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散りゆく世界に咲く桜

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  1. 1 : : 2015/03/01(日) 16:38:22
    天下一執筆会の参加作品になってます。

    少々(というか、かなり)、桜の使い方、扱いが無理矢理ですが....よろしくお願いします
  2. 2 : : 2015/03/01(日) 17:13:09
    今からそう遠くないかもしれない未来、食料、水、土地を求め幾度も起こった世界大戦により、世界は荒廃していた。



    核爆弾によって街は焼け、ウイルスによってあらゆる生物は苦しみながら死ぬか、生者を襲う化け物(ゾンビ)と化し、



    生き残った人類は、1億人をきっていた。



    わずかに生き残った人類はそれぞれ、地底に、海上に、陸に壁を築き町を造った。



    人々はその壁からでようとはしなかった。それは、生き残るためには当然だった。





  3. 3 : : 2015/03/01(日) 17:29:26
    ある時、ある一つの壁に一人の瀕死の傷を負った男が現れた。



    その男は死ぬ間際ひとつの遺言をもたらした。



    『この世界のどこかに咲くその桜に願えば、願いは叶う。』と



    それを聞いた、人々は、桜を探し求め壁から出るようになっていった。付近の壁の者も探しに出ていた。



    世界平和を願うもの、家族の幸せを願うもの、金などの私利私欲を願うもの等様々だった。



    しかし、ほとんどの者が生きて帰ることはなかった。生きて帰った者も桜を見つけることは出来なかった。
  4. 4 : : 2015/03/01(日) 17:37:37
      


































  5. 5 : : 2015/03/01(日) 17:52:22
    「おい!!姉ちゃん!!早く支度しろって!皆もう行っちまうよ!!」


    弟の大和(やまと)が声を張り上げてボクを呼ぶ。ボクは、サクヤ。15歳の美少女だ!!(キリッ


    大和「おいっ!姉ちゃん、美少女は盛りすぎだろ!!というか、早くしてくれ!!」


    サクヤ「わかってるって、早くするから、ボクはあと10分いや、20分....1時間、鏡を見るから待ってて。」


    大和「うん....って早くする気無いよな!?皆もう並んでるぞ?置いてかれるだろ!!」


    サクヤ「わかったよ.....それじゃあ行こうか。...行ってくるねお母さん。」

  6. 6 : : 2015/03/01(日) 19:18:24
    今日、ボクらも桜を探す旅に出るんだ。30人ほどの兵士たちと一緒に。


    大和「早くしないと....姉ちゃんのせいだぞ!!」


    いや、まぁ、そうだけど....そこまで、ストレートに言わないでよ..


    ネイス「おお、お前ら来たな!もう、出発するぞ!!」


    彼はネイス。ボクらの父さんの古い友人で、桜を探しに行ったきり帰ってこない父さんと、病弱な母さんの代わりに


    ボクらの面倒をたまに見てくれる、元警備軍の大尉で歴戦の兵士だ。


    いい人だが、酒癖が悪い飲んだくれという欠点もあるのが残念だ.....まぁ、今回の部隊の隊長も務めるほどの能力がある。


    ネイス「よぉし、出発するぞ!!」


    「「「おぉぉぉおお!!」」」


    必ず桜を見つける。そして帰ってくる。そう誓いながら、ボクらは、壁の外に出たのだった。



  7. 7 : : 2015/03/03(火) 21:05:39
    ネイス「そういやぁ、お前ら知ってるか?」


    サクヤ・大和「何を?」


    ネイス「願いを叶える特別な木、桜何て言われてるけど、間違ってる。昔は、単に春に咲くおめでたい普通の花だったんだとよ。」


    ネイス「それに、ほぼ知られていない話だが、桜は願いを叶えてくれる訳じゃない。」


    ネイス「正確には、その外観で人々を癒し、世界を救う助けになるんだとさ。意味わかんねぇよな。ハハ」


    サクヤ「意味分からないよ。ハハハハ。」


    兵士A「ネイス隊長!!奴等がこちらに!!」


    ネイス「何だと?避けられないのか?」


    兵士A「はい。集団で迫ってきています。」


    ネイス「そうか、よし。奴等を迎え撃つ。総員迎撃体勢をとれ。」
  8. 8 : : 2015/03/05(木) 23:07:48
    奴等とは、ウイルスに感染した化け物。本で読んだ所によると"ゾンビ"と言うらしい。


    まぁ、本にのっていた絵に似ていたからそう呼んでるだけなんだけどね。


    ボクらの移動手段はは、装甲車二台(バスに鉄板を張り付けただけの車)とジープとトラックが一台ずつで走っている。


    ちなみに、僕が乗っているのは、ジープだ。


    ネイス「今から車を止めて戦う。お前ら二人は隠れてろよ。」


    サクヤ「ボクも戦えるよ。」


    ネイス「危ないから、止めとけ。お前にはやってもらわないといけないこともあるからな。」

  9. 9 : : 2015/03/09(月) 17:20:07
    ネイス「よーし。車を盾にして戦えよ。」


    って、おい。車の中にボクらを入れておきながら盾って酷くない!?隠れてる方が危ないんじゃ?


    兵士a「射程距離まで6m..5m、4、3、2、」


    ネイス「撃て!!」バンバンズダダダダダ


    子供の頃に遊んだおもちゃの銃のような音に似ているがより重厚感のある音が鳴る。


    ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダン


    弾が切れる。先程までやられていた、奴等が反撃を開始した。


    ゾンビ「グゥァァァー」


    兵士a「うゎぁぁーー!!」


    悲鳴にも似た奇声を発して兵士達を襲う。その間ずっとボクらは、隠れていた。


    しばらくして銃声と悲鳴が鳴りやんだので、外に出た。










  10. 10 : : 2015/03/10(火) 20:42:24
    ネイス「おぉ。無事だったか!」


    サクヤ「『無事だったか!』じゃ無いよ!?何で車を盾にするんだよ!?」


    ネイス「すまん、すまん。まぁ、無事だったし良いじゃないか。俺等は半分ほどまでに減っちまったよ。」


    サクヤ「半分か.....」


    ネイス「正確に言うと残ってるのは18人だがな。これから、どうなるか...」


    サクヤ「うん...」
  11. 11 : : 2015/03/10(火) 20:53:52
    ネイス「そろそろ夜だな。よし夕食にしよう。好きな缶詰を持っていけ。食事を済ませた者から今日は寝ろ。」


    「「はっ!!」」


    ネイス「ふぅー、寝るか。」


    サクヤ「お休みー。」





    ―翌日―


    ネイス「よし、出発するぞ。」


    兵士A「大変です。盗賊団です。迫ってきてます!」


    ネイス「また、敵かよ。....迎え撃て。」
  12. 12 : : 2015/03/10(火) 21:52:17
    盗賊団とは、壁内の町を追放された者達の集団だ。


    一般的に平和だった頃の町の残骸を拠点に旅人達を襲って生きている。


    今こちらに迫ってきている一団は比較的小規模で、ボクらよりも少し多いほど。


    そこまで、手こずる事は無いと思う...


    ネイス「車を盾に一定の距離まで来たら撃て。」


    .........ズダダダダダダダダダダ


    鋭い銃声が鳴り響く。


    数分後、あっさりと鳴り響いていた銃声が止み、辺りが静かになった。


    ネイス「お前ら、生きてるか?」


    サクヤ「生きてるよ!隠れていたから、滅多なことじゃ死なないよ。」


    ネイス「そうか、良かった。こっちは、10人になっちまったぞ。」


    サクヤ「大分、減ったね....」
  13. 13 : : 2015/03/10(火) 22:12:26
    ネイス「にしても、さっきから、よく襲われるな。」


    サクヤ「二度あることは三度あるって言うしまた、襲われたりして。」


    ネイス「不吉なフラグをさらりと建ててんじゃねーよ。でも、ある...かもな。」


    兵士b「2キロ先に、大量のゾンビどもが!200は居るかと。」


    ネイス「マジかよ!?チッ....上手くフラグを回収しやがって...迎え撃つ.チッ」


    サクヤ「勝てる?生き残れるの!?」


    ネイス「...無理だ....お前らは逃げろ。地図と銃を渡しておく。銃は引き金を引けば撃てる。それくらいで良いだろ。」


    サクヤ「適当過ぎる....」


    ネイス「さっさと行け。」


    大和「姉ちゃん、早く行こうぜ。」


    サクヤ「うん。」


    ネイス「死ぬなよ。」


    サクヤ「そっちこそ。」
  14. 14 : : 2015/03/11(水) 19:02:01
    兵士b「どうしますか?」


    ネイス「時間稼ぎするしかねーだろーな...生き残ることを最優先にしろと伝えろ。」


    兵士b「ハッ!」


    ネイス「桜を見つけろよ、サクヤ、大和...」


    兵士b「...奴等が迫っています!」


    ネイス「分かってる...総員戦闘用意。撃て!」


    ズダダダダダダダダダダダダ


    ゾンビ「グァゥァァ」
  15. 15 : : 2015/03/11(水) 19:16:25
    大和「始まったみたいだね。」


    サクヤ「うん...早く行こう。」


    大和「そうだね。」


    サクヤ「地図によれば、この先を行ったところに、廃墟の町があるらしいから、行ってみようか。」


    大和「盗賊団や奴等に会わないことを願わないとね。」


    廃墟の町には数時間後、日暮れ前に着くことが出来た。奴等にも、盗賊達にも出会うことはなかった。


    ただ....


    「僕はウルヘル。君たちは?それよりも、食料をちょっと貰ってもいいかな?」


    変な図々しいおじさんに出会った...


    ウルヘル「失礼な!僕はおじさんじゃあ無い。お兄さんと呼びなさい。」
  16. 16 : : 2015/03/11(水) 19:31:42
    サクヤ「じゃ、じゃあ、ウルヘルさんって呼ぼうかな...」


    ウルヘル「うん。で、食料をわけてくれないかい?」


    大和「あぁ、まぁ、うん。で、おじ..ウルヘルさんは、何故こんなところに?」


    ウルヘル「おじ?...えっと、この町には、昨日来たんだよ。君達は?」


    サクヤ「桜を探してここまで来たんです。」


    ウルヘル「君達もかい?僕もなんだよ。一緒に行かないかい?」


    サクヤ「えぇ、お願いします。」


    ウルヘル「じゃあ、食料をわけてくれないかい?シェアってことで。」


    大和「あ...分かったよ。でも、桜はどこにあるんだ?」


    ウルヘル「それは、噂で聞いた話だが、ここから、北東に進めばある。そうだ。」


    サクヤ「じゃあ、明日出発しましょう。」
  17. 17 : : 2015/03/11(水) 19:40:30
    ウルヘル「うん。じゃ、食事をしてもう今日は寝ようか。」


    サクヤ「はい。」


    大和「うん。」





    ―翌日―


    ウルヘル「じゃあ、行こうか。車に乗って。」


    サクヤ「北東でしたよね。」


    ウルへル「うん。長くかかるだろうね...」


    そこから、一日中進んだが、やっぱり桜は見つからなかった。
  18. 18 : : 2015/03/11(水) 19:48:41
    ウルヘル「今日はここらで、野営しようか。」ガチャ バタンッ


    サクヤ「そうですね。」ガチャ バタンッ


    ゾンビ「グァゥァァ!」


    大和「姉ちゃん、後ろ!」


    カチャッ ズダンッ 


    ゾンビ「くぁ...ァ」ドサッ


    ウルヘル「危なかったね。」


    サクヤ「ありがとうございます。」


    ウルヘル「いいよ。早撃ちには、自信があってね。さぁ、明日からも忙しいし、早く野営しよう。」


    サクヤ・大和「はい!」
  19. 19 : : 2015/03/11(水) 20:05:40
    ―翌日―


    ウルヘル「今日も出発しようか。見つかれば良いんだけどね。」


    その日も結局見つからなかった。その次の日も、また次の日も。一週間たったある日、綺麗な整備された道に出た。


    それから、数日後。


    大和「あれって?何だろう?」


    少し先に壁のようなものが建っていた。


    ウルヘル「あれが、桜の咲いている所かもしれない。行くぞ!」


    サクヤ「え、でも、壁の前には...」


    奴等の集団がそこに、あった。数百は居るだろう...


    ウルヘル「突っ込もうか!うん、突破しよう!!」


    無理矢理だ......でも、それしか無さそうだ...


    大和「行こう!突破しよう!」


    突破するのが、決定のようだ。
  20. 20 : : 2015/03/11(水) 21:27:03
    アクセル全開で、ゾンビ達へ突っ込んで行く。


    奴等をなぎ倒して行くと、壁が目前まで迫っていた。


    大和「壁だ!!」


    ウルヘル「突っ込むぞ!」


    やけくそじゃん!でも、やはり、それしかない。


    ボクらの乗る車は壁へ突っ込んでいった。
  21. 21 : : 2015/03/11(水) 22:02:27
    無事に壁内に、入れたけども...奴等が迫ってきている。


    ウルヘル「そこにドアがある、早く中に入るんだ!!」


    間一髪のところでボクらは、ドアの向こうの部屋に入り、奴等の侵入を阻んだ。


    ゾンビ「グァゥァァア!」


    ドアの向こうからうめき声が聴こえる。


    ウルヘルさんが、部屋の電気をつける。先程までは見えなかったが、部屋の奥には、美しい桜の木があった。
  22. 22 : : 2015/03/11(水) 22:15:08
    ウルヘル「桜だ!!」ガサガサ


    大和「これが、桜...!」


    サクヤ「遂に、見つけた..!」


    ウルヘルさんが、何かカバンを漁っている。


    サクヤ「ウルヘルさん、何してるんですか?」


    ウルヘル「ん?あぁ、この桜を爆破するための、爆弾を出してるんだよ。」


    サクヤ「何故ですか!?止めてください。」


    ウルヘル「何故って、それが、僕のやるべきことだからだ。それ以外の訳はない。」


    サクヤ「何故、..止めてください。止めないと...」


    ウルヘルさんに、ボクは銃を向ける。


    ウルヘル「止めないと?...何をしてるのかな?人に銃なんて向けるもんじゃないよ。」
  23. 23 : : 2015/03/11(水) 22:33:01
    ウルヘル「君は僕の邪魔をするのかい?」


    サクヤ「はい。貴方が桜の破壊活動を行うと言うのなら。」


    ウルヘル「そうかなら、仕方ない。」カチャッ ズダンッ


    サクヤ「うっ.....」ドサッ


    ウルヘル「銃を向けるときは撃つ気じゃないと。まぁ、僕に早撃ちで勝てるとでも?」


    ウルヘル「さて、君も居たんだね。」


    大和「ひっ....」


    ウルヘル「お休み」ズダンッ


    大和「っ...」ドスッ


    ウルヘル「さてさっさと、設置して、終わらすか。」


    数分後、辺り一帯が吹き飛ぶ、爆発が起きた。
  24. 24 : : 2015/03/11(水) 22:46:36
    爆発の起きた辺りを動く人影が一つ。


    ネイス「また、ダメだったか...」


    ネイス「また、やり直しになるかな...酷いものだな...」











    大和「姉ちゃん、起きろって!!!早くしろよ!皆行っちまうよ!」


    サクヤ「...ん、ふぁーあ..あれ?生きてる?...うーん.何かすごくリアルな、夢を見てた気がする...」


    大和「そんなこといいからさ、早く、早く!」


    サクヤ「分かったから、支度させて、支度。」

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キー@黒猫

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