さよならしよう。
- カゲロウプロジェクト
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- 1 : 2015/01/23(金) 23:48:00 :
- 暇潰しに書きます笑
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- 2 : 2015/01/24(土) 00:26:54 :
- 「カノ」
「…」
「どうしたんすか?」
“さよなら”は別れの言葉。
「ごめん」
「…わかったっす」
ぽつり、呟くように、抑揚の無い声でセトは返事した。
「でも」
“さよなら”は悲しい言葉。
「俺、頑張るっすから」
脈なんて1ミリも無いでしょう?
「…無理だよ」
それとも何か、手があるの?
「なんで、そう言うんすか」
だって。
僕は。
「なんでとか無いよ。セトと付き合うなんて、無理だって言ってんの」
“理由“なんて無い。
“理由”なんて、要らない。
「脈なしっすか…?」
「うん、全く」
ふーん、とセトは言いながら、上を向いて、ちょっと考えるふりをした。
僕の顔を見れないから、そんなことするの?
「…カノはシンタローさんっすか」
「え、えっと」
不意をつかれて、焦る。
「シンタローさんのこと、好きなんすよね」
セトの言ってることは正しい。
そっか。
僕に同性愛の素質があるってことは、セトも別にいけるってことか。
「シンタローさんの、どこがいいんすか?」
「…」
「カノ?」
「ごめんなさい…っ」
「…え?」
責められるとすぐ謝ってしまう僕に、「謝ることないだろ。別に責めてる訳じゃない」って言ってくれたのは、こんな僕を笑ってくれたのは、シンタローくんで。
「なんで…謝るんすか」
いつも僕に色々なことを問い掛けてくれるのは、セトで。
____ほら。
僕のことを知りつくしてるシンタローくんと、僕のことを知ろうとしてくれてるセトじゃ、こんなにも差があるんだ。
「…責めないでよ」
「すいません、俺、必死すぎっすよね…」
セトは一瞬自嘲気味に笑って、その後真剣な表情になった。
「相手の気持ちを考えられないぐらい必死なんすよ、俺は」
「…」
「それだけ好きなんすよ、カノのことが」
それはとても真っ直ぐで、綺麗で。
僕には、真似できない。
「……当たって砕けるぐらいなら、当たらない方がマシ」
セトには僕なんかよりも、いい人がきっといるから。
「そう、思ってた」
だから、さよならしよう?
「でも」
もう、僕に執着するのはおしまい。
「やっぱり、当たってみないと何も始まらないよね……」
セトは、きっと幸せになれるよ。
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