー、お菓子でも買って別のとこ行く?」
ヒロキ「え、買うの?」
トオル「正直持っていきすぎたしね、お金」
ヒロキ「……アイスの代わりとかにはトオル「ならないよ?」ヒロキ「……そう」
そんなこんなで取りあえず僕たちはたけのこの○ときのこの○を買った
この後食べながらきのこたけのこ戦争をした、僕はたけのこ派
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- 3 : 2015/06/28(日) 16:50:05 :
- ヒロキ「な、なんか喧嘩してたらいつのまにかスーパーについてたねトオル……」
トオル「だね……」
ヒロキ「とりあえず、さがしてみよっか」
トオル「うん」
スーパーは人が多かった。はぐれないようにトオルと手をつなぎつつ歩く。
トオル「……あっ、見て兄さん!」
ヒロキ「何?」
トオル「あのじゃがいも、なんか顔みたい!」
ヒロキ「あ、ほんとだ……ってくだらなっ!」
トオル「それはさておきだよね、アイスと漬物探さないと」
変な事を言ったのはトオルなのだが。
まぁとりあえず探してみるが……驚くことに、またなかった。
ヒロキ「また!?」
トオル「漬物とアイス人気なんだね。うれしいな、漬物の魅力がそこまで広がったなんてさ……!!」
ヒロキ「……仕方ない、次行こう」
その後、なぜかトオルがこっそり林檎を買ってたので近くの公園の水道で洗って食べながら行った。
なんとなく、人々の動きが不思議な気がした
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- 4 : 2015/06/28(日) 17:11:16 :
- トオル「兄さん、こっちこっち!」
ヒロキ「わっ、ちょ、待って待ってー!!」
トオルに凄い勢いで手を引かれつつ、デパートにつく。
トオル「じゃ、探そう!」
ヒロキ「うん」
デパートもだいぶ人が多かったので、トオルと手をつなぐ。
心なしか不安そうだ。
そうして探すこと数時間。
やっと、アイスと漬物は見つかった。
ヒロキ「や、やっと見つかった……はやく買って帰ろう、トオル」
トオル「……」
ヒロキ「? トオル……?」
トオル「……なんでもないよ……レジに行こう」
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- 5 : 2015/06/28(日) 17:11:22 :
- ……何か、とてつもなく嫌な予感がした。
レジへ進むトオルの足は酷く遅く、また僕もトオルの手を強く握っている。
そして、レジで会計をすませ、レジの店員さんが口を開いて――
「お買い上げありがとうございました、さよなら、さよな、さyyyyyyyyyyyyyんんああああああななああああrrrrrr」
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- 6 : 2015/06/28(日) 17:16:58 :
- ――的中した。してしまった。
店員さんはこっちを濁った眼で見てくる。死んだ目で見てくる。そしてさよならと――
トオル「……!!」
トオルの顔が絶望に染まる。
そしてその言葉と同時に周りにいた人々が、どろりと溶けて見にくい怪物の黒いシルエットになり、こちらをぎろりと見つめた後に。
……トオルに向かって、そのおぞましい手と足を伸ばして――
ヒロキ「トオルっ!!」タタタッ
トオル「兄さん!」タタタッ
・・・・・・・
刹那、僕はトオルの手をつかんで……病弱だったはずの、自分の身体を走らせ、逃げた。
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- 7 : 2015/06/28(日) 17:22:30 :
- いつの間にか、周りの景色も変わっていた。
紅い空。肉塊。黒い雲。雷の音。トオルに似た声のケタケタという笑い声。――真っ赤な、血に染まった海。
地獄のような景色を僕はただ走り続ける。
大好きな弟を二度と失わない為。トオルを守り抜くため。トオルを生かすため。
なのに……気付いてはならないことに気付いた。
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- 8 : 2015/06/28(日) 17:25:09 :
- な ぜ 、 病 弱 だ っ た は ず の 僕 は 、こ ん な に 走 れ て い る ん だ ?
気付いた瞬間に――
トオル「離して!」バチンッ
手を、はたかれた。
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- 9 : 2015/06/28(日) 17:28:11 :
- 呆然とトオルを見つめる。
すると、トオルはその黒い怪物たちの方に向かっていく。刹那、トオルの身体に怪物の手が付きまとう。
まるで、取り込もうとするように。
ヒロキ「……トオル……なん、で「気付いてるでしょ?」「え」
トオル「……もう、気付いてるでしょ?」
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- 10 : 2015/06/28(日) 17:33:52 :
- うつむいていた顔をトオルはあげる。
その顔は。
屈託のない、笑顔だった。
ヒロキ「……」
恐怖を、感じた。嘘めいていた。歪んでいた。
そしてトオルは笑顔のままで言う。
「兄さん。きっと辛かったけど幸せだったよ、皆と過ごした日々。最期に、兄さんの為に、家族の為になれるなら、僕は、とてもとても悲しいけど、とてもとても嬉しいから」
最期?最期って?
何を言っている?どういうことだ?
「――ありがとね」
「兄さん、そして」
「 」
刹那。
全て思い出した。
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- 11 : 2015/06/28(日) 17:43:56 :
- 「そうだ病院行かないと!」「ご主人は勇者として召喚されたのですぞ!」「俺様は大魔導師ファルディオ・メルクリウスだ!」「トオルさん!」「浅漬けにしてみたんだ!」「こんの浅漬けバカアアアアアアアアア!!」「僕の命の使い処は僕が決めるんだ」「おい、トオル、お前どうしちまったんだよ!」「あはっ、あはははははっ!あはははははははははは」
「彼を救うために彼を」「不意打ちとかは嫌いなんだ」「××……」「おっと、手が滑りました」「やめて!」
「キミは……」
「 だ」
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- 12 : 2015/06/28(日) 17:46:25 :
- ヒロキ「……あ、あ……」
思い出した。
そして悟った。
あの時と同じで。僕は、また、また。
大切な弟を守れなかった。
また、失ってしまった。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「兄さん」
「最後に過ごせて楽しかった。短かったから、残念だけど。さよなら、どうか幸せで」
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- 13 : 2015/06/28(日) 17:48:35 :
- 目覚めると、そこは病室のベッドだった。
もう一つのベッド。その近くでごめんなさいをくりかえす……僕の、母。
そしてそのベッドの上には。
青白くなった、トオルがいた。
終わり
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- 14 : 2015/06/28(日) 17:50:40 :
- ノンストップで書き終えた……。
詳しく知りたい方は原作を買ってね!(仲間を増やしたいがための販促)
トオルが最期にヒロキと過ごしたかった話です。すっごい短い。
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