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  1. 1 : : 2015/03/18(水) 20:02:08
    ーーーーーーー

    佐野愛里華

    北原高校に通う高校2年生。幼い頃に事故で両親を亡くし、今は義理の父、母と暮らしている。肉、魚が食べられない体質。スイーツになると別人のように食いしん坊になる。


    大神嶺緒

    愛里華のクラスに転校してきた男の子。世界でも珍しい少数民族で、能力を持っている。
    能力は「状態移動」。そんな能力者が、普通の北原高校に転校してきたのには訳があり……。

    林瑠璃

    愛里華のクラスメイト。転校してきた嶺緒に恋をする。

    大神麗奈

    嶺緒の姉。能力は「瞬間移動」


  2. 2 : : 2015/03/18(水) 23:58:58
    ーーーーーーー

    佐野愛里華について





    みなさん、こんにちわ。大神麗奈です。早速ですが、佐野愛里華について述べたいと思います。

    ちなみになぜ、佐野愛里華自身が自己紹介をしないのかというと、不運なことに彼女は言語力がないからです。

    本人は自覚しているのか、それともしてないのかは分かりません。しかし、そんなことはどうでもよく、誰が聞いても彼女の言語力には驚かされるので、わたしが語ることになりました。

    彼女の名前は佐野愛里華。北原高校に通うどこにでもいる普通の女子高生です。……いえ、「どこにでもいる」は撤回します。
    彼女は肉、魚を食べることができない体質です。
    また、言語力がないという不運体質です。一言で彼女を表すならば、やはり「不運少女」でしょう。

    そんな「不運」のせいか彼女はよく厄介な事に巻き込まれます。何か騒ぎがあったとき、90%の確立で彼女が関係しています。それでも彼女はめげずに学校に行っているそうです。

    彼女がめげない理由をつくっているのは
    北原高校の学食にあるスイーツでしょう。よく、デザートやスイーツは別腹と言いますが、彼女はそんな簡単なレベルじゃありません。
    スイーツバイキング店を1人で潰してしまうほどの量を食べるのです。
    全く、なぜスイーツだけこんなに食べれるのでしょうか。きっとわたしには一生理解できないでしょう。

    しかし、そんな元気な一面とは逆な一面もあります。
    彼女は幼い頃に事故で家族を失ってしまいました。事故のショックからか家族のことは何も覚えていないそうですが、今は義理の家族と幸せに生活しています。







    わたしは佐野愛里華が運命に抗う重要な存在だと思えません。ですから、彼女を試す必要があるのです。

    さて、佐野愛里華はどう動くのでしょうか。

  3. 3 : : 2015/03/19(木) 20:58:45
    ピピピピピ!

    わたしは目覚まし時計の音で目を覚ます。今日もいつもと同じ朝がやって来た。

    今の時間は6時半。ふぁ〜あ、眠い。

    どうして春の朝はいつも眠くなるのだろうか。

    そのせいで、数回は遅刻している。

    いや、運悪く目覚まし時計が壊れてたんだっけ?

    まあとにもかくもわたしは春の朝があまり好きじゃない。だからと言って嫌いかと言われれば別に嫌いじゃない。

    桜が綺麗だし、スイーツだっていっぱいあるし……。

    おっと、こんなにのろのろしてる場合ではない!

    はやく準備しなければ!

    え?自己紹介?

    うん、支度が終わったらするよ!
  4. 4 : : 2015/03/24(火) 23:59:26
    ーーーーーー

    「行ってきまーす!」

    わたしはいつも通り家をでるとバス停までダッシュ!

    のんびり歩いていたら乗り遅れてしまう。

    さあ、バス停に着くまでに自己紹介を済ませよう!

    わたしは佐野愛里華。見ての通り、北原高校に通う普通の高校2年生。

    だけど、ちょっと普通じゃないところがあるのよね。

    それは、わたしに言語力がないこと。

    言語力がなさすぎてみんなからは呆れられてるけど、気にしない。

    一生懸命喋ってるのよ!仕方ないじゃない!

    ちなみに普通じゃないところはあともう1つある。

    それはわたしが不運体質だってこと。

    別名不運少女。分かってると思うけど、なりたくてなったわけじゃないからね。

    その名のとおり、わたしはよく厄介な事に巻き込まれる。

    校内で起きる事件には90%の確率でわたしが関わっている。

    しょっちゅう周りのひとを巻き込むこともある。

    この不運体質のせいか、クラスでは1部の人しかわたしに関わろうとしてくれない。

    そりゃあ、不運が移るのは嫌だろうけど、避けられるこっちの身にもなって欲しい。

    わたしは小学5年生から中学3年生まで不運体質のせいでいじめられた経験がある。高校に入ったら善人が結構いて、いじめられることはなくなった。

  5. 5 : : 2015/03/25(水) 20:48:45
    わたしは過去を引きずっている……ということはそんなにない。

    前は辛くても、今は結構楽しいし、なにより北原高校の学食にあるスイーツはわたしにとって1番の楽しみだ。

    わたしのスイーツの別腹は、スイーツバイキング店を1人で潰したという記録を持つ。

    スイーツばっかり食べるわたしだが、肉、魚を食べられない体質なので、太ることはない。

    きっと世の中の女子高生はスイーツをたくさん食べても太らないわたしを羨ましく思っているだろう。

    だが、その変わりお寿司や、焼肉などを食べることができないのだから、私は自分でも不運だと思う。

    お!バス停が見えてきた。

    やばい!早くしなきゃバスが行ってしまう!

    わたしは更に全力疾走。…………きっとそのせいだろう。

    わたしは足に力を入れすぎた。そして、バランスを崩したわたしの体は前にあるバスを目掛けて飛んで行く。

    この後何が起こるかは分かると思う。

    ガン!!!!!!!!!!!!!!

    わたしは停車しているバスに頭をぶつける。……朝から不運だ。

    すると、どこからか殺気がおくられる。

    殺気の主はバスの運転手さんだ。

    ごめんなさい、バスの運転手さん。

    わたしは世界一不運な女子高生なの。

    運転手さんの殺気は無視してバスに乗り込む。

    運転手さんは、ため息をつきならがもバスを発車させる。

    いろいろあったけど、なんとか遅刻せずに済みそうだ。
  6. 6 : : 2015/03/26(木) 20:02:15
    ーーーーーーーーーーーー

    キーンコーンカーンコーン

    学校のチャイムが鳴る。わたしはそのチャイムと同時に教室に入ったので、遅刻はしなかった。

    バタバタと用意をしていると、担任の嘉基先生が教室に入ってくる。

    「今日は大事な話があるから静かにしろ」

    嘉基先生がそういうと、ざわついていたクラスは一気に静かになる。

    「先生」

    「林、どうした」

    今「先生」と言ったのは、クラスメイトの林瑠璃。驚くくらいの美人で、彼女に一目惚れする男子もいる。

    美人な上にとっても性格がいいからみんなからは好かれているし、わたしも瑠璃のことは友達だと認識している。

    「大事な話って何ですか?また事件ですか?」

    瑠璃が「事件」と言うと、クラスの半分の生徒が一斉にわたしに視線をおくってくる。ちょっと待て。本当に何かをした覚えはない。

    ………今日の朝バスに頭をぶつけただけで。

    「いや、事件じゃない」

    嘉基先生の一言にわたしはホッとする。

    みんなの視線もなくなった。

    「今日から新しいこのクラスに新しい仲間が加わる。大神、入ってきなさい」

    どうやら大事な話というのは転校生のことだったみたいだ。

    大神と呼ばれた人が、教室に入ってくる。へぇ〜男子か。……うん、かっこいい。

    クラスの1部の女子は目がハートになっている。

    これが一目惚れの瞬間ってやつか。

    だけど、クラスで浮いているわたしとはきっと話すことはないだろう。

    わたしの不運さに驚いて近づいてこないに違いない。

    後で愚痴を言われるなら関わらないほうがいい。

    わたしは視線を窓に向ける。よくある「転校生には興味がありません」というサインだ。

    「初めまして。大神嶺緒(レオ)といいます。親の仕事の都合で引っ越してくることになりました。これからよろしくお願いします」

    「大神、お前の席は佐野の隣だ」

    ………………は?

    ざわっ!

    クラスがざわつく!おい、結構傷ついてるんだぞ。

    「先生、1番後ろの席が空いているじゃないですか」

    早速抗議が始まる。こっちの身にもなれ!

    「だが1人席だからな。まだ教科書だって貰ってないだろうから、1人席は避けたいんだ」

    「じゃあ今から席替えしましょう!」

    「そんなこといってないで1時間目の準備をしろ。佐野、いろいろ案内してやれよ」

    「は、はい……」

    おろおろしながら返事をする。

    怖い、女子の視線、マジやばし。

    「佐野……だっけ。よろしく」

    「うん、よろしく」

    わたしは軽く挨拶すると、これからのことを考える。

    ああーーーーーー不運だ!!!!!!!
  7. 7 : : 2015/03/28(土) 23:38:40

    ーーーーーーーーーーーー







    キーンコーンカーンコーン

    はぁ……やっと4時間目が終わった。

    4時間目まで結構辛かった。だって、転校生だから教科書持ってないって言われて……。うん、その後は分かる通り。

    しかも1時間目が終わった後には

    「佐野さん、ありがとう」

    と、ニコっと笑ってお礼を言われた。

    その時の女子の殺気は半端なかった。

    転校生に悪気はないんだろうけどね。

    というより転校生は悪くない。

    強いていうならば、悪いところは顔と性格が合ってるってことだと思う。

    真面目にしてれば、しっかりしててかっこ良く見えるし、ニコっと笑えば、一目惚れした女子なんかは天使に見えるだろう。

    つまり、美少年(?)なのだ。

    わたしはその時、

    「別にそんなことしなくていいよ!」

    毎時間お礼をされてもこっちが困るので、なんとかやめてもらうことになった。



    そして、ぐだぐだあった後が現在だ。

    ちらっと隣の席の転校生をみると、女子に囲まれている。

    ……モテる人って大変なんだね。は!そんなことより今は昼休み!

    わたしはカバンにある財布を持ってダッシュ!

    勿論向かう先は学食。目当てはもちろんスイーツ!

    今日は何を買おうかな〜?

    よし、パフェにしよう!

    わたしは学食のおばちゃんに言う。

    「おばちゃん、今日はありったけのパフェを頂戴!味はチョコとイチゴ!個数は同じで!」

    今日は何個くれるかな。昨日はクレープ15個だった。

    「愛里華ちゃんは本当にスイーツ好きね。いつもいつもびっくりさせられるわ」

    えっへん!それが取り柄ですから!

    「でも学食を潰さないでね?それから、お金はちゃんとあるの?昨日だけで、6000円は使ってたと思うけど……」

    大丈夫!叔母さんには許可貰ってるし!

    「大丈夫よ!ちゃんと許可貰ってるから。……合計いくら?」

    「チョコ味5個が2500円、イチゴ味5個が3000だから、4500円よ」

    わたしは指定された金額を払うと、たくさんのパフェを持って屋上へ!

    屋上で食べるスイーツは最高なんだよね〜。

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