狛枝「ボクは幸運なんだよ?」
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- 1 : 2015/02/08(日) 22:13:38 :
- スーパーダンガンロンパ2のネタバレ有
別のssの展開を考えていたらふと思い浮かび、保留してそのssの展開を考えようとしてもこの案が頭から離れないため書きます
一応短編になりそうですが投稿は不定期です
スーパーダンガンロンパ2本編設定から少し僕が考えた展開を上乗せという形になります
設定時空としてはアイランドです、つまりコロシアイは起こっていません
タイトルを見ればわかると思いますが狛枝が主人公です
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- 2 : 2015/02/08(日) 22:16:15 :
- 狛枝が主人公とは…!
期待するしかありません!!
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- 3 : 2015/02/08(日) 22:21:07 :
- >>2
ありがとうございます!
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- 4 : 2015/02/08(日) 22:30:24 :
- 「.......」
ボクの名前は狛枝凪斗、ゴミ虫で希望ヶ峰学園の第77期生だ
希望ヶ峰学園というのはその道の一流高校生のみスカウトを受けて入学できる正に希望の学園、つまりボクみたいなゴミ虫には縁も所縁もない所なんだ
でもボクはその希望ヶ峰学園の第77期生として入学することとなった、えっ?なんでかって?
それはボクが超高校級の幸運だからなんだ
超高校級の幸運というのは一般の高校生から学園が一人を選んでその人を希望ヶ峰学園の一員とするという、所謂一般の人へのラッキーチャンスみたいなものなんだ
そう、ボクは"幸運"なんだ
でもボクの"幸運"にはちょっと問題がある
それは幸運と比例して不運が起こること
例えば道で五百円玉を拾い、その後で財布を丸ごと落とす、という具合にね
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- 5 : 2015/02/10(火) 15:38:48 :
- このボクの"幸運"は今に始まったことじゃない、産まれてからこんなことが続いてるんだ
「...............」
狛枝凪斗~幼少期時代~
「ねぇお母さん!子犬拾った!!」
「あら凪斗、それどうするつもりなの?」
「飼っちゃ...ダメ、かな?」
「どうします?」
「いいんじゃないか?ただし、世話は自分でやるんだぞ?」
「わーい!じゃあ名前はハジメね!」
でも嫌な予感はしてたんだ、普段の父さん達だったらこんな素直に許すわけがない、つまり"幸運"が起こったんだ
その2時間後、ハジメは交通事故で死んだ、ボクと散歩に行ってる途中だった、道路の脇道を歩いていたらハジメが急に飛び出し、そのまま車に轢かれた...
その後ボクは1回も犬を飼っていないし飼うつもりもない、だから未来永劫愛犬はハジメ1匹になるだろう
そう、ボクの幸運 は周りにも影響を与えるんだ
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- 6 : 2015/03/20(金) 01:27:53 :
- そしてハジメが死んでから3年ぐらい経ったのかな?ボクは家族と一緒にガラパゴス諸島に旅行へ行ったんだ
「うっ!」
「お母さん?」
宿泊先のホテル、お母さんは急に吐き気がしたのか洗面台へと走る
「母さん、もしかして...」
「...明日、病院に行ってもいいかしら?」
「お母さん...?」
その時のボクは母さんの身を心配したね、まだ小学校低学年だったかな?その時だったらこれが何かわからないよね
その翌日、母さんにこう言われた
「凪斗、あなたはお兄ちゃんになるのよ」
「えっ」
その時の気持ちはよく覚えてないね、でも少なくとも喜びの感情はあったはずだ、親が共働きだからハジメがいなくなってからボクは基本一人だったからね
そして、その翌日のことだ
「凪斗...よく聞いてくれ、母さんが車にはねられた」
「えっ」
その時の気持ちは流石に覚えてなくても予想はつく、心配の感情さ、母さん、そしてボクの弟か妹のね、ボクと父さんは母さんが搬送された病院へと向かった
「母体は無事ですが...胎児は...」
「..............」
「ぼたい?たいじ?」
その時のボクにその言葉の意味はわからなかった、それはそうだよね...小学校低学年だもんね
「母さんは助かったけど、赤ちゃんは空へ旅立った...ってことだよ凪斗」
「えっ...」
その時の父さんは泣いていた、その言葉を聞いて理解したんだろうね、ボクも泣いたよ、それはずっとず~っと病院の診察時間が終わるまでその言葉を聞いた部屋でね、それだけはよく覚えてるよ
その後のことはよく覚えてない、多分泣き疲れて寝ちゃったんだろうね、気付いたら朝になっててホテルの部屋のベッドの上だったよ、父さんと母さんはいつも通りに...
「おはよう凪斗、よく眠れた?」
「今日の朝ごはんは母さんの手作りだぞ、早くおいで」
いつも通りに挨拶してくれた、でもちょっと違った、旅行中はいつも朝ごはんはホテルのレストランで食べてたけど今日は母さんが作ってくれた、その時のボクはあまり気にしてなかったけど...多分母さん達はボクに気を使ってくれたんだと思う、これ以上ボクに悲しんで欲しくないって、その時の朝食は美味しかったね、旅行中の一番の思い出だよ
でもボクはその時知らなかったんだ、これが最後の家族揃っての朝食になることを
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- 7 : 2016/02/04(木) 21:54:19 :
- その後はボクが前にも説明した通りだ。
「神は生け贄を欲している!貴様らはその手向けだ!!」
「凪斗!伏せて!隠れるのよ!!」
「まずは貴様からだ!!」
(発砲音)
「うっ……」
「母さん!!!!」
「頼む!私がその生け贄となる!息子だけは助けてくれ!!」
「あぁ、いいだろう」
(発砲音)
「ぐっ……」
「ただ、神へは誓わないがな、すぐに貴様のもとへ送ってやる」
「父さん!!母さん!!起きてよ!!ねぇ!!なんで!!なんでなんだよ!!」
「キャップ、こちらは全員送りました」
「わかった、残りは……」
(銃を狛枝へ向ける)
「ひっ……」
「貴様だけd」
(隕石がテロリスト集団を抹消する)
「…………………は、ははっ……ははははっ……」
「アハハハハハハハハハハ!!!!いなくなった!!父さんも!!母さんも!!他の人全員!!誰もいなくなった!!!なのにボクだけ!!ボクだけが生き残った!!!ボクはツイてるんだ!!!!ボクは幸運なんだ!!!!」
「でも……希望なんて、どこにもない」
旅行帰りのハイジャック事件に………
「おい!お前の親の連絡先を吐け!お前が狛枝家の息子ってのはわかってるんだ!!」
「だから何度も言ってるでしょ…?連絡先を教えたところで、父さん達はいないよ、ニュース見なかったの?それに今の時間だと執事やメイドさんだって眠ってるよ…って、あなたが眠らせたんだっけ、永遠に」
「嘘つけ!!あんな状況でお前が生きてるのに親が死んでるなんてことがあるか!!絶対にどこかに隠れてんだろ!!いいからさっさと吐け!!」
「嘘じゃないのに……それとそれについても何度も言ったでしょ?ボクはね……」
(地震)
「!?地しガンッ!!ん……か…」
(地震によって棚の上に乗っていたレンガが犯人の頭に直撃する)
「幸運なんだよ…?って、もう聞いてないか…」
「そもそも、父さんと母さんが遺してくれた物を、こんな希望を感じないクズに渡すわけないじゃないか……ん?」
「これは……宝くじか、まぁ、貰えるものは貰っておこうかな」
誘拐事件……ってね、これらだって、ボクの経験した事件の内の一部さ。
「不幸を招く忌み子」
「ヤバいヤロー」
「ひとりで奇人変人博覧会できるレベル」
「野放しにするのは不安」
「あの男は危険だ」
こんな風に呼ばれたこともあったっけ……まぁ、ボクの幸運 が原因だからね…仕方ないさ。
それで、何の因果かは知らないけど、こんなゴミ虫に希望ヶ峰学園からの招待状が届いたのさ。
「こんなゴミ虫が希望ヶ峰学園に行くだなんて…学園の評価が下がってしまうのに…でも断れないなんて、不幸だなぁ……」
(でもまぁ……希望のみんなならなんとかなるよね、だって希望は絶対に負けないんだから、ボクの不運 なんかにも、絶対に……絶対に)
それで希望ヶ峰学園に入学することになったんだけど……
「だんがんアイランドへようこそ~!!!」
(ん、んんんんん………!!)
こんな幸運とも不運とも言えない状況へとボクを誘ったんだよね。
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- 8 : 2016/05/04(水) 19:40:35 :
「…………」
それからは、ウサミが出す課題をこなし、みんなと過ごす日々をおくっている。
「………」
けど、その日々は完全に平和ってわけではない、たとえばビーチを歩いていると、ヤシの実が落ちてきたり、魚がはねて襲ってきたり…山にいくとかなりの確率で躓いて転んだり、木が倒れたりしてくるんだ。
しかも、それがボク一人でいるときに起こることならまだいいんだけど、そのほとんどが誰かといっしょにいるときに起こるんだ。
「今はボクしか被害を受けてないけど……もしもみんなにこんなことが起こってしまったら……」
そんなことはない、とは言い切れない……何度も転んだり、炭酸を飲もうとすると振ってもいないのに吹き出てきたり……こんな感じのが他のみんなにも起こっている。
今はこんな些細なことしか起こってないけど、さっき言ったボクのようなことが起こる可能性もある。
「………希望のみんなですら…ボクの幸運と不運に巻き込まれるなんて……」
やっぱり……ボクなんていない方がいいんだろうな……このままじゃ……
「父さんと……母さんの二の舞………それだけは……イヤだよ………!!」
もう……何も失いたくない……そのためには…ボクは………
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- 9 : 2016/05/15(日) 21:59:49 :
「その言葉、斬らせてもらう!!」
「いてっ!何をするんだい日向クン!?」
「いや?なんかお前がとんでもないことを考えてる気がしてな」
とんでもないこと…でも、ボクの命なんて……
「必要ない命なんてどこにもないだろ、お前はなにを言っているんだ?」
「えっ!?」
なんで!?なんで考えてることわかったの!?
「エスパーだからだ」
「………………は?」
「冗談だよ、ただの勘だ」
鋭すぎるでしょ…
「お前のことは知ってる、スゴく波乱な人生をおくってることをな、お前が教えてくれたんだからな」
「…………それが自分だけなら、まだいいんだけど……他の人にも被害が広がって…一番酷いときには死なせたこともあるんだよ…?」
「それも聞いたな、お前の両親や飛行機の乗客たちか」
「うん…しかも最近はキミ達にも被害が広がってる」
「あぁ、今日も俺の目の前にヤシの実が落ちてきたな」
「今はそれぐらいで済んでるけど、もしもっと酷い目に合うようになってしまうとしたら……」
「それが原因で、お前は自分がいない方がいいんじゃないか、って思ったのか?」
「だって……ボクってまるで死神みたいじゃないか…みんなに被害しか合わせてないし……」
「それは違うぞ!!<反論>」
「ッ!?」
「お前は、俺の反論を打ち破ることができるか?」
「えっ、急にどうしたの!?」
「いいから!お前は俺の反論を聞くんだよ!」
本当になんなんだ……
「お前は今、自分が死神みたいだって言ったな?それはまぁ、過去を見ればそう思うのは仕方ないのかもな、大勢の人が死んで、自分だけ生き残ったんじゃあ」
「そう…それじゃあまるで……」
「死神みたいだ、って言うならそれは違うぞ」
「えっ…?」
「大勢の人が死んだ理由は、テロリストが原因だろ?なんでお前のせいってことになるんだ?」
「そりゃあ……ボクが呼び寄せたのとなんら変わらないじゃないか…」
「そう考えるのがダメなんだよ」
「………え?」
「なんでお前が呼び寄せことになるんだよ、テロリストが狙ってた飛行機に偶然お前達が乗ってしまった、普通はこう考えるだろ?」
「でも…ボクだけが生き残ったのは……」
「それは単純に運が良かっただけだろ、隕石が降ってきて助かったなんて、明らかに普通じゃない」
「…………………」
「あと言わせてもらえば、この修学旅行でお前や俺達がお前が原因で怪我をしたか?したことないだろ?今まで罪木が面倒を見た人たちの怪我は、お前がいないとこでしたんだぞ?お前はまったく関係無い、普通のことが原因での怪我だ」
「……………………」
「過去にそんなことがあっても、今はそんなことは何一つ起こってない、それが違いだろ?過去だけを見るな、過去と今、その両方を見るんだよ」
「…………………」
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- 10 : 2016/06/03(金) 19:52:49 :
「………でも、やっぱりそんな風には考えられないよ、そんなご都合主義みたいなさ…」
「はぁ…なぁ狛枝、ハッキリ言っていいか?」
「なにかな…?」
「お前バカだろ」
「ここで突然そんなこと言う!?」
「だってお前バカだろ!!いつもあんなしつこいぐらい希望希望言ってるのになんだそれは!!そんなご都合主義みたいな考えでも、希望を持って生きる方がいいに決まってるだろ!」
「ぐっ!?」
「お前の言う希望がどんなものかは、俺にはまだわからないけど、少なくともお前が今抱いてるものは希望じゃないってことぐらいはわかるぞ」
「…………」
「それにさ、お前はもう俺たちの仲間だろ?必要ないわけないだろ」
「…………仲間……」
こんなことを言われるのって、いつ以来かな…下手したら初めてかもしれないな…
「日向くん、狛枝くん、ここにいたんだね」
「七海?どうした」
「みんなでジャバウォック公園でお昼ご飯食べようってことになったんだ、それで日向くんと狛枝くんが最後ってこと、もうみんな公園にいるよ」
「ずいぶん突然だな…わかった、行くぞ狛枝」
「………うん!」
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