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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

そよ風に誘われてやって来たのは、春の香りと貴方

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  1. 1 : : 2015/02/27(金) 21:31:40


    *





    死と隣り合わせの世界で、私は今日も生きていて





    人類を脅かす天敵《巨人》を今日も根絶やしにするべく駆逐する


    私が、私達が今日も明日も遠い遠いまだ見ぬ未来も一瞬でも生きて行けるようにその刃を振り下ろす


    ある者は…大切なものを守りたいから、誰かと共に生きたいから、このまま黙って死にたくないから、知的探究心を刺激するそれを知りたいから、日々刃を研ぎ、何かしらのそれを思いながら戦う


    それは生きる目的


    生きていく上での原動力であり、死んでいく為の条件


    この世界の人々はそれぞれの生きる目的を胸に焼き付けながら、必死にもがいて今この瞬間生き抜こうとする


    勿論、私にも


    だからその条件が失くなった時、人は死ぬ条件を整えて安らかに眠る、又は望まぬ死を迎える


    方式がある訳でも、それが見える訳でもない…ただ定められたかのように必然と死に向かって行くのだ人という生物は


    そして、畏怖すべき死と隣り合わせの世界で生きる私は、未だに信じることが出来ない



    ー今、まさに自分が死んだと言うことに…



    死んだのなら、何故今考えると言う行為が出来る? それとも、私は生きているの?


    分からない、知りたくない


    知ってしまったら、私はきっとこの世界のことを手放せなくなってしまうから。忘れられなくなってしまうから


    だから、きっとこれは








    ー悪い夢だ…








    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    こんばんは!
    どうもお久しぶりです、初めましての方は初めまして
    今回は受験に合格した復活作一発目です
    リヴァペトともうすぐ迎える春を混じり合わせながら、ssを執筆して行きたいなと思います

    コメントは執筆中は制限します、執筆終了後か又はグループ http://www.ssnote.net/groups/570 にして頂けると嬉しいです
    相変わらずの亀更新・複数投稿

    では、よろしくお願いします٩( 'ω' )و

  2. 2 : : 2015/03/11(水) 19:29:34

    *


    ハッ、として目を開いた瞬間に飛び込んで来たのはいつもの見慣れた自分の部屋の天井だった。



    「…ッ、あぇ!!?」



    まだ朦朧とした意識の中、布団を蹴り上げる。
    何が何なのか分からず周りを見回すと、まだ霞む視界から見えたのは、代わり映えの無い見慣れた自分の部屋とカーテンの間からから射し込む朝日だった。
    何が何なのか分からず、何回も目を瞬き、擦る。
    そうして何度かやっとの事で、さっき見たのは夢だと気付いた。

    良かった、夢…だった

    ホッとしていると、灼熱の熱帯夜の中冷房も付けず寝ていたからか、全身から尋常ではない寝汗が吹き出していたのに気付く。
    額からジワジワと滲み出る汗が徐々に鼻や鎖骨や胸に伝わり、指先が這うようなそんな気持ち悪い感触がする。
    肩を上下しながら、空気を肺に取り込もうとするが呼吸はまだ荒く、上手く呼吸が出来ない。
    まだ高ぶっている心臓の鼓動がドクドクンッと波打つように動き、未だに興奮は収まらない。
    自然と布団を握る手も汗ばみ、より強く力が入る。



    「今更こんな夢見るなんて…何で?」



    渇きに引き吊った喉からやっとの事で出た声は、彼女でも酷く掠れた弱音を吐いたかのような、そんな情けない声だと思った。

  3. 3 : : 2015/03/12(木) 20:08:51

    *

    1、夏



    暑い。暑すぎる…



    灼熱の太陽光がジリジリと焦がすように地面を照り付ける…そんな真夏の炎天下の中、彼女…ペトラ・ラルは気だるげにある人物と街中を歩いていた。
    手をかざしながら上を見上げると、澄んだ空の青さを背景に絵の具で塗り潰したかのような白い積乱雲が緩やかに上昇していく。
    四方八方から降り注ぐ攻撃的な太陽光に早くもライフポイントを削られ、瀕死寸前だ。
    アスファルトの道路からは咽返る熱気が目に、鼻に、頭に、猛烈な真夏の厳しさを全身に叩き込む。
    そして、泣き喚く無数の蝉の声が苛立っているた神経を逆撫でする。

    そんな不愉快な空間の中でも、さらに神経を尖らせるのは、ペトラの目の前を歩くふざけた "先輩" だ。


    「ねぇ?ペトラ…暑いよ~、暑い~!アイス奢ってよ~」


    「ちょっとスカートの裾引っ張んないでもらえます?ハンジ先輩…」


    ハンジ先輩…と呼ばれた、ショートカットの茶髪でぱっちりとしたブラウン色の瞳が印象的な少女は、怪しげな笑みを浮かべながらペトラのスカートの裾を引っ張っていた。
    止めて下さい、スカートに皺が出来る。
    …あまりの猛暑ぶりにとうとう頭でもやられたのだろうか。


    「っていうか、後輩にたかんないで下さい…いくら金欠だからって」


    「えー!でも、ペトラ奢ってあげるって前に約束したじゃんか!!!噓吐き」


    「そんな約束した身に覚えないんですけど。どっちが噓吐きなんだか…」


    ガキか、己は!…と思わず叫びたくなる程の態度に、呆れて言葉も出て来ない。
    これでも一応、ペトラの一つ歳上である高校一年生・16歳の先輩なのだ。

  4. 4 : : 2015/03/15(日) 18:32:40

    「それにしても、ペトラっていい匂いするねー!んふー!!!」


    「ちょ、暑苦しいんですけどハンジ先輩…近付かないで下さい……ヒャアアっ!!?」


    小柄なペトラの腕にしがみ付いてきたかと思いきや、懐に潜り込み脇をくすぐり出した。
    ハンジの両手がペトラの体に這う度に、笑い声が道路に響き渡る。


    「ちょ…や、止めて下さいってば!!!いひゃ、っあはははは」


    年頃の女の子達が戯れ合うそんな楽園のような光景が道端では繰り広げられた。
    ある者は足を止め、無意識に目がその光景に追ってしまう。


    「ほれほれ~!こちょこちょー!!!」


    萌木色の艶やかなロングストレートの髪、同じく萌木色の綺麗な瞳、長いまつげ、すっと通る鼻筋、柔らかそうな唇、夏服の隙間からチラリと魅せる瑞々しい素肌、小柄な身長の割には育っている胸…そんな可愛い美少女と

    風になびく度太陽の光を反射して輝くショートカットの茶髪、印象的なぱっちりとしたブラウン色の瞳、外国人のような鼻筋や大人びた顔立ち、まだあどけなさが残る桜色の唇、少し焼いた健康そうな素肌、女の子にしては大柄な身長もモデルのようなスタイル…そんな綺麗なな美少女

    どちらも美少女と呼んでも間違いない容姿を持つそんな二人はそれだけで注目の視線を浴びていた。
    当の二人は、そんなことまったく気にしてはいないのだが。

  5. 5 : : 2015/03/16(月) 18:19:20

    だが、そんな微笑ましい光景もペトラのその行動で一瞬で冷え込む。


    「だから…止めて下さいってば!?」


    「ッー!?いったぁー…」


    一向に止める気配などなかったので、ペトラはハンジの脳天目掛けて握り締めた拳骨を落とした。
    一見して只の美少女とは感じられない程の覇気を纏ったその姿に足を止め見守っていた者達も徐々に減っていく。
    案の定ハンジはうずくまり騒ぎながら、ブツブツと泣き言を呟いていた。
    耳と尻尾を付けたらまるで、躾の悪い犬のようだとペトラは思う。
    それよりも…


    「…ハンジ先輩、私の受験勉強に付き合ってくれるんじゃなかったんですかー???」


    そう、ペトラは今中学三年生。所謂、受験生だ。
    受験にとって大切な勉強時間であるこの夏休みは本来ならば周りの皆も必死に猛勉強してる時期だ。
    今もこうして余裕そうに駄弁っている場合じゃない。


    「えー!だってペトラ頭良いんだから、私が教えることなんて殆どないじゃん」


    「でも、理科がニガテなんで……その、理科が得意なハンジ先輩に勉強を教えてもらうと思って…」


    下を俯きながらモゴモゴと言いづらそうにゆっくりと話すペトラ。
    実は、こう見えてペトラは理科を除く4教科の成績は全国トップレベルの成績優秀者だが…どうも理科だけは平均を彷徨う成績と言うアンバランスな頭脳の持ち主だ。
    そこでこの長期夏休みを利用して、暇人なハンジに理科を教えてもらう為にこの猛暑の中、図書館へ行くべく歩を進めていた。


    「はいはい分かりましたよー!さーて、早よ図書館にでも行きますか」

  6. 6 : : 2015/03/16(月) 18:34:19

    全く、この先輩は…要領が良いのやら悪いのやら未だに分からない。
    普段の性格からして、ズボラそうで空気が読めないイメージが定着したせいか。
    だけど、時々人の心を見透かしているのかと思う程にその普段の性格からでは考えられないぐらいに気が利く時がある。
    ぶっちゃけると、本当に何を考えているのか分からない…不思議な人だ。


    中学へ入学して初めて出会った時から思う事がある。
    何故かこの先輩だけにはどうやっても勝てない…そう断言してもいい程に未だにペトラがこの先輩に敵った事は一度もない。
    そして、これから敵う事も多分ない気がする。


    「…ペトラ?」

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著者情報
naorin2004

砂糖楽夢音@復活

@naorin2004

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