この作品は執筆を終了しています。
ジャン「泣くなよ、ミカサ」
-
- 1 : 2014/09/28(日) 20:18:07 :
- ミカサ「…」
ジャン「な?」
ミカサ「私は泣いてなんかいない」
ジャン「ほら、ハンカチ貸してやるから」スッ
ミカサ「無視?…んぶっ」グシ
ジャン「だから泣くなよ」ゴシゴシ
ジャン「誰かにおやつのプリン食われたぐらいさ」ゴシゴシ
ミカサ「は?」
-
- 2 : 2014/09/28(日) 20:20:31 :
- 短編
ムチャクチャです( ∵ )
思いつきなので細かい事は気にせず
-
- 3 : 2014/09/28(日) 20:22:11 :
- ジャン「まあ、せっかくとっておいたモンを盗られるってのは悔しいだろうが…」ゴシゴシ
ミカサ「待って。私はそんな事で涙しない」
ジャン「わざわざ街まで買いに行って、さらには誰にも盗られないよう天井裏に隠すほどの念の入れようだったもんな」ゴシゴシ
ミカサ「また無視?…というか、何故あなたは私のプリンの隠し場所まで知っているの?」
ジャン「だってプリン食った犯人、俺だもん」ゴシゴシ
ミカサ「ふっ!!」ビリィッ
ジャン「ああっ!?」
-
- 4 : 2014/09/28(日) 20:23:25 :
- ジャン「お、お前、ハンカチ破るこたねえだろ!!」
ミカサ「ごめんなさい。あなたの衝撃の告白につい、動揺して」
ジャン「つい、じゃねえよ!躊躇いなく真っ二つに裂いておいてどの口がいう!」
ミカサ「正直な話、さっきから顔に押し付けられて鬱陶しかった」
ジャン「バカ、拭ってやってたんだろうが!」
ミカサ「それはどうでもいいとして」
ジャン「よくねえ!」
ミカサ「…」
ジャン「…」
ミカサ「……」
ジャン「…あ、はい。すみません…どうぞ続けてください」
-
- 5 : 2014/09/28(日) 20:32:11 :
- ミカサ「はー……ジャン、プリンを食べた犯人はあなただったの?」
ジャン「ああ、ミカサが天井裏に隠すのを見届けてから食ったんだ。うまかったぜ」
ミカサ「…何故、食べたのだろうか」
ジャン「だってお前、ナマモノをあんなとこに隠してたらすぐ腐っちゃうだろ?」
ミカサ「……」
ミカサ「ハッ、確かに…!」
ジャン「今更気付いたか」
-
- 6 : 2014/09/28(日) 20:43:54 :
- ミカサ「でも、食べる必要はなかったはず」
ジャン「悪い。あの時は小腹が減ってたんだ」
ミカサ「…」
ジャン「けどよ、あんなとこでオダブツになるより誰かに美味しく食われた方がマシだろ?」
ミカサ「…あれは」
ミカサ「大事なプリンだった」
ミカサ「とっても、とっても…大事なプリンだった」
ジャン「へえー、そうか」
ミカサ「…」
-
- 7 : 2014/09/28(日) 20:57:42 :
- ミカサ「…」
ジャン「泣くなよ、ミカサ」
ミカサ「私は泣いてなんかいない」
ジャン「ほら、ハンカチ貸してやるから」スッ
ミカサ「…もう一枚持っていたの?」
ジャン「ん、予備を持ち合わせとくくらい普通だろ」グイ
ミカサ「んぶっ…ジャン、女子力が高い…」
ジャン「やだな、照れるぜ。…それより泣くのやめろよ」ゴシゴシ
ジャン「俺がお前のシャツを着てるからってさ」
ミカサ「は?」ビリィッ
-
- 8 : 2014/09/28(日) 21:18:47 :
- ジャンwww
-
- 9 : 2014/09/28(日) 21:28:11 :
- >>8
ジャンェ…
-
- 10 : 2014/09/28(日) 21:28:24 :
- ジャン「うおっ!?だからまた破くなって!」
ミカサ「あなたが、現在、着用してる、ワイシャツが、私の?」
ジャン「ああ、そうだよ…襟のタグにお前直筆のサインがちゃーんと施してあるぜ」
ミカサ「嘘」グイ
ジャン「ぐえっ」
ミカサ「…確かに、この、筆跡は、私のもの…」
ジャン「だろ?つうか、カタコトで喋るのやめてくんね?なんか怖い」ケホッ
ミカサ「何故?何故、私の私物をジャンが?理由次第で削ぐ」
ジャン「カタコトじゃなくなったけど内容が怖えよ!」
-
- 11 : 2014/09/28(日) 21:29:33 :
ミカサ「まだ?3秒以内に説明しないと削ぐ」
ジャン「3秒じゃ全部言い切れねえよ…」
ミカサ「なら30秒」
ジャン「あー、もう一声」
ミカサ「2秒」
ジャン「初めより減ってんじゃねえか!」
ミカサ「分かった…全て話し終えるまで待とう」フゥ
ジャン「はあ…さっすがミカサ、恩に着るぜ」ヤレヤレ
ミカサ「そして話が終わったあとは削ぐ」
ジャン「削ぐことは決定事項なのか!?」
-
- 12 : 2014/09/28(日) 21:52:19 :
ミカサ「いいから、説明を始めて」ジッ
ジャン「う…えーと、これはだな…」
ジャン「エレンから託されたんだ」
ミカサ「分かった削ぐ」
ジャン「待て、最後まで聞け!!」
-
- 13 : 2014/09/28(日) 21:52:55 :
- ミカサ「ジャン…弁解の下手さにも程がある。エレンがあなたに私の私物を預けるなんて、絶対にありえない」
ミカサ「あなたも…分かってるはず」
ジャン「残念、それがありえるんだな。これは訓練兵時代に渡されたモンだ」
ミカサ「そんな昔に…?一体、どういう経緯で?」
ジャン「あれは…訓練兵団に入りたての頃…」
ジャン「運悪く俺とエレンは同室だったんだが、突然、アイツの荷物からミカサのシャツが出てきてな」
ミカサ「ああ…兵団へ来る前、一緒に荷造りしていた時に紛れてしまったのだろう」
ジャン「そしたらアイツ、『ミカサとは今、喧嘩中だから』とかいってシャツを返すの渋るんだよ」
ミカサ「ああ…そういえば当時、私が髪をどれくらい切ればいいのかミリ単位でしつこく聞いて喧嘩になった」
ジャン「で、どうでもいいから早く返してこいって注意してやったら、『じゃあお前が返しといてくれ』って俺にシャツ押し付けてきてよ」
ミカサ「ああ…それで私のシャツがあなたの手に…」
-
- 14 : 2014/09/28(日) 22:11:35 :
- ジャン「それから俺は何度もお前にシャツを返そうと試みたものの、タイミングがなくてな…結局、今日の今日まで大事に保管しとく羽目になっちまった」
ミカサ「エレンがあなたにシャツを預けた理由は分かった。けれど、それを何故今着用しているの?」
ジャン「いやー恥ずかしい話なんだが、昨日、間違えて私服を全部洗濯しちまってよ…他に着る服がなくて」テヘ
ミカサ「…」スタスタ
ジャン「でも少しキツイな、これ。5cmの差って意外とでけえもんなんだなあ」
-
- 15 : 2014/09/28(日) 22:14:24 :
- ジャン「ってあれ、ミカサ?」キョロキョロ
ミカサ「お待たせ」チャッ
ジャン「おう?……えっ、はあっ!?」
ジャン「おっお前、いつの間にブレードなんてモン持ち出してきたんだよ!?」
ミカサ「今さっき。で、本題に入る」
ミカサ「削がせて」ジャキ
ジャン「嫌に決まってんだろ!!」
-
- 16 : 2014/09/28(日) 22:47:38 :
- ミカサ「大丈夫、私の特技は肉を削ぐこと。今からそれを披露してみせる」
ジャン「一生御目にかかりたくねえよ、んなもん…」
ミカサ「一回だけでいい。お願い」
ジャン「やだよ。たった一回でも十分致命傷だろが」
ジャン「なあ、ミカサ…俺はもう心行くまで笑わせてもらった。だから冗談はこのへんにして、早いとこそのブレードを仕舞ってくれ」
ミカサ「…」
ジャン「(やべえ、目がマジだ)」
ジャン「そ、そそそんな怖い顔すんなって。いいい一旦落ち着こうぜぜぜ」
ミカサ「ジャン、あなたこそ落ち着いてほしい」
-
- 17 : 2014/09/29(月) 17:36:34 :
- ジャン「ほら、あれだ!…えーと、俺を削げばお前のシャツも台無しになるぞ」
ミカサ「それは…もういい。いらない」
ジャン「え?な、なんでだよ」
ミカサ「私が袖を通す前にあなたが着てしまったから」
ジャン「あ、これ新品か…」
ジャン「その、悪かったな。今度弁償する」
ミカサ「いい。ただ新品のシャツを貰っても意味がないので」
ジャン「…何だったら意味があるんだ?」
ミカサ「それは…エレンが似合うと言ってくれたもの。なので、ただのシャツでは意味がない」
ジャン「分かった。同じメーカーのヤツ買ってやる」
ミカサ「そういう問題ではない」
-
- 18 : 2014/09/29(月) 17:37:03 :
- ジャン「だったら俺は何で弁償すりゃいいんだよお」ウググ
ミカサ「いえ…もういいの。本当にいらない」
ジャン「…」
ミカサ「代えも、あなたが今着用している物も…」
ジャン「ミカサ……」
-
- 19 : 2014/09/29(月) 17:38:22 :
- ジャン「泣くなよ、ミカサ」
ミカサ「…私は泣いてなんかいない」
ジャン「ほら、きれいな顔が台無しだぜ」
ミカサ「ジャン…顔が赤い。慣れない台詞を無理して言う必要はないと思う」
ジャン「…うるせえ、男はカッコつけなきゃいけない時ってのがあるんだよ。いいから涙拭け」
ジャン「ハンカチはねえが…上着でいいか」グイ
ミカサ「うぐっ、さっきよりも感触が固い…逆に涙が出そう」
ジャン「おいおい、泣くなよ」ゴシゴシ
ジャン「俺がエレンの上着で顔拭ってるからってさ」
ミカサ「は?」
-
- 20 : 2014/09/29(月) 17:40:18 :
- ジャン「ミカサのといい、エレンのといい、少しサイズがキツイな。ま、俺がデカいんだろうけどよ」ゴシゴシ
ミカサ「あなたが、現在、着用してる、兵服が、エレンの?」
ジャン「まずい、ループの予感がする」ゴシゴシ
ミカサ「…ジャン・キルシュタイン。拭うのをやめて私の話を聞くこと。これは命令」ギロ
ジャン「ハッ!!」敬礼
-
- 21 : 2014/09/29(月) 17:41:00 :
- ミカサ「もう一度聞く。あなたが着用してる兵服は…エレンの物?」
ジャン「ああ、そうだ」
ミカサ「よし削ごう」ジャキ
ジャン「ついに俺の許可を取らずに行動へ移すようになったか」
ミカサ「まずはその生意気な髪型から…」
ジャン「ハゲにしてから〆るのかよ!とんだ恥辱だなあオイ!」
-
- 22 : 2014/09/29(月) 17:41:31 :
- ジャン「これじゃ埒が明かねえ…コホン」
ジャン「えー、俺を削ぐかどうかはひとまず置いといて」
ミカサ「戻して、」
ジャン「置いといて、」
ミカサ「戻して、」
ジャン「投げて、」
ミカサ「取ってくる」ジャキ
ジャン「頼むから置かせろよお!!」
-
- 23 : 2014/09/29(月) 17:42:46 :
- ミカサ「分かった…あなたの処遇についてはひとまず保留しておこう」フゥ
ジャン「はあ…さっすがミカサ、そこに痺れる憧れるぜ」ヤレヤレ
ミカサ「で、あなたが着るに至ったまでの経緯は」
ジャン「あー…俺、兵服の上着に穴開けちまってよ。そしたらエレンが代わりにくれたんだ」
ミカサ「くれた?貸したのではなく?」
ジャン「おう、『俺にはもう必要ないから』ってな」
ミカサ「…」
-
- 24 : 2014/09/29(月) 17:43:49 :
- ジャン「…あと30分」
ジャン「30分で、15時の鐘が鳴るぜ」
ミカサ「…」
ジャン「ちょうどおやつ時だな。…そしたら」
ミカサ「プリン」
ジャン「ん?」
-
- 25 : 2014/09/29(月) 18:08:49 :
- ミカサ「エレンは…プリンが好きだった。お菓子の中で一番好きだと言っていた」
ミカサ「私も好きだった。…エレンの、笑顔で食べる姿が好きだった」
ミカサ「だからつい、プリンを買ってしまった」
ジャン「ああ、知ってた」
ミカサ「シャツ…」
ミカサ「訓練兵団の入団祝いに、ハンネスさんが服屋へ連れてってくれた」
ミカサ「エレンにどれが似合うか尋ねたら、それを選んでくれた。嬉しかった」
ミカサ「男物だったけど、嬉しかった」
ジャン「それは知らなかったな」
ジャン「…やっぱこれ返すよ」ゴソゴソ
ミカサ「ジャン…突然半裸になられても困る」
ジャン「このシャツも上着も、お前が持ってた方が喜ぶと思うぜ」グイ
ミカサ「…」
-
- 26 : 2014/09/29(月) 21:17:16 :
- ジャン「泣くなよ、ミカサ」
ミカサ「…」
ジャン「な?」
ミカサ「…私は泣いてなんかいない」
ジャン「強がるなよ。ほら、お前に泣き顔は似合ないぜ」
ミカサ「…」
ジャン「だから泣くなって」
ジャン「エレンが処刑されるからってさ」
-
- 27 : 2014/09/29(月) 21:18:41 :
- ミカサ「っ…!」
ジャン「泣いてもアイツは喜ばないだろ」
ミカサ「う、うぅ」ジワ
ジャン「…はは。そもそもおかしいよな、人類の英雄が殺される世の中なんて」
ミカサ「…」ヒック、ポロポロ
ジャン「…いいのかよ、こんな所でメソメソして」
ミカサ「…っ巨人が、一匹もいない…世界」
ミカサ「これはエレン、が、望んだことでも…っある…」ヒック
ジャン「…」
-
- 28 : 2014/09/29(月) 21:19:43 :
- ジャン「…あと20分だな」
ミカサ「ぅ、あ…」ポロッ
ジャン「お前は笑った顔のが似合うと思うぞ」
ミカサ「今は…っ笑える、気分じゃない…」
ジャン「…さっきさ、処刑場を見物しに行ったら憲兵に止められちまったよ」
ジャン「半裸に穴の空いた上着羽織ってる不審者は入場禁止、だってさ」
ミカサ「…」ポロポロ
ジャン「…あんまり面白くなかったか。悪いな、気の利いた事言えなくて」
-
- 29 : 2014/09/29(月) 21:25:11 :
- ミカサ「…」グスッ…クスン
ジャン「…なあ、ミカサ。今度こそお前をとびきり笑わせてやる」
ミカサ「いえ…もういい。もういいから…」グスン
ジャン「ここにプリンがある」スッ
ミカサ「え…?」
ジャン「処刑場を追い出された帰りに、街で買ってきたものだ。…コイツをエレンに食わせる」
ミカサ「エレンに…?」
ジャン「どうだ、アイツの笑顔を見りゃお前も笑えるだろ?」
ミカサ「ジャン、何を言って」
ジャン「10分…いや、5分でいい。プリン持ってここで待っててくれ。いいな?」タッ
ミカサ「ジャン…!待って!」グイ
ジャン「ぐえっ」
-
- 30 : 2014/09/29(月) 21:26:02 :
- ジャン「な、んだよ…俺は止められても行くのをやめないからな」ケホッ
ミカサ「このプリン…あなたがわざわざ買ってきてくれたのだから、必ず、食べさせてあげたい」グスン
ジャン「…ああ、俺もそのつもりだ」
ミカサ「ので、私も付いて行く」
ジャン「駄目だ」
ミカサ「…」
ジャン「と、言いたいところだが…あいにく俺は正直者なんでな」
ミカサ「!」
-
- 31 : 2014/09/29(月) 21:26:36 :
- ジャン「やったぜ、首席様が居りゃ百人力だ」
ミカサ「…男にはカッコつけなきゃいけない時、があるのでは?」
ジャン「それはすでに果たし済みだ。今までの俺で、十分カッコよかったろ?」フッ
ミカサ「…確かに。そうかもしれない…ふふ」
ジャン「…やっぱりお前にゃ笑った顔が似合うよ」
ジャン「っよし…行くぞ。必ずエレンにプリン食わせてやる」
ミカサ「…うんっ」
-
- 32 : 2014/09/29(月) 21:29:58 :
- おしまい
オチをぼんやりとしか考えてなかった。反省。
思いつきで書いただけあってぶっ飛んでますね
-
- 33 : 2014/09/29(月) 22:02:33 :
- すごい面白かった(*´▽`*)
お疲れ様でした。
笑いから感動q(T▽Tq)
置いといて、戻して、投げて、取ってくる。
ここが凄い好きです(ノシ*゚▽゚*)ノシ
-
- 34 : 2014/09/29(月) 23:12:20 :
- >>33
アッありがとうございます:(ヽ'ω'):
ギャグは入れずにはいられないたちなので、気に入っていただいて嬉しいです!
-
- 35 : 2015/06/04(木) 17:34:58 :
- おもしろかったです!
ギャグからのシリアスに落とすこの感じ、好きですw
執筆お疲れ様でしたー!((遅
- 著者情報
- 「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
- 「進撃の巨人」SSの交流広場
- 進撃の巨人 交流広場