この作品は執筆を終了しています。
アニ「私だって」
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- 1 : 2014/10/23(木) 23:37:39 :
- 初ssです。文章力とか色々皆無ですけど、頑張って書くんでみてって下さいね~。
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- 2 : 2014/10/23(木) 23:44:19 :
- 空が曇っている。
まるで私の心の中を写し出したように。
ベルが壊した壁の中から警報が聞こえる。
もうすぐ私が巨人を呼び寄せて町に突入する手筈になっている。
これでいいんだ。故郷の人が言ってた。
壁の中の人間は悪いやつらばかりだ。って。
それでも私は心の中の少しの迷いを隠せなかった。
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- 3 : 2014/10/23(木) 23:46:48 :
- あ、いまさらですけどネタバレ注意です。
多分11巻くらいまで。
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- 4 : 2014/10/24(金) 00:08:41 :
- ーーーーに!アニ!アニ!!」
ビクッとして横を見ると黒髪のお下げの子が隣で私の名前を呼んでいた。
ミーナ「もう、考え事?それとも、具合でも悪いの?」
と、心配そうに私の顔を覗きこむ。
アニ「別に、どこも悪くないよ。」
いつものようにめんどくさそうに返すと、
ミーナ「じゃあもしかして!恋のお悩み!?も~アニも隅に置けないなぁ~」
などと、勝手に妄想を膨らませて楽しそうにしている。
私が、恋?巨人の私が?
そんなこと、できるわけがない。
誰にも話せない、秘密があるのだから。
無言で席を立とうとすると、
ミーナ「ちょ、待ってよアニ!無視はないでしょ無視は!」
と慌てて追いかけてくる。
そういえばなんでミーナと話すようになったんだろうと考えながら、食器を片付けていると、
ミーナ「ねぇねぇ!アニ!今週末2人で町にお出かけ行かない!?新しいお店、結構美味しいのに安いって評判なんだよー!」
と楽しそうに話しかけてくる。
アニ「私はいいよ。サシャとでも行ってきな。」
冷たくあしらうとミーナは、
ミーナ「さ、サシャと行ったらお財布からお金が消えてっちゃうよ…」
と、心底怯えているように見えた。
サシャ「話は聞かせてもらいました!ミーナが奢ってくれるんですね!?行きます!行きましょう!!」
どこからともなく現れたサシャに引っ張られて今にも町に飛んでいきそうなミーナを横目で見ながら、私は小さく嘆息した。
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- 5 : 2014/10/24(金) 00:11:52 :
- 期待。・゜・(ノД`)・゜応援してるよ
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- 6 : 2014/10/24(金) 00:25:55 :
- ありがとうございます!
書くの遅いんですけど頑張ります!
見てくれてる人がいてくださって感激です!!
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- 7 : 2014/10/24(金) 00:35:26 :
- ~格闘訓練~
エレン「今日こそは勝つぜ!アニ!」
アニ「飽きないね、アンタも。」
ここ最近エレンとの格闘訓練が日課になっている。
よくもまぁ飽きないね…
…まぁ、お父さんの技を誉めてくれたし、悪い気はしないけど…
エレン「そこだ!」
エレンが隙を見つけたのか、鋭い足技を繰り出してくる。
アニ「ふん」
エレンの足技を軽くはらって逆にカウンターを決めると、
エレンはまともに頭から落ちてしまった。ピクリとも動かない。
…まずい、やり過ぎたか…
キース「レオンハート訓練兵!貴様何をやっている!」
案の定、教官から怒号がとんでくる。
キース「…そこでのびている間抜けを医療室まで連れていけ」
と言い残し去っていった。
ちっ、めんどくさいね…
エレンを医療室まで運ぶ途中、例の首席様にすごい顔でにらまれたけど、あれは気のせいではないだろう。
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- 8 : 2014/10/24(金) 00:54:09 :
- ~医療室~
エレン「……」
アニ「……」
そういえば、いつまでいればいいんだっけ。
エレンが起きるまで?それとも連れてくるだけで良かったのかな?
…まったく、本当にめんどくさいね
アニ「…」
エレン「…」
こりゃ起きそうにないねと思いながら医療室をあとにしようとすると、
エレン「…ん?」
エレン「あれ…俺なんで医療室にいんだっけ…」
アニ「私の決めた技がしっかり決まりすぎたからだよ。」
ぬっ、と後ろから現れたアニに驚き、エレンは、
エレン「うわっ!アニ!いたのかよ!」
と、失礼なことを言う。少しむっとして、
アニ「失礼だね。私が治療して、ベットまで運んであげたっていうのに」
なじるように言うと、
エレン「そ、そうか。悪ぃな。」
と、詫びた。素直に謝られると罪悪感の方が強くなってしまう。
アニ「べ、別に。それくらいどうってこともないよ。それより、今日はしっかり休養しろって教官からのお達しだよ。」
と話をそらす。
エレン「えぇーっ!!マジかよ!くっそーー!」
本気で悔しげな表情を浮かべるエレンに私は
アニ「なんでそんなに悔しがるんだい?訓練を休めて良いじゃないか。」
と言った。しかしエレンは、
エレン「何言ってんだよアニ!訓練を休んだ分だけ、巨人を絶滅させる道から遠ざかるってことなんだぜ!」
と今にも怒りそうなエレンを横目に
アニ「…あっそ」
とだけ言い残し、その場を去った。
私の心には彼の「巨人を絶滅させる」という言葉が心に突き刺さったままだった。
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- 9 : 2014/10/24(金) 01:08:49 :
- ~その日の夕食~
ミーナ「ねぇねぇ!アニ!」
と楽しそうに話しかけてくるミーナに
アニ「…なに?」
と気だるそうに返す私。
そんなことお構い無しに今日あった嬉しかったことや、楽しかったこと、辛かったことなどをペラペラと喋るミーナ。
ミーナ「…それでね!アルミンがとってもかっこよかったの!」
どうやら今の話題はアルミンらしい。
もともとあんまり話を聞いていないので、なんでかっこよかったは知らないが。
アニ「へぇ。そうかい。」
と適当に相づちを打つと
ミーナ「もう!ちゃんと私の話聞いてるの~?」
と怒ったように頬を膨らませる。
まさか聞いていないとも言えないので、
アニ「あぁ、聞いてるよ。」
とこれまた適当に相づちを打った。
ミーナ「…ならいいけど、それでね!それでね!」
と少し不服そうにしながらも話を続けるミーナをみて、少し考えた。
…この子は、なんで私みたいなのに積極的に話しかけてくるんだろう。親しい人は作らないって、ライナーとベルとの約束なのに…
私は心の中で大きなため息をついた。
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- 10 : 2014/10/24(金) 01:40:58 :
- ~夕食後~
夕食後、消灯までの少しの自由時間。
私はこの時間を外に出てあてもなくぶらぶらしたり、図書室に行って本を眺めたりしている。
別に外に出るのが好きだったり、本を読むのが好きなわけでもない。
ただ、部屋にいるとミーナがうるさいのである。
それから避難するためにこうして今も図書室に向かっている。
どうせ誰もいないだろうと思いながら図書室の扉を開けると、
アルミン「…ん?あ!アニ!」
そこには先客がいた。
アルミン「アニもここへ本を読みに?」
とアルミンが話を振ってくる。
アニ「まぁ、そんなとこ。」
私はまた適当に相づち打つ。
いつも通りに適当に本を探し、読み始める。
アルミンは本を読むのに集中していて、とても静かな空間だった。
アニ(なんだか…眠いな…)
そんなことを思いながら、時間は過ぎていった。
ーーーーーーーーーーーーー
一時間後
アルミン「…ふぅ。ん?わっ!まずい!こんな時間だ!」
時刻は既に22時50分。消灯の10分前である。
普段は本を集中して読みすぎて時計など見向きもしないアルミンが時計を見たのはラッキーだった。
アルミン「よいしょっと。」
アルミンが本を棚に戻し、帰ろうとすると、
アルミン「ん?」
アニ「…zzz」
アニが本によだれをたらしながら寝ている。
アルミン「…ありゃ。眠くなっちゃったのかな?おーい、アニ!アーニ!」ユサユサ
アニ「…んー…zzz」
揺らしても起きないのでアルミンは少し考え、
アルミン「あはは、まったくアニは…」
と言いながら着ていた上着を脱ぎはじめた…
ーーーーーーーーーーーーー
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- 11 : 2014/10/24(金) 01:43:00 :
- 今日の更新はここまでにします。
更新は朝になりますね。
読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。
ぜひ、最後まで見守ってください。
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- 12 : 2014/10/24(金) 07:29:26 :
- 更新しますね~
あ、ペンネームが所々、名無しとか進撃好きの巨人になってますね…すいません。
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- 13 : 2014/10/24(金) 07:40:40 :
- チュンチュン…
アニ「…ん…ん?」
アニ「っ!まずい!寝てた…?」
今何時何だろう…と、時計を見ると
まだ朝の5時だった。
アニ「…ふぅ。」
訓練の時刻を過ぎていたら懲罰ものである。
ひとまず安心し、昨日を振り返る。
…そうか、本を読んでて眠くなっちゃったんだ…
そこで、肩に掛けてあるセーターに気づく。
…これ、確かアルミンのだ…掛けてってくれたのかな…
と、一瞬嬉しかったが、すぐに
…なんで起こしてくれないんだよ!と憤りを覚えた。
アニ「…しょうがないね。あとで返しに…」
心底めんどくさそうに取り繕っているが、心の中ではアルミンに感謝しているアニであった。
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- 14 : 2014/10/24(金) 07:55:59 :
- ~朝食~
ミーナ「…ねぇ、アニ?」
アニ「…なんだい」
ミーナ「昨日さ、部屋に帰ってこなかったみたいだけど、どうしたの?」
アニ「…別に。アンタには関係ないだろ。」
と冷たく返すと、
ミーナ「そうだけどさぁ~…」
ミーナ「でも、やっぱり心配しちゃうじゃん!だってアニは私の友達だもん!」
アニ「…!」
友達?私とコイツが?
…ダメだ。友達になんて、なってはいけない。
私は普通に生きていく資格なんて、ない。
人間として生きる資格なんて…
アニ「…ふん、私とアンタが友達?…知らなかったよ。」
心の中の動揺を隠すために、少し言葉が強くなってしまった。
ミーナはちょっと悲しげな表情を浮かべ、
ミーナ「…そっか。そうだよね…。」
と残念そうに朝食を食べ始めた。
少し可哀想だったな。と思いながら、私は心の中で必死に否定した。ミーナに友達と言われ、少し嬉しかった自分を、必死に否定した。
…違う、違う!別に嬉しくなんかない!
私は普通に生きていく資格なんてないんだ!
友達なんて、作っちゃいけないんだ!
だから、友達って言われたって、嬉しくなんか……
嬉しくなんかない!さっきのは、ちょっと驚いただけだ!
と、なんとか理由をつけて、朝食を食べ始めるアニであった。…横にはもうミーナの姿はなかった。
…やっぱり、言い過ぎだったな。あとで謝らなくちゃ。
一人で食べる朝食はなんだか静かで、寂しかった。
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- 15 : 2014/10/24(金) 08:05:18 :
- ~格闘訓練~
エレン「よし!今日こそは勝つぜ!」
アニ「またアンタかい。よく飽きないね。」
と言うとエレンは
エレン「飽きるわけないだろ!アニとやってると、自分の実力がメキメキ上がってるのがすげぇ実感できるからな!」
とても嬉しそうにそういった。
アニ「…はん。そうかい。私はアンタが強くなってるとは思わないけどね。」
嘘だった。実際、エレンはメキメキと実力が上がってきている。しかし、自分とやることで強くなるのが実感できると言われて、またも動揺してしまったのだ。
動揺すると、言葉が強くなってしまうのは、私の癖何だろうか…
エレン「だから、今日も頼むぜ!アニ!」
アニ「ふん、いいよ。やったげる。」
アニのその横顔は誰が見ても喜んでいるとわかる表情をしていた。しかし本人はそれに気づいていなかった。
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- 16 : 2014/10/24(金) 08:25:57 :
- 学校行ってきます!
見てくださってる人ありがとうございます!
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- 17 : 2014/10/24(金) 12:21:43 :
- ~夕食~
やはりミーナは近寄って来なかった。
今日はクリスタ達のテーブルで食べている。
…別に寂しいわけじゃない。
本当ならずっと一人で食べるはずだった。
…だから、寂しくなんかない。
でも、晩御飯食べ終わったら、謝ろう。
やはり一人で食べても美味しくない夕食を胃に流し込み、部屋にもどってミーナを待った。
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- 18 : 2014/10/24(金) 20:20:34 :
- あぁ…やっと部活終わった…
更新します~。見てくださってる方々、本当にありがとうございます。
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- 19 : 2014/10/24(金) 20:37:47 :
- ~アニ・ミーナの部屋~
アニが部屋に戻ってきてから20分がたった頃、ミーナが部屋に帰ってきた。
声をかけなきゃと思ってるのに、なかなか言い出せない。
…おかしいな。なんでこんなにドキドキするんだろうね。
アニ「…ねぇ、ミーナ」
ミーナ「んー?なーに、アニー?」
アニ「そ、その、今朝は悪かったね。」
ミーナ「ん…?あ!あれかー!」
ミーナが思い出したように手を打った。
ミーナ「いいよー。別に。アニったら照れちゃったんでしょ。可愛いなーアニは~」
うふふと笑いながらミーナがこっちに近づいてくる。
ミーナ「じゃあ、友達ってことでいいんだよね?」
まさかノーとは言えないので、そういうことにしておいた。
ミーナ「じゃあさ!じゃあさ!今週末一緒にお出かけね!」
アニ「それとこれとは話が別。サシャとでも行k」
ミーナ「アニ!!!」
アニ「…わかったよ。行くよ。」
ミーナ「やったー!!アニとお出かけなんて初めてだから、絶対失敗しないようにしなくちゃね!」
ミーナ「アニはさ、どこか行きたい所とかないの?」
アニ「私はあまり町に出たことないからわからないよ。当日はアンタに任せる。」
ミーナ「も~アニったら~」
どこに行こうか、何をしようかと話をしている内になんだかんだで週末を楽しみにしているアニであった。
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- 20 : 2014/10/24(金) 21:49:15 :
- ~週末の休日~
ミーナ「ご、ごめん!待った?」
アニ「アンタから誘っといて遅刻するとはいい度胸だね。」
ギロリと睨むとミーナは怯えて、
ミーナ「ごめんごめん!お昼奢るから、許して、ね?」
アニ「…しょうがないね。それで手を打ってあげるよ。」
ミーナ「それにしても…」
アニ「?」
ミーナ「アニの私服、スッゴく可愛いね!スタイル良いし、すごく似合ってるよ!」
アニ「…はん。誉めても何もでないよ。さっさと行くよ。」
ミーナ「ま、待ってよアニ~!当日は私に任せるんでしょ~!?」
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- 21 : 2014/10/24(金) 22:16:20 :
- アニ「美味しいお店って、ここ?」
ミーナ「うん!そうみたい!すっごいオシャレだね~!」
開店して間もないのか、人もまばらで、すぐに店に入れそうだった。
店員「いらっしゃいませ!何名様でしょうか?」
ミーナ「2名で!」
店員「承知いたしました。奥のテーブルへどうぞ。」
ミーナ「ありがとうございます!」
席に座るとミーナが
ミーナ「すぐには入れてラッキーだったね!クリスタの話だと、いつもは混んでいて入るのも難しいらしいよ。」
確かに、こんなオシャレな店なら誰だって来たがるだろう。これで料理が美味しいのならなおさらである。
ミーナ「さてさて!注文しよっか!私は~…うーん、色々あって悩むな…アニは何にする?」
アニ「そうだね…じゃあ、この白身魚のフライにしようかな。」
ミーナ「あ、それ美味しそうだね!私もそれにしよ。すいませーん!」
ミーナが注文している間にもう一度店内を見回す。
本当にオシャレな店だ。一人ではとても入れそうにない。
…連れてきてくれたミーナに感謝しなくちゃね。
そんなことを考えていながら、サービスで出されたお冷やを飲んでいると
ミーナ「ねぇ、アニ!」
アニ「なんだい」
ミーナ「…アニってさ、好きな人とかいないの?」
アニ「…いないよ。少なくとも、今はね。」
ミーナ「ふ~ん、そっか。」
アニ「なんでそんなこと聞くんだい?」
ミーナ「あ、いや、アニってそういうことに興味あるのかな~って思って…」
別に興味が無いわけではない。
でも、だからってそう簡単に大切な人を作ることは私にはできない。
恋をするには、私は重い秘密を持ちすぎている。
何があっても打ち明けられないであろう秘密を。
アニ「…別に、興味ないわけじゃないよ。」
ミーナ「あれ!意外!いつもだったら、ブスッとした顔で「興味ないね。」とか言いそうなのに!」
アニ「アンタ…失礼だね…」
ミーナ「あ、ごめん、そういう意味じゃないよ。」
ミーナはあわてて否定した。
ミーナ「ただ、アニがいつもより反応がいいから、驚いただけ。」
アニ「…そうかい。」
ミーナ「そうだよ!でも、アニとこんな話できて嬉しいな!アニも今度クリスタ主催の恋バナ会でない?」
アニ「恋バナ会?」
ミーナ「女の子は恋バナ大好きだからね!クリスタなんかはそれを聞くのが大好きでたまに皆を集めて恋バナするんだよ!」
アニ「へぇ、そうかい。気が向いたら行かせてもらうよ。」
ミーナ「うん!待ってるね!」
アニは心の中少し羨ましいと思っていた。
私も普通の女の子だったら、こんな風に皆と好きな人について語ったり、聞いたり、ドキドキしたりできたのかな…
今の私にそんなことはできない。する意味がない。
どうせ殺すんだから…
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- 22 : 2014/10/24(金) 23:45:40 :
- ミーナ「美味しかったね~!」
アニ「そうだね。」
満足そうな二人は小物売り場に来ていた。
ミーナがアクセサリーや、入り用の物見ていきたいと言い出したのだ。
ミーナ「あ!このマグカップ可愛い~!あ、あそこのアクセサリーも可愛いな~!」
アニ「落ち着きなよ。少なくともマグカップやアクセサリーは逃げやしないよ。」
ミーナ「アニは冷静だなぁ…あ、そうだ、ついでだしさ、アニの髪留めも新しいの買わない?」
アニ「はぁ?なんで私のなんだい?自分の見て回ればいいじゃないか。」
ミーナ「いいのいいの!ほら、行こ!」
言われるがままに入った店はいかにも女の子という感じで、これまた一人では絶対に入らないであろう店であった。
ミーナ「うーん、こっちのシンプルなのもいいけど…こっちに宝石がちりばめてあるやつも可愛いな…うっ、高い…」
ミーナが一人で色々吟味している間に色々見て回った。
可愛いアクセサリーや、日常的に使う洋服まで、さまざまな種類の物が置かれていた。
こういうのを見るだけでも楽しいというのが、少しわかった気がした。
少しすると、
ミーナ「ほら、買ったから外出よう?」
と声をかけられ、私は素直にそれに従い外に出た。
ミーナ「これはアニの!どう?可愛いくない?」
そう言って手渡されたのは、花のアクセサリーがついた可愛い髪留めだった。
アニ「…お昼も奢って貰ったのに、悪いよ。なんでこんなものまで買ってくれるんだい?」
しかしミーナは動じず、
ミーナ「お昼は遅刻したことに対してのお詫び!その髪留めは私と友達になった記念!私も同じ物買っちゃった。」
お揃いだね!と笑みを漏らすミーナ。
ミーナ「…どう?」
アニ「…ありがと。大事に使わせてもらうね。」
ミーナ「うん!大事にしてね。」
「友達」という言葉に胸がチクリと痛んだが、そのときは大して気にしていなかった。
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- 23 : 2014/10/24(金) 23:51:50 :
- ~その日の夜~
ライナー「…アニ。」
アニ「っ!」
ライナー「召集だ。消灯30分前に例の場所へ来てくれ。」
アニ「…わかった。」
短く返事をし、何事もなかったかのようにまた歩き出した。
召集なんて久しぶりだ。最近はライナーが壊れがちだから、少し不安になっていたが、今のところまだ大丈夫なようだ。
ベルは私と同じように人と関わりを避けるようにしている。…私はともかくあいつはデカイからね…目立つし、どうしても隠れきれてないけど…。ライナーほど、壊れてはいないだろう。
何はともあれ、今日の召集でわかる。
そう思うと、また少し不安が襲ってくるのだった。
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- 24 : 2014/10/25(土) 00:38:48 :
- あぁもう、ほんとに携帯から投稿って難しいな!
下書き全部消えたりが多すぎんだよ!
お待ちになってくださっている皆様、もう少々お待ちください。
…いないかな?
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- 25 : 2014/10/25(土) 01:05:21 :
- 携帯の調子が悪いので、更新は明日にします。
おやすみなさい。
ここまで読んでくださった方々、ありがとうございます。
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- 26 : 2014/10/25(土) 19:41:43 :
- 更新したいと思います。
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- 27 : 2014/10/25(土) 19:54:42 :
- ~倉庫裏の例の場所~
ベルトルト「…うん、全員集まったね。」
ライナー「よし、報告を始めるぞ。アニから頼む。」
アニ「わかった。」
淡々と報告会は進んでいく。
アニ「…というわけだ。私からの報告は以上だ。」
ライナー「そうか、俺とベルトルトも、もう報告することはない。」
ベルトルト「今日はこれまでだね。」
アニ「じゃ、私は先に帰るから。一緒に帰ってるの見られたら面倒なことになるからね。」
ライナー「あぁ、暗い夜道なのに送ってやれなくてすまんな。」
アニ「はん。何言ってんだい。襲われたって返り討ちにくらいできるさ。」
ライナー「それもそうだな。」
アニが帰ろうとすると、
ベルトルト「アニ!」
アニ「なに?手短にね。」
ベルトルト「君は最近人との関わりが増えてるね。大丈夫なのかい?」
…相変わらずベルトルトは痛いところをついてくる。
ベルトルト「君の交友関係にまで口出ししたくないけど…」
ベルトルト「君までライナーみたいに兵士になってしまったら、僕はひとりぼっちになってしまう…そんなことには耐えられない…」
ベルトルトは目に涙を浮かべていた。
アニ「…そんなこと気にしてんのかい!この泣き虫ベル!」
ベルトルト「なっ!だってそうじゃないか!そ、それに、昔のあだ名を使うのは反則だよ!」
アニ「ふん、そんなことを心配するなら、少しでもライナーを戦士の状態に保ちな。」
アニ「私は絶対兵士にはならない。」
アニ「…だから安心しな」
ベルトルト「…わかった。君を信用する。だけど、くれぐれも気を付けておくれよ。」
そう言ってベルトルトは去っていった。
アニはベルトルトに「兵士にはならない。」と豪語したものの、確証はなかった。気が緩めば、私は兵士になってしまうだろう。どっかのゴリラのように。気をしっかり保つことが大事だと、自分に言い聞かせながら、ミーナの待つ部屋に戻った。
-
- 28 : 2014/10/25(土) 22:51:35 :
- ネタづまりです…
しばらくお待ちください…
-
- 29 : 2014/10/25(土) 23:15:51 :
- ~翌日、格闘訓練~
エレン「今日こそは勝つぞ!アニ!」
アニ「…アンタ前もその前も同じこと言ってるよ…」
エレン「い、良いだろ別に!」
アニ「…はぁ、まぁいいよ、やったげる。」
エレン「よし!」
アニ「その前に一つ良いかい?」
エレン「?なんだよ」
アニ「アンタの夢はアルミンやミカサたち、仲間と外の世界に出て探検することだって言ったね。そのために調査兵団に入るとも。」
エレン「?それがどうかしたかよ」
アニ「怖くないのかい?外に出たら何があるかわからないんだよ?死ぬかもしれない。それがアンタじゃなくても、他の仲間が死ぬかもしれない。それが怖くないのかい?」
エレン「…」
アニ「アンタはどうして、そこまでして外の世界に出たがるだい?」
エレン「そんなの、決まってるだろ!」
エレン「俺がこの世に生まれたからだ!」
アニ「!」
エレン「壁の中でのうのう暮らすなんて家畜のすることだ。俺はそんなの絶対いやだ!だから広い外の世界に出て、色んなところを仲間たちと探検するんだ。」
アニ「…そうかい。できるといいね。」
エレン「ああ!そん時はアニも一緒に一緒に行こうな!」
アニ「なんで、私も行かなきゃならないんだよ…」
エレン「何言ってんだよ!アニも仲間じゃねぇか!」
アニ「!!」
エレン「俺は外の世界に出るなら、皆で行きたい。皆で探検したら、きっと楽しい。だから行くなら皆でだ!もちろんアニも含めてな。」
アニ「私は内地志望なんだけどね。」
エレン「良いじゃねぇか!それに、考えただけでワクワクしねぇか?炎の水、砂の雪原、氷の大地…この世界にはそんな所がたくさんあるんだ!俺はそれを見てみたい!」
アニ「…ふん、そうだね。行けるといいね。」
エレン「ああ!」
アニ「それじゃ…そろそろ始める、よっ!」
エレン「うわっ、不意打ちなんて卑怯だぞ!アニ!」
アニはその華麗な足技を繰り出す。しかし、彼女の内心は穏やかではなかった。エレンが放った「アニも仲間」という言葉が脳みそにこびりついて離れない。
無意識に放った言葉がアニの心に傷を負わせていることを、エレンはまったく気づいていなかった。
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- 30 : 2014/10/25(土) 23:53:13 :
- ~図書室~
気まぐれに図書室に行ってみると、やはりそこにはアルミンがいた。
アルミン「やぁ、アニ。最近ここでよく会うね。」
と話しかけてくる。
そうだね、と適当に返事をしながら本を探す。
しかし、目当ての本はなかった。
アルミン「もしかして、借りたい本、貸し出し中だった?」
アニ「…そうみたいだね。残念だ。」
アルミン「もしよければ、おすすめの本紹介しようか?」
アニ「どうせ難しい本なんだろ?」
アルミン「ううん!そんなことないよ。面白くて読みやすい本だっていっぱいあるんだ!」
本の話題になると、アルミンはとても元気な気がする。
…断るのも悪いし、紹介してもらおう。
アニ「それじゃ、教えてくれる?」
アルミン「うん、わかった!え~っと…これなんかどうかな?」
アルミンのすすめる本は確かに面白かった。
アニ「ふん、面白いね。いい本を紹介してくれて、ありがとね。」
どういたしまして。と笑うアルミン。
アニ「しかし、なんで私なんかにおすすめを教えてくれたんだい?」
アルミン「う~ん、困ってそうに見えたからかな…。それに、」
アルミン「アニがどう思ってるかわからないけど、僕はアニのこと友達だと思ってるからね。」
まただ。また、「友達」だ。
アニ「はん、そうかい。そりゃどうも。」
なんでそんな簡単に「仲間」だの「友達」だのと言えるんだよ…!
アルミン「あれ、もしかしてアニ、照れてる?」
その言葉がどれほど私を苦しめると思っているんだ…
アニ「蹴っ飛ばされたいの?」
アルミン「そ、そんなわけないよ!ごめんなさい!」
アニ「まあ、この本面白いから、この本に免じて許してあげるよ。」
アルミンは心の底から安堵しているように見えた。
アニ「それじゃ、私はそろそろ部屋に戻るよ。ミーナも待ってるしね。」
アルミン「うん。またね、アニ」
アニは静かに図書室を出た。
しかし、静かな図書室とは違い、アニの内心はざわめきたっていた…
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- 31 : 2014/10/26(日) 00:09:58 :
- ~アニ・ミーナの部屋~
ちょうどよく、ミーナはいなかった。
一人で悶々とするにはちょうどいい空間であった。
なんでここのやつらは、あんな簡単に「仲間」だの「友達」だのと言えるんだ…
あれが普通なのか…?
もし私が普通だったら、普通の女だったら、何も感じなかったのか?
わからない。わからないよ、ライナー、ベル…
もうどうしたらいいのか…
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- 32 : 2014/10/26(日) 00:15:11 :
- ミーナ「私と友達になった記念だよ!」
エレン「何言ってんだよ。アニも仲間じゃねぇか!」
アルミン「アニはどう思ってるかわからないけど、僕はアニのこと友達だと思ってるよ?」
やめてくれ、もうやめてくれ!
ベルトルト「アニ!使命を忘れたらだめだ!」
ライナー「まさか、俺たちを裏切ったりしないよな?アニ?」
しない、そんなことしないよ。ベル、ライナー。
でもここのやつらは「友達」だとか「仲間」だとか言ってくれるんだ。こんな私に。人を殺した私に!
殺せない。こんないい人たち、殺せないよ…殺したくない。
誰か、誰か教えておくれよ…
誰か助けておくれよ。
誰か、誰か…
誰か…!
ーーーーーーーーーーーーーー
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- 33 : 2014/10/26(日) 00:18:55 :
- ええ~、なんとも区切りが悪いですが、ここまでにしたいと思います。
なかなか思い通りに書けませんでした。スレタイも回収できなかったし…
もっと色んなss見て勉強したいと思います。
こんな駄文に付き合ってくださった皆様。心より、感謝致します。ありがとうございました。
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- 34 : 2014/11/22(土) 15:27:27 :
- おもしろかったですよ!
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