訓練兵のときに新任の教官を驚かそうってことになって、教官が広場に一人でいたときに5人くらいで取り囲んだ。
プロレスの、足を持ち上げて宙でグルグル回すジャイアントスイングをしようとしてたんだけど、羽交い締めにしたときにグアアアアって教官が悲鳴を上げて、バンッ!バンッ!バンッ!って感じで周囲の扉が開いて休憩中の教官たちが飛び出してきた。
「お、お前らぁ!」ってもう訓練兵じゃなくて不審者を恫喝するときの表情だった。
「こ、この子たちがぁぁぁ」って羽交い締めにされていた教官も顔をグシャグシャにして叫んだ。
「僕達だけでは処理できない、キースを呼ばなければ」みたいなことを言って教官達が集まってくる。
なにか勘違いされてるのではと激しく感じていた。
ここは毅然とした言い訳をしなければならないと思った。
そして僕はグイッと一歩前に出てよく通る声で言った。

エレン「俺たちはただ、教官を回そうとしていただけです」