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罪と愛
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- 1 : 2014/11/15(土) 18:06:56 :
- 貴方には愛している人がいますか?
―いません。大切な人ならいます。
その大切な人とは?
―家族です。
では、大切な人とお金。どちらを選びますか?
―お金。
―愛なんて無い。
―この世に愛なんて無い。
―「愛」じゃなく、好きという無駄な飾りだ。
―「愛」よりもお金ほ方が信頼出来る。
―お金は裏切らない。
前の俺ならそう答えるだろう。
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- 2 : 2014/11/16(日) 14:21:45 :
- 「海人、ご飯、美味しいか?」
「うん!」
「今度はお母さんがご飯作ってあげるからね。」
「うん!」
そんな他愛のない会話が懐かしくなる。
俺の父は料理屋の店長だ。
自分で言うのも何だが、結構有名なお店だ。
稼ぎも結構良く、「お前ん家、金持ちだろ!」「金持ちだ!」と、言われている。
確かに金持ちと言えば金持ちだが、家も普通の家だし、服も別に高価な物ではない。
家や服等、高い物にしないのも、俺の将来の為だと父が言っていた。
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- 3 : 2014/11/16(日) 15:37:21 :
- 母は専業主婦だ。
料理は苦手で、父が代わりにしている。
料理以外は得意で、裁縫では5という成績をよく貰っていたらしい。
俺は何の不自由も無く暮らしてきた。
よく理想の家族とも言われていた。
父は資産家で、母は料理以外はよく出来、優しい。
その事を俺も誇りに思っていた。
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- 4 : 2014/11/16(日) 15:51:07 :
- しかし、俺が中学校に入学してから色んな事が変わっていった。
父のお店の売れは小学生の時の2、3倍に。
母は勉強の事は一切文句を言わなかったが、中学生になると勉強、勉強とうるさくなった。
最近、父はお店が忙しなくり、残業気味だった。
父が残業気味なので、最近は母がご飯を作ってくれている。
母は父が帰るのが遅いので寂しいとよく言っていた。
でも、お仕事だから仕方無いと言い、自分の気持ちを抑えていたと思う。
そして、俺も精神的に疲れてきた。
原因はまあ、母が勉強、勉強とうるさいからだ。
人は、こんなにも変われるものか。
そう思った。
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- 5 : 2014/11/16(日) 16:01:21 :
- そして、今日はテスト返しの日だ。
母が100点じゃないと言い、説教されている俺の姿が浮かぶ。
父は、勉強が全てじゃない。そう言ってくれるのに、母は…
お店を継がなきゃいけないから、勉強しなさい!
母はもう、父の店を継ぐという考えしか無いのか?
その度に父は、別に店を継がなくても良いと言い、母を黙らせる。
俺は店を継ぎたく無い。
自分の好きな事がしたいんだ。
昔はこんなんじゃなかったのに…
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- 6 : 2014/11/16(日) 16:19:10 :
- テスト、何点だった?とか、ヤバイ…とか、さっきから教室はテストの話ばかりだ。
「青山海人。」
先生に名前を呼ばれ、テストを取りに行く。
お願いだから、100点にしてくれ…
テストを裏返す。
98、点…
嗚呼、最悪だ…
気力を無くし、机にもたれる。
もう、テストをくしゃくしゃにしてゴミ箱に捨てたい。
そんな気分だった。
ただの説教だと思ってるだろ?
何時間もの説教が1週間だ。
その説教を受けるよりも、勉強をする方がましだ。本当にそう思う。
まあ、体罰を受けるよりはましだけど。
そんな時、
「おい、大丈夫か?」
顔を上げ、声をかけてきた奴を見る。
田川純だ。
学年No.1の実力を持つ頭がとにかく良い奴だ。
田川とは小学校の時から同じだった。
よくガリ勉というあだ名で呼ばれていた。
頑固で短気。
田川がガリ勉になったのも田川の父が田川のテストの点数を馬鹿にしたからだ。
まあ、いつも俺とは喧嘩気味だが、色々と気が合うので、友達と言えば友達だ。
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- 7 : 2014/11/17(月) 06:44:07 :
- 「おい、テスト何点だったか?」
はあ…またテストの点数自慢かよ…
「98点。」
「俺は100点だぞ!」
100点のテスト用紙をぴらぴらと見せびらかす。
「自慢話はお断りだ、馬鹿。」
「俺は馬鹿じゃなく天才だ。」
「じゃあアホ。」
「アホじゃない。」
いつもこんな感じだ。
「海人君、98点なの!?」
「すご~い!!」
女の子逹が集まりだした。
「勉強、教えて?」
よくある光景だ。
金目的に親に俺に結婚しろだの何だのうるさい奴がいるらしい。
だが俺はそんな奴等に興味は無い。
付き合っても、結婚しても、愛が無いなら意味が無い。
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- 8 : 2014/11/19(水) 07:25:31 :
- 「ごめん、今日は用事がある。それに、田川に教えてもらったら良いだろ?」
「はあ!?」
「そう…じゃ、また教えてね!」
ふう…帰った…
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- 9 : 2014/11/23(日) 12:14:53 :
- 「テスト、どうだった?」
また声をかけられた。
声的に女だと大体分かった。
呆れた様子で振り返ってみる。
茶髪で、前髪にはリボンの付いたヘアピンをしており、ミディアムロングヘアだ。
やっぱり女だ。
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- 10 : 2014/11/23(日) 12:23:10 :
- 名前は、橘 優華だ。
なんだ、優華か…
優華とは小学校から一緒だ。
いわゆる幼馴染みだ。
そして、今日はテスト直しもかねて優華の家で勉強会をする事になっていた。
田川は、「俺は一人でやるから良い」と言って断ってきた。
学校が終わり、自転車で優華と一緒に優華の家へと行った。
一緒に優華の家へと向かっている時、友達の話、部活の話等をしていた。
話をしている時、笑顔が素敵だな…とか思っていた。
あ、もう優華の家に着いた。
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- 11 : 2014/11/24(月) 11:28:22 :
- 家の前に自転車を置かせてもらった。
「お邪魔します。」一言そう言って家に入らさせてもらった。
とは言っても、何度も来たことのある家だ。
家に親がまだ帰っていないのか、とても静かだ。
全てドアが閉まっていた。
几帳面だな…とか思ってたら…
その時、一つだけドアが開いており、一際そのドアが目立っていた。
廊下を通るついでに中をチラッと見てみた。
中には女の人がいた。
女の人の髪はくしゃくしゃで、服はボロボロ。
まるでホームレスみたいだ。
そして、何かを言いながら床に貼ってある写真をひたすら刺していた。
泣き喚きながら、こう言っているように聞こえた。
――――あんな奴なんて、死んじまえ、と―――
…何だ、何だ!?
バタンッ!
いきなりドアが閉まった。
嫌なオーラーに変わった。
そのオーラーに冷や汗をかく。
後ろに誰かいる。
振り返れない!
「…海人君、見たの…?」
…優華だ。
声が震えている。
「見てないから!」そう言って、笑顔で振り返った。
でも、優華はうつむいたままだった。
うつむいていたので、顔はよく見えなかった。
もしかして、怒ってる?それとも――
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- 12 : 2015/09/10(木) 23:20:06 :
- 本当は終わっていませんが、この作品は後々消去する予定なので、一旦完結という形で終わります!
読んでくれた方(いないと思いますが)には申し訳ありません!
すみませんでした!m(__)m
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