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孤独

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  1. 1 : : 2014/07/20(日) 22:45:05
    僕は、孤独。


    小さい時から今までずっと。


    結局誰とも距離がある。
  2. 2 : : 2014/07/20(日) 22:47:48
    どんな時でも、誰とも見えない壁がある。


    1番仲が良い2人でも、結局僕とは違う。


    誇れるものを持ってる。


    それに対し、僕には何もない。


    誰も僕の気持ちなんて分かってくれない……。
  3. 3 : : 2014/07/20(日) 22:52:48
    「おう、おはようアルミン」


    彼はい1番仲の良い2人のうちの1人、エレン・イェーガー。


    誰にも負けない熱い想いと、それを実行するだけの根性。


    何があっても折れない矢だ。


    「ああ、おはようエレン」


    「今日はどうしたの?エレンにしては珍しく早いね」


    「ああ……ちょっと眠れなくてな……」


    驚いた。


    「エレンでも眠れない日があるの?」


    エレンは顔を少ししかめて言った。


    「酷いな……俺でも悩み事の一つや二つあるんだぜ」


    「ははっ、そうだよね。エレンも人間だもの、悩み事ぐらいあるよね」


    「ああ……」
  4. 4 : : 2014/07/20(日) 22:58:25
    会話が止まった。


    このコミュニケーション力の低さ、これも僕の欠点だ。


    エレンは持ち前の明るさと気さくさがあるのに。


    エレンがこっちを見て言った。


    「アルミン。散歩に行かないか?」


    「散歩?」思わず聞き返す。


    「ああ。朝の空気を吸いたくてな」そう言い、少しはにかむ。


    人間の良さが滲み出てる。


    ──また、僕はこんなことを考えているのか……。エレンは何も悪くないのに……。


    自分の力不足を、他人を羨ましがり、嫉妬することで埋めようとしている。


    僕は、最低だ──。


    「アルミン?」僕の顔を覗き込むように言った。


    気付いたらエレンがすぐ近くにいた。


    ──そうだ、エレンに散歩に誘われたんだっけ。


    「いいよ、行こう」微笑を浮かべてみせて言った。


    酷い。こんなに引き攣る微笑がどこにあるんだ。情けない──。
  5. 5 : : 2014/07/20(日) 23:06:43
    僕の気持ちとは関係なく、朝は朗らかにやってくる。まるで暗い僕をあざ笑うかのように。


    エレンが口を開く。


    「ああ……綺麗だな」


    横を見やると、エレンが空を見上げていた。


    同じように空を見上げる。


    ──綺麗だ。


    細かい金の糸を散らせたように、東の方から段々に明るくなった雲が時々絡みながら続く。


    「すごいな。この世界って……」感慨深そうに言う。


    「この…世界?」


    「ああ。昔、アルミンが言ってたろ?氷の大地、炎の海、砂の雪原……それと同んなじだ。これも同じ、神秘を秘めたものだ」


    なるほど、と思う。


    普段はあまり見えないけど、エレンはエレンなりにいろいろ考えているんだ。


    「だから、この…世界?」


    「ああ。そんな神秘を秘めたこの世界が凄いんだ」満足げに言うエレン。
  6. 6 : : 2014/07/20(日) 23:24:07
    その表情は、これまでに無いぐらい輝いていた。


    ──どう足掻いても、エレンにはなれないんだ。


    「なあ、アルミン」


    今度はなんだろう?


    「絶対、絶対俺たち全員生きて壁の外を探検しような!!」


    溢れるぐらいの笑顔で言う。


    思わず笑ってしまう。


    「ふふっ、うん。絶対に!!」


    距離があってもこんな風に言ってくれる。なんてありがたいことだろうか。


    「どうした、アルミン?」いきなり困ったような顔になって言う。


    「え?」


    「お前、何で泣いてるんだ?」


    その時、気付いた。目から涙が零れていることを。


    「あれ?はは、何で…だろうね?おかしいね。ははっ」


    「アルミン。無理するなよ?」


    「え?」


    「俺、お前がいつも1人で悩んでる姿を見るんだ。相談に乗ってやりたいけどどうしたら良いのか分からない」


    ただ、ただ驚いた。エレンに気付かれてたなんて。


    「賢いアルミンだから何とかなるかもしれない……そう思っていたけど……よく考えたら逆だよな。賢いからこそ悩んでるんだよな」


    「そうやって悩めるのは周りが見えてるからだもんな。でも、安心しろ」


    「え?」いきなり出てきた『安心』の意味が分からなくて聞き返す。


    「アルミン、お前には俺が付いている。お前は俺の親友だ。お前が悲しんでると俺が悲しくなる」


    「え……」


    「だから、だからな?いつでも悩みでも怒りでも俺にぶつけてくれ!な?」そう言うエレンからは一筋の涙が流れていた。


    ただ嬉しかった。


    自分なんかのためにこんなに必死になってくれることが。


    こんな風に言ってくれることが。


    「エレンっ……」


    ぶわっと出てくる涙が堪え切れない。
  7. 7 : : 2014/07/20(日) 23:27:37
    僕とエレンとの間には距離なんて無かった。


    1番仲の良い友達なんかじゃなかった。


    『親友』だったんだ──。


    距離を感じてたのは自分だけだったんだ。


    僕は、必要とされてたんだ──。


    「ありがとう……」泣きながら、たった5文字の言葉が零れる。


    エレンが少し驚いた顔をして、そのあと顔をくしゃくしゃにして笑った。


    「当然だ!俺たちは親友だからな!!」
  8. 8 : : 2014/07/20(日) 23:29:02






    孤独
          Fin





  9. 9 : : 2014/07/20(日) 23:32:43
    ミカサや104期が出て来ませんでした

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