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ミカサ『部分記憶障害』
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- 1 : 2013/11/24(日) 19:38:08 :
- はじめまして、彩華@-蒼穹を舞う自由の翼-です
彩華とお呼びください
初SSで至らない点、誤字脱字などあると思いますがよろしくお願いします
モノクマダンスさん、先ほどはありがとうございましたm(_ _)m
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- 7 : 2013/11/24(日) 20:01:05 :
ミカサ『…ここは?』
目が覚めて、最初に映ったのはエレンとアルミンだった。
エレン『ミカサ!大丈夫か!?』
ミカサ『…?なにが』
アルミン『ミカサ、君は立体機動の訓練中に装置の故障で落下したんだよ。頭に包帯あるでしょ?』
ミカサ『…!本当だ。私は落ちたのか。』
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- 10 : 2013/11/24(日) 20:06:35 :
ガチャっ
頭がぼーっとする…そんなことを思っていたらクリスタとユミルが入ってきた。
クリスタ『ミカサ、お見舞いに来たよ。大丈夫?』
ユミル『装置壊れてるとかお前も運がねぇな…ほらよ、飯持ってきたから後で食え』
ミカサ『クリスタ、ユミル…ありがとう。まだ少し痛むけど、問題ない。』
アルミン『じゃあ、これから訓練だから…僕らは行くね。絶対にそこから動いちゃダメだよ?交代でみんなが来るから。』
ミカサ『みんな?』
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- 11 : 2013/11/24(日) 20:10:27 :
エレン『俺、アルミン、クリスタ、ユミル。それからサシャ、コニー、ジャン、マルコ、ライナー、ベルトルト…あとアニとミーナも来るって言ってたぞ』
ミカサ『…そう』
クリスタ『じゃあ、安静にね?』
ミカサ『ん…』
ガチャ、バタン
エレン、アルミン、クリスタとユミル。サシャ、コニー、マルコ、ライナー、ベルトルト。心配そうな彼らの顔が思い浮かぶ。
しかし、1人だけ…
『ジャン』
彼だけは、顔がでてこなかった。
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- 12 : 2013/11/24(日) 20:10:52 :
- 言い忘れてました、すみません
ジャンミカです
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- 16 : 2013/11/24(日) 20:17:15 :
〜2時間後〜
最初に来たのはサシャとコニーだった。
サシャ『失礼しまーす。ミカサ、大丈夫ですか?』
ミカサ『サシャ!ありがとう、もう大丈夫…』
コニー『ほらよ、薬草とってきた。痛みに効くぞ』
ミカサ『ありがとう…訓練は?』
サシャ『5分ほど休憩をもらってきたんです。心配しないでください』
コニー『そうだぞ、怪我人が心配してどーする…っともう時間か…早えな』
サシャ『もう少しおしゃべりしたかったんですけどね…じゃあ、失礼しました』
ミカサ『2人とも、ありがとう』
ガチャ、バタン
いつ、彼がくるのか…来た時にどんな顔をすればいいのか。全くわからない…
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- 22 : 2013/11/24(日) 23:01:34 :
〜2時間後〜
次は同期の中でも高身長の2人組
ライナー『邪魔するぜ、大事ないか?』
ベルトルト『イタタタ…相変わらずエレンは強いね』
ミカサ『ライナー、ベルトルト。当然、エレンは強い。今は対人格闘?』
ライナー『ああ、教官が行くなら今行けと。すまない、時間がなくて見舞いの品を用意できなかった』
ミカサ『大丈夫、ありがとう。エレンは…まさかアニと組んでるの?』
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- 23 : 2013/11/24(日) 23:07:57 :
ベルトルト『…ミカサ?』
ベルトルトが不思議そうな顔をする
ライナー『?ああ、そうだぞ』
ミカサ『…!あの女狐…』
よくも、私のエレンと。
ライナー『おっと、もう時間か。じゃあ失礼するぜ』
ミカサ『ええ、ありがとう』
ガチャ、バタン
ベルトルト『…ライナー、ミカサの様子がおかしい』
ライナー『は?根拠はあるのか』
ベルトルト『あるよ。この前、ミカサとアルミンが話しているのを聞いてしまったんだけど…』
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- 24 : 2013/11/24(日) 23:19:15 :
〜2時間後〜
アニ『…邪魔するよ、大丈夫かい?』
ミカサ『zzz…』
ミーナ『寝てるね…お花この辺に置いて行こうか』
アニ『…そうだね』
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- 25 : 2013/11/24(日) 23:25:21 :
〜2時間後〜
そして、ついにその時は来た。
マルコ『ミカサー?』
ミカサ『マルコ!に…』
ジャン『よ、よおミカサ』
彼が、きっと『ジャン』だ
ミカサ『ジャン。来てくれてありがとう』
マルコ『!?』
マルコが驚いている。覚えていた頃の私は、いったいジャンに対してどんな態度をとっていたんだろう…
ジャン(ミカサとまともな会話できた…!)
キース『キルシュタイン!ボット!戻れ!』
マルコ『早すぎじゃないか!?』
ジャン『しょうがねぇ…ミカサ、お大事にな』
ミカサ『…ありがとう』
ガチャ、バタン
ダメだ…顔を見ても、彼がどんな人なのか思い出せない…というより全くわからない。
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- 32 : 2013/11/25(月) 23:26:00 :
〜夕食の時間〜
アルミン『ミカサー、夕食持ってきたよ』
ミカサ『ジャン…キルシュタイン』
アルミン『ジャンがどうしたの?』
ミカサ『…何も覚えてないの。ジャンがどんな人なのか』
アルミンには正直に話した。もっとも、アルミンに話せば必然的に親しい他のメンバーに伝わるが…自分の口で言うよりはと思った。
アルミン『…え?ちょっと待って。確認するよ、僕が誰だかわかる?』
ミカサ『大丈夫、アルミン。ちゃんとわかっている』
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- 33 : 2013/11/25(月) 23:31:51 :
アルミン(僕のことは覚えている…。そしてさっきのミカサの言葉…嫌な予感がする)
アルミン『…君の好きな人は?』
ミカサ『そんなの聞くまでもないはず』
アルミン『…エレン?』
ミカサ『当たり前のこと。エレンは家族であり、私の好きな人。何故?』
アルミン(ああああやっぱり)
アルミン『いや…。他の人のことは?』
ミカサ『みんな、顔も名前も一致する。ただ、ジャン…?だけが名前を聞いた時に顔が出てこなかった。それどころか、ジャンとのこと全てを思い出せない』
青ざめるアルミン
アルミン『…なんてことだ。本で読んだことある、これは部分記憶障害だ…!』
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- 34 : 2013/11/25(月) 23:41:59 :
〜男子寮〜
アルミン『というわけだ。ジャンにはまだ言ってない』
ライナー『(ベルトルト…よく気がついたな)言ったら絶望するぞ』
ベルトルト『(やっぱりそうだったか…)否定できない』
ジャン『何が?』
エレン『!!!!』
マルコ『ジャン…落ち着いて聞いて欲しい』
マルコ『ミカサは君のことを何一つ覚えていない。事故による部分記憶障害の影響だそうだ』
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- 35 : 2013/11/25(月) 23:52:01 :
ジャン『は…?なんの冗談』
アルミン『冗談じゃない、さっき本人から聞かされたんだ。ジャンのことだけ、全く記憶がないんだよ』
ジャン『さっきって、俺、普通に会話したのに』
ジャン『ミカサ、俺に、ありがとうって言ったのに』
マルコ『…たぶん、悟られたくなかったんだと思う』
ジャン『…んだよそれ…っ!』
ベルトルト『ジャン…』
エレン『その、部分記憶障害の治し方は?』
アルミン『わからないんだそれが。本にも書いてなくて…』
ライナー『そうか…』
エレン『おいジャン、明日から一緒に行動するぞ。あいつが少しでも早く思い出せるように』
ジャン『…おう』
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- 36 : 2013/11/26(火) 00:00:49 :
〜翌朝〜
部屋に彼が入ってきた。やはり、アルミンは話したようだ。
ミカサ『エレン、アルミン……ジャ、ン。おはよう』
エレン『うす』
アルミン『おはよう、朝食持ってきたよ。食べ終わったらそこにいるジャンに渡してね』
ジャン『…おはようミカサ』
ミカサ『…おはよう』
エレン『じゃあ、俺ら先に行くから』チラ…
ジャン『…』コクッ
ガチャ、バタン
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- 37 : 2013/11/26(火) 00:05:20 :
ミカサ『…』
ジャン『…』
ミカサ『…ごめんなさい、私、あなたの事』
ジャン『俺はトロスト区出身ジャン・キルシュタイン。配属先の希望は憲兵団だ、よろしく』
こちらが言うより先に、自己紹介をしてくれた。
気を使ってくれたのかもしれない。
憲兵団…内地志望なのか
ミカサ『シガンシナ区出身ミカサ・アッカーマン。配属先の希望は、エレンのいるところ。よろしく』
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- 38 : 2013/11/26(火) 00:11:33 :
ジャン『エレンか…そうだよな』
ミカサ『ええ。私はエレンの家族。そしてエレンが好きだから。私と面識があったのなら知っているはず』
ジャン『…知ってる』
少し笑ったジャンの横顔は、なんだか寂しそうに見えた。
ミカサ『…ごちそうさま』
ジャン『ん、じゃあ俺はこれで』
ミカサ『ええ』
ガチャ、バタン
ジャン『…本当に1ミリも覚えてないんだな、俺のこと』
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- 43 : 2013/11/26(火) 17:38:05 :
〜昼〜
クリスタ『そんな…ジャンのことだけ?』
アルミン『うん…』
ユミル『あいつ…よりにもよってジャンのこと忘れてんのか』
ミーナ『ジャンかわいそう…』
サシャ『でもそういうのって、あまり刺激しない方がいいんじゃないんですか?』
アルミン『…いや、今回は別だ』
アニ『…わかった、なにをすればいい?』
アルミン『うん、できるだけ…ミカサとジャンの接触の機会を増やして欲しい』
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- 44 : 2013/11/26(火) 17:45:09 :
ガチャ、バタン
ジャン『昼ごはん持ってきたぞ』
ミカサ『ありがとう』
ジャン『…』
ミカサ『…』
ジャン『…相変わらず、綺麗な髪だな』
相変わらず、か。こちらには心当たりがないのだが…
ミカサ『ありがとう』
ジャン『入団式の日から、全く変わってねえ…死に急ぎ野郎のせいで短くなっちまったが』
ミカサ『…死に急ぎ野郎?』
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- 45 : 2013/11/26(火) 17:54:18 :
ジャン(記憶障害って…俺関連、全部かよ…)
ジャン『…覚えてねえか。エレンのあだ名だよ。俺がつけ』
ミカサ『エレンのことを、そういう風に言わないで』
たとえ覚えてなくても、許せなかった。エレンが好きだから。
(本当に?)
え…?
今のは…なに?
ジャン『…言うと思った』
ミカサ『…ごちそうさま』
ジャン『おう。じゃあ持ってくぞ』
突然聞こえた声に、私は恐怖を覚えた。いや、怖がることなんでないじゃないか。私が好きなのは、エレンなんだから。
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- 50 : 2013/11/26(火) 23:39:02 :
〜夜〜
マルコ『夜は前にお見舞いに来た人が交代で来るよ』
ミカサ『迷惑かけて申し訳ない…』
マルコ『いいんだよ、仲間なんだから。じゃあ食べ終わったら言ってね、廊下にいるから』
夜は交代で来る
ということは、朝昼はジャンの担当?
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- 51 : 2013/11/26(火) 23:52:31 :
〜翌日〜
予想はあたった。
ジャン『朝ごはん持ってきたぞ』
ミカサ『ありがとう』
ジャン『…』
ミカサ『…』
ジャン『…』
ミカサ『…あなたは、なぜ私に優しくするの?私は覚えていないのに。それに、昨日のマルコの反応からして、私はあなたにまともな態度をとっていなかったのでは?』
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- 52 : 2013/11/26(火) 23:57:20 :
覚えていなくても、それくらいなら理解できる
ジャン『俺が、好きでやってることだ。気にするな。それにお前が覚えてなくても俺らは…仲間なんだから』
なんだか、今の言い方、ひっかかる…?
ミカサ『…そう。ところでエレンは?』
ジャン『今日は休日だろ?出かけてるよ』
ミカサ『そう、あなたは出かけないの?』
ジャン『んー…まあ、出かけないのもありかなと思ってよ』
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- 53 : 2013/11/27(水) 00:06:11 :
ミカサ『…ごめんなさい』
きっと私のせいだろう。
私が、ジャンのことを覚えてないから、アルミンが残るように言ったんだ
ジャン『?なんでお前が謝るんだよ』クシャクシャ
そう言ってジャンは私の頭を撫でた。
正直に言おう、かなり雑…
でもなぜだろう、なんだかあたたかい
それに、触っていいのは女子とエレンとアルミンだけのはずなのに
嫌じゃない
どうして…?
ジャン(調子に乗って頭撫でてみたけど…ミカサが怒らない…だと?)
ジャン『なぁミカ…』
ミカサ『zzz…』
ジャン『…おやすみ』
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- 62 : 2013/11/29(金) 23:47:29 :
- では、投下していきます
ミカサとジャンのエピソードに若干捏造チックなものが入ります、ご注意くださいm(_ _)m
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- 63 : 2013/11/29(金) 23:48:46 :
ミカサ『ん…寝てしまった…』
ジャン『zzz…』
先ほどから小一時間たっている。ベットの横にはジャンがいた。
ミカサ『ジャン寝てる…』
ミカサ『……風邪をひいてしまう』
そっと、毛布をかけた。
あれ…前もこんなことが…
ミカサ『ーーーっ!?』ズキズキっ
突然の頭痛。そして流れる記憶の断片。
私が、食堂で寝てるジャンに上着をかけている…?
なぜ?
それに心なしか、私の頬は…
ああ、頭が割れるように痛い…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ジャン『ん…やべぇもう夕方か…。…これは、毛布?まさかミカサが?』
ミカサ『zzz…』
ジャン『覚えてる…わけないか、前にも同じような事があったよな。さんきゅー…zzz…』
『ちょ、ユミル!押さないでよ』
『この状況で押さずにいれるか!』
『なんだ?もう記憶が戻ったのか?』
『いや…わからない。でも、2人とも仲良さそうに寄り添って寝てるよ』
『よかったねぇ…ジャン』
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- 64 : 2013/11/29(金) 23:52:59 :
目が覚めると、目の前に知らない男がいた。
ミカサ『ーーーーっ!?』
そして思い出す。
そうだ、私は記憶が一部抜け落ちている。
そしてこの人は、訓練兵のジャン・キルシュタイン。
…よし、落ち着いた。
ミカサ『ジャン、起きて。もうお昼』
ジャン『ふわぁぁあ…って悪りい!寝ちまった…飯とってくる』
ミカサ『ありがとう』
ジャンが部屋を出る。
…ジャンはお昼ご飯どうするつもりなのだろうか。
ジャン『待たせたな…ほらよ』
ミカサ『ありがとう…あなたのご飯は?』
ジャン『あー俺?朝多めに食ったから大丈夫』
ミカサ『そう…ならば、明日は。その…い、一緒に食べない?』
ジャン『…!おう!』
ジャン(よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ)
一緒に食べないか
その誘いをするとき、なぜか心臓がキュッとなった。
理由はわからない…
(本当に?)
まただ…!
この声は、何?
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- 65 : 2013/11/30(土) 00:00:55 :
〜夜〜
エレン『ミカサ!今日は俺らが当番だぜ!』
アルミン『その後調子はどう?と言っても1日じゃ変わらないか…』
ミカサ『…ええ、特に何もない』
アルミンにはまだ言わないでおこう…
ミカサ『今日は、何したの?』
エレン『アルミンと一緒にローゼの中で一番でかい本屋に行ってきたんだ!しかもそこさ…』
それから、3人でゆっくり話をした。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
エレン『じゃあ、おやすみーっ…と』
ガチャ、バタン
アルミン『ミカサ、楽しそうだった』
エレン『だな』
アルミン『…ジャンのことは、まだみたいだけど』
エレン『…』
ジャン『おーい死に急…エレン、アルミン!ミカサ大丈夫か?』
アルミン『大丈夫だったよ…まだ思い出してないみたいだけど』
ジャン『…まあ、これからだろ』
ジャン(一歩…半歩ぐらい前進したしな)
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- 66 : 2013/11/30(土) 00:10:33 :
〜翌日〜事故から2日〜
鐘の音で目が覚める
そうだ、訓練だ。
遅刻してしまう…
急いで準備しなくては
ミカサ『ーーーーーっ…』フラッ
目眩?
ああ、勢いよく立ち上がったからか…
ジャン『おす、朝飯持ってきた…ミカサ!?』
危うく床にたおれそうになったところを、ジャンが支えてくれた。
ご飯を持ったまま。
ミカサ『器用』
ジャン『そんなこと言ってる場合か、お前まだ訓練できないだろ』
ミカサ『医者には、大丈夫と言われた…』
ジャン『…それでも自主練からだろまったく…。ほら、食え』
ミカサ『ごめんなさい…いただきます』
ジャン(ミカサに説教とか…調子狂うな、畜生)
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- 67 : 2013/11/30(土) 00:28:18 :
無言の空間が続く
いつもなら、なにか喋るはずなのに
チラッとジャンの方を見る
ご飯を食べているジャンと目が合った。
慌てて目をそらす
心なしか、ジャンの頬が紅い
風邪でもひいたのだろうか…
ミカサ『一緒に食べてくれて、ありがとう』
ジャン『お、おう。まあ昨日いいよって言ったしな』
ミカサ『あと、顔が紅い。風邪でもひいたの?』
ジャン『顔紅いか!?いや、これは風邪じゃないからその、気にしなくていいぞ』
ジャンが慌てたように言う。
ミカサ『…なにか隠してる。私の記憶に関係ある?』
ジャン『少し、な』
ジャンが思いのほかあっさりと認めたので驚いた。
隠し通すかと思ったのに
ミカサ『驚いた、教えてくれないと思ったのに』
ジャン『俺は正直な人間なんでね』
なるほど、『ジャンは正直な人間』なのか…
…まだこれだけじゃ思い出せないか
『憲兵団に入って、内地で暮らすためです』
…?
今のは、何?
突然、聞こえた気がした誰かの言葉
誰の言葉?
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- 68 : 2013/11/30(土) 00:38:26 :
〜昼〜
ジャンが教官に呼ばれた為、昼ごはんはアニとミーナが持ってきた。
アニ『邪魔するよ…これ、昼ごはん』
ミーナ『復帰まではまだかかるの?』
ミカサ『ありがとう、明後日には復帰…したい』
ミーナ『早く戻りたいのはわかるけど、無理しちゃダメだよ?』
いつ復帰できるのか、正式な日程は聞いていない。
できることならば、早く復帰したい。
ミカサ『そうだ、アニ。エレンと対人格闘組んでるんでしょう?私のエレンに怪我させたら、承知しないから』
ミーナ『!』チラ
アニ『…ああ、わかってるさ』
ミカサ『…』
アニ『…』
ミーナ『じ、じゃあ、私たちもご飯食べなきゃいけないから…』
アニ『お大事に』
ミカサ『ありがとう』
ガチャ、バタン
アニ『…ミカサ、最近私に何も言ってこなかったのにね』
ミーナ『うーん…これも部分記憶障害の影響なのかな?』
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- 69 : 2013/11/30(土) 00:48:28 :
〜夜〜
クリスタ『ミカサー、ご飯持ってきたよー』
ミカサ『ありがとう、ユミルは?』
クリスタ『それが、見当たらなくて…。ねえ、私も一緒にご飯食べていい?』
ミカサ『もちろん』
クリスタの嬉しそうな顔
ミカサ『クリスタ、ジャンのことについて教えてほしい。彼は、どんな人?』
クリスタ『ジャンのこと?うーん…まず、ジャンはとても正直な人だよ。思っていることははっきりと言うの。あんまりはっきり言うから、周りから反感を買うことも多いんだけどね…。でも、本当は優しい人なの!この前も、他の人に立体機動のコツを教えていたんだよ。その人がわかるまで、丁寧に』
ニコニコしながら話すクリスタ
ミカサ『ジャンは立体機動がうまいの?』
クリスタ『うん、教官が言うにはミカサの次にうまいんだって!』
それは知らなかった。
とは言え、知っていても覚えてないのだけど…
クリスタ『私が見てきたジャンはこれくらいかな…あとはマルコに聞いてみて?マルコとジャンはとても仲がいいから!』
ミカサ『そう、ありがとう』
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- 70 : 2013/11/30(土) 00:58:01 :
- 〜翌日〜事故から3日〜
明日から訓練に復帰できると医者から言われた。
今日こそ自主練しよう。
休憩時間には、エレンにも付き合ってもらおう。
ガチャ
ジャン『おはようミカサ。昨日はこれなくて悪かった』
ミカサ『おはようジャン。大丈夫。あと、明日から訓練に復帰できる。ので、今日から自主練する』
ジャン『おう、そっか。よかったよ』
ミカサ『…でもごめんなさい。まだあなたのこと思い出せない』
ジャン『…そうか。無理するなよ』
ミカサ『ええ…』
本当に、申し訳ない。
毎日ご飯を持ってきてくれるときに顔を合わせているのに。
ジャン『そうだ、自主練付き合おうか?と言っても、休憩時間ぐらいしかできねぇが…』
ミカサ『ありがとう』
エレンとやりたいからごめんなさい。
そう言おうと思ってた。
でも、私の口から出たのは
ミカサ『ぜひお願い』
ジャンの誘いを受ける言葉だった。
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- 71 : 2013/11/30(土) 01:17:27 :
〜休憩時間〜
ランニングと筋トレを終えた私の元へ、ジャンが走ってきた。
ジャン『今から休憩だから、付き合うぜ』
ミカサ『ありがとう。ならば先にご飯を食べよう』
そう言ってジャンの腕を引っ張る。
…腕を引っ張る?
ミカサ『!ごめんなさい、つい』
ジャン『い、いや…大丈夫だ…』///
ジャン(ミカサが!俺の!腕を!)
考えるよりも先に、体が動いた。
朝方の発言のいい、私はおかしい。
何故こんな行動を…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
食堂は人で溢れかえっていた。
ジャン『ふーっ…やっと座れる』
ミカサ『お疲れ様。…ジャン』
ジャン『?』
ミカサ『私に訓練兵になってからのあなたのこと教えて。なにか思い出すかもしれないから』
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- 76 : 2013/11/30(土) 23:54:03 :
ジャン『…無理するなよ?』
ミカサ『ええ』
本人のことは、本人に聞くのが一番いいだろう。
昼食の時間中、ずっとジャンの話を聞くのに徹した。
しかし、しばらく話したあとにジャンが発した言葉が、私に衝撃を与えた。
ジャン『ーーーーーだから、通過儀礼の時に言ったんだ。憲兵団に入って、内地で暮らすためですってな』
今のは…!
ミカサ『本当にそう言ったの?』
ジャン『あ、ああ。そうだが…』
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- 77 : 2013/12/01(日) 00:18:02 :
あの言葉は、今までずっと思い出せなかったジャンの記憶に関することだったのだ!
でも、本当に残念なことにそれ以外は思い出せない…
(本当に?)
またか…!
もう何回目だろうか、この声を聞くのは。
ジャン『あー…ミカサ、時間やばくねぇか?』
ミカサ『そうだった…!続きは自主練しながらにしよう』
そう言って、2人で席を立つ。
2人での自主練の時間はあっという間に過ぎた…というより、ほとんどできなかった。
でも、ジャンのことを沢山知ることができた。
それだけで、満足だった。
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- 78 : 2013/12/01(日) 00:28:32 :
〜夜〜
最近ますます冬めいてきた、寒い。
今日から夜も食堂で食べる。
エレン、アルミンと食べようと思ったが彼らのテーブルは全て埋まっていた。
そして、昨日クリスタから聞いたことを思い出した。
その人物を探し、声をかける。
ミカサ『マルコ、隣いい?』
マルコ『ミカサじゃないか!どうぞ、その後どうだい?』
ミカサ『ジャンと色んな話をした。けどまだ…そこであなたに頼みがある』
マルコ『そうか…頼みって?』
ミカサ『ジャンのこと教えてほしい。親友のあなたから見たジャンを』
マルコ『僕から見たジャン?うーん、そうだな。…これは絶対に内緒だよ?ジャンは…強い人ではないから、弱い人の気持ちがよく理解できるんだ。そして、現状を認識するのに長けている…だから、その時に今何をすべきかがわかる人間だと思うんだ。僕は彼を尊敬してるよ。将来は指揮官とかむいてそうだよね』
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- 79 : 2013/12/01(日) 00:35:24 :
ジャンは『今何をすべきかがわかる人間』で、『指揮官にむいている』のか…
確かに、昨日のクリスタの発言と合わせてみても、言えているかもしれない。
マルコ『あと…これ言ったら怒られちゃうかな。彼はとても【一途】だよ』
ミカサ『…いちず?』
マルコ『あ、気にしないで。…外、雪が降りそうだ』
ミカサ『…本当だ』
ジャンが一途って、どういうことなのだろうか。
気になって仕方がない。
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- 80 : 2013/12/01(日) 00:42:45 :
〜翌日〜事故から5日〜
雪が降り始めた
今日から訓練に復帰する。
この3日間で、色んな話をした。主にジャンのこと。
わかったことがある。
ジャンはとてもいい人だということ。正直にものを言い過ぎているところもあるらしいが…それも彼の良さであるということ。
今何をすべきかがわかる人であること。
そして、指揮官にむいていそうだということ。
記憶障害が起きる前の私は、このことを知っていたのだろうか
今だに何も思い出せない。
でも、なにかひっかかっている気がする。本当は、なにがひっかかってるのか自分でわかってるのかもしれない。
それに、あの声だって
いや、それを認めちゃダメだ…私は…私は
キース『これより、立体機動による斬撃演習を行う!森の中に的を用意した!雪だろうと巨人は関係なく襲ってくるぞ、全て削いでこい!』
一同『ハッ!!!』
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- 81 : 2013/12/01(日) 00:54:09 :
- キース『なお、この演習は2人1組で行う!ペアはこちらで発表する!ペアとはぐれたら失格だ!ボット、カロライナ!レオンハート、フーバー!イェーガー、アルレルト!……
最後にキルシュタイン、アッカーマン!以上だ!』
ジャン『よろしくなミカサ』
ミカサ『よろしく、クリスタから貴方は立体機動がとてもうまいと聞いた』
ジャン『お前には負けるよ…さあ、行くぞ!』バシュッ
ミカサ『ええ』バシュッ
ジャン『前方、15m級2体!』
ミカサ『ジャンは左を!』
ジャン『了解!』
ザシュッ!
ミカサ『討伐!』
ジャン『全方向、問題なしだ!前進!』
ミカサ『了解!』ズキっ
まずい、頭痛が…
また記憶の断片が流れ出す。
今回は、自分の考えていたことまで流れてきた。
私が、落ちた時に考えていたこと。
それは
-
- 82 : 2013/12/01(日) 01:08:56 :
カンっ
ミカサ『!?アンカーが…!』
ジャン『っ!ミカサ!!!』
ゴッ…ズシャァァァァァア
ミカサ『痛い…っ!?ジャン!!』
ジャン『今回は、間に…あった。大、丈夫、か?』
ジャンは私をかばってくれていた
ミカサ『私は大丈夫だけど、あなたの腕が…!』
ジャンの腕は、肉がえぐれていた。そのため、周囲は真っ赤…本当に血まみれだった。かなりの量の血液が流れている。
ジャン『ああ、立体機動とかしばらく無理だろうな…。ミカサ、お前…1人で行け、いや危ないけど…2人で、ここに残る…よりはマシだ』
ミカサ『そんな…!あなたを置いていけない』
さっきよりも雪がひどくなってきた。
まもなく、吹雪となるだろう。
ジャン『はっ…お前にそんなこと言われる日が来るなんてな…でもな、女が男を抱えて立体機動なんて、無理だ』
ミカサ『できる!やってみせる!』
ジャン『ミカサっ!!!!!!!』
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- 83 : 2013/12/01(日) 01:12:12 :
ジャンが、突然大声を出した
ジャン『早く行け』
ジャン『冷静になれ…お前、エレンと同じとこ行くんだろ。ここが壁外だったら、どうするつもりだ。お前が俺を、抱えて飛ぶことで、さらに犠牲者が増える、ことだってある』
『その時に今何をすべきかがわかる人間だと思うんだ』
思い出したのは、昨日のマルコの言葉
ミカサ『ーーっ!……わかった、申し訳ない…すぐに教官を呼んで、戻ってくる。ので、絶対に動かないで、待ってて!』バシュッ
ジャン『…いったか。ちくしょう、思ったより、ひでぇな。肉えぐれてるし…つか、これ折れてね?吹雪いてきたしよ…とりあえず、ミカサだけでも帰せてよかっ…』クラッ
ジャン(やべ、血が出すぎたか…意識が…)
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- 88 : 2013/12/01(日) 23:20:31 :
思い出した。前回落ちた時に考えていたこと、それは
ジャンのことだった
ジャンの何を考えていたかまでは思い出せない。けど、確かにジャンのことを考えていた。
アルミン『ミカサ!ジャンは?ペアでこないと失格…』
ミカサ『お願い、助けて!ジャンが…怪我を!』
マルコ『教官!キルシュタインの救助のためにここを離れる許可を!』
キース『いや、許可はできん!吹雪いてきている。これ以上遭難者を増やすわけにはいかん!』
エレン『そんなっ…ちょっと待ってください!』
教官として、当然の判断だろう…
でも、私は、彼に戻ると言った。
ミカサ『行かせてください!キルシュタインは腕がえぐれて大量出血、吹雪の中救助を待っています!』
ライナー『なんだって!?』
ミカサ『吹雪が止むまで待てば、ジャンが…』
ミカサ『お願いします、行かせてください…!』
-
- 89 : 2013/12/01(日) 23:25:07 :
キース『…』
キース『ボット、ブラウン、フーバー、アルレルト!ついて行け。必ずキルシュタインを連れて帰ってこい!何かあったらすぐに戻って来い!』
バシュッ、バシュッ
アルミン『ミカサ、何があったの?』
ミカサ『わた、わたしの、アンカーが刺さらなくて、落ちてしまって。それをジャンがかばって…』
アルミン『ミカサ、落ち着いて。ライナー、マルコ、ベルトルトはジャンを運んで。僕は応急手当をやる。ミカサは僕の補助をお願い。もし抱えて帰れないほど危ない状況なら、君がもう一度教官の元へ行くんだ』
ミカサ『わかった…』
マルコ『了解…』
ミカサ『くっ…吹雪が強くて、場所が…!』
アルミン『!緊急事態用に持たされている信煙弾を持っているはず!』
マルコ『でもこんな吹雪じゃ…!』
ライナー『一か八か…』
パン!
ライナーが信煙弾を打つ
ライナー『ジャン…頼む、気づけ…!』
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- 90 : 2013/12/01(日) 23:30:10 :
パァン…!
アルミン『!むこうだ!』
ミカサ『間違いない、あそこだ!』
吹雪は強く、信煙弾が見えたのは奇跡だった。
さっきの場所には、雪に埋れた、血の気がないジャンが横たわっていた。
マルコ『ジャン!』
ジャン『よお、マルコ…』
ベルトルト『かなりひどいな…喋っちゃダメだからね。アルミン』
アルミン『…教官を呼んで』
ミカサ『っ!』バシュッ
ライナー『よし、あと5分で教官たちが来るだろう。…ミカサをかばったんだって?』
ベルトルト『喋らせちゃダメだろ』
ジャン『喋ってる…ほうがまだ意識保てるぞ…。まぁ…な。前回は1番…近くにいたのに、守れなかった…から。…俺やったぜ』
マルコ『ジャン…』
-
- 91 : 2013/12/01(日) 23:35:34 :
ジャンはしばらく訓練できないということだった。
ミカサ『…失礼します、ご飯持ってきた』
ジャン『悪りい、さんきゅ』
ミカサ『腕が使えないと不便、ので私がご飯を食べさせよう…本当にごめんなさい』
ジャン『気にすんなって』クシャクシャ
また、撫でられた。
やっぱり少し雑、だけどとても安心する。
なぜだろう…
ガチャ
キース『アッカーマン、話がある』
ミカサ『ハッ。じゃあ、あとで』
ガチャ、バタン
ミカサ『…』
キース『アッカーマン、なぜあの時命令に従わなかった。あそこが壁外だったらどうするつもりだ』
ミカサ『すみませんでした。でも…』
-
- 92 : 2013/12/01(日) 23:43:16 :
ミカサ『約束したんです、必ず助けに戻ると。私の周りの人間は、もう誰も死なせたくなかった』
お父さん、お母さん、カルラおばさん
みんな、いなくなってしまったから
キース『…そうか』
キース『礼を言おう、貴様のおかげで1人の兵士の命が救われた』
キース『しかし、今回は運が良かっただけだ。壁外遠征だったらお前も死んでいた…無駄に命を捨てるな』
そう言って教官は立ち去った。
アルミン『おーいミカサ!』
ミカサ『アルミン…!』
アルミン『ジャンは大丈夫?あと…その後どう?何か、思い出したりした?』
ミカサ『ジャンは大丈夫、意識もはっきりしている。…思い出したのは、少しだけ。私がジャンに上着をかけたことがあるってことと、通過儀礼の時のジャンの言葉。あとは、落ちた時に考えていたことがジャンのことだったってことだけ。』
なぜジャンに上着をかけたのか、ジャンの何を考えていたのか…思い出せない。
-
- 93 : 2013/12/01(日) 23:49:17 :
アルミン『…』
ミカサ『あと質問があるのアルミン。ジャンに頭を撫でられると嬉しい?安心する?』
アルミン『ふえ?いや、別に…』
アルミン(ん…?もしかして)
アルミンのきょとんとした顔が徐々に変わっていく
アルミン『ミカサは?』
ミカサ『私は…嬉しかった。理由はわからない…それに、昨日の朝ジャンの腕を引っ張ったりしてしまった…これも理由がわからない。私はおかしいのかもしれない』
アルミン『そう、か。』
アルミン(わかったぞ)
なにか確信したような顔
アルミン『ミカサ、君の好きな人は?』
ミカサ『…!何度も言わせないで。エレンに決まっているでしょう?』
アルミン『本当に?』
その聞き方は、あの声のようで
-
- 94 : 2013/12/01(日) 23:58:47 :
ミカサ『アルミン、何を』
アルミン『僕、さっきまでの会話で部分記憶障害の原因がわかったよ』
ようやく、この頭痛から解放されるのか
イヤ、思い出したくナイ
チガウ、認メタクナイ
アルミン『君がジャンのことを忘れていたのは、君が忘れたいと思ったからだよ』
ミカサ『どういうこと?』
アルミン『その前に…頭撫でられて嬉しい理由とジャンの腕を引っ張ってしまった理由、僕にはわかるよミカサ。それは恋だろう。好きな人に対しては自然とそうなるんだよ』
嘘だ
ウソだ
ウソダ
ミカサ『ありえない!私は、私が好きなのは』
アルミン『エレンじゃないだろう?』
アルミン(ミカサごめんよ…もう少し頑張ってくれ)
ミカサ『ーーーーっ!違う!私が好きなのは!』ズキズキっ
アルミン『違くないよ、君が事故にあう前日、僕は君から直接聞いたんだから…』
イタイ、頭ガ割れるヨウニいたイ
-
- 95 : 2013/12/02(月) 00:01:39 :
〜事故前日〜
アルミン『相談って?』
ミカサ『…ジャンをみているとドキドキする。喋ってる時はまともに顔を見れない…恥ずかしい』
アルミン『!それって!恋?』
ミカサ『…アルミンはどう思う?』
アルミン『限りなく恋に近いと思うよ。でもエレンは?』
ミカサ『以前はエレンが好きだった。しかしエレンは家族、であって恋人ではない…と思う』
アルミン『そうか…!』
アルミン(ようやく胃痛から解放される!そしてジャン、よかったね…!)
ミカサ(…認めたくない、けど、アルミンが言うなら本当のことなんだろう…)
ベルトルト『…大変なことを聞いてしまった』
〜事故当日〜
ビュンビュン
ジャン『ふっ…』
ザシュッ!
-
- 96 : 2013/12/02(月) 00:08:52 :
ミカサ(ジャンの斬撃が深くなってる…かっこいい)
ミカサ(いや、かっこいいけど。私が好きなのはエレン)
(本当に?)
ミカサ(!?そう、本当に!認めたくない、ジャンが好きだなんて、認めない!私が好きなのはエレン!エレンエレンエレン!)
ミカサ(なんで私が、あんな馬面で、自己中で、俺様で、ナルシストで、エレンを貶す奴を!優しくて、私のことを好いてくれているジャンなんかを!)
ガキッ
ミカサ『え…?』
ジャン『ミカサ!体制を立て直せ!』
ミカサ『装置が…!壊れ』
ジャン(くそっ…間に合わねぇ!)
ズシャァァァァァア
ジャン『おいミカサ!しっかりしろ!』
ーーーーーーーーーーーーーーーー
そうだ、私は確かにアルミンにそう言った。
アルミン『君は、【エレンに突っかかってくる】ジャンが嫌いだった。でも…これは僕の推測だよ?その時にはもう好きになってたんじゃないかな。きっかけは本人以外にはわからないけど』
アルミン『そして君はそれを認めたくなかった。たとえ自分が好きになった人でも、今まで【大事なたった一人の家族】であるエレンを【散々馬鹿にしてきた人】だったから。おかしい理屈だと思うけどね』
-
- 97 : 2013/12/02(月) 00:13:28 :
アルミン『辛いかもしれないけど、ミカサ自身のためにも、ジャンのためにも、認めなよ』
アルミン『君は、ジャン・キルシュタインが好きなんだろう?』
アルミンの言葉とともに、流れ出す記憶の断片
ーーーーーーーーーーーーーーーー
『憲兵団に入って、内地で暮らすためです』
(正直な人間だと思った)
『な、なぁ、あんた!…す、すまない…とても綺麗な黒髪だ』
『…どうも』
(生まれて初めて、この黒髪を褒められた)
『おはよう、ジャン』
『!おおおおはようミカサ』ニコッ
『!』
(その時の笑顔が忘れられなくて)
『…ジャン、立体機動について教えてほしい』
『も、もちろん!』
(だんだん意識するようになって)
『zzz…』
『…風邪をひいてしまう』パサッ
『…///』
(上着をかけるのも恥ずかしくなった)
(この気持ちは…)
-
- 98 : 2013/12/02(月) 00:16:34 :
頭痛が治まった。
そう、私は…ずっと。たぶん大元をたどれば入団式の日から、ジャンが好きだった。
気がつけば目で追っていた。
初めて話しかけた時のこと。
あの時のジャンの嬉しそうな顔は本当に素敵だった。
ジャンと話したことを思い出すたびに顔が赤くなった。
でも、エレンを悪く言う奴を好きになるなんて認めたくなかった。
だから、忘れたんだ…
あんなに真摯に看病してくれた人を
ずっと私だけを思っててくれた人を
ずっと私を好きだった人を自分の都合で、記憶から消し去った
なんてことを…
ミカサ『ーーっ…』ポロポロ…
アルミン『ほら、行ってきなよ。みんなには僕から説明しておく』
ミカサ『うん…!』ゴシゴシ
ガチャ
ミカサ『ジャン!』
ジャン『ミカサ、どうした?教官は…』
ミカサ『全部、思い出した』
ジャン『!?』
-
- 99 : 2013/12/02(月) 00:20:21 :
ミカサ『私は、本当はあなたが好きだった。けど、以前の私はそれを認めたくなかった。ので、記憶障害が起きた』
ミカサ『でも今の私は胸を張って言える』
ミカサ『あなたの笑顔が、堂々と自分の意見を言うところが、優しさが全部』
ミカサ『あなたが、ジャンが好き。散々待たせて、ごめんなさい』
ジャン『…っくふ、ははははは!』
ミカサ『!?』
突然ジャンが笑い出した。
ジャン『はぁ…やっと、報われたのか…』
そして、静かに笑って言った。
ジャン『俺、今世界で一番幸せな野郎だと思う。俺も、好きだ』
以前見たものとは違う、心からの笑顔に我慢できず、私はジャンの腕の中に飛び込んだ。
-
- 100 : 2013/12/02(月) 00:24:23 :
ジャン『ミカサぁぁ幸せだけどそこ痛いぃぃぃ!!』
ミカサ『!ごめんなさい…つい』
ジャン『くっそ、こんな腕じゃ抱きしめられねぇ…』
ミカサ『…構わない、私が抱きしめよう』///
『よかったなぁ…ミカサ、ジャン』
『とにかく、記憶が戻って何より』
『やっとくっついたか…』
ミカサ『ジャン、私配属先決めた』
ジャン『お、ようやく固定化するのか』
ミカサ『いいえ、固定は…することになるけど、しない。私の配属先希望は』
ミカサ『ジャン、あなたと同じところ』
完
-
- 101 : 2013/12/02(月) 00:27:57 :
- スレ数が3桁行ってしまった長すぎたorz
これで終わりです、読んでくださってありがとうございました!
初SSで文がめちゃめちゃだったところもあると思います、次回への反省…
今週からのテストが終わってからまた新しいの書こうかなと思ってます
ジャン↑
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