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優しいヒーローは夢の中で。
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- 1 : 2014/08/14(木) 22:50:27 :
- 今回は需要無いの承知で書きます。ただの自己満足です。すみません。
取り敢えず前作
http://www.ssnote.net/archives/21582
もう一度言います。
自己満足でも良いです。ただ、ただ…!私はこのcpが大っ好きなんです!(力説)
本当に見る価値無いと思います。需要無いです。いやコレはマジで。←
まぁ、カノ君ならまだしも…………
今回はセト君です。まさかのセトアヤです。反省してます。すいません。ただ私の大っ好きなcpなんです。(重要)
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- 2 : 2014/08/15(金) 00:35:07 :
- あれ……?此処は……。
全身に掛かる柔らかいフワフワとした感触。
優しい草花の香り。
少し湿った地面が、じんわりと俺の服に染み付いていく。
綺麗な鳥の声。
紛れもない、此処は、
森の中。
「な、んで……」
起き上がった俺は目を擦り、少し驚きながらも上半身だけを起こして辺りを見渡した。
何処をどう見ても、森だ。
「俺、何で此処に……って………マリー?」
其処には、いつも隣に居た筈のマリーが居なかった。
マリーだけじゃない。キドも、カノも、皆居なかった。
「何処に居るんスか…?」
居ない、誰も居ない。
そんな思考が俺の脳内を支配する。
放浪癖が此処まで来るともはや自分でも恐ろしい。
取り敢えず俺は、立ち上がって皆を探す事にした。
けど、呆気なくソレは駄目だと確信する。
まるで俺の躰は、金縛りにあったかのように動かなかったのだ。立ったまま。
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- 3 : 2014/08/15(金) 03:16:15 :
- おお!三作品目!
これは超絶期待するしかないでしょう!頑張ってください!!
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- 4 : 2014/08/15(金) 05:26:02 :
- kidsさん、毎回ありがとう!
いや、超絶期待されるものじゃないですよ、てか期待出来るものじゃないですから。特に今回は。
個人的にセトアヤが好きなので、頑張りますが…。本当に自己満になります。
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- 5 : 2014/08/15(金) 05:49:42 :
- セトアヤ...あまり見たことが無い気がする。
私は楽しみに待ってます!アヤノさんなら自己満で書いてるつもりでも素晴らしい作品を作ることができます!絶対!
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- 6 : 2014/08/15(金) 05:51:11 :
- 俺はただ立ち尽くした。
「何で………こんな……。」
孤独感に蝕まれる。
俺はこれ程寂しがり屋だったのかと確信した。
でも何故か、キド達が見つけてくれるという宛もない僅かな希望が、まだ俺の心にはあった。
いつの間にか、俺はキドやカノの身長を越えていた。
小さい頃は背が小さかった癖に。
いつの間にか、俺はバイトをするようになっていた。
あんなに上手く喋らなかったのに。
いつの間にか、俺は泣かなくなった。
あんなに、泣き虫だったのに。
いつの間にか、俺は…、
俺はこんなにも成長していた。
成長する度に、失うものは増えていった。
母さんを亡くして、姉ちゃんも亡くして、父さんまでも…狂って、狂った。
メカクシ団も、いつの間にか…
いや、あっという間に、賑やかになった。
団員も増えて、もう9人だ。
だから、かもしれない。
最近、まだ俺達が小さかった頃のメカクシ団の夢を見るようになった。
確かに今も十分楽しい。うん、楽しいけど……
何かが欠けてた。
そう、何かが、何かが無かった。
その何かがは解らないけど。
俺は頭に付いているピンに触れた。
何故か、思い出す。
姉ちゃんの笑顔。
赤いピンを2つ付けて、赤いマフラーをして、泣かない、強い人。
あの人は、化け物を人間に変える力がある。
その力は、他のどんな能力よりも、確かで、力強かった。
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- 7 : 2014/08/15(金) 05:55:39 :
- セトさん、ですよね。
私は取り敢えずアヤノちゃんのcpなら何でも好きなんですよ。(笑)
その中でセトアヤは群を抜いて好きという、ね。
というよりも、キドアヤやらカノアヤとか、孤児院組の子とのcpが好きでして。(爆)(長々とすみません)
はい、頑張ります!応援宜しくです。
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- 8 : 2014/08/15(金) 12:43:12 :
- まじで神スレですね!
期待×1億
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- 9 : 2014/08/15(金) 15:03:22 :
- エンドさん、神スレ?紙スレの間違いでは?紙みたいに薄い内容というスレ。
もう嬉しすぎて歓喜します。そんなに期待貰ったら罰が当たりそう(笑)
お知らせです。多分20日…?までは投稿出来ません、本当すみません。
諸事情がありまして、本当に申し訳ないです。
読者の方々、ご迷惑をおかけしますが、ご了承下さい。
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- 10 : 2014/08/20(水) 21:32:19 :
- お待たせしてすいません!!
再開します
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- 11 : 2014/08/20(水) 21:43:40 :
- まるでこの森は、時が止まったようだった。
上を見上げても木々が空を遮断し、風などは吹いてなく、小さな箱の中に、電気を付けただけのような感じだった。
最も、鳥の鳴き声が聞こえるのだけが心底安堵した。
誰も居ない。どうしようもない孤独感に睨まれ、喉に声が溜まる。
泣くな!
心に、自分に言い聞かせ、グッと唾を飲み込む。
守るものも増えてきた。
たまに、無性に哀しくなる。
俺よりも、大きい存在が居なくなったからだろうか。
カノに言われた、姉ちゃんの事が、脳内でリピートする。
どうでも良い訳がない。
何だかんだ言って、姉ちゃんに一番ついて回ってたと思う。
その後、マリーと出会ってから変わったけど。
「大丈夫、私は居るよ。」
不意に、後ろから声がした。
咄嗟に振り向くと、逆光でよくは見えないが、確かに、
確かに、あの、
マフラーが見えた。
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- 12 : 2014/08/22(金) 00:16:25 :
- 優しい囁きと共に揺れる、赤いマフラー。
それが何故か妙に愛しくて、懐かしくて、泣きたくなるんだ。よく解らないけど。
ただ、俺は、そのマフラーを見つめて逆光で顔の隠れたその人に近寄った。
どんどん光が俺の目を眩ます。歩く旅に草花の掠れる音がした。
そして、見えてくるその人の顔。
眩しくて顔をしかめた。
でも、でも確かに君だった。
俺を、カノをキドを、救って人間へと変えてくれたたった一人のヒーロー。
「………姉ちゃん…」
姉ちゃんは相変わらず、安心するような柔らかい笑顔だった。
あの日々が、脳内を駆け巡る。
惜しむように、懐かしむように、すがるように、憎いように、流れていく、思い出。
姉ちゃんが居なくなってから、俺達がこのメカクシ団を支えてきた。
団員も増えて、賑やかになって、信頼されるようになった。
だから、かもしれない。
この質問が口から出たのは。
「姉ちゃん…何処行ってたんスか…」
幼稚な質問だった。
何処に行ってた何て、解っている。
ただ、姉ちゃんが居なくなったから、何処か心の拠り所というのが物寂しくなってきた。
泣いてくっついてばっかりだったから、兎に角上手くいける気がしなかった。
俺より、一番大きい存在が居なくなった。
それが何よりの心のつっかえで。
異物のようにどんどん溜まって、溜まって、溜まっていく。
姉………ちゃん……っ
声にならない言葉を心に繰り返しながら、また姉ちゃんを見つめた。
光に目が慣れたのか、姉ちゃんの顔が何となく見えてきた。
優しい、懐かしい、姉ちゃんの笑顔は、何処か…
哀しげな瞳を無理矢理細めているように見えた。
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- 13 : 2014/08/22(金) 14:13:32 :
- 「姉…ちゃん…?」
そんな哀しい顔しないで。
心に溜まる俺の不安な声。
「幸助…お姉ちゃん…怖いよ…」
や…やめっ…
「お姉ちゃんだって…皆と居たかった…」
わ、解ってる…解ってるから…
「幸助はお姉ちゃんの時より笑ってるね…私頼りなかった?」
ち、違う…そんなんじゃ…
「ねぇ…私の事…忘れようとしないで…」
悲痛な姉ちゃんの、本音。
その言葉がまるで槍のように刺してくる。
カッターの刃先が、鋏が、果物ナイフが、刃物全てが、
俺の心を、躰を刺してくる。
忘れようと…した訳じゃない。
ただ、ただ…
このメカクシ団を…姉ちゃんの、メカクシ団を…
ずっと、ずっと守る為に…
口だけかも知れない言葉。
姉ちゃんがいつか、帰って来るときの時の目印として、メカクシ団を守りたいんだ。
俺の頬を伝う何かが、草花に落ちて、水滴と共に土に反る。
姉ちゃんは無表情になってからまた、いつもの優しい笑顔に戻った。
偽りのない、悲しみのない、笑顔に。
「全部、全部言って良いんだよ。」
その言葉を聞いた途端、俺の中の何かが、取れた気がした。
俺は子供のように声を出して涙を流した。
姉ちゃんに近づいて、感触のない“姉ちゃん”に抱き付く。
抱き付いた時、まるで姉ちゃんは空気のようだった。
「寂しかった…っずっと、ずっと……っ!でも………でも姉ちゃんが作ってくれたメカクシ団を…守る為に…っ!!」
姉ちゃんは黙って俺の頭を撫でながら聞いてくれていた。
髪に伝わる感触は無い。けど何故か、撫でられた部分が暖かかった。
「姉ちゃん……っ!」
必死に絞り出した声。
「泣きたい時は泣いて?皆、それでも受け止めてくれるよ。だって皆、
幸助が大切なんだから…」
留めどなく流れ出る涙が地面を濡らす。
姉ちゃん、姉ちゃん…!
嫌だ、ヤダ、消えないで…
「大丈夫、お姉ちゃんは居るよ。
だから、忘れないで。」
忘れる訳がない。だって、大切な…俺達のヒーローなんだから。
いつの間にか、姉ちゃんは居なかった。
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- 14 : 2014/08/22(金) 14:20:25 :
- 「セト?大丈夫?」
あどけない声が聞こえた。
「マリー?」
「凄く魘されてたよ?何処か痛いの?」
心配そうに俺の顔を覗き込む。白いフワフワとしたマリーの髪の毛が頬に触れた。
瞬間、何故か涙が流れた。
「え!?どうしたの、セト!だ、だだ大丈夫?」
慌ててマリーが俺の背中を撫でる。
「もう…大丈夫ッス…。」
「痛い時は言ってね?皆セトの事
“大切”なんだから。」
何処かで聞いた言葉に、頬が和らぐ。
姉ちゃんの言ってた事は本当だよ。
「ありがとうッス。」
優しいヒーローは夢の中。
これは俺だけの秘密にしよう。
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- 15 : 2014/08/22(金) 14:24:39 :
- ここまでお付き合いありがとうございました!
一応これでこのシリーズは終了とさせて頂きます。ご支援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
ヒビヒヨも書いてるのでお暇でしたらぜひ。
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- 16 : 2014/08/25(月) 22:14:05 :
- えー完結なの?
面白かったのに(泣
作者さんあなたの才能を見込んで頼みがあります!
あるシリーズ作品を作って欲しいんですけど、聞いてくれますか?
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- 17 : 2016/11/07(月) 18:57:36 :
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