二回目の夏の日に。
- カゲロウプロジェクト
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- 1 : 2014/09/06(土) 21:57:27 :
- 誰だお前と思った方も、あぁこいつかと思った方も、こんにちはです!
今回は…ご了承下さい。カノアヤっす……。
作者はカノアヤ大好きなのです。もう好き過ぎて発狂してしまうのです。
ちょっと自給と言う事で、私のどうしようもない長々とした意味の解せぬ文章のお付き合い下さい。すいません。
ちなみに最近進撃書き始めたので更新激減です。ネタ切れして挫折するかもです。
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- 2 : 2014/09/06(土) 22:03:01 :
もう何回目。
また夢に思い出す。
いつかの君の姿。
公園の時。家族となった時。遊んだ時。
________君が消えた時。
時は様々だけど、確かに君の姿が、
脳裏に浮かぶんだ。
痛い位に、おぞましい位に、憎い位に、
現実は僕等に暴力を振るうんだ。
逸そ、夢から醒めたくない。
そう思った時に出てくるんだよ。
君の姿が。
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- 3 : 2014/09/06(土) 22:12:27 :
太陽は僕を照らす。アスファルトに反射した光が暑苦しい。
汗なんて流し過ぎて枯れてしまった。だって何度も体験してきたんだ。
この鬱陶しい暑い夏を。
蝉が煩い。逸そ殺してやりたい位に。
太陽を睨む。
僕等を地獄へ突き落とした夏。
僕等を執拗に理不尽させようとする夏。
僕等から…
大切な物をたくさん奪ってきた夏。
蒸し暑い道を抜け、107と書かれたドアを開ける。
「ただいま…」
返答無し…か。
もう良いや。何でも。
そう投げやりになりたくなる夏が僕は、
大嫌いだ。
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- 4 : 2014/09/06(土) 22:18:34 :
そう言えば…君が消えた日も、こんなに暑かったのかな?
可哀想に。こんな醜い炎天下の中に呑み込まれるなんて。
僕がもし、君の手を、
無理矢理にでも引いていたら。
僕がもし、君の躰の中の様々な感情を、
無理矢理にでも知っていたら。
変わったかもね。
これはある少年の、
醜くて恐ろしい、後悔の噺(はなし)。
そして、
愚かで憐れなとある少女の噺。
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- 5 : 2014/09/06(土) 23:05:02 :
“お母さんが僕に暴力を振るうのは、全部僕が悪いから_______”
そう自分に言い聞かせては、お母さんに撲られた腹部を庇うようにゆっくり立つ。
お母さんは僕を撲った後、僕に抱き着いてはごめんねごめんねを、連呼しながら泣いていた。
(何でお母さんが謝るの?僕が悪い子だから…)
お母さんに泣き着かれる度、僕はそんな疑問と懺悔でいっぱいになって、華奢な躰では納まりきれなくなる。
僕がお皿何か割るから…。
僕が悪い事するから…。
いつだってこの繰り返しだ。
撲られては謝られ、撲られては謝られる。
毎日同じパターンの日々。
そして撲られて出来てしまった痣を必死に隠す。
前に、アパートの前でおばさん達が僕の痣に気付いて「虐待されてるの?」何て言われた時は流石に焦った。
もうこんなヘマは起こさない。だってお母さんは悪く無いんだ。
僕が全部、全部悪いんだから……。
幼き躰にそう刻み込んだ。
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- 6 : 2014/09/07(日) 19:06:05 :
毎日がノロノロと過ぎていく気がした。
変わらない空間。全てがまるでリピートされてるように変わらない。
繰り返す季節。過ぎ行く景色。重ねる年。廻り流れる世界の中で、僕だけが隔離されたように。
今日はコップを割ってしまった。
衰弱しきった細い腕からすり抜けたその光景は、もう何度目だろうか。
僕はどれだけ悪さをすれば気が済むの?
答えもしない役に立たない、この躰に意味も無く訊ねる。
お母さんは声を荒げて怒鳴りつけて、僕を撲った。幾度と無く。撲り続けた。
そのせいでか、脚を捻挫してしまった。
お母さんにこれ以上迷惑を掛けまいと、僕は必死に脚を庇った。
仕事に行くお母さんを見送った後、僕は長いズボンの裾を捲って、捻挫した足首を見る。
案の定、そこは赤く腫れ、痛々しいものだった。思わず目を瞑りたくなる。
(コップ…買わなくちゃ)
僕はそう思い立って、痺れる位痛い脚を無理矢理引きずりながら、お金をポケットに入れて、近くの店へ歩いた。
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- 7 : 2014/09/09(火) 23:26:49 :
僕はコップや、必要な物を買いに行った帰り道、ふと、近くの公園の時計を見た。
針は5時位を指していた。若干茜色に空が染まる。
案の定、公園には誰一人居なかった。
誰が決めたか解らない暗黙のルールを力の無い僕等子供は、黙って首を縦に振るしかない。そしてそれを次の世代へ、その次の世代へと、繋げる。
お母さんが帰るまで…待っていよう。
家に帰ったって、する事は無いんだから。
グゥと、お腹が鳴る。そう言えば買い物に夢中で昼食べて無かったなぁ。
僕はそのまま無視して、公園のブランコに座った。
すると、向かいの鉄棒に一人の女の子が居た。
桃色のワンピースで、背中は何故か泥だらけ。鉄棒を掴みながら、何かぶつぶつ呟いていた。
(何だ、あの子…)
こんな時間に何をやっているんだ。少し気味が悪かった。良い子は帰る時間だよ、おーい。
不気味そうに女の子の背中をジッと見ていた。
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- 8 : 2014/09/14(日) 23:00:38 :
その女の子は、ただ鉄棒をジッと見つめていた。
そして何か思い立ったかのように鉄棒をギュッと握り締め、ふぅと息を一息に吐くと、
よっと言う言葉と共に、躰を浮かせて前回りをした。
何だ、ただ鉄棒で遊んでただけか。
そう心で納得して視線を女の子から外すと、不意に女の子の方からグェッと何とも可愛らしくの無い声が聞こえてきた。
僕は女の子に視線を戻すと、女の子は鉄棒から手を離し、鉄棒の下の地面に大の字で仰向けに寝転がって居た。
否…あの声といい、一般的に鉄棒から落ちたとでも言おうか。
そのまま女の子は、泣きじゃくる事も無ければ、動こうともし無い。ピクリとも躰を動かさない。
(あれ?…………え、嘘……)
僕の頭ではまさかの状況が思い浮かばれる。
まさか………頭を打って気絶…?
ゴンと鈍い音はしなかった筈…。しかし…いや…は?嘘だろ…?
僕は混乱と焦りで脳内がパニック状態だった。
(ちょ、ちょっと待ってよ。何だコレ。え、本当何コレ。は?気絶…?有り得ない、有り得ない。…………え?)
もう思考が追い付かない。
___________
遅れてすいません!テストがあったので投稿出来ませんでした…。
きっと更新遅れます。放置はしていないので、ご理解とご協力のもと、お願い致します。本当にすいません。
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