この作品は執筆を終了しています。
生き残りの想い【エレアニ】(短編)
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- 1 : 2015/03/21(土) 17:38:10 :
- また思いついたので書いてみます。
超短いです。
すぐ終わります。
私はエレミカ派ですが、エレアニも作品によっては好きです。
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- 2 : 2015/03/21(土) 18:34:51 :
- すみません、もうちょっと後で更新します
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- 3 : 2015/03/21(土) 22:01:54 :
「なんか、やな予感がする……」
それは、壁外調査前夜の食堂で呟くべき言葉ではない。
しかし、口を突いて出てしまったのだ。
一応、詫びの言葉を添えておくが、元々暗い皆の表情は更に暗くなった。
やな予感とは?
自分でもよくわからないが、もう、今までのように戻ってこれない、そんな予感がしたのだ。
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- 4 : 2015/03/21(土) 22:07:20 :
- 部屋に戻ると、無意識に紙とペンを出して、苦手な文章を書き連ねていく。
何て書こうか、と、最初は悩んだが、書き始めると不思議とスラスラ筆が進む。
手紙にしても作文にしても、大抵そんなもの。
明日の壁外調査では、巨人の謎に大きく近づき、もしかしたらこの不本意な現状に終止符を打てるかもしれない。
そう、夢の一歩手前まで来ていた。
なのに何故だろう。
手紙を書く手は止まり、深い碧の瞳から、一筋の涙が伝い落ちる。
頭に浮かぶあの光景。
懐かしさと悲しさと虚しさが込み上げてくる。
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- 5 : 2015/03/21(土) 22:07:52 :
手紙が書けた。
外に出る。
空を見上げる。
月が丸い。
星が輝いている。
「綺麗だな……」
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- 6 : 2015/03/21(土) 22:08:38 :
- 今日はなんだかおかしい。
思ったことを簡単に呟いてしまう。
地下に行こうとしたところを見つかってしまった。
今までに無いほどに頭を下げ、頼み込んだ。
眼鏡をかけた分隊長は、少し声を落として聞いてきた。
「彼女のことが、好きなのかい?」
「……さぁ、でも、大事な仲間でした。」
曖昧な返事をする。
しかし、その答えはさっき書いた手紙に書いてある。
分隊長は溜め息をついて、鍵をくれた。
終わったら必ず返しにくることを約束した。
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- 7 : 2015/03/21(土) 22:09:38 :
- 地下へ降りる。
鉄格子で仕切られた向こう側に見える水晶体。
綺麗だ。
さっきもらった鍵で扉を開ける。
少し早足で水晶体の前に行く。
そして触れる。
そして呟く。
「なあ、俺、明日壁外調査に行くよ。」
届かないのに、呟く。
「お前は、どんな気持ちだったんだ?訓練の時、俺を蹴飛ばしてた時、人を、、殺したとき……」
手を離して、呟く。
「俺は、お前のこと…………」
言葉がつまる。
「もう、行くからさ、出てきたら、読んでくれよ。」
水晶体の前に、手紙を置く。
もう一度、話をしたかったが、出てこない。
夜も遅いので、鍵を返しに行く。
その時、分隊長に聞かれた。
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- 8 : 2015/03/21(土) 22:10:30 :
「エレン、どうして泣いてるの?」
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- 9 : 2015/03/21(土) 22:11:05 :
翌日、人類の全てを懸けた壁外調査が始まるが、始まったばかりで兵はほぼ壊滅。
精鋭が立ち向かうも、知性巨人の群れは壁内を蝕む。
人類は、その日、終焉を迎えた。
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- 10 : 2015/03/21(土) 22:11:40 :
人類の終焉からどれ程の時が経っただろうか。
破壊された天井から月明かりが差し込み、水晶体が溶けていく。
かつて氷の女と呼ばれた、パーカーを着た彼女は、相当久しぶりに、その足を地につける。
ふらつくと同時に、ぼんやりと頭に浮かぶ、死に急ぎ野郎の悲しそうな顔。
ふと、足元を見ると、手紙が落ちている。
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- 11 : 2015/03/21(土) 22:15:09 :
手紙を手に取った。
外に出る。
空を見上げる。
月が欠けている。
星が輝いている。
「負けちゃったんだ…………」
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- 12 : 2015/03/21(土) 22:15:36 :
- あの手紙を開いてみる。
汚くて丁寧な字が、想いを訴えてくる。
力の入らない足が、バランスを崩して膝をつく。
「ぅ…………あぁ……」グスン
あの日、格闘で負けた時以来だろうか、涙を流したのは。
胸が苦しい。
心が苦しい。
息が苦しい。
涙が止まらない。
「私も、あんたのこと…………」
呟きかけて、止まる。
流れ続ける涙は、月の光を受けて、儚い輝きを放っている。
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- 13 : 2015/03/21(土) 22:16:36 :
誰もいない、何もない寂しい世界の中、
力なく座り込み、
氷の女は暗く切ない夜を越えて行く………
-fin-
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- 14 : 2015/03/22(日) 08:28:14 :
- 切ないです…
でもいい話でした。泣きそう
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- 15 : 2015/03/29(日) 16:44:04 :
- 切ない…
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