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霧切「あなたの名前は?」

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    • 15

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  1. 1 : : 2014/08/07(木) 12:03:58
    どうも!たけのこまんじゅうです!
    2作目です!

    twitter始めてみました

    更新情報等をつぶやいていく予定です!

    意見やご要望などもコチラへどうぞ!

    @takenokomanjuu




    前作 苗木「ボクの名前は…」

    http://www.ssnote.net/archives/21106


    の霧切さん達側のお話です

    前作であえて書いてなかった部分も含めて書いていくつもりなので
    このssをお読みになるのでしたら、前作を先に閲覧することをオススメします

    また、このssは更新遅めかもです…

    今作も頑張っていきます!
    よろしくお願いします!
  2. 2 : : 2014/08/07(木) 12:41:43
    これが本日の神SSか.....!期待です!
    テレビ壊れた......
  3. 3 : : 2014/08/07(木) 14:26:54
    来ました!
    今回も期待です!
    多分また涙腺崩壊すると思います!
  4. 4 : : 2014/08/07(木) 15:03:55
    >>2
    >>3
    ありがとうございます!
    期待に応えられるよう頑張ります!



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    本当にごめんなさい…本当に…

    なんで?どうしてなの?ねえ?

    そうか…俺は……自分の意思で…

    相談に乗ってあげられなくてごめんねぇ

    俺の弱さのせいで……すまねぇ…

    そうか…もう兄弟はいないんだ…

    ずっと前から……悔しいですぞ…

    きっと…また会いましょう

    結局、我は弱かったのだな…

    自分自身のこと…何も分かってなかった

    あ…あれ?…あたし…なんで…

    急にあんな…ひどいよ…

    あっちゅうまだったべ…

    この俺があんな行動をとるとはな…

    …最期にあなたを守れてよかった



















    「やだよ…いかないでよ…」

    「ボクだけ残して逝かないで…」

    「ねぇ、腐川さん?」

    「葉隠クン?」

    「朝日奈さん?」

    「十神クン?」

    「響子さん…?」

    あぁ…あ、あああ

    苗木「ボク1人だけ生き残っても…!」

    苗木「…なにが幸運だよ」

    苗木「なにが希望だ」

    苗木「みんな死んじゃった!」

    苗木「みんな…みんな!」

    苗木「うわぁぁぁぁぁあ!!!!!」























    ー暗転
  5. 5 : : 2014/08/07(木) 15:18:12
    …眩しい

    桔梗木「朝ね…」

    今日から高校生だけど…

    どんなクラスかしら

    楽しかったらいいな

    桔梗木「…準備しましょ」

    スタスタ

    仁「おはよう、りりちゃん」

    桔梗木「おはよう、お父さん」

    仁「あ、パパりりちゃんの担任だから」

    桔梗木「え、親子で同じ学校って
    確か不可能じゃ…」

    仁「それはパパの権力でどうにでも…」

    桔梗木「…」

    まったく呆れるわ…

    仁「あ、りりちゃん一緒に学こ」

    桔梗木「い や」

    仁「」

    桔梗木「…ごちそうさま
    先に準備しておくわね」

    仁「あ、あぁ…
    ってもう行くのか?」

    桔梗木「先にクラスメイトの顔
    見ておきたいしね」

    仁「アハハ、そうか」

    桔梗木「というわけで、また後で」

    仁「うん、また後で」

    仁(楽しみなみたいだな…)クスッ










    さて、学校に着いたけど緊張するわね…

    『私立 希望ヶ峰高校』

    推薦でしか入学することができない

    入学のハードルがとても高い高校

    中学生の時点でそれなりの実績が必要

    歴史に名を刻める生徒を育成している

    …らしい


    とんでもないわ…

    探偵業で推薦されるなんて…

    すごけりゃ何でもいいのかしら…

    そんな風に考えながら私は門をくぐった

    ーいいことが起こりそうな気がするわ


  6. 6 : : 2014/08/07(木) 15:41:46
    桔梗木「ここね…」

    教室の扉の前で足が止まる

    …緊張するわね

    桔梗木「…よしっ」

    ガラガラ

    私は意を決して扉を開けた

    誰もいないはずの教室に

    …そういないはずだった

    ⁇?「む?このクラスの生徒か?」

    桔梗木「ええ、そうだけど…」

    射巻「そうか!クラスメイトか!
    僕は射巻孝良!よろしくっ!」

    桔梗木「桔梗木梨々子よ…よろしく」

    射巻「僕も今しがた到着したのだが…
    桔梗木くん、君も早起きなのか?」

    桔梗木「そうね…早起きではあるわ」

    射巻「うむ!早起きは良いことだ!
    ぜひ続けてくれたまえ!」

    桔梗木「ええ、言われなくても」

    射巻「そうか!失礼した!」

    …なんだか風紀委員って感じの人だわ


    射巻君と他愛のない会話をしてると、
    ゾロゾロと他の生徒が入ってきた

    …なんだかあのギャル引っかかるわ

    …あの子は有名なアイドルじゃない

    …あのツインドリルの子も気になる……

    クラスメイトがほとんど揃った印象は

    昔からの知り合いに囲まれた安心感

    まさにそれだった



    そう、私は初対面相手に安心した

    久しぶりの再開を果たしたような感覚

    …この人たちとどこかで会ったかしら?









    その疑問も勢い良く開けられた扉の音に
    すべてかき消される

    ガラガラッ!

    ⁇?「ハァ…ハァ…何とか間に合った…」


    …誠君?

    え、誠君って誰?

    誰って…苗木誠君じゃない……

    え?

    なんで私は彼を知っているの?

    だって私は彼を守って死んだじゃない

    …え?

    …死ん………

    あ…

    桔梗木「………誠君…」ボソッ

    今すぐにでも彼に駆け寄りたい

    抱きしめたい

    抱きしめられたい

    …でもだめ

    石丸君が射巻と名乗ったということは

    彼もまた別の名前でしょう

    私のことを知らないのでしょう

    安易な行動で混乱させてはダメ

    そうよ、落ち着くのよ霧切響子


    …違う、今は桔梗木梨々子だ

    そうか…きっとここは…

    霧切「………来世」
  7. 7 : : 2014/08/07(木) 16:05:46
    そんなことを考えてるとお父さんが来た

    そういえば、親子ってこと秘密にしろって言われてたっけ…

    仁「特技や、自分の特徴、好きな食べ物など、なんでもいいから自己PRを交えて自己紹介してくれ!」

    …自己紹介の時バラしましょ


    さて、自己紹介が始まったわね…

    麻青「麻青緋菜っす!」

    朝日奈さんの転生後ね…

    みんな見た目は全く変わってないから分かりやすいわ…

    …やっぱり水泳をやっているのね

    なら中身も変わってないのでしょう


    戦刃「い、戦刃むくろです!」



    名前そのままじゃない!

    …きっと前世で江ノ島盾子と偽ったからね


    射巻「射巻孝良だ!」

    ホント…何にも変わってなかったわ…

    まあ、石丸くんだものね


    大ヶ蔵「我の名は大ヶ蔵美沙だ」

    みさ…?

    なんて女の子らしい名前なの!

    失礼だけど外見に合ってないわ!

    射巻「なんだか女子のような名前だな…」ボソッ

    大ヶ蔵「我は女だが?」ギロッ

    射巻「し、失礼した!」オロオロ

    …このやりとりは変わらないのね


    オーダン「俺の名前はオーダン・ワモドだ!」

    名前違いすぎるでしょ!

    いやいやいやいや!

    え、でもやってること何にも変わらないじゃない!


    奥和「奥和恋太でーっす!」

    ああ、あれはアポね…


    河都「か、河都風子よ…」

    あれは…腐川さん…

    ジェノサイダーはいるのかしら…?

    あ、誠君腐川さんのファンなんだ

    今度読んでおきましょ…


    仁「じゃあ、次の生徒!」

    …私の番ね……
  8. 8 : : 2014/08/07(木) 16:16:47
    桔梗木「桔梗木梨々子よ。人間観察が得意、と言った所かしら」

    桔梗木「こんな年でだけど、探偵事務所を開いているの」

    …あまり堅苦しいって思われたくないな

    桔梗木「まあ、イメージとしてはバーローみたいな物かしらね」

    ……バーローで伝わるかしら?

    あ、ばらすんだったわ

    桔梗木「ちなみに、教卓で突っ立ってる奴とは親子よ」

    …やってやったわ…!

    桔梗木「よろしく」

    ……なんだか騒がしくなったけどそんなの耳に入らない

    お父さんが何か言ってるけど、テキトーな返事をしておく

    ……誠君…

    桔梗木「…」チラッ

    ……見てたって気づかれたかしら


    あ、次は誠君の番だわ

    ⁇?「ボクの名前は苗木m…あれ?」

    …え?

    桔梗木「…」

    どういうこと?

    誠君も名前そのままなの?


    戦刃「…!」

    あの反応…


    琴渚「…琴渚恵真だよ!」

    なんだ、ただの言い間違えね…

    …意図的なのか無意識なのかで相当捉え方は変わるけど

    ああ、でもこれで分かった

    みんな絶対に前世の記憶を思い出せる

    それが分かっただけ希望だわ
  9. 9 : : 2014/08/07(木) 16:48:32
    次は……

    江ノ島さんね

    近衛嶋「はいはーい!近衛嶋潤でーすっ!」

    あら、ギャルじゃなくて読者モデルなのね…

    細かい部分が違ったりしてる…

    …彼女は思い出したら危険?

    判断しようがないわ…

    あ、やっぱり双子で姉妹なのね


    鞘園「鞘園舞香です!」

    舞園さん…

    ここでも誠君が私と結ばれるにあたって

    最難関である…壁!

    今度こそあなたを超えてみせるわ

    今度こそ


    蓮隠「蓮隠浩哉だべ!」


    飛珠「拙者、飛珠文也と申します!」

    …あ、葉隠君の自己紹介聞いてなかったわ

    さて、山田君も相変わらずのようね…

    …あ、鞘園さんが琴渚君と話してる

    羨ましい!


    藤木「え〜っとぉ…藤木幸広だよぉ!」

    …ホント、何も変わってないのね

    みんなそのままだわ…

    藤木「あ、僕は男だよぉ」

    前言撤回

    …強くなれたのね


    薬富「薬富白牙だ」

    十神君…

    彼も思い出したら彼にはお礼を言わないと…

    …あ、やっぱり御曹司なのね

    でも、何だか丸くなってる気がするわ

    河都さんがキュン死してる…


    仁「りりちゃん…パパ、このクラスをまとめ上げる自信がないよ」

    桔梗木「あ、一週間晩御飯抜き」

    仁「」


    セレス「安広多恵子ですわ」

    セレスさんも名前変わってないのね…

    あ、やっぱりセレスって呼ばせたいのね

    ……あ、また鞘園さんと琴渚君話してる
  10. 10 : : 2014/08/07(木) 17:02:35


    時は琴渚の自己紹介まで遡り…

    琴渚「ボクの名前は苗木m…あれ?」

    …え?苗木君?

    本当に苗木君なんですか?

    え、苗木君って…

    …苗木…誠君……ですよ



    嬉しすぎて涙が出そう…

    でも堪えなきゃ…

    …苗木君には謝らないといけません

    私の身勝手で彼には辛い思いを…

    …そして桑田君にも

    今は奥和君でしたね

    …絶対に罪滅ぼしをさせてくだい




    同時刻




    …あ、あぁ

    願いが叶ったのですね…

    また会えた…

    それだけでも嬉しい…

    早く彼とお話したい…

    …でもダメですわ

    わたくしが願った通りならここは来世

    そして、彼は前世の記憶がない

    …あら、そういうことですか

    桔梗木さん…もとい霧切さん……

    確実に思い出してますわね

    …まずは"霧切さん"とお話しましょう




    同時刻




    潤ちゃんと同じ学校ってだけでも嬉しかったのに…

    それどころか同じクラスだった…

    もうこれだけで幸せすぎるのに…

    …苗木君

    また会えたね

    君がいてくれるなら…

    ……多分霧切さんは思い出してる

    霧切さんと話さないと…













    なるほど…
    思い出してるのは反応から見て
    戦刃さんとセレスさん、と言った所かしら

    戦刃「桔梗木さん、少しいい?」
    セレス「桔梗木さん、少しよろしいですか?」

    噂をすれば何とやら、ね
  11. 11 : : 2014/08/07(木) 17:40:34
    桔梗木?「あら、2人とも桔梗木って呼ぶのね」

    セレス「まあ、皮肉みたいなものですよ」

    戦刃「……セレスさんも?」

    セレス「戦刃さんもとは…驚きです」

    セレス「さて、霧切さん」

    霧切「何かしら?セレスさん」

    戦刃「多分何て言いたいか分かってるよね?」

    霧切「思い出させたいけど方法が分からない、でしょ?」

    セレス「さすがですわね」ニコッ

    霧切「それ褒めてるのよね…?
    まあ、今はそんなのどうでもいいわ…」

    霧切「とりあえず揺さぶりをかけたいって思ってるわ」

    戦刃「え?どうやって?」

    セレス「例えば『苗木君』って呼んでみる…なんてどうでしょう?」

    霧切「いいわね、それ」

    戦刃「…あ、奥和君が鞘園さんに告白したよ」

    霧切「まあ、結果は分かってるけど」

    セレス「何だか滑稽ですわ……ね?」

    戦刃「どうしたの?」

    セレス「奥和くんに対してのあの反応!
    恐らく鞘園さんも思い出してますわ…!」

    霧切「な、なんてことなの!」

    いいえ、そのぐらいなくちゃ恋敵なんて呼べないわよね!

    セレス(なんて考えてるのでしょうか…)

    戦刃「あ、大変!琴渚君体調が悪いんだって!」

    霧切・セレス「!」


    射巻「学級委員として僕が連れて行っt」

    霧切「私が連れて行くわ」

    戦刃「わ、私も!」

    セレス「わたくしも同行させてくださる?」



    っ!……私の琴渚君に近づかないでください!

    舞園「な!そんなにたくさん行く必要ありません!
    私だけで十分です!」

    琴渚「心配してくれてありがとう
    でも大丈夫だよ!1人で行けるからさ」

    苗木親衛隊(だが断る)

    霧切「揺さぶりをかけるいいチャンスだわ」

    セレス「なるほど、そうですわね」

    戦刃「うん、私もそう思う」

    舞園「余計なことしないでください!
    私が思い出させるんですから!」

    スタスタスタスタ…

    オーダン「なあ、さっきの女子4人も出て行ったぞ」

    射巻「一体どうなっているのだ…」





    霧切「…あら、琴渚君……
    どうやら道に迷ってるようね」

    舞園「今ですよ!」ダッ

    戦刃「抜けがけは…許さない!」ダッ

    セレス「あらあら、血気盛んですわ…」
  12. 12 : : 2014/08/07(木) 18:10:24
    こっそり苗木親衛隊に吹くwww
  13. 13 : : 2014/08/07(木) 19:49:26
    …甘いわ2人とも

    先に言ってしまえば私の勝ちよ!

    桔梗木「苗木くん」

    舞園(やられた!)

    戦刃(負けちゃったよ〜!)

    セレス(さて、どのような反応を示すのか…)



    琴渚「え、どうしたの?」

    琴渚「!?」

    セレス(返事をした後困惑してる…
    ということは)

    琴渚「違うよ!ボクの名前は琴渚恵真だよ!間違えないでよ桔梗木さん!」

    霧切「…」

    セレス「あら、やはり思い出していないようですわね」

    戦刃「思い出させるのは…私の役目…」

    鞘園「いいえ!正規ヒロインである私こそが!その役にふさわしいです!」

    …仕方ない
    今は桔梗木でいよう

    あ、入学式まであと少しだわ

    桔梗木「あら、そろそろ時間になりそうね。体育館に行きましょうか」

    …ダメよ、泣いちゃだめ

    桔梗木「さあ、行きましょう?」

    琴渚「わかったよ桔梗木さん…」

    …少し怒ってるわね

    ごめんなさい、琴渚君




    その後、入学式は適当に流すつもりだったのだけど…

    モノクマ「ボクはモノクマ!
    この学校の校長なのです!」

    …そうもいかなくなった

    麻青「ぬ、ぬいぐるみが喋った!」

    大ヶ蔵「恐らく、遠隔操作か何かをしているのだろう」

    麻青「なるほど!さすが美沙ちゃん!」

    大神(前世の記憶の受け売りなのだがな…)



    近衛嶋「…」

    …モノクマ

    そうか、思い出した

    なるほど、お姉ちゃんの行動原理がよくわかんなかったけど…

    全部苗木のためか…

    …お姉ちゃんに謝らなきゃ

    みんなに…謝らなきゃ

    もう誤魔化さないよ…
  14. 14 : : 2014/08/07(木) 21:10:38
    入学式終了後〜薬富白牙〜

    …どうしたら仲良くなれるか

    そうだ!カラオケ!

    みんなをカラオケに誘って親睦を深める!

    いいじゃないか!

    よし、そうと決まれば放課後誘おう!















    戦刃「…潤ちゃん?どうしたの?」

    あの潤ちゃんが…頭を下げてる…

    近衛嶋「お姉ちゃんに謝ってるんだよ
    見て分かるでしょ?」

    戦刃「私が聞いてるのは謝ってる理由だよ?」

    別にプリン勝手に食べたことぐらい気にしてないのに…

    近衛嶋「…じゃあ、こう言えば分かるかな?」

    潤ちゃんは真っ直ぐこっちを向いて

    言った





    江ノ島「あたしは『江ノ島盾子』として謝ってんの」




    戦刃「…盾子ちゃん」

    ダメ、まだ泣けない

    理由を聞かなきゃいけない

    泣くのはそれからだ

    戦刃「なんで…」

    戦刃「なんで私を殺したの?」

    江ノ島「みんなへの見せしめのため」

    戦刃「…」

    江ノ島「そして…お姉ちゃんを殺したっていう…絶望を味わうため」

    戦刃「!」

    戦刃「……本当?」

    江ノ島「…本当だよ」

    戦刃「…ちゃんと絶望できた?」

    江ノ島「うん、すごく」

    江ノ島「でもね、お姉ちゃんを殺したことにも絶望したけど……
    それ以上にね…」

    戦刃「…?」

    江ノ島「お姉ちゃんが…いなくなったことに……絶望…して………」グスッ

    え?

    待って

    私が居なくなったことに絶望した?

    …それじゃあ

    ……それじゃあ

    戦刃「それじゃあ、盾子ちゃんが私のこと大切に思ってるみたい…だよ」

    江ノ島「当たり前じゃないっ!!!」

    …やめてよ

    そんなこと言われたら…

    戦刃「泣くの我慢するなんて無理だよぉ!」ボロボロ

    江ノ島「お姉ちゃん…!」ボロボロ

    江ノ島「ごめんねぇ…ごめんねぇ!」

    戦刃「ゔぁぁぁぁぁあん!!!!!」


    …あぁ、私は

    勘違いしていたんだね

    ありがとう、盾子ちゃん

    私を大切に思ってくれて
  15. 15 : : 2014/08/07(木) 22:07:05
    放課後〜教室〜

    薬富「貴様らと親睦を深めるために
    カラオケ大会を開いたいと思う!」

    …いくら何でも丸くなりすぎよ




    薬富家〜カラオケルーム〜

    ギ~ンイ~ロ~ノォ~ ダンドオガサ~スイ~ノ~セェ~~ント

    鞘園「琴渚君歌上手すぎです…」

    セレス「というか、薬富君は前世で何があったのですか」

    セレス「人変わりすぎでしょ」

    桔梗木「ごめんなさい、私も分からないわ」

    近衛嶋「お姉ちゃん、次なに歌う?」

    戦刃「潤ちゃんが好きなのでいいよ!」

    セレス「あの姉妹ってあんなに仲良しでしたっけ?」

    桔梗木「ごめんなさい、あっちは本当に分からないわ」




    薬富「そろそろお開きにするか…」

    薬富「帰りは我が家の車を手配しよう」


    あら、さすが御曹司ね

    セレス「丸くなりすぎでしょう」

    鞘園「私もそう思います」

    桔梗木「いいことじゃない
    むしろウェルカムだわ」

    うん、きっとウェルカムよ…多分…

    まあ、どっちにしても……


    桔梗木「薬富君」

    薬富「どうした?」

    桔梗木「楽しかったわ、ありがとう」

    セレス「わたくしもお礼を申し上げておきますわ」

    鞘園「はい、楽しかったです!」

    薬富「そうか…
    それならば企画した甲斐があったというものだ」





    薬富「…また、こうやって集まらないか?」

    桔梗木「ええ、もちろん」クスッ

    セレス「楽しみにしておきますわ」ニコッ

    鞘園「約束ですからね?」フフッ

    薬富「ああ…もちろんだ」
  16. 16 : : 2014/08/07(木) 22:17:06
    夜〜桔梗木家〜

    ガチャ

    桔梗木「ただいま、お父さん」

    仁「りりちゃん、おかえり」

    仁「どうだった?楽しかったかい?」

    桔梗木「ええ、とっても」

    仁「うん、それならよかった」

    桔梗木「…いいクラスだわ」

    仁「パパは振り回されないようにするのに精一杯かも…」ハハハ

    桔梗木「大丈夫よ
    お父さんなら何とかなるわ」

    仁「…りりちゃん!
    うん!パパ頑張る!」

    桔梗木「ええ、頑張ってね
    …ところで、質問があるんだけど」

    仁「え、どうしたの?」

    桔梗木「どうして霧切って名乗ったの?」

    仁「あぁ…あの苗字のこと?
    パッて思いついたのがあれだったんだよね」

    桔梗木「…そう」

    別に思い出してるわけじゃないのね

    桔梗木「じゃあ、お風呂入ってくるわ
    夜ご飯、何がいい?」

    仁「あ、パパのは一週間抜きじゃなかったの〜?」ニヤニヤ

    桔梗木「…別に抜きでもいいのよ?」ゴゴゴゴゴ

    仁「さーせんした。」
  17. 17 : : 2014/08/07(木) 23:03:21




    なぜ彼は思い出せないのでしょう

    何の変化もないまま2ヶ月が過ぎてしまいましたわ…

    本当に彼は思い出してくれるのでしょうか…

    不安になってきましたわ


    仁「うん、もうすぐ文化祭だね」

    あら、そんな時期ですか

    仁「今日はクラスで何をするかみんなで決めよう!」

    …あら、みなさん前世と言ってること変わってませんわよ クスッ

    近衛嶋「もう、劇でよくね?」

    戦刃「それに賛成だよ!」

    あら?江ノ島さんがそんなこと言ってた記憶がありませんわ…

    なんか劇で決定っぽいですわね

    セレス「テーマは…」

    あららららら? 口が勝手に…

    セレス「桃太郎でよろしいですか?」

    桃太郎なんてダッセぇじゃねぇか!

    ……あー、決まりっぽいですわ

    仕方ありませんわね……

    これはわたくしのせいですから…




    桔梗木「あなたのせいでキジ役よ…キジ」

    戦刃「私は犬だよ…」

    近衛嶋「私様はもちろんナレ!
    傍観者が1番だよね!」

    セレス「わたくしは…え?
    本番の流れで決まる?」

    セレス「…ところで、琴渚君の役は?」

    近衛嶋「木だよ」

    セレス「え、気?」

    戦刃「木だよ!」

    セレス「鬼(き)?あ、鬼ですか?」

    桔梗木「woodよ」ネイティブ

    セレス「は?」


    その後…ぶっつけ本番で桃太郎に昇格

    近衛嶋さん、やることひどすぎですわ…

    桔梗木「ねえ、キジってどう鳴くの?」

    セレス「知りませんわよ!」
  18. 18 : : 2014/08/07(木) 23:19:50
    はぁ…劇疲れましたわ…

    でもアドリブって何だか自然体で楽しいですわね

    また劇ができたらアドリブがいいですわ




    あ、琴渚君…

    何か考え事をしている風…




    琴渚「そうだよ、ボクは苗木って人とは赤の他人なんだよ」




    セレス「…」ピクッ

    …そうか

    こんな単純なことを思いつかないなんて

    変化が見られないのなら…

    …わたくしが変化させればよかったのですね

    待ってるだけじゃ解決しない…

    …やってみる価値はある










    セレス「本当にそうでしょうか?」

    琴渚「セレスさん…」

    琴渚君が振り返る

    ……わたくしのナイトが振り返る
  19. 19 : : 2014/08/07(木) 23:43:53
    まずは揺さぶりをかけましょう

    セレス「あなたは思い出せていませんが、わたくしはあなた方に最期に言ったはずですわ」

    思い出す…最期…

    この2つで揺さぶっt…

    琴渚「最期?まるで死んだみたいな言い方じゃないか!」











    瞬間

    2ヶ月間我慢していたことが

    いいえ、会えなかった間ずっと我慢していた『何か』が弾けた













    ーいい加減にしてよ

    セレス「いい加減…」

    ーいい加減自分と向き合ってよ

    セレス「いい加減思い出せっつってんだよビチグソがぁぁぁあ!!!!!」

    琴渚「!?」

    こうなったら止まらない

    本音が口から溢れ出てくる

    次から次へと溢れ出てくる

    セレス「例え他のみんなが思い出したとしてもなぁ!」

    そう、他は二の次

    セレス「あなたが思い出さなきゃ意味がねぇんだよ!!!」

    あなたが最初に思い出してほしかった

    彼が何か言っている

    でも聞こえない



    聞かない。



    セレス「わたくしはなぁ!あの時!」

    オシオキによって死ぬ間際

    セレス「もう夢なんて捨てていいから
    あなたにもう一度会いたい!」

    セレス「そう願ったんだよ!」

    だけど

    セレス「でも!」

    本当に会えてしまうと

    セレス「会えただけじゃ満足できなかった!!!」

    セレス「だから!」

    お願い

    セレス「だから…いい加減……」

    わたしを思い出して














    セレス「……ごめんなさい
    では、わたくしはこれで失礼しますわ」
    スタスタ

    …やってしまいましたわ

    思わず本音を言ってしまった

    ……でも、それより

    セレス「うっ…うゎぁ…」

    彼に涙を見せたくなかった

    セレス「あぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!」ボロボロ

    今は思い切り泣こう

    そしてスッキリしよう

    セレス「あぁ…うっく…ひっぐ…」ズズッ

    セレス「…あ、あぁ…うぁああああぁぁああん!!!!!!!」ボロボロ



    さっきのわたしの言葉が

    彼の心に…記憶に届いていると信じよう
  20. 20 : : 2014/08/08(金) 00:20:38
    文化祭からしばらく経ったある日

    私はお姉ちゃんに質問した


    近衛嶋「ねえ、アタシたち以外に思い出してる人っているの?」

    戦刃「えーとね…
    桔梗木さん、鞘園さん、セレスさん…
    かな?」

    近衛嶋「だいぶいるじゃねぇーか!」

    戦刃「あれ?言ってなかったっけ?」

    近衛嶋「言ってないよ!教えてよ!
    知らないと思って文化祭前に
    『私様』とか『傍観者』とか桔梗木に言っちゃったよ!」

    戦刃「それって何かマズイの?」

    近衛嶋「絶対バレてるよぉお!!!
    自分から言いたかったのに!!!!」

    戦刃「あ、それなら大丈夫だよ」

    近衛嶋「え、なんで?」

    戦刃「桔梗木さんが前に」

    戦刃「『近衛嶋さんは思い出していないようね』キリッ」

    戦刃「って言ってたから!」

    近衛嶋「お姉ちゃん…それいつの話?」

    戦刃「んーと…4月下旬?」

    近衛嶋「文化祭の準備始まったのは
    5月上旬だよぉぉお!!!!!」

    戦刃「え、それがどうかしたの?」

    近衛嶋「…やっぱあんた残念だわ」

    戦刃「えぇ!?」
  21. 21 : : 2014/08/08(金) 10:40:14
    近衛嶋「まあ、お姉ちゃんが残念なのは昔からだからね、もういいよ」

    戦刃「え、なんで残念って言われ…」



    恐らく桔梗木たちは気づいてる

    だったらもう話した方がいい

    明日の放課後あたり、その3人を呼ぼう


    …怖いな

    嫌われたくないな……

    やっぱり前科が重すぎるからな…

    アタシのこと…信じてくれるかな?



    …いや、アタシは信じてる

    きっとみんなは信じてくれる

    うん、大丈夫だ

    誰かさんみたいに前向きにいこう





    戦刃「ねえ、潤ちゃん聞いてる?」

    近衛嶋「え、あー、ごめん!
    聞いてなかった!」

    戦刃「えぇ!?













    放課後〜教室〜

    近衛嶋「ねえ!桔梗木!」

    桔梗木「あら、どうしたのかしら?」

    近衛嶋「今から時間ある?」

    桔梗木「ええ、あるわよ?
    それで、どうしたの?」

    近衛嶋「…ちょっと話したいことが」

    桔梗木「…鞘園さんとセレスさんも呼びましょうか?」

    近衛嶋「やっぱバレてたか〜」

    桔梗木「そりゃあ、あんなこと言ったらバレるわよ…」

    近衛嶋「ですよねー。」






    放課後〜しばらくしての教室〜

    セレス「珍しいですわね、近衛嶋さんから話したいだなんて」

    鞘園「それで…どうしたんですか?」

    近衛嶋「それは……あの…
    えぇーと……」チラッ

    戦刃(潤ちゃん頑張って!)テンジョウ

    近衛嶋(なんでそんなとこにいるんだよ!
    普通に参加しろよ!)

    桔梗木「…大丈夫?
    無理しないほうがいいんじゃないの?」

    近衛嶋「い、いや!大丈夫!
    アタシから言いたいからさ!」

    桔梗木「…そう」

    近衛嶋「うん…」

    近衛嶋「あの…今日は…」












    江ノ島「江ノ島盾子として話したいの」

    セレス「…」

    舞園「!」

    江ノ島「あのね、信じてもらえないかもしれないけど…」

    江ノ島「死ぬまでアタシは勘違いしてたの」

    セレス「それはどのような?」

    江ノ島「コロシアイ学園生活でさ
    アタシはずっと…みんなの絶望した顔を見て楽しんでいる……そう思ってた」

    江ノ島「でも…死ぬ直前にさ
    気まぐれで自分のことを分析したらさ」

    舞園「分析?」

    桔梗木「あぁ、言ってなかったわね
    江ノ島さんは『超高校級の分析力』という才能を持っているの」

    セレス「具体的にはどのような…?」

    江ノ島「現状を分析して
    未来で起こることはある程度予知できるかな」

    舞園「す…すごい……」

    セレス「なるほど…
    その力で世界を絶望に染めたのですね」

    江ノ島「うん、そゆこと」

    舞園「あ…
    話の腰を折ってごめんなさい…」

    江ノ島「いやいや、全然いいよ!」

    江ノ島「…じゃあ続き話すね」
  22. 22 : : 2014/08/08(金) 13:30:19
    江ノ島「まあ、アタシはね
    死ぬ前に自分を分析したんだよ」

    江ノ島「結局アタシってどんな人間だったのかなって」

    舞園「ど…どんな人間もなにも!」

    霧切「落ち着いて舞園さん」

    江ノ島「うん…そりゃそういう反応だよね……」

    舞園「あ………ごめんなさい…」

    江ノ島「いや、いいの
    それだけのことをしたんだから」

    セレス「それで?
    分析の結果、江ノ島盾子というのはどのような人間だったのですか?」

    江ノ島「…ただの勘違い野郎だったよ」

    江ノ島「さっきも言ったよね?
    みんなの絶望した顔を見て楽しんでた
    そう思ってたって」

    セレス「そうでしたわね」

    江ノ島「でも…本当は違ったんだよ」

    江ノ島「アタシは間違ってた
    本当は私はみんなが死ぬたびに絶望してたんだよ」

    舞園「え?」

    江ノ島「みんなが消えてゆく絶望を
    みんなの絶望した顔を見て楽しんでるって勘違いしてた」

    江ノ島「思えば、失われた2年間で
    みんなのこと大好きになったんだろうね」

    江ノ島「…絶望のためにあそこまでしたアタシが言えることじゃないけど」

    江ノ島「もっと早く気づいてればよかったんだよ…」

    江ノ島「そうすれば…みんな死なずにすんだのに…」


    江ノ島「ごめんなさい…
    本当に…ごめん…なさい…」ポロ

    舞園「江ノ島さん…」

    霧切「…許してあげましょう」

    舞園「……」

    セレス「わたくしは構いません
    過ぎたことですから」

    舞園「……」

    江ノ島「……ありがとう」

    舞園「…わ、わたしは…許せません…」

    霧切「…舞園さん」

    江ノ島「…そ、そうだよね…
    うん、仕方ないよ…」

    舞園「違います!
    別に江ノ島さんの罪をどうこう言ってるわけじゃないんです!」

    セレス「は?」

    舞園「コロシアイ学園生活のせいで記憶が消えて!
    私と苗木きゅんとの大切な時間を忘れてしまったことが許せないんです!」

    舞園「そのせいで…苗木きゅんとまたお友達から始めなきゃいけなく…」オヨヨヨヨ

    戦刃「そこかよっ!」テンジョウ

    霧切「!」ビクッ

    舞園「私にとっては大事なんです!
    あぁ、早く思い出したかった…
    そうすれば…学園生活でも私達は…」

    セレス「いや、そもそもあなた方付き合ってなかったでしょ」

    舞園「」

    江ノ島「…ふふっ」

    舞園「ちょ、江ノ島さん笑わないでくださいよー!」プンプン

    江ノ島「あははは!
    いや、ごめんごめん!」

    心配する必要なんてなかったんだ

    ありがとう、みんな


    戦刃「よかったね、盾子ちゃん」ボソッ
  23. 23 : : 2014/08/08(金) 16:26:43
    ジリリリリリリリ

    桔梗木「目覚ましチョップ!」

    バキッ

    目覚まし時計「解せぬ」


    桔梗木「ふぁ〜…
    気持ちのいい朝だわ…」

    さて、江ノ島さん…もとい近衛嶋さんもこちら側についた

    だんだん勢力は拡大しつつあるわ…

    これなら、思い出させることもきっと…



    桔梗木「…学校の準備しましょ」

    スタスタ

    桔梗木「お父さん、おはよ」

    仁「あぁ、りりちゃんおはよう」

    仁「そういえば、最近学校どうだい?」

    桔梗木「楽しいわよ?」

    仁「うん、それならいいんだ」

    仁「…ちゃんと今を大切にしなさい」

    桔梗木「言われなくても、もちろん」

    仁「それなら…いいんだ」

    桔梗木「…そろそろ行くわね」

    仁「パパより先に出て学校で何をしてるんだい?」

    桔梗木「待ってるのよ」

    仁「パパをかい!」

    桔梗木「…いってきます」

    仁「あー!無視しないで!
    ………いってらっしゃい」












    朝〜教室〜

    今日も射巻君はいるのでしょうね

    ガラガラ

    射巻「おはよう!桔梗木クン!」

    桔梗木「ええ、おはよう射巻君」

    本当…朝から元気ね…













    …琴渚君はまだかしら

    もう遅刻寸前じゃない…



    苗木君…苗木君…苗木君…///

    ガラガラ

    琴渚「みんな!おはよう!」

    桔梗木「あら、n…
    琴渚君おはよう」

    あぶないあぶない…

    思わず苗木君って言ってしまう所だったわ…

    近衛嶋(宣戦布告だよ!)

    近衛嶋「ことなぎーっ!」ダキッ

    琴渚「ちょ!近衛嶋さん!
    くっつかないでよ!」

    近衛嶋「またまた〜!
    満更でもないくせに〜!」ニヤニヤ

    琴渚「そ、それは…///」

    桔梗木「」ガタッ
    琴渚君がたぶらかされてるわ!

    鞘園「」ガタッ
    そ、そんな…私の琴渚君が…

    戦刃「」ガタッ
    潤ちゃんにハグしてもらえるなんて…
    琴渚君うらやましい!

    セレス「」ガタッ
    …体が勝手に動いてしまいましたわ



    しばらくしてお父さんが来て期末考査のことを話したわ

    話し合いの結果、男女で分かれて勉強会をすることになったのだけど…

    近衛嶋「あ、男子の大半が絶望してる」

    女子が全員集まるなんて…

    確認しておくいい機会だわ…
  24. 24 : : 2014/08/08(金) 16:56:14
    勉強会後〜薬富家 白牙 自室〜

    理解出来ていない者に勉強を教えるとなると骨が折れる…

    これが毎日続くのか…

    薬富「…楽しいからいいのだが」

    ブー ブー

    薬富「ん?電話か…
    河都からか…珍しいな」

    薬富「河都か?どうした?」

    河都『…もしもし、白牙様?』

    河都『あ、あの…今から外出できます?』

    薬富「構わんが…どうした?」

    河都『すごく…すごく大切な話があります』

    薬富「そうか…わかった
    …聞かれたくないような内容なら、俺の家で話すか?」

    河都『っー!///
    行きます行きます行かせてください!』

    薬富「わかったわかった…
    車を手配するから…俺の部屋に来い」

    河都『きゃー!夜に白牙様の部屋で2人きりなんてー!
    あ、あんなことやこんなこと…///』

    薬富「しないぞ」

    …それにしても、話とは何だろう















    数十分後

    ガチャ
    河都「…び、白牙様
    お邪魔します……」

    薬富「ああ、入れ」

    河都を椅子に座らせる

    その向かいに俺も座る

    薬富「…それで、話とはなんだ?」

    河都「…白牙様は前世って信じます?」

    薬富「まさか…大事な話ってそれか?」

    河都「は…はい…」

    薬富「断じて信じない」

    河都「…」

    薬富「人が転生するだと?
    フッ…馬鹿馬鹿しい…」

    薬富「まさか河都はそんな夢物語を信じているというのか?」

    河都「…はい…信じています
    というか、あります」

    薬富「なに…?」

    河都「…白牙様も思い出してください
    そして…思い出させてあげてください」

    薬富「…何を言っている?」

    河都「…白牙様」

    河都「いいえ…あえてこう呼ばせてもらいます…」

    腐川「び、白夜様…」

    薬富「…なんだと?」

    薬富「貴様…ッ!
    人の名を愚弄するのk…」

    腐川「…こっ!コロシアイ学園生活!」

    薬富「!?」ズキ

    腐川「未来機関…」

    薬富「…?」ズキ

    なんだこの頭痛は…

    腐川「十神財閥…」

    ー……十神?

    腐川「ちょ…超高校級の御曹司…」

    …なんだ?

    映像が…流れてくる…










    「苗木!早く逃げろ!」

    「嫌だよ!十神クンを残してまでボクは…」

    「霧切はどうする!」

    「!」

    「お前は…あいつと共に歩むのだろう!?」

    「そのために生き残るんだろう!?」

    「十神クン…」

    「…ありがとう」

    「ふっ…愚民が…」

    「…惚れた女を守れなかったんだ
    俺には生きる資格はない」

    「だが、足止めはさせてもらう」

    「ただ1人の友のためにこの命を捧げよう…」

    「…なんですか?
    あなたも僕の邪魔をするんですか?」

    「当たり前だろう愚民が…
    絶望如きが希望に勝てると思うなよ?」

    「…最期になるだろうから名乗っておく」

    「俺は超高校級の御曹司…
    貴様を地獄に葬る者…」












    十神「十神……白夜…だ」
  25. 25 : : 2014/08/08(金) 20:32:12
    十神「…すまなかった」

    腐川「…え?」

    十神「あの時…お前を守れなかった」

    腐川「白夜様…」

    十神「本当にすまなかった…
    腐川…許してくれ」

    腐川「…思い出してくれたんですね」

    十神「ああ、思い出したよ
    俺の前世も、俺の最期も」

    十神「……お前の最期も」

    腐川「あれは…仕方ありませんよ…
    ほとんど不意打ちみたいなものだったんですから…」

    腐川「白夜様がお気になさることじゃ…ありません…」

    十神「…だが……」

    腐川「…でしたら」

    十神「どうした?」

    腐川「…こ、今度こそ守ってくださいませんか?」

    腐川「あたしを…さ…最期まで…///」メソラシ

    十神「………」

    十神「…腐川」

    腐川「あ、ご…ごめんなさい!
    あ、あたしなんかが…白夜様に…
    …ふ…不釣り合いです……よ…ね」

    十神「いいからこっち向け」

    腐川「ひゃ!ひゃい!」クルッ



    チュッ






    腐川「………」

    腐川「」ボフッ

    十神「…これが俺の返事だ」

    十神「……もう…離れないでくれ」

    腐川「びゃ、白夜様…///
    ……あれ?…な、泣いてます?」

    十神「な!泣いているわけないだろう!」メソラシ

    腐川(素直じゃないんだから…)クスッ



    十神「…さて、俺は思い出したぞ」

    十神「思い出させるとはどういうことだ?」

    腐川「…実は…女子全員である計画を練っているんです」

    十神「ほう?どういったものだ?」

    腐川「それは……」
  26. 26 : : 2014/08/08(金) 21:09:19
    数週間後〜放課後〜

    薬富「貴様ら、試験ご苦労だった」

    蓮隠「あー、ありゃ終わったべ」

    奥和「蓮隠に同じく…
    マキシマムアポっすよ……」

    飛珠「それで、話とは何なのですか?」

    藤木「しかも琴渚君抜きなんでしょ?」

    蓮隠「む!見えた!
    みんなで琴渚っちを閉じ込めるべ!」

    オーダン「おいおい、そりゃどーゆーことだ?」

    射巻「風紀が乱れることはごめんだぞ!」

    薬富「うるさいぞ、貴様ら」

    薬富「今から俺が言うことをよーく聞け」

    射巻「うむ!静聴したまえ!」

    薬富「今から貴様らには前世の記憶を取り戻してもらう」

    飛珠「ぶふぉwww何を言い出すかと思えばwww」

    射巻「なに!?前世だと?」

    オーダン「おい薬富…お前、思い出してたのか?」

    藤木「僕達以外にいただなんてびっくりだよぉ!」

    奥和「…アポ?」

    飛珠「お?マジですか?」

    薬富「…少し手間が省けたな
    だが、お前らどうやって…」

    射巻「覚えていないのか?
    僕は入学式の時からオーダンくんを『兄弟』と呼んでいたぞ?」

    オーダン「そうだぜ、薬富?」

    オーダン「…俺は兄弟に会ったことで全部思い出し、藤木に謝った」

    藤木「そして、僕も思い出したんだよぉ
    !」

    薬富「なるほどな…」

    …よし、始めよう

    十神「少々荒療治になる…
    ショックを受ける者もいるだろう…」

    十神「貴様ら3人はそいつらの支えになってくれ」

    石丸「うむ!了解した!」

    大和田「てめぇは気に食わねぇが仕方ねぇ」

    不二咲「うん!分かったよぉ!」

    十神「さあ、始めるぞ」
  27. 27 : : 2014/08/08(金) 21:54:30
    やっぱりショックの人はいるんだよなぁ…
  28. 28 : : 2014/08/08(金) 23:25:49
    不二咲「でも、どうやって思い出させるのぉ?」

    大和田「俺たちみたいに上手くいくとは思えねぇんだが…」

    十神「そうだろうな…
    これはジェノサイダーからの情報なのだがな」

    十神「前世で衝撃的だったことを提示すればそれが思い出すきっかけになるらしい」

    石丸「む?ジェノサイダー翔くんも思い出しているのか?」

    十神「あいつは特別で、前世の記憶を引き継いで転生するそうだ」

    大和田「すげぇなそりゃ!」

    十神「ちなみに、女子は全員思い出しているぞ」

    石丸「な!全員か!」

    奥和「な、なぁ…
    分かるように説明してくれねぇか?」

    飛珠「何がなんだかさっぱりですぞ」

    蓮隠「だべ」

    十神「…実際に見た方が早いだろう」

    十神「おい、蓮隠
    貴様は誰に殺された?」

    不二咲「え!?葉隠君もコロシアイに巻き込まれたのぉ!?」

    蓮隠「なに言ってんだべ
    俺はまだ生きてんぞ!」

    十神「結局、
    俺、腐川、苗木、霧切、朝日奈」

    十神「…そして貴様はコロシアイ学園生活を生き延びただろう?」

    蓮隠「…頭痛くなってきたべ」ズキ

    十神「脱出した後、貴様はどうなった
    言ってみろ」

    蓮隠「詳しくはわかんねぇけど…
    なんか保護されたべ」

    十神「未来機関に保護されたんだ」

    蓮隠「未来…機関……」ズキッ

    十神「さあ、最後の仕上げだ
    貴様は未来機関に保護された後どうなった」

    十神「……言え」

    蓮隠「…俺は」












    「朝日奈っち!」

    「お、お前ぇ人間じゃねぇべ!」

    「どうとでも言ってください」

    「…ん?なんか俺の体に刺さってるべ」

    「これなんだべ?」

    「僕の腕です」

    「あ、抜いたら死にますよ?
    心臓突き刺してますから」

    「は?」

    「……マジに…人間じゃねぇ…べ」










    蓮隠「確か……最初に…」

    葉隠「朝日奈っちが目の前で死んだべ」

    葉隠「そんでその後俺も心臓ひとつき…」

    葉隠「…あぁ、前世ってそういうこと」

    葉隠「最期はこんな感じだべ」

    十神「…思い出したようだな」

    十神「そしてすまない
    衝撃的なことと言えば各々の最期しか思い浮かばなかった…」

    葉隠「いやいいんだべいいんだべ」

    葉隠「コロシアイっていう単語が出た時点で思い出せなかった俺が悪い」

    奥和「…アポ?」

    飛珠「わけわかめですぞ…」
  29. 29 : : 2014/08/08(金) 23:51:13
    読んでるとすごく引き摺り込まれます...!
    この後の展開に期待です...!!!
  30. 30 : : 2014/08/09(土) 00:09:01
    >>27
    ナナミィさんコメントありがとうございます!
    その点は気長にお待ちくださいませ…


    >>29
    モルニンさんコメントありがとうございます!
    期待に応えられるよう頑張ります!

















    十神「飛珠…次は貴様だ
    セレスと聞いて貴様は何も思い出せないのか?」

    飛珠「は?セレス殿?
    セレスティア・ルーデンベルク殿?」

    十神「そうだ、そいつだ」

    十神「いいか、俺の言うことを復唱しろ」

    飛珠「は、はぁ…」

    十神「ぶひぃ!セレス殿!ロイヤルミルクティーを淹れてまいりましたぞぉ!」

    不二咲「ぶっwwww」

    石丸「な、十神くんwww」

    大和田「ちょwww腹いてぇwwww」

    蓮隠「にwww似てるべwwwwww」

    奥和「…薬富がおかしくなった」

    飛珠「……え?今の一瞬で覚え切れるわけないじゃないですか…」

    十神「…いいから言ってみろ
    恥ずかしいからもう言いたくない」///

    飛珠「ぶひぃ!セレス殿!ロイヤルミルクティーを淹れてまいりましたぞぉ!」

    飛珠「…え?」

    奥和「はぁ!?」

    十神「そりゃあ毎日言ってたからな…
    言えて当たり前だろう」
  31. 31 : : 2014/08/09(土) 00:35:48
    十神wwww
  32. 32 : : 2014/08/09(土) 00:37:19
    あー…

    めちゃくちゃ頭痛いですぞ…

    なに?ホントに前世って存在すんの?

    クソワロwwwwwwww

    …なんて言えないなこりゃ

    これ洒落にならない記憶ですぞ

    …あー、ショック受けるってそういう




    ……









    山田「…思い出しましたぞ」

    葉隠「マジでか!?」

    不二咲「えぇ!」

    大和田「かー、愛の力ってか?」

    石丸「素晴らしいじゃないか!」

    山田「どちらかと言うと下僕の心ですぞ」

    十神「もう愛の力ってことでいいだろう…」

    山田「そんな綺麗な物じゃありませんぞー」

    奥和「…飛珠もかよ」


    十神「さあ、奥和…」

    十神「ここまでは順調にいったが…
    貴様のは相当大変だ」

    奥和「え?なんでだ?」

    十神「いや、思い出させること自体は全然楽なんだがな…
    相当ショックを受けるだろう」

    十神「…すまないな、こんなことに付き合わせて」

    奥和「言ってる意味がわかんねー!」

    奥和「分かるように説明しやがれ!」

    奥和「アホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホア」

    十神「…千本ノック」

    奥和「アホア………あぁ?」
  33. 33 : : 2014/08/09(土) 00:44:37
    あー、ここからグロ注意かもです

    今日の更新は一応ここまで!

    また明日お会いしましょう!

  34. 34 : : 2014/08/09(土) 00:49:35
    やっぱ桑田(奥和)か……
    次の更新も楽しみに待っています!
  35. 35 : : 2014/08/09(土) 09:53:01
    >>29
    あぁぁ、誤字が!「引き込まれる」です!!
  36. 36 : : 2014/08/09(土) 13:18:33
    こんにちは!

    ほんの少しですが更新していきます!

    そして去ります(´・д・)






    奥和「…は?」

    千本ノック?

    …い、痛い……

    身体中が痛い………

    ような気がする

    別に外傷はない…

    うん、ないはずだ

    ………あ?

    い、痛い…

    痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


    奥和「あ〝ぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!」

    十神「!?」

    奥和「痛ぇ!痛ぇよぉ!!!
    お、おい見てないで助けてくれぇぇえぇぇぇぇえええええ!!!!!!」

    奥和「ボ、ボールがぁ!!!
    野球ボールがこっちに…たくさ…」

    奥和「いやだぁぁぁぁぁあ!!!!」

    桑田「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!!」

    桑田「俺が…俺が悪かったからぁぁぁあ!!!!!!!!!」

    十神「落ち着け!」

    桑田「ぁ…………ゆ、夢?」

    十神「違う、お前にとっての現実だ」

    桑田「と、十神ぃ……!
    俺は…!俺は舞園を…!!!」

    桑田「し…!仕方なかったんだ!
    あ、あいつが襲ってきて!」

    十神「…だがお前は
    無理矢理ドアを開け、震える舞園を刺した」

    十神「いつまで罪から目を背ける
    いい加減に受け入れろ」

    桑田「あ…あ…」
  37. 37 : : 2014/08/09(土) 18:16:52
    桑田「あ…ぃ…ゃ…嫌だ!嫌だよお!
    オシオキされたくねぇよ!!!」

    十神「もうコロシアイ学園生活などない!」

    十神「だから落ち着け!」

    桑田「あ…あぁ…!やめろ!やめろ!
    そ、そんなの認めねぇ!」

    桑田「あ、あほ!
    あほあほあほあほあほあホあほアほアホアホあホアほアホアホあホアほアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホ!!!!!!!!!!!!!」

    桑田「俺は!!!悪くねぇ!!!」

    桑田「わ…!悪いのは…!悪いのは…!!!」

    大和田「…悪いのは誰だ
    言ってみやがれ」

    桑田「は、はぁ!?
    そんなの!ま…!舞園!舞園に…!」

    大和田「…おい桑田
    歯ァ食いしばれ」

    桑田「な…なんだよ!来るな!」

    バキッ

    桑田「…あ……は」

    大和田「てめぇはそんなクズ野郎だったのかよ桑田!アァ!?」

    大和田「舞園が悪かっただと…?
    もっぺん言ってみやがれ!」

    大和田「次それ言ったらブチ殺す!」

    桑田「………っ」

    十神「なぜ殴られたのか分かっていないみたいだな…」

    桑田「と…!当然だ!
    あいつがあんなことしなけりゃ俺だって殺しなんてしなかった!!!」

    桑田「俺はある意味…!
    あいつを…!舞園を恨んでる!」

    十神「だったら貴様はオシオキされる以前に苗木に殺されてるよ」

    桑田「…は?」

    十神「貴様が殺されてもおかしくないようなことをしてるからな」

    桑田「な!あいつは!
    憎むべきは黒幕だって…!」

    十神「……そんな綺麗事まだ言っているのか?」

    桑田「は、はぁ!?」

    十神「あんなの貴様を安心させるための嘘に決まっているだろう!!!」

    十神「いや、あいつは本気であれを言っていた!だがな!」

    十神「貴様への憎しみは確かにあいつの心の中にあった!」

    十神「貴様は気づかなかったのか!?」

    十神「貴様が犯人と確信した時のあいつの顔を!」

    桑田「…へ?」

    十神「あいつはな!ゴミを見るような目で貴様を見ていた!」

    桑田「そ…!そんな!」

    十神「…これでわかっただろう!?
    貴様がどれほどのことをしたのか!」

    桑田「ち…ちが…!悪いのは……!
    ま…!舞ぞ……く…黒ま………」

    お………れ?


    桑田「ああああアああぁぁァァぁぁぁぁぁァぁアァァァァア!!!!!!!!
  38. 38 : : 2014/08/09(土) 19:29:56
    …俺が悪かったのか?

    俺が逆上して舞園を殺したから?

    だから俺…オシオキされたのか?

    全部俺のせいだったのか?

    …いや!違う!

    全てが俺のせいじゃない!

    そう………思いたい…


    「うぷぷぷぷ…まだ犯した罪を受け止めきれていないの?」

    …聞き覚えのある嫌な声

    「なら…そんなキミにはまたオシオキしてあげないといけないかなぁ」

    ………は?

    「では!
    今回も!!!
    超高校級の野球選手である!」

    …やめ

    「桑田怜恩クンのために!」

    …やめてくれ

    「スペシャルなオシオキを!」

    …嫌だ

    「用意しましたー!!!」

    桑田「嫌だぁぁぁあ!!!!!!」






    「それは違うよっ!」






















    桑田「な!」ガバッ

    十神「…目覚めたか」

    桑田「…あ、あれ?俺……」

    十神「あまりにもショックが強すぎたようだ…
    気絶して1時間ほど寝ていたぞ」


    目覚めるまで待っててくれたのか…

    桑田「……サンキュー」

    十神「…礼はいい」

    ………


    桑田「なあ、十神」

    十神「…どうした?」

    桑田「俺はどうすればいい?」

    十神「それは自分で考えるべきじゃないのか?」

    桑田「…あぁ、そうだよな」

    桑田「………ならよ」

    桑田「一体、どうすればよかったんだろうな」
  39. 39 : : 2014/08/09(土) 22:02:49
    私たちの学校も夏休みに入ったわ

    でも、やらなきゃいけないことがある

    遊んじゃいられないわ…



    ……待っててね…誠君












    夏休み初日〜薬富家 白牙 自室〜

    十神「今日来てもらったのは他でもない、『Re : コロシアイ学園生活』
    の話し合いだ」

    十神「今日からしばらくは作戦のため、俺たちは78期生として集おう」

    十神「異論はないか?」

    アリマセーン

    十神「…なら、話し合いを始めるぞ」




    十神「今回は、俺達の中で片付いていないことをメインに話そう」

    十神「作戦の話し合いは後日だ」

    朝日奈「それってどういうこと?」

    十神「それはな…
    桑田………いけるな?」

    桑田「…あぁ」







    桑田「舞園ちゃん…
    言いたいことがある」

    舞園「…私も桑田君に言いたいことがあります」

    桑田「まずは俺から言わせてくれ」




    桑田「本当にすまなかった」

    桑田君は頭を下げて……続けます

    桑田「俺がもっと我慢できるやつだったら…大人だったら…」

    桑田「舞園ちゃんを殺さずに済んだのに…」

    桑田「俺の心が弱かったから…
    そのせいで……舞園ちゃんを…」ボロボロ



    舞園「…私だって」

    舞園「本当にごめんなさい!」

    …え?舞園ちゃんが謝ってる?

    舞園「外に出たいという理由で…
    桑田君を殺そうとしたこと…」

    舞園「そして…そのせいで……
    桑田君がオシオキされたとも聞きました……」

    桑田「…」

    舞園「私…ずっとあなたに謝りたかった……
    そしてみんなにも…」

    葉隠「…なんでだべ?」

    舞園「私がコロシアイ学園生活の口火を切ったんじゃないかって…」

    舞園「ずっとそう考えていたからです…」

    舞園「私が桑田君を殺そうとしなければ…
    コロシアイ学園生活は起きなかったんじゃないかって……ずっと…」ポロ

    舞園「…だから私決めたんです」

    舞園「みんなの役に立ちたい」

    舞園「役に立つことで罪滅ぼしをしたい!」

    舞園「……許してくれとは言いません」

    舞園「私はみんなの役に立ちたいんです!」

    舞園「お願いします!」

    桑田「お!俺も!」

    舞園「桑田君…」

    桑田「…俺にできることがあったらやらせてほしい……」

    桑田「それが…クロとしてのけじめだ」


    十神「ああ、わかった
    お前たちの決意は受け取った」

    十神「…貴様らはそれでいいか?」

    朝日奈「なんだかその言い方だと
    桑田と舞園ちゃんを『使う』みたいに聞こえちゃうよ!」

    葉隠「違ぇぞ!
    俺たちは『一緒』に頑張るんだ!」

    腐川「わっ…わかったら返事しなさいよ…!」

    舞園「…」ボロボロ

    桑田「…ちょ、泣かせるこというな…よ……エグッ」

    十神「……もう大丈夫だな」



    セレス「…ならば、次はわたくしの番です」

    山田「セレス殿…」

    石丸「…」
  40. 40 : : 2014/08/09(土) 22:21:57
    セレス「山田君、石丸君、お二人には謝らなければなりません…」

    山田「セレス殿!
    しかし石丸清多夏殿は拙者が…!」

    セレス「いいのです
    そそのかしたのは…わたくしなのですから…」













    セレス「…本当にすみませんでした」

    セレス「わたくしは…死ぬ間際にやっと…仲間の大切さに気づきました」

    セレス「ずっとずっと前から決めていましたの…
    2人には謝るって…」

    石丸「セレス君…」

    セレス「もちろん、許してくれなんて言いませんわ」



    セレス「ただ、もうわたくしは夢を捨て、今を大切にする」

    セレス「それを信じてほしいだけです」




    山田「…石丸清多夏殿
    すんませんたぁ!!!」

    山田「拙者が冷静さをかいて…
    石丸清多夏殿を…あんなことを…」

    石丸「いいのだよ…」

    山田「…え?」

    石丸「僕はアレに執着しすぎていた…

    山田「…」

    山田「僕もそうですぞ」

    山田「アレに恋した僕が悪いのです」

    山田「拙者たちはセレス殿を許します…
    そして、信じます…」

    石丸「ああ!無論、信じているぞ!」








    許してくれない…なんて

    杞憂でしたわね

    セレス「…ありがとうございます」
  41. 41 : : 2014/08/09(土) 22:36:17
    江ノ島「えーと…次はアタシ」

    江ノ島「…一応言っておくね」

    江ノ島「アタシが、『人類史上最低最悪の絶望的事件』を引き起こして
    みんなを閉じ込めた張本人…なの」

    江ノ島「みんなとコロシアイ学園生活を送っていたのは…」

    戦刃「…盾子ちゃんに変装した私です」

    桑田「あぁ、だから雰囲気違ったのか」

    大和田「納得だぜ!」

    江ノ島「…え?反応軽くね?」

    桑田「当たり前だろ!
    お前にはむしろ感謝してるんだぜ?」

    大和田「やり方はアレとはいえ
    ダチ、命…そして日常の大切さを教えてくれたじゃねぇか」

    山田「まあ、こうやって転生できたからこそのセリフですな」

    不二咲「僕が強くなれたのも、江ノ島さんとの戦いがあってのことだよぉ!」

    葉隠「む!出たべ!
    お前らのことは信じていい!
    俺の占いは9割9分当たる!」

    大神「我も断言しよう
    今のお主らからは邪気は感じられない」

    朝日奈「こうやって転生できたから、みんなもコロシアイ学園生活がトラウマにならなかったんだよね!」

    腐川「…あんたのお陰でアイツとも仲良くなれたりしたのよ」

    舞園「私達の絆の力ですね!」

    セレス「…悪くないですわ」

    十神「まあ、貴様らのやったことは償いきれることじゃない………が」

    霧切「罪を受け入れたあなた達を責める人間は、ここにはいないわ
    だから、一緒に頑張りましょう?」

    江ノ島「…みんな」

    戦刃「………」













    江ノ島・戦刃「……うん!」
  42. 42 : : 2014/08/09(土) 23:02:07
    十神「さて、謝罪はみんは終わったな…」

    十神「次はコロシアイの後の話だ」

    十神「ここからはよく分かっていない人間が多数だ」

    十神「生き残り組で丁寧に説明していこう」

    山田「よろしく頼みますぞ!」

    セレス「ここからが何も分からないのです…」

    石丸「では!静聴したまえ!」










    十神「結局生き残ったのは、
    俺、腐川、苗木、霧切、朝日奈、葉隠
    の6人だった」

    十神「俺たちは希望ヶ峰学園を脱出した後、希望を諦めなかった連中が創った機関…通称『未来機関』に保護された」

    十神「そこで、コロシアイ学園生活での資料やら何やらを纏めるという作業ばかりを繰り返していたわけだ」

    十神「…そんなある日、江ノ島が死んでもなお絶望を振りまく輩…」

    十神「俺たちは『絶望の残党』と呼んでいたが…」

    江ノ島「…ね、ねぇ十神……
    そいつらってまさか…」

    十神「あぁ…
    俺たちの1つ上の先輩方だ」

    江ノ島「やっぱり…」

    十神「それで、未来機関は『絶望の残党』を捕らえることに成功した」

    十神「上は先輩方を抹殺しろと言い出す始末…」

    不二咲「ど、どうしてそんなこと…」

    十神「上の人間共が
    絶望は一人残らず抹殺するべきだ
    と考えていたからな…」

    舞園「ひ、ひどいです…」

    十神「そこで、苗木が考えたわけだ
    『絶望を抹殺するのなら、先輩方を絶望から救い出せばいい』
    とな」

    十神「そこで俺たちは上の反対を押し切って先輩方を絶望から救う計画を始動した」

    十神「それが『希望更生プログラム』だ」
  43. 43 : : 2014/08/09(土) 23:33:38
    桑田「…なんだそりゃ?」

    十神「先輩方が絶望だった頃の記憶を消し、仮想空間で友情を深め合ってもらう…というものだ」

    戦刃「か…かそうくうかん?」

    十神「その辺りは追って説明する」

    霧切「プログラム作成時、アルターエゴも手伝ってくれたのよ」

    朝日奈「というか、ほとんどアルターエゴだったよね…」

    不二咲「そうなの!?
    みんなの役に立てたんだねぇ!」

    不二咲「あ、十神君質問があるんだけど」

    十神「どうした?」

    不二咲「そんな大掛かりなプログラム…稼働させる機械はあったのぉ?」

    十神「未来機関がそこらへんは資金提供してくれた…が」

    江ノ島「…なんか怪しい機関だね」

    十神「やはりそう思うだろう?
    俺も正直信用していなかった」

    十神「ちなみに、仮想空間というのは
    実際にはない空間のことだ」

    葉隠「まあ、そのままだべ」

    十神「あの時、先輩方には1人につき一つ、カプセルに入ってもらって…」

    十神「プログラムによって脳に信号を送り、先輩方の脳をリゾート地にいるよう思い込ませた」

    十神「もちろんリゾート地などはプログラムで、先輩方はプログラムの中で生活してもらったわけだ」

    大和田「わかんねぇが…わかった」

    山田「ふ…ふむふむ?」

    桑田「…アポ?」

    十神「……そうだ!思いついたぞ!」

    腐川「ど、どうしたのですか…?」

    十神「不二咲!
    仮想空間をプログラミングできるか!?」

    不二咲「え、まさか…希望ヶ峰学園の?」

    十神「そういうことだ!」

    葉隠「…どういうことだべ?」

    大和田「さすがに俺でも分かったぞ…」

    桑田「葉隠…」

    不二咲「できなくもないけど、3日か4日はかかるかも…」

    十神「その程度でなら上出来だ!
    機械等は薬富家が負担する!」

    不二咲「それなら今からとりかかるよ!」ダッ

    十神「俺も掛け合ってくる!」ダッ

    葉隠「…説明してくれ」

    腐川「…び、白夜様は確か…
    『コロシアイの再現は構わんが、舞台にする場所をどうるか…』
    とおっしゃっていたわ…」

    葉隠「…それで?」

    江ノ島「新しい土地に『希望ヶ峰学園』を建てようとしても時間もコストもかかる…」

    セレス「なら…どうすればすぐに
    Re : コロシアイ学園生活を始められるか…」


    舞園「そこで十神君は思いついたんです!Re : コロシアイの舞台を仮想空間にしちゃえばいいんだ!
    ってことに!」
  44. 44 : : 2014/08/10(日) 15:21:08
    再開していきます!

    更新遅くてごめんなさい…












    3日後〜薬富 ホール〜

    不二咲「やっと完成したぁ…
    アルターエゴとも確認したけど
    バグは見当たらなかったよぉ!」

    十神「ご苦労だった…
    寝てないだろう?休んでこい」

    不二咲「そうさせてもらうねぇ!」

    山田「お疲れ様ですぞ!」

    桑田「ゆっくり休めよ〜!」

    不二咲「うん!みんなおやすみ〜」スタスタ


    霧切「…さて、本格的に話し合いを始めましょう」

    セレス「と、言いましても…
    コロシアイ学園生活の頃を演じればよいのですよね?」

    十神「まあ…そうなるな」

    朝日奈「再現ってことはさ…」

    霧切「どうしたの?」

    朝日奈「…死んでもらうってことだよね?」

    桑田「…」

    葉隠「仮想空間での死って…」

    十神「安心しろ
    今回は死んだようにみせかけた映像を
    アルターエゴに送信してもらうようになっている」

    十神「オシオキの時も、琴渚のみにその映像を送信してもらう」

    山田「拙者たちは見ているフリをすればよいってことですな!」

    十神「そういうことだ」

    霧切「死んだことにされた人は、先に現実に戻ってもらうわ」

    朝日奈「現実でRe : コロシアイ学園生活をモニタリングしてるんだね!」

    葉隠「なるほどな」

    腐川「あ、ち、ちょっといい?」

    霧切「どうしたの?」

    腐川「じ…ジェノサイダーの奴は表に出さなきゃいけない時あるわよね?」

    十神「無論、そうなるな」

    腐川「じ…じゃあ…ジェノサイダーにもこの計画伝えなきゃですよね…」

    セレス「もちろんですわ」

    腐川「…あいつが素直に言うこと聞くとも思えなくて……」

    桑田「た…確かにそうだな…」

    十神「…おい腐川
    ジェノサイダーを呼べ」

    腐川「あ…うん……ヘクチッ」





    バタッ






    ジェノ「んで、何用かしらねぇ?
    …ってうわ勢ぞろい!」

    十神「おい、ジェノサイダー聞け」

    ジェノ「あら?白夜様!!!
    どしたん?」

    十神「貴様は『Re : コロシアイ学園生活』のことは分かっているな?」

    ジェノ「あー、まこぴー復活大作戦のこと?」

    十神「それだ…
    …………どうか何も予定外のことをしないでくれ…」

    舞園「十神君…」

    ジェノ「白夜様が頭下げてる!
    そんなに大事なことなのねん!」

    ジェノ「んー、わかった!
    まこぴょんがアタシのこと忘れてるってのもなんかイラッとくるし!」

    ジェノ「余計なことはしないどいて
    あ げ る♥︎」

    十神「…ありがとう」

    大神「やはり十神の言うことは聞くのだな…」

    ジェノ「まあ白夜様だし!
    そんなのあたりm…ブェックシ!!!」



    腐川「…どう?終わった?」

    十神「あぁ…何とかなった」

    腐川「ならよかった…」

    山田「そういえば…なぜタメ口…」

    桑田「んなもん一々聞かなくていいんだよっ!」ボソッ

    大神「朝日奈よ…あやつらは恋仲であっだろうか?」ボソッ

    朝日奈「少なくとも前世では違ったよ」ボソッ

    大和田「…んで、質問なんだがよ」

    十神「どうした?」

    大和田「どうやってその…かそうくうかん?とやらに行くんだ?」

    十神「そこにあるカプセル型の装置に1人1人入ってもらう」

    大神「全部で16台…
    我らの数と一致するな」

    十神「そこで寝てもらうだけだ」

    大和田「それだけか!」

    石丸「僕も質問をしたいのだが、よろしいだろうか?」

    霧切「ええ、構わないわ」

    石丸「生き残った組はどうやって現実に戻ってくるのだ?」

    霧切「学園の玄関が開いた時点で
    現実に戻るプログラムが施されているわ」

    葉隠「俺でも分かる安心設計だべ!」

    江ノ島「あ、そうだアタシも」

    十神「ん?どうした?」

    江ノ島「アタシってモノクマ動かす役だよね?」

    十神「まあ、そうなるだろうな」

    江ノ島「…うん、ならお姉ちゃんがまたアタシ役だよ」

    戦刃「えー!
    あれお化粧とか大変なんだよ!」

    江ノ島「仕方ないじゃん!
    今回はアタシも手伝ってあげるからさ!」

    戦刃「うん…わかった…」

    十神「さて、質問はこのぐらいか?」

    十神「作戦本番は4日後だ!
    3日後の夜にまたここに集合!」

    十神「それまではゆっくり休んでおけ!」

    十神「それでは解散!」
  45. 45 : : 2014/08/10(日) 15:49:22
    3日後〜昼 住宅街〜



    舞園「あ、琴渚君のご家族に琴渚君をお借りすることを伝えないとですね!」

    別に琴渚君の家にお邪魔したいとかそういうわけじゃなくてですね!

    舞園「…といっても……
    家知らないんですよね…」スタスタ

    こまる「あ!鞘園さん!」

    舞園「ん?こまるちゃん!
    久しぶりですね!」

    琴渚君の妹…琴渚こまるちゃんとは
    文化祭の時にお会いしてたんです!

    こまる「あれ?どうしてこんなとこに?」

    舞園「ちょっと琴渚君の家を探しててですね…」

    こまる「私の家ですか?」

    舞園「はい、そうなりますね…
    こまるちゃん…家の場所知りませんか?」

    こまる「だから私の家ですって!」

    舞園「はっ!」












    数分後〜琴渚家 リビング〜

    母「ごめんなさいね〜
    恵真はゲーム買いに行っててね」

    こまる「そのまま物色するからしばらく帰ってこないって言ってたよ!」

    舞園「ご都合展開!」

    舞園「…あ、いけないいけない
    いや、今日はお二人にお話が……」

    母「え、なに?
    恵真と結婚する予定とかそんな話?」

    舞園「違いますよぉ〜////
    まだそんなお話できませんって〜///」

    こまる("まだ"なんだ…)

    舞園「それで、今日伺ったのは
    明日から行われるクラスメイトでの合宿のお話のためです!」

    母「合宿?」

    舞園「はい!
    それで、2〜3週間ほどお泊りすることになったんですが…いいですか?」

    母「全然いいわよ〜」

    舞園「かるっ」

    こまる「何かと放任主義だからね〜」

    舞園「なら安心しました!
    …で、ここからなんですけど」

    母「ん?どうしたの?」

    舞園「このことを琴渚君には内緒にしてほしいんです!」

    こまる「サプライズってやつだね!」

    母「あの子も愛されてるのね〜」

    舞園「な!///
    そりゃあ愛してますけど…///」

    こまる(あ、ダメだこいつ)

    こまる「つまり、お兄ちゃんには合宿のこと内緒にしとけばいいんだね!」

    母「任せなさい!」

    舞園「ありがとうございます!」

    これで一安心ですね!
  46. 46 : : 2014/08/10(日) 17:45:28
    数時間後〜夜〜



    腐川「白夜様…
    この作戦上手くいくのかしら…?」

    十神「そんな弱気でどうする…
    あと、2人きりの時は『白夜君』だろ?」

    十神「別に呼び捨てでも構わんぞ?」

    腐川「そ、そんな!呼び捨てはあたしの性に合わないし…!」

    十神「…冬子」チュッ

    腐川「…んむっ」///











    山田「なんてことをしてた気がしますぞ」

    桑田「まさかそんなわけ…」ハハッ

    石丸「ふ!不純だ!」

    大和田「可能性の話だぜ?」

    十神「そ、そうだぞ!
    可能性だぞ可能性!」ダラダラ

    葉隠「お?
    腐川っちも十神っちもなんで冷や汗かいてんだ?」

    腐川「」ダラダラダラ

    セレス「これは…クロですわね」

    江ノ島「きゃーっ!///」

    戦刃「」

    朝日奈「甘ーーーー!!!!」モグモグ

    大神「朝日奈よ…
    それはドーナツのことを言っているのか?」

    舞園「わたしも…なえぎくんと…」ブツブツ

    霧切「すみませーん
    枕園さんがうるさいでーす」

    十神「貴様らがうるさいぞ!!!」


    十神「明日の朝俺がBBQってことにして琴渚にメール送っとくから…」

    十神「…あ、明日の流れをざっと説明しておくぞ」

    十神「明日の朝から、薬富家の門には強力な睡眠ガスが撒かれる」

    十神「少しでも吸ったら一瞬でおねんねだ」

    霧切「あの時の再現ってわけね」

    大和田「ところで、不二咲はどこいった?」

    十神「プログラムの最終チェックを行っている…
    何から何まで助かるな」

    セレス「ほんと…丸くなりましたわね…」

    十神「…だまれ」ハァ

    霧切「でも、眠らせてその後どうするの?」

    十神「琴渚が眠ったら、大神にここまで運んできてもらいたい」

    大神「うむ、任せておけ」

    十神「そして、琴渚と大神が到着次第、すぐにプログラムを起動させる」

    十神「そして、貴様らもカプセルに入ってもらってみんなでおねんねだ」

    十神「こんなもんだ
    よし、もう寝ろよ」

    桑田「あー!
    からかわれたくないからって!」

    十神「そ、そんなわけ!」

    朝日奈「腐川ちゃんは十神と寝るんでしょ?」モグモグ

    腐川「…は、はぁ!?」

    江ノ島「よーし!
    そうと決まればさっさと出て行こう!」ニヤニヤ

    大神「…頑張るのだぞ」ニヤニヤ

    腐川「なにを!?」

    ジャネー
    オヤスミー

    十神「……みんな…いってしまったな」

    腐川「…うん」

    十神「…寝るか」

    腐川「…うん」
  47. 47 : : 2014/08/10(日) 19:50:49
    本編の途中ですが…

    たけのこまんじゅうよりお知らせです!

    http://www.ssnote.net/groups/708/archives/1

    ↑グループコミュニティなるものを作成してみました

    質問等がある方はこちらへご参加くださいませ
  48. 48 : : 2014/08/10(日) 20:06:21
    それでは再開です!
    …やっとこさ終盤です!
    めげずに頑張ります!!!












    次の日

    十神「さて、貴様ら…
    始めるぞ」

    ゴク…

    十神「さてと話し合いだが…
    ……おっと琴渚が来たようだ」

    大神「では、行ってくるぞ」スタスタ

    朝日奈「予定より早い到着だったね」

    十神「遅刻しないよう気をつけたんだろうな」

    石丸「学校も遅刻ギリギリじゃないよつにしてほしいのだが…」

    江ノ島「そりゃ無理な相談だろうね」

    霧切「大丈夫よ…
    これからは毎日私が彼を起こしてあげるのだから」

    舞園「霧切さん…お話しましょう?」ニコッ

    セレス「あらぁ奇遇ですわねぇ
    わたくしも丁度お話したかったんですのぉ」ニコッ

    戦刃「…琴渚君は渡さないよ」ゴゴゴ

    葉隠「目が笑ってねぇべ」

    山田「禿同」

    桑田「アポ?」

    腐川(あ、あたしもいつか白夜君とそんな関係に…)チラッ

    大神「連れてきたぞ」

    大和田「早かったな」

    十神「不二咲!プログラムの起動だ!」

    不二咲「うん!わかったよぉ!」

    十神「さて、俺たちはカプセルに入るぞ」

    ワータノシミー
    ダベ

    不二咲「うん!
    問題なく作動したよぉ!」

    アルターエゴ『ご主人タマもカプセルに入って!』

    不二咲「わかった!
    後は任せたからねぇ!」

    アルターエゴ『うん!
    ……16人全員の存在を確認』

    『脳との接続を確認……クリア
    プログラムの挙動、及びアバターの最適化……クリア』

    『これより Re : コロシアイ学園生活
    プログラムを開始します…
    カウント開始……10…9…8…』

    待っててね、誠君

    『7…6…5…』

    絶対に思い出させてあげる

    『4…3…』

    今度こそ

    『2…』

    一人ぼっちになんかしないから

    『1…』

    この学園生活が無事に終了したら…

    『プログラム開始!!!』














    ー暗転
  49. 49 : : 2014/08/10(日) 21:43:25
    …なにここ?

    真っ暗……ん?

    なにか聞こえる…

    「…さ…」



    「き……こさ…」

    …誰?

    「きょ…こさ…」

    霧切「誰?」

    「響子さん」

    霧切「!」

    苗木「久しぶりだね」

    霧切「え…誠くん?」

    霧切「思い出したの…?」

    苗木「残念ながら…それは違うよ」

    苗木「なんでか分からないけど、プログラムに入る前に響子さんに干渉できてね」

    霧切「え、それって思い出してるってことじゃ…」

    苗木「今のボクはもうひとつの人格みたいな扱いなんだよね…」

    苗木「あ、でも大丈夫
    ボクを思い出すことで琴渚クンの人格が消えるとかじゃないから」

    霧切「…誠君」

    苗木「もう…しょうがないなあ」

    ギュ

    苗木「ボクのためにここまでしてくれてありがとう」

    苗木「ここでのことは夢として捉えてね」

    霧切「誠くん…」ポロッ

    苗木「おっと、そろそろ時間か」

    苗木「じゃあね、響子さん」

    霧切「必ず、また会いましょう」

    苗木「うん、必ず」












    十神「おい霧切!
    いつまで寝ているんだ貴様は!」

    霧切「…あら、十神君おはよう」

    石丸「おはようございます!」

    舞園「このセーラー懐かしいです!」

    桑田「舞園ちゃん!似合ってる!」

    セレス「やはりこのゴスロリに限りますわ…」

    大神「だが…この場所なのが何ともな」

    不二咲「うん、ここは体育館みたいだねぇ」

    大和田「あぁ…そうか
    不二咲は女装じゃないといけねぇのか」

    山田「おー!このリュック!
    …なぜ中身まで再現されておるのですか?」

    モノクマ「それはボクの分析で出た結果です!」

    葉隠「ひぃ!モノクマだべぇ!」

    江ノ島(戦刃)「あ、盾子ちゃん」

    朝日奈「こう見ると戦刃ちゃんって分からなくもないね」

    腐川「で、これからどうするのよ」

    十神「とりあえず、俺たちは演技をする」

    十神「各部屋には臨時の時のマイクがあり、そのマイクを使うと琴渚以外のやつの頭に直接話しかけることができる」

    十神「もちろん、琴渚の部屋にはないぞ」

    モノクマ「あ、琴渚クン来たよ」

    十神「文化祭の時の劇を思い出すんだ!
    あの時のように役に感情移入しろ!」

    朝日奈「了解だよ!」

    モノクマ「じゃあ、ボクは待機しておくね」

    モノクマ「…来たよ」ドロン
  50. 50 : : 2014/08/10(日) 22:56:52
    石丸(…来たな)

    石丸「君が最後だぞ!」

    琴渚「あ、射巻クン
    それにみんな」

    石丸(友を騙すという行為は心苦しい…が!)

    石丸「イルマキ?
    僕の名前は石丸清多夏だぞ?」

    石丸「超高校級の風紀委員だ!」

    琴渚「…え?」

    石丸(明らかに困惑している…
    あ、そうだ)

    石丸「君もみんなに自己紹介してきてはどうかね?」

    琴渚「あ、うん…」

    舞園(あ、こっちにきました)

    琴渚「鞘園さん…?」

    舞園 (琴渚君、ごめんなさい!)

    舞園「え、私は舞園さやかですよ?」

    舞園「超高校級のアイドルです!」

    ダッ

    舞園(あ…行っちゃいました…)



    十神「十神白夜…超高校級の御曹司だ」

    絶対に思い出させてやる



    腐川「ふ…腐川冬子……
    超高校級の文学少女よ…」

    みんなに心を開けたのは…
    あんたのお陰なんだから



    朝日奈「朝日奈葵っす!
    超高校級のスイマーだよ!」

    またトレーニングに付き合ってもらうんだから!



    葉隠「葉隠康比呂だべ!
    超高校級の占い師だべ!」

    占いでは成功と出てたべ!
    きっと大丈夫だ!



    戦刃「江ノ島盾子でーっす!
    超高校級のギャルやってまーす!」

    待っててね…苗木君…



    桑田「桑田怜恩!
    超高校級の野球選手だ!」

    舞園ちゃんを殺したことの…
    罪滅ぼしをさせてくれ…




    不二咲「不二咲千尋です…
    超高校級のプログマラマーだよぉ!」

    強くなられたキッカケは…
    君だったって思い出せたんだよ




    大和田「大和田紋士だ!
    超高校級の暴走族だぜ!」

    やっぱお前も含めて78期生だからな!




    山田「拙者、山田一二三と申す!
    超高校級の同人作家ですぞ!」

    本当の意味で拙者が受け入れられたのは
    苗木誠殿が始めてでしたから




    セレス「セレスティア・ルーデンベルクですわ
    超高校級のギャンブラーですの」

    苗木君にお話ししたいことが…
    沢山あるんです……




    大神「大神さくら…
    超高校級の格闘家だ…」

    あの時信じてくれたのは…
    朝日奈と…お主だけだった




    霧切「霧切響子よ…超高校級の……
    ごめんなさい、まだ言えないの」

    きっと…大丈夫
    私たちは誠君を信じてる
    琴渚君…ごめんなさい…
    耐えて頂戴
  51. 51 : : 2014/08/10(日) 23:42:15
    …あ、そういえば知らない設定よね

    霧切「ところで、あはたの名前は?」

    あ、超高校級のところどうしましょ

    琴渚「ボ、ボクは琴渚恵真…
    超高校級っていうのは?」

    山田「琴渚恵真殿ですな!
    確か毎年抽選で選ばれる『超高校級の幸運』ですぞ!」

    霧切(さすがバーロー!ナイス機転!)キリッ

    山田(この程度…朝飯前だぜ)ドヤッ

    朝日奈(目で会話してる…)

    朝日奈「へぇ〜!よろしくね!」

    琴渚「…え、うん……よろしく」

    十神(相当困惑しているな…)

    江ノ島(そろそろ出番だね…!)ピッ



    モノクマ「やあ、みなさんこんにちは!」

    霧切(ここからが本番ね)

    江ノ島(あー、これ久しぶりだわホント)
  52. 52 : : 2014/08/11(月) 00:26:08
    江ノ島(さぁ〜て!久々のモノクマ!
    盾子ちゃん張り切っちゃうぞ!)

    モノクマ「ボクはモノクマ!
    この学園の学園長なのです!」

    大和田(あ…話の途中でモノクマに掴みかからなきゃだったよな確か)

    モノクマ「オマエラにはここでコロシアイをしてもらいます!」

    モノクマ「ルールは簡単です!
    誰にも見つからないように誰かをコロしてください!」

    モノクマ「そうすれば、殺人を犯したクロだけが卒業!」

    モノクマ「この学園を脱出できるのです!」

    大和田「コロシアイだと!?
    俺たちはそんなことしねぇぞゴルァ!」

    不二咲(あ、"俺たち"って言ってる♪)

    石丸(確かこの後はモノクマが…
    あ、兄弟がモノクマを掴んだぞ)

    大和田「てめぇぶん殴ってから脱出方法考える!」

    モノクマ「」プァー プァー

    大和田「なに黙りこんでんだ!
    ビビったか!アァ!?」ブンッ

    霧切(…今!)

    霧切「…!なg」

    琴渚「はやく投げて!!!」

    霧切「!?」

    大和田「!!?…あ、あぁ!」

    ブンッ

    ドッバァァアン!!!!!!

    十神(どういうことだ?
    記憶が戻りつつあるのか…?)

    大和田(まあ、考えてもしゃーねぇな)

    大和田「おう、サンキューな琴渚!」

    琴渚「うん、どういたしまして」ニコッ

    セレス(表では普通に振舞っていますが…わたくしは騙せませんわよ)

    大神(相当焦っていると見受けられる)

    霧切(ということは…)

    江ノ島(…無意識での行動)

    桑田「なんで琴渚が言ったんだ?」

    葉隠「さっぱり分からんぞ」
  53. 53 : : 2014/08/11(月) 00:43:51
    舞園「琴渚君…大丈夫ですか?」

    琴渚「舞園さん…
    …あまりにも衝撃的でモノクマの話聞いてなかったや」アハハ…

    舞園「なら、私が教えてあげます!」

    琴渚「うん、ありがとう」

    舞園「えぇとですね…
    とりあえず私たちはモノクマに閉じ込められたみたいですね…」

    舞園「この中の誰かをコロせば卒業…この学園から脱出できるそうです」

    舞園「ただし、バレずにコロさなきゃいけないらしいです…」

    舞園「…ほんと、わけわかんないですのね……」

    琴渚「…」

    舞園「…琴渚君?」

    琴渚「あぁ、大丈夫!
    ……ホント参っちゃうよ…」

    舞園(琴渚君…)

    舞園「あ、今から各自で学園の中を探索するそうですよ!」

    舞園「もしよかったら一緒に探索しませんか?」

    琴渚「…ごめんね、疲れちゃった
    今日は部屋で休ませてくれないかな?」

    舞園「そうですよね…
    わかりました!」

    琴渚「それじゃあ」スタスタ

    舞園「はい、それでは!」

    舞園「……」



    十神「琴渚のやつ…大丈夫か?」

    霧切「…あれ?」

    石丸「どうしたのだ?」

    モノクマ「ねぇ、舞園さん
    琴渚クンに各自部屋があること伝えた?」

    舞園「伝えてないですけど……あ!」

    セレス「さっきのモノクマ爆発の時といい…どういうことでしょうか」

    大和田「まさか琴渚に言われると思ってなくて結構焦ったぜ」

    朝日奈「記憶を頼りに無意識に行動してるんじゃないの?」

    大神「きっとそうなのだろうな…」

    十神「なるほど
    この学園…そして俺たち…
    この二つがトリガーになったわけか」

    不二咲「順調な滑り出しだねぇ!」

    戦刃「でも…ちょっと心配かも」

    腐川「精神的に参ってたみたいね…」

    葉隠「ありゃ今日は部屋から出て来んぞ」

    山田「そうでしょうな…」

    桑田「俺たちが支えてやらねぇとな!」

    舞園「…そうですよね!」

    その日は、葉隠君が言った通り

    琴渚君は部屋から出てきませんでした…
  54. 54 : : 2014/08/11(月) 00:49:35
    江ノ島「あ、夜時間だ」ピッ

    『オマエラ、夜時間です!』

    江ノ島「あ、琴渚起きた
    暇だし観察しちゃおっかな」

    …あ、トイレに行った

    あぁ、そういえば建て付け悪かったんだっけ

    しょうがない…教えてあげ……



    あれ?開けた?

    …やっぱり琴渚は思い出してきてんのかな?

    だとしたら…

    江ノ島「これ、予定通りにいかないな」
  55. 55 : : 2014/08/11(月) 01:20:38
    ピピピピ

    江ノ島「…朝か」ピッ

    『オマエラ、朝です!』

    江ノ島「どうも琴渚は思い出しかけているらしい…」


    江ノ島「…予定通りいかなかったらどうするつもりなんだろ」












    〜食堂〜

    石丸(琴渚くんは大丈夫であろうか…)

    琴渚「あ、石丸クンおはよう」

    石丸「おはよう琴渚くん!
    早起きとは関心するぞ!」

    琴渚「部屋に戻った後すぐに寝ちゃったからね…」アハハ

    石丸「だから顔を出さなかったのだな!」

    琴渚「うん、そうなんだよ」

    石丸(やはり相当参っているようだ…)

    不二咲「あ、琴渚君おはよぉ!」

    琴渚「おはよう、不二咲さん」



    江ノ島(うん、いい感じじゃん)

    戦刃「盾子ちゃーん
    ご飯置いとくねー」

    江ノ島「うん、ありがとー」

    江ノ島「…レーションかよ」












    石丸(やはり朝食ぐらいみんなで集まって…)

    石丸「いいかね!これからは毎朝
    このようにみんなで朝食をとろうじゃないか!」

    十神「まあ、俺は賛成だぞ」

    霧切(…はぁ)

    腐川「ちょ、白夜様!
    キャラ違いますよ!ボソッ」

    十神「あ……」

    セレス(あ……じゃねぇよ)

    十神「ゲフンゲフン!
    そのようなもの愚民で勝手にやっていろ!」スタスタ

    十神(うーわやらかした)

    腐川「あ…あたしも十神と同じ!
    一人の時間ぐらい確保したいわ!」タタタッ

    腐川(白夜君待って〜!)

    セレス「わたくしもご遠慮させていただきますわ」コツコツ

    セレス(あのメガネとっちめねぇと)

    山田「拙者も、作品を創らなければなりませぬからな」ドスドス

    山田(セレス殿が参加する日だけ)



    琴渚「何人かは参加しないみたいだね…」

    石丸「うむ、来てくれるまで毎朝声をかけよう!」

    大和田(兄弟…それは本気なのか?)

    舞園「あ、琴渚君!
    今日こそ一緒に学園を探索しましょうよ!」

    琴渚「ボクでよければもちろん!」

    その日は探索だけで終了

    明日はついに…動機提供です……
  56. 56 : : 2014/08/11(月) 12:35:40
    江ノ島「さぁ〜て
    舞園の名演技を見せてもらおうかな!」

    ピッ

    『ピンポンパンポーン♪
    校内放送!校内放送!
    生徒たちは至急、体育館に集合してください!』


    〜食堂〜

    舞園(もうちょっと一緒にいたかったです…)

    桑田(…やっぱ学級裁判は怖ぇよ)

    琴渚「…行く?」

    大神「行くしかあるまい」

    霧切(琴渚君…本当にごめんなさい
    耐えてちょうだい……)



    〜体育館〜

    モノクマ「みんなコロシアイなんてせずに平和にらーぶらーぶしてるんだもん!」

    モノクマ「だからモノクマは考えたのです!
    君たちにコロシアイさせるためには何が必要なのか!」

    モノクマ「『動機』だよ」

    モノクマ「人をコロしてでも外に出たくなるような動機をボクが準備してあげたよ!」

    モノクマ「そこに散らばってるDVDから自分の名前見つけて視聴覚室で見てね〜」

    モノクマ「見ないとオシオキだよ?」




    江ノ島「…うん、みんな視聴覚室に行ったね」

    江ノ島「さて、琴渚はどんな反応をするのかな」
  57. 57 : : 2014/08/11(月) 13:01:59
    霧切(…さすがに見るぐらいしなきゃね)

    ………!!!

    霧切(…これは江ノ島さんの仕業かしら)

    そこに映っていたのは

    舞園(こ、琴渚君の……)

    セレス(…に、入浴シーン!)

    戦刃(持って帰っていいよね!ね!)

    江ノ島(自由に持って帰んなさい)ニヤッ

    アルターエゴ『江ノ島さん!
    勝手にプログラム書き換えたでしょぉ!』

    江ノ島「細かいことは気にしな〜いのっ!」キャルーン


    大和田(文化祭の映像か)

    石丸(兄弟と不二咲くんのトレーニング映像…)

    不二咲(うわ、学ラン着てみた時の!)

    朝日奈(ドーナツの作り方だ!)

    桑田(頑張ってね…か)

    大神(ぬ…新発売のプロテインのcmか)

    葉隠(ん?占いを格安で行うべし?)

    腐川(び、白夜君の入浴シーン!)

    十神(冬子の…に、入浴……)カタカタカタ

    山田(…あれ?真っ暗?)

    舞園(あ、入浴シーン終わった
    ……がんばって…ですか)

    悲鳴上げなきゃ…いけないですよね

    スウッ


    舞園「いやぁぁぁぁぁあ!!!!!!」


    霧切・セレス・戦刃「」ビクッ

    十神・腐川「」ビックゥ!



    舞園「出して!ここから出してよ!」

    琴渚「舞園さん落ち着いて!!!」

    舞園(ひっ…!)

    舞園「ビクッ………は、はい」

    今さっきの琴渚君…

    本当に怖かったです……
  58. 58 : : 2014/08/11(月) 15:20:31
    舞園「…琴渚君、探索に行きましょうか」

    琴渚「あ、うん…」



    やっぱり何も得られない

    見慣れた風景…本当に見慣れた…

    …こんな弱気になってどうするんですか!

    琴渚君は怒っているわけではないんですよ?

    演技ってバレてないんですよ?

    だから落ち着いてください舞園さやか!

    落ち着け!

    舞園「…」

    琴渚「…舞園さん、大丈夫?」

    舞園「……あ、大丈夫ですよ!」

    琴渚「…ううん、大丈夫じゃない」

    琴渚「舞園さん、何を見せられたか教えてくれないかな?」

    舞園「…え?」

    琴渚「ボクは家族がいなくなる映像だった…」

    琴渚「…とても本当と信じたくない」

    琴渚「もしかして舞園さんも、自分の大切な人に何かが起きた映像じゃないの?」

    舞園「…はい、そうです」

    あれ?言ってしまう

    舞園「私は…アイドルグループのみんなが倒れている映像を見せられました」

    言いたいわけじゃないのに…

    舞園「私……あんなの信じたくない」

    彼なら言っていいって思ってる自分がいる

    琴渚「…大丈夫!」ギュ

    そうやって笑顔で私の手を握る彼

    琴渚「あんなの作り物に決まってるよ!」

    琴渚「コロシアイをさせるためのでっち上げなんだ!」

    舞園「…ありがとうございます」

    手から伝わる彼の温もり

    できればこの手から離れたくない

    …けど

    舞園「おかげで元気が出ました!」

    琴渚「それならよかった!」パッ

    ごめんなさい…琴渚君…

    私たちはあなたを…騙しているんです

    …だから…優しくしないで
  59. 59 : : 2014/08/11(月) 16:31:46
    江ノ島「ん?
    そろそろ部屋交換しに行く時間じゃね?」

    〜舞園の部屋〜


    モノクマ「舞園〜」

    舞園「ビクッ!
    …ってああ、江ノ島さんですか」

    モノクマ「琴渚いる時はモノクマって呼んでよ?」

    舞園「大丈夫ですよ」ニコッ

    モノクマ「…で、そろそろお部屋を交換する時間だよ?」

    舞園「…」

    モノクマ「…どしたん?」

    舞園「私…琴渚君を騙していることが辛いんです」

    舞園「確かに苗木君としての出来事を思い出してほしいですよ?」

    舞園「でも、それが本当に琴渚君のためになるのか……わからなくて…」

    モノクマ「…」

    舞園「それに…
    私たちのせいで琴渚君…相当参ってるみたいだし…」

    モノクマ「…舞園、よく聞いて」

    舞園「…?」

    モノクマ「琴渚は今、思い出しかけてる」

    舞園「…やっぱり」

    モノクマ「むしろ、知らない記憶があることが気持ち悪いんじゃないかな?」

    舞園「…」

    モノクマ「だからさ、確かにアタシたちの目的のためだけど…」

    モノクマ「琴渚をスッキリさせるためって考えてみよ?」

    モノクマ「そしたらさ、少しは気が楽になるじゃん?」

    舞園「…そうですね」

    そうですよね

    私のために始めたことじゃない

    私が途中で投げ出しちゃいけない

    舞園「ありがとうございます、江ノ島さん」

    モノクマ「いいのいいの!
    そいじゃ、またね〜」ドロン

    舞園「…行こう!」ガチャ

    琴渚君の部屋へ!
  60. 60 : : 2014/08/11(月) 16:52:55
    深呼吸…深呼吸……

    舞園「…よし」

    インターホンを押そうする指が…

    震えている

    何を躊躇っているの?

    舞園「…落ち着け」

    落ち着いていると気づく

    …全身が震えている

    怖い

    琴渚君にバレることが…

    バレて嫌われるかもしれないことが…

    怖い

    舞園「でも…大丈夫です…」

    私はあなたの…助手なんですから

    ピンポーン

    ………

    舞園「わ、私です!舞園です!
    お願いだから開けてください!」ドンドン

    ガチャ!

    琴渚「舞園さん!?どうしたの!」

    私は倒れこむように彼の部屋へ入る

    舞園「わ…私の部屋を無理やり開けようとする人が…」

    舞園「ドアノブをガチャガチャ執拗に何回も…」

    もちろん、そんな人いません

    舞園「私…怖くって…っ!」

    もちろん、怖くなんて…

    嘘です、嫌われるのが怖いです

    琴渚「そんなことが…」

    …さあ、あと少し

    舞園「そ、それで琴渚君…
    お願いがあるんです…」

    きっと彼は今回も承諾してくれる

    舞園「今夜だけ…私と……」

    だって彼は優しいから

    その優しさを利用したのだから

    舞園「部屋を交換してk」

    琴渚「それは違うよ」













    …え?
  61. 61 : : 2014/08/11(月) 23:57:09

    モノクマ「桑田くーん」ドロン

    桑田「うわっ!
    …なんだ江ノ島かよ」

    モノクマ「ボクはモノクマだって!
    …まあ、いいや」

    モノクマ「そろそろ琴渚の部屋に行かなきゃいけない時間でしょ?」

    桑田「あ、そうだったな
    行ってくるよ」ガチャ

    モノクマ「いってらっしゃ〜い」ドロン

    江ノ島「ふぅ〜…
    傍観者も疲れるねぇ〜………ん?」

    ……なんか琴渚と舞園が記憶と違う展開してる





    琴渚「舞園さん、ボクは絶対に了承しない」

    ……頭が追いつかない

    琴渚「何故か分かるんだ
    交換しちゃいけないって」

    ………何が分かるんですか?

    琴渚「交換したら
    君が死んじゃうって分かるんだ」

    …え……あ…れ………?

    琴渚「死なせないよ」

    あれ?あれれ?

    琴渚「約束したじゃないか」

    約束…………あ…

    苗木「絶対に君を守るって」

    そんなこと言うのって…

    あぁ…泣くのを我慢できない…

    あなたの名前を言うのを…止められない


    舞園「…な、えぎ……くん?」ポロッ

    呼ぶ、彼の名前を

    琴渚「ボクは琴渚だよ、舞園さん」ニコッ

    …いや、違う

    絶対に違う

    今確かに、少しの間だけ

    苗木君でした

    あれは琴渚君じゃありません

    苗木君なんです

    …なんで分かるかって

    エスパーですから……じゃダメですか?






    桑田「あれ?
    琴渚と舞園ちゃん?」

    あ、桑田君…

    …ごめんなさい、作戦は失敗です

    舞園「じゃ、じゃあ私はこれで失礼しますね!」タタタタタ

    私は逃げるようにその場を去った

    …泣くのを堪えながら



    苗木君のさっきの言葉を思い出しながら
  62. 62 : : 2014/08/12(火) 00:49:01
    舞園さん……よかったね……
  63. 63 : : 2014/08/12(火) 22:47:19
    更新が遅くなりました…

    再開します!












    なんで琴渚がいるんだ?

    時間的にはもう部屋が交換されてるはずなのに…

    舞園ちゃんも逃げるように部屋に戻ったしよ…

    琴渚「…」

    とりあえず話を聞くか


    桑田「…何があったんだ?琴渚?」

    うん、無難に聞けた気がする

    琴渚「桑田クン…」

    桑田「ん?なに?」




    琴渚「一発殴らせて」




    …は?

    桑田「はぁ!?ちょ、なんdヘブラッ!」

    ドサッ

    琴渚「はぁ…はぁ…はぁ…」

    桑田「アポ?」

    …痛ってぇ

    こりゃ本気だ



    …そりゃ本気か

    きっと思い出したんだろう

    俺が舞園ちゃんを殺したこと

    だから殴ったんだ

    でも、苗木としてじゃない

    こいつは琴渚だ……そんな気がする

    苗木だったら、理由を説明してから殴る

    あいつはそんな奴だから

    琴渚「ごめんね、桑田クン」スッ

    …琴渚が右手を差し出してる

    以前の俺なら…前世の俺なら……

    きっとこの手を払いのけた

    だけど今の俺には分かる

    今も昔も俺にそんな資格なんてない

    一発殴る程度で済ませたこいつを…

    拒否するなんてできるわけねぇじゃねぇかよ…

    ……お前もお前でお人好しだな

    桑田「…………あ、あぁ」ガシッ

    そして俺は琴渚の手を取った

    こいつは許してくれた

    舞園を失った直接的原因である俺を

    お前が許してくれたのなら…

    桑田「じゃあな、琴渚…おやすみ」

    琴渚「うん、おやすみ」


    本気で舞園を好きになってもいいよな?


    桑田「…絶対に振り向かせてやる」ボソッ

    今、嫌われているかもしれないけど

    絶対に、舞園と添い遂げてやる

    俺の手で舞園を消したからこそ

    今度は俺の手で舞園を幸せにしてやる

    それが…俺のお前に対する罪滅ぼしだ
  64. 64 : : 2014/08/12(火) 23:15:59
    ピピピピ

    江ノ島「…朝か」ピッ

    『オマエラ!おは((ry』

    昨日はビックリしたな〜…

    まさか琴渚が桑田を殴るとは……

    いや、苗木なのかな?

    わかんないや

    江ノ島「…ん?」

    琴渚『よしっ!前向きにいこう!』

    琴渚が起きて独り言言ってる

    …話しかけてみよっかな ♪

    琴渚「折角の取り柄がなくなっちゃったら無じゃないか!無!」

    モノクマ「確かにそうだよねぇ〜」

    琴渚「あ、モノクマおはよう」

    モノクマ「え、ちょ反応薄ッ」


    やっぱアタシの予想外の行動をとるね…


    琴渚「そんなのいいから…おはよう?」

    モノクマ「あ、うんおはよう…」


    思わず素で喋っちゃってたよ…


    琴渚「今日って外はいい天気なの?」

    モノクマ「それは卒業して確かm」

    琴渚「今日って外はいい天気なの?」


    江ノ島「…」

    江ノ島「アルターエゴ、
    今日の現実の天気は?」

    アルターエゴ『快晴だよぉ!』

    江ノ島「あんがと」


    モノクマ「…うん、快晴だよ」

    琴渚「ありがと、モノクマ」


    …なんでモノクマを目の前にして怒ってないの?

    もしかして正体分かってんのかな?

    …聞いた方が早いか


    モノクマ「…琴渚クンはボクに怒ってないの?」

    モノクマ「このコロシアイ学園生活の黒幕だよ?」


    あ、黒幕って言っちゃった


    琴渚「怒る暇があったら、みんなの殺人を止めることに労力を使いたいからね」


    …また殺人が起こると分かってる言い方


    琴渚「なんだかクラスメイト死んでいくのを見てるみたいになるから嫌なんだよ」


    …クラスメイト……か

    こいつは琴渚恵真だ


    モノクマ「……ふうん」

    琴渚「ところでさ、モノクマ」

    モノクマ「なに?どうしたの?」

    琴渚「ボクの記憶消したりした?」

    モノクマ「え?」

    モノクマ「いやいや、今回は消してないよ!?」


    …あ


    琴渚「今回『は』?」

    モノクマ「」


    やらかしたー!

    逃げよ!!!


    モノクマ「がっ!学園長は忙しいの!」

    モノクマ「はやく食堂行ってきな!」ドロン


    江ノ島「うわー!!!」

    アルターエゴ『ビクッ……まあ…仕方ないよぉ…』

    江ノ島「仕方ないのかなぁ!?」

    江ノ島「でもでもでも!」

    江ノ島「やっぱあいつの行動分かんなーい!!!」

    江ノ島「あーもー調子狂う!」

    江ノ島「昨日も予定外のこと起こったし!!!」

    江ノ島「予定外だけど今日動機提供しちゃお!」

    アルターエゴ『えぇ!?』
  65. 65 : : 2014/08/13(水) 02:55:38
    江ノ島「よし、みんな食堂に来たみたいだね!」

    アルターエゴ『本当に予定変更するのぉ?』オドオド

    江ノ島「誰にも伝えてないってのが楽しいんじゃーん!」ピッ

    『ピンポンパンポーン!オマエ((ry』


    十神(予定と違うぞ!)キッ


    江ノ島「あ、なんか十神が睨んできてる」

    アルターエゴ『ほらぁ!
    そうなるの目に見えてるじゃん!』


    〜体育館〜

    モノクマ「『動機』だよ」

    霧切(はぁ…江ノ島さん…)

    まぁ、最初から予定通りに行かないとは思っていたけどね

    モノクマ「昨日はどっかの幸運クンのせいでコロシアイ回避してしまったからね…」

    琴渚「ん?ボクのこと?」

    セレス(舞園さんいたから普通に驚きましたけど…あ、そういう)

    舞園「あ!琴渚君!
    昨日は勝手に部屋に戻ってごめんなさい…」

    桑田君を殺そうとして部屋を交換したなんて

    苗木君は分からなかったみたいでした

    琴渚「大丈夫だよ、全部分かってる」

    今は分かってるみたいですけど

    琴渚「でも謝らないで
    このコロシアイ学園生活は
    ボクの罪滅ぼしでもあるんだから」

    …私の罪滅ぼしでもあるんですよ?

    舞園「……はい」

    モノクマ「ちょいちょいチミたちー!
    朝かららーぶらーぶしないでくれる?」

    モノクマ「動機の提供できないじゃん!」


    江ノ島(あと桑田が絶望してるから!)


    桑田(俺…やっぱ無理かも……)

    琴渚「まあ、ないに越したことはないよね」

    葉隠「確かにそうだべ」

    モノクマ「ぐぬぬぬぬ…」

    モノクマ「もうクマは怒ったぞー!」

    モノクマ「今回の動機は人に知られたくない秘密だよ!」

    モノクマ「はい、そこの封筒拾って中身確認する!」


    ピラッ

    舞園『回避できて本当によかったよ』

    戦刃『夜時間、アタシのとの来て』

    桑田『まあ、アタシは応援してるから』

    不二咲『あんたのも回避されそうな勢い
    そっちのがいいよね!』

    大和田『あんたは十分強いよ
    だから自信持って』

    石丸『予定変更してごめんね!』

    山田『セレスのパジャマ(うさぎ)姿写真(ウィッグ無し)』

    セレス『琴渚が思い出したら
    デートにでも誘っといてやんよ』

    大神『超高校級に美味しいドーナツの作り方…レシピ』

    葉隠『占い業が絶対成功する方法』

    朝日奈『部屋にドーナツ置いといた』

    腐川『十神の部屋の鍵
    部屋に置いといたから』

    十神『腐川の部屋の鍵
    部屋に置いといたから』

    霧切『琴渚の寝顔写真』

    一同(江ノ島…許す)

    戦刃(…どうしたのかな?)

    アルターエゴ『なんだ…
    申し訳なく思ってたんだねぇ』ニコニコ

    江ノ島「…うるさい」プイッ



    〜解散後〜

    琴渚「桑田クン!」

    桑田「おう、琴渚!おはよ!」

    琴渚「昨日はいきなりごめん」

    …いいんだ

    いになりだろうが何なんだろうが

    俺が謝らなきゃいけないのにな

    桑田「いいんだよ…わかってっから」

    お前が殴った理由は…

    ちゃんと分かってっから…

    桑田「んじゃ、俺そろそろ行くわ!」

    琴渚「あ、うん!またね!」












    〜モノクマ操作室〜

    戦刃「それで、用ってなに?」

    江ノ島「いや、姉ちゃんコロすタイミング逃しちゃったから…」

    江ノ島「行方不明になってもらって
    前世と同じ状況ってことにしようと」

    江ノ島「だからさ、残りの学園生活ここで過ごさない?」

    戦刃「本来ならもう死んでるからね
    了解したよ!」

    江ノ島「あんがと!」

    アルターエゴ『あ!
    また誰にも言ってないじゃん!』

    江ノ島「シーッ」

    アルターエゴ『もう!』プンプン
  66. 66 : : 2014/08/13(水) 10:22:38
    戦刃「でもよかったの?
    誰にも言わないで」

    江ノ島「大丈夫だよ
    行方不明って分かったらみんなに教えるから」

    戦刃「なら大丈夫だね!」

    アルターエゴ『いや大丈夫じゃないよ?』

    江ノ島「まあまあ、もう朝だから」ピッ

    『オマエr((ry』


    霧切(みんな来たわね)

    霧切(……昨日は何も起きなかったのね)

    霧切(多分2人ともコロシアイのこと忘れてて寝たのでしょう)

    霧切(………?あら?)


    霧切「あら、江ノ島さんは?」

    一同「!?」

    十神(貴様!2度も!)キッ

    不二咲「…うん…うん、わかったよ」

    琴渚「ボク探してくるよ!!!!」



    琴渚が食堂を出ていくのを見送った後

    不二咲「戦刃さんはモノクマ操作室にいるよぉ」

    十神「そうか
    …あぁ、本当ならもう死んでいる予定だったからな」

    大和田「でもなんで分かったんだ?」

    不二咲「僕はアルターエゴと会話できるんだぁ」

    不二咲「だからちょくちょく江ノ島さんの動きも聞いてるよぉ」

    セレス「そうだったのですか…」

    不二咲「…そうだ、大和田クン」

    大和田「どうした?」

    不二咲「戦刃さんが行方不明…
    これは死んだって扱いでいいよね?」

    大和田「んー、俺には分かんねぇな」

    霧切「私は構わないと思うわ」

    不二咲「なら今夜にしよう」

    霧切(ちゃんと理由があって
    コロシアイしなかったのね…)

    大和田「わかった
    23時にト男子更衣室だな」

    不二咲「…ん?……了解」

    不二咲「琴渚クンが戻ってくるよぉ」


    琴渚「……」

    朝日奈「どうだった?
    江ノ島ちゃん…いた?」

    琴渚「…」フルフル

    大神「…もしかしたら殺人の可能性もあるやもしれん」

    石丸「ならば今日は江ノ島くん探しといこうではないか!」

    琴渚「うん、そうしよう」



    江ノ島「もー!
    なんで教えちゃうのー!」

    アルターエゴ『当たり前でしょ!』

    戦刃「ま、まあまあ…
    2人とも落ち着いて……ね?」

    江ノ島「残姉うるさい!」

    アルターエゴ『ごめんね、ちょっと静かにしててねぇ』

    戦刃「」
  67. 67 : : 2014/08/13(水) 18:23:03
    23時〜十神の部屋〜

    十神「全く…江ノ島には呆れたものだ」

    霧切「本当よ…」

    モノクマ「本当ね〜もう…」

    葉隠「ひぃ!モノクマだべぇ!」

    朝日奈「葉隠うるさい」

    腐川「あ…あんたね!
    少しは真面目にやんなさいよ!」

    モノクマ「えぇ〜?
    ボクはいたって真面目だよ?」

    十神「そうなんだよな…
    なんやかんや予定通りに事を進めようとしていたのは知っている」

    霧切「どういうことかしら?」

    十神「前世と全く同時刻に舞園と桑田に行動するよう言ったそうだ」

    モノクマ「そうなんだよ!
    もっとクマを褒めて!ほら!」

    十神「つまり、予定通りじゃなかったのは琴渚だった…というわけだ」

    霧切「舞園さんから聞いたけど…
    少しの間苗木君だったってどういうことかしら?」

    朝日奈「んー、言われてみれば」

    葉隠「さっぱり分からんな」

    朝日奈「葉隠は黙ってて」

    モノクマ「んー…ボクが見た感想だと」

    モノクマ「うん、なんとなくだけど
    琴渚クンと苗木クンの区別はつく」

    モノクマ「多分、思い出しかけっていう不安定な状況が引き起こしている現象だろうね」

    腐川「…あたしとジェノサイダーみたいな感じってこと?」

    モノクマ「極端な例を挙げるとすると
    そんな感じかな」

    葉隠「どういうことだべ?」

    十神「今ので分からんのか…
    …二重人格ということだ」

    葉隠「なるほど」

    朝日奈「葉隠は黙ろう?」

    葉隠「さっきから朝日奈っちはなんだべ!」

    葉隠「俺に恨みでもあるんか!」

    朝日奈「え、ないよ?」

    葉隠「じゃあなんで目の敵にしてんだ!?」

    朝日奈「なんとなく」

    葉隠「」

    腐川「…つまり……
    琴渚に『苗木誠』という人格が芽生えた……ってことよね?」

    モノクマ「多分そうだね」

    モノクマ「しかも、苗木クンは頻繁に出てこれないみたいだよ」

    モノクマ「ほんの一瞬だったんだよ
    あ、これ苗木クンだって思ったのが」

    十神「そうなると…
    琴渚が思い出したときが不安だな」

    朝日奈「どうして?」

    霧切「私たちの目的は琴渚君が思い出すことでしょ?」

    霧切「苗木君が別人格な以上、琴渚君が思い出した時に人格が苗木君に上書きされてしまうかも…ということよ」

    腐川「た…確かに…
    苗木は琴渚とは違う扱いだから…」

    十神「となると…この作戦は中止するべきなのか?」

    霧切「いいえ、大丈夫よ」

    モノクマ「なんで?」

    霧切「このプログラムに完全に入りきる前…夢で苗木君に会ったの」

    葉隠「オカルトは信じねぇぞ!」

    朝日奈「黙っとけやウニ頭」

    葉隠「」

    霧切「…それでね、彼言ってたの」

    霧切「ボクを思い出すことで琴渚クンの人格が消えるとかじゃないから」

    霧切「…ってね」

    十神「信憑性はないが…
    信用するには値する情報かもな」

    モノクマ「信用するの?」

    十神「あいつ本人が言ったのだろう?
    信じないでどうする」

    腐川「あ…あたしは白夜様が信じるなら…信じます……」

    朝日奈「なら決まりだね!」

    ウニ頭「だべ」

    モノクマ「うん、ならその点は心配しないってことで!」

    霧切「そうね」


    ウニ頭「ところでモノクマ」

    モノクマ「どうしたの?ウニ頭クン?」

    ウニ頭「23時過ぎてんぞ?
    男子更衣室見ないでよかったんか?」

    モノクマ「」
  68. 68 : : 2014/08/13(水) 20:03:38
    生き残り組が会議をしていたその頃…


    戦刃「盾子ちゃんおしゃべりに夢中になってるね」

    アルターエゴ『そうだねぇ』

    アルターエゴ『…お
    そろそろご主人タマが現実に戻る時間かな……』

    戦刃「あ、そっか
    私は詳しく分かんないけど…
    確か大和田君が不二咲君を殺したんだったよね?」

    アルターエゴ『そうだよぉ
    でも2人とも今は信頼し合ってる!』

    戦刃「石丸君との3人で仲良しだもんね」

    アルターエゴ『うん、ご主人タマ本当に楽しそうだよ!』

    戦刃「うん、楽しそうだね
    ………ん?」

    アルターエゴ『どうしたの?』

    戦刃「琴渚君が部屋を出ようとしてる!」

    アルターエゴ『僕がモノクマを操作するよぉ!』



    琴渚「急がないと!!!!」

    モノクマ「あれぇ、夜時間にどこに行くのかな?」

    アルターエゴ(こんな感じだよね)

    琴渚「っ…モノクマ、今日は許してくれ」ダッ

    モノクマ「あ、待って琴渚くん!」


    アルターエゴ『どうしよう!』

    戦刃「確か不二咲君と会話できるよね!?
    不二咲君に2人に琴渚君が来てるって知らせて!」

    アルターエゴ『分かった!』


    ご主人タマの脳へアクセス………

    …完了!


    アルターエゴ『ご主人タマ!』

    不二咲「どうしたのぉ?」

    大和田「?」

    アルターエゴ『琴渚くんがそっちへ向かってる!
    大和田君に殺される演技して!』

    不二咲「本当!?
    わかったよ!ありがとう!」

    大和田「アルターエゴか?
    どうしたんだ?」

    不二咲「琴渚くんがここへ来てる!
    大和田君あの時みたいに!」

    大和田「…気が進まねぇが
    ………分かった」

    大和田(深呼吸…深呼吸……)

    不二咲(ここに琴渚くんは来ない…誰も来ない…)


    大和田「…よい」

    大和田「おれは…つよい」

    大和田「俺は強い…俺は強い…俺は強い…」

    ガチャッ

    大和田「強い…強い…強い強い強い強い強い強い強い」

    不二咲「え、大和田くん…?」

    …お前よりも……誰よりも!

    琴渚「不二咲さんこっち!」

    不二咲「琴渚くん!?……わかった!」

    大和田「強いんだぁあぁぁあ!!!!!」ブンッ




    …危ねぇ、役に入りこんじまってた


    苗木「よかった、回避できて」

    大和田「苗木…なのか?」

    琴渚「違うよ、ボクは琴渚だよ」


    ……いいや、違うぜそりゃ

    確かに…お前はさっき苗木だった
  69. 69 : : 2014/08/13(水) 21:25:11
    江ノ島「」セイザ

    アルターエゴ『…』ゴゴゴゴゴ

    アルターエゴ『…江ノ島さん?』

    江ノ島「」ビクッ

    アルターエゴ『おい返事』

    江ノ島「……は、はい」ダラダラダラ

    アルターエゴ『君は23時頃なにをしていたのかな…?』

    江ノ島「…え、ええと…」ダラダラ

    アルターエゴ『ちゃっちゃ答えろや』

    江ノ島「あ…あの……喋ってました」ダラダラ

    アルターエゴ『誰と』

    江ノ島「と、とと十神達と……」ダラダラ

    アルターエゴ『江ノ島さぁ〜ん…
    君が喋ってる間に何があった?』

    江ノ島「こ…琴渚に……
    バレそうになりました…」ビクビク

    アルターエゴ『なにが』

    江ノ島「こ、今回の…計画です」ビクビク

    アルターエゴ『…何か言うこと』

    江ノ島「…へ?」

    アルターエゴ『何か言うことあるだろうがよ』

    江ノ島「」ビクッ

    江ノ島「え、えぇ…と……あの…」

    江ノ島「…」




    江ノ島「すんませんっしたぁぁあ!!!!!!!!!!」ドゲザ

    アルターエゴ『次はないと思え』

    江ノ島「」コクコクコクコク

    アルターエゴ『…よし、じゃあ寝ようかぁ!』

    江ノ島「」ビクッ

    アルターエゴ『どうかしたのぉ?』

    江ノ島「な、なんでもねぇですぜ兄貴…へへへへ…」ビクビク

    アルターエゴ『ならもう寝よう?』

    江ノ島「うへ…へへへへ」ビクビク

    戦刃(盾子ちゃんが完全にビビってる…)












    次の日の朝〜食堂〜

    大和田「昨日…俺は不二咲を殺そうとした」

    大和田「…不二咲の強さに嫉妬して」

    大和田「結果みんなにも迷惑をかけちまった!
    本当にすまなかった!」

    十神「…まあ、反省しているようだ
    許してやらんこともない」

    腐川「…性格違ってますよ?」ボソッ

    十神「……いいんだ」ボソッ

    腐川「…」ニコッ


    不二咲「…みんな聞いて
    ボク実は男なんだぁ!
    ずっと騙しててごめんねぇ!!!」

    山田「なんですとぉ!?
    …そ、そんなぁ……」

    霧切(山田君…演技か疑わしいわよ)


    石丸「うむ!ならみんなで食事をしよう!」


    江ノ島「よし、今このタイミングだ!」

    アルターエゴ『みんなの食事の邪魔しちゃいけないよねぇ…?』

    江ノ島「はい、おっしゃる通りです」


    モノクマ「食べ終わってでいいから、
    体育館に集合ね!」

    セレス(人を慮る発言…!?)

    舞園(江ノ島さんに一体何が!?)



    舞園「また動機なんでしょうか…」

    桑田「だとしても動じねぇ!」

    不二咲「どんな動機でもコロシアイなんてバカなこと考えないよぉ!」

    大和田「…あぁ、そうだよな!」

    琴渚「そうだよね!
    ボクはみんなを信じてるよ!」

    舞園(あ、体育館に着きましたね)


    〜体育館〜

    モノクマ「またまた琴渚クンがコロシアイを阻止しちゃうんだもーん」

    モノクマ「嫌になっちゃうよ全く…」

    十神「琴渚、すごい活躍ぶりだな」

    琴渚「みんなを助けるのは当然のことじゃないか」ニコッ


    …そうだな

    元は苗木なんだ

    こいつもお人好しでおかしくない

    …本当、何も変わらんな

    十神「…………そうだな」

    おっと…顔がほころんでしまった

    琴渚「あれ、十神クン今笑った?」

    十神「わ、笑ってないぞ!」

    腐川(…なんだか最近
    白夜君のこと可愛いって思っちゃう)

    モノクマ「はいはい、雑談が過ぎますよお二人さん!」

    モノクマ「今回の動機はコレ!」

    セレス(……やはり堪えるものがありますわね)

    モノクマ「100億円です!!!」

    セレス(こんなもののために…
    わたくしは仲間を裏切ったのですね)

    セレス「………恥ずかしいですわ」ボソッ
  70. 70 : : 2014/08/14(木) 01:57:04
    解散後〜セレス 自室〜

    セレス「…」

    こうして過去の過ちに向き合うというのは気が進みませんわね…

    セレス「…でも」

    これはわたくしの罪滅ぼし

    そして琴渚君が思い出すためのステップの一つ

    …必ず成功させなくてはならない


    不二咲君、大和田君が生きている以上

    わたくしが1人でコロシアイの計画を立て、実行するという全く新しいものになってしまう…

    これで記憶が戻るのでしょうか…?

    まあ、殺す人間を変えなければいいのでしょうが…

    セレス「…そのことをお2人にお話しないと」

    モノクマ「お2人って?」

    セレス「ああ、江ノ島さん…
    ちょうどよかった」

    モノクマ「クマ使い悪いよ全く…
    で、誰と誰を呼べばいいのさ?」

    セレス「石丸君と山田君ですわ」

    モノクマ「はいよー」ドロン













    ピンポーン

    「セレス殿〜!山田ですぞ〜!」

    「僕もいるぞ〜!」

    セレス「お待ちくださいまし〜!」

    ガチャ


    山田「…ここがセレス殿のお部屋」ポー

    山田「なんだかセレス殿の匂いがいたしますぞ…」クンクン

    石丸「山田くん!はやく入りたまえ!」

    セレス「殿方2人……
    しかもあまり嬉しくない面子ですわ」

    山田「ひどいですぞー!」ウルウル

    石丸「そうは言っても呼んだのはセレスくんではないか!」

    セレス「まあそうですけど…」

    山田「それで、話とは?」

    セレス「まあ、とりあえず座ってくださいな」





    セレス「話というのはコロシアイについてですわ」

    セレス「山田君、あなたがわたくしに唆されて殺人を犯した動機は覚えてらっしゃいますよね?」

    山田「アルターエゴですな」

    石丸「僕もアルターエゴくんには執着してしまっていた…」

    セレス「それですわ
    石丸君、執着していた理由は?」

    石丸「…兄弟を失った辛さ
    それを埋めるかのように兄弟ソックリに話す彼」

    セレス「やはりそれが理由ですよね」

    山田「しかしセレス殿…
    そうなると石丸清多夏殿が死ぬ理由はなくなるのでは…」

    セレス「そうなのです」

    セレス「なぜなら大和田君は生きている…アルターエゴに執着する必要などございませんから」

    石丸「そうだな
    兄弟はただ1人だからな」

    セレス「そして山田君、あなたも前世と同じ理由で死ぬことはなくなるのです」

    山田「なぜですか?」

    セレス「アルターエゴを不二咲君が持ち出す可能性があるからです」

    山田「なぜですか?」

    セレス「わざわざ大浴場にアルターエゴを置いていたのは監視カメラがないから」

    山田「そうですな」

    セレス「でも、ここにおいては監視カメラなどほとんど意味がないのです」

    セレス「なぜなら、監視している側がこちらの人間なのですから」

    石丸「つまり、アルターエゴくんが監視カメラに映っても問題ないというわけだな」

    山田「なるほど…
    深夜に自分の部屋に持ち込めば大浴場ではできなかった色々な改良も可能ですしな」

    セレス「つまり、わたくし達にはアルターエゴを持ち出すチャンスがない」

    セレス「前世の作戦はこの瞬間破綻してしまいますわ」

    山田「つまり、セレス殿は全く新しい作戦を立てなければならない…と」

    石丸「それを一緒に考えればよいのだな!」

    セレス「いいえ、作戦はもう決まっています」

    山田「なんですとー!?」

    石丸「言ってみたまえ!」



    セレス「琴渚君が思い出すことにかける…ですわ」




    山田「…?」

    石丸「なるほど…そういうことか」
  71. 71 : : 2014/08/14(木) 02:04:31
    山田「え、さっぱりなのですが」

    石丸「いいかね、山田くん」

    石丸「この作戦が始まってからコロシアイは起きたか?」

    山田「いや、起きておりませんな」

    セレス「なぜ起きなかったのですか?」

    山田「それは琴渚恵真殿が未然に殺人を防いでいたから…ですよね?」

    石丸「ならば、なぜ彼はコロシアイが起きるタイミングを把握できていた?」

    山田「…その事件のことを思い出したから」

    セレス「そう、つまり前世でわたくしが犯した罪を思い出してもらうのです」

    山田「え、でもどうやって?」

    セレス「覚えてないのですか?
    あなた方も十神君から聞いたと伺いましたが…」

    石丸「…思い出す条件のことか?」

    セレス「BINGO
    それですわ…」

    山田「といっても…思い出すような衝撃的なことなんて…」

    セレス「ありますわ
    すでに彼も目に入ってるもので」

    石丸「……アルターエゴくんだな」

    セレス「そう、それです」

    セレス「わたくしは仮説を立てました
    アルターエゴのお陰であの事件を思い出しかけなのではないか…と」

    セレス「そこに明日わたくしが襲われたと伝えれば…」

    セレス「…きっといけますわ」

    石丸「うむ!僕は賛成だぞ!」

    山田「せ、拙者は賛成しておりませんぞ!」

    セレス「…なぜ?」

    山田「不確定要素が多すぎますぞ!
    もう少し安全な策を練るべきです!」

    セレス「お忘れですか?
    わたくしは『超高校級のギャンブラー』ですのよ?」

    セレス「これは賭けなのです…」

    セレス「もちろん、わたくしは琴渚君が思い出してくれるに賭けます」

    セレス「琴渚君が思い出してくれると…信じていますわ」


    セレス「さあ、山田君どうしますの?」

    山田「…わかりました、彼を信じましょう」

    セレス「上出来ですわ」クスッ


    大丈夫、彼は思い出してくれる

    だって…

    わたくしのナイトの生まれ変わりなのですから












    江ノ島「セレスちゃんも無謀な作戦立てたねー…」

    戦刃「私は成功すると思うな」

    江ノ島「根拠は?」

    戦刃「ないけど…
    盾子ちゃんも根拠なしに成功しそうって思わなかった?」

    江ノ島「…うん、思った」

    戦刃「きっと琴渚君が人を信じさせることが上手なんだろうね」

    江ノ島「そうだろうね…」



    …アタシも信じてるよ

    あんたがこのコロシアイ学園生活において死者を出さないって

    死者を出さずに全てを思い出してくれるって信じてるから















    そして…次の日の朝
  72. 72 : : 2014/08/14(木) 10:03:56
    アルターエゴ『…?』

    江ノ島「どうしたの?」

    アルターエゴ『ううん、なんでもないよぉ』

    江ノ島「 はいよ〜……お」

    戦刃「セレスさん準備ができたみたい…」

    江ノ島「…本当に何も準備してない」

    戦刃「強いて言うなら服と顔を汚した程度…だね」

    アルターエゴ『完全に賭けを楽しんでるってことかな?』

    江ノ島「どちらかと言えば琴渚クンを信じきってるって感じだね」

    アルターエゴ『そっか』ニコッ














    …服と顔は汚した

    準備はこれだけでいい……

    よし…

    …いざ叫ぶとなると恥ずかしいですわ

    なんであんな叫び方したのでしょう…


    スウッ




    セレス「どっひゃああああ!!!!」


    〜食堂〜

    石丸「セレスくんの声だ!」

    山田「行ってみましょう!」

    石丸(…思い出しているか否かの判断ができないっ!)

    山田(もし忘れたままだとしたら大変まずいですぞ…)

    琴渚「…」








    セレス「怪我をさせられてしまいましたわ…」

    朝日奈「うっそー!」

    十神「顔は確認できなかったのか?」

    セレス「覆面をかぶっていて…
    確認できませんでしたわ…」

    さあ…琴渚君……

    琴渚「…」

    セレス「いきなり後ろからハンマーのようなもので殴られて…」

    琴渚「……ょ」ボソッ

    山田「どうされたのですか?」




    琴渚「分かってるよ…
    全部演技でしょ?」

    セレス「!」

    思い出してくれた!

    琴渚「ボクがコロシアイを阻止したから出来事が違うけど…」















    琴渚「自分のために他人を利用するなんて最低だよッ!」

    …は?

    琴渚「そんなにお城でイケメン吸血鬼をはべらせたいのかよ!」

    何を言ってるの?

    琴渚「君の夢は!
    人の犠牲もいとわないようなものなのかよ!」

    セレス「…」

    琴渚「答えろよ…」

    ひどい

    琴渚「答えろよ!
    セレスティア・ルーデンベルクッ!!!」

    もう夢なんてどうでもいいのに

    …目頭が熱くなってくる

    この人の前で涙を見せたくない…

    …見せたくないのに



    セレス「…の……に」

    琴渚「?」

    セレス「何のためにこんなことしてると思ってるんですかぁ…!」ポロポロ

    琴渚「…え?」

    涙が止まらない

    セレス「こんなことを好んでするような人間に見えましたか?…エグッ」

    琴渚「でも、セレスさんは山田クンを利用して石丸クンを…」

    石丸「…」

    琴渚「そして山田クンまで…」

    山田「…」

    セレス「もうそんなことしない!」

    セレス「この世界で夢より大切な物がやっと分かったから!」

    仲間…そして何よりあなたが

    わたしのかけがえの無い存在

    セレス「だから…だからぁ…!」ポロポロ

    どうかわたしを信じて











    ギュッ

    セレス「!」

    琴渚君?

    わたしを抱きしめているの?

    …ダメ……せっかく治まってきてのに

    また泣いてしまう


    セレス「うぁぁぁぁぁああぁあぁあぁあぁあん!!!!!!」

    きっとわたしは…

    誰かに甘えたかったのでしょう


    …そして抱きしめられて分かった

    ナイトだとかどうでもいい










    わたくしは………わたしは…

    琴渚恵真君が好きだ


    苗木「ごめんね、やっと会えたのにね」

    …え

    セレス「エグッ…え、苗木君…ヒクッ…………?」

    琴渚「…ボクは琴渚だよ、セレスさん」

    セレス「………うん」グスッ

    今はどちらでもいい

    ただあなたに抱きしめられていたい

    …少し腕に力入れてもバレないよね?
  73. 73 : : 2014/08/14(木) 20:12:30
    〜物陰〜

    桑田「セレスのやつ…いつまであーしとくつもりだ?」

    葉隠「一生とかねぇよな?」

    舞園「さすがに耐えられなくなってきましたよ…」ゴゴゴ

    霧切「まさか1時間もあーしておくなんて…」ゴゴゴ

    石丸「うむ、セレスくんの作戦通りにいってよかったぞ!」

    山田「ほんとどうなるかと思ったのですがね…」

    大和田「兄弟、そりゃどういうことだ?」

    石丸「セレスくんは元々殺人をすると見せかけるためにあんなことをしたわけではない」

    石丸「思い出させるための行動なのだ」

    山田「多分アルターエゴ殿のお陰で記憶が戻りかけていたのですぞ」

    山田「それにセレス殿が怪我を負わされたというのを提示すれば…」

    大神「それがキッカケとなり自ずと琴渚が思い出す…というわけだな」

    朝日奈(あの2人お似合いだなんて口が裂けても言えない…)

    霧切「あら、朝日奈さん…?」

    朝日奈「な、なに…?」ダラダラ

    舞園「今私たちにとっても失礼なこと考えていませんでしたか…?」

    朝日奈「そ、そんなわけないじゃない
    あははははははは」ビクビク

    不二咲(女の子って怖いねぇ)



    〜モノクマ操作室〜

    戦刃「…」ゴゴゴゴゴ

    江ノ島「……」イラッ

    アルターエゴ『2人とも怒ってるねぇ…』

    戦刃「そんなことないよ?」ゴゴゴ

    江ノ島「そうだよ…」イライラ

    アルターエゴ『女の子って怖いねぇ』

    江ノ島・戦刃「なんか言った?」

    アルターエゴ『なんでもないよぉ…
    あはははは…』













    セレス(そろそろ殺気がすごいことになってきてますわ…)

    セレス(名残惜しいですが……
    ここまでですわね…)


    セレス「琴渚君、もう落ち着きましたわ」

    琴渚「そう?ならよかった」ニコッ

    琴渚「…さっきはごめんね
    あんなこと言って」

    セレス「いいんです
    わたくしも慰めてもらったのですから」

    琴渚「お互い様ってことだね」

    セレス「そういうことですわね」

    セレス「…ごめんなさいね、琴渚君
    ありがとう」ギュッ

    琴渚「どういましまして」ナデナデ

    セレス「///」ギューッ

    琴渚「…恥ずかしくなってきた///」

    霧切「」

    舞園「」

    朝日奈「いいねぇ…」

    大神「うむ、よいものだ…」


    戦刃「…」スッ

    江ノ島「お姉ちゃんストップ!
    殺しちゃダメだから!」

    アルターエゴ『まあ、この世界で殺しても現実に戻るだけなんだけどねぇ』

    江ノ島「あ、そなの?
    …あ、でも殺しちゃダメだからね!」

    戦刃「…チッ」

    江ノ島「あぶねぇ…」
  74. 74 : : 2014/08/14(木) 21:27:01
    〜次の日〜

    江ノ島「…」

    戦刃「…盾子ちゃんおはよう」

    江ノ島「うん、おはよう」

    戦刃「…」

    江ノ島「…」

    江ノ島「…ちょっくら食堂にモノクマ出現させてくるわ」

    戦刃「……うん、いってらっしゃい」

    アルターエゴ(うーわ2人とも不機嫌すぎるよ!)












    モノクマ「…みんなおはよ〜」

    霧切「あら、モノクマ…おはよう」

    舞園「…おはようございます」

    セレス「ごきげんよう♪」ツヤツヤ

    モノクマ「…なんかセレスさんツヤツヤしてんね」

    舞園「しかも機嫌いいですね…」

    霧切「…なにかいい事あったのかしら?」

    セレス「別に〜?
    何もなかったですわよ〜?」ドヤァ

    山田「セ!セレス殿がポーカーフェイスを解いている!」

    朝日奈「セレスちゃんがドヤ顔してるよ」

    大神「まあ、あれはしたくもなるのも頷ける…………のか?」
    石丸「ところで、なぜセレスくん、朝日奈くん、大神くん以外の女子は機嫌が悪いのだ?」

    大和田「…おう、察しろや兄弟」

    桑田「なんだこの複雑な心境…」

    モノクマ「あぁ、4Fまで解放しといたから」

    葉隠「どうしていきなり…」

    モノクマ「…八つ当たり?」

    桑田「…あぁ、なるほど」

    霧切「…もう琴渚君放って置いて行きましょう」

    十神(一体昨日何があったんだ…)

    腐川(これ昨日部屋に戻らない方が良かった感じよね……)

    舞園「じゃあ…行きましょうか…」

    大和田「…行くぞ兄弟、不二咲」

    不二咲「う、うん…」

    石丸「なぜこれほどまでにドンヨリとした空気が流れているのだ!?」

    セレス「…はやく会いたかったです」シュン

    モノクマ「いってらっしゃ〜い…」

    ゾロゾロ









    琴渚「おは……あれ?みんないないや」

    モノクマ「あ、琴渚クンおはよう」

    琴渚「モノクマか…おはよう」

    モノクマ「またまたコロシアイ回避しちゃったね〜…」

    モノクマ「ボクは残念で仕方ないよ…」


    それ以上に昨日のことが残念で仕方ないよ!

    って言ってやりたいよコノヤロー!


    琴渚「ボクは何度だって回避するよ
    その結果ボクが死んでしまうようなことがあったとしてもね」


    …そんなこと言わないでよ


    モノクマ「そっか」

    モノクマ「あ、とっても暇だから4Fまで解放しておいたよ!」

    琴渚「あ、そうなの?」

    モノクマ「もうみんな探索に出かけてるよ?」

    主にあんたのせいでね!

    琴渚「ボクも行かなきゃ!
    ありがとうモノクマ!」タッタッタッ



    江ノ島「…もっと話したかったな」
  75. 75 : : 2014/08/14(木) 22:43:37
    十神「…さてと」

    十神「冬子…俺は今日は琴渚と行動する」

    十神「すまんが今日はついてくるな」

    腐川「こ…琴渚に嫉妬しちゃうわ」

    腐川「ま、まあ…うん…わかった…」

    十神「それじゃ、また後で」

    腐川「うん、また後でね」



    十神「…琴渚のやつどこ行った?」

    とりあえず科学室に連れて行ってみよう…

    そこで何かしらのアクションをとれば………っと

    いたいた

    十神「琴渚…今から暇か?」

    琴渚「うん、暇だけど?」

    十神「どうだ、一緒に学園を探索しないか?」

    琴渚「十神クンから誘ってくれるだなんて嬉しいよ!」

    十神「そうと決まれば行くぞ」スタスタ

    琴渚「あ、待ってよ十神クン!」


    …怪しい部屋も見せてみるか


    琴渚「ここは…」

    十神「…科学室のようだな」

    さて…

    科学室、毒…この2つで思い出すか?

    十神「ん?…
    とても危険な毒も陳列しているな……」

    さあ、どんな反応をm

    琴渚「え、どれ?見せて?」

    …は!?

    十神「ちょ、琴渚!
    そんな迂闊に触ったら…」

    あ、手から滑り落ちて……

    パリーン




    琴渚「あ、割っちゃった」

    十神「ったく愚民が…」

    …こいつ……わざとじゃない?

    十神「まあ、毒などないに越したことはない」

    琴渚「この際毒全部駆除しちゃおうよ!」

    十神「え、琴渚!落ちk」

    パリーンパリーンパリーンパリーンパリーンパリーンパリーン

    こいつ…ホントにわざとじゃないよな……?

    琴渚「これで全部…かな?」

    琴渚「あ…掃除しなきゃ…」

    …フッ

    十神「はぁ…手伝ってやるから
    さっさと片付けるぞ」

    琴渚「ありがとう十神クン!」

    十神「例には及ばん」

    …お前は俺の友だからな



    江ノ島「わお…
    これぞ幸運って感じ?」

    戦刃「え、どういうこと?」

    江ノ島「本当はあの中にある毒で大神ちゃんが自殺するはずだったんだよ」

    戦刃「そうだったんだ…
    ってなんで?」

    江ノ島「アタシに一矢報いるため…
    大神ちゃんの道場の人達を人質にとってるって言って内通者してもらってたの」

    戦刃「え、でも…」

    江ノ島「うん、道場の人達は全員死んでた」

    江ノ島「だから大神ちゃんがやったことは…無駄だったってわけ」

    戦刃「…そっか」

    江ノ島「まあ、そのお陰でそれ以上コロシアイが起きることはなかった」

    江ノ島「それだけでも立派だよね」

    戦刃「そう…だね」

    江ノ島「って、大神ちゃんにこのこと伝えなきゃ」ピッ
  76. 76 : : 2014/08/15(金) 01:18:59
    〜プール〜

    モノクマ「大神さ〜ん」

    大神「む?どうしたモノクマよ」

    朝日奈「私もいて大丈夫な感じ?」

    モノクマ「あ、うん大丈夫だよ」

    モノクマ「実は…
    琴渚クンが毒薬全部処分しちゃって…」

    朝日奈「本当!?
    ならさくらちゃんは死なないでもいいの!?」

    大神「しかし……」

    モノクマ「うん、そうなんだよ…」

    朝日奈「え、ダメなの…?」

    大神「今回の目的は琴渚の記憶を思い出させること…」

    モノクマ「つまり前世のコロシアイの再現ってことなんだよ」

    朝日奈「あぁ!
    毒薬がないから再現ができないんだ!」

    大神「そういうことだ…」

    モノクマ「だけど…
    たとえ再現できなかったとしても大神さんには死んでもらわなきゃいけない」

    朝日奈「え、なんで!?」

    モノクマ「それが琴渚クンの前世での衝撃的なことの一つだからだよ」

    朝日奈「…え、一つって…」

    モノクマ「ボクの見たてなんだけどね」

    モノクマ「多分琴渚クンはみんなの死が衝撃的な出来事なんだよ」

    モノクマ「みんなが死んだ出来事をキッカケに、その前後の記憶を思い出してるって感じかな…」

    朝日奈「なら、再現はできなくても、さくらちゃんが自殺すれば琴渚の記憶は戻るってこと?」

    モノクマ「恐らくね…」

    大神「正確には現実世界に戻るだけなのだがな…」

    モノクマ「…待てよ?」

    大神「どうしたのだ?」

    モノクマ「もしかしたら大神さんが死ななくて済むかもしれない」

    朝日奈「え!?本当!?」

    モノクマ「…うん、ここまでのことを考えたらきっと大丈夫だ」

    大神「どのような作戦なのだ?」

    モノクマ「簡単だよ
    大神さんが内通者ってバラすのさ」

    朝日奈「?
    何でさくらちゃんが死なないで済むの?」

    モノクマ「昨日のセレスさんの件覚えてるよね?」

    大神「むう…あれは良かったな」

    朝日奈「本当…よかったねぇ…」

    モノクマ「違う違う!
    琴渚クンが思い出したキッカケだよ!」

    朝日奈「あれ?なんだったっけ?」

    大神「我の記憶が正しければ…
    『アルターエゴ』『セレスの怪我』
    ではなかったか?」

    モノクマ「そうなんだよ!
    だからさ!今回もその程度の情報で思い出させることが可能なんじゃないかな!」

    大神「…すると、我の場合のキッカケはどうなるのだろうか……」

    朝日奈「私には分かんないよ」

    モノクマ「まず、今日の『毒薬』
    そして明日の『内通者』だよ!」

    朝日奈「なるほど…」

    モノクマ「昨日ぐらいの情報で思い出せたんだ!」

    モノクマ「今回の方がよっぽど衝撃的だよ!」

    大神「なるほどな…」

    大神「その可能性に賭けるのも…悪くないな」

    朝日奈「1番平和的な解決だよね!」

    モノクマ「そうと決まれば予定を伝えておくね」

    モノクマ「明日、みんなが朝食を食べ終わったタイミングで内通者のことバラすからさ」

    モノクマ「大神さんは心の準備しといて!」

    大神「任せておけ…」

    大神「…朝日奈よ
    我は自分の命を犠牲にして皆の命を救った」

    大神「だが、お主の涙が気づかせてくれた…
    それが皆の幸せに必ず繋がることではない…とな」

    朝日奈「うん、そうだよ!
    さくらちゃんいなかったらドーナツ屋が開業できないしね!」

    大神「ふふ……そうだな」

    モノクマ「やっぱ2人とも仲良いね〜
    …あ!聞いてよ!」

    朝日奈「どうしたの?」

    モノクマ「琴渚クンったら!
    さっきね『コロシアイが止められるのなら自分は死んで構わない』なんて言ったんだよ!」

    大神「…友の誤りを正すのが友というもの」

    大神「我がその誤りを正してみせよう」

    モノクマ「さすがだよ大神さん!」

    モノクマ「んじゃ、ボクはそろそろ行くね〜」

    大神「待て、江ノ島よ」

    モノクマ「どしたの?」

    大神「この学園に来てからお主が1番無理をしている
    少しは体を休めるのだぞ」

    モノクマ「…ありがとう」ドロン


    朝日奈「…さくらちゃん、私ね」

    大神「む?」

    朝日奈「転生できて本当によかった」ニコッ

    大神「…ああ……そうだな」
  77. 77 : : 2014/08/15(金) 13:16:06
    次の日 〜食堂〜

    石丸「モノクマもいるというのは珍しいな!」

    モノクマ「ボクも見てるだけじゃ暇なんだよ…」

    不二咲「そういえば、戦刃さんはどうしてるのぉ?」

    モノクマ「ちょ…おn……
    大丈夫だよ不二咲君!
    私とっても元気だから!」ブイッ

    モノクマ「もう…本当に残念なんだから…」


    桑田「なあ葉隠!
    今日何が起こるか占ってくれよ!」

    葉隠「………お?
    …これは……」

    大和田「あ?どうしたんだ?」

    葉隠「なんか…
    アルターエゴが頑張るって出たべ」

    山田「…どういうことなのですかな」

    不二咲「別に頑張ることはそこまでないよねぇ…?」

    葉隠「何にしたって俺の占いは99%当たるんだ
    多分伝えておいた方がいいべ」

    モノクマ「確かにそうだね…」

    不二咲「アルターエゴ」

    不二咲「……あ、そうなのぉ?」

    不二咲「うん、じゃあねぇ」

    大和田「で、どうだったんだ?」

    不二咲「監視カメラ越しに見てるから何喋ってるかは分かるんだってぇ」

    石丸「…ん?アルターエゴくんはモノクマ操作室にいるのか?」

    不二咲「そうだけど?」

    石丸「なら大浴場のアルターエゴくんは何なのだ?」

    不二咲「あれはこっちでつくったアルターエゴだよぉ!」

    石丸「こっちでもつくったのか!
    驚きだぞ!」



    朝日奈「さくらちゃん、私祈っとくね!」

    大神「どのような祈りなのだ?」

    朝日奈「これ以上の犠牲無しに
    琴渚が思い出しますようにって!」

    大神「今まで誰も死ななかったのだ
    きっとあやつなら大丈夫であろう」

    朝日奈「うん、そうだよね!」



    琴渚「あ、モノクマおはよ〜
    それに石丸クンもおはよ」

    モノクマ「やあ、琴渚クン」

    石丸「うむ、おはよう!」

    霧切「ふぁ〜…あ、琴渚君おは……
    なんでモノクマがいるのよ」

    モノクマ「コロシアイが起きなくて
    ボクも暇なんですよ!」

    霧切(江ノ島さんがいるのは別に構わないけど…
    恥ずかしい…あくびしてしまったわ…)

    モノクマ(しかもその理由が琴渚クンが記憶戻った後のデートプラン考えてて夜更かししてしまったからだなんて…)

    舞園(それは恥ずかしいですね)

    霧切(こいつら、直接脳内に!)

    霧切「というか、舞園さんおはよう」

    舞園「おはようございます」ニコッ




    モノクマ(…よし、食器も片付け終わったかな)

    モノクマ(大神さん、いける?)チラッ

    大神(うむ…)コクッ
  78. 78 : : 2014/08/15(金) 18:32:57
    モノクマ「…この中に内通者がいます!」

    モノクマ「いわゆるスパイです!」

    モノクマ「その人にはコロシアイが起きないようなら、人をコロすよう頼んでいます!」

    十神(予定外にいい加減慣れてきたぞ…)

    霧切(というか、1日一回同期提供してるみたいになってるわね)

    舞園「内通者?」

    山田「な、なんだか…
    良い響きではないですぞ…」

    セレス(前世では内通者をエサにコロシアイを起こさせようとしていたのですか)

    葉隠「い、一体誰なんだべぇ!」

    桑田「お前ぇは知って……るわけねぇのか!」

    桑田(あぶねぇあぶねぇ…)

    朝日奈「…」

    モノクマ「さあ、内通者とは一体d」

    琴渚「大神さんでしょ?」

    モノクマ「!」

    きたぁ!やっぱ思い出した!

    大神「…」

    いや、まだ分からぬ…

    事件の全貌を思い出しておるとは限らない…


    ならば…


    大神「そうだ…我が内通者だ……」

    十神(あの時の流れを作るべきなのか?)

    十神「そうと分かれば信用できんな」

    腐川「そ…そうよ!」

    腐川(なんかよく分かんないし白夜君と同じこと言っとこ)

    琴渚「大丈夫だよ大神さん
    ボクは君を信じているから」

    朝日奈「琴渚…………」

    琴渚に先に言われてどーすんの!

    私はさくらちゃんの親友でしょ!?

    朝日奈「私もさくらちゃんを信じるよ!」

    大神「琴渚……朝日奈………」

    あの時も…

    お主らは信じてくれたな

    ……だが

    舞園「私も信じます!」

    桑田「まあ…舞園ちゃんが言うなら」

    不二咲「僕も信じるよぉ!」

    大和田「もちろんだぜ!」

    石丸「うむ!」

    山田「拙者も信じておりますぞ!」

    セレス「仲間を信じることは…
    当たり前のことですわ」

    葉隠「ん?なんの話だべ?」


    今はこやつらも我を心から信じてくれる

    霧切「十神君…腐川さん…
    信じてあげたら?」

    そして…

    十神「……俺は可能性の話をしただけだ」

    腐川「あ…あたしは……
    白夜様についていくだけよ…」

    こやつらも今は…信じてくれる



    大神「すまぬ皆の者…ありがとう…」



    モノクマ「わお、目の前でコロシアイを阻止されちゃったよ!」

    モノクマ「興ざめだよ!」ドロン


    …江ノ島よ、ありがとう




    さて…

    我の間違いを朝日奈が正してくれたよう…

    我が琴渚の間違いを正そう

    お主がどれほど大事に思われているのかを

    我が……我らが教えてやろう
  79. 79 : : 2014/08/15(金) 23:48:19
    琴渚「…大神さん」

    琴渚「君はあの時、自分の死をもって犠牲者を増やさないようにしたね」

    大神「!」

    大神「………お主」

    …やはり思い出しているのだな

    琴渚「でもね、犠牲にしていい命なんてないんだよ!」

    江ノ島(お前が言うなバーカ)ムスッ

    琴渚「朝日奈さんがあの時!
    どれだけ悲しんでいたか!!!」

    朝日奈「…」

    琴渚「死んでしまった大神さんには分からないだろうけど…」

    琴渚「朝日奈さんは!
    自分のせいで大神さんが死んだって思って…!」




    朝日奈「もういいんだよ、琴渚」

    ーもう…気にしなくていいんだよ

    琴渚「え?」

    大神「その点に関しては我は深く反省している…」

    大神「だが琴渚よ…
    昨日モノクマから聞いたぞ…」

    大神「お主、『コロシアイを回避するために自分が死んでも構わない』
    と言ったそうだな?」

    琴渚「っ!…それは」

    江ノ島(それじゃ本末転倒なんだよ)プクー

    大神「仲間の為に自分を犠牲にする…
    理由は違えど我と思想は同じだぞ」

    ふふ…我でなくとも察知できるほどの殺気が真後ろから3つ伺えるぞ?

    大神「琴渚よ…
    もっと自分を大切にするのだ…」

    お主はお主が思っている以上に
    皆に大切に思われているのだからな

    舞園「琴渚君…」ゴゴゴゴゴ

    セレス「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    霧切「琴渚君のくせに…生意気よ…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    琴渚「」

    大神「ほらな」フッ














    江ノ島「もー!アタシも怒ってるんですけどー!」

    戦刃「z z z」

    江ノ島「アルターちゃん!どー思うよ!」

    アルターエゴ『…ちょっと黙ってて』

    江ノ島「え?」

    アルターエゴ『誰なんだ一体…』

    江ノ島「…どうしたの?」













    アルターエゴ『何者かがこのプログラムに侵入しようとしてる…』
  80. 80 : : 2014/08/16(土) 00:30:57
    お誕生日番外編

    苗木「あ、今日は九頭龍先輩の誕生日なんだってさ!」

    霧切「あら…それはおめでたいわね」

    苗木「そうだよね!」

    霧切「そうね」

    霧切「…」

    霧切「え、それだけ?」

    苗木「そうだよ?」

    霧切「じゃあ一々番外編と銘打ってやる必要なかったじゃない…」

    苗木「ほら、>>1が全くダンロン2をやってないから話が作れないんだって!」

    苗木「でもやっぱりダンロンファンとしてはお祝いしたいなーって思ったんだよ!」

    霧切「メタな発言はいいわよ…」

    苗木「あはは…ごめんごめん」

    霧切「……」

    霧切「…え、ホントにこれだけ?」

    苗木「うん、そうだよ」

    苗木「あ、石丸クンの誕生日は頑張るって言ってたよ!」

    霧切「だからメタな発言はいいってば…」

    苗木「あ、ごめんごめん…」

    霧切「………」

    霧切「…ホントにこれだけなの!?」




    九頭龍センパイお誕生日おめでとうございます!


    番外編、おわり
  81. 81 : : 2014/08/16(土) 04:22:51
    江ノ島「…アルターちゃん
    アタシも手伝う」

    アルターエゴ『でもどうやってシステムに接続するの?』

    アルターエゴ『それにそれ専用のキーボードがないと…』

    江ノ島「右手と左手を虚空にかざしますとあら不思議!」シュンッ

    アルターエゴ『そのセリフすっごく腹立つよぉ…』

    江ノ島「まあまあ、私様しかこんな芸当できないんだしさ!」カタカタカタ

    データさえ完全に理解することができれば…

    その情報を元に新たなる物を自ら構築することも可能なんだならビックリしちゃうよ!

    ホント…プログラムだから何でもできるよねぇ♪


    江ノ島「ねぇ、アルターちゃん」カタカタカタ

    アルターエゴ『なぁに?』

    江ノ島「アタシ…こいつに何となく心当たりあるんだよね」カタカタカタカ

    アルターエゴ『え!?』

    江ノ島「あ、やっべ第3防御壁まで突破されちったよ…」カタカタカタカタ

    江ノ島「アタシは壁の修復に回るからアルターちゃんはできるだけそいつを食い止めて!」カタカタカタカタカタ

    アルターエゴ『わかったよぉ!』


    アタシの分析が正しければ…

    江ノ島「多分こいつは…」カタカタカタカタカタ



    アルターエゴ『っ!?
    スピードがはやくなった!』

    江ノ島「!?」カタカタカタカタカタカタカタカタ

    それは予想外だよ流石にっ!

    江ノ島「どう!?防御壁持つ!?」カタカタカタカタカタカタカタ

    アルターエゴ『あ、ダメだ間に合わない…』

    江ノ島「くっ…!」カカカタカタカタカタカタカタカタ

    アルターエゴ『…第5防御壁突破された』

    江ノ島「ならお目見えじゃんかよ…」


    ウ"ォン



    江ノ島「…ったく
    体はカプセルに入っていないはずなのになんで具現化できるかね…」

    アルターエゴ『?…君は誰ぇ?』

    黒く長い髪の毛…

    射抜かれそうなぐらい鋭い赤目

    不気味さを漂わせる真っ黒なスーツ

    そして…



















    「ツマラナイ」

    「あの程度の解析で突破されるような防御壁などないに等しいのでは?」

    アルターエゴ『!?』

    江ノ島「仕方ないよ、それは」

    江ノ島「だってあんたは全部の才能を使えるんでしょ?」

    江ノ島「だったら各々の才能を進化させるだなんて可能でしょーよ」

    アルターエゴ『君は…どの情報データベースにもその存在を見受けられない…』

    江ノ島「そこらへん含めて今から質問責めだからな!」

    江ノ島「さぁて!
    君がどうやってこれを嗅ぎつけたのかを白状してもらうよ!」

    江ノ島「創られし『超高校級の希望』」

















    江ノ島「カムクライズル!」

    カムクラ「?…江ノ島盾子……ですか
    ………お久しぶりです」
  82. 82 : : 2014/08/16(土) 13:56:37
    こっから地の文登場します

    多分カムクラパートのみだとは思います
  83. 83 : : 2014/08/16(土) 14:15:41
    苗木達が転生を果たしたのだ

    無論、他の生徒たちが転生を果たしていないという確証はない

    そして、この男は転生した

    他の77期生も転生をしているらしい

    が、各々が散り散りになって活動をしているようだ

    思い出すキッカケなどまるで与えられていない


    転生した当時、彼はまだ眠っていた

    彼が本格的に活動できるようになったのは
    彼の器が『私立 希望ヶ峰高校』に入学した頃である


    彼の器である日向創だが、ここでは

    姫路 華太(ひめじ はなた)

    と言う名前だ



    この世界では予備学科などは存在しない

    故に姫路もまた、ある分野で優れていたので入学を果たせたのである

    人の相談を受け、そのアドバイスの的確さが異常であったことからの入学だ

    いわゆる、『超高校級の相談窓口』

    その能力は他を希望に導くとまで言われた












    カムクラ「そして、ある時です」

    カムクラ「僕は…いや姫路華太は学校内である人物を見かけます」

    江ノ島「ある人物?」

    カムクラ「苗木誠…もとい琴渚恵真ですよ」

    カムクラはつまらなさそうに言う

    カムクラ「それをキッカケに姫路華太は日向創を思い出します」

    カムクラ「それはつまり僕を思い出すということと同義」

    カムクラ「過去にあんなことがあったんです…日向創は絶望しました」

    江ノ島(あんなこと?)

    カムクラ「生きることに絶望し…無気力になり……」

    カムクラ「そして僕は表に出ることができた…というわけです」

    江ノ島「…質問に答えなよ」

    カムクラ「このぐらいは我慢してくださいよ…だからあなたはツマラナイ」

    江ノ島「なんか腹立つ…」
  84. 84 : : 2014/08/16(土) 14:59:44
    カムクラ「まあ、僕が今回の作戦を知っているのは『諜報員』とか『スパイ』とかそのあたりの能力使って情報を集めたからですよ」

    江ノ島「なにそれストーカーじゃん」

    カムクラ「人聞き悪いですね…」

    江ノ島「というか、あんたさ
    なんでここに来たの?」

    カムクラ「そうですね…
    過去に果たせなかった目的のため、でしょうか」

    江ノ島「目的?」

    カムクラ「僕は志半ばで殺されてしまったんですよ」

    この時だけ、カムクラは苦い顔をした

    江ノ島「え、あんたを殺せる奴なんていたんだ…」

    カムクラ「まあ、僕も正直殺されるなんて思っていませんでしたよ?」

    目を閉じ、右手をヒラヒラさせながらそんなことを言う

    江ノ島「…誰に殺されたの?」

    カムクラが目を開く…

    ゆっくりと江ノ島の方を向く

    カムクラ「…」

    江ノ島は緊張していた

    さすがにこのプレッシャーには耐えられない

    それでも冷や汗をかくレベルで留まっている彼女は中々のものだろう

    そして江ノ島は考えていた

    誰に殺されたかを分析していた

    江ノ島(どう分析しても……)

    なぜ繰り返し分析しているかというと

    何回繰り返しても犯人の名前が同一であるからだ

    そして、同一であるからこそ否定している

    江ノ島(じゃあ…こいつの目的って……)

    カムクラ「…あなたには分析能力があるでしょう?」

    江ノ島はハッとした

    そんなことを気にもとめずカムクラは続ける

    カムクラ「僕を殺した犯人はあなたが分析した結果で間違いないですよ」

    念を押された

    故に江ノ島はあせる

    江ノ島「そ!そんなわけないじゃん!
    あいつに限ってそんなこと…!」

    カムクラ「だったら聞いてみるといい」

    カムクラ「そして次はあなたと…そして彼の2人で僕の所へ来なさい」

    カムクラ「場所は……
    希望ヶ峰高校のあなた達の教室にしましょうか」

    江ノ島「ちょ!
    なに締めようとしてんだよ!」ダッ

    江ノ島はカムクラに詰め寄った…が

    カムクラ「いつでも構いません…
    僕は待っていますから……」ジジジ…

    江ノ島「待て!カムクラっ!」スカッ

    彼の腕を掴もうとした手は

    虚しく虚空を掴んだ

    江ノ島はその手を強く…強く握りしめた

    アルターエゴ『…何が何だかだよ』

    江ノ島「この事は黙っておこう」

    アルターエゴ『え!?』

    江ノ島「今はこの作戦に専念しないと…
    変な情報でみんなを混乱させたくないでしょ?」

    アルターエゴ『…わかったよ』

    江ノ島「ありがと」

    江ノ島はとてつもなく焦っていた

    江ノ島「はやく…琴渚に思い出してもらわないと…!」

    そして思いつく

    江ノ島「…ならもう最後の学級裁判を開いちゃおうかな」

    その焦りから最善の策を得られたことは

    彼女のカリスマ性がそうさせたからかもしれない
  85. 85 : : 2014/08/17(日) 00:21:53
    江ノ島「さーて…善は急げだね」ピッ


    ガガガガガガガ…


    江ノ島「よぉし、5F解放完了!」






    石丸「む?なんだこの音は?」


    石丸(まるでシャッターが開いた音…)

    石丸「!!!」

    石丸「シャッターが開いている!」

    ダダダダダダダダダ



    石丸「君たち!
    5Fが解放されているぞ!!!」

    朝日奈「琴渚がコロシアイを回避したからだねっ!」ニコッ

    琴渚「あはは…そんな大層なこと
    したつもりじゃないんだけどなぁ…」

    大神「琴渚よ…
    大げさでなくお主は我の命を助けてくれたのだぞ?」

    大神「大層なことではないか」

    朝日奈「そうだよっ!」

    琴渚「そうか…な?………ふふっ」ニコッ

    十神「無駄口叩いてる暇あったら探索に行くぞ貴様ら」

    腐川「じ…じゃああたし達は先に行ってるから……」



    朝日奈「…やっぱ仲良しだよねあの2人」

    大神「距離が縮まったというべきか…」

    桑田「一体何があったんだろうな…」

    葉隠「全くだべ」

    琴渚「まあまあ、とりあえず行こう?」












    江ノ島「…お、琴渚は生物室か
    …今となっては嫌いな場所だよ」ピッ


    葉隠「やけに寒いべ…」

    モノクマ「それはこの部屋に死体を安置する予定だったからです!」

    葉隠「ひ、ひぃ!モノクマだべぇ!」

    江ノ島(あー、ホント葉隠のリアクションは飽きないよw)

    琴渚「アハハ、驚き過ぎだよ」

    モノクマ「まあ、琴渚クンのせいで死体が並ぶことはなかったんですけどね!」


    本当……回避してくれてありがとう


    琴渚「あれ?もうコロシアイは起きないって断言できるの?」

    モノクマ「うん、断言できるよ」

    モノクマ「あんなに信頼し合ってるのに殺すなんてこと、ありえないっしょ」


    アタシすら信じてくれたあいつらが
    コロシアイなんてするわけないじゃん?



    琴渚「そっか…」

    モノクマ「だから、君たちで
    この学園の外の状況、ボクの正体、
    なぜここに閉じ込められたか
    を解き明かして!」


    それができたら、あんたは全てを思い出したっていうこと

    だからここに閉じ込める理由がなくなる

    つまり…


    モノクマ「もし正解だったらこの学園から出してあげるよ」

    モノクマ「それを最初で最後の学級裁判にしよう」

    琴渚「わかったよ」

    モノクマ「他のみんなにも伝えておくから!」ドロン

    琴渚「…」

    葉隠「なんかえれぇことになったな…」

    琴渚「ごめん葉隠クン…
    ボクはもう部屋に戻るよ…」

    葉隠「お?捜査せんでええんか?」

    琴渚「うん、大丈夫…
    それじゃ…」スタスタ

    葉隠「ありゃ思い出したっぽいべ」



    〜食堂〜

    モノクマ「…てな感じだからヨロシク」

    十神「当初は短略化して2週間の予定だったのだがな…」

    霧切「まさか10日で終了とはね…」

    舞園「というか、10日も経ってたんですね」

    セレス「そっちに驚きましたわ」

    腐川「な…なんにしても…
    これで琴渚は完全に思い出すのよね?」

    大神「うむ、そうだな」

    朝日奈「明日でおしまいって考えると少し寂しいけどね…」

    十神「安心しろ
    貴様らのご家族には2週間と伝えている」

    霧切「つまり、あと4日間時間はある…ということね」

    セレス「残りの4日間は現実で仲良く遊びましょうってことですわ」

    大神「朝日奈よ…
    どうやら明日で最後じゃないようだぞ?」

    朝日奈「うんっ!」パァッ

    腐川(そっか……嬉しい)

    モノクマ「そんじゃ、アタシは他の人にも伝えてくるから」ドロン

    十神「…これが終わったら江ノ島にはお礼を言わなければな」

    舞園「そうですね」











    江ノ島「ふう…全員に伝えたー…」

    戦刃「盾子ちゃんお疲れ様」

    アルターエゴ『お疲れ様ぁ!』

    江ノ島「…明日で終わるんだね」

    戦刃「そうだね…」

    江ノ島「ねえ、お姉ちゃん」

    戦刃「どうしたの?」

    江ノ島「アタシさ…
    みんなの役に立てたかな?」

    戦刃「うん、もちろん!」

    江ノ島「…そっか」ニコッ


    明日で終わる…

    明日でやっと……
  86. 86 : : 2014/08/17(日) 01:05:02
    江ノ島「………」ムクッ

    江ノ島「ふぁ〜…」ピッ

    『オm((ry』

    江ノ島「…今日で最後」



    江ノ島「脱出したら…告白しよう」

    戦刃「苗木君に?」

    江ノ島「ひっ!」ビクッ

    戦刃「そんなに驚かないでよ〜…」

    江ノ島「ごめんごめん…」

    戦刃「そっか…
    …松田君以上の人見つけたんだね」

    江ノ島「ううん、やっぱり松田クンが一番だよ」

    江ノ島「でもね、アタシは苗木のことが大好き」

    江ノ島「松田クンと違う良い所がたくさんある」

    江ノ島「平凡だからこそ…ってわけじゃないんだろうけどさ…
    アタシは好きなんだよ」

    江ノ島「…だから、お姉ちゃんにも負けないから」

    戦刃「…うんっ!」

    アルターエゴ『…へぇ』ニヤニヤ

    江ノ島「」

    戦刃「もー!盗み聞きはダメだよ!」















    〜食堂〜

    石丸「おはよう兄弟!不二咲くん!」

    大和田「うっす!」

    不二咲「おはよぉ!」

    石丸「どうだ兄弟!
    リーゼント一回やめてみるのだ!」

    大和田「そりゃ死んでもお断りだぜ」

    石丸「ふ〜む…
    僕のような髪型…やってみないか?」

    大和田「絶対しねぇ!」

    不二咲「お、大和田君が…w
    石丸君の髪型www」

    大和田「おい不二咲笑うな!」






    今日で全てが終わる…

    今日…琴渚君が誠君を思い出す

    そうしたら…

    霧切「…あなたには聞きたいことが沢山あるのだから」


    舞園「霧切さん、おはようございます」

    セレス「あら、2人ともごきげんよう」

    霧切「…2人とも、聞いて」

    舞園「?」

    セレス「どうしたのですか?」


    霧切「私は…琴渚恵真君が…
    苗木誠君が好き」

    舞園「…はい、私もです」

    セレス「わたくしも…ですわ」


    霧切「絶対に負けないから」

    舞園「私も…負けません」

    セレス「わたくしは負けなど知りません」ニコッ


    霧切「…絶対に思い出させてあげましょう」

    舞園「はい!」

    セレス「ええ」







    山田「あー、ここともお別れなのですな」

    葉隠「そだなー」

    桑田「俺…ここ出たらまた告白するわ」

    葉隠「はぁ!?」

    十神「やめておけ…ククッ…」プルプル

    山田「そうですぞwww」

    桑田「ちょ、笑うなよ!」








    大神「今ここにいることが…
    我の人生最大の喜びだ」

    朝日奈「本当だよね…
    みんなが互いを許しあってる」

    腐川「みんなが謝ることができたものね…」

    朝日奈「またみんなに会えてよかった」

    腐川「きっと…そういう運命だったのよ」

    朝日奈「腐川ちゃんロマンチック〜!」

    腐川「ちょ…からかわないでよ…!」

    大神「…我は本当に恵まれているな」

    …ケンイチロウよ

    お主もどこかにいるのだろうか?









    江ノ島「…さあ、そろそろ……
    って琴渚起きてないし!」ピッ



    モノクマ「琴渚クン!」ユサユサ

    琴渚「…ぅ」ムニャ

    モノクマ「起きてってば!」ユッサユッサ

    琴渚「……?」パチッ

    琴渚「…モノクマ?」

    モノクマ「もう!
    何時だと思ってんの!」

    モノクマ「もうすぐ学級裁判の時間だよ!」

    琴渚「あ、ごめんね
    すぐ起きるから…」ノソノソ

    モノクマ「全くもう…!」ドロン




    江ノ島「なんで琴渚起きるの遅いかなーもう…」ブツブツ

    戦刃「ま、まあまあ!
    琴渚君も疲れてたんだよ!きっと!」

    江ノ島「確証がないのが気に入らない!」

    江ノ島「もー!イライラする!」

    戦刃「おーちーつーいーて!」

    江ノ島「…むぅ」プクー

    戦刃(は!可愛い!)

    戦刃「じゃなくて!」

    江ノ島「?」

    戦刃「もうこれでおしまいなんだから、ね?」

    戦刃「多めに見てあげよ?」

    江ノ島「えー…」

    戦刃「ね?」

    江ノ島「…わかったよ」ムスッ


    アルターエゴ『あ、みんな集まったみたいだよぉ!』

    江ノ島「…よし、いこっ!」

    戦刃「うん!」


















    『さて、集まったみたいだね
    オマエら、赤い扉に集合!』
  87. 87 : : 2014/08/17(日) 15:20:17
    赤い扉が開かれ、裁判所へ続くエレベーターが出現…

    懐かしいって思えるようになったのは過去を克服できた証かしら


    霧切(前はこれが絶望への入口だったのに…)

    霧切(今はこれが希望への入口だなんてね)


    エレベーターに乗っている間、誰として口を開かなかった

    けれど、きっとみんなそれぞれ何かを考え、そして決意したのでしょう

    その目は語らずとも輝いていたわ

    琴渚君は…緊張気味のようね




    ガコン…




    そして開かれる…その扉が……

    かつては血濡れだった裁判所が…



    みんなは示し合わせたように自分の席につく

    そして当たり前のように既にモノクマは自分の席に座っていた


    モノクマ「さあ、みんな席についたね」


    モノクマが…江ノ島さんが口を開く


    モノクマ「始めていくよ!」

    モノクマ「簡単にルールを説明しておくよ!」

    モノクマ「昨日の段階で捜査してもらったけど、
    外の状況、閉じ込められた理由、僕の正体」

    モノクマ「この3つの謎を正確に解ければ君たちの勝ち!外に出られるよ!」

    モノクマ「逆に解けなければ…」

    モノクマ「みんなにはスペシャルなオシオキ…受けてもらうからね?」ウププ


    江ノ島さん…ノリノリじゃない…

    …さて、私は琴渚君のアシストをしなくちゃね

    琴渚「みんな!ここは僕に任せてくれないかな?」


    …あら?

    琴渚君…昨日捜査してたからしら?


    霧切「あら、何か作戦でもあるの?」

    琴渚「作戦ってほどじゃないんだけど…ね」ニコッ

    十神(記憶が戻っている……のか?)

    十神「ほう、やってみろ」

    琴渚「…うん」


    琴渚君のその目は…

    決意そのものだった
  88. 88 : : 2014/08/17(日) 23:37:02
    さてと、琴渚君が困ってしまったら助言できるように議論をしっかり聞きましょう…

    琴渚「まず、閉じ込められた理由から証明するよ」


    さすが…様になっているわ…






    ……






    琴渚「その誰かがコロシアイ学園生活に参加していたんだよ…」





    …………







    琴渚「『ジェノサイダー翔』」

    腐川「!」



    …………





    ……………


    琴渚「これで、ありえない記憶のことは認めてくれるかな?」

    モノクマ「なるほど、認めましょう!」



    …あら?

    いやいや、落ち込んではダメよ

    まだアシストのチャンスはあるわ!



    琴渚「さて、本格的な理由の証明にいくのだけれど…」



    ………





    琴渚「少なくとも大神さんが関与していると思うんだ」

    大神「!」





    ……………








    …………………







    モノクマ「なるほど……
    その仮説は間違っていないよ」

    琴渚「よかった」ニコッ


    …ん?



    ……………あらら?



    …いいや、まだよ!










    琴渚「君たち全員でボクを閉じ込めたんじゃないかな?」

    全員「!」









    ………あるぇ?



    琴渚「外の状況なら簡単だよ」


    ……



    ………





    琴渚「つまり、快晴なんてありえないんだよ!」

    モノクマ「っ!!!」

    モノクマ「…正解だよ
    外はすんごく平和さ」

    琴渚「よかった」ニコッ


    …はぁ、活躍なしね

    絶対完璧に思い出しているわよ…



    モノクマ「さて、最後だよ!」

    モノクマ「ボクの正体を暴くんだ!」

    琴渚「…」





    琴渚「ごめん、それは分からない」



    …え?
  89. 89 : : 2014/08/18(月) 00:04:35
    いや、ちょっと待って…

    ここまで来てわからない?

    彼は何を言っているの?

    え?

    うそ、頭が追いつかない…


    琴渚「ボクは大事なことを忘れている」

    琴渚「君の正体に辿り着くための大事な記憶を…」





    …!





    霧切「…琴渚君」

    琴渚「どうしたの?霧切さん?」

    十神「おい霧切
    余計な口出しはしないほうがいいんじゃないか?」

    霧切「あら、私の使命は今も昔も
    苗木君を真実に導くことよ」


    それに…考える前に口が開いていたし

    でも、何を言おうとしていたかは分かる


    十神「フッ………そうだな」


    納得してくれたみたい


    霧切「さて、琴渚君」

    私が無意識に言おうとしていたこと…












    霧切「この裁判所の席は全部で何個ある?」


    …どうかしら


    琴渚「何個って…16個…」


    琴渚「…」



    喋るのをやめた…?



    琴渚「…ぁあ」






    琴渚「あぁぁあああああぁあ!!!!!!!!!」


    …きた!

    今度こそこれで全部…


    …いや、まだね



    琴渚「あ、あぁ…そうか…」

    朝日奈「こ、琴渚大丈夫!?」


    琴渚「君の正体が分かったよ」

    霧切「…」

    琴渚「超高校級の絶望…
    江ノ島盾子ッ!!!!!!」

    モノクマ「…」














    江ノ島「…お姉ちゃん、行こうか」

    戦刃「うん、行こう」
  90. 90 : : 2014/08/18(月) 15:43:07
    アルターエゴ『よぉし!頑張ってモノクマするぞ!』


    モノクマ「うぷぷぷぷ…」

    モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃぁあ!!!!!!!!!」


    アルターエゴ『こんな感じかなぁ!
    …そして、これで爆発させて…』


    ボンッ



    江ノ島(さあ、解答編に突入だよ!)


    江ノ島「大正解だよ琴渚!」

    戦刃「席の数だけで思い出すなんて…」

    江ノ島「でも思い出せたんだからいいのいいの!」ボソッ

    戦刃「…うんっ」コクッ


    江ノ島「さあ、アタシの正体もバレちゃったし外に出してあげたいんだけど…」

    戦刃「ごめんね、まだダメなんだよ」


    そう、まだ…ダメなんだよ













    〜Re : コロシアイ学園生活…初日〜

    十神「琴渚が全て思い出した、と全員が判断できる材料が欲しいな…」

    霧切「確かにそうね…」

    舞園「でもそんなものありますかね?」

    セレス「わたくしは思いつきませんわ…」

    桑田「さっぱりだぜ…」

    大和田「ああ…俺もだ…」

    石丸「苗木くんかね!?
    と聞くというのは…」

    葉隠「悪くないとは思うが…琴渚っちが嘘ついたときどうしようもないべ」

    朝日奈「ということは、琴渚に苗木と認めさせる必要があるよね…」

    大神「むう…思いつかぬ………」

    山田「んー…
    何か質問をするなどはいかがですかな?」

    不二咲「いいねぇそれ!」

    戦刃「…でも何を質問する?」

    腐川「そ、そんなの…
    あたしに聞かれても困るわよっ…」

    モノクマ「んー…」




    モノクマ「…あ、そうだ」

    十神「何か思いついたのか?」

    モノクマ「うん!
    …あのね………」

























    舞園「…琴渚君あなたにはもう一つ、謎を解いてもらいます」

    桑田「つっても、察しついてんじゃね?」

    不二咲「さぁ!最後の問題だねぇ!」

    大和田「気ぃ引き締めろよ!」

    石丸「大丈夫、君なら解ける!」

    朝日奈「うん、早く解いて!
    外に出てドーナツ食べたいよ!」

    大神「琴渚よ…恐れるな」

    山田「頑張るのです琴渚恵真殿!」

    腐川「ここまで分かったんでしょ?
    …さ!さっさと解きなさいよね!」

    十神「…時間をあまりとらせるなよ?」

    葉隠「大丈夫!琴渚っちは9割9分、
    解答することができるべ!」

    セレス「では、問題ですわ」


    …大丈夫、琴渚君はきっと思い出してる

    わたくしを……みんなを………



    霧切「私たちのその『ありえない記憶』の出どころは、どこ?」


    ここまで言ったのよ

    分からなかったら許さないわよ?
  91. 91 : : 2014/08/18(月) 23:22:50
    一瞬の沈黙…

    それだけで答えは無意識に分かっていたのかもしれませんわね…















    琴渚「そ、そんなの分かるわけないじゃないか!」




    …うそ


    江ノ島「は?」

    不二咲「そ、そんなぁ!」



    …怯えている?




    朝日奈「なら琴渚は全部を思い出せてないってことじゃん!」

    十神「どういうことだ…」



    なにに…?




    舞園「霧切さん…どうしましょう…」

    霧切「待って」





    あ…そういうことですの……





    だったら…向き合わせてあげますわ






    霧切「今何か考えるか…」

    セレス「…」スタスタ


    わたしは…彼の元へ歩みよる


    琴渚「セレスさん?」




    大神(…まさか!)

    大神「…!セレスよ!落ち着け!」



    大和田(?…あの目つきは…!)

    大和田「な、お前ぇ!」



    葉隠「ん?なんだべ?」



    戦刃(今琴渚君を刺激したら…!)

    戦刃「セレスちゃんダメ!」














    パンッ














    わたしの平手打ちに場が唖然とする


    琴渚「…え?」


    琴渚君は痛そうに左頬に手を添えている




    でも、そんなのどうでもいい


    この腰抜けに説教しないと






    セレス「いい加減ビビってんじゃねぇよ!!!!!」



    琴渚「な!ボクはビビってなんか!」


    ここまできて何を…!


    セレス「嘘ついてんじゃねぇ!」

    琴渚「嘘じゃない!」


    嘘じゃない?



    なら…


    セレス「なら!!!」

    セレス「なんでわたくし達を思い出せて自分自身を思い出せてねぇんだ!?
    あぁ!!!?」

    琴渚「そ、それは…!」



    教えてあげる


    セレス「てめぇは!自分が知らないけど、みんなが知っている彼を!」

    セレス「わたくしのナイトを怖がってんだよ!!!」

    琴渚「…」



    ほら図星



    セレス「思い出したら自分が自分じゃなくなるかもしれない!」

    セレス「彼は極悪非道で、思い出したらその影響が自分にもくるかもしれない!」

    セレス「彼のせいで性格が変わったりするかもしれない!」

    セレス「てめぇが怖がってんのはさしずめその辺りだろ!?」

    琴渚「……」



    つまり、あなたが怖がっているのは




    苗木誠そのもの





    あなた自身で分かっていたことでしょ?



    セレス「おい、言えよ」

    琴渚「…」

    セレス「何とか言えよ」

    琴渚「………」

    セレス「何か言えよ琴渚恵真ぁ!!!」





    あなたが一つ一つ事を起こさないと思い出せなかったのは

    仲間の死がショックだったことが大半だけど

    もう一つの理由が主

    『琴渚恵真』が無意識にとった自己防衛


    そんな下らないことする必要ないのに…













    あなたは…あなたのままなのに
  92. 92 : : 2014/08/19(火) 14:37:29
    琴渚「………」



    息を吸い込む音が微かに聞こえた



    琴渚「その通りだよ…セレスさん」


    琴渚「ボクは怖いんだ」


    琴渚「自分の知らない記憶があるなんて」



    琴渚「だってさ」



    きっとこう続いたのだろう


    わたしのいう『彼』は…













    琴渚「………コロシアイ学園生活を阻止できなかったんだろう!?」


    江ノ島「…」


    琴渚「みんなのSOSを受け取ってあげられなかった弱者なんだ!」


    十神「…」


    琴渚「ボクはそんな弱者になんて逆戻りしたくない!」


    朝日奈「そr…モガッ」


    葉隠「今は黙っとくべ」ボソッ




    琴渚「ねえ、そうでしょう!?」


    腐川「…」



    琴渚「守り通せなかった!」


    舞園「!」


    桑田「……」



    琴渚「察知できなかった!」


    戦刃「…」



    琴渚「気づけなかった!」


    不二咲「……」


    大和田「…」



    琴渚「対策を立てられなかった!」


    石丸「…!」


    山田「………」


    セレス「…」



    琴渚「信じさせてあげられなかった!」


    大神「!」



    琴渚「止められなかった!」


    江ノ島「…え」ポソッ


    琴渚「1人だけ惨めに生き残ってしまった!」


    霧切「!
    ……ごめんなさい」ボソッ



    琴渚「そんなやつに!」


    琴渚「ボクは戻りたくない!!!」









    違う……違います















    舞園「それは違います」
  93. 93 : : 2014/08/19(火) 14:58:10
    違います…だって…

    舞園「私が死んだのは私のせいです」




    苗木君のせいじゃなかったよ

    戦刃「私が盾子ちゃんに甘すぎたの
    軍人が察知できなかったのを一般人が察知できるわけないでしょ?」




    なんでお前がそれを悔やんでんだよ

    桑田「直接手を下したのは俺だ
    お前じゃねぇだろ」



    気づかれる前に言うべきだったんだ

    不二咲「男って言えなかった僕の弱さだよぉ」




    違う…俺が弱かったから…

    大和田「不二咲が死んだのは強さに嫉妬した俺の弱さが原因だ」





    僕が間違っていたのだ

    石丸「どんなに兄弟と思いたくても
    結局あれは兄弟ではなかった
    最初からそう気づくべきだった」




    苗木誠殿が背負う必要のないことですぞ

    山田「恋は盲目と言いますが
    それでも拙者は盲目になりすぎました」




    あなたが気づかせてくれたのです

    セレス「死ぬ間際わたくしは後悔しました
    なんて取り返しのつかないことをしたのだろう…と」




    信じてもらえなかったのは我の責任だ

    大神「琴渚の言うとおりだった
    何かを犠牲にして得られる平和など
    真の平和ではない」




    本気で止めようとしてくれてたんだね…

    江ノ島「あたしが絶望したかったからあんなことしたの
    あんたの責任なんかじゃない」





    というか…

    腐川「な…なんか変な勘違いしてるんじゃないの?」




    それは違うって!

    朝日奈「あんたは弱くなんかなかったよ!」




    はぁ…苗木っちらしいっちゃらしいが…

    葉隠「なんか責任感じる必要ないことで責任感じてねぇか?」




    お前は十分苦しんだ…だから

    十神「お前は引きずりすぎだ
    いい加減乗り越えろ」






    …ごめんなさい誠君…でもね

    霧切「大丈夫
    あなたは何も変わってないわ
    だから安心して」



















    …そう、ボクはボクだよ

    君が君であるように…ね


    でもボクは君なんだ

    君という人格はボクで形成されているんだよ


    だから恐れないで

    ボクと君は同じなんだから

    君はボクの記憶を取り戻すだけなんだから


    そして…これから先絶望しないで

    どんなに辛いことがあっても

    希望を持って、前へ進んでいってね

    だって君は…


    ボクは…みんなの希望なんだから














    苗木「さあ、思い出そう?」

  94. 94 : : 2014/08/19(火) 18:14:46
    琴渚「…」


    俯いていた顔が徐々に前を向き始める


    その目は…どこか懐かしげにこちらを見ていて…




    「ボクは」


    そっと…呟くように……

























    苗木「ボクは苗木誠
    『超高校級の幸運』さ」















    瞬間、涙が溢れる


    止まらない


    …あぁ、やっと……


    ……でも私を…待たせるなんて……


    霧切「…苗木君のくせに…生意気よ……」ポロッ










    そう言った彼は…

    確かに…苗木君でした…

    私が大好きな……大好きな………


    舞園「あぁ…よかったぁ……」ポロポロ












    …俺は嬉しいのか


    ………もっと素直になれたらな


    十神「心配するだけ無駄だったな…」

















    わたしは泣くのを堪えきれなかった


    ただ、彼が…苗木君が戻ってきただけなのに…


    それだけなのにこんなに嬉しいなんて思っていなかった…




    苗木「セレスさん、ごめんね」


    セレス「…へ?」ボロボロ


    苗木「君の最期の言葉、やっと思い出したよ」


    そう言って彼は…微笑む





    苗木「来世で…また会えたね」





    それを聞いて、枷が外れたようにまた涙が溢れる



    セレス「…あ…ヒグッ……あぁ…」


    そしてわたしは返事をする


    セレス「………はい〝っ!」


    苗木「ほらほら、泣かないでよ
    せっかくの可愛い顔か台無しだよ?」


    セレス「だっでぇ!…だっでぇ!!」ズビッ




    わたしは彼を抱きしめる



    そして思いを…本音を叫ぶ



    もう2度と、ポーカーフェイスだなんて言えないぐらい



    セレス「よ〝がっだよお〝ぉぉぉお!!!!!」


    舞園・霧切「!!!」

    霧切「あ!苗木君に抱きついたわね!」

    舞園「いくらいいムードでもそれは許せませんよ!」


    セレス(………今日だけ…ですわ)




    戦刃「じゅ゛ん゛ごじゃ゛ん゛!
    よ゛がっ゛だね゛ぇ゛!」ダバダバ

    江ノ島「うん、あれでこそ『超高校級の希望』だよ」


    そう、あいつが希望なんだよ

    あいつだけが……ね


    …泣くの我慢しなきゃ
  95. 95 : : 2014/08/19(火) 18:46:02
    そしてわたしは今…

    頭をナデナデされてますわ……///





    苗木「みんな、ありがとう」ヨシヨシ

    苗木「ボクのためにここまでしてくれて」ヨシヨシ




    桑田「当たり前じゃねぇか!」

    そう、当たり前なんだよ



    石丸「うむ!仲間だからな!」

    何もともあれ君が中心なのだから



    不二咲「そうだよぉ!」

    苗木君に会いたかったのは僕たちもだからねぇ…



    大和田「ダチのためならこんなもん屁でもねぇぜ!」

    本当なら…お前ぇは兄弟って呼びたいぐらいなんだがよ……




    山田「これはリア充爆ぜろなんて言えませんな」

    まあ、セレス殿を抱きしめている件は今だけ許してさしあげますぞ…




    葉隠「ほれ!俺の占いちゃんと当たっただろ?」

    まあ、俺じゃなくても分かってたかな





    朝日奈「ちゃんとドーナツおごってよね!」

    みーんなでドーナツ食べるんだから!




    大神「我はお主に救われた
    せめてもの恩返しだ」

    そう、これは恩返しなのだぞ…苗木よ






    腐川「こ、今度あたしの小説読みなさいよ!
    そっ…!それで勘弁したげるわ!」

    白夜様の次には…まあ、尊敬しているわけだから…




    十神「お前は俺が認めた友だ
    友のためならこの程度造作もない」

    …素直に言うって恥ずかしいな……

    だが、同時にスッとする







    苗木「…セレスさん、本当にありがとう」

    セレス「わたしになんていいですわ…」ギュッ

    苗木「あれ?
    "わたくし"じゃなかったっけ?」

    セレス「…これでいいのです」ギューッ

    苗木「そっか…」ニコッ



    舞園「苗木…君?」

    苗木「舞園さんも…本当にありがとう」

    舞園「いいんです、これぐらい!」

    舞園「それより…私…苗木君にひどいことしました…」

    苗木「だから、それはいいって!」

    舞園「で、でも…!」

    苗木「いいんだよ
    舞園さんがあの時起こした行動には理由があったって分かってるから」

    舞園「……ありがとうございます」

    苗木「こっちがお礼言わなきゃなんだけどな〜…」





    苗木「…お礼と言えば」

    苗木「江ノ島さん」

    江ノ島「ふぇ!?」ドキッ

    苗木「ずっとボクの様子監視してくれていたんだよね?」

    苗木「ありがとう…そしてごめん」

    江ノ島「?…なんで謝るわけ?」

    苗木「君を最期まで絶望から救えなかったことだよ」

    江ノ島「…」

    苗木「江ノ島さんはああ言ってくれたけどさ…
    ボクは希望なんかじゃないってずっと思ってた」

    苗木「目の前の絶望している女の子1人救えなかったんだから…」

    江ノ島「だから、あれはアタシが自分で…」

    苗木「それでもだよ」

    苗木「ごめんね、江ノ島さん」

    江ノ島「…ううん、いいよ
    許したげる」

    江ノ島「だから今度は…
    アタシに希望を教えて?」

    苗木「もちろんだよ!」



    戦刃「いい話だよぉ…ズビーッ!」

    苗木「戦刃さん、久しぶりだね」

    戦刃「久しぶりだね、苗木君
    …思い出したんだね」

    苗木「うん、思い出したよ
    …だからこそ言わせてほしいことがあるんだ」

    戦刃「え?なあに?」

    苗木「江ノ島さんを…支えてあげて」

    苗木「きっと江ノ島さんの希望は…
    戦刃さんだから」

    戦刃「え?」クルッ

    江ノ島「こっち見んな残念///」プイッ

    苗木「あはは!やっぱりね!
    …ね、戦刃さん……
    君は心から愛されているんだよ?」

    苗木「だから心配しなくていいんだよ」

    戦刃「苗木君…」ウルッ


    戦刃「…うん!」














    苗木君と話している内に解散となった

    現実に戻るのは2時間後となった…











    〜十神の部屋〜

    …そして俺たち生き残り組は今、苗木の華麗なる土下座を目の当たりにしていた
  96. 96 : : 2014/08/19(火) 19:31:41
    なぜここまで素晴らしい神SSを創れるのか
    不思議でたまりません!
    前作と視点が違うだけなのに・・・
    記憶が戻った後のメンバー良い人過ぎる。
    苗木君だから信頼されているですね♪
    ここから先も頑張って下さい!
    素晴らし過ぎる神SSを創れる
    「たけのこまんじゅうさん」は
    【超高校級の神SS作家】ですね(ドャァ
    長文失礼しました。頑張って下さい!
  97. 97 : : 2014/08/19(火) 19:38:44
    苗木君は【超高校級のジゴロ】
    【超高校級の土下座遣い】
    【超高校級の希望】
    【超高校級の幸運or不幸】
    さりげなく才能?肩書きが多い・・・
  98. 98 : : 2014/08/19(火) 19:42:13
    時は少し遡り…

    〜食堂〜
    江ノ島「さて、みなさん
    今からここでお話でもしますか?」

    イェェェェェェエエイ!!!!!


    苗木「あ、ごめん…
    生き残り組…だっけ?は話したいことがあるから…」

    江ノ島「ん?
    あいよーいってら〜」ヒラヒラ




    戦刃「盗み聞きはダメだからね?」

    江ノ島「わーってるよぉ…」

    石丸「ならば!話をしようではないか!」

    大和田「そうだな兄弟!」


    ガハハハハハハハ…















    そして現在…


    苗木「……」ドゲザ

    十神「どういうことだ!
    説明しろ苗木!!!」クワッ

    苗木「…それは」


    苗木「…目の前にいたのに君たちを救えなかったからだよ」

    腐川「あ、あれは仕方ないじゃない!」

    朝日奈「そうだよ!」

    葉隠「まぁ、俺たち油断してたからな」

    苗木「…そう言ってくれると嬉しいよ
    ………けど」


    苗木「そこの2人は違う」

    朝日奈「え?そうなの?」


    苗木「十神君はボクをかばってあいつを足止めしてくれた…」

    十神「あれは…霧切もいたし……な」

    苗木「その霧切さんだよ…」


    苗木「響子さんにいたっては…」

    苗木「ボクの盾になるなんて…」

    十神「そうなのか!?」

    霧切「ええ…そうよ…」

    十神「俺はてっきり幸せな未来を築いていきました、おしまい」

    十神「とか思ってたぞ!?」

    霧切「人生そんなに甘くないってことね…」



    苗木「さあ、謝ったし…いいよね…」

    霧切「?」

    苗木「響子さん、ちょっと来て」グイッ

    葉隠「もう戻っていいんか?」

    苗木「うん、集まってくれてありがと」

    朝日奈「じゃあ、まあ後でね〜!」

















    そして、私は今苗木君の部屋にいる

    苗木「…ボクは今怒っているんだ」

    霧切「え?」

    苗木「……わかんない?」

    霧切「…ごめんなさい、分からないわ……」

    苗木「なら言うよ…」












    苗木「どうしてボクを庇ったんだよっ!!!!」

    霧切「…!
    だって苗木君が危なかったから…」

    苗木「そうだったよ!けど!
    庇う以外他に方法があったんじゃないの!?」

    霧切「体が勝手に動いてて…」

    霧切「それに…
    苗木君が私の目の前で死ぬなんて耐えられなくて…」

    苗木「うん、響子さんが目の前で死んで耐えられなかったよ」

    霧切「!」

    霧切「…だから怒っていたのね
    ごめんなさい…」

    苗木「…絶対許さないから」

    霧切「そうよね……」

    苗木「今度はボクのために死ぬなんて絶対に許さないから…」

    霧切「…え?」

    苗木「もう…いなくならないで……」

    苗木「響子さんがいなくなってから…
    ボク……ボク…!」スッ



    ギュッ



    霧切「!…誠君
    …泣いているの?」ギュッ

    苗木「だって…
    また会えるなんて…グスッ……」

    霧切「…そうね」

    苗木「…今度こそ君を幸せにするから」

    苗木「絶対に…」

    霧切「…それはプロポーズでいいのかしら?」

    苗木「それ以外ないよ」

    霧切「…///」ギューッ

    霧切「…誠君……ありがとう
    大好き」

    苗木「ボクの方こそ…本当にありがとう
    …大好きだよ、響子さん」






    そう言った彼の腕の中はとても暖かかった

    私はその心地よさに身を委ねるよう、眠りに落ちていった…
  99. 99 : : 2014/08/19(火) 19:45:23
    >>96
    戯言遣いさん、コメントありがとうございます!

    いや、神SSだなんてとんでもない!

    勿体無いお言葉でございます…




    さて、読んでくださっている皆様

    このSSもそろそろ終了間近でございます

    最後までお付き合いくださいませ!
  100. 100 : : 2014/08/19(火) 19:49:18
    分かりました!最後までしかと見送らせてもらいます!
    期待×100です!頑張ってください!
  101. 101 : : 2014/08/19(火) 19:57:49
    とてもいいssです!期待してます!
  102. 102 : : 2014/08/19(火) 20:53:33
    神ssがあると聞いて
  103. 103 : : 2014/08/19(火) 21:29:51
    >>100
    >>101
    ありがとうございます!
    ラストスパート頑張ります!!!

    >>102
    そこを右に曲がった所にあるとか何とか…(すっとぼけ)



















    「響子さーん…起きてー」

    霧切「…ん」ムニャ

    霧切「……あぁ、寝てたのね私
    おはよう、誠君…」

    苗木「おはよう、響子さん」ギュッ

    霧切「…♪」

    苗木「さて、そろそろ戻ろうか」

    霧切「ええ、そうね」












    〜正面玄関前〜

    江ノ島「…遅い!」

    舞園「さすがに気になりますねぇ…」

    朝日奈「2人でなにしてるんだろうねぇ!」

    山田「え、ナニしてるって?」

    石丸「そのような発言は慎みたまえ!
    風紀が乱れる!」

    大和田「なあ、不二咲
    ここ出たら現実に戻んのか?」

    不二咲「そうだよぉ!」

    大神「そうか…
    ここはプログラムの中はだったな…」

    十神「4日で完成したクオリティじゃないな…本当…」

    腐川「白夜様が人を褒めた!」

    十神「黙れ愚民!」

    葉隠「十神っちも素直じゃねぇべ」

    桑田「そうだよな〜ホント」ニヤニヤ

    戦刃「で、2人はまだかな?」

    セレス「………来た」

    全員「え?」

    霧切「ごめんなさい、寝ちゃってたわ」

    苗木「遅くなってごめ…」



    セレス「苗木くーん!!!!」ダダダ

    舞園「!?」

    江ノ島「ふぁ!?」

    戦刃「は、速い!」

    霧切「…っ!しまっt」

    苗木「!?
    ちょ、セレ…!」

    セレス「苗木君ー!」ギューッ

    苗木「!?」

    セレス「♪」スリスリ




    ………
















    セレス「…ふふ、落ち着く……」

    苗木「し、しょうがないなぁ…」チラッ

    霧切「………」ゴゴゴゴゴ

    苗木「」




    江ノ島「なに?セレス吹っ切れたの?」

    戦刃「あの体の運び…足の速さ…
    彼女実は軍人向きなのかも…」

    舞園「うふふふふふふふふふ」

    男子「」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

    腐川「…苗木も大変ね」

    朝日奈「ここまで来るともう人間じゃないよね」

    大神「…というか、早く出ぬか?」

    全員「あ、はい」












    苗木「じゃ、開けるよ?」ポチッ

    セレス「あ、そうだ
    確認しておいていいですか?」


    その言葉にみんなが頷く


    セレス「せーのっ!」




    みんな「あなたの名前は!!!」


    彼が微笑む

    そして、口を開く



    苗木「ボクの名前は…」





    目の前が光に包まれる

    扉が開く音で彼が何て言っているかわからなかったけど

    でも、分かってる

    きっと、みんな聴こえている

    心の中に…







    光が強くなる…




    ねえ、誠君

    私たちで、この光のような…

    希望に溢れた未来を創りましょう?

    もちろん、1人になんてしないわ


    今度は…全員そろって………


    END





























































    「ハッピーエンドなんてツマラナイ」

    to be continued…
  104. 104 : : 2014/08/19(火) 21:34:21
    くぅ疲w


    2作目、いかがでしたでしょうか!

    霧切さん側ということで、違いを明確化することが大変でした…

    そして、作品執筆時の時に思ってたよりボリューミーにw


    ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!

    自分の思いつきでこのSSはシリーズ化いたしました!

    はい、というわけで!
    頑張りますよ!(白目)



    今後とも、たけのこまんじゅうをよろしくお願いいたします!

    …後日談は番外編としてスレ立てするよ((ボソッ
  105. 105 : : 2014/08/19(火) 22:11:44
    お疲れ様でした!
    素晴らしい神SS、いただきました!
    続きも頑張って下さい。
    本当に苗木君・・・末長く爆発しやがれ!!
    畜生。リア充が・・・。
    ・・・あ、喋っていたら目から海水が・・・。

    泣ける!!!!!!

    カムクラ君の謎もあるのです頑張って下さい。
    たけのこまんじゅうさんの
    次回作・・・近日公開(・・・デスヨネ)
  106. 106 : : 2014/08/19(火) 22:47:29
    お疲れ様です!!
    たけのこまんじゅうさんはもしかして「超高校級のss作者」なのでは……?
    これからも頑張ってください!新作でたらまた応援させていただきます!

    ただしカムクラ、貴方はダメだ

    次回作期待です!!
  107. 107 : : 2014/08/19(火) 23:19:46
    >>105
    ありがとうございました!

    えーとですね、これの続編ではないですけどちょうど12時にスレ立て(するだけ)しますよ!

    皆様の意見が必要になるので是非お立ち寄りくださいませ!


    >>106
    ありがとうございました!

    そうですね…
    自分は高校生ですから称号に問題は無い…わけないでしょう!

    自分は『超高校級』の称号なんていただけないですよ!

    カムクラくんはですね…はい…
    このssシリーズでは希望ブレイカーです
  108. 108 : : 2014/08/20(水) 00:13:29
    (自分の)誕生日特別企画!

    http://www.ssnote.net/archives/22097

    こんなの読みたいな、っていうアイデアを募集しております!
  109. 109 : : 2014/08/20(水) 08:15:33
    トップに乗ってますね!よかったじゃないですか!
  110. 110 : : 2014/08/20(水) 08:52:56
    >>109
    はい、嬉しいです!
    本当にありがとうございます!
  111. 111 : : 2014/08/23(土) 23:59:04
    番外編、更新しました!


    江ノ島「アタシたちの夏休み」

    http://www.ssnote.net/archives/22170
  112. 112 : : 2014/09/01(月) 19:45:06
    シリーズ通してよかったです!お疲れ様でした!
  113. 113 : : 2014/09/01(月) 22:07:32
    >>112
    スカイさんがコメントしとる!
    これは貴重!…でしたよね?

    コメントありがとうございます!
    シリーズはグダグダ続くのでこれからも応援していただけると嬉しいです!
  114. 114 : : 2014/09/08(月) 18:41:29
    僕みたいなゴミクズが褒めるのもなんですけど
    とても面白かったです。
    すいません。僕みたいなゴミクズがほめてしまって。
  115. 115 : : 2014/09/08(月) 19:38:32
    >>114
    いえいえ、そんな滅相もございません!
    自分みたいはゴミクズを褒めてもらって…

    ……続きも見てほしいかなぁ…
    なんて((チラッ
  116. 116 : : 2015/01/28(水) 22:53:17
    大号泣しましたっ…!
    鼻が未だツンとしてます…っ
  117. 117 : : 2016/10/15(土) 13:24:22
    マジ神でした。
    感動しました。

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donguri

たけのこまんじゅう

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