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七海「日向くん、ゲームしよう?」安価有
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- 1 : 2015/02/15(日) 02:59:17 :
- 日向「それはいいんだけど……また格ゲーか?」
七海「うん。そのつもりだったけど……嫌だったかな?」
日向「いや、別にいいんだけど、七海? 圧倒しすぎてて退屈してたりしないか?」
七海「え? 私は普通に楽しいよ?」
日向「そうか。ならいっか。よし、やるか! 七海!」
七海「気合入ってるねー。負けないよっ」
七海「……っていうことがあったんだよね」
田中「成る程。話は分かった」
田中「だが、今のやりとりに如何なる隠された意味がある?」
七海「いつもはすぐにやってくれた日向くんが、今回ちょっと躊躇ったのには、何か意味があるんじゃないかなって。田中くん、なんか観察眼が鋭そうだし」
田中「それは単純に俺様の目が鋭いと? まあ良かろう。そして逆に問おう。我が破壊神暗黒四天王と我が魔眼を合わせて、そのものを見定める眼はいくつになる?」
七海「自分で言っておいてなんだけど、目じゃなくて耳だよね。で、目の数は……6つだね」
田中「そう、それ即ち! 6つの眼、更に6つの耳を持つ俺様に死角は無い!」
七海「じゃあ、何か分かったんだね?」
田中「フッ……。まずその1。日向が思うそれは、貴様と真に楽しみたいという心であろう」
七海「……私は今までもちゃんと楽しかったよ?」
田中「だが日向の心の片隅にあったのではないか? 敢えて言おう。最近マンネリ化してるな〜。と!」
七海「……マンネリ化?」
田中「いつもいつも同じ事の繰り返し! この島に来てからというもの、貴様らが格ゲー以外の事をしているところを、俺様は一切目撃したことがない!」
田中「飽きるんだよ! 見てる側からも! 最早誰も気に留めなくなったわ!」
七海「……あ、最近何か集中できるなーって思ったら、みんな居なかったんだね」
田中「しかも結果はいつも貴様の勝利だ! 誰が毎日毎日同じゲームで決まっているかのように負け続けるを好き好む!? はっきり言ってしまおう! 貴様は日向に対する配慮が欠けている!」
七海「……っ!!」
七海「そういえばそうかもしれないね」
田中「貴様……! 大げさなリアクションをするなら、最後までやり遂げる心はないのか?」
七海「うーん。あ、そうだ。その1だったよね? その2は無いの?」
田中「まあ良かろう。正直躊躇われるが……それを敢えて言うも覇王の役目」
田中「率直に言ってしまおう。貴様は日向の––––
ソニア「あら、田中さん? 何をしていらっしゃるのですか?」
田中「……むっ」
七海「やっ。ソニアさん。元気?」
ソニア「こんにちは、七海さん。わたくしはいつでもマンモス元気なのです!」
七海「そっか。それは良かった。ところで、田中くんに何か用事だったの?」
ソニア「あ、そうでした! 今日はハムスターさんに餌をあげさせてくれる約束でした!」
田中「理解した。遂ににこの時が来たか……」
田中「行くぞ、我が破壊神暗黒四天王! おやつの時間だ! フハハハ!」
ソニア「わぁー! すごいです! ハムスターさんがいろんなところから!」
田中とソニアは、去って行ってしまった。
七海「……その2って何だったんだろう? うーん……」
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- 2 : 2015/02/15(日) 14:44:17 :
- 【七海のコテージ】
七海「いつもいつも同じ事の繰り返し……かぁ。どうすればいいんだろう?」
七海は手持ちのゲームを漁って見た。
七海「……そうだ、たまには格ゲー以外も良いのかもしれない。シューティングとかパズルとか」
七海「それでいて、日向くんが飽きないように色々ローテーションしてみようかな?」
七海「うん、なんとかなりそうな気がしてきたよ」
ウサミ「千秋ちゃん? 何しているんでちゅか?」
七海「あ、ウサミちゃん。日向くんはどんなゲームが好きなのかなーって」
ウサミ「ああ、なるへそ。日向くんとらーぶらーぶしたいわけでちゅね? お任せあれ!」
七海「え」
ウサミ「え……ひょっとして迷惑でちたか……?」
七海「あ、いや、違うよ? でも、何をするつもりだったの……?」
ウサミ「過干渉はしない主義でちゅ! ただ、あちしが2人で遊べるゲームを選んでみようと思いまちたが……」
七海「ああ、それなら助かるよ。私、よく分からないんだよね」
ウサミ「えーっと、どれどれ……? ……改めてみると、量がすごいでちゅね」
七海「欲しいゲームは持っておかないと、いつやりたくなるか分からないからね」
ウサミ「えーっと、これなんかどうでちゅか?」
ウサミが見つけて、七海に見せたゲームのジャンル>>3
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- 3 : 2015/02/15(日) 14:46:10 :
- 戦略シュミレーションゲーム
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- 4 : 2015/02/15(日) 15:57:53 :
- 七海「戦略シミュレーションゲーム……? これがいいのかな?」
ウサミ「ぷすーくすくす! とりあえず明日、これを使ってみると良いでちゅよ!」
七海「でも、これ1人用だよ?」
ウサミ「むしろ1人用だから良いんでちゅよ。やってみれば分かりまちゅ!」
七海「うーん、よく分からないけど……分かったよ」
【翌日】
七海「日向くん、ゲームしよう?」
日向「ああ。また格ゲーだな」
七海「ううん。そろそろ違うのをやろうかと思って。これ」
日向「え? 珍しいな。格ゲーじゃないのか。戦略シミュレーション……?」
七海「うん、だからさ、さっそく私のコテージでやろうよ」
日向「お、おう」
【七海のコテージ】
日向「……抵抗無いんだな」
七海「え? 何が?」
日向「いや。しかしこれ、割と古いやつじゃないか? マルチプレイに対応してないんだな?」
七海「そうなんだよね。やっぱり別のにしようかな……」
日向「ん? 七海はこれがやりたかったんじゃないのか?」
七海「え? いや……」
日向「七海が選んだんだろ? なら、やるぞ。戦略ゲームだし、1人用を2人でやればいいだろ」
七海「えっと……うん」
七海「じゃあこれをこっちに進めて……」
日向「あっ。待て! こいつ大分弱いから、あいつにやられるぞ!」
七海「おっと。そういえば遠距離攻撃を持ってたね。危ない危ない」
日向「1マス前には攻撃出来ないから、こいつで倒そう。それから、こいつがタフだから1人で突っ込ませて……」
七海「あっ。ダメだ。弱点属性だ」
日向「あー。ならこれでターンエンドした方がいいな」
七海「えっと……これはどうすればいいのかな?」
日向「本当にこういうのは苦手なんだな……。いやそれ選ぶなよ! 絶対怒るから!」
七海「そうかな? 私だったら喜ぶけど?」
日向「自分に当てはめて考えるのはいいけど、もう少し考えような?」
七海「はーい」
七海「日向くんすごいね。私だけじゃ絶対無理だったよ」
日向「ま、たまにはこういうのも良いよな。じゃ、七海。またな」
七海「うん」
ピロリーン
日向「ふぅ……」
罪木「あっ……日向さん?」
日向「あぁ、罪木。と辺古山」
辺古山「七海の部屋にいたのか?」
日向「ああ。ちょっとゲームしてた」
辺古山「姿を見ないと思ったらそういうことか……。よく夕方までずっとゲーム出来るな……」
罪木「ゲ……ゲームのしすぎは体に良くないので……その、あまりやりすぎないようにしてくださいね?」
日向「ああ、分かってる。そうだな……今度また七海を外に連れ出してみるか」
辺古山「適度に体を動かすのは良い事だな。では失礼するぞ」
罪木「わ、私も失礼しますぅ……」
2人は、それぞれ自分のコテージに帰って行った。
日向「さて、俺も帰るか」
日向も、電子生徒手帳を見ながら歩き出す。
日向「……ん?」
【七海 千秋】
【希望のカケラ:6】
日向「…………」
日向(七海の分のカケラを集め終わった……)
日向(なら……早く他の人の分も集めないといけないよな……)
日向「…………」
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- 5 : 2015/02/15(日) 16:11:00 :
- 【翌日】
左右田「おっ。なんか最近おめーら仲良いな?」
西園寺「べ、別に。そんなんじゃないし! 仕方なくだよ!」
田中「勿論だ。俺様は常に孤独……。だが、そんな俺様の言い分のみでここへ閉じ込められたままでは、俺様としては不快だからな」
西園寺「もっとスマートに言えないのか! いちいち分かりにくいよ! キモイ!」
花村「うんうん、じゃあ西園寺さん。次はそろそろぼくと……」
西園寺「近寄るな変態! バカ! キモイ! あんたの希望のカケラなんて集めたくない!」
小泉「……でも、いつかは全員分集めないとダメなんだからね?」
西園寺「うー……」
自由行動開始
日向「さて……と。今日は誰のところに行くか……?」>>6
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- 6 : 2015/02/15(日) 16:16:43 :
- 罪木
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- 7 : 2015/02/15(日) 17:28:31 :
- 日向「罪木」
罪木「は、はいっ! 私にご用がありますでしょうか……あ、ご、ごめんなさい! 変な言葉になっちゃってごめんなさい!」
日向「い、いやとりあえず落ち着けって。どうするか……公園にでもいくか?」
罪木「そ、そうですね……えと……ふつつかものですが、よろしくお願いします……」
日向「っはは、結婚の挨拶かよ」
罪木「け……結婚!? 結婚だなんて……あああのその……!」
日向「い、いやいや冗談だからな? そこまで焦られても困るぞ?」
罪木「あ、そ、そうですよね。はは……」
日向「そろそろ落ち着いたか? じゃあ行ってみるか」
七海「あれ? 日向くんがいない」
七海は、最近よく日向と会っていた、レストランの1階に来ていた。
七海「うーん……あっ」
電子生徒手帳を確認すると。
七海「……そっか。もう、カケラが埋まっちゃったんだ」
狛枝「あ。七海さん?」
七海「あっ。狛枝くん」
狛枝「最近日向クンとゲームしてるところ見てないね? 何かあったの?」
七海「希望のカケラが全部埋まっちゃったからね。日向くんは別の人のカケラを集めてるんじゃないかな?」
狛枝「ふーん……?」
七海「まあ、それが正しいんだよね。いつまでも私と一緒にいてもしょうがないし」
狛枝「……なるほどね」
狛枝「七海さんはそれでいいと思ってるの?」
七海「…………」
七海「うーん、どうなのかな? よく分からないんだよね」
狛枝「そっか。まあ折角だし、希望のカケラ集めに協力してもらっていいかな? ボクだけ集まらないと、みんなに迷惑かけちゃうしね」
七海「うん。何のゲームする? 格ゲー?」
狛枝「たまにはゲームばっかじゃなくてさ、外行こうよ。ね?」
七海「うーん……」
七海「うん、まあいっか」
狛枝「よかった。じゃ、公園にでも行こっか」
狛枝(2人の希望をより大きくするためにはどうしたらいいのか……ボクなりに考えたからね)
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- 8 : 2015/02/15(日) 18:09:55 :
- 【ジャバウォック公園】
日向「はぁ……なんか座ってるだけでも良いもんだな」
罪木「えへへ……そうですねぇ」
日向「罪木は何か好きな事とかないのか?」
罪木「好きな事ですか……。怪我人の看病とかですねぇ」
日向「なるほどな」
罪木「動けない相手に、私がいないと何も出来ない状態がとっても良いんですよぉ……えへへ。日向さんも怪我や病気にかかったら、いつでもおっしゃってくださいねぇ? いつでもお注射しますよぉ」
日向「あ、ああ。そうするよ……」
日向(絶対看病してもらわないようにしないとな……)
七海「あれ……? 日向くんかな?」
狛枝「みたいだね。罪木さんとここに来ていたんだね」
七海「……何をしてるのかな?」
狛枝「ただ座って話してるだけでしょ」
七海「楽しそうだね」
狛枝「そうだね。時折日向クンの顔が引きつってるけどね」
七海「日向くんは罪木さんみたいな人が好みだったりするのかな?」
狛枝「それはちょっと興味あるね。日向クンが罪木さんと若干間を開けてるのが気になるけど」
七海「…………」
>>9
・2人のところへ行く
・狛枝とすごす
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- 9 : 2015/02/15(日) 18:53:37 :
- 2人のところへ行く
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- 10 : 2015/02/15(日) 20:02:16 :
- 七海「おっす、日向くん。罪木さん」
日向「あ。七海!」
罪木「こ……こんにちはですぅ。七海さん」
日向「どうしたんだ? ゲームをしてないって珍しいな?」
七海「むぅ。私ってそんな一日中ゲームしてるイメージかな?」
日向「っははは。実際してるだろ」
罪木「え……えっとぉ……どうしてここに七海さんが?」
狛枝「ああ、ごめんごめん。2人を見つけたから、つい声をかけちゃってね」
日向「狛枝。七海と散歩中か?」
狛枝「まぁね。ボクだけカケラが揃わないってみんなに迷惑をかけるわけにもいかないしね。希望のカケラを全て集めれば、帰れるっていうし」
日向「なんだ。希望のカケラの為に仲良くなってるのか」
七海「…………」
狛枝「うん。そもそもボクが超高校級のみんなと親密な関係になる事自体図々しいんだから。みんなに迷惑をかけない為の、ボクなりの配慮だよ」
日向「なら、心の底から仲良くなりに行けよ。お前も超高校級の幸運だろ。人と仲良くなることのどこが図々しいんだよ」
狛枝「……日向クン。君には分からない事がたくさんあるんだよ。ま、気が向いたら話すからさ」
狛枝「さて、カケラも1個集まったし。じゃあ七海さん、また今度よろしくね。じゃあね」
狛枝は1人去って行った。
日向「あいつ……何で七海残して1人で行くんだよ」
七海「うーん、じゃあ私も帰ろうかな」
日向「そうか? じゃ、またな。七海」
七海「うん」
七海も帰って行った。
日向「……なんだ? 七海、何かあったのか?」
罪木「へ?」
日向「なんかいつもの元気が無いように見えるんだが……気のせいか」
罪木「……優しいんですねぇ、日向さん」
日向「優しい、か? うーん……なんというか、ほっとけないんだよな。七海は」
罪木「そんな風に心配してもらえる七海さんが……ちょっと羨ましいですぅ」
日向「いや、別に七海の事ばっか考えてるんじゃないからな!?」
罪木「あっ……す、すみません! 調子に乗ってしまって! ええとえと……とりあえず脱ぎましょうか!?」
日向「い、いやいや! お前はすぐに脱ごうとするなよ! とりあえず落ち着けって!」
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- 11 : 2015/02/15(日) 22:10:08 :
- 【翌日】
【レストラン】
日向「え、七海が?」
左右田「ああ。話しかけようとしても、すぐ逃げちまうんだよ。ったく、オレが何をしたって言うんだよ……」
西園寺「何か嫌な事でも言ったんじゃないの? 七海おねぇかわいそー」
左右田「そ、それはない……と思いたいけどなァ。何も問題無かったと思うぜ?」
ソニア「ですが、それはわたくしも感じました。何か……以前より七海さんが冷たくなったような……」
左右田「そうですよね!? ソニアさんもそう思いましたよね!?」
ソニア「まあ、気のせいかもしれませんね」
十神「なるほどな……。よし、日向。とりあえず様子を見に行ってこい」
日向「え。いいけど、何で俺なんだよ?」
十神「俺はそこまで七海と親しくないからな。それに……この中で、七海の希望のカケラを全て集めた者挙手しろ」
……日向だけ手を挙げた。
十神「まぁ、そういうことだ」
日向「分かったよ。ちょっと行ってくる」
十神「よし、この件は任せたぞ。さて、食うとしよう」
日向(それが目的かよ……。いや、俺を信用してくれているんだよな。多分)
【七海のコテージ】
七海「……はぁ」
ウサミ「千秋ちゃん……」
七海「ごめんね。こんなんじゃ、監視者として失格だよね……。みんなを外に出す事が、私の役目でもあるのに……」
ウサミ「……あちしは、別に間違っているとは思ってないでちゅよ」
ウサミ「だから、千秋ちゃんの心の整理がつくまで、あちしは何も見ていないし何も聞いてないでちゅ」
七海「……ありがとう、ウサミちゃん。時間が経てば、大丈夫だと思うからさ……」
日向「さて……と」
日向はコテージの前に来た。
日向(……なんか……ちょっと気まずいな……)
日向(本当に七海が冷たくなってたら……)
日向(さて、どうするかな……)
>>12
・元気よく訪ねる
・遠慮がちに訪ねる
・ちょっと別の場所に行ってくる(場所指定)
・その他
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- 12 : 2015/02/15(日) 23:05:49 :
- 遠慮がちで!
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- 13 : 2015/02/16(月) 01:57:17 :
- ピンポーン
七海「はーい……?」
ガチャ
日向「……よう、七海」
七海「あっ。日向くん」
七海「まーとりあえず上がってよ」
日向「ああ」
…………
2人は、真正面から正座で向き合った。
日向(……なんだこれ)
日向「えーっとさ、七海」
七海「ん?」
日向「最近、何かあったのか?」
七海「うーん……。何かあったかって言われてもなぁ」
七海「じゃあ逆に質問します、何かあったと思う?」
日向「いや、それを俺が聞いてるんだけど……」
七海「そっか……」
七海「じゃあゲームしよっか?」
日向「え、また突然だな。まあいいけど」
七海「じゃあぱぱっと準備しちゃうね」
七海はゲームを漁り始めた。
日向「…………」
日向「七海? 何かあったんだろ?」
七海「…………」
日向「みんな心配してるんだぞ。七海の様子が少しおかしいって」
七海「…………」
日向「一体何があったんだよ? 人には言えないことなのか?」
七海「…………」
ゲームを漁っていて、日向からは七海の顔は見えない。
日向「…………」
七海「……ごめん、日向くん」
日向「え?」
七海「えっとさ……今日はちょっとゲームの調子が悪いから……悪いけど、また今度来てくれるかな?」
日向「あ、ああ。分かった」
日向は立ち上がった。
日向「えっと……じゃあな。七海」
日向は出て行った。
七海「…………」
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- 14 : 2015/02/16(月) 17:56:12 :
- 七海「……はぁ」
七海は無気力にベッドに座り込んだ。
七海「……なんであんなこと言っちゃったのかな」
ウサミ「千秋ちゃん……」
日向が来ている間はウサミは姿を隠していた。
七海「……私は……ただ日向くんと遊びたかった……だけ……なのに……」
七海「……どうして……上手くいかないん……だろう……?」
七海「……やっぱり……感情の類は……苦手だな……」
七海の目から、水滴が落ちた。
ウサミ「…………」
ウサミ「千秋ちゃんは普通の女の子でちゅ。何かに悩んだり、色々頭を抱えることもあるだろうけど、決して自分を責めないでくだちゃい」
ウサミ「心の整理がついたら、まずは自分のやるべきことを見つけて、あれこれ悩むより行動したらいいでちゅよ」
ウサミ「先生は、いつでも悩める生徒の味方でちゅ。千秋ちゃんの意見を尊重しまちゅ」
七海「……ありがとう、ウサミちゃん」
ウサミ「では、あちしはちょっと行ってきまちゅ。じっくり、ゆっくり悩んでくだちゃい」
そう言って、ウサミは去って行った。
七海「…………」
【ホテル】
日向「っはぁー……」
七海の部屋を追い出され、プールサイドで座り込んでいた。
九頭龍「おう、日向。どうだ? 七海の奴は」
日向「あぁ……やっぱ何かおかしい感じはするな……」
弐大「何か知らんが、問題が起きたのなら速攻解決! 常に選手を最高の状態に保つのがマネージャーの役目じゃあ!」
九頭龍「っつーか、本当に何も心当たりはないのか?」
日向「……ああ。俺の思いつく限りだと、無いはずだが……」
日向「…………」
日向(昨日の罪木の件––––?)
日向(……いや、七海もそこまで心は狭くないし……そもそもそれだと、七海が俺の事を好きみたいじゃないか)
九頭龍「ま、何かあんなら早めに解決してやれよ。超高校級の相談窓口さんよぉ」
日向「……ああ、分かってる」
日向(さて……どうしたもんかな)
>>15
・みんなの話を聞く
・考える
・もう一度七海のコテージへ行く
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- 15 : 2015/02/16(月) 19:24:49 :
- もう一度
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- 16 : 2015/02/16(月) 20:15:50 :
- 日向(……とにかく行動しないとな)
日向「……ちょっと行ってくる」
九頭龍「おう」
弐大「応ッ! これはお前さんにしか出来んことじゃ。当たって砕けてこい!」
日向(砕けたらだめだろ……)
【七海のコテージ前】
澪田「あっ。創ちゃん!」
日向「澪田?」
澪田「いやー澪田もちょっち心配で来てみたんすけど、なんと門前払いでハートブレイクっすよ!」
日向「え、門前払い?」
澪田「ちょっと調子が悪いとか言われちゃって、中にも入れてくれなかったんっす!」
澪田「いやもう完全に心折れたっす! 心がバラバラに砕け散ったっすよ!」
日向「よし、大丈夫そうだな。ちょっと俺が行ってみるよ」
日向が澪田の横を通り過ぎると。
澪田「きっと、創ちゃんにしか言えない事があると思うから。真面目に聞いてやってね」
日向「え? お、おう」
澪田「じゃ、澪田はちょっと浜辺でバラバラマイハートを癒してくるっすー!」
澪田は元気に手を振りながら去って行った。
日向「はは……。本当、たまに真面目に言うから分からないんだよな……」
日向「ふぅ……。さてと」
一呼吸置いて、インターホンを鳴らす。
ピンポーン
七海「……誰?」
日向「俺だよ。日向」
七海「……日向くん?」
ガチャ……
ゆっくりと扉が開かれた。
七海「…………」
日向「…………」
七海「……とりあえず上がる?」
日向「あ、ああ。そうするよ」
【七海のコテージ】
日向(七海……もしかして泣いてたのか……?)
七海の顔や目が若干赤くなっていた。
七海「……で、日向くんから何か用だった?」
日向「あ、えっと……」
>>17
・何があった?
・ゲームでもしないか?
・何か食うか?
・プレゼント
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- 17 : 2015/02/16(月) 20:40:10 :
- ゲームでもしないか?に一票
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- 18 : 2015/02/17(火) 19:46:08 :
- 期待です。自分ヒナナミ大好きなもんでww
頑張ってください!
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- 19 : 2015/02/17(火) 22:15:06 :
- >>日向 誠さん
ありがとうございます!
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- 20 : 2015/02/17(火) 23:33:23 :
- 日向「ゲームでもしないか?」
七海「……うん」
日向(明らかに元気ないな……)
七海「…………」
日向(何しようか? とかも聞かないんだな……。これは相当きついぞ……)
七海「……あ、日向くんやってていいよ。私は見てるだけでいいから」
日向「いや、それだと2人いる意味無いだろ?」
七海「……それもそうだね。じゃあ……なにしよっか?」
2人は、手に取ったアクションゲームを始めた。
七海「日向くん、構えてて。閃光玉投げるよ!」
日向「ああ! いいぞ!」
日向「……あ!」
七海「え?」
日向「虫に刺されて痺れた!」
七海「痛っ! 後ろからイノシシに突進された!」
日向「うわ! 待て! 今攻撃するな! それ一撃で半分削れるやつ––––!」
【力尽きました】
七海「ふぅ……あ。もうこんな時間なんだね」
すっかり日が暮れていた。
日向「ああ、熱中してて気付かなかったな。じゃ、俺はそろそろ帰るぞ?」
七海「あ……うん」
日向はコテージを出ようとした。
七海「また明日ね、日向くん。今日はありがとう」
日向「ああ。またやろうな」
ガチャ
狛枝「やあ、日向クン」
日向「狛枝? どうしたんだよ」
狛枝「いやぁ、ちょっと七海さんの様子が気になってさ。彼女の様子はどうだったの?」
日向「もうあまり心配無いと思うぞ。何か吹っ切れたのかもな」
狛枝「そう。じゃ、明日からはまたカケラ集めを再開するんだよね?」
日向「え?」
狛枝「もう七海さんのカケラは全部集めたんだよね? 彼女はもう心配無いっていうのなら、そろそろ他の人のカケラを集めることにした方がいいんじゃないのかな?」
日向「……まあ、そりゃそうだけど……。やっぱりもう少し様子を見ることにする。七海がまだ心配だからな」
狛枝「なら、次はボクが様子を見てこようか? カケラも集まるし、一石二鳥でしょ?」
日向「い、いや。いいよ。俺が明日も様子を見に行くって」
狛枝「そこまで七海さんの部屋に行きたいの? しょーがないなあ……。まさか、彼女のパンツを漁ろうとか考えてるわけじゃないだろうね?」
日向「そ、そんなわけないだろ!? なに言ってんだよ!? 俺がそんなことするはずないだろ!?」
狛枝「冗談だって。そんなこと本気で思ってるわけないじゃん。あまり必死だと、図星だと思われちゃうよ?」
日向「ぐっ……。……はぁ……俺はもう帰るぞ」
狛枝「うん。じゃあね」
日向(まったく……読めない奴だな……)
日向は自分のコテージに帰って行った。
狛枝「…………」
狛枝「大事な人を思う希望……。それは、極限まで高まるとどこまで大きく輝くのか……。ボクに見せてよ……日向クン。そして、七海さん……ボクも協力するからさ……」
狛枝「希望が輝く為に働けるなんて、こんな光栄なことはないよ……!」
狛枝「ッハ……!」
狛枝「ッハハハハハハ……!」
-
- 21 : 2015/02/19(木) 02:37:44 :
- 【翌日】
狛枝「…………」
狛枝「そろそろかな」
時を見計らって、コテージの中から外に出る。
静かなホテル内を静かに走り、七海の家の前に来た。
【前日】
狛枝「ウサミ。出てきてよ」
ウサミ「はいはーい。なんでちゅか?」
狛枝「明日の朝だけどさ、朝の放送を少し遅れてしてくれないかな? 30分くらい」
ウサミ「ほえ? なんでまた」
狛枝「希望と絆の為に必要ことなんだよ。やってくれるかな?」
ウサミ「うーん……そう言われると断りにくいでちゅね……。分かったでちゅ。明日は予定より30分遅く放送しまちゅ!」
狛枝「うん。よろしくね」
【現在】
狛枝は、毎日同じ時間に起きる人に見られないように、時間を見計らって来た。つい今、弐大がいつも通りレストランへ向かったばかりだった。
狛枝は七海のコテージのインターホンを押す。
ピンポーン
狛枝「…………」
ピンポーン
ピンポーン
七海「……ふぁ〜い……?」
ガチャ
何回か呼ぶと、七海の眠そうな声が聞こえて、扉が開いた。
七海「……ねみぃ」
狛枝「やあ七海さん。朝早くから悪いね?」
七海「……うん、別にいいけど……何かご用? まだ放送鳴ってないよね……?」
狛枝「いや、今日はちょっと放送の調子が悪いみたいでね。みんなを起こしに回ってるところなんだけど……。七海さんにはちょっと日向クンに関して質問したいことがあってさ」
七海「日向くん……?」
七海「うーん……まぁとりあえず上がる?」
狛枝「うん、失礼させてもらうよ」
【七海のコテージ】
七海「で? 聞きたいことって?」
狛枝「実はさ、日向クン。相当無理してるみたいなんだよ」
七海「無理? 無理って何が?」
狛枝「七海さん、ボクには何があったのか知らないけど、最近様子がおかしかったよね?」
七海「……うん、そうだね。そうだったかもしれない。けど、だいぶ落ち着いたよ」
狛枝「七海さんの異変が発覚したのは昨日だったよね? その時は日向クンが一日中ゲームに付き合ってくれたんじゃないかな?」
七海「……そうだね。あれがちょっと無理させちゃったのかな?」
狛枝「それもそうだけど、もう一つあるんだ。そう、一昨日の罪木さんの件だよ」
七海「…………」
狛枝「思えばあの時からだったんだよね? 七海さんに異変が生じたのは。理由は本当にボクなんかには分からないんだけど、あの時、七海さんは何をしたんだっけ?」
七海「……狛枝くんと公園で歩いてたね––––
狛枝「そこじゃないよ。分かってるでしょ? 2人の間に入ったことだよ」
七海「…………」
狛枝「日向クンと七海さんは、既に十分なはずだよ。にも関わらず、七海さんは2人を邪魔してしまった。それはつまり、希望のカケラを集めることを邪魔してしまったということなんだよ」
狛枝「あ、ボクは別に七海さんを責めるつもりはないよ。仲の良い人は大切にしたいものなんだよね?」
狛枝「七海さん。君は、日向クン意外に親しい人っている?」
七海「……朝に勝手に人のコテージに上がり込んでくるレベルの狛枝くんかな」
狛枝「……ちゃんと許可取ったでしょ? ってそうじゃなくて……。日向クン以外の希望のカケラを、集めようとした気がある?」
七海「……狛枝くんのカケラなら1つあるよ」
狛枝「それはボクが七海さんを連れ出したからだよ。実際ボクが話しかけようとしたの、1人でゲームを始めようとしてた時だったよね?」
七海「……で、結局何が言いたいの」
七海は頬を膨らませて、不機嫌をアピールした。
狛枝「君が、日向クンの邪魔をしているということだよ」
七海「…………」
狛枝「日向クンやみんなのことを思うならさ……。もっと日向クンを応援するところだよね? それを、七海さんは自分のわがままで邪魔しているんだよ」
狛枝「あ、そうそう。今日も日向クンは、罪木さんと公園でくつろぐみたいだよ。決して邪魔しないようにね?」
七海「…………」
キーンコーンカーンコーン
狛枝「おっと。丁度話も終わったし、ボクはそろそろレストランの方に向かうけど……」
狛枝「忘れないようにね? 七海さん。日向クンや他の人のことを思うなら……さ」
狛枝は、コテージを出て行った。
七海「…………」
七海「……そんなこと、言われなくても分かってる……」
七海「……と……思うけど……」
七海「…………」
-
- 22 : 2015/02/19(木) 07:57:37 :
- これ田中の言いたいことその2でもあったのかな
-
- 23 : 2015/02/19(木) 21:43:35 :
- 【レストラン】
弐大「応ッ! 狛枝、おはようさん!」
狛枝「おはよう、弐大クン。朝から元気だね」
狛枝「…………」
七海「おはよう、日向くん」
日向「あ、七海。おはよう。今日も一緒にゲームやるか?」
七海「え? うーん……」
七海「……ううん、今日はちょっと調子が悪いから……。……ごめんね」
日向「そうか。なら仕方ないな。……ん? 調子が悪いって、ゲームじゃなくて七海の方か?」
七海「あ、いや、ゲームだよ? ちょっと全ゲームがバラバラに砕け散っちゃってさ」
日向「物理!? ちょっとまて七海、それは誰かに壊されたのか? 明らかにちょっとじゃないだろ」
七海「え、えっとね。私がやったんだよ。うっかり粉砕しちゃったんだよ」
日向「そ、そうか……。えっとまあ……うっかりなら仕方ないな……」
七海「うん、罪木さんと仲良くね」
日向「ああ。……え? ちょっと待て、何で罪木なんだ? おい、七海!?」
七海は、自分の台詞が言い終わると同時にレストランを出て行った。
狛枝「…………」
日向「……あいつ……またおかしくなったりしてないよな」
自由行動開始
日向「うーん……」
日向(まぁ、罪木と過ごすか……)
日向「あ、罪木」
罪木「あ……日向さん。こんにちはですぅ……」
日向「ちょっと公園にでも行かないか?」
罪木「え。えと、はいっ! あの、喜んでご一緒させていただきますぅ!」
日向「良かった。じゃ、行くか」
罪木「そ、そうですね……! えへへへぇ」
狛枝「…………」
狛枝(計画通り)
狛枝(さすがボクの幸運だね。言った通りになって良かったよ)
【七海のコテージ】
七海「…………」
七海「……暇だなぁ」
ゲームに手を付けようとするも、すぐにやる気が失せて手を引っ込める。その繰り返しだった。
七海「…………」
>>24
・公園に行く
・レストランに行く
・ぶらつく
・ゲームする
-
- 24 : 2015/02/19(木) 22:08:31 :
- ぶらつくで
-
- 25 : 2015/02/25(水) 01:14:52 :
- 【ホテル】
ソニア「あら、七海さん。ごきげんよう」
七海「あ。ソニアさん。田中くんと一緒じゃないんだね?」
ソニア「ええ、それが、田中さんをお散歩に誘おうかと思っていたのですが、いざ探してみると見つからないので困っていたところです」
七海「そうなんだ。ねえ、今どんな気持ち?」
ソニア「え? そ、そうですね……。わたくし、今とてもショックです」
七海「とてもショックかぁ。なるほど」
ソニア「えっと、じゃあ七海さん。ご一緒にお散歩しませんか? この島、色々あって楽しいのですよ?」
七海「あ、ごめん。今日はいいや」
ソニア「そうですか。分かりました。ではまたの機会に」
七海「うん」
ソニアは去って行った。
花村「やあ七海さん」
代わりに花村が現れてしまった。
七海「や。花村くん」
花村「外に出てきたんだね。じゃあそのまま、ボクと濃密な関係に……
七海「ごめん。忙しいからまたあとでね」
七海は逃げるように去って行った。
花村「ちょっと? 七海さーん!? 忙しいってなにがー!?」
七海「暇を潰すのに忙しいからまたあとで!」
花村「それ忙しいって言わな……」
七海はホテルから出てきた。その頃には花村の声も聞こえなくなっていた。
【第一の島】
七海「ふう……」
誰も居ない道を歩く。
そして、橋の前で一瞬足を止めた。
七海「…………」
が、そのまま橋を過ぎて歩いていって、牧場に入っていった。
【牧場】
牛がいた。
七海「あの牛って、ウサミちゃんがつくったんだっけ……」
七海「……そういえばここ、日向くんと会ったばかりの頃に1回来ただけだったなー」
七海「それ以来、格ゲーしかしなくなったんだっけ」
七海は、日向との思い出を思い返していた。
七海「…………」
七海「……やっぱり、私ちょっとおかしいんだよね」
七海「……このままだと……一生この島から出すことが出来ない……」
七海「何より、私がそうさせてるんだから……」
七海「それを回避するには……」
七海は一瞬考えてから、呟いた。
七海「……記憶の消去……」
七海「……ウサミちゃんなら……きっと出来る……」
-
- 26 : 2015/03/15(日) 01:48:02 :
- ウサミ「……本当に良いんでちゅか?」
ウサミを呼びだして、用件を伝えた。
七海「うん。ダメ……かな?」
ウサミ「そんなことないでちゅよ。千秋ちゃんが決めたことなら、それを信じて進んでみると良いでちゅ。あちしは、それをサポートするだけでちゅから」
七海「……ありがとう、ウサミちゃん」
ウサミ「記憶を消す前に、少し島を見回ってみたらどうでちゅか? 今のままでいられるのは、今だけでちゅよ」
七海「そうだね。じゃ、ちょっと行ってくるよ。後で部屋に戻るね」
【ジャバウォック公園】
日向「じゃ、そろそろ帰るか」
罪木「そうですね……! えへへ……! 今日は楽しかったですぅ……!」
日向「ああ、そうだな」
日向「あれ?」
日向「あれ七海じゃないか?」
罪木「へ……?」
日向「おーい、七海ー?」
日向は七海を呼んだ。しかし七海は、少し逃げるように日向から背いて歩いて行った。
日向「お、おい七海!」
罪木「あ……!」
日向は、罪木を置いて七海を追いかけた。
罪木「…………」
【七海のコテージ】
ピンポーンピンポーンピンポーン
日向「おい七海! また何かあったのか!? いるんだろ!?」
日向「七海! 返事くらいしてくれよ!」
日向(嫌な予感がする……!)
七海「…………」
ウサミ「……じゃあ、やりまちゅよ……」
七海「うん……お願い」
ウサミ「その思考の原因となった、または成り得る可能性の過去の記憶を消しまちゅ」
日向「……どういうことだよ」
七海「……ッ!」
日向が、七海の近くに立っていた。
ウサミ「ひ、日向くんでちゅか!? なんでここに!?」
日向「カギが開いてたから、勝手に上がらせてもらったぞ」
日向「七海。ウサミ。記憶の消去ってなんだ? 何のことだよ」
ウサミ「そ、それは……」
七海「…………」
七海「……ごめんね」
七海「私……変なんだ。みんなを帰らせてあげたいのに帰らせたくなくて……。それ以前にみんなの希望のカケラを集められる自信が無くなっちゃって……」
七海「だから、一回リセットしようと思うんだよ。そうしないと……私がいる意味がないんだから」
日向「……一体、何の話をしてるんだよ」
日向「お前の言ってる事の半分しか理解出来ないけど……でも、そんなの全然変じゃないだろ」
日向「みんなが帰って、その後にみんなと会えなくなるかもしれないのが怖いのか? もしかして、あの時の狛枝との会話で気付いたのか?」
七海「…………」
日向「七海。俺は、お前が記憶消去してほしくない」
日向「お前とは出会ったばかりだし、何を考えて言ってるのかも分からないけど、それって俺との思い出も消えるわけだろ?」
七海「日向くんの記憶には残ってるんだよ。別に無かった事になるわけじゃないんだよ」
七海「それに、私のカケラは集め終わったんだし、私に構わずに他の人と……」
日向「単に俺が、カケラの為に七海に話しかけていたと思ってるのか?」
七海「え?」
日向「希望のカケラも確かに重要だけど、それだけが目的なら、わざわざお前にここまで付き合うわけないだろ」
七海「じゃあ……なんで?」
日向「……それは……えっと……」
日向「……お前が好きだからだよ!」
七海「……えっ?」
-
- 27 : 2015/03/15(日) 02:16:27 :
- 日向「俺は、お前が好きだったからここまでお節介を焼いてるんだ! 前からずっと好きだったんだよ!」
七海「……好き」
日向「そうだ。お前とはまだ会ったばかりだけど、それでも十分すぎる程、お前と話して分かった。俺はお前が好きだった。だからカケラを集め終わってもお前に話しかけるのは止めない」
七海「……ねえ日向くん」
日向「ん?」
七海「好きって、どういう感じなのかな?」
日向「え……それ今俺に聞くか? えっと……そうだな……」
日向「その人と少しでも長く一緒に居たいとか、話したいとか、自分だけを見て、自分とだけ話して欲しいような独占欲とか……そんな感じじゃないか……?」
七海「ふーん……」
七海「なら、私も日向くんが好きってことになるかな」
日向「……えっ?」
七海「恋愛は苦手分野だけど…これだけ情報があれば分かるよ。私は、日向くんが好きなんだって」
七海「それも、好きで好きで、大好きで、日向くんと一緒にいられるなら、ゲーム以外何もいらないってくらい……」
七海「大好きだよ、日向くん」
七海「私達、両思いだね」
日向「はは……素直に喜んでいいのか分からないな」
七海「でもだよ? それはつまり、日向くんとゲームが出来たらそれは最強なんだよ」
七海「だからさ、記憶を消した後でも、時々一緒にやろうね」
日向「何言ってるんだよ! 告白までしておいて、記憶消去は無いだろ!? そもそもどうやるんだよ!」
ウサミ「…………」
七海「変は恋なのは分かったけど、それでも止めるワケにはいかないんだよ」
七海「結果的に迷惑がかかっちゃうのも目に見えてるんだしね」
日向「誰がいつ、迷惑がかかっちゃいけないなんて言った? 俺になら、迷惑なんていくらでもかけていい。
日向「それに、恋なんて独占欲の塊だ。お前が落ち着くまで俺はそばに居る。俺の好き勝手で、俺はお前といる。ずっとゲームしてる。それでどうにかなるだろ」
七海「……なるのかなぁ」
日向「なる。だから七海。記憶の消去は反対だ。わざわざ消去なんてしなくても、きっと大丈夫だ」
日向「七海は消去したいのか?」
七海「……したくないよ」
七海「日向くんと……ずっと一緒にいたいよ」
-
- 28 : 2015/03/31(火) 21:53:20 :
- 日向「……なら、もう俺から言うまでもないな」
七海「……うん」
七海「ウサミちゃん、ありがとう。記憶消去は止めたよ」
ウサミ「そうでちゅか。なら、あちしはこれで失礼しまちゅ」
ウサミ「……千秋ちゃん、良かったでちゅね」
ウサミはボソッと言った。
七海「……うんっ」
七海も、小さな声で返した。
そしてウサミは去って行った。
日向「……さて」
日向「七海、外に行くぞ」
日向が七海の手を引く。
七海「えっ? ……うん!」
困惑しながらも、七海は笑顔で返事をした。
【ホテル】
日向「あ」
罪木「あ!」
狛枝「あっ」
七海「?」
罪木「日向さぁん! 私1人残して、どこに行っていたんですかぁ!」
日向「い、いや……罪木……あれはスマン……」
狛枝「……ふーん、ちゃんとあの状態から修復出来たんだね。しかもやっぱりボクの憶測通り、2人の関係は更に深まっている……。期待通りだよ……日向クン……」
狛枝「まぁ、落ち着いてよ罪木さん。あ、日向クン。ちょっと公園に行っててくれる? なんとかしておくからさ」
日向「なんとかって……なんだよ?」
狛枝「言ってる時間は無いからさ……。ほら、罪木さんも何か危ない物を取り出し始めたし……」
日向「え?」
七海「……罪木さん、包丁は危ないよ?」
ソニア「な、何事ですか?」
左右田「あ、日向てめえ! 何さりげなく七海と手ぇ繋いでんだよォ!」
続々と人が集まってきた。
日向「べ、別に手を繋ぐくらい……
七海「だって私達は恋人同士だよ?」
ピキン
この場が、一部を除いて一瞬凍り付いた。
日向「な、七海……?」
七海「あれ、だって私達は両思いなんだし、そうじゃなかったの?」
日向「そ、それはそうだけど、今大っぴらに言う事じゃ……!」
七海「でも、いつかは言うんだよ? なら、早めに言った方がいいでしょ?」
左右田「オイ日向てめえ! 何呑気に彼女なんて作ってんだコラァ!」
九頭龍「おい落ち着けよ左右田……。別に悪い事でもないだろうが」
小泉「そ、そうだよ……。喜ぶべきことだよ?」
西園寺「でも、よく日向おにぃなんかが彼女なんて作れたよねー? 何か汚い手でも使ったんじゃないのー?」
花村「出来れば、その汚い手の内容が知りたいね! 願わくば、ぼくの予想通りの展開なら……」
日向「お、お前らなぁ……」
罪木「ひ……日向さん……は……私に…優しくして……くれた……人……だったのにぃ……」
罪木「こうなったら……もう一生……私に看病……される体に……」
狛枝「ほら日向クン。早く逃げて逃げて」
日向「あ、ああ……。いくぞ、七海……」
七海「うんっ」
七海の手を引っ張って、突っ走った。
-
- 29 : 2015/03/31(火) 23:25:36 :
- 【ジャバウォック公園】
日向「はぁ、はぁ」
七海「はぁ……はぁ……」
日向「公園に行ってろって……どういう意味だ?」
七海「そういえば……誰も……追ってこないね……」
日向「……ああ、静かだな」
日向が七海を連れて走った後、罪木や左右田は2人を追った。
狛枝「やれやれ……。ウサミ」
ウサミ「はいはーい!」
狛枝「日向クンと七海さんの為に、ジャバウォック公園を……というよりも、第一の島を閉鎖してくれないかな?」
ウサミ「分かりましちた! 今回は事情を知っているので、飲み込みが早い先生でちゅ!」
【橋】
罪木「日向さぁぁん……」
左右田「日向ぁぁああ゛」
2人は、ゾンビのように閉鎖用の柵にしがみついていた。
【公園】
七海「日向くん。私達って恋人同士じゃないの?」
日向「え、えーっと……多分……そうなるな」
七海「どっち?」
日向「恋人同士……なんじゃないか?」
日向「でもだからって、いきなり大勢の前で言うことないだろ!?」
七海「そうなの?」
日向「…………」
日向「……はぁ。お前って、結構ズレてるよな……」
七海「何か間違ってるところがあったら、その度に日向くんが教えてくれたらいいんだよ。私達はこれから一緒なんだよ? 恋人同士なんだからさ」
日向「そ、そうだな」
日向「……よくそんな平然と言えるな……」
七海「え?」
日向「いや、何でも無い」
日向は首を振り、七海は大きく伸びをする。
七海「……ふぁ……なんだか疲れてきちゃったな……」
日向「ああ、最近……今日は特に、色々な事があったからな」
七海「私達が恋人になったりね?」
日向「そ、それはもういいだろ……? 何回言う気だよ」
七海「言ったらおかしい事だった?」
日向「い、いや……おかしくはないけど……」
日向が戸惑う中、七海はゲーム機を取りだした。
七海「日向くん、ゲームしよう?」
日向「え、疲れてないのか?」
七海「疲れてるけど……日向くんとゲームはしたい……かな」
七海「……あ、やっぱり疲れてるや……」
七海は、若干フラフラだった。
日向「無理せずに休めって……」
七海「むー」
七海「あ、だったらさ、日向くんがゲームしてるところを横で見てていい?」
日向「ああ。それなら良さそうだな」
2人は並んで、木にもたれ掛かって座った。
カチ
ドサッ
日向「七海っ?」
電源を付けた直後、七海の頭が日向の肩に置かれた。
七海「大丈夫……疲れただけ……」
日向「あまり無理はするなよ……?」
七海「うん……平気……」
七海「これってね……私の好きなゲームなんだよ……?」
日向「へぇ。なら期待出来そうだな」
日向は、時々七海を気遣いながらも、ゲームに熱中していた。
日向「これ面白いな! 七海! ……あっ」
七海「……すぅ」
一区切りついたところで横を見ると、七海が寝ていた。
日向「……ふぅ」
カチ
日向はゲーム機の電源を切る。
日向(また今度)
そうして、日向も目を閉じた。
日差しが強い中。2人は木陰で昼寝をした。
––––本当は……私はこうするべきじゃなかった
––––いつかはみんなを……送り出さないといけないんだ
––––でも……後悔はしてないよ
––––今は……今だけはこうしていたい
––––日向くんと……一緒に
––––この……何気ない時間を過ごしたい
––––私は……そう……思った
END
-
- 30 : 2015/06/12(金) 02:39:15 :
- 乙ですぅー罪木ちゃんがこえぇ(;つД`)
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