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西園寺「大嫌いなあんたに向けて」

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  1. 1 : : 2015/06/01(月) 20:02:30
    「田中さん、今日の委員会御一緒する約束でしたよね。」

    腰まで伸ばした金髪の髪、陶器のような白い肌、フランス人形のように整った顔を持った彼女が男子生徒に話しかける。

    「そうだったな、ではメス猫よ。着いてくるがよい。貴様にその闇の深淵を見る覚悟があるならな」

    男子生徒は演技がかった様子で女子生徒に返答する。正直言って気持ち悪い。

    「ソニアさーん、オレも御一緒しますよ 。いやさせてください、何でもしますんで。荷物運びとか荷物運びとか。」

    髪を派手な色に染めた男子生徒が金髪の女子生徒に話しかける。気があるのだろう。下心まるだしで本当に気持ち悪い。

    私の右斜め前の席でそんなやりとりをした後、わいわいがやがやと騒ぎながら教室を出て行く。

    本当にマナーがなっていない。

    イライラした気持ちを押さえつけ、わたしは引き出しからノートや教科書を取り出し鞄に詰める。

    今日もまた稽古の時間が始まる。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    舞っている時は無心だ、人間関係だとか、そんなもの気にしなくていい。

    美しい着物に身を包み、舞台に立つことを想像する。

    あの時、あいつら客の視線は独り占めだ。

    誰も私から目を逸らすことはできないし許されない。

    押し潰されそうなプレッシャー。

    そんなもの跳ね除けられる。

    跳ね除けないと、私自身をあいつらに、周りの人間全員に、認めさせることはできない。

    私は扇子をぱっと開いた。

    きっかけがなんであれ、今の私が純粋に日舞が好きということにはかわりないが。
  2. 2 : : 2015/06/07(日) 20:23:31
    「でさー、もう本当ムカつくのー。朝から髪留め見つかんなくてさー、大変だったんだよ。」

    昼休み、学食で昼食をとる。わたしと小泉は持たされた弁当を、澪田と罪木はコンビニで買ったであろうパンを持参していた。

    「そーいえばサトウは?」

    「部活の集まりがあるんだって、昼食もそっちの仲間で食べるらしいよ。」

    「ふーん…」

    ここに居るとは思わないが、わたしは辺りを見渡した。

    すると、昼食を食べているひとつのグループに目がついた。

    昨日騒ぎながら帰って行った奴らだ。

    楽しげに会話している。

    派手な男子がふざけたのを、金髪の女子とコスプレ男子がたしなめているようだ。

    「あ、日寄子ちゃん!蜜柑ちゃん!唯吹ちゃんごめん!今日部活の集まりがあったんだった!先戻るね。」

    小泉が慌ただしく学食から出て行く。

    「おねぇらしくないね、あんな焦って。」

    心配事でもあるのだろうか。

    わたしは、ご飯を箸で持ち上げ口に含む。

    「そうっすよねー、なんからしくないってゆーかー…て唯吹も集まりあったんすよ!すっかり忘れてたっす!」

    食べ終わったゴミを捨て、小走りに学食を出て行く。

    「澪田おねぇはいつも通りっぽいよねー。本当騒がしいよ。」

    「そうですねぇ…。」

    「何同意してんだよゲロブタ。」

    「ふぇぇ…!!すみませぇぇん!」

    苛立たしげに罪木に返答すると、慌てた声で謝ってくる。

    そんな風に弱者気取ってりゃ味方が増えるとでも思ってんのかよ。

    「2人きりじゃん、しかもあんたと一緒とか本当めんどくさい。最悪。」

    「すみませえぇん!…でも、私達以外にも此処で食べてる人いますし…2人きりではない気が…。」

    「うるせぇよゲロブタ!そんな細かいこと気にしなくていーんだよ。つーか喋んなよ、飯が不味くなるじゃん。」

    「ふぇぇ…すいません…。」


    ふと、先程目に入った三人が気になった。

    目をやると、席から立ち上がり教室に戻るところらしい。

    三人は喋りながら学食を出て行く。

    それを目で追いながら、わたしは苛立ちを募らせていた。
  3. 3 : : 2015/06/11(木) 23:50:28
    口に入れたものを、咀嚼し、飲み込んだ。茶を飲み、息をひとつ吐くと、わたしは目の前に座っている奴に話しかける。

    「わたし、あいつ嫌いだなー。いっつも男侍らしてさ、他所の国でも女王様気取りかよ。」

    罪木は、ビクッと体を震わせてから言葉を返す。

    「ソニアさん…ですかぁ?よくあの二人と一緒にいますよねぇ…。」

    ビクビクしながら、こちらを上目遣いで見てきやがる。

    「あんな風に、周りから愛されるのが当然、みたいな顔してさー。目障りったらないよ。」

    わたしは、握り箸で弁当の中の卵焼きを突き刺す。口に入れ、よく噛んで、味わった。

    「てかあんたも珍しいよね。健康に気を遣ってるあんたがそんなコンビニパンだなんて。なんかあったの?」

    罪木は、視線を下げた。身を縮こまらせ、こちらから目を逸らす。

    「別に…何でもないですよ。」

    不自然に笑い、誤魔化すこいつに思うものがなかった訳じゃない。

    「ふーん…別にいいけど。」

    だとしても、それに構ってあげられる程わたしだって暇じゃない。
  4. 4 : : 2015/07/01(水) 21:03:32
    下駄箱で靴を履き替え、わたしは教室に向かう。

    すれ違う教師や、級友達に挨拶を交わしながら、少し急ぎ足に歩いていた。

    「小泉おねぇー!」

    親友の小泉を見つけた私はそこに駆け寄った。

    わたしは小泉に抱きつき、朝の挨拶を交わす。

    「日寄子ちゃん、なんか良いことあったの?なんだか元気だね。」

    「うん!今度の公演ね、チケットもらったからさ、小泉おねぇは観にきてよ!」

    「日寄子ちゃんの舞観られるんだ、行く行く!楽しみにしてるね。」

    「うん!小泉おねぇが観に来てくれるならいつも以上に張り切るから!」

    わたしは小泉の手を取りはしゃぐ。

    今度の為にいつも以上に練習に力を入れよう。

    「あら、何を盛り上がっているのですか?」

    二人の会話に、別の声が混じった。

    声のした方を見ると、

    「まぁ、何を話してらっしゃるのですか?わたしも混ざってよろしいでしょうか。」

    わたし以外を、心地の良い気分にさせる声が、まるで人形の様な口元から発せられる。

    「ソニアちゃんも興味ある?日寄子ちゃんの舞台があるらしくてね。」

    「おおーっ!日本舞踊ですね!前々から興味があったのですよ。」

    ソニアが目をキラキラさせながらそう言った。

    「だったら日寄子ちゃんの日舞の映像観る?動画サイトにUPされてるよ。」

    「まあ、そうなんですね!では早速今日調べてみますね。」

    わたしは二人の会話を横で見ていた。

    わたしと二人で別々に切り離された感覚に、自身のリズムが狂った様な苛立ちを感じた。

    「西園寺さん、何かオススメしてもらっても宜しいですか?」

    せっかく折った鶴を、ハイヒールで潰された気がした。

    「別にあんたに見てもらわなくたっていーんだけど。」

    鶴に代わって渡されたのは、可愛い小箱。中にはキラキラと光る鏡が入っていた。

    「見たいなら自分で探してくんないかなー。あんたなんかに付き合ってる暇わたしにはないの。」

    わたしは、それを叩きつけて踏み潰す。

    「あ、でもー王女様なら、周りの人が勝手にやってくれるもんね。わざわざ自分で探す必要ないかー。」

    西園寺は教室に入り、自分の席に腰を下ろした。

    爪をいじり、気持ちを落ち着かせる。

    日舞に興味を持つ人が増えそうだった。

    超高校級の王女ソニア・ネヴァーマインド、あいつが日舞に興味をもてば、この業界も今より活気が湧くかもしれない。

    だから何だ。

    あんな奴に媚びへつらうなんて、わたしはごめんだね。



  5. 5 : : 2015/07/31(金) 20:17:03
    藍色の空に濃い朱色が走っている。

    日暮れの風が、少女に強く当たる。

    「寒い。」

    そう呟いて寒さを紛らわそうとするが、大した効果は得られなかった。

    西園寺は、今日自分が半袖のカッターシャツを着たことを後悔し、腕を抱える。

    今、自分は情けない格好をしているのではないだろうか。

    そう思った西園寺は、背筋をシャンとし、視線を前にして歩いた。

    すると、金髪の髪を揺らしながら走る生徒を見た。

    こちらに向かっている。

    その生徒は、かなり急いでいる…いや焦っているようだ。

    青ざめた顔をして、白い肌がいつも以上に青い。

    「西園寺さん…!」

    「おま…、こっち来んなよ!」

    「逃げて!」


    黒い服の奴らに、ソニアは追いかけられていた。

    西園寺は、それに巻き込まれた。




    小さな小屋に、二人は閉じ込められた。

    暗く、じめついていて、虫が何度か体に登って来た。

    日はもう沈んだ。

    この場所から出られた所で帰る道すらわからない。

    どうすればいいのだ。

    涙を堪え、必死に思索を巡らせるがさっぱり答えは出てこない。



    深く、息を吐いた。
  6. 6 : : 2015/08/07(金) 19:29:00
    「西園寺さん、大丈夫ですか?」

    制服姿で横たわる少女を、金髪の育ちの良さそうな少女が揺すりさながら声をかけている。

    「うるさいなぁ…なんなの。」

    西園寺は右手で目をこすり、左手のひらを床につけ状態を起こす。

    左手についたほこりに西園寺は顔を歪めた。

    「お怪我はありませんか?」

    「そんなことより、ここどこよ。何でこんなとこいんの?」

    「誘拐されたんです。わたくしに巻き込まれて…申し訳ありません。」

    西園寺はそれを聞いて、直前の出来事を思い出す。

    左手に付いた埃を払いながら、西園寺は呟いた。

    「最悪、ありえないじゃん。公演も近いのにどうしてくれんの、今日の練習にも出られないし。」

    「西園寺さんなら、1日くらい練習しなくても大丈夫ですよ。ほんの…ひと休みだと思えば…。」

    「なんにも知らないクセに、エラそーなこと言ってんじゃねーよ。あんたなんかさっきの誘拐犯に誰にも言えない様なことしてきてもらえよ。」

    西園寺は苛立たしげに唇を噛み、壁を蹴る。

    「そもそもあんたさ、出る方法見つけたの?それすらないのに、空っぽな言葉吐かないでくれない?気分悪いんだけど。」

    西園寺は爪を弄りながら、言葉を返した。

    「そう…ですよね。申し訳ありません。」

    「謝ったら済むと思ってるんでしょ、許すわけないじゃん。てゆーかさ、1番最悪なのはあんたと一緒だってことなんだけど。話しかけないでよ、謝罪も受け入れないから。」


    「ですが、ここから出るなら二人で協力した方が効率的ですよ。」

    「だったら何か策が見つかってから話しかけろよ。ビッチがうつるじゃん。」

    「気を紛らわすためにも、会話は必要不可欠だと思いますよ。」

    「…勝手にしてよ。」

    西園寺はひとつ溜息をつくと、ソニアに背を向けてしゃがみ込んだ。






    暫くの沈黙の後、ソニアは口を開いた。

    「西園寺さんは、日舞をやってらっしゃるのでしたよね。」

    会話のきっかけ作りに、無難な質問を選ぶ。

    「わたくし、日本の文化に興味がありまして…この留学を機により深い知識を得ようと思っていたんです。」

    「…ソニアおねぇの間違ったり偏ったりしてるその知識を、もっとひどくしたいの?そんな知識意味ないよ、もっとお国の為にすることがあるんじゃないの。」

    「意味がないことありません!どんな知識でも、様々な物事に繋がり、広がり、見たことのない世界を見ることができるのです!」

    ソニアは声に熱を込め言った。


  7. 7 : : 2023/08/08(火) 15:34:21
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    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
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    ちょっと時間あったから3つだけ作った

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    アカウントの譲渡について
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    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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Arute28

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