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  1. 1 : : 2015/02/08(日) 20:34:38
    どうして死ななくちゃいけなかったの……?

    『それは……』

    どうして私たちは生きられないの……?

    『俺達は……』

    どうして私を手放したの…………?

    『…………っ』
  2. 2 : : 2015/02/08(日) 20:42:05
    ーーーーーーーーーーーーーガバッ!


    リヴァイ「はあー……はぁっ……」

    静寂した部屋に僅かに響く呼吸音。

    リヴァイ「……」

    ベッドから飛び起きた男は、夢見が悪かったのだろうか……その顔は苦痛に歪んでいる。

    額から滴る汗……おさまりそうにない激しい動悸。まるで全力で駆けたかのような息苦しさに彼は舌打ちをひとつ響かせる。


    リヴァイ「……っ」ギリ……

    彼の夢に出てきた女の台詞が頭から離れない……。

    こんなにも夢見が悪かったのは幾年ぶりだろうかと、彼は記憶を辿る……。
  3. 3 : : 2015/02/08(日) 20:47:27
    その時彼の頭に激痛が走る。

    リヴァイ「ーーっ!」グッ

    頭の細胞の全てを侵食するかのような痛みに、彼は気分が悪くなりもどしてしまった……。

    リヴァイ「ちっ……」

    夢の中の女は彼が愛していた女。

    名前を覚えてないのに……何故かその事だけははっきりと理解できた。

    生き物に前世と言うものがあるならば、その女は前世で愛していた人なのだろう。
  4. 4 : : 2015/02/08(日) 20:55:15
    苦しい……思い出そうとするたびに……。

    まるでそれを拒絶するかのように、彼の身体は異常なほどに痛みが走る。

    ここ最近はずっと夢のなかに彼女の姿がちらつく。

    だが、今日はじめて、彼女は俺に向かって真っ直ぐ言葉を発した。

    それは幸せな言葉なんかじゃなくて。

    彼女の悲しみを匂わせるような、苦しみの言葉。

    普段は穏やかな夢なのだ。

    なのに、急に。

    もしかしたら彼が記憶を取り戻しつつあるのかもしれない。

  5. 5 : : 2015/02/08(日) 23:13:49
    かこちゃん、期待です♪
  6. 6 : : 2015/02/09(月) 13:24:19
    期待です!
  7. 7 : : 2015/02/09(月) 16:29:01
    リヴァイ「ちっ……あちぃな」

    真夏の日差しを浴びて、その熱気を鬱陶しく思ったのだろうか。
    滲み出る汗を不快に思いながらも、部屋の扉を閉める。

    彼は今高校生。この年なら青春を謳歌してるはずなのだが、彼は変わり者のようだ。

    そんなものには目もくれず、夏の日差しに悪態をつく。

  8. 8 : : 2015/02/09(月) 16:38:32
    リヴァイ「毎日つまらねぇ……」

    成績優秀、スポーツ万能。

    彼の性格からして、そんな能力があってもなくても
    さして変わりはないようだ。

    ただひとつ。彼女のことを思い出したい。

    この世界では彼女を見たことはないのだ。

    それなのに、あの鮮明な夢。

    もうあれは夢とはいえないくらい、はっきりとした映像のようだった。

    日に日に彼女のかおがはっきりと見えるようになっていく。

    そのたびに身体は痛みに蝕まれ、彼の脳内を侵食する。

    不快だ。
  9. 9 : : 2015/02/09(月) 16:44:33
    教室の前。

    この中に足を踏み入れることが嫌いだった。

    いつからか、自分以外の人間に嫌悪感を抱くようになった。

    人間不信……というわけではないのだろうが……不思議なことに関わった人達が

    俺の手からこぼれ落ちるような気がする。

    何故だろう。そんな経験をした訳じゃないのに。

    彼は大きくため息をつくと教室の扉を静かに開けた。

  10. 10 : : 2015/02/09(月) 16:50:39
    リヴァイ「……」

    無言で席につく。クラスメイトである男子達に白い目でみられる。

    気にしない。昔からなれてるような気がするから。

    だが、そんな彼の態度を見て女子たちは憧れの目で見つめる。

    女子たちが最近きゃーきゃー煩い。


    男子「もうすぐアレだな!」

    男子「ああ、今年はもらえるかな!」

    男子「義理チョコでもいいからほしーい」



    ………………そういや、バレンタインが近かったな。

    そこでますます彼の機嫌が悪くなる。

    眉間にシワをよせ、頬杖をついた。
  11. 11 : : 2015/02/09(月) 16:58:03
    そんな彼のことを気にかけてか、大柄の人物が近づいてきた。

    「どうした。リヴァイ、そんな怖い顔をして………逮捕されるぞ」


    リヴァイ「うるせぇな………てめぇのほうが不審だろ………ミケ」

    ミケと呼ばれた男はスンッと鼻を鳴らすとリヴァイの近くに腰かけた。

    彼が唯一心を許せるのがミケだった。

    名前に似合わず、彼はとても逞しい体つきをしている。

    まるで、軍人だ。高校生にはまったく見えないといつも思う。
  12. 12 : : 2015/02/10(火) 12:30:11
    期待です!頑張って下さい。
  13. 13 : : 2015/02/10(火) 17:41:41
    ミケ「今年も大変だな」

    ミケは俺の心を見透かしたように、俺が今考えていることをほのめかすような口調で言った。


    リヴァイ「ちっ……なんのことだ…うるせぇな」

    ミケ「何故、隠す必要がある?」

    そう言葉を発するミケに向かって、俺はまた盛大な舌打ちをお見舞いする。


    リヴァイ「生憎、俺はそういうことに興味はねぇ…本当に俺のことを想ってるなら、放っておいてほしいもんだ…」


    ミケ「お前は変わり者だな」

    リヴァイ「あ"?てめぇもだろうが」

    ミケ「まぁな」
  14. 14 : : 2015/02/10(火) 17:48:51
    他愛もない会話なのに…このことすら不安に感じる。

    なんだ?なぜなんだ?

    こんなの他のやつらには日常のことなのに。

    次の日も、明後日もその次だって…また今日と同じように戯れあえるはずなのに…

    なにが怖い?なにが不安だというのだ。

    わからない…でもただひとつわかる気がする。


    これは俺が…いや、…俺自身が…経験したことが…あ……る……………?
  15. 15 : : 2015/02/10(火) 17:57:03
    ミケ「………リヴァイ…?」

    ミケが俺の顔を覗き込むように見つめる。

    ハッと我にかえる。今のはなんだ……?

    リヴァイ「……っ!……なんでもねぇ……席つけ、HR始まるぞ」

    痛い……なんだこれは!?

    今までの痛みが嘘のようだ。割れる……割れそうだ……。

    他人に鈍器で何度も何度も頭を、殴られるような激しい痛みに顔が歪む。


    意識が遠退いていくのを感じる。

    俺が最後に見た光景はミケが席につく瞬間だった。



    ーーーーーーーーーーーーー彼は意識を手放した。
  16. 16 : : 2015/02/18(水) 17:54:46
    り、リヴァイ?!

    どうしちゃったの?!

    リヴァイが愛していた女ってハンジのこと??

    期待!
  17. 17 : : 2015/02/22(日) 04:02:31
    みなさんこんにちは!かこ姫にゃんです!ログインしました…(笑)よろしくねー!

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