比企谷「超高校級のボッチ」
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 × ダンガンロンパ
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- 1 : 2015/03/24(火) 15:33:20 :
- 才能。
それは、生まれついての個性である。
努力は人を裏切らない言うが、どうにもならないこともある。
勉強ができないやつは、テストで満点を取ることはできないだろうし、運動神経が悪い奴も、運動したってエースにはなれない。
だからこそ、才能がある人間は羨まれ、妬まれる。
つまり、ボッチは羨まれるべき存在である。
ボッチは、多くの人間にはできないことを軽々とやっている。
それは、才能と呼べるのではないか。
だから、俺はこの才能に誇りをもっていいと思う。
…いいんだよな?そうだよな?
そんなことを、この校舎を見ながら思った。
あぁ、千葉が恋しくなってきた。千葉LOVE。
小町、俺もうだめかもしれない。
追記
※注意事項
・ダンガンロンパ無印のネタバレ
・俺ガイル10.5巻までのネタバレ
・キャラ崩壊
・絶望的な文章力
・ボッチにしては遅すぎる更新
などが含まれます。
苦手な方は今すぐ逃げて!超逃げて!
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- 2 : 2015/03/24(火) 15:39:03 :
- こんなことを考えても仕方ないか。
俺は、今日から"希望ヶ峰学園"で生活するのだろう。
三年間世話になるんだ。そろそろ中に入ろうか。
一歩踏み出した瞬間、視界がぐらついた。
何?俺狙われてたの?てか、これリアルでやばくね?
小町、構ってやれなくてごめんな。
死ぬ前に、最後にMAXコーヒーが飲みたかった…
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- 3 : 2015/03/24(火) 15:46:23 :
- ・ ・ ・
目が覚めると、異世界だった。
いや、ここどこ?窓に鉄板とか貼られてるし。
てか、ここ教室か。びっくりした。
…いや、なんだこれ、誘拐か?
俺みたいな奴を誘拐するようなやつはいないか。
さて、とりあえず現状確認だ。
窓には鉄板。俺が寝てた机にはメモ。
見てみるか。
『オマエラ、8時に体育館集合』
字汚ねぇなこいつ。てか、今何時だ?
七時半か。やる事もないし、行くか。
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- 4 : 2015/03/24(火) 15:55:06 :
- 体育館に行くと、一人しかいなかった。
「むっ!誰だキミは!僕は石丸清多夏だ!」
うわ、なんだこいつ。熱血そうだな
「俺は比企谷八幡だ」
簡単に自己紹介をした。待てよ、こいつ、聞いたことがある。
「言い忘れていたが、僕の才能は"超高校級の風紀委員"だ!」
ああ、思い出した。俺と同じ78期生のやつだ。
「所で、君も78期生なのか?」
「ああ。俺の才能は、まあ、どうでもいいだろう」
正直言って、仲良くできる気がしない。
才能を言う気もないので、これでいいだろう。
「いいから言いたまえ!」
やだよ。めんどくさい。と言いそうになったが、何とか踏みとどまった。
「俺の才能は、"超高校級のボッチ"だ。」
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- 5 : 2015/03/24(火) 16:10:02 :
- 「そ、そうなのか…その、すまなかった」
いきなり謝ってきた。
いや、気にしてないから。いや、そこに触れないで。トラウマしかないから。気とか使わなくていいから。
「いや、別にいいですよ。慣れてるので」
「そ、そうなのか…よく解らないな。まあ、仲良くやっていこうじゃないか。」
出たよ、リア充の迷言。仲良くしようぜ!じゃねぇんだよ。
別に仲良くする気はない、と言おうとしたら、一人入ってきた。
長い銀髪のおとなしそうな女子だ。
「やぁ、僕は石丸清多夏だ!」
その少女はそれを無視し、隅の方に歩いていく。
どことなく、廊下で見た雪ノ下という少女に似ている。
何?奉仕部?俺まだ高校一年だけど?
秋入学だから、それまで総武高校にいたんだが、確かそいつ学年一位だったな。
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- 6 : 2015/03/24(火) 16:25:59 :
- にしても感じ悪いな。あいつもボッチか?
そんなことを考えながらボーっとしていると、一人、また一人と入ってきた。
そろそろ八時か。15人、あと二人ぐらいいたと思うんだがな。
その時、ゆっくりとドアが開けられた。
入ってきたのは、平凡そうな男子生徒だ。アホ毛以外。
「こら!八時集合と言われていたではないか!」
石丸がそう一括すると、ギャルっぽい奴が言った。
「この状況なんだから、仕方なくない?」
そして、改めて皆が自己紹介をする。
「ボクの名前は、苗木誠だ」
そして、一通り自己紹介が終わった。
その時、前の方から物音がした。
そっちの方を、思わず見てしまう。
そこから、白黒のクマが出て来る。
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- 7 : 2015/03/24(火) 16:34:19 :
- ロボットか?よくわからないが、関わりたくはない。
以下、話の内容。
・ここからは出られない。
・生活に必要なものは揃っている。
・学園長への暴力は校則違反。
・そのほかの詳しい校則は電子生徒手帳に書いてある。
・※重要 人を殺したら卒業できる。
大体こんなところだ。
そして、今俺が何をしているかと言うと、探索である。
人を殺さずに、ここから出る方法を探しているらしい。
正直言って、俺はここを出る気はない。
だって、ここにいても嫌な理由ないし、どっちかっていうと外の方がいやだ。
小町と会えないのは辛いが、俺がいないほうがあいつも幸せだろうしな。
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- 8 : 2015/03/24(火) 16:42:37 :
- そんなことを考えながら一人で探索していると、妙なコインを見つけた。
さっきのクマ、モノクマとかいう学園長のような模様が描かれている。
…すごくいらねぇなこれ。呪いのアイテムの類な気がする。
「おやおや、君がこれを最初に見つけたの?うぷぷ…」
「なんですか学園長。てかこれ、何なんですか?」
「ボクを学園量だと認めてくれるのは比企谷君だけだよ」
まぁ、誰も信じないよな。
「後、それはモノクマコインだよ。購買部のガチャガチャを回せる奴だよ」
「何が出るんですか?」
「いろいろだよ?動くこけしとか」
なんでそんなアイテムがあるんだよ…
「あとで回してみれば?」
「そうさせていただきます」
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- 9 : 2015/03/24(火) 16:55:12 :
- 決してやましい意味はないぞ!
合法的にそうそういうのが思ってないぞ!
まぁ、暇だし回してみるか
・ ・ ・
しばらく歩いてみると、購買についた。
ガチャガチャがあったから、回してみた。
なんだこれ?赤いマフラーか?
…自分で使おう。プレゼントとかめんどいし。
てかまず受け取ってくれないし。
でも、温度ちょうどいいし、別にいらないな。
部屋に置いとくか。
さて、そろそろ報告会か?
食堂に急ぐか。
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- 10 : 2015/03/24(火) 17:10:09 :
・ ・ ・
報告会も終わり、部屋のベッドに飛び込んだ。
急展開過ぎて、頭がついていけない。
だが、一つ分かるのは、ここにはリア充が多いという事だ。
ここでも俺はボッチそうだな。そろそろ昇格してもいいんじゃないか?
まぁ、だれも人を殺す気はなさそうだし、別にいいか。
このまま一人心細く生活するか。仲良くなれそうもないし。
環境が違ってもやっぱり俺は変われないのか。
いや、今までもそうだったか。
ずっと、俺は変われないんだ。
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- 11 : 2015/03/24(火) 17:19:34 :
- ・ ・ ・
ここに来てから数日。平和な日々が続いている。
だが、モノクマに視聴覚室集合と言われた。
そして、今は視聴覚室。自分の名前が書いてあるDVDを見ろ、とのこと。
そして、再生ボタンを押す。
ディスプレイに映るのは、見慣れた家族。
『入学おめでとう!お兄ちゃん!会えないのは寂しいな…あ、今の小町的にポイント高い!』
『入学おめでとう。…才能は酷いけど、がんばりなさい?』
『小町のことは任せろ!嫁には行かせん!』
三人がしゃべり終わると、画面が消える。
また画面が付くと、そこには荒れたリビング
小町!小町!うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!と、叫びそうになるが、これが本物だという確証がない。おそらく偽物だろう。と、平常心を保つ。
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- 12 : 2015/03/24(火) 17:28:05 :
- だが、保てないものもいたらしい。
舞園がいきなり叫び、逃げ出した。それを苗木が追う。
俺の出る幕はなさそうだ。だが、これは自分の命が危ないかもしれない。
舞園は、誰かを殺す気なのだろう。だが、それは阻止せねばならない。
誰かが人を殺すことにより、平和な日常が乱れるのは嫌だ。
それに、そのせいでここから出なければならなくなったら最悪だ!
そんなことを考えながら、自分の部屋に戻った。
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- 13 : 2015/03/24(火) 17:33:50 :
- その後、俺はずっと部屋の外を見ていた。
のぞき窓を全力で見つめる。
そこのカメラから見たら、俺は妙な人間なのだろう。
その時、舞園が見えた。
ちなみに、俺の部屋は舞園と苗木の部屋に挟まれている感じだ。
俺はゆっくりとドアを開け、誰かいるかを確認した。
すると、桑田の部屋のところに何か挟んでいるような光景を見た。
ターゲットは桑田か。
なら、どうやって止めるか…
そんなことを考えながら、怪しまれないよう、トイレに向かった。
トイレから出ると、苗木の部屋の前に舞園がいた。
舞園が部屋に入ると同時に、俺は自分の部屋に向かって動き出す。
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- 14 : 2015/03/24(火) 17:46:41 :
- 部屋に入り、またのぞき窓を見ていた。
しばらくすると、苗木が出てきた。どうやら、舞園の部屋に入ったようだ。
すぐに、舞園が出てきて、ネームプレートをもって移動していた。
そして、苗木の部屋に入った。
俺は部屋を出て、両隣の部屋を確認した。
ネームプレートが変わっていた。恐らく、部屋を交換したのだろう。
だが、なぜネームプレートを変えた?
このまま舞園が桑田を殺せば、犯行現場は苗木の部屋になる。
苗木に罪をかぶせようとしたのか。
だったら、どうする?
思いついた…
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- 15 : 2015/03/24(火) 17:52:27 :
- 苗木のネームプレートがあるドアをノックする
「苗木、いるか?比企谷だ。相談したいことがあるんだが」
すると、苗木が出てきた。
「どうしたの?比企谷クン」
おいおい…なんでそこで普通に出てきちゃうんだこいつ…
「廊下で話そう」
というと、苗木が外に出てきた。
「相談って何?」
苗木が聞いてくる。
「いや、ちょっと聞きたいことがあるんだが…苗木の部屋って、向こうじゃなかったか?」
そう聞くと、苗木ははっとして、慌てだす。
「ええっと、それは…」
苗木は口ごもる。
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- 16 : 2015/03/24(火) 19:25:41 :
- 「電子生徒手帳も、こっちは舞園の部屋だって書いてあるんだが…」
俺はさらに問う。
「いや、あの、その…」
苗木はさらに慌てる。
「でも、ネームプレートはあってるんだよな…」
「そうだ、舞園の部屋の方に行けばいいのか」
俺がそう言うと、苗木は慌てて止める
「そ、それはやめた方がいいんじゃないかな」
俺はその慌て具合に「なんでだ?」と聞いてみる。
「な、何となく、というか…」
「何か隠し事でもあるのか?」
俺がそう聞くと、苗木はとても困った表情で汗を流す。
「まあいいや、向こうの部屋にいる奴に聞けばわかるだろ」
そう言って、部屋の前まで行く。
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- 17 : 2015/03/24(火) 19:36:48 :
- そこまですると、苗木が諦めたのか、ドアをノックする
「舞園さん、いる?」
すると、物音がしてから、
「いいですよ、苗木君」
と、ドアの向こうから声がした。
そこで俺は、全力で部屋に逃げ込む。
あとは、苗木達がどうにかしてくれるだろう。
トイレにいった後、メモを見た。
そこには、舞園の部屋に来てほしいという趣旨が書いてあった。
だからこそ、そのメモが回収されたタイミングで、苗木を舞園の部屋に行かせた。
おそらく、桑田はすぐに来るだろう。あいつはチャラいからな
これで、俺のやるべきことは終わった。
舞園は苗木を殺さないだろうし、少し修羅場になるだろうが、まぁ問題ないだろう。
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- 18 : 2015/03/24(火) 19:45:08 :
- その時、俺の部屋のドアがノックされた。
「比企谷クン、そこにいるの?」
苗木の声に、俺は返事をしない。
鍵もかけてあるので、入ってくることもないだろう。
「ここには居ないのかな?」
苗木がそう言って、隣の部屋に入る。
それと同時に、桑田の声がする。
「な、なんで苗木が舞園の部屋にいるんだ!?」
さて、これで俺の仕事は終わりだ。
あとは、あいつらに任せよう。
流石に、舞園は苗木に嫌われるようなことはしないだろう。
俺は、電気を消し、ベットに入る。
小町の作った肉じゃがが食べたい…
小町に会いたいが、無理そうだ。
流石に、人を殺したら小町に嫌われる。
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- 19 : 2015/03/25(水) 15:37:11 :
- ・ ・ ・
『好きです、付き合ってください』
これは、おそらく夢なのだろう。
中学時代の、俺の黒歴史だ。
つまらない噂に振り回され、クラスのやつらに突き落とされたような思い出。
もう、思い出したくなかった。そんな思い出だ。
だが、ここで告白しなければ、変わっていたのだろうか?
いや、そんなことはない。
俺は、生まれたときから間違ってたのだ。
生まれる世界を間違え、生きる場所も間違った。
この間違いを正す方法なんて、どこにもない。
そんな思考に浸りながら、俺は悪夢を終わらせた。
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- 20 : 2015/03/25(水) 17:02:43 :
- サイバー「余談ですが、10.5巻買いました!」
サイバー「表紙がいろはすで、見つけた瞬間レジにいきましたw」
サイバー「誰も見てないと思いますが、今後ともよろしくお願いします」
サイバー「では、次のレスから再開です。」
(このssが完結後、この書き込みは非表示になります。)
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- 21 : 2015/03/25(水) 17:14:20 :
- ・ ・ ・
俺は、ゆっくりと起き上った。
赤い壁にシンプルな家具。自分が寝ているベッドは、家のよりもぐっすり眠れる。
時刻は5時。いつもよりも早い起床だが、昨日は早く寝たから、その分だろう。
とりあえず、確認したいことがあるので、苗木の部屋に向かった。
自分の部屋から出て、すぐ隣の部屋。苗木の部屋に行けば、苗木がいるだろう。
ノックをし、用件を伝える。
そうすると、中から声が聞こえる。
「鍵は開いてるから、入っていいよ」
苗木の声だ。俺は「失礼する」と言って、中に入った。
-
- 22 : 2015/03/25(水) 17:22:06 :
- 中に入ると、三人いた。
アホ毛が特徴的だが、それ以外が平凡な苗木。
チャラいが、その外見とは裏腹に、素晴らしい野球の才能がある桑田。
日本の国民的なアイドルグループのリーダーであり、今回人を殺そうとした舞園。
今回の事件の関係者三人だ。
だが、舞園はすでに寝ており、桑田は離れたところで床で寝ている。
苗木は、椅子に座り、こちらを見ていた。
何も起きなかった時のことも考え、当たり障りのない反応をする。
「あの後、何があったんだ?」
「…信じてくれる?」
「内容によるな」
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- 23 : 2015/03/25(水) 17:30:42 :
- 「比企谷クンがいなくなってから、桑田君がやってきたんだ。」
「そしたら、舞園さんが慌てだして、何かあったのかを聞いてみたんだ。」
「そしたら、舞園さんが人を殺そうとしていたことが分かったんだ。」
ここまでは想定内だった。だから、こんな質問を投げかけた。
「それを、桑田は許したのか?」
「うん、妙なビデオを見せられて混乱していたってことで、何とか許してくれたよ。」
「それで、舞園さんは疲れて寝ちゃって、桑田君は怖いから一応離れて寝るって言ってた。」
「それと、桑田君が何かしないように、一応僕が見てるんだ」
「そうか、今日はゆっくり寝ろよ」
「ありがとう、比企谷クン」
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- 24 : 2015/03/25(水) 17:42:33 :
- 「そういえばさ、比企谷クン」
「な、なんだ?」
話しかけられて、少しキョドってしまった。
「なんで比企谷君は、急に居なくなったの?」
「いや、トイレに行っただけだ」
「そうなんだ。一言声をかけてくれればよかったのに…」
「いや、すぐ戻る予定だったし、俺、声かけられることがほとんどないからさ」
「…それって、君の才能も関係してるの?」
"超高校級のボッチ"。それが、俺の才能だ。この才能は、人としてどうかと思う才能だと思われるだろうが、俺は、エリートボッチとしてこの才能に誇りを持っている。
「ああ」
「そっか…」
苗木には、色々なことが話せる気がする。深く探ることもないが、ちゃんと相手の話を聞き、気持ちを考え、適切な言葉を探す。こいつはいいリア充だ。
だが、仲良くなろうとは思わないし、仲良くなれるとも思っていない。俺、ボッチだし。
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- 25 : 2015/03/25(水) 18:08:21 :
- 「それじゃ、食堂で」
「うん、朝食で会おうね」
俺は部屋を出て、自分の部屋に入った。
昨日は、いろいろなことがあった。
小町への愛を確かめたり、小町がいないことに泣いたり…
あれ?大体小町じゃね?まぁいいか。
さて、朝食まで暇だな。購買にあった俺ガイルでも読むか。
・ ・ ・
いつの間にか二時間ぐらい経っていた。
作者マジパナい。でも、とりあえず時間だから食堂に急ぐか。
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- 26 : 2015/03/25(水) 18:30:47 :
- 食堂に行くと、もうほとんどの人が来ていた。
「おはよう」等、挨拶をしてくる人もいる。中学や高校に比べると、ここにはボッチにやさしい人がそろっているのだろう。まぁ、関係ないが。
だが、今日は空気が重い。その原因は、この三人だ。
そして、その静寂を破る気の抜けた声。
「もう、せっかくコロシアイが始まると思ったのに、和解しちゃってさぁ!」
モノクマが天井にぶら下がりながらそう言った。
「学園長、何をやっているんですか?」
俺はできるだけ丁寧にツッコミを入れた。
「スパイごっこだよ比企谷君」
なんでスパイごっこなんてやってんだこいつ…
内心そう思いながらも、俺は自分の席に着いた。
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- 27 : 2015/03/25(水) 18:52:08 :
- だが、重い空気はどうにもならない。
それを、苗木が破る。
「僕は、舞園さんを許したいんだ。皆は?」
苗木は、舞園を援護する気でいるらしい。
「私もそれに賛成だよ。だって、あんなビデオ見たら怖くなっちゃうもん!」
朝日奈がそれに賛成する。
ここには優しい奴も多い。だが、それと同時に冷たい人間もいる。
「何故人を殺そうとした人間を許さなければならないんだ?」
噛ませメガネ、いや、十神がそういった。
「そこまで言う必要はねぇだろ!」
桑田が十神に叫んだ。だが、その声は十神には届かない。
「お前は何を言っているんだ桑田。お前は被害者だろう?お前だって、少なからず舞園に敵意を抱いているんだろう?」
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- 28 : 2015/03/25(水) 19:02:22 :
- …この情景を見ていて、俺はいい気分にはなれなかった。
邪魔と言われ、孤独になるのは、俺のアイデンティティだ。
それを誰かに奪われるくらいなら、俺は自分を犠牲にする。
「なぁ、十神」
「なんだ?比企谷」
「お前は本当に馬鹿だな」
「…何と言った!」
「お前は馬鹿だといったんだよ」
「貴様!よくもこの十神白夜を!愚民程度が、俺に馬鹿だと?ふざけるな!」
「ふざけているのはお前だろうが、十神。お前は今の発言で、ここにいる全員を敵に回したのが解らないのか?」
「フン、俺に仲間などいらない。俺は一人で十分だ」
「そんなことを言っているから、お前は馬鹿だといわれるんだよ。」
できるだけ、相手をイラつかせるように。できるだけ、相手が俺に怒りを覚えるように。そして、相手が冷静さを失うように。
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- 29 : 2015/03/25(水) 21:25:51 :
- 期待です!
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- 30 : 2015/03/28(土) 14:43:45 :
- 「俺は、お前みたいな人間が嫌いだ」
「自分の権利を見せつけ、人を見下す事により、自分のプライドを保つ」
「その癖、人をどこまで苦しめることにしか能がない人間ときた」
「超高校級の完璧と呼ばれているからなんなんだ」
「結局は、その力を見せつけたいだけだろ」
「だから、お前みたいな人間が嫌いだ」
「いや、違うな」
「俺は、俺以外の人間が嫌いだ」
「自分のことだけ考え、他人を犠牲にする」
「そうやって、自分だけ助かろうとする」
「ここにいる奴ら全員に言わせてもらう」
「俺は、ここにいる俺以外の人間が嫌いだ!」
バラバラになっているものを団結させるのに必要なのは何か?簡単だ。
…共通の敵。これこそが、これだけが必要なんだ。
十神じゃぁ、まだ足りない。あんな噛ませ犬じゃぁ、意味がない。
-
- 31 : 2015/03/28(土) 14:49:35 :
- だからこそ、俺が悪役になった。
俺が悪役になることで、お前らは団結する。
「黙れよ!さっきからうるせぇんだよ!」
リーゼントの大和田が、俺の胸ぐらをつかむ。
「お前のその行動で、だれが救われるんだろうなぁ」
俺は大和田に問いかける。
「お前、入学式で苗木のこと殴ったよな?それで誰が救われたんだ?」
「お前のせいでこいつらはバラバラになったんだぜ?」
「お前が苗木を殴らなければ、皆落ち着いて話し合いをしてたと思うぜ?」
「こうなったのは、大和田。お前のせいだろ?」
「弱 小 暴 走 族 の リ ー ダ ー 大 和 田」
「て、テメェ!いい加減にしろ!」
大和田のパンチが、俺の左頬に炸裂する
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- 32 : 2015/03/28(土) 14:53:52 :
- そう、これでいい。
もっと、俺を悪役にしろ。
正義のヒーローとして。
「ほら、殴ったな。結局、お前は殴ることしかできないんだ」
「弱いお前は、殴ることでしか、自分を作れない」
「だから、お前は弱いんだよ!」
「弱い人間は、人を落とすことでしか自分を保てないんだ」
「十神も大和田も同じだよ」
「お前は弱いんだよ。大和田」
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- 33 : 2015/03/28(土) 15:00:49 :
- そういうと、俺は落ちた。
具体的に言うと、手を離された。
「俺は…弱い?」
大和田が、うつむきながらそう言った。
「ならば、強くなればいいのだ!」
石丸がそう言った。
「そうだよ!弱くても、これから強くなればいいんだ!」
不二咲がそれに続く。
「一度、部屋に戻ろう。そして、どうすれば強くなれるか考えようではないか!」
石丸と不二咲が、大和田を連れて食堂を出る。
それと同時に、ほかの者たちも俺に近づかないように食堂を出ていく。陰口を、俺に聞こえるように言いながら。
俺と、苗木だけが食堂に残った。
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- 34 : 2015/03/28(土) 15:07:46 :
- 「ねぇ、比企谷クン」
「なんだ苗木」
「さっきの言葉、本物なのかな」
「さぁ、どうだろうな。それは、俺にしかわからない。」
無音の食堂に、二人の声だけが響く
俺は、この会話をできるだけ早く終わらせられるようにそう言った。
「ボクは、偽物だと思う。」
「…なんでそう思うんだ?」
そう聞くと、食堂に無音が訪れた。
外の音なんて一切せず、時間だけが過ぎていく。
「何となく、じゃぁ、納得してくれないよね」
「あれを言ったとき、比企谷クンさ、絶望したような表情だったんだ」
「すごく嫌な笑顔だったけど、その奥に絶望が隠れてた気がするんだよ」
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- 35 : 2015/03/28(土) 15:13:38 :
- 「…面白い発想だな。小説家にでもなったほうがいいんじゃないかな」
そんなありきたりなセリフをぶつけた。
「ほら、今だってそうだ。苦しんでいるのを隠して、自分を犠牲にする。それが、キミの本性なんじゃないかな」
…なぜ、こいつは自信満々にこんなことが言えるんだろうか。
なぜ、こいつは見透かしたような目をしているんだろうか。
全てを見抜き、正しい道を歩こうとする彼の瞳は、まっすぐ俺を見ていた。
――そんな目で俺を見ないでくれ。
俺を、希望で満ち溢れた目で見ないでくれ。
そんな目をされたら、嘘をつけなくなるだろうが。
嘘を許さない心。
人を救いたいと思う心。
そんな心で、俺を見ないでくれ!
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- 36 : 2015/03/29(日) 10:10:15 :
- 「なんで、そんなことを言うんだ?」
「どう言う意味?」
「どうして、俺を知ろうとするんだよ」
自然と、口が動いていた。
その問いに、苗木はゆっくりと答える。
「ボクはさ、前向きなのが取り柄なんだ」
「それ以外は全部平凡で、普通の人とは変わらなかった」
「だからさ、ボクが"幸運"であることが、少し嫌なんだ」
「キミは、その才能が好き?」
苗木はそう問いかける。
俺は、混乱していた。
なんで、こいつは俺にやさしくするんだろうか。
こいつが、俺にやさしくして、何のメリットがあるんだ?
その答えは、もう出ていた。
だが、その答えを認めたくなかった。
-
- 37 : 2015/03/30(月) 10:58:31 :
- 考えているうちに、俺はあることに気が付いた。
こいつは、俺の嫌いなタイプの人間だ。
"みんななかよく"の考えを中心に行動する人間は、もともと仲良くできない人間に気が付かずに傷つける。
そして、いつの間にか俺のような人間が見えなくなる。
そうやって、皆が幸せだという幻覚を見る。
周りの人間は、それが正しいと信じ、それに従う。
そうやって、ボッチができるのだ。
だからこそ、俺はこいつが嫌いだ。
嫌いな奴に対する対応は決まっている。
「さぁな。だが、お前は嫌いだ」
こうすれば、こいつは離れてくれる。
葉山みたいなやつだったな…
葉山?誰だ?俺はそんな奴知らない筈だ。
なんなんだ?訳が分からない。
-
- 38 : 2015/03/30(月) 11:19:03 :
- 「お前みたいな良い奴は、嫌いなんだよ」
俺は、混乱の中そう言った。
それに苗木は、何処かで聞いたような言葉で返してきた
「ボクは、キミが思っているほどいい奴じゃないよ」
『俺は、君が思っているほどいい奴じゃない』
頭が痛い。知らない記憶が俺を苦しめる。
「キミは強いね。人のために、自分を捨てることができるなんて」
俺は、本心でその言葉に答えてしまう。
「そうすれば、だれも傷つかない世界ができるだろ?」
「…ねぇ、比企谷クン」
「なんだ?苗木」
そう聞くと、苗木は笑顔で俺に言った。
「ボクと、友達になろうよ!」
ここまでしても、こいつは俺と仲良くなろうとする。
だったら、俺にはそれに答える義務がある。
「ああ、よろしく。苗木」
-
- 39 : 2015/03/30(月) 12:40:21 :
- ・ ・ ・
翌日、苗木の手によって俺は皆と仲直りさせられた。
あの場を落ち着かせるためにやったということを苗木が言うと、皆がそれに納得したようで、仲良くしようぜということになった。
意外だったのは、十神だった。
十神は、苗木が説明した後に、謝りに来たのだ。
話の分かる奴は仲間にしておいて損はないだろう。
ステータスは結構いいからな。仲良くしておこう。
だが、気になっていることがある。
"知らないはずの記憶"だ。
この謎を解明するには、ここを調べる必要があるだろう。
だったら、俺はモノクマに交渉をすることにしよう。
-
- 40 : 2015/03/30(月) 14:28:41 :
- 「学園長、少しいいでしょうか」
俺がそういうと、食堂にモノクマが出てきた。
「はいはい、なんですか?」
モノクマが出て来ると、葉隠が耳打ちしてきた
「なんでモノクマを呼んだんだべ?」
「ちょっとやりたいことがあってな」
俺は言い返したのち、モノクマに聞いた。
「このままだと、コロシアイが起きなくなるのでは?」
それに対して、モノクマは言う。
「その通りなのです!なので、対処を考えなければなりません!」
いい感じだ。ここで、俺は提案する。
「なので、シャッターを外し、全ての階と部屋を開放してみてはどうでしょうか?」
皆がびっくりした顔をする。そうだ。これでいい
「その方が、コロシアイも起きると思いますよ?」
-
- 41 : 2015/03/30(月) 14:40:51 :
- この意見に、モノクマは反対する。
「でもねぇ、さすがにそれはキツイんじゃないかなぁ」
反対されたが、今はまだこれでいい。
「では、せめて4階ぐらいまでは開放していいのでは?」
確か、この校舎は5階建てだったはずだ。
「うーん…だったら、一階の部屋すべてを開放する、でいいかな?ほら、大浴場もあるし」
もっとだ。もっと攻めよう
「だったら、二階の解放。および、それによりいけるようになった部屋と、一階の部屋全てを解放でいいのでは?」
「そうするんだったら、もう、二階の解放だけでいいんじゃないかな?」
今だ!俺は全力で頭を床に打ち付け、土下座する。
「お願いします学園長!一階と二階の解放の承諾をしてください!」
額が痛いが、頭を上げず、全力でお願いをする。
-
- 42 : 2015/03/30(月) 19:06:28 :
- 「うーん、しょうがないなぁ。だったら、一階と二階の解放をしてあげるよ。ボク、やさしいからね!」
さぁ、ここからが勝負だ
「いえ、俺では力不足なことがわかりました故、最初に学園長が提示した物でお願いします」
「えぇ!?」
苗木が叫ぶ。そして、モノクマが焦ったように言う
「い、いや、あの、良いんだよ?そしたら、三階まで解放してあげるから、さ?」
「いえ、でしたら一階のみの開放でいいです」
モノクマが焦る。
「そ、それなら四階もつけるよ!?」
「じゃぁそれで」
ニヤリと笑う俺。今の俺、最高にかっこよくね?
「え?あれ?ああ、う、うん」
-
- 43 : 2015/03/31(火) 19:14:21 :
- さて、俺の仕事はこれで終わりだ。
あとは、皆が探索してくれるだろう。
それと、苗木にメモを渡す。
モノクマに気付かれないように全力で。
さてと、俺も探索に行きますかね。
・ ・ ・
ここ広すぎだろ…
なんでこんなに広くしたんだよ学園長!と叫びたくなるが、モノクマが出てきそうなのでやめておく。
今は三階にいる。二階から順に調べているのだが、なんにせよ部屋が多すぎる。ここまで部屋が多いと、地図を覚えるのは一苦労だろう。
あってよかった電子生徒手帳。これのおかげで俺は戦える。
-
- 44 : 2015/04/01(水) 08:42:45 :
- 一人で淡々と探索していると、苗木がいた。
舞園を引き連れ、キャッキャと話しながら歩いていたので、相手の視界に入らないようにする。
その方法は、ズバリ!逃げる!
ちゃっちゃと三階に逃げよう。流石にこのリア充ワールドはキツイ。
ちょっとした探索をしながら階段にたどり着く。ここまでくれば俺のものだ。さっさと三階に行き、邪魔をしないように隠れなければ。
「あら、比企谷君。こんなところで何を?」
セレスに見つかった…ざんねん、ハチマンのぼうけんはここでおわってしまった!
「いや、普通に探索を…」
絶対怪しまれてるよこれ!なんでか知らないけど、絶対怪しまれてるよこれ!
-
- 45 : 2015/04/01(水) 18:58:30 :
- 「そうなのですか?逃げてるようにも見えたのですが」
え?なんでわかるのコイツ。何?俺のこと見てたの?ストーカーなの?
…いや、待て、落ち着け。これはブラフだ。こいつが俺の行動を知っているはずがないんだ。落ち着け、落ち着け俺。
「いや、逃げてるにしても誰から逃げるんだよ?学園長か?俺はモノクマに何かしたのか?」
「私の予想では…苗木君あたりでしょうか?」
なんでそこまでわかるの!?…いや、待てよ?苗木の声ならさっきからしている…
この距離だと解りずらいが、セレスは実は苗木のことを気になっているのは目線の動きとかで分かっていたからな。
セレスがポーカーフェイスなのもわかってる。苗木のことが好きなのをネタに逃げることも考えたが、不可能だろう。
「なんでそこで苗木が出て来るのかは解らないが、探索がまだ終わってないんでな。明日の報告会にでも成果を報告させてもらうよ」
-
- 46 : 2015/04/02(木) 10:09:43 :
- 「あら、お供いたしましょうか?」
しつこいぞこいつ。確かにラーメンはあっさりじゃないほうが好きだが、女はしつこいと嫌われるのを知らないのか?いや、待てよ。俺もあっさり系男子になればモテるんじゃないか?
…あっさりでも嫌われるな、俺。
それに、こいつは四階から降りてきたんだ。おそらく、もう探索は終わっているだろう。
「残念ながら、俺とお前は目的地が違うと思うぞ?俺はこれから四階に行くからな」
「あら、そうですか。では、失礼いたします」
そういって、セレスは三階のフロアを探索し始めた。
やっと四階の探索ができる…と思い階段を上ろうとすると、山田が落ちてきた。
とにかく止めようとも思ったが、山田の体重をどうにかできるわけもなく、巻き添えを食らいそうだったので、避けた。運よく、山田はお腹から着地したようで、けがはなさそうだ。
-
- 47 : 2015/04/02(木) 18:50:35 :
- ・ ・ ・
探索を終え、自室で探索の資料の整理をする。
整理と言っても、簡単な見やすい資料を作っているだけだ。
だが、この作業をしているうちに、ある違和感を感じた。
ここは、やはり"希望ヶ峰学園"なのだろう。
つまり、ここはもともと"俺たちを監禁するために作られた"施設ではないのだ。ならば、どうしてあんな頑丈なドアがあるんだ?
それに、雑な鉄板の貼り付け。それを考えると、誰かにより改造されたのだろう。
だが、その作業が個人でできるのだろうか?
つまり、黒幕は個人ではなく集団。組織の可能性もある。
だが、ここで生まれる障害がある。
一つ目は、どうやってここを改造したのか。
本来、ここは学校なので、生徒や職員であふれかえっている。
-
- 48 : 2015/04/02(木) 19:00:00 :
- つまり、ここまで大幅なことができるとは考え難いのだ。
二つ目は、ここまでやるための資材や技術、資金だ。
あんな扉や、頑丈なシャッター、ガトリングガンなど、普通なら作ることが不可能なものがあんな簡単にホイホイ出て来るのは、あり得ない。そして、もう一つ思い出すのはグングニルの槍。
『はぁ!?いい加減にしてよ!』
江ノ島がモノクマに向かってそういった。
『嫌なら、俺をボクを倒してみな!』
そういって、モノクマは両手を広げる。
『ああ、やってやるよ!』
まずい、確か学園長への暴力は校則違反だぞ。
『おい、やめとけ江ノ島。死にたいのか?』
俺がそう注意すると、今度は俺に突っかかってきた。
『ハァ?何よ偉そうに。こいつがかかって来いって言ってるんでしょ?』
-
- 49 : 2015/04/02(木) 19:13:32 :
- 『お前は忘れたのか?学園長への暴力は校則違反だぞ?何が仕込まれてるかわからないのか?』
『な、何が言いたいのよ!』
『"グレートな体罰"そう言っただろ?たぶん、校則違反は死刑だと思うぞ?』
『その通りなのです!』
いきなりモノクマが話に入ってきて、一瞬ビクッとした。やめろよ!友達とは…思わないな。
『もし校則を守らなかったら、例えばこうなります!いでよ!グングニルの槍!』
と、モノクマが言うと、モノクマの前の床から、大量の槍が出て来る。
『校則違反はしないようにね?そんなことしたら、これで殺しちゃうよ?』
背筋がぞっとした。絶対に校則は守ろう。
以上。回想終了。
-
- 50 : 2015/04/02(木) 19:21:48 :
- 今回注目すべきは、"槍が床から出てきた点"である。
床から出てきたということは、床下に槍を隠しているのだ。
つまり、床を改造したのだ。それに、どれだけの予算がかかるだろうか。
以上の点を踏まえて考える。一つ目の障害は、解消することができた。
ズバリ、黒幕は"希望ヶ峰学園関係者"だ。
そうであれば、説明はつく。作業できたのも、その他もろもろも。
内部から希望ヶ峰学園を崩壊させ、乗っ取ることで、これを作ったのだろう。
だが、二つ目の疑問が分からない。大きなテロ組織なら、ここの関係者になれるとは思えない。
その疑問を残したまま、俺は眠りについた。
-
- 51 : 2015/04/02(木) 19:22:40 :
サブタイトル入れ忘れたので、ここに入れときます
やはり、この才能は間違っている。
-
- 52 : 2015/04/02(木) 19:23:10 :
そして、比企谷八幡は思い出す。
-
- 53 : 2015/04/02(木) 19:59:48 :
- 気が付くと、俺は立っていた
周りは暗く、何も見えなかった。
床は、平べったく、部屋とは違った感じだ。
全てを読み込んでしまいそうな暗闇。
どこまでも黒く、何も見えない。
その暗闇の中から、一人の女性が入ってくる。
黒いショートの、スタイルがよく、整った顔。
だが、その顔はどこか嘘があり、まるで強化外骨格のようだ。
だが、俺はこの女性に見覚えがある。
頭が痛い。何かを思い出せそうだが、脳がそれを拒む。
「お前は…誰だ?」
俺は、頭の痛みをこらえながらそう聞いた。
「私は雪ノ下陽乃。あなたの知り合いかな?」
雪ノ下陽乃…どこかで聞いたことがある。
あれ?ユキノシタ?アレ?アレ?奉仕部は?アレ?なんなんだ、これは!どうなっているんだ?訳が分からない!
-
- 54 : 2015/04/03(金) 08:18:38 :
- 「どう?思い出せた?」
『貴方の弱さを肯定してしまう部分…嫌いだわ』
『なんで、そうなるの?』
知らない。知るはずのない記憶が俺の頭に浮かんでくる
『あーし、手加減できないから』
『八幡!』
『…馬鹿じゃないの?』
なんなんだ、これは?総武高校は、一学期しか行ってなかったはずだろ?
『比企谷、少し黙れよ』
『ディメンションドライバー!』
『ぐ腐腐』
『雪乃ちゃんは、また選ばれないんだね…』
『せーんぱい♪』
『君、最低だね』
-
- 55 : 2015/04/03(金) 08:26:21 :
『俺は、本物がほしい。』
-
- 56 : 2015/04/03(金) 08:31:54 :
- どうして、俺は忘れていたんだろう。
俺の、守りたかったもの。
テニス部を。妹を。クラスメイトを。彼ら彼女らの関係を。
奉仕部を。あの二人の少女の笑顔を。
こんな俺に見せてくれた笑顔を、俺はなぜ忘れることができたのだろうか。
俺が、最後まで守れなかった、あの本物の関係を。
「どうやら、思い出したようだな?小僧」
平塚先生が、暗闇から出てきた。
いつの間にか、雪ノ下さんはいなくなっていた。
「先生、聞きたいことがあります」
「なんだね?」
-
- 57 : 2015/04/03(金) 08:58:24 :
- 「ここは、どこなんですか?」
「簡単だ。君の夢だよ。比企谷」
ここが、俺の夢なのか?だとしたら、なんで…
「だったら、なんで雪ノ下さんは俺に思い出させようとしたんですか?」
「それは、君が思い出そうとしたからだよ。比企谷」
「だったら、なんで今まで思い出さなかったんですか?」
「君が、思い出すのを拒んでいたからだよ。つらい過去をね」
「さて、君はどうする?」
「…俺は、ここを出て、彼女たちを助けに行きたいです」
「ならば、誰かを殺すのか?」
それでは、意味がないのだ。人を殺してここを出ても、彼女たちは良くは思わないだろう。
「…俺は誰も殺さない。クラスメイトを」
「そうか、ならば、応援しているぞ?少年」
-
- 58 : 2015/04/03(金) 10:49:09 :
だが、苗木誠はそれを知らない。
-
- 59 : 2015/04/03(金) 14:37:13 :
- 絶望。
それは、人が日々重ねているものである。
何かをすれば、必ず何かに絶望する。
つまり、絶望しない、というのはできないのだ。
だが、絶望する機会を減らすことはできる。
例えば、人とのかかわりを消すだけでも、効果がある。
人と話すことにより、何度も絶望するよりは、話をする相手がいないだけの方が絶望しないのだ。
つまり、ボッチは絶望に強いのだ。
だったら、俺は絶望に対抗できる数少ない人間の一人なのだろう。
だったら、俺は一人で絶望に立ち向かう。
あいつらを、助けるために。
だが、そのためには五階を開放しなければならない。
まあ、そのうち大神が内通者だとばらされるだろうし、それを利用させてもらいますかね。
-
- 60 : 2015/04/03(金) 14:55:25 :
- 目をゆっくりと開ける
意識がはっきりとしている。ならば、これからどうすればいいのかを考えよう。
まず、俺は今回単独でやるしかできないだろう。
これを言っても、信じてはもらえないだろうし、黒幕にマークされたら一貫の終わりだ。
ばれないように、慎重に、でも、大胆にやるしかない
生憎、目立たないのは得意だからな。あいつらのためにも、俺は戦う。
…だが、問題は五階が解放されてからだ。
そこからは、モノクマがどんな動機を出してくるかは解らない。
そこからは、完全なアドリブになる。
…そうだとしても、俺はやってやる。
この戦いに、勝つのは、俺だ。
-
- 61 : 2015/04/03(金) 18:04:53 :
- 俺は総武高校の制服を着た。
やはり、俺にはこの制服の方が良いな。
俺は久しぶりの制服を着て、部屋のドアを開けた。
「あ、比企谷クン!」
いきなり横から声をかけられ、誰かと思って振り向くと、苗木だった。
「苗木か、おはよう」
俺はとりあえず、いつも通りの挨拶をした。
「あれ?今日は服が違うんだね」
そこに目がいくとは、さすが苗木だ
「これは、前に行ってた高校の制服なんだ」
「へぇ…その制服、似合ってるね」
「そうか?サンキュ」
そんな他愛もない話をしながら食堂まで歩く。
「それにしても、昨日はビックリしたよ」
-
- 62 : 2015/04/03(金) 19:22:03 :
- 「何がだ?」
「だって、あっさりモノクマに話術で勝っちゃったんだもん」
「ありゃそんなもんじゃねぇよ。話に合わせてたらいつの間にかああなってただけだ」
「え?そうなの?」
キョトンとした顔で、俺の顔をのぞいてくる
「いや、ボクは信じないぞ!比企谷クンは嘘つきだからね!」
あれ?なんで俺嘘つき認定されてるの?苗木に嘘ついたの一日だけだよな?
「なんで俺が嘘つきになってるんだよ…」
俺がそう指摘すると、苗木は言った。
「だって、昨日、セレスさんに嘘ついてたでしょ?」
え?アレ聞かれてたのかよ…
「いや、俺は苗木と舞園から逃げてたわけじゃなくて、本当に四階の探索を始めようかと…」
「それは違うよ!」
-
- 63 : 2015/04/05(日) 10:37:51 :
- 苗木の透き通った声が、廊下に響いた。
その透き通った声に、俺は思わずびっくりしてしまう。
「誰も、"舞園さんと歩いていた"とは言っていないよ!」
あ、やべぇ、ミスった。
「いや、セレスが言ってたんだよ…」
苦し紛れの言い訳をするも、その言い訳はあっさりと論破されることになる。
「残念だけど、その時ボク近くにいたんだよ?二人の会話、ばっちり聞いてたし」
oh…もう打つ手がねぇ…
「…まいりました」
「よかったぁ…ブラフ初めてやったけど、何とか成功したよ」
「ブラフかよ…」
告げられた衝撃の真実に絶望しながら食堂に再び向かう。
「報告会楽しみだなぁ」
苗木はとても楽しみのようで、少し速くなった。
-
- 64 : 2015/04/06(月) 08:11:01 :
- 「今回の報告会で、何か外に出るため手掛かりが見つかるといいなぁ」
外。
苗木が言っている"外"とは、おそらく、希望ヶ峰学園に入る前の事だろう。
だが、今の外はそんなに素晴らしいものではないことを、俺は知っている。
苗木は、外を見たとき、絶望するのだろうか。
きっと絶望するのだろう。
江ノ島は、俺たちの絶望する顔が見たいのだろう。
今まで前向きに生きてきた苗木の絶望する顔が。
…二人目の好きな人の絶望する顔が。
一人目は、自分で殺したと江ノ島は言った。
絶望したい。ただそれだけの理由で。
ならば、苗木も殺すのだろうな。
-
- 65 : 2015/04/06(月) 08:58:28 :
- おっと、いつの間にかシリアスになっていた。
MAXコーヒー飲みたいなぁ…この頃甘いのが足りない。
報告会で聞いてみるか…
・ ・ ・
無かったぜMAXコーヒー。
報告会終わったが、俺は別の意味で終わった。
困ったときは、学園長を頼ってみるか。
「学園長、少しいいですか?」
俺がそういうと、天井からモノクマが落ちてきた。
親方!空からモノクマンが!
「なんでしょう?」
回転しながら落ちてきたモノクマをかわし、本題を切り出す。
-
- 66 : 2015/04/13(月) 16:21:37 :
- やべぇ展開思いつかねぇ…
諦めて失踪していいですか?
微粒子レベルで存在するそれを阻止しようとする人がいるならば、なんか書き込んでください。
書き込まなくていいんですよ?
-
- 67 : 2015/04/13(月) 16:21:57 :
- あ、24時間以内で
-
- 68 : 2015/04/13(月) 21:42:07 :
- とりあえず続きはよ
-
- 69 : 2015/04/14(火) 19:00:49 :
- とりあえず続きはよといわれたので、完結までスピード上げて頑張ります。
-
- 70 : 2015/04/14(火) 19:09:18 :
- 俺は、いつも飲んでいる缶を思い描きながらモノクマに提案した。
「この学園に、MAXコーヒーを追加してくれなイカ?」
語尾がへんになったが、それを気にせず続ける。
「この頃、甘いものを取ってないせいでキツイんですよ…なので、一つだけでもいいから、MAXコーヒーが入ってる自販機を配置してほしいんですよねぇ…」
あの甘さ、あのおいしさを久しぶりに飲みたい俺は、その欲望をモノクマにさらけ出した。
それに対しモノクマは、うつむきながら深刻そうな声で答える。
「うーん、諸事情により、それはできないんだよねぇ…」
その声はどこかわざとらしく、何かを隠しているようだった。
何を隠しているのかはわかっていたが、それを相手に知られてはいけない。
周りには苗木と霧切と舞園がいるが、霧切なら次の発言で気が付いてくれるだろうか?
-
- 71 : 2015/04/14(火) 19:21:24 :
- 「だったら…」
俺は悩むように顎に手を当て、考えるような動作をしてから言った。
「だったら、一本だけでいいんです!お願いしますよ…」
顔を下げ、俺は戸部ってみた。
途中、「シャス!」も言おうと思ったが、状況が悪化しそうだったのでやめた。
「で、でもなぁ…今はなぁ…」
いろいろあって前かがみになっていると誤解されかねない体制のまま横目で苗木達を見て見ると、霧切と目が合った。
霧切は、キリッとした目でこちらを見ると、瞬きを何回もしていた。
途中から、あの暗号だとわかり、最初から思い返す。
何々?『あなたはなにかしっているの』だって?
こいつ察し良すぎだろ。あと、苗木はあのメモをちゃんと霧切に渡していたようでよかった。
-
- 72 : 2015/04/14(火) 19:29:53 :
- 俺は、モノクマに気が付かれないように暗号で返した。
この暗号は、言ってしまえばモールス信号だ。
それを瞬きでどうにか表現する、という無茶ぶりのようなメモを苗木に渡していた。
本来、これは別のことで使う予定だったのだが、思い出したことにより、こうすることにした。
だが、ここで問題になってくるのは、"苗木がこれを知らない"事である。
この計画には、苗木が必要なことは分かっている。
なら、手っ取り早い方法は一つだろう。
あいつに、記憶を思い出させるしかない。
そうすれば、あいつにもすべてが見えてくるはずだ。
さて、どうしたものか…
そんなことを考えていると、モノクマが絶望した声で言った。
「うぷぷ…比企谷君、やはり、MAXコーヒーは無理だよ。せいぜい、ないことに絶望するんだね!」
-
- 73 : 2015/04/14(火) 19:40:36 :
- ・ ・ ・
それから数日後、いきなり校内放送が流れた。
「皆様、体育館にお集まりください!至急です!いいですね?来なかったらオシオキだよ?」
食堂に集まっていた俺たちは、また動機か…と、愚痴をこぼしながら体育館に向かった。
体育館につくと、特にこれといったものは用意されていなかった。
全員が入りきると、モノクマが話す。
「この中に、内通者がいます!」
モノクマは、まるで衝撃の告白をするような言い方で言った。
その声に、だれもが口を閉ざしてしまう。内通者の存在を知り、恐れているのだろう。
「我だ」
だが、その静寂を破る者は、皆にとっては意外な人間だったろう。
-
- 74 : 2015/04/14(火) 19:49:54 :
- 「我が内通者だ」
そう、大神は言ったのだ。
その声に、だれもがどよめきを隠せずにいる。
ならば、、心に余裕のあるものが援護に回らなければならないのだろう。
「内通者ってことは、脅されでもしてたのか?」
真相を知っている俺は、誘導するかのように言った。
「ああそうだ。弟子たちを、人質に取られていたのだ」
だが、一つ気になることがあるため、それを確認するために大神に問う。
「じゃぁ、なんで今これをばらしたんだ?」
これが、最大の疑問だった。見ず知らずの人よりも、今まで見てきた弟子たちの方が大切だと思ったからである。
「我は!もうモノクマに屈さぬ!」
といって、大神はモノクマを殴った。
殴られたモノクマは、粉々に砕け散り、千の風になった。
-
- 75 : 2015/04/14(火) 19:57:10 :
- 「我は本当の人生を知ったのだ!」
大神は叫ぶような声で続けた。
「自分を犠牲にしてでも、誰かを助けようとするその意思こそ、真の格闘家だ!」
…おい、ちょっと待て、こいつ、思い出してねぇか?
「モノクマよ!もう我は貴様に屈さぬ!どこからでもかかってくるがいい!」
やばいやばいやばい!挑発してるよこの人!やめて、!俺の作戦がめちゃくちゃになってきてるから!
パニック状態の中、スピーカーから声が響いた。
「…学園長への暴力は、校則違反だと、言ったはずだよね?」
その声とともに、床から大量のグングニルの槍が飛び出してきた。
だが、それを大神はすべて殴り飛ばし、砕いた。
少し冷静になった俺は、周りを見渡した。
-
- 76 : 2015/04/16(木) 16:58:09 :
- 結論から言うと、皆驚いていた。
皆、まさに目が点と呼ばれてもおかしくない表情をしていた。
だが、その中で、一人、冷静な人間がいた。
"霧切響子"また、彼女も冷静だった。
流石は、探偵といったところか。
彼女は、少し考える動作をしてからこう言った。
「つまり、大神さんは、黒幕とのつながりを切った。と、いうことかしら?」
その質問に、大神は闘いながら答えた
「ああ、そうだ」
それは、とても短い言葉だったが、全てを表していた。
「大神、つまりお前は、自分をを信じてくれ、と言いたいのか?」
「我を信じようが疑おうが、関係は無い!我は、悪に屈することはもうやめたのだ!」
この言葉が本心であることを、俺は知っている。
だが、それを周りの人間は信じるのだろうか?
大神が、こいつらにとって敵として見られる可能性がある。
少なくとも、俺はそう見ていただろう。
-
- 77 : 2015/04/16(木) 17:17:09 :
- ――奉仕部に、入るまでは。
俺は、あそこに入って変わったのだろうか?
きっと、変わったのだろう。
罵倒に対する耐性もついたし、観察力もついた。
だが、もっと大事なことがある。
…本物を、求めた事だ。
これは、進化とも取れるし、退化とも取れる。
だが、俺は間違っていなかったと、そう思う。
だからこそ、俺はこいつを信じる。
そして、信じたうえで、俺はどうするべきかを考える。
俺のやり方で、戦おうじゃないか。
"彼女"がそうしたように、そして、大神が戦ったように。
『正々堂々、真正面から卑屈に最低に陰湿に。』
俺のやり方を、貫こうじゃないか。
-
- 78 : 2015/04/16(木) 17:29:16 :
- 俺は、大神を真正面に見据え、こう言った。
「なら、俺はお前を信じない」
俺がそう言い放つと、大神はこちらをしっかりと見てこういった。
「我は知っているぞ。おぬしがそういう男であることをな」
…やはり、こいつは覚えていた。
俺がこういう性格をしていることを、そうそう知っているわけがないのだ。
ならば、こう答えよう。
「お前が俺を知っていることを。俺は知っている」
「ならば、どうするのだ?」
「ならば、俺はお前を信じない」
「そうか。それを、我は信じるとしよう。」
そういって、大神は去って行った。
予想外だった。つまり、大神は俺を信じると言ったのだ。
-
- 79 : 2015/05/01(金) 19:33:31 :
- 人に信じられるのは、悪い気分じゃない。
だからこそ、俺はそれに答えなければならないのだろう。
粉々にされた槍を見ながら、俺は彼女の強さを感じた。
逃げず、真正面から敵を迎え撃つその姿勢は、まるで魔王と戦う勇者のようだ。
なら、俺は暗躍する秘書なのだろうか?
いや、たぶんただの雑魚だろうな。俺にはそれの方が似合っている。
だからこそ、この世界がどれだけ広いのかを知っていて、ありふれた生命の、小さな一つだと、自覚しているのだ。
そして、自分の生き方を考えるのだろう。
雑魚キャラの生き方は単純で難しい。
それは何か?それは…
――勇者のために、ひねりつぶされることだ。
だから、俺はその役目をやろうとした。
だが、大神は俺を仲間に引き入れたのだ。
-
- 80 : 2015/05/02(土) 10:02:06 :
- ならば、俺は仲間として、主の期待に答えなければならない。
俺は振り向き、こちらを見ている目たちに語り掛ける。
「お前らに一つ、聞きたいことがある」
俺がそういうと、苗木がゆっくりとこう聞いた。
「なんだい?比企谷クン」
「俺たちと共に、戦ってくれるか?」
俺のその言葉に、多くの人が目を見開いた。
だが、その中に一つ、目を閉じている男がいた。
十神白夜。
超高校の御曹司。そして、超高校級の完璧ともいわれる男だ。
学力、運動能力、ともに完璧な人間であるが、性格に難がある。
十神は、目を開き、俺の目を見て言った。
「その選択に、迷いはないか?」
「ああ」
俺は短く返事をした。
-
- 81 : 2015/05/06(水) 10:33:51 :
- そうすると、十神は納得したように頷き、俺に背を向けた。
「ならば俺は手伝ってやろう。十神の名にかけてな」
久しぶりに聞いたこいつの決め台詞は、昔よりもかっこよく思えてしまった。
でも、よく考えたら十神財閥ってつぶれてるんだよな?…うわ、かっこ悪いな。
でも、ここで言ったら雰囲気が台無しだから言わないでおこう。
そうすると、苗木が希望に満ち溢れた目で言った。
「ボクも一緒に戦うよ」
結構カッコいいんだが、アンテナがぴょこぴょこ動いていて笑いそうになる。あと、そのアンテナをつかもうとしているアイドルが一人。なんでそんなに積極的なんだよ…
-
- 82 : 2015/05/06(水) 11:10:52 :
-
そして、彼らは彼女らは真実を知る
-
- 83 : 2015/05/06(水) 12:40:33 :
- 正義。
それは、誰しもが認める絶対的な存在である。
正義は悪を倒し、名声を手に入れる。
だが、悪とは何なのだろうか?
人々を苦しめるのが悪なのだろうか?
ならば、人は皆悪なのではないか?
人は人を苦しめる。恨み、妬み、憐れみ、人を傷つけるのだ。
悪は人を苦しめ、正義は悪を苦しめる。
だが、人は皆悪なのだ。
誰もが気付かずに人を苦しめる。
我らは皆悪であり、彼らも皆悪である。
ならば、正義とは誰なのだろうか?
正義とは、自分の罪から目を背け、人の罪だけを見る者のことである。
それに対し、悪とは自分の罪を認め、それを償うために正義と戦う存在である。
ならば、俺は悪になろう。
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- 84 : 2015/05/06(水) 16:00:26 :
- 「うーん、間違っているはずなのに、否定できない…」
俺の前で歩いている苗木が困った顔をして言った。
「それは、もう諦めた方がいいわ。苗木君」
その右でクールな顔をしながら酷いことを言っている霧切は、雪ノ下に似ていた。
「良いだろ別に…てか、今の声に出てたのか」
いや、別に恥ずかしいとかじゃないよ?ただ、こいつらの記憶が刺激されて記憶を取り戻すんじゃないかなって思っただけだよ?
「よくわかりませんが、苗木君はかっこかわいいっていうことですね!」
だが、左にいる舞園は俺の話をこっれっぽっちも聞いていなかったらしく、苗木に積極的にアタックしている。
…あれ?なんで俺ここにいるんだっけ。このリア充空間に、俺必要ないよな。
ああ、思い出した。今は、モノクマが操作ミスって全部の部屋解放したからそれを探索してるんだった…よな?
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- 85 : 2015/08/30(日) 12:24:54 :
- ちんちん電車
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- 86 : 2015/10/24(土) 21:16:04 :
- 続きをお願いしまーす
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- 87 : 2015/11/18(水) 15:37:55 :
- ただ、そんな単純なミスを、江ノ島がするはずがない。
だとしたら、おそらくこれはわざとやっているのだろう。
…だとしたら目的はなんだ?今更こんなことをしてあいつに何の得があるんだ?
いや、思い出せ、俺。江ノ島はとてつもなく飽きやすかったはずだ。誰も死んでいない現状に、あいつも飽きてきたのだろう。
だとしたら、ここから出てあいつらや小町と会うためにも、探索をしなければ。あれ、だったらやっぱり俺ここにいらなくね?
「何か考えていたようだけれど、何か思いついたのかしら?」
しまった、つい癖で考え込んでしまった。霧切の質問に対して、
「何でもない。ここからは俺も別行動をとらせてもらう。」
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- 88 : 2015/11/18(水) 16:03:24 :
- 「やめて比企谷クン!ボクを置いていかないで!」
俺はそう吐き捨てた後、苗木の悲鳴を背に受けながら俺は先へ進んだ。強く生きろよ、苗木…
「苗木君!次はあの部屋に行ってみましょう!」
「いえ、そこはもう不二咲さん…いえ、不二咲君たちが先ほどはいって言ったわ。調べるなら向こうの部屋を…」
霧切は不二咲の性別にまだ慣れない様で、なかなか苦戦していた。そういえば、今朝の朝食の時に不二咲がカミングアウトしていたのを忘れていた。皆困惑していたが、受け入れたようだった。
これで、残りの障害は黒幕だけだ。
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- 89 : 2023/07/09(日) 08:01:06 :
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2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
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16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
ちょっと時間あったから3つだけ作った
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アカウントの譲渡について
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36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな
22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。
46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね
52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑
89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ
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