俺の田舎は腐っている
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- 1 : 2015/05/14(木) 21:22:40 :
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親の都合。夜逃げ。そんなこともあり、近代文化とはかけ離れた沼池村(ぬまいけむら)に引っ越すことになった。
沼池村は人口―1300人。
山に囲まれた孤立した村。
青草と古民家しかない貪臭い場所よ。
暑苦しい蝉の音。
ミーーンミーミーン。
雑草が道路に生えているバス停で私は待つ。
「雪ノーん。雪ノーん」
(あたしの名前は由比ヶ浜結衣。最近引越してきた雪乃下雪乃の友達よ。えへへ。)
「由比ヶ浜さん、暑いから離れてくれない?」
貧乳に顔を埋めこむ巨乳ビッチは顔左右にふった。
「でへへへ。だめですよーー」
私はこの女が嫌い。馴れ馴れしい。それに巨乳だわ。
なぜか友達になってると勘違いしていの。
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- 2 : 2015/05/16(土) 22:51:43 :
- ガタガタとバスの車輪が砂を切る。
景色は及第点ね。なにもなければ良い場所だけど・・・田舎独自の人間関係があるから嫌なの。外にでれば知らない小母さんや小父さんに親しくもないないのに声をかけられ、家では知らない人が食事をもって着たり・・・しかも不味いの。
特に路利下(ろりした)て隣人が食事をもってきたときは・・・寒気がしたわ。
この私を許嫁にしてやるて言ってきたわ。
しかも、デブ不潔あとメガネが気持ち悪いの・・・
あんなやつの料理を食べるなんて最悪だったわ。
「雪ノン?大丈夫?顔色が変だよ」
由比ヶ浜が座席から振り返る。
「大丈夫よ。少しだけ車酔いをしただけだわ」
由比ヶ浜は瞳に雫を浮かべ、言葉を震わせた。
「あたしじゃ力になれないかもだけど・・・雪ノンが困ってるなら力になるからね」
「ありがとう由比ヶ浜さん。だけど心配はいらないわ。本当にバスの揺れに酔っただけだわ。」
本当に馴れ馴れしいわ。だけれど・・・素直にありがとうて思えた。
彼女いわく、私は友達なのね。・・・友達なんて作るつもりはなかったのに・・・
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- 3 : 2015/05/16(土) 23:34:22 :
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夕暮れ7月10日 沼田小学校前
「湯和佐さん。お久しぶりです」
落ち着いた声で由比ヶ浜は青いワイシャツに長髪を止めた若顔の男に挨拶した。
「こんばんわ。君は確か・・・奈々の同級生だった由比ヶ浜さんだね」
「はい、そうです」
男は学校前の墓石に再び手を合わせた。
「もう10年か・・・奈々が生きていれば君と同じ高校生だったね・・・」
暗い声を出し笑う男は悲しみを抑えた。
「ありがとう。奈々達も君が来て喜んでいるよ」
「そうですね・・・」
「ところで後ろの君は見ない顔だね」
由比ヶ浜の背後から黒髪の女は顔をだした。
「はい、最近引っ越して着たばかりなもので」
由比ヶ浜は一歩前に出て雪乃について話した。
「そうですか。路利下荘の前に引越してきた家族だったんですね」
「由比ヶ浜さん、よかったですね。」
「はい。嬉しいです。だって同性の同級生は始めですから」
嬉しそう笑みを浮かべる。
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- 4 : 2015/05/17(日) 00:22:09 :
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僕の名前は路利下幸之助(ろりしたこうのすけ)31歳独身だ。
町で一番の権力がある家に生まれた偉い子なんだ。
僕は偉いけど・・・この町は糞なんだ。
あるけば爺婆に豚ちゃんダイエットしろだの。働いてるかい?幸助くんだって。デブでも幸助でもねーつの。
ああーいやになちゃうよ。本当もーー。
「おお・・・バスの音だ」
そうだ。こんな糞田舎にも春がやってきたんだった。
雪ノ下雪乃がやってきたんじゃないか。へへへ
ぐいぐいぐい。男はズボンに手をいれて右手を動かした。
「おーい雪乃。俺の飯食いてーか?」
雪乃は本で顔を隠した。しかし、その手は震えた。
どうしてこの男は私ばかりに絡むの?・・・姉さんに絡むべきよ・・・だって私の方より姉さんのほうが歳も近いのに・・・きっとそうね。ロリコンなんだわ。ならもっと歳の小さいィーーーー子が引っ越してくれば。・・・私が助かるのにーーーー。
汗をかくデブは雪乃の手を掴もうとした。
「辞めてー」
大きい悲鳴が森を駆け抜けた。
驚くデブは悲鳴とともに絶頂にたしった。
「あああ。だめじゃないか雪乃。そんな声だしたら興奮するじゃないか・・・」
図太い声は雪乃を走らせた。
針葉樹の森に逃げた雪乃。それをみた男は笑った。
「もうそろそろ、あの子も玩具にしてあげようかな。へへ」
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- 5 : 2015/05/17(日) 11:03:38 :
- 夜 7月10 森
「はーはーは」
どこまで走ったのだろうか。無我夢中で来た道を覚えてはいられなかった。
それにしても妙な場所だわ。ダンボールが沢山置いてあるわ。
ホームレスの人でもいるのかしら。
雪乃はダンボールの蓋を好奇心から開いてしまった・・・
「いやーーーーー」
腐った顔だった。
しかも雪乃と同じ髪型の腐った顔である。
そして高校の制服もオソロイ。
「はぁはぁ、どうして死体がこんなところにあるの?」
雪乃は現実逃避するかのように両手を頬に当てる。
「ま…さか…」
死体の口から白い何かが溢れた。
髪型、顔立ち、胸の大きさ。。。全部私そっくりだわ。
そして白い濁液。
あの男がやったに違いないわ。
ああああ・・・はああああ・・・・うううう。
雪乃は恐怖で足が動かなかった。
そんな雪乃の背後から足音がした。
ガサ、ガサ、一歩づつ確実に迫った。
どうして?私の足は動かないの?・・・金縛りなんてあるわっけないのに。
動きなさい。私のあしーーーあああ。
ガサ、ガサ、グイグイ。
あいつだわ。あいつがやってきたんだわ。
逃げなくちゃ。。。だめ逃げたいのに足が動かない。
ガザ・・・
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- 6 : 2015/05/18(月) 00:56:16 :
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ガサガササ
ガサ
ガ
「雪ノン?」
「由比ヶ浜さん?どうしてあたながここにいるの?」
由比ヶ浜がライトを持って草むらから出てきた。
彼女の顔は真っ青だった。
「雪ノンがいなくなったから心配で心配で」
由比ヶ浜が涙を浮かべた
雪乃は安心し肩を降ろした。
「ありがとう由比ヶ浜さん。私、怖くて怖くて」
由比ヶ浜が雪乃の手を引っ張る。
雪乃はお礼を言い、ここにある死体について話した。
「本当だ雪ノンそっくりだ」
死体を見る由比ヶ浜の反応はおかしかっ。
「由比ヶ浜さん、死体を見ても平気なの?」
「平気だよ。このぐらい。だって雪ノンがそばにいてくれるし。怖くないよあたし」
「由比ヶ浜さん・・・」
雪乃と由比ヶ浜は手を繋ぎ森を抜けた。
「由比ヶ浜さん、怖いの私。できたら、家まで送ってほしいわ」
「うん。だけど、警察に連絡するのが先だよね」
「警察・・・だめよ警察は・・・」
雪乃は由比ヶ浜の手を強く握り、見つめた。
「うん。わかった」
由比ヶ浜は何かを察してうなずいた。
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- 7 : 2015/05/18(月) 09:09:35 :
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7月10 雪ノ下家
忌々しい路利下荘が向かい側の家。木造ハウスの平屋。
夏は隙間風で涼しく、冬には暖炉で暖めれるの。
快適・・・あいつがいなければ・・・
「雪乃、どうして約束を守らなかったの?」
雪ノ下都(ゆきのしたみやこ)雪乃の母である。
「約束?なんのことかしら?」
「路利下さんとの食事よ。あの人の手料理よ。」
雪乃は母に手を掴まれ、ハタイタ。
「いい加減にして、私はあの男が嫌いなの…」
「約束なんてあいつの虚言よ。わたしがあんなやつと約束なんてするはずがないわ。あんなデブと約束するぐらいなら死んだほうがましよ」
「雪乃、わかるでしょ?あの人達のおかげで私達が生きていけるのよ?」
「あの人が機嫌をそこねたら…私達は生きていけないわ」
「辞めてよ、もううんざりだわ!」
雪乃は母のしつこい手から逃れ部屋に逃げ込んだ。
母は泣きだし。
子は震えながらも部屋に戻り、鍵と窓を閉めた。
ぺチャぺチャ。
何かしら?
ぺチャぺチャ
ははああは・・・ううう
ネトネト
私の椅子に白い汚物。
ネトネト
ひーーー
布団にまで・・・
まさか・・・
スーウ
下着にも汚物が・・・
もうーーなんなのよ。
鍵はちゃんとしめたのに・・・どうして?
ぴーん
あの光は何かしら?
ピーン
カメラ・・・
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- 8 : 2015/05/19(火) 10:21:58 :
- 以前まで、私の部屋はベット、机、タンス。あとはパンさんの人形が置いてあるだけのシンプルな部屋だった。
しかし現在は・・・
スベスベシーツがカピカピにされ、タンスの中は戦場。
戦場の中には盗聴器、その周辺からはカメラが仕込まれていた。
きっと私の反応を見て聴いて楽しむためでしょう。
あーあー。なんておぞましいのかしら。
あの男が私の全てを見ているなんて・・・
吐き気が止まらない。
私は服を洗濯にだし、体を流すことにしたわ。
ガラガラー「…」
雪乃は下着を脱ぐ寸前に過ちに気づいた。
ヤツが風呂場にもカメラ仕込んでいることを・・・
し・・・死にたいわ。
あんなやつに生きたまま犯されるくらいなら、死んだほうがましよ。
そうよ、このベトベトごと死んで流してやる。
雪乃は歯を食いしばり。べトべトの制服をタオルで拭き涙を流した。
涙の決意は止まらず。倉庫にある縄と鎌をバックにしまい、外に出た。
・・・あいつを殺して・・・私も死ぬ。
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- 9 : 2015/05/21(木) 14:51:08 :
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路利下荘 深夜
ハエが野外照明に集まり、木々が風に揺れた。
そこには雪乃が衝動的な怒りに呑まれ、まるで鬼のような目つきで立っていた。
「殺してやる・・・殺してやるわ・・・ふふふふ」
路利下荘は綺麗な木造建築2階建て、上からみるとL字の建物だ。
正面には無数の巨大な窓が光を放ていたる。
その光は雪乃姿を鮮明に表した。
ガラガラー
ベランダの窓から白髪の老婆が出てきた。
「こんな時間になんの用ですか?」
雪乃は不気味な声で笑い、老婆の後ろに回った。
「なんですの?悪ふざけがすぎますわ」
老婆が後ろを振り返った瞬間・・・鎌が老婆の首にふれた。
「うううーーー、な・・何を」
「静かにしてちょうだい。騒いだりしたら彼方の醜い顔が切り落とされるわ」
「ははははひーーー」
「今から彼方を縄で縛るわ。抵抗しないでね」
老婆を縄で縛り、袋に詰める。
「ううううう」
雪乃は老婆、路利下京子を台車に乗せ別館の蔵に運んだ。
蔵は瓦の屋根と、岩が床に敷き詰められていた。
「貴女、こんなことをやってただですむと思っているの?」
「豚母さん、大丈夫よ。証拠は残さないから安心して・・ふふ」
血走った雪乃の目つきと、その言葉で老婆は死を悟った。
「ははは、はんさ、話をしましょう。落ち着いて雪乃さん」
雪乃は蔵にある工具箱を京子の素足に落下させた。
「あああああ・いああああ」
京子は足の指の激痛で目を開き口を曲げ悲鳴をあげた。
【覚えてるかしら、貴女が私にした嫌がらせ】
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