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  1. 1 : : 2015/05/09(土) 09:32:42
    友人

    『この世に 俺より強ぇやつがいるなんて思いもしなかった』
    『これが巨人ってやつか…本当にいやがったとは』
    『それも 壁の中に…』
    冒頭は 過去を振り返っているケニーの語りから
    銃をかまえるロッド「ウーリ!!!」
    「そのまま捕まえておけ!」
    どうやらかつての若かりし頃のケニーがウーリとロッドの馬車を襲ったものの逆にウーリの巨人の力によりその巨大な手に捕らえられてしまっている様子
    またウーリは巨人の力を使いこなしているからか 上半身のみ発現させた巨人のうなじからその身を現しており 意識の方もしっかりとしているといったところ
    ウーリ「待てロッド 撃つな」
    ケニー「ッ!!」
    ロッド「我々の存在を彼に漏らした者が議会関係者にいるようだ それを明らかにしないといけない」
    ケニーを睨みつけているロッド「ならば力を使ってこの刺客に喋らせろ..!」
    ケニー「!」

    だがウーリはそれが叶わないのだ とこたえる
    ウーリ「ー察するに彼は…」
    「アッカーマンの末裔 ではなかろうか」
    「であれば…私に刃を向ける理由は彼自身にある」
    ケニーの目をしっかりとみすえながらそう続けるウーリ

    ドッ
    ロッド「!!」
    「ウーリ!!」
    が その瞬間捕らえられたままのケニーが投げつけた短剣がウーリを襲う しかしそれを左腕で防いだウーリは短剣が深々と突き刺さりながらも全く表情を崩すことケニーを見つめかえしている
    ケニー「あぁぁクソッ!!!!」
    「許してくれよ~あんたホンモンの王様なんだろぉ~!!放してくれよ~見逃してくれ~!!」
    そして恐怖から気が動転したような表情でわめきはじめてしまうケニー
    「俺を逃してもう一度チャンスをくれよおぉぉ!!今度はちゃんと寝こみを襲いますからぁぁぁ!!」
    「いたぶり○しててめぇの頭ん中にくそを詰めようと思ったのは実際ナイスアイデアだし!そんな俺のクリエイティブなセンスがまずかったんです!!ー」

    『ー圧倒的な強者を前にした俺は脆かった』
    『なんせ文字通り握りつぶされるのは初めてだし 暴力が全てだった俺はその支えを失っちまったんだ』
    『今思えば 一族の恨みなんて大して感じてなかったのかも知れない』

    スト
    が そのままケニーを握り潰すことなどく優しく地面へとおろしてしまうウーリ
    ケニー「え?」
    ロッド「..!?バカな…ウーリ!!」
    「何のマネだ!?アッカーマンだぞ!?こいつの記憶は消せない!!○すほか無いのだ!!」
    驚きの声をあげながら銃をかまえるロッドを他所にケニーのもとへと歩み寄るウーリ
    また まだ動転している様子のケニーも思わずウーリへむけてと銃をむける

    ケニー「ハァッ..ハァッ…?」
    ウーリ「我々がアッカーマン一族にもたらした迫害の歴史を考えれば…君の恨みはまっとうだ…」
    「だが..私は今…○ぬわけにはいかないんだ」
    そいって語るウーリの目には涙が浮かび 遂には銃をかまえたままのケニーを前に地面に手をつき深々と頭をさげてしまう
    「ーどうか許してくれ こんな小さな壁の中にさえ楽園を築けなかった愚かな私を…」
    そしてそんな光景を半ばぼう然とするかの様に見つめてしまっているケニー

    『あれほどの力を持った王が』
    『下賤を相手にこうべを垂れやがる』
    『巨人にも度肝を抜かされたが それ以上に自分の中の何かが大きく揺らいだのを感じた』
    『俺はその場で”力になりたい”と伝え ウーリは頷いた』
    『次の議会の席には俺にレイス家の情報を吐いたやつが消えて そいつに吐かせたやつがレイス家の犬になってふんぞり返っていた』
    『それが俺の新しい仕事』
    背景には議会の机にどーんと脚を乗せて座るケニーの姿
    また 語りによればコレを機にアッカーマン家への迫害も終わりを告げたらしく 晴れて青空の下を歩けるようになった..わけではないが 敵は減り続けるだろうという

    男「クシェル?あぁ…オランピアのことなら だいぶ前に病気もらっちまってから売りもんになってやせんー」
    そして 場面はケニーが地下街?へとあの妹をたずねていくところへ そこで男に話を聞きボロ屋を訪れていったケニーだったが中に入ってみるとそこには 半ばがいこつの様に痩せ細った姿のクシェルがベッドに横たわっていた
    ケニー「…おい」
    「おいおいおいおい」
    「なんかずいぶんと….痩せちまったな…」
  2. 2 : : 2015/05/11(月) 21:31:12
    「….クシェル」

    *「○んでる」
    と その声が聞こえた部屋のはじの方へとケニーが目をやると そこにはまたやせ細っている子供が一人うずくまっていた

    ケニー「お前は? 生きてるほうか?」
    だがその子供はなにもこたえようとしない
    「おいおい…かんべんしてくれよ わからねぇのか?」
    「名前は?」

    子供「….リヴァイ」
    「…ただの リヴァイ」


    ケニー「そうか…クシェル」
    「そりゃ確かに…. 名乗る価値もねぇよな…」
    リヴァイのその言葉に脱力していまうかのようにケニーは壁へともたりかかりそのままズルズルと床に座り込んでしまう

    ケニー「俺はケニー…」
    「..ただのケニーだ」
    「クシェルとは…知り合いだった」
    「よろしくな」

    『愛想のねぇ○にかけのガキ クシェルの忘れ形見はそれだけだったー』
    そして再びケニーの語りがはじまる 背景にはどうやら酒場でリヴァイに食事をとらせている様子のケニーの描写
    『ーこいつを見○しに出来るほど人を捨ててねぇが 親に代われるほど出来た人間じゃねぇ』
    『俺が教えられることは多くないが』
    『まずはナイフの握り方』
    『それとご近所付き合い 挨拶の仕方』
    背景にはリヴァイの目の前でゴロツキども?をノシて脅す姿を見せているケニー
    『身の振り方と ナイフの振り方』
    酒場で男たちと絡んでいる様子を見せ ナイフの振り方をみてやっているケニー
    『要はこの地下街で生き延びるすべを教えたまでだ ここから出て地上に行きたきゃ勝手にいけばいい』
    『ーただしその時は』
    『お前自身の力でなー』

    ケニー「中央憲兵?」
    「あぁ..あんたらがそうなのか わりぃな友達いっぱい○しちまって」
    場面は なにやら少しかしこまった様子のウーリ達の集まりへとケニーが参加しているところへ
    そこにはウーリやロッドは勿論かつてのサネスの姿も
    サネス「そんなお前をも王は服従させ侍衛としたのだ」
  3. 3 : : 2015/05/11(月) 21:31:57
    「そこが王の果てしなさよ…」
    傍らでそう語るサネスの言葉を静かにきいている様子のケニー
    ケニー「….サネスさんよ…随分心酔なさってるようだな」
    サネス「だから俺はどんな仕事もこなしていける お前は違うのか? なぜ王の元にくだった?」
    ケニー「…..」
    「…俺は…..」
    間にはあの時自らに銃を向けられながらも深々とこうべを垂れていたウーリの描写が
    「…さぁな…多分…」

    「奴が一番強ぇからだ」
    視線を少し落としながらそう語るケニー

    『そう…この世で一番偉いのは この世で一番強いやつのことを示す』

    『力さえありゃいいんだよ』
    『少なくとも妹みてぇな最期を迎えることはねぇだろうからな』
    そしてまた短いケニーの語りと共に 今度は地下街のゴロツキを叩きのめすリヴァイの姿を見つめるケニーの描写
    鬼のような形相で大人の男を叩きのめし ナイフをつきつけ屈服させているリヴァイ

    だがそれを見届けたといった様子のケニーは やがて無言で別れを告げるかのようにその背をむけて去って行ってしまう
    また 同じくそのケニーの背中をリヴァイも無言のまま見つめていた
  4. 4 : : 2015/05/11(月) 21:32:24
    ウーリ「私はもう…長くない」
    ケニー「..んなもん誰だって見りゃ分かるよ」
    そして場面は比較的最近?の様子のウーリとケニーがどこかの水辺で話しているところへ
    老いか病気か何かかげっそりしているとウーリに対しそう言ったケニーだったが 更にはバケモンのくせに病には敵わねぇとは…等と悪態をついている
    ケニー「ーてめぇにゃガッカリしたぜ…」
    ウーリ「少し違う…」
    ケニー「あ?ー」

    そして この力はロッドの子達に引け継がれ自分もその子らの記憶の中で生き続けるだろうと説明するウーリ だったが ケニーも突然の話にワケがわからないといった様子
    ケニー「…そりゃどういうことだ? 力が引き継がれるだって?」
    ウーリ「…..」
    「ケニー… この世界はそう遠くない未来必ず滅ぶ」
    「その僅かな人類の黄昏に 私は楽園を築き上げたいのだ」

    「お前は暴力を信じているな?それは避けがたいこの世の真実だろう」
    「だが..滅ぼし合う他なかった我々を 友人にしたものは一体何だ?」
    「暴力か?」
    またそこで挟まれるあの時のケニーとウーリの描写
    ケニー「…..」
    「…はッ 知らねぇよ ただお前に馬鹿デカイ腕でつまみあげられなければ俺は…」
    「お前の頭にクソを詰め込んでただろうな それこそ友人とやらになる前によぉ…」
    その言葉に かすかにくちもとで笑っているかのような表情をうかべるウーリ
    ウーリ「….あぁ.. 避けがたい真実だ…」
    「それでも私は あの時の奇跡を ….信じている」

    『奴とは最後まで同じ気分にはなれなかったが』
    『奴の言うとおりバケモンは受け継がれたらしい』
    『目を見ればすぐに奴がいるとわかった』
    そして再びはじまるケニーの語り
    またどうやらまたあの集まりへと顔を出しているケニーは 今度は力の引き継ぎが終わり皆の前で語るフリーダの顔を見つめながら佇んでいる
    『ーロッドの娘も人々の愛がどうしたとか 平和がどうのこうのとか 似たようなことをほざいている』
    『どうしてお前はそんな暇なことを言ってられる?』
    『お前に力があって余裕があるからか?』
    『その力を手にさえすれば誰でも同じなのか?』
    『…例えば』
    『俺でもー』

    そして場面はどうやらあの部隊の隊長へと着任したケニーが皆の前で挨拶をしているところへ
    ケニー「俺はケニー・アッカーマン」
    「”切り裂きケニー”なんてダセェ呼ばれ方もしたな お前らみてぇな憲兵のエリートの喉を飽きるほどかっきったりしてきた罰なんだが…」
    「まあ色々あって この新設された対人立体機動部隊の隊長を務めることになった よろしくな」
    大勢の整列した兵士たちの前で自己紹介をするケニー
    が それ聞いている兵士たちは無関心か気に喰わないのかことごとくどんよりとした半ば生気を感じさせない雰囲気を漂わせている
    ケニー「….」
    「..まあわけがわからんのも分かる 兵団にいたこともねぇ○人鬼がお前らのボスだって言われてもよろしくねぇだろうよー」

    *「構いません」
    ケニー「ん?」
    と その声のほうをみやると そこにはあのケニーの近くでよく見かけた女の部下?の姿が
    が しかしその表情はまた同じくどこか冷たく凝り固まっている様にも見える
    部下「壁が破壊されて2年..巨人の相手は諦めて..人間と残された領土をめぐり争う
    それが我々の存在意義ですね? この壁のルールに従い我々が兵団組織を上り詰めた結果がこれです」

    「構いませんよ 全ては無意味です」
    かたい表情でその言葉をおえる部下

    しかし 突然ケニーはその表情をにやりと変え 調査兵団の対抗組織であるなんていうのはあ俺が考えた建前にすぎない 安心しろ と語りだす
    そしてそのケニーの言葉に半ば驚き目を覚ますかのように一斉に注目しだす兵士たち
    ケニー「ー議会のくそ共を頷かせるくそ用の方便だ 苦労したんだぜ?豚のごきげんとりやら根回しやらなぁ」
    「何の体裁かって?」
    「そりゃあすべては 大いなる夢のためだ」

    『神にも等しい力だ』
    『それを手にした奴はみんな慈悲深くなっちまうらしい こんなくそ野郎でもそうなっちまうのかー』
    そして再びの語りと共に 背景ではそれからのケニー達があの地下での崩落に巻き込まれるまでが順に描かれていく
  5. 5 : : 2015/05/11(月) 21:34:27
    『知りてぇ…』
    『一体どんな気分なんだ?』
    『そこから一体どんな景色が見える?』
    『俺のようなクズにも..』
    『本当に お前と対等な景色を見ることが出来るのか?』

    『なぁ…?ウーリ』

    *「ケニー..」
    重傷を負いひとり座り込んでいるケニー そんなケニーが自分を呼ぶ声で目をあけると目の前にはリヴァイ と部下の男がひとり立っていた
    とけつするケニー「…なんだ…お前かよ…ゴホッ…」
    リヴァイ「俺達と戦ってたあんたの仲間はみんな潰れちまってるぞ」
    「残ったのはあんただけか?」
    ケニー「…..」
    「….みてぇだ」
    目もあけることなくこたえるケニー
    リヴァイ「…..」
    横で銃をかまえる部下「…兵長…彼も…」
    とそこで部下を報告に行かせ二人きりになったリヴァイは もうその状態では助からねぇな と再び声をかけていく

    ケニー「….いいや どうかな…?」
    リヴァイ「…..!」
    その時ケニーが手元で開いた小箱 その中にはロッドが使っていたあの注射器と小瓶のセットが入っていた どうやらロッドのカバンからくすねておいたものだという
    ケニー「…どうも こいつを打って…巨人になる らしいな…」
    「…アホな巨人には…なっちまうが…ひとまずは 延命…できる…はずだ….」
    リヴァイ「…….」
    途切れ途切れにそう呟くケニーとその顔を黙ったま見つめるだけのリヴァイ
    やがて少しの間沈黙する二人

    リヴァイ「ーそれをうつ時間も体力も今よりかはあったはずだ なぜやらなかった?」
    ケニー「…. ああ 何…だろうな」
    「ちゃんとお注射打たねぇと…あいつみてぇな出来損ないに..なっちまいそうだしなぁ…」
    だが あんたが座して最期を待つわけがないとリヴァイもさらにつづける
    リヴァイ「ーもっとましな言い訳はなかったのか?」
    ケニー「あぁ…俺は…○にたくねぇし…力が…欲しかった…」
    「….でも」
    「…そうか」

    「いまなら 奴のやったこと…わかる…気がする….」
    再びあの時のケニーとウーリの描写

    リヴァイ「は?」
    ケニー「くくく….俺が…見てきた奴ら…みんなそうだった…」
    「酒だったり..女だったり…神様だったりもする」
    背景には 酒場で見かけた男 アルマ?にすがりつくロッドの姿
    「一族…王様…夢..子供…力…..」
    背景には 祖父 サネス 自分の部下達 クシェル そして自分の姿

    「ーみんな何かに酔っ払ってねぇと やってらんなかったんだな….」

    「みんな…何かの奴隷だった…あいつでさえも…」
    そして再びウーリがあの時に見せたあの横顔

    やがていよいよ激しくちを吐きながらケニーはリヴァイに語りかけていく
    ケニー「ガハッ!ガハッ!」
    リヴァイ「!!」
    ケニー「お…お前は何だ!?英雄か!?」
    リヴァイ「….」
    ケニーの肩を掴むリヴァイ「ケニー 知っていることを全て話せ!初代王はなぜ人類の存続を望まない!?」
    ケニー「…知らねぇよ だが…俺らアッカーマンが対立した理由はそれだ…ガハッ」
    頬にそのちを浴びながらもリヴァイはケニーへの問いかけを続ける
    リヴァイ「俺の姓もアッカーマンらしいな?あんた…本当は…母さんの何だ?」

    ケニー「ハッ バカが…ただの…兄貴だ….」
    「ガハッハッ…」
    そしてその苦しそうに笑うかのように放たれたケニーの言葉にリヴァイの表情が変化する

    リヴァイ「….あの時….」
    「なんで….俺から去って行った?」

    ケニー「俺は…人の…親には なれねぇよ..」
    ドン
    手元にあったあの小箱をリヴァイの胸へと預けるように強く叩きつけるケニー

    リヴァイ「…..ケニー」

    そしてそのまま静寂が訪れ そのケニーの最期をみとるリヴァイ
    やがて場面はヒストリアの戴冠式へ

    現場の周囲には多くの民衆が集まり あの少女が壁の倍もある巨人を倒したのか?あの小さな体で我々を救ったのかと熱気につつまれている
    またその中にはハンジ達やあの記者達 フレーゲルの姿も
    民衆「ー影の王である父親の暴走を自らの手で鎮められたのだ”」
    フレーゲル「わが壁の真の王よ!」
    民衆「ーヒストリア女王!!!」

    また その忠誠を誓うが如く壇上でヒストリアの前にかしずく各兵団の長達の中には やはりエルヴィンの姿も
    回想の中のヒストリア「私が巨人にトドメをさしたことにしてください!そうすればこの壁の求心力となって情勢は固まるはずです!ー」
    エルヴィン「(まさか本当に仕留めてしまうとは….)」


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