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ヒビヤ「どんなモモでも僕は……」
- カゲロウプロジェクト
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- 1 : 2015/05/06(水) 22:45:56 :
- http://www.ssnote.net/archives/33893
の続きです!よろしくお願いします!
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- 2 : 2015/05/06(水) 23:21:59 :
- 僕の親は、とても優しい。
と、言えば良く聞こえる。
いや、良いところだ。
良いところではあるんだ。
まぁ、一言で言うと過保護すぎる。
あの時の夏だってヒヨリと一緒に都会に行くのを全力で阻止しようとしてたな…
そのおかげでたくさん仕送りをしてくれるし、僕のために貯金しているお金がたくさんある。
しまいには家まで安いところを探して借りてしまった。
感謝はしているけど、僕は将来ああはなるまいと思っている。
さて、本題に入ろう。
家を借りてくれたということは、
僕は大学の寮から出るということだ。
実際のところ今は既に出た後である。
僕は今、新しい家にいる。
そして待っている。
もうすぐモモが来る。
僕の新居一人暮らしにしては部屋が広く、こうしてモモを呼ぶことができる。
ピンポーン
ヒビヤ「!!はーい」
モモ「お邪魔しまーす」
モモ「わぁ、一昨日引っ越したって聞いたけど、もう片付いてるね!」
ヒビヤ「いや、そこまで荷物も無かったし」
言えない。モモが来ると決まった瞬間狂った様に片付けだしたなんて。
モモ「ヒビヤ君ってあんまり無駄な物置かないんだね」
ヒビヤ「モモがよ余計な物置きすぎなんでしょ」
モモ「べ、紅鮭ちゃんは余計じゃない!」
モモのグッズとか、見られたくない物とかは隠してるし、完璧だな。よし。
モモ「ん?これは…」
ヒビヤ「ん?」
ヒビヤ「ファッ!?それは駄目‼︎」
モモはもう見てしまった。
モモ「これは…」
そこにはモモのCDが新しいものまで全て…と、あと、ライブのDVDが一枚。
ヒビヤ「うう…//」
モモ「ヒビヤ君私のCD全部持ってるの!?」
ヒビヤ「う…うん//お金貯めて」
モモ「こっちのDVDは、あれ、これかなり古いやつだよね。ヒビヤ君が小学6年生だった時のかな。なんで買ったの?」
ヒビヤ「えっと//その…」
ヒビヤ「その頃からモモが好きで、初めてもらったお小遣い3ヶ月分貯めて買った//」
モモ「ヒビヤ君///」
モモ「私もあの夏が終わった頃からずっと好きだったよ///」ギュッ
ヒビヤ「んなっ///ちょ、恥ずかし///というかあの時からってモモ、ショタコンみたいじゃん」
モモ「そ、そんなことない!」
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- 3 : 2015/05/06(水) 23:25:31 :
- 初っ端から訂正すみません。
僕の新居一人暮らしにしては
↓
僕の新居は一人暮らしにしては
で!
誠に申し訳ありません
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- 4 : 2015/05/09(土) 10:18:28 :
- モモ「そうそう!今度の土曜日にライブがあるんだ!来てくれるよね?」っチケット
ヒビヤ「あ、うん。行く」
モモ「ん?ヒビヤ君ってライブ嫌いなの?」
ヒビヤ「別に嫌いじゃないけど……」
この時、僕はまだ知らなかった。
こんなことになるなんて………
-
- 5 : 2015/05/10(日) 12:43:07 :
- こ、こんなことって!?
早く見たい…
-
- 6 : 2015/05/11(月) 13:04:48 :
- ーライブ当日ー
会場
ヒビヤ「結構いいとこ取れたな……」
別にライブは嫌いじゃないし、アイドルのモモだって大好きだ。
だが、恋というのは好きだけじゃない。
その瞬間だけみんなのものになるモモを見て、僕のモモにしたいという欲望が生まれる。
そしてその後僕のところへ戻っていくモモを感じて、モモは僕が一番好きなんだというのを感じて、その欲望はまた心の奥にしまわれる。
だからライブ中、僕はあまりいい気分ではない。
まぁ、モモが誘ってくれてるから行かないはずがないけど…。
「如月 モモさんです!」
モモが出てくる。
モモは出てきて少しして僕の姿を確認したみたいだ。少し赤い顔をしている。
「「「モモちゃ〜〜〜ん!!」」」
「「ワアーー!!!」」
僕は観客の声がとても嫌いだ。
僕は、お前らが知らないモモをたくさん知ってるんだぞ!!
……とも思うが、ライブが全部嫌いなわけじゃない。
モモが歌っている時だ。
と、考えていると、こないだまでの僕はよくこのいっぱいのモモが好きな気持ちを抑えられたな…と思ったりする。
「モモさんの趣味はなんですか?」
モモ「お菓子を食べながら、音楽を聴くことですかね
「かわいい〜」 「素敵〜」
モモ、嘘ついてる。
まぁさすがにあたりめを食べながらゲーム実況を見るのが趣味とか言いたくないよな誰でも。
これはメカクシ団だけが知る秘密。
「それでは、新曲、オツキミリサイタルの準備をお願いします」
モモ「はい!」
あ、質問タイム終わったか。
正直、僕は早く僕とモモだけの秘密を共有したい。
なんか良くない?二人だけの秘密って。
モモ「オツキミリサイタル、いっくよーーー!!!」
モモが大きな声を出す。
今回は転ばなかったみたいだ。
声を出すのと同時にモモの茶色の目が赤に変わる。
その瞬間観客全ての視線がモモに集まる。
能力を完璧に使いこなせるようになったモモは、少しこの能力を好きになったようだ。
モモ「もうどうやったって無駄かもな……泣きそうな顔見ていた」
歌を歌っている時のモモはとても楽しそうで、僕は大好きだ。
もっとも、好きと一緒にこの楽しそうなモモを僕だけのものにしたいという欲も同時に生まれるのだが。
モモ「弱虫な僕には〜駄目だよきっと〜」
サビに入る瞬間、異変が起こった。
別に何かがおかしかったわけじゃない。
周りから見ても、違和感はない。
ただ、みんなの視線を集めていたその赤く澄んだ目は、突然、茶色に戻ってしまった。
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- 7 : 2015/05/11(月) 13:07:28 :
- >>5さん、今回もお気に入りありがとうございます!
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- 8 : 2015/05/13(水) 23:16:06 :
- モモ(あれ……?)
当たり前の光景の中で、一つ違和感がある。
みんなが常にこちらを見ていない。
ライブ中、よそ見をしている人がいるのだ。
通常のアイドルなら普通のことなのかもしれない。
だが、それは私、如月モモにとっては怪奇現象レベルにおかしいことなのだ。
-
- 9 : 2015/05/17(日) 23:35:27 :
- ……やっぱりモモはいなかった。
楽屋の近くで待ち合わせしてたのに。
急いで僕は走り出す。モモはテンパると能力が制御できなくなる。
そこが僕の心配している一番の理由だ。
-
- 10 : 2015/05/20(水) 08:55:52 :
- ……おかしいな。
人が集まっている気配がない。
モモは制御できるようになったのか?
いや…モモはこういうのができるようになると必ず自慢してくる。つまり違う。
ライブ中モモの能力が発動していない時があったってことは……
あ、発動できないのか!?
人が集まっていないのもそれなら納得できる。
でも、僕は発動できる。
モモだけに起こっているのか僕だけが平気なのか…。
………それを今考えてる時間はない。
まずはモモを見つけなくちゃ。
あまり好きじゃないこの力だって、モモのためなら何度でも使ってやるさ。
そう思い、僕は意識を集中させ、
そっと『目を凝らした』
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- 11 : 2015/05/22(金) 23:51:38 :
- モモ「うっ…うっ…」
何が起きたのか分からなくなって、飛び出して来ちゃった。
帰り道が分からない。
モモ「助けて…」
先ほどのライブで私の『奪う』力が無くなったのは事実だ。
とてもヘタレな発言だが、あれ無しでアイドルを続けられるほどのメンタルは私にはない。
こんな路地裏に一人でいる私は、帰り道も分からないので、力で人を呼べないのは非常にヤバい。
誰か…
ううん。
ヒビヤ君………
モモ「助けて…ヒビヤ君………」
ヒビヤ「呼んだ?」
モモ「うわぁ!!て、ヒビヤ君?」
ヒビヤ「どうしたのさ待ち合わせしてたのに」
大体理由は分かってるんだけどね。
モモ「私、奪う力使えなくなっちゃった……あれ?力使ってないのにヒビヤ君どうして分かったの?」
ヒビヤ「力使って町中探したよ」
あれは大分酔った。目がグォングォンして、あれはもう二度と使いたくない。
まぁ、先ほども言ったようにモモのためなら何度でも使うけど。
モモ「そっか……ごめんね」
多分迷惑かけた、とでも思ってるんだろう。
それも年下に心配させちゃって、とか。
ヒビヤ「年下に心配掛けちゃって、とか思ってる?」
モモ「!!」
ヒビヤ「僕はモモの彼氏なんだからさ…」
モモ「? それってどういう………」
………わずかな沈黙。
ヒビヤ「もう…い、行くよ!」
そう言って僕はモモの手を握り、街へ駆け出してく。
まるであの時のように。
モモ(ヒビヤ君、優しいなぁ…)
モモがそう思う反面、ヒビヤは自分がこんなことしかできない無力さを感じていた。
ヒビヤ(ここでキスとかすればかっこいいし、ロマンチックなんだけどな……//)
モモに対して、少しでも自分をかっこよく見せたいヒビヤなのだった。
-
- 12 : 2015/05/22(金) 23:54:39 :
- 誰か見てますかー
一人ぼっちだと悲しいー
-
- 13 : 2015/05/23(土) 00:59:43 :
- 最高じゃねえか
-
- 14 : 2015/05/23(土) 12:42:36 :
- >>13
ありがとうございます!!
めっちゃ嬉しいです!
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- 15 : 2015/05/23(土) 12:47:21 :
- 早めに始まったライブとはいえ、もう時間は8時を過ぎている。
結果、まずは夕食を食べることになってしまった。
モモ「………」モグモグ
ヒビヤ「………」モグモグ
黙々と食べ続ける僕とモモ。
話題。話題がほしい。
-
- 16 : 2015/05/23(土) 12:52:58 :
- 夕食を食べ終えた僕らは、散歩をしていた。
モモ「………ヒビヤ君がさっき言ったこと、どういう意味だったの?」
ヒビヤ「え?さっきって?」
モモ「僕はモモの彼氏なんだからって…」
ヒビヤ「え、別にそのままの意味だけど」
自分で言ったことが、今さら恥ずかしい。
モモ「ヒビヤ君はほんとかっこいいよね。私の方が年上なのに…」
む。
ヒビヤ「モモ、年の差気にしすぎて遠慮してない?」
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- 17 : 2015/05/24(日) 11:13:48 :
- ヒビモモ好きにはたまらない〜!
-
- 18 : 2015/05/31(日) 15:31:32 :
- 更新遅れてすみません!
エールありがとうございます!
でもすみません…今日は更新できません…
-
- 19 : 2015/06/04(木) 17:19:15 :
- とても面白いです!期待なのです!
-
- 21 : 2015/06/06(土) 22:03:19 :
- モモ「え?そんなことヒビヤ「別にモモを責めてるわけじゃない」
モモ「!」
ヒビヤ「僕をもっと男として見てくれるように頑張るから//だから………だからモモも、もっと僕に頼ってよ。相談してよ。もっと「うん」
ヒビヤ「!」
モモ「分かった、ありがどう、ヒビヤぐん…大好ぎ//」
ヒビヤ「///だ、大人気アイドルがそんなんでどうするのさ///」
モモ「えへへ///」
その時、モモの目は、再び赤に染まる。
モモ「!!」
ヒビヤ「え……ハハハ。全く都合のいい能力だね。モモわざとやったんじゃないの?」
モモ「え!?いや、違うよ!」
ああ、僕は
私は
幸せだなぁ。
その頃、仕事帰りのシンタローは、同じく買い物帰りのキドと会った後、帰り道が一緒だったため、並んで歩いていたところでヒビヤとモモの様子を目撃していた。
案外それに食いつくのはキドのほうで、シンタローを巻き込んで隠す能力を使い、ずっと見ていた。
キド「お、手を繋いで帰ってるぞ!」
シンタロー「そんなに興味あるのかよ………」
-
- 22 : 2015/06/06(土) 22:08:21 :
- おまけ
ヒビヤとモモの様子を見終わった彼女は、「ふぅ」と息をついてからとても気分が良さそうに椅子に腰掛けた。
クロハ「そんなに気になりますか普通。奪うの力まで制限して」
アザミ「まぁよいではないか。ここにいると暇なのでな」
クロハ「優しいんですね」
アザミ「んなっ//」
褒められた経験が皆無だったアザミは、初めての褒め言葉に対応できないでいた。
-
- 23 : 2015/06/06(土) 22:09:24 :
- ………はい。終わりです。
次回作も作りますので、応援よろしくお願いします!
-
- 25 : 2015/06/07(日) 19:07:11 :
- アザミだったんですね!ハッピーエンドでよかった!次も期待です!
-
- 26 : 2015/06/13(土) 19:56:56 :
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↑続きです!
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