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美琴「召集命令?」

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  1. 1 : : 2013/09/26(木) 00:38:28
    ・ご都合主義設定
    ・ご都合主義展開
    ・地の文有り
    ・見切り発車気味
    ・キャラ崩壊気味
  2. 2 : : 2013/09/26(木) 00:39:17
    空。

    どこの国の領空なのか、どこの国の領空でもないのか

    それすらもわからない空を、一機の巨大空母がとんでいた。

    その内部。本来であれば、戦闘機が並んでいるはずの格納庫には、何故か、それらはひとつも配置されていない。

    しかし、『兵器を運搬する』という、目的だけは十全に果たしている。

    戦闘機も、固定用の金具も、整備用の設備も人もいないその空間に、

    文字通り、取って付けた円卓とそれに似合った椅子が、かなり無理やり固定されていた。

    椅子はざっと二十脚。

    それに座るのは、七人の少年少女。

    学園都市の頂点。

    七人しかいないレベル5。

    決して、相容れない彼らが、一処に集まっている。

    それは異様な光景であった。
  3. 3 : : 2013/09/26(木) 00:40:33
    三日ほど前のことである。

    御坂美琴の携帯電話に登録されていないアドレスからのメール着信があった。

    件名は『召集命令』

    本文には日付と時間、

    23学区内にある空港の搭乗口の番号、

    さらに、これは学園都市上層部からの公式な『命令』であることが記されていた。

    上層部。そう聞いて、美琴が思い出すのは、当然あの悪夢のような実験のこと。

    そして、自分の預かりしらないところで蠢いている、大きな大きな闇のこと。
  4. 4 : : 2013/09/26(木) 00:41:06
    存在していることはわかっているのに、

    目に見えない、手が届かない

    そんな、学園都市最深部に触れることができるかもしれない。

    そんな風に考えてしまった美琴の正義感を、誰が責められただろうか。

    たとえ、それが、取り返しのつかない、事態の引き金になっていたとしても…。
  5. 5 : : 2013/09/26(木) 00:41:38
    そして、場面は、上空数千キロへと移動する。

    円卓の周りを囲むレベル5は七人。

    つまり、全員である。

    このことに、まず美琴は素直に驚いた。

    美琴「まさか、あんたまでいるとはね」

    三つほど席を開けて座っている少年に声をかける。

    そこは、格納庫の最奥の席、ちょうど進行方向に背を向ける位置に彼は座っていた。

    格納庫に上座下座があるのか、

    また、彼らに上座下座という考えがあるのかはわからないし、

    あったとしても、そこを選んだのは偶然だろう。

    両足をテーブル上に投げ出し、頭の後ろで手を組み、

    いかにも面倒くさそうに、背もたれに体を預けている

    学園都市第一位の怪物は

    一方通行「あン?」

    と、あまり興味のなさそうな視線を美琴に返した。
  6. 6 : : 2013/09/26(木) 00:42:56
    美琴「上層部からの命令なんて、聞くタマだったかしら?」

    一方通行「はッ!皮肉ならもっと上手に言うンだな」

    ???「まあな」

    美琴が言い返そうと口を開きかけたところで、別の方向から声があった。

    麦野「どっちかっていうと、あんたがいる方が不思議だけどねぇ、レールガン?」

    美琴「あんた…」

    美琴から見て、一方通行の反対側に座る、少女…

    美琴からしてみれば、少女というのは少々憚れるような、大人びた雰囲気の彼女は、

    第四位のレベル5、『原子崩し《メルトダウナー》』麦野沈利。

    美琴とは、浅からぬ仲、と麦野は結構一方的に思っていたりする。

    美琴本人にしてみれば、麦野との衝突は、一方通行との闘いの中の一コマに過ぎない、くらいの認識しかなかったりする。

    まあ、強敵であったことに、違いはないが。
  7. 7 : : 2013/09/26(木) 00:44:19
    麦野「常盤台のエース様も、いつの間にかこの街の闇に浸かっちゃったかなあ?」

    麦野がニヤニヤしながら言ってくるが、その理由も分からないではない。

    一方通行や麦野をはじめとして、この場にいるのは、学園都市のトップランカー。

    その意味するところは、高位能力者ということ、だけではない。

    学園都市暗部、その闇に浸かりきっている、そんな意味も多いに含んでいる。

    ???「御坂さぁん」

    もちろん、例外もいるが。
  8. 8 : : 2013/09/26(木) 00:44:53
    ???「もぉう、無視しないでよぉ」

    美琴の二つほど左隣、一方通行の反対側に、彼女はいた。

    美琴「食蜂、操祈」

    食蜂「やっと、振り向いてくれたぁ」

    両目に星、両腕にロンググローブ、両足にニーハイソックス、片手にリモコン、

    金髪に端正な顔つき、豊満な両胸を自慢げにテーブルに押し付ける少女。

    美琴同様に名門常盤台中学に籍を置く、食蜂操祈である。

    美琴「あんたがいるのも、変な話よね。改竄力とやらでどうにでもなるんじゃないの?」

    食蜂「もちろん、ここに来ないなんてことは簡単なんだけど、個人的には御坂さんに会いたかったっていうかぁ」

    美琴「やめて」

    美琴が背筋を凍らせたところで、またも別の声が飛んできた。

    麦野だ。

    麦野「べっつに、その女がいることは不思議でもなんでもないんじゃない?」

    食蜂「んー?どういうことかしらぁ?」

    本当に分からないらしく食蜂は可愛らしく小首をかしげる。

    美琴も、麦野がいっている意味を図りかねる。

    そんな二人の年下の少女を見ながら、麦野は(ついでなので、自分もその両胸を強調するように腕を組みながら)なんでもないように言う。

    麦野「大覇星祭」
  9. 9 : : 2013/09/26(木) 00:45:51
    食蜂「…」

    普段、なかなかに余裕綽綽といった感じの食蜂の笑顔が、はっきりとひきつる。

    あまり思い出したいことでは無いらしい。

    が、そんな変化を見逃す麦野では、もちろんない。

    麦野「確か、すっかり食われちまってたよなぁ?可哀想にねぇ」

    食蜂「残念だけどお、私を動揺させようっていうんなら、ちょっと力不足ねえ」

    食蜂「でも、その記憶は消させてもらうわあ」

    と、右手でいじっていたリモコンを、テレビのチャンネルを変えるのよりも気軽に麦野に向けた。

    バチッ

    と電気の爆ぜる音が炸裂する。

    麦野「いってえな。へえ、でも、なるほど。今のが『心理掌握《メンタルアウト》』ってわけね」

    食蜂「あらあ?なんで効かないのお?」

    美琴「(まあ、あいつは私と同系統の能力みたいだし、同じように効果を無効化してるんでしょうね)」

    と、わかっていても、教えるつもりなど、微塵もない。

    麦野「こういう仕組みな訳か。ってことはあんたにも効かないんじゃないの、レールガン」

    美琴「まあね、っていうか、ここにいる連中で、効果のあるやつなんているの?」

    麦野「それもそうか。どうせ、お前も効かないんだろ?第一位?」
  10. 10 : : 2013/09/26(木) 00:46:20
    一方通行「さァな、興味ねェよ」

    食蜂「ふーん、まあ、特に困るわけでもないんだけどお」

    麦野「負け惜しみかよ」

    食蜂「面白くはないってだけの話よお」

    ピリッと空気が固まりかけたところで、水を注したのか、棹をさしたのか、美琴が口を挟んだ。

    美琴「っていうか、さっきから言うことがいちいち小者っぽいわよ、第四位」

    否、注したのは油だったようだ。

    麦野「ああん?小『物』はてめえの方だろうが!」

    美琴「それは何のことだ?何処のことだ!?」

    食蜂「それは火を見るよりも明らかっていうかあ」

    食蜂「あ、御坂さんのばあい、火花を見るより明らかかしらあ?」

    美琴麦野「面白くない!」

    食蜂「声揃えないでよお!」

    一方通行「うるせェな…」

    かしましくなってきた、少女三人に挟まれて、それでも一方通行は、我関せずといったスタンスのまま、眠たげな両目を瞑りそうになったのだが

    ???「おい!お前ら!喧嘩はそれくらいにしとけ!」

    新たな声によって、簡単に妨害された。
  11. 11 : : 2013/09/26(木) 00:48:55
    こいつら、喋り方難しい。
    続きは、多分明日、削板の喋り方研究して、垣根の扱い決めてから書きます。
    見てくれる方がいるならですが。
  12. 12 : : 2013/09/26(木) 08:17:18
    支援
  13. 13 : : 2013/09/26(木) 21:11:37
    再開。少しだけ。

    声の方向を見れば、というか、円卓を挟んで睨み合っていた彼女たちには、改めて視線を移す必要もなかった。

    彼は、声の主は、巨大な円卓の中央に仁王立ちしていたのだから。

    七人のうちの七番目、ナンバーセブン、削板軍覇。

    白い学ランに日の丸Tシャツ、額にはちまき。

    生まれる時代か、あるいは登場する作品を間違えた感のあるその姿を

    一方通行は冬不愉快そうに、美琴はポカンとして、麦野は怪訝そうに、そして食蜂ははっきりと嫌そうに、それぞれ見つめた。

    削板「お前ら、こんなところでおっ始めるとは、根性ねえな!」

    削板「そして、それを見て止めねえってのも、やっぱり根性ねえ!」

    削板「ここは!この俺!削板ぐnふべらっ!」

    突然現れて、偉そうに根性論を語り始めた、謎の男に四人のレベル5の意思は極めて珍しいことに、一致していた。

    つまり、とりあえず、力ずくで黙らせよう、ということに。
  14. 14 : : 2013/09/26(木) 21:12:27
    一方通行「なンだァ?こいつは」

    麦野「バカみてえな格好しやがって」

    美琴「あれ?こいつどっかで…」

    記憶を探り出す美琴だったが、その辺は筆者の都合で思い出していただくことは叶わない。誠に遺憾である。

    食蜂「…」

    第五位の彼女だけは、特に何を言うでもなく、本気で嫌そうに、顔を歪める。

    大覇星祭でも食蜂の姿を覚えている麦野が、削板のことを都合よく忘れてくれているようなので、ただただそれに感謝するのみである。

    が、しかし

    削板「ふっかーーーーーーつ!」

    と、大声と共に削板は立ち上がる。

    削板「なんだ、お前ら!それでもレベル5か!?こんなもんじゃ痛くmあべしっ!?痛てぇ、痛くないわけじゃないんだって!!」

    立ち上がったところで、また説教。

    もともと頭に血が上っていた、麦野と美琴は、今回は能力に頼らず、殴る蹴るなどの原始的な暴力で対応する。
  15. 15 : : 2013/09/26(木) 21:13:40
    ???「まあまあ」

    と、ここでまた新たな声がかかる。

    登場したレベル5も既に五人。

    残り二人のうちの一人。

    一方通行や麦野にとっては、見知った顔と言えた。

    垣根「そのくらいにしておきましょう、死にはしないでしょうが…」

    一方通行「じゃあ、力ずくで止めてみろよ。俺はやらねェぞ」

    垣根「女性に暴力というのはどうも…」

    一方通行「女ァ?」

    刹那、青白い電撃と、不健康な白い光線が一方通行を襲ったが、何をするまでもなく、反射されて、明後日の方向に飛んでいく。

    そのまま、まっすぐに反射しさかったのは、一方通行がそのように調節したのか、展開上の都合か。

    それは誰にもわからない。

    麦野「ちっ!萎えちまった…」

    ぼろ雑巾のようになった削板を残して、麦野がもといた席に戻る。

    美琴もそれに倣うが、実は心中は麦野ほど穏やかではなかった。

    白垣根、キャラが掴めない。
  16. 16 : : 2013/09/26(木) 21:14:30
    美琴「(しまったぁ!あっちの得体の連中とは関わりたくなかったのに!)」

    美琴がそう思うのも当然で、会話に混ざってきた第二位、垣根帝督という少年の外見は少々、異常と言えた。

    なんというか、白いのである。

    一方通行のような色素欠乏という意味ではない。

    肌も、髪も、服も、全て一様に白っぽい。

    塗装途中の人形のようにも見える。

    一方通行や麦野はどうやら、その正体を知っているようだが、事前知識のない美琴からしてみれば、正直、言葉を交わすのも遠慮したいくらいだった。
  17. 17 : : 2013/09/26(木) 21:15:01
    垣根「ああ、この姿のことですか?御坂さん」

    美琴「!?」

    美琴の視線に気づいたのか、垣根は柔らかく笑って言う。

    本来の『垣根帝督』を知っている、二人にとっては、逆に寒気のする笑顔でもあった。

    垣根「はじめましてですからね。私は垣根帝督、まあ、そう名乗ってもいいのかどうかは、微妙なところですが、この場に招かれたということはそう名乗ってもいいということでしょう」

    美琴「は、はあ…」

    意味深なその言い回しに、美琴は困惑するが垣根はそんなことはお構いなしらしく

    垣根「学園都市の第二位『未元物質《ダークマター》』といえば、わかっていただけるでしょうか?」

    垣根「この姿に関しては、少々説明が長くなりますね、まあ、色々あったのですよ。いろいろね。」

    美琴「え、ええ。ご丁寧にありがとう」

    正直な話さっぱり、正体も驚異の度合いもさっぱりわからないが、とりあえず、極力関わらない方向で脳内会議は満場一致だった。
  18. 18 : : 2013/09/26(木) 23:16:55
    がんばって
  19. 19 : : 2013/10/01(火) 02:31:34
    >>18 ありがとうございます!

    書き溜め終わったので、投稿していきます。
  20. 20 : : 2013/10/01(火) 02:32:11
    さて、既に、七人のうち六人までが登場したということは、残るは一人。

    第六位のレベル5。

    未だ正体不明の最後の一人。

    もちろん、彼あるいは彼女も、この場には来ていたし、他の六人は既にその姿を視界におさめている。

    その件に関して、誰も何も言及しないのは、一重にその奇怪な様相故である。

    マントだ。

    あるいは、ローブだ。

    その、第六位が、厳密に言えば、第六位であろう人物は、フードのついたマントを着ていた。

    目深に被ったフードのせいで、顔はほとんど、どころか全く見えない。

    体を覆うマントのせいで、男か女かの区別もつかない。

    当然である。

    未だ正体不明の第六位の正体を、こんなところで明かすわけにはいかないのだから。
  21. 21 : : 2013/10/01(火) 02:32:46
    一方通行は考える。

    少しだけ覗き込んだ違う法則の世界を思い出しながら考える。

    一方通行「(マント、ねェ…いや、向こう側の連中は能力開発は受けれねェって話だったか)」

    垣根帝督は考える。

    一度は学園都市の最暗部まで落ちた経験を基に考える。

    垣根「(体格も宛にはなりませんね。いくらでも、誤魔化しが効く)」

    御坂美琴は考える。

    まだまだ、常識の中から脱しきれないながらも考える。

    美琴「(姿を隠してるってことは、もしかすると誰かの知り合い、なんてことも…)」

    麦野沈利は考える。

    身体中に埋め込まれた『負の遺産』を少しだけ意識して考える。

    麦野「(中身がちゃんと人間の形してんのかどうかも定かじゃないしねえ…)」

    食蜂操折は考える。

    精神系最高の自分の能力を踏まえて考える。

    食蜂「(そもそもお、私たちが見てる姿が本物とは限らないのよねえ)」

    削板軍覇は考える。

    普段、あまり考えない頭で考える。

    削板「(姿を見せねえとは、根性ねえな)」
  22. 22 : : 2013/10/01(火) 02:33:18
    別々のベクトルからのアプローチだったが、たどり着いた答えは似たようなものだ。

    触らぬ神に祟りなし。

    眠れる竜を起こすべからず。

    つまりは、関わらない。一切、無視である。

    とはいえ、今のところ、第六位が自ら何らかのアクションを起こすような気配はないので、このまま現状維持で問題はないだろう。

    と、そう思っていたのだ。

    六人のうちの五人までは。

    では、誰がそんな空気読めないやつでも簡単にたどり着けたであろう、解答を導き出せなかったのかといえば、

    削板「やっぱり、姿を見せねえなんて根性ねえ真似は見てられねえな!」

    もちろん、第七位のこの男である。

    削板「おい!お前!第六位だな!?仮にも学園都市レベル5の末席を汚そうってやつが、同じレベル5である俺たちに姿を見せないとは何事だ!?」

    きっと第七位は普段、こんな言葉遣いではないだろう。

    が、そんな細かいことを気にするような根性のない男ではないのだ。

    この削板軍覇というヲトコは。
  23. 23 : : 2013/10/01(火) 02:34:07
    削板「さあ、その根性のねえ顔を俺たちの前にでぶっしゃあああぁぁぁぁぁぁぁ!」

    しかし、そんなことは彼以外のレベル5にはもっと関係なかった。

    彼らの奇跡的な意見の一致は、第六位への対応を含め、これで三回目である。

    もちろん、力ずくでバカを排除する方向で満場一致である。

    一切の加減なし。

    第七位、ナンバーセブン、削板軍覇は、世界最高の『原石』とも言われているのだが、それもやっぱり関係なかった。

    あまり、原始的でない、暴力が炸裂する!
  24. 24 : : 2013/10/01(火) 02:34:37
    その時だった。

    ガクン――

    と、一度大きく空母が揺れた。

    格納庫にいる彼らには、分かる筈もないが、

    この時、コックピットのモニターがこぞって異常値を示していた。

    これもまた、彼らには分かる筈もないことであり、更にパイロットすらも分かっていなかったことだが、

    どうやら、レベル5たちが、同じ場所で同時に能力を、使った結果、

    それぞれの『自分だけの現実』が相互作用を起こし、互いに影響しあったことで、

    電子制御されているはずの空母の自動操縦システムに影響を与える程のエネルギーになっていたのだった。

    なお、やたら言葉が重複しているのは、気にしてはいけないし、指摘してはいけない。
  25. 25 : : 2013/10/01(火) 02:35:25
    直後、非常事態を知らせる、赤い非常灯が大きな音をたてて、回転し始める。

    よく状況はわからないが、ここにいては危険であることは、分かる。

    今回はさすがの削板にも理解できたらしい。

    思考を脱出に切り替える。
  26. 26 : : 2013/10/01(火) 02:35:53
    さて、同じ場所で同じ危機に見舞われ、同じように脱出を試みようとしているはずの七人だったが、

    力を合わせて、みんなで脱出なんてことを彼らがするはずもない。

    一方通行が進行方向右側の壁をぶち破るのとほぼ同時に、麦野が反対側の壁に風穴を開ける。

    垣根が翼を生やした頃には、美琴は電子制御されていたドアを無理矢理こじ開けていた。

    例外的な第六位を除けば、唯一、直接的な戦闘能力を持たない食蜂だったが、どうやらパイロットを操ることで事なきを得ようとしているようだ。

    彼女自身よりもパイロットの青年の安否が気遣われる。

    削板と第六位は特に能力を発動させたような気配もないまま、誰かが空けておいてくれた穴から、

    あるいは誰かが開けておいてくれたドアからそれぞれ飛び出した。
  27. 27 : : 2013/10/01(火) 02:36:28
    美琴「ったく!一体なんなのよ!」

    麦野「知るかよ。騒いでると地面に衝突してオブジェになっちまうぞ」

    美琴「あんたと違って、私は油断なんかしないわよ」

    麦野「あん?」

    一方通行「うるせェ。面倒くせェ。もうこのまま帰っちまうか」

    垣根「いいかもしれませんね。けっきょく上層部の意図はわからないままでしたし」

    一方通行「いらねェ手間かけさせやがって」

    そう。忘れていたかもしれないが、彼らはそもそも、学園都市上層部の招集命令とやらで、ここに集められたのだ。

    結局、空港に集合してから、空母から脱出するまでの間、学園都市側からのコンタクトは一切なかった。

    想定外の事故でうやむやになったのかもしれないし、彼らに無駄足を踏ませるのが目的だったのかもしれない。

    穿った見方をすれば、彼らを一同に会させて、その様子を観察したかっただけとも考えられる。

    一方通行「べつに何でもいいが…」

    言って、一方通行は空中でくるりと向きを変える。

    ここが具体的にどこなのかはわからないが、彼の向いている先には、確かに彼を待っている人がいた。

    一方通行「俺は帰って寝る」

    最後に垣根に対してそう宣言したのは、以前の彼を鑑みれば、驚くべき成長だったが、残念ながら垣根はその頃の一方通行を資料の中でしか知らない。

    垣根「私も帰りましょうか」

    白い翼を一振りして、垣根も一方通行が去っていったのと同じ方向に進路を変える。

    垣根「私の場合帰る場所などあるのかどうかわかりませんが…」

    しかし、垣根にも待っている人はいる。

    今日も学園都市の平和な日常のなかで誰かが『カブトムシ』を呼んでいる。
  28. 28 : : 2013/10/01(火) 02:37:08
    男性陣が、割りとかっこよく退場していった後だったが、少女たちの言い合いは続いていた。

    美琴「何よ、やろうっての!?」

    麦野「やってやるよ、クソガキ。決着つけてやろうじゃない」

    美琴「あら、そんなものとっくについてると思ってたけどねえ」

    麦野「黙れこのまな板がああ!」

    美琴「だからそれはなんのことだ!?何処のことだあああ!?」

    バチバチと飛び散る青白い電光、音もなく飛んでいく白い閃光。

    電撃姫と暗部の女帝の戦いは終わらない。

    食蜂「もう、御坂さんったら、あんなに楽しそうにしちゃってえ」

    パラシュートを担いだパイロットに抱えられ、緩やかに滑空していく女王は、そんな二人を見ながら静かに笑う。

    たぶん、彼女たちの方が先に地上に降り立つだろうが、自分が到着するまでに喧嘩は終わらないだろう。

    そこから、三人仲良く学園都市に帰る算段をしなければいけないのかと思うと、気が重い反面、少々面白そうでもある。

    食蜂「まあ、私としてはなんでもいいんだけどお」

    食蜂が眺めている方向に学園都市はなかったが、きれいな夕日が沈んでいた。

    食蜂「そういえば、あの二人はどうなったのかしらあ?」
  29. 29 : : 2013/10/01(火) 02:37:46
    あの二人とは、もちろん第六位と第七位のことである。

    第七位は誰よりも速く地上に向かって落ちていった。

    降りてったとはあまり表現できる様子ではなかった。

    でも、まあたぶん生きているだろう。

    根拠もなくそう思えるくらいのなにかを彼は持っていた。

    第六位は、脱出の準備をしていた食蜂の少し前に飛び出していた。

    マントの端が風になびいていたが、何故か体や顔を外気に晒すことにはならなかった。

    まるでマントやフードが身体と頭に張り付いているようだったが、あれは能力だったのだろうか?

    第六位の意識には結局入り込めなかった。

    少なくとも食蜂の能力を防ぐための何かは持っているらしい。

    食蜂「あら、そろそろ地上ねえ」

    パラシュートは既に開いている。

    だんだんと近づいてきた地表では、予想通り、電撃と閃光が絶えず踊っている。

    あそこに直接つっこむのはちょっと遠慮したいので、パイロットを操って着地地点を少しずらす。

    この後のことを考えながら、食蜂はにっこりと笑った。

    食蜂「女の子同士だし、やっぱり恋バナよねえ」

    にっこりと、笑った。

  30. 30 : : 2013/10/01(火) 02:40:10
    やっと、終わりました。見切り発車はいけませんね。精進します。

    一方さんと美琴以外はキャラが全然掴めませんでした。
    むぎのんが小者になっちゃいましたが、別にきらあなわけではありません。
  31. 31 : : 2013/10/01(火) 02:40:45
    嫌いなわけではありません。
    が正しいです。むぎのん、大好きです。
  32. 32 : : 2013/10/03(木) 20:41:01
    乙ー!
  33. 33 : : 2013/12/12(木) 16:17:00
    乙!!
  34. 34 : : 2014/01/11(土) 00:13:02
    糞つまんなかった
  35. 35 : : 2014/05/25(日) 19:27:24
    乙ー
  36. 36 : : 2014/07/05(土) 23:16:23
    けっこう面白かった、また書いてください!
  37. 37 : : 2016/09/29(木) 21:00:32
    結局喧嘩して終わり
    ナニコレ?
  38. 38 : : 2018/02/10(土) 00:17:02
    俺には何がなんだかよくわからんかったorz
    あとKJさんいてほしかったなぁ

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natose_ss

とある科学の馬面贔屓

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