このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
金木「エトさん?」
- 東京喰種トーキョーグール
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- 1 : 2015/02/26(木) 22:56:37 :
- ssはじめて書きます。
もし#003[最悪]で金木が高槻泉のサイン会に行って
気に入られたらという話です。
下手だと思いますが読んで頂ければ幸いです。
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- 2 : 2015/02/26(木) 23:26:33 :
- 金木「そういえば今日だったな・・・高槻泉のサイン会・・・」
金木「良かったまだやってる」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
高槻「(ん?この匂いは)・・・お名前なんて入れますか?」
金木「曜日の金と木でカネキでお願いします」
高槻「いつから読んでくだっさっていたんですか?」
金木「[拝啓カフカ]からです 全作読みました」
高槻「おっうれしいですねーこれからもよろしくおねがいしま す」
そう言いながら高槻先生は本と名刺を僕にくれた。
高槻「こっちの世界で困っていることがあればいつでも頼ってい いですよ」
金木「(えっ・・・今なんて?)」
そう言っていた高槻先生の右目が赤く光った。
高槻「はい 次の方どうぞー」
そうして僕は訳が分からぬままサイン会の会場から立ち去った。
高槻「(あとであの子のことタタラさんにでも調べてもらお う)」
どうでしょうか?
改善点など頂けたら幸いです。
-
- 5 : 2015/02/27(金) 23:32:28 :
- 金木「(結局あの人?は誰だったのだろうか?)」
僕は喰種について全くと言っていいほど知識がない。
ただあの時高槻先生を見て感じた感覚から彼女がただものでないことぐらい分かった。
そして僕と同じ片目だけの赤い目。
金木「あの人はいったい何がしたいのだろう」
そう僕は独り言を言った。
今までの僕なら喰種に目をつけられているなんて怯えて怯えて仕方なかっただろう。
・・・いや今も怖いけど。
ただ彼女の「頼っていい」という言葉のおかげで少しは大丈夫になった。
ついこの間「神代リゼ」という喰種に騙され命を落としかけたのにすぐ別の喰種を信じるなんて我ながら馬鹿らしい・・・
ただあの時の彼女の声がすごく似ていた気がしたんだ。
ずいぶん前に死んだお母さんに。
-
- 6 : 2015/02/27(金) 23:46:05 :
- 高槻「・・・へぇーここに住んでいるんだ」
私はサイン会の後タタラさんに金木君のことを調べてもらった。
少し前に頼んだばかりなのにもう調べ終わっているとか・・・
タタラさん怖い・・・
高槻「(とりあえず行ってみよう)」
一体なぜ自分があんな子にここまで興味を持つのか分からない。
ただ自分と似た「混ざった」匂いがしたから?
彼が今「アオギリ」が探している「リゼ持ち」だから?
彼がいきなり喰種の世界に放り込まれて困っていたから?
分からない。
ただ今は彼に会いたい。
それだけが頭にあった。
-
- 11 : 2015/03/01(日) 00:32:52 :
- ピンポーン
金木「(えっ・・・一体誰だろう。)」
今僕の家に来る人なんて誰かいただろうか。
ヒデ?と最初は思ったけどこんな夜に来るはずがない。
たがもしあの人だったら?
いやあの人が僕の家を知っているわけがない。
サイン会から帰ってくる途中何度も後ろを確認したが誰もいなかった。
金木「(怖いけど)」
僕はドアを開けることにした。
居留守を使ってもわざわざこんな時間に僕の家に来るのだからまた来るに決まっている。
ガチャ・・・
高槻「こんばん・・・」
バタン・・・
・・・やってしまった。
つい反射的にドアを閉めてしまった。
このままではマズイと思い恐る恐るドアを開ける。
高槻「ひっどいなーいきなり閉めるなんてさ」
どうする、どうすればいい・・・
そんな事分かるわけがない。
もうどうにでもなれ。
金木「なんで僕の家を知っているんですか」
高槻「まぁまぁそんな事言わずに中に入れてくれたまえよ金木研君」
スタスタ
金木「(!?名前まで!!てか勝手に入っているし!)」
彼女は既に僕の部屋に入ってくつろいでいた。
先日食べられるものを探して散らかしたままだったので見られていい気はしない。
高槻「金木君ーコーヒー淹れてー」
適当な所に座って彼女は言った。
金木「(えっ・・・喰種ってコーヒー飲めるの?)」
高槻「おっその様子だと知らなかったのかな?そーだよ喰種が飲食できるのはコーヒーと[肉]だけだよ」
金木「(肉って人だよな・・・やっぱり僕は)」
喰種になった。
それは言いたくなかった。
既に分かり切っていたことだが改めてわかると辛いものがあった。
僕は一体どうすればいいのだろうか。
分からない。
気が付くと僕はうずくっまって泣いていた。
高槻「言ったでしょ、「頼っていい」って」
いつの間にか近くに来ていた彼女がそう囁いた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
結果的に僕はしばらく泣いて彼女は僕が泣き止むのを何も言わずにずっと待っていた。
金木「すみません。もう大丈夫です。ありがとうございます。」
泣きたいだけ泣いたら冷静になってきた。
高槻「・・・んっああ落ち着いた?」
金木「・・・もしかして寝てました?」
高槻「エッナンノコト?ワタシハズットオキテタヨ」
僕が「本当は?」と聞くと彼女は「少しだけ」と答えた。
金木「(まったくこの人は・・・でもあんまり泣いていたの見られなくてよかった)」
高槻「まあ泣き止んだことだしお話でもしますか!」
金木「そうですね」
それから僕と彼女は話を始めた。
-
- 12 : 2015/03/01(日) 21:25:05 :
- コーヒーを淹れ、僕と彼女は座って話を始めた。
高槻「それじゃあ一応確認しておくけど君はリゼ持ちだよね?」
金木「リゼ持ち?」
高槻「あぁ、えーとねぇ神代リゼから臓器移植受けたでしょ?」
金木「・・・はい」
高槻「やっぱり・・・いきなり喰種になって困っているでしょ?」
僕は無言でうなずいた。
金木「・・・高槻さん、助けてほしいんです」
僕はこの一言を言うことだけにかなりの勇気を使った。
そもそもひとに助けを求めること自体僕にはなかなかできない。
ヒデにさえ僕はなかなか助けを求めない。
それなのに今、目の前に居るほとんど初対面のこのひと(喰種)に助けを求めている現状が理解できない。
ただなんとなく信用できる。
それ以外理由が説明できない。
こんな事を考えているうちに高槻さんも何か考えていたらしい。
だが僕が考え終わったら彼女は僕の目を見てうれしそうに笑った。
高槻「頼ってくれてうれしいよ、ありがとう」
金木「いえそんな・・・」
頼んだこっちがお礼を言われて思わず言葉に困った。
高槻「さてっ金木君、私としては君には私の組織に入ってもらいたいんだけど金木君はどうしたい?」
金木「組織?それってつまり・・・」
高槻「そう、喰種で結成された組織「アオギリの樹」って組織なんだけど金木君にはそこに入ってほしいんだよ」
金木「(組織?)・・・そこでは一体なにをするんですか?」
高槻「まぁ特に何かをするという事はないかなー、組織の邪魔をする奴らは消すぐらい?」
金木「・・・ひとを傷つけるのは嫌です」
高槻「人じゃなくて喰種だよ」
金木「でも・・・」
高槻「・・・優しいんだね・・・じゃあこうしよう、試しに少し入ってその後で決めればいいよ」
金木「・・・分かりました」
高槻「やったーこれからよろしくね金木君」
そう彼女は優しく笑った。
僕もそれにつられて笑っていた。
これからどうなるだろうという不安を抱えながら僕はとりあえず「アオギリの樹」という組織に入ることを決断した。
-
- 13 : 2015/03/01(日) 23:56:19 :
- 高槻「それじゃあこれからよろしくね金木君」
金木「はい高槻さん」
高槻「あぁそれ本名じゃないの、私の本当の名前はエトっていうの」
金木「そうだったんですか、分かりました。これからよろしくお願いしますエトさん」
そう言って僕とエトさんは握手した。
エト「それじゃあ今すぐアオギリにいく?それとも明日にする?」
金木「(ヒデにしばらく会えないって言った方がいいかな・・・)できれば明日の夜とかがいいです」
エト「分かったそれじゃあ明日迎えに来るね」
金木「お願いします」
そうしてエトは金木に手を振ってどこかへ去って行った。
金木「(さてコーヒー買いに行くか)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
金木「(う~ん、どれが美味しいとかってあるのかな・・・とりあえずコレ買ってみるか・・・)」
スッ
金木「あ・・・すいま・・・」
ヒョイ
??「・・・ブロンディのコーヒーがインスタントで一番美味いですよね。コクがあるっつーか・・・」
そういってその男の人はコーヒーを僕に渡してくれた。
金木「ど・・・どうも・・・」
??「いえいえ」
親切な人もいるものだなと思った。
ぼくはとりあえずその人がおすすめしてくれたコーヒーを五個も買った。
結果4840円もかかったが[肉]を食べないようにするにはこれしかないのだから安いものだ。
しばらく歩くとどこからかいい匂いがした。
まるで母の手作りのような懐かしい香りが・・・
-
- 16 : 2015/03/04(水) 18:17:29 :
- ・・・ずいぶん奥まで来ちゃったな・・・
このいい匂いがなんなのかと想像を膨らませていると目の前に包帯を全身にまいたひとが立っていた。
??「こっちには行かない方がいいよ、金木君」
ひとが出せるとは思えない奇妙な声でその包帯は僕にそう言った。
金木「ここから先って・・・あなたもこの匂いが分かるんですか?」
??「さっきも言ったでしょ?喰種が飲食できるのは人とコーヒーだって」
金木「もしかして・・・エトさん?」
エト「うん。やっと分かったね」
金木「いや、分かりませんよ。声も違ったし」
エト「あぁ、これが私の喰種としての普段着なんだ」
んっ?なんでエトさんがここに・・・
金木「どうして僕の居場所が分かったんですか?」
エト「それはねぇ、20区にアオギリの監視役がいるから、そのひとから連絡があったんだ」
金木「そうだったんですか。そういえばさっきこっちには行くなっていいましたよね?なんでですか?」
エト「ここから少し行ったとこに多少力のある喰種の[喰い場]があってね。金木君が行くと多分殺されるよ」
えっ・・・なに?喰い場??それってつまり・・・
金木「エトさん・・・喰い場ってつまり・・・」
エト「そう。人をおびき出して食べる場所」
僕はあの工事現場の光景がフラッシュバックした。
あぁ、最悪だ。なにか食べれると思ったのに。人の匂いにつられていたなんて・・・
そこで僕の意識は無くなった。
-
- 17 : 2015/03/05(木) 23:37:26 :
- ・・・あれ?ここは・・・
僕の家?・・・えーとなんで?
金木「・・・ん?あれは・・・?」
僕が寝ている近くに見慣れない紙切れが置いてあった。
なにあれ?・・・とりあえず見てみるか。
僕はとりあえずその紙を拾って見てみることにした。
金木「(はっ?なんて・・・?)」
読めない・・・
ゆういつ読めるのは・・・
「エト・・・だいじ・・・いきな・・・」
金木「エトさんって所しかまともに分からない・・・」
まぁ明日迎えに来てくれっるって言っていたしいいか・・・
そうして僕はまた寝ることにした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
金木「・・・はっ!寝過ごした・・・」
やばい・・・これは終わったかもしれない。
僕は支度をすぐに済ませて急いで上井大学に走っていった。
-
- 18 : 2015/03/08(日) 00:03:28 :
- 金木「(まっ・・・間に合った・・・)」
途中女子大生っぽい人たちがサンドイッチを食べているのを見て空腹を思い出してしまったが、なんとか辿り着けた。
・・・はぁ、お腹減った。
なんて思っているとヒデを見つけた。
ヒデ「・・・おっ?おっおっ・・・ぅおおおーい!!!」
金木「っ・・・びっくりした。久しぶり、ヒデ」
ヒデ「あぁ?な~に~が~「久しぶり、ヒデ」だ。東洋史、知り合いがいない俺の身にもなれ!!」
金木「はははっごめんヒデ、最近忙しくてさ・・・」
それから僕はヒデと一緒に西尾先輩という人の所に行くことになった。
ヒデ「・・・金木、お前メシちゃんと食っているか?・・・顔色はそんなに悪くないけど、ヤバいぜ?」
僕は焦ったが何とかその場はごまかしてその先輩に会いに行くことをせかした。
その人はどんな人だろう・・・
-
- 21 : 2015/03/17(火) 23:19:11 :
- ヒデ「んっ誰だ?あの超絶美人な人」
えーと・・・それは僕も聞きたい。
金木「え〜と、なんでここ(上井)にいるんですか?エ・・・」
エトさん。そう言おうとしたけれど僕はエトさんに口を塞がれ、そのまま引っぱられるようにどこかへ連れて行かれた。
ヒデ「おーい金木、誰なんだよその人、おーーーーい」
あぁヒデよ、とりあえず僕が引きずられていることは無視なんだね・・・
僕はそのまま人気の無いところまで引きずられて行った。
エト「金木くん、なんでまだこんなとこにいるの?」
えっ?どういう意味?
エト「もしかして手紙読んでないの?」
僕の不思議そうな顔を見てエトさんがそう言った。
金木「いや・・・読みましたけど解読できませんでした・・・」
エト「えー酷くない?まぁいいけど。とりあえず今すぐアオギリ行くから付いてきて」
-
- 23 : 2015/03/22(日) 23:04:51 :
- えっ・・・
金木「いきなりそんな事言われても・・・」
なんて反論は彼女の耳には届いていないらしく僕は再び引きずられ始める。
何気に痛いよ、エトさん。
それより何でそんなに急いでいるんですか?
エト「んっ・・・アオギリの総会が今から始まるんだよ」
金木「そうですか、分かりました。だから手を放してもらってもいいですか?」
えーなんでー?
苦しいからですよ!
なんて会話をしているといつの間にか本当に誰もいない、薄気味悪い所に連れて来られた。
バゴンッ
なんだか洒落にならない音が近くで聞こえた。
・・・あの時、リゼさんに襲われた時の音にあまりにも酷似していたため、僕はついつい身構えてしまう。
エト「大丈夫だよ、金木君。今は食事している喰種がいるだけだから」
金木「・・・エトさん、今襲われている人を助けたいんです。助けてください」
エトさんは心底驚いたような、そして怒ったような顔をしていた。
エト「そんな必要は無いよ金木君。人なんてどーせ、いつもどこかで喰われている。その一人を助けたとこで何も起きない」
そうかもしれない。でも僕は人が死んでいくのをただ見ているだけなんて、耐えられない。
そう言って僕は音がした方向へ走って行った。
-
- 30 : 2015/03/27(金) 22:53:05 :
- その男は、私にゆっくり近寄ってきた。
彼の名はタタラ、という。
白髪、長身、稀に中国語を話す。
行かせていいのかい?
タタラさんは問いかけてきた。
エト「・・・ウン。彼が決めたんだから」
それに、これもタタラさんの計画通りでしょ?
まあね。と彼は簡単に言い切った。
いくらエトがアオギリに連れてこようとしても、「あの程度」じゃすぐに殺していたし。
そんな事させない。私は決意した。
エト「私は金木君を守るよ」
タタラ「・・・あぁ分かった。そろそろ見に行った方が良いんじぁないかなエト?」
そうだね。と言い私は早々に金木君が行った後を追った。
-
- 35 : 2015/03/28(土) 18:57:40 :
- あぁ?何でこんな所に人が来てんだよ?
そう威圧的に言ってきたのは、昨日コンビニで会ったひと。
しかしそんな事、今の金木にはどうでも良かった。
金木「ヒデ・・・」
そう呼びかけた金木に対して返答は無い。
代わりに、その男が返事をした。
??「なんだ?お前俺の飯(永近)のダチか?」
その男の、ヒデをただの食物と言った。
僕の友達を。喰い物と。
金木「・・・ざけるな。ふざけるな!ヒデは僕の友達だ!食べ物じゃない!」
そう言って僕はその男に殴りかかった。
が、全く効いてない。
ふん、お前人間か何かなのか?
そう言ってその男は蹴りで僕を何メートルも飛ばした。
金木「ぐはっ」
ヤバい。すごい痛い。
グシャッ。
目の前を見るとヒデが踏まれていた。
??「そういえばお前コレを友達とか言ってたな。で、いつ食べる予定だったんだ?」
ふざけるな!叫んだつもりだったが声が出なかった。
??「ははは。わるいな。お前の飯汚しちまった」
そう言いながら、またヒデを踏みつけた。
金木「ヒデは、僕の友達だ。食物じゃない!」
??「まぁどうでもいいけど。ゴッコをしようとしまいとお前の勝手だが、永近は止めとけば?」
だが、僕はもう聞いてなかった。
ただ狂ったように男に殴りかかっていた。
-
- 39 : 2015/03/28(土) 22:53:23 :
- ??「はははっ無駄無駄、お前じゃ絶対に勝てない」
また、吹っ飛ばされた。
僕はこの最強の敵に心を折られそうになった。
スッ
?あの男の動きが止まった。
何が起きたのかと体を起こして見てみるとヒデがあの男のズボンを掴んでいた。
男はヒデに何か言っているようだがそんな事どうでもいい。
男がヒデを踏みつぶそうとしている。
ヒデは僕のたった一人の友達だ。
殺されてたまるか。
もし何かが奪ったら・・・
そんな事させない
そんなの
ゆるさない
ズグ
-
- 40 : 2015/03/28(土) 23:10:05 :
- ??「はっなんだよ[それ]!」
そんな声どうだっていい。
今はこいつを殺すことだけを考えている。
バキッ何かがぶつかりあった。
これは爪?
なんだか勝手に動いているようだ。
これなら・・・
ズグ
??「ぐあ!が!やめろ馬鹿!」
ヒデを殺そうとしたんだ。殺されても仕方ないよね?
??「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」
-
- 41 : 2015/03/28(土) 23:27:06 :
- 金木くんお疲れ様。
どこからか聞こえてきたその声に反応する余裕はない。
喰種の空腹感。
それが金木を支配し始めている。
そして目の前には親友(おいしそう)がある。
抑えなきゃ。抑えなきゃいけないのに。
耐えれない。
・・・仕方ないか。しばらく眠っていてよ、金木君。
そうして僕の意識は途絶えた。
-
- 51 : 2015/03/30(月) 23:00:00 :
- んっ・・・
どこだ、ここ?
目が覚めたらそこは見たことのない部屋だった。
だるい・・・
もう一度目を閉じて寝てしまおうかとしたら、口の中から甘い味がすることに気が付いた。
何だ?一度疑問を持てば眠気が去っていく。
起き上がろうとしたがまだ眠気があってうまく起き上がれなかった。
仕方がないから今まで何をしていたか考えた。
僕は何して・・・
そこまで言って凍りついた。
僕は、ヒデに何をした?
そこまで考えたら、この満たされたお腹が意味していることが、ヒデと関係ないと言い切れない。
キー
錆びついたドアが、音を立ててあいた。
そこにいたのは、包帯を体に巻いた姿のエトさんだ。
しかし、いつもと顔が少し違う。
少し困っている感じだ。
と言っても包帯で顔が隠れているのであまり分からないのだが。
君の友達が今どこにいるか、知りたい?
僕が黙っていると彼女は僕の代わりに話してくれた。
恐る恐る、僕は首を縦に振った。
僕はヒデを、親友を喰ってしまったのだろうか?
エト「・・・大丈夫、君の友達は、まだ生きているよ」
ホッ
とりあえず喜んでいいようだ。
しかし・・・
金木「エトさん、まだって?どういう意味ですか」
エト「金木君・・・アオギリは喰種組織なんだよ。簡単に人間を助けるなんてできない」
そんな・・・
絶句した。
せっかく生きていたのに、殺していなかったのに、すぐに死んでしまうなんて。
エト「・・・アオギリは、もし君が使える人材ならアオギリで本格的に仕事をする条件に彼を解放することも考えていたみたい。だけど・・・君はあの戦いで使えないと判断された」
僕が・・・弱いから。
だけど、安心して?金木君の友達はきっと助けるから。
そう言って彼女は部屋から出てってしまう。
待って。
声は出ない。
行かないでほしい。
けど、今の僕にそんなことを言う資格があるのか?
結局分からなかった。
-
- 55 : 2015/03/31(火) 22:58:04 :
- おい・・・起きろ。
そんな乱暴な声でヒデは起きた。
タタラ「(・・・ちっ。何でこいつを殺してはいけないなんて言ったんだ。エト)」
タタラは怒っていた。
しかし、どうしようもない。
エトの言いつけを破るのはマズイ。
しかし、もう一度意味のないことを言われても守る自信がない。
そう思っていた。
タタラ「おい、お前はもう用済みだからさっさと出て行け」
そんな乱暴な物言いにもヒデは文句ひとつ言わずに従った。
言われた通り、ヒデはその空きビルから出てった。
こっそりその部屋に盗聴器を仕掛けて・・・
-
- 68 : 2015/04/05(日) 21:07:52 :
- もう、あれから何日たっただろうか?
ふとそんな事を考えたが、教えてくれる者は誰もいない。
この窓のない部屋に来てから、かなり時間がたっている。
トイレしかない、独房より酷い部屋・・・
まぁ生きているだけでも、かなりありがたい。
それに・・・
ヒデが心配でそれどころではない。
・・・はじめるか。
数日前、エトさんが会いに来た。
と言っても本当に少しの間だけだったが。
エト「金木君、あと数日ここにいてもらうんだけど、できるだけ赫子を使えるようにして」
赫子?なんて疑問は・・・
君の頑張りで、彼が生きるか死ぬか決まる。
どうでも良くなった。
僕が[使える武器]になれれば、ヒデが助かる。
だから・・・
僕は、少しずつ自分が人間であるという事を忘れながら、赫子という[喰種だけの武器]を使っていった。
-
- 78 : 2015/04/07(火) 23:11:32 :
- はぁ、はぁ・・・
疲れた・・・
そんなことを言う力も残らないぐらい、僕はやつれていた。
母さんみたいだ。
そんな事を思っていると、視界が歪んでいった。
僕は何のためにここにいるのかな?
あぁ、そうだ。
僕とヒデが、二人で生き残るためか。
・・・あれ?・・・寝てたか。
寝たからか体も軽くなった。
始めるか。
ここ数週間(といっても体感だが)寝るか赫子の練習をして、自分の意志で動かす事が出来るようになった。
だが、あまり長い時間は動かせないし、使った後は疲労で動けなくなる。
・・・お腹減ったな。
赫子の練習をしながら、思った。
エトさんがここに連れてきてくれた時に、勝手に食べさせてくれた[肉]のおかげで一度は感じなくなった空腹も、また感じ始めた。
キー
この部屋の、僕が出した以外の音は一つしかない。
エト「・・・赫子は使えるようになった?」
悲しそうに言うその声は、僕を心配してくれているようだ。
-
- 82 : 2015/04/11(土) 00:10:20 :
- ズグ
エト「・・・まぁ、多分それなら大丈夫だと思うよ」
僕の赫子を見た彼女の反応は、正直微妙だった。
これでも少しなら、自由に動かせるようになったが、まだ駄目らしい。
まぁ、とりあえず行くよ。
考え事をしていると、唐突に言われた。
が、今の自分に「どこに?」等の選択肢は無い。
黙ってうなずくと彼女はゆっくり歩きだした。
初めて部屋の外に出れたが、なんとも思わない。
ただの廃れた建物だった。
まぁ自分(喰種)がいるのだから、普通な所ではないだろう。
ヒデはどうしているのだろうか?
・・・考えてる暇はない。
これから起こるであろう、自分と彼の命がどうなるのかを決める問題に集中する。
・・・しばらく歩くと彼女が止まる。
ここだよ。
そういった彼女は、ドアを開けた。
そこには、背の高い白髪の男がいた。
連れてきたよ、タタラさん。
あぁ、ありがとうエト。
どうやらタタラというらしいこの男は、僕を見ていた。
タタラ「・・・ぬるい目だ。本当に使えるのかい?エト」
僕を見た男は、くだらない物を嫌々見ているような顔をして、僕を見た。
エト「赫子はちゃんと出せるよ。あとは実戦だけでいい」
そう。
適当に答えた男は何かを考えたがやがて。
タタラ「君、ちょっとこっちに来てもらえないかな?」
迷う選択肢などない。
金木「はい。分かりました」
僕は男との距離が1mの所まで歩いた。
そして止ま・・・
ズブ
金木「ぐっ・・・ああああああああッッ!!」
刺されたのは、僕のお腹だった。
-
- 100 : 2015/08/02(日) 23:12:53 :
- 金木(...え)
分からなかった。
腹から激痛が走ったと思ったら、目の前はコンクリートで出来た床だった。
ボタボタ、と血が流れて床が灰色から赤に染まっていった。
しかしそれは、僕だけの血では無かった。
タタラ「ぐぼぉ...エト?何、で...」
あぁ...意識が...
くん。 ねきくん。 金木君。 金木君!
ポタポタ...
起きてみたら、エトさんがいた。
なんで...
-
- 101 : 2015/08/02(日) 23:36:35 :
- 起きてみたら...
エトさん、何で...
いや、分かっている。
僕は、喰種だ。
死にかけていた「僕」
体の3/1がない「彼女」
もう、手足は無く腸は飛び出ている。
僕は...ぼくは...ボクハ...ボクハ...
大丈夫?
...何でだよ...畜生。
悲しかった。
金木「じ、ぶんの、しんぱい、してくださいよ」
視界が歪む...
何かが壊れ、そして生まれた気がした。
少なくとも、僕の中の何かに変化が起きた。
これは何だろう...
しかし、そんな事言ってる暇がないことはすぐに分かった。
バタッ
僕を助けてくれた人が、今も死にかけている。
助ける...
しかしどうすれば...
...あるではないか。
エトさんを、助ける方法が。
喰種が回復する唯一つの手段。
-
- 102 : 2015/08/03(月) 00:18:29 :
- 共食い...結局「金木研」が思いついた「エト」という一人の女を救う方法はそれだった。
しかし、万全の「最強の喰種」でさえ、一人を救うのに体の3/1を使ったのだ。
既に満身創痍の金木がやればどうなるかは考えるまでもない。
...でも!
エトさんは僕を助けてくれた。
エトさんは...僕なんかの為に今、死にかけている。
僕は、エトさんを...
助けたい。その意味を理解する前に、金木は自分の腕を引きちぎった。
口に持っていくと少しずつ、少しずつ彼女は「食べていく」
食べていく
食べていく
食べていく
食べていく
あぁ、これで彼女は。
しかし、意識は失われなかった。
なぜ?
決まっている。
彼女が食べるのを辞めたのだ。
自分が死にそうなのを顧みず、金木を生かすことだけを考えて。
二人とも「これ」の正体に気づいていない。
ただ、二人ともお互いを自分よりも大切だと思っている。
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- 103 : 2015/08/03(月) 00:39:46 :
う、ぅん?
体が回復していく。
喰種の喜びともいえる食事だ。
一体どうやって...
考えたらすぐに分かった。
このビルには、いま二人しかいない。
「金木研」と私だ。
タタラさん...いや、あいつは金木君にすべて食べさせた。
いま、食べれるものは一つしかない。
...ダメ!
彼を食べたくない。
たとえ死んでも。
だから私は、食べるのを辞めた。
もしかしたら、私は
彼が...
彼のことを...
...いや、やめよう。
気づかない方がきっと安らかに...
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- 104 : 2015/08/03(月) 20:52:34 :
- 金木「(...何故だ!何故...)」
分からなかった。
このままでは彼女は死んでしまう。
だったら「にく」を食べるしかないではないか。
無理やり口に詰め込めてしまえば...
だめだ。彼女は意識があるのかないのかも分からない状態のくせしてまだ「金木研」という男を守ることだけを考えている。
金木は今さらだが気づいた。
この人は何があっても自分を食べない。食べてくれない。
しかしどうしたら...
バタバタ
...唯でさえ大変な時に、足音だ。
いや、これはまさか...
-
- 105 : 2015/08/03(月) 21:07:35 :
- もともと「エト」狙われていた。
組織のにんげんを殺したら、組織はもはや敵でしかない。
組織という隠れ蓑がなければ、最強の喰種を殺しに「喰種殺し」がやってくる。
組織がリークしたのか、あるいはもともとばれていたのか。
ともかく、「エト」と「金木」という二人の人間を殺しに何人もの大人がやってくる。
-
- 108 : 2015/08/03(月) 21:53:08 :
- CCG
対喰種の組織
しかしその組織には一人の男がいた。
死神と呼ばれる、最強の男。
数多くの「死」を作り出した男。
喰種より人間でない男。
その男は今、金木の目の前に居た。
近くには40人近くCCGの人間がいるが「最強」の戦いには邪魔でしかない。
有馬貴将。
死神と恐れられる彼も、目の前の光景に戸惑った。
「最凶」を殺すと聞いてやってきたら、死にかけの喰種が二匹だけだと?
意味が分からなかったが、喰種ならば殺す。
!?
いつもの様に武器を構えた有馬だが驚きで手が止まった。
何故なら、目の前の喰種がもう一方を助けようと傷ついた体をさらに傷つけて自分を食べさせているではないか。
...喰種のくせに...
この時有馬は初めて「美しい」という物を見た。
しかし、仕事は仕事。喰種は殺す...
彼は武器を振り下ろした。
血が汚い床を更に汚した。
一人の人間が苦痛の声を上げた。
「金木研」という人間が床に倒れた。
体は血の色で真っ赤になっている。
金木は叫び声を上げた。
目には涙が。
顔は苦痛に歪み。
その顔からは今の金木の感情が恐ろしいほど伝わる。
しかし、その苦痛は体の痛みなどではない。
CCGと思われる人間が振り下ろした武器は、金木には刺さらなかった。
代わりに、彼を庇ったエトに刺さっていた。
武器が振り下ろされる直前、エトは金木を庇ったのだ。
その結果、エトのもともとあった傷がさらに抉れている。
金木は今さら気づいた。
自分は、「エト」という人が好きなのだと。
そして、その人が今自分を守って...
...こいつが、この人間がやったのか...
-
- 109 : 2015/08/03(月) 22:42:31 :
- ...それからの事は、金木は覚えていなかった。
ただ、自分の手が赤かったこと。
近くに居たCCGがいなくなっていた事。
エトさんの傷が塞がっていた事。
...そして、自分の中に喰種が確認できた事。
どうやら僕は人を殺したようだ。
...
逃げよう。
エトさんはまだ起きそうにない。
何処か安全な場所に行こう。
そう思ったら早かった。
僕はエトさんを担ぎ、「嫌な臭い」がしない所を歩いた。
途中見つかりそうになったけど、何とかやり過ごした。
果たして、ビルから出た金木とエトは、ただひたすら歩いていた。
しかし、あまり遠くへは行けなかった。
女の人を抱いたまま歩いていては目立ちすぎる。
僕はひとまず裏路地に身を潜める事にした。
しかし、此処はどこだ?
これからの方針も決まらず迷っていると、足音がしてきた。
これは...
-
- 110 : 2015/08/03(月) 23:39:21 :
- 金木が顔を上げて見たその先に居たのは、「金木研」という人間の親友だった。
ゼー、ハー
どうやらその親友は、走ってきたようだ。
どうやってここに来たのか?
そんな当然の疑問も浮かばなかった。
何故なら、その「親友」は「人間、金木研」の親友なのだから。
この姿が見られていいはずがない。
しかし彼は...
ヒデ「ははっ、何だよ金木。その髪、イメチェン?」
なんとも呑気な風に喋ってきた。
どうすべきか、思考を巡らせていると...
-
- 112 : 2015/08/04(火) 21:48:58 :
- ...い。...おーい、金木!無視とかひどくない!?
僕が考えている間、ずっとしゃべっていたようだ。
金木「あぁ...ごめん。それでなんて言ったの?」
ごく自然に、僕は聞いた。
もっとも、ただの大学生が、気を失っている女性を担いでこんな人気のない所に居るのだから、自然どころか通報されないのが奇跡だが。
ヒデ「いや、だからさ...何で喰種なの隠しているの?」
...ぇ?
ヒデ「俺さ、結構怒っているんだよ?何で親友の俺にも話さないの?...俺ってそんなに信用無い!?」
何とも馬鹿らしい調子で、すごいことを言われた。
金木「何で...」
知ってるの?...言えなかった。
それより危機感が迫っていた。
喰種が目の前に居たら、通報される。
ましてやここは、さっきのビルとそう離れていない。
敵はすぐに駆けつけてくる。
さらに、金木は知らないが「喰種」の金木が殺したのは、CCG最強の男だ。
この近くで通報などされたら、あっという間に囲まれてしまう。
いくら、CCG最強が「喰種が喰種を庇う」という現場を見て、驚いていたから負けたとしても、後から来た人にそれが分かるはずがない。
よって、今「有馬貴将を殺した喰種」はCCGの全勢力をもって捜されている。
金木は「決断」を迫られている。
そう考えていた。
「人間の親友、ヒデ」か「大切な喰種(ヒト)、エト」
どちらかしか助けられない。
しかし、選ぶことなどできない。
ヒデ「おーい、金木。ちゃんと話聞いてたか?俺たちは「親友」だろ?」
...?
ヒデ「よもや、金木殿は俺を親友が喰種って「だけ」で見捨てるちっぽけな奴だと思っていらっしゃる!?」
............!?
だいぶ長い間その言葉を反芻してから、ようやく意味が分かった。
しかし、理解はできなかった。
ヒデはそんな僕の考えを、いとも容易く見破った。
ヒデ「...んじゃあさ、俺とお前。立場が違ったらどうよ。お前はどうする」
金木「助けるに決まってる。...あ」
ほとんど反射的に答えた。
だろ?つまりそういうことだよ。
まったく、ヒデってやつは...
気づいたら涙が出ていた。
-
- 113 : 2015/08/04(火) 22:30:18 :
- ひとしきり泣いた後、ヒデは口を開いた。
ヒデ「さて、それじゃあ行きますか」
金木「...どこに?」
ヒデ「とりあえず、おまえん家で」
なんと勝手な!?
...まぁ、都合がいい場所と言ったらそうなるか。
ヒデ「...とこれでさ、その人どうしたの?」
ヒデはエトさんの方を見て、僕に聞いてきた。
金木「...まぁ、気を失っているだけだよ」
あまり詳しいことは言いたくない。
詳細なことを話すと、どうしたって僕が人殺しであることも話さなければいけない。
それは、金木としては避けておきたいことなのだ。
ヒデはなんとなく察してくれたので、それ以上聞かなかった。
ヒデ「...じゃあ、金木の家行くか。ついてきてくれ」
そういって歩いて行った先には、一台のタクシーがあった。
僕たちが近づいていくと、タクシーの運転手は待ってましたと言わんばかりにドアを開けた。
そこに三人で乗り込む。
助手席にヒデ、後ろに僕とエトさんといった構図だ。
タクシーに乗ってからは、ヒデは運転手の目が僕たちに行かないように必死に会話をしてくれた。
僕はエトさんを抱えたまま窓の外などを確認していた。
因みに、今僕はエトさんに膝枕をしている。
だってそうしないと車に入らないんだもの。
僕は、内心緊張と喜びで舞い上がっていたが、ミラー越しにヒデが恐ろしい顔で睨んできたので外の確認に徹した。
そんなこんなで二十分程が過ぎ、僕の家の近くでヒデがタクシーを止めた。
ヒデは精算を済ませ、タクシーを降りた。
僕も降りようとしたが、エトさんが居るのでなかなかうまくいかなかった。
はぁ、早く起きないかな。
そんなことを考えているとヒデが手を貸してくれた。
あぁ、やっぱりいいやつだな。
タクシーを降りて、僕の家に歩き出す。
金木「ヒデ...本当にありがとう」
何故かわからないが、今言わなければいけない気がした。
そして、その勘は見事に当たってしまう...
ヒデ「あぁ、大丈夫。報酬はかわいい女の子を紹介してくれればいいよ」ニヤニヤ
ブチ
僕のシリアスを返せ!!
あぁ、全く。
ヒデはヒデで良かった...
-
- 114 : 2015/08/04(火) 23:38:46 :
- 僕たちは、僕の部屋に入った。
だいぶ部屋を開けていたから、埃が積もっていた。
僕はエトさんを自分のベットに寝かせた。
その際、埃を払うのは忘れない。
...ほんのちょっとだけ、さっきの仕返しにヒデにかけてやったが、そのほかには何事もなく落ち着いた。
ヒデ「...なぁ、金木。これからどうするんだ?」
金木「とりあえず、エトさんが起きるまで待つよ」
そっか。
と一言言ってヒデはその辺に寝そべった。
完全にだらける体勢だ。
しかし、やる事が無いのだから仕方ない。
...うーん、暇だ。
やる事が無くなった僕はふと、さっきヒデが言っていた事を思い出した。
金木「...ヒデ、さっき僕の髪の毛がどうとか言ってなかった?」
ヒデ「あー、だからお前の髪白いって」
...
僕は全速力で洗面台に行った。
そこにある鏡で自分の姿を確認するためだ。
しかし、そこに映ったのは僕ではなかった。
否、僕でないと思いたかった。
鏡に映ったのは、白髪の青年だった。
一体なぜ?と思ったが、心当たりならある。
人はあまりにもショックだと髪の毛が白く(もっと正確に言えば白髪に)なるらしい。
確かに僕はさっき、エトさんが刺された時、ショックを受けた。
だからってこんな急になるものか?
しかしなっているのだから認めるしかない。
しかし、金木は忘れていた。
エトが刺される前、何日も自分が監禁されていた事。
そのストレスで、白髪化は進んでいたのだ。
そんな当たり前の事も忘れるくらい、エトという存在が金木の中で大きくなっていたのだ。
ぅ、うん?
...どうやらエトさんの目が覚めたようだ。
-
- 115 : 2015/08/05(水) 10:23:45 :
- 具合はどうですか?
僕はエトさんの方へ歩きながら尋ねた。
...。
返答は無い。
どうやら、寝ぼけている状態の様だ。
ヒデはいつの間にか、コーヒーを淹れてくれていた。
金木「あぁ、ありがとう」
ヒデからコーヒー受け取ると、エトさんにも渡した。
僕たちは、コーヒーを一口飲んで落ち着いた。
さて...
金木「エトさん、これからの事ですが...」
?おかしい。エトさんが一向にこっちを向かない。
一体どうしたのか?
金木「エトさん?」
............。
まさか...。
しかし、そう考えれば...。
そう思い、もう一度呼ぶことにした。
彼女の名前を...
金木「...高槻さん?」
-
- 117 : 2015/08/05(水) 13:20:03 :
- ?といった顔で彼女は僕の方を向いた。
......。
絶句した。
「エト」は喰種。
「高槻泉」は人間。
以前彼女が僕に話していたのを思い出した。
つまり、「エトさん」で反応しない。
「高槻さん」で反応する彼女は...
そんな僕の様子から察したヒデは、黙って僕の部屋から出て行った。
恐らくそれは、ヒデなりの優しさだ。
しかし、いまの僕はどうすればいいのか全くわからない。
目の前が真っ暗になった。
誰か...
助けて。...エトさん。
しかし、今この部屋に金木の心情を察してくれる人はいない。
「あら、意外と薄情者なのね。金木君」
そんな金木の前に現れたのは、死んだはずの人物だった。
直後、本当に目の前が真っ暗になった。
暗い空間に、僕ともう一人。
金木の前に現れた、
その人物は、強い、とても強い女性だった。
その人物は、人ではなかった。
その人物は、鉄骨に押しつぶされた。
その人物は、残酷だった。
その人物は、僕が「最愛の人」と出会うきっかけだった。
その人物は、神代リゼと言った。
何でここに?死んだはずでは?
そんな、当たり前の疑問などわかなかった。
その代わりに、思ったことは。
金木「どういう意味ですか」
さっきの発言に対する疑問だった。
クスクス
人を嘲る様なその笑いに僕は若干イライラしながらもう一度尋ねた。
金木「リゼさん、質問に答えてください。どういう意味ですか?」
僕の言うことをやっと聞く気になったのかリゼさんが答える。
リゼ「だって、そうでしょ?今金木君...「そこの人間」の事より、自分がこれからどうするかを考えていたじゃない」
...え?
金木「そんな事...」
無いとは言い切れなかった。
確かに、自分の事で手一杯だったかもしれない。
リゼ「そうじゃないでしょ?金木君」
僕の思考を読んだリゼさんが、僕を問い詰めてきた。
リゼ「確かにあなたは「エトさん」の事を好きになった。だけど「そこの人間」はエトさんとは別物じゃない?」
!?
リゼ「あなたが好きだったエトさんはもういない。それならもうそこの女なんてどうでもいいんじゃない?」
何を...。
リゼ「あなたは喰種。なら、そこの女を食い殺しなさい」
リゼはまるで、常識を小さな子供に教えるように言った。
そんな事、当然であると言外に語っているようだ。
リゼ「あなたはその女を殺すか、エトさんを裏切るか。どっちを取るの?」
...。
リゼ「エトさんはその女を殺す事を望んでいるはずよ」
......。
リゼ「あなたにはそれしか選択肢がないのよ?金木君」
.........。
リゼ「あなたは、そうする事でしか幸せを手に入れられないのよ」
............。
リゼ「さあ、この女を殺しましょう。金木君」
...ふざけるな。
金木「ふざけるな!何で僕が彼女を殺さないといけないんだ。何でこの人を殺すかエトさんを裏切るかの二択なんだ?ふざけるんじゃない!!エトさんが、僕がこの人を殺す事を望んでいるって?勝手な事言うな!!お前なんかにそんな事決められてたまるか!僕の選択肢を勝手に決めるな!僕の幸せを勝手に決めるな!僕はこの人を殺さないし、誰にも殺させない!それでもあなたがガ「この人」を殺そうとするなら、僕があなたを殺してでも守って見せる!僕は、絶対に「この人」を、この人の幸せを守って見せる!」
リゼ「......。」
金木「...リゼさん。僕は「半喰種」です」
金木「だから僕は喰種としても、人間としても彼女を守っていきます」
フフッ
さっきと違い、素直な笑い声が聞こえたと思ったら、僕の部屋に戻っていた。
「それで良いのよ。金木君」
そんな声が聞こえた気がした。
周りを見るとさっきから時間は経っていないようだ。
目の前には相変わらず彼女がいた。
さて、ここからは僕の闘いだ。
...見ていてください、リゼさん。
最後に、僕はリゼさんにそう一言言って、高槻泉を正面に見据えた。
-
- 120 : 2015/08/05(水) 19:39:22 :
- 金木「...高槻さん、あなたは最近の事をどれ位憶えていますか?」
って何言ってんだ、僕は!
開口一番これとか、ただの変な人だろ!?
ブツブツ
今更ながら、僕は最初の言葉をちゃんと考えなかった事を後悔した。
しかし、当の高槻さんは気にしていない様だ。
高槻「えーと、確か昨日は新しい作品を作っていたと思います」
なるほど。どうやら本当に綺麗に喰種の記憶が無いようだ。
......ッ!?
金木「?どうしたんですか?高槻さん」
何か思い出したのだろうか?
僕は一瞬記憶が戻ったのかと思ったが、そんな事は無いという事を僕は知っている。
今回の記憶喪失は、血液不足によって脳細胞が「死んだ」ものだ。
通常の記憶喪失は「眠る」だから戻ることがあるのであって、今回のようなものは治らない。
その事実を確認しながら聞くと、意外な言葉がかえてきた。
-
- 122 : 2015/08/05(水) 21:37:47 :
- 高槻「あの...私、以前あなたにお会いした事はありましたか?」
......!?
あまりの衝撃に数瞬遅れて、ようやく反応できた。
忘れたと思っていたのに、憶えていてくれた。
これしか憶えてくれていないようだが、逆に言うとこれだけは憶えていてくれたのだ。
...ありがとうございます、エトさん。
僕は、エトさんが他の何を措いても僕の事を少しでも憶えていてくれた事に、少し頬を赤くした。
しかし、どう答えるべきか。
......。
よし、これで行こう。
僕は頭の中で今後の方針をまとめて、高槻さんに話しかける。
金木「...僕たちは、友達ですよ?高槻さん」
......。
この場面で金木研という男は、選択した。
高槻泉を守る。
そのためには、喰種と切り離し、尚且つ自分が近くに居なければいけない。
その条件ならば、友達が一番都合が良い。
そう考えていた金木だが...
高槻「いや、何かもっと大切な何かだったと思うんですが...」
金木「......ッ!?」
...いや。
金木「すいません。僕はあなたが僕をどう思っていたか知りません」
高槻「そう...ですか。すいません、訳の分からないこと言ってしまって」
とても残念そうな顔をしている。
...この顔はあまり見たくないな。
金木「ですが、これからなら幾らでも...とは言えませんがすぐに会えますから」
パァー
という効果音が付きそうなほど喜んでくれた。
うん、やっぱり笑っている方が可愛い。
高槻「へっ!?...そ、その...あ、ありがとうございます」
あ...声が出てたか。
まぁ、いいや。
...今の反応可愛かったし。
高槻「えーと、そういえば何で私、此処に居るんでしたっけ」
金木「嫌だなー、今日は僕の家に遊びに来ていたんじゃないですか」
高槻「...あぁー、そうでしたよね」
...人間とは分からない事がある時、説明された事を鵜呑みにしやすい。
しかしここまで上手く行くとは...。
高槻「それじゃあ今日は...」
金木「えっ?今日は泊まるって言ってたじゃないですか」
今日家に帰るのは危険だ。
少なくとも明日にしなければ...。
...決して他意が有るわけでは無い。
そんな事は、高槻さんも心配してないようなので、さっきと同様納得してくれた。
とりあえず、今日は寝よう。
高槻さんもだいぶ疲れていたようで、すぐに眠ってしまった。
僕はその辺にスペースを作って寝る準備をしたが、その前にヒデに現状を伝えることにした。
携帯はあの時、あの空きビルに監禁されたままで使えなかったので、家の近くの公衆電話でかけることにした。
コールが始まると、ヒデはすぐに出た。
ヒデは正しく現状を理解してくれた。
それから、今後の事を二人で話した。
まず、僕はあれから四ヶ月も過ぎている事を聞いて驚いた。
そんなに過ぎていたとは...
とりあえず僕は、大学は中退して高槻さんの仕事の手伝いをさせてもらえないか聞いてみることにした。
ヒデは、僕が大学を辞めることにショックを受けた様だが、ちゃんと理解してくれた。
そんな事を話して僕は電話を切った。
さて...帰るか。
-
- 123 : 2015/08/05(水) 21:57:51 :
- この日、「最強の喰種」は死んだ。
しかし、「金木の最愛の人」はまだ生きている。
その事実だけでも、金木は満たされていた。
金木は、改めて「高槻泉」を人間としても、喰種としても守り続ける事を誓いながら帰路に着いていた。
-
- 124 : 2015/08/05(水) 22:39:14 :
- おい...
歩いていてら後ろから声をかけられた。
!?
全く気配がしなかった。
身の危険を感じて距離を取った。
心配するな。お前に礼を言いに来ただけだ。
しかし、男はそういった。
男は、四方と言う名前を名乗った。
さらに、男は自分は喰種だと言った。
金木「...礼?僕はあなたに何かしましたか?」
警戒を解かないまま僕は聞いた。
四方「ああ...お前、有馬貴将を殺しただろ」
...。
その一言ですぐに理解した。
有馬貴将。
さっきヒデとの会話で出てきた人だ。
どうやらヒデは、「あの部屋」に盗聴器を仕掛けていたようで、僕が殺した相手も分かったようだ。
その男は、「死神」と呼ばれるほど喰種を殺してきた様だ。
その中に、大切な人でもいたのであろう。
金木「僕は、自分のために殺したんです。お礼なんて言わなくて大丈夫です」
四方「そうとも限らんぞ?お前と、お前と一緒にいる女。お前達の「食事」を、俺は提供できる」
!?
それはありがたい事だ。
高槻さんを守っていく上で、食事は大きな問題の一つだった。
これは、話を聞く価値が有りそうだ。
金木「...詳しく聞かせてください」
どうやら、この人たちは「自殺者」の肉を集めているようだ。
これはありがたい。
まだ信用しきった訳では無いが、今後の役に立つのは間違いない。
金木「では、お願いします」
四方「ああ。肉がなくなったら言ってくれ」
そう言って電話番号が書かれた紙を渡された。
じゃあな。
そっけなく言って、彼はどこかに行ってしまった。
......。
さて、今度こそ帰るか。
家に帰ったら、僕はすぐに寝てしまった。
疲れていたようだ...
-
- 126 : 2015/08/05(水) 23:43:07 :
- それから、金木は様々な行動を起こした。
まず、高槻さんに頼んで執筆のアシスタントをやらせてもらった。
何故か高槻さんの方が嬉しそうだったのは謎だ...
仕事部屋は、かなり汚かった。
アシスタントの仕事は、最早家政婦ではないか?というものだった。
片づけをしている時、喰種関連の物が無いか探したが、置いて無い様だ。
良かった。
それから、僕とヒデと高槻さんが一緒に話す機会があった。
料理や掃除など、身の周りの世話も込みで働いていたから、ヒデから「新婚さんか?」などと言われてすごく恥ずかしかった。
何故か高槻さんも俯いてしまっていた。
肉が足りない時は、電話をしたら四方さんが持ってきてくれると言ったが、実際に来たのは別人だった。
目が細いおじいさんだ。
おじいさんは、高槻さんの顔を見て嬉しそうな、悲しそうな顔をしていた。
訳を尋ねたら、なんと高槻さんの父親だそうだ。
僕は、これからの事を話したら、「毎日肉を持ってくる」と言われた。
確かに、人間として振舞うには必要だがそれは無理だと思ったのでありがたい。
さらに僕は、肉を使った料理で色々なものを作った。
高槻さんに、人間として生きて欲しかったから。
そんなこんなで、しばらくは平和に暮らせていた。
どうやら、喰種は「死神を殺した喰種」を恐れて近寄れない様だ。
そして、僕と高槻さんは仕事で北海道に行った。
何でも、次の作品で使う情報を現地で聞いてみたい様だ。
取材では、僕はひたすらメモを取っていただけなので、観光などと言った物では無かったが、旅館ではなかなか楽しめた。
ただし、旅館の人に料理はいらない。と言ったら大分文句を言われたのを除けば。
旅館で、僕と高槻さんは取材内容の確認をした。
そんな時、高槻さんは急に真面目な顔をしてきた。
何事かと思った。
まさか、喰種である事がばれてしまったのか。
そんな考えが頭をよぎったが、彼女が行ったのはもっと別の事だった。
-
- 127 : 2015/08/05(水) 23:48:57 :
- 高槻「その...金木君」
金木「はい、何ですか」
僕は、どんな事になっても嘘をつき続ける覚悟を決めた。
しかし、
-
- 131 : 2015/08/06(木) 23:35:33 :
- 高槻「私、あなたの事が好きです!」
予想の斜め上だった!?
-
- 141 : 2015/08/11(火) 10:54:52 :
- しかし、どうする?
確かに僕は、彼女が好きだ。
しかし、まだ何処かで割り切れてい無いのかもしれ無い。
「エト」。
あの人の事を、まだ諦めて無いのかもしれ無い。
もし、しっかりと割り切れているなら、僕は迷いなど無く、喜んで受けているはずだ。
...いや、僕は決めたはずだ。
二人共守るって。
金木「僕も、あなたが好きです。これからもよろしくお願いします」
こうして、僕は高槻さんと付き合う事になった。
-
- 142 : 2015/08/11(火) 13:45:32 :
- ...今ではもう昔に思える。
そんな独り言に、彼女は反応した。
高槻「どうしたの、研?」
金木「いや、なんでも無いよ」
今、僕達は結婚している。
僕達の周りでは、たくさんの事が変わった。
と言っても、喰種やCCGがどうこうと言った訳では無い。
今、高槻さんは執筆をしばらく休んでいる。
その理由は、とても簡単で。
高槻「早く生まれるといいね」
金木「あまり早すぎても困るけどね」
今は、とても幸せだ。
半喰種なので大丈夫か、という心配はあったが、その心配も今のところは杞憂に終わっている。
これからは、この幸せを守っていくためだけに全力を使う。
今の金木の決意は揺らがない。
何があっても。
そうして、金木は二人を守る「ヒーロー」になったのだった。
END
-
- 143 : 2015/08/11(火) 15:35:54 :
- 面白かったです
-
- 144 : 2015/08/11(火) 23:00:43 :
- この作品面白かったです(。-_-。)
違った未来があったら読みたいです!
-
- 145 : 2015/08/15(土) 23:51:34 :
- お疲れ様です
-
- 146 : 2015/08/16(日) 21:57:24 :
- お疲れ様です!
-
- 147 : 2015/09/23(水) 11:13:24 :
- オツカレー良かったです‼
-
- 148 : 2016/03/11(金) 12:49:46 :
- 続編みたいな
-
- 149 : 2016/06/19(日) 00:44:44 :
- これは...いいね...
-
- 151 : 2016/12/26(月) 01:52:10 :
- ↑台無しだわ精力野郎
-
- 152 : 2016/12/28(水) 18:20:23 :
- 精力野郎コロスぞ
-
- 153 : 2017/03/19(日) 18:53:57 :
- 性欲野郎ここにもきたか
-
- 154 : 2017/10/06(金) 19:14:17 :
- とても....面白いです
-
- 155 : 2017/11/20(月) 18:22:21 :
- また金エト作ってほしいです
何回読んでも飽きませんとてもよい夢小説(と、いっていいのかな?)でしたありがとうございますm(__)m
-
- 156 : 2018/09/03(月) 16:55:49 :
- ふむ、なかなかだな(上から)
-
- 157 : 2018/11/05(月) 22:06:04 :
- とても面白かった
-
- 158 : 2020/10/01(木) 14:38:50 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
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害悪ユーザースルメ わたあめ
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害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
http://www.ssnote.net/archives/80906
害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
http://www.ssnote.net/archives/81672
害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
http://www.ssnote.net/archives/81774
害悪ユーザー筋力
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害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
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害悪ユーザー空山
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【キャロル様教団】
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何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
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