この作品は執筆を終了しています。
苗木「一人じゃないって」
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- 1 : 2014/07/05(土) 03:10:29 :
- 【イキキル】
苗木「大丈夫だよ、舞園さん」
苗木「何があっても…必ず君を守るから」
*時系列はコロシアイ学園生活中
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- 2 : 2014/07/05(土) 03:31:13 :
- 【舞園個室】
舞園「………」
私は今、人と悪魔の間に居た。
今の私は人。超高校級のアイドルである以前に、人である。
人は人を殺せない。人を殺すのは悪魔だけです。
…まだ引き返せる。“この時”はそう思っていました。
でも、“この時”は2秒後に過ぎ去って。
舞園(……ここから、出なきゃ…)
私の中で、悪魔が産声をあげた。
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- 3 : 2014/07/05(土) 03:42:59 :
- 悪魔の成長は、私が思っているよりずっと早かった。
恋をすると、その人のことしか考えられなくなりますよね。それと同じです。
私の頭の中は、ずっと1人の男の人でいっぱいでした。
舞園(桑田…くん)
そう、桑田くんです。
甲子園ピッチャーだなんて、かっこいいですよね。
でもそれは、甲子園ピッチャーだと思うからかっこいいんです。
さて、本人は?
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- 4 : 2014/07/05(土) 03:46:25 :
- 桑田「俺、音楽の道に行こうと思ってるんだ!」
軽薄な男でした。
所詮、蓋を開けたらこんなもんですよ。
私がこれまで、どれだけの苦労をしてこの地位に上り詰めたと思っているんですか?
考えていたら、腹がたって仕方がありません。
私はターゲットを決めました。
ここから出るために必要な、最初の犠牲。
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- 5 : 2014/07/05(土) 03:48:51 :
- さて、悪魔はお腹が空いたようです。
エサをくれ、エサをくれと、頭の中で騒ぎ回っています。
こうなると、私は早くエサを用意しなくてはいけません。
しかし、エサの調達は少し大変で、人員不足が否めません。
どうやら私は、悪魔にすっかり寄生されてしまったようです。
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- 6 : 2014/07/05(土) 03:54:31 :
- 【食堂】
苗木「舞園さん、おはよう」
私に話しかけてきた彼は、私を守ると約束してくれた苗木クンです。
悪魔に彼を紹介すると、悪魔は喜びました。
舞園「おはようございます、苗木クン」
苗木「今のところは、コロシアイも起きなくて平和だね…」
彼は平和であることが普通じゃないようにそう言いました。
事実普通じゃないわけですから、何も違和感はありませんけど………嘘です。さっきから違和感が襲いっぱなしで、悪魔が悲鳴を上げています。
舞園「そう、ですね…」
適当に相槌を打ったところで、彼との会話は区切りがつきました。
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- 7 : 2014/07/05(土) 03:58:49 :
- なぁなぁ、苗木クン、君に惚れてるでしょ(笑)
朝御飯のトーストを口に運んでいると、悪魔が話しかけてきました。
今、みんなと居るから、あんまり話しかけてこないで欲しいんですが…。
そんな事言わずにさ(笑)
苗木クン、君のためなら躊躇なく人も殺せると思うよ?笑
私には、なんとなくわかりました。
悪魔は、お腹が空いて仕方がないのです。
私は紅茶を一杯飲み干すと、食器を持ってキッチンに向かいました。
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- 8 : 2014/07/05(土) 08:32:34 :
- 【女子トイレ】
私は用を足した後、手を洗おうと蛇口を捻りました。
勢いよく放たれた水が手の汚れを拭き取っていきます。
心の汚れも拭き取ってくれればいいのに、と思うのは、贅沢すぎますよね。
綺麗になったと思ったらまた蛇口を捻り、水を止めました。
その後、私は今まで体験したことのない衝撃を覚えました。
鏡を見たんです。
本来私が映っているはずであるその鏡には…私、正確には、半分は悪魔になっている私が映し出されていました。
悪魔なんてこの目で見たことはありませんでしたが、何故かその時はわかったんです。信じてください。
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- 9 : 2014/07/05(土) 08:42:04 :
- とにかく、私は、もう私じゃないのかもしれない。
心臓は、一周回って穏やかに脈を打っていました。
足の力が抜けましたが、ここで倒れるわけにはいかないと思い、壁伝いにどうにか体を動かしました。
途中、朝日奈さんが「大丈夫?」と声をかけてくださいました。私は「大丈夫です」と作り笑いを浮かべ、その時だけ元気なフリをすると、朝日奈さんはコロッと信用してどこかへ行ってしまいました。
私は自分の演技に自信がつきました。
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- 10 : 2014/07/05(土) 10:29:29 :
- 【舞園個室】
舞園(………)
やぁ、考え事?笑
舞園(………)
…楽しみにしてるよ(^^)
ガタッ!
私はとり憑かれたように、乱暴に机の引き出しを探りました。
そして、見つけました。目的の品。
私はペンを走らせ、そこに“アイドルである以前に一人の女の子。舞園さやか”を形成した。
完璧なはず。私だから出来る。
私は、人目を気にしながら桑田クンの部屋に、そっとそれを忍ばせた。
………見つけてくれる、必ず。
悪魔は、鼻歌を歌っていた。
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- 11 : 2014/07/05(土) 13:35:57 :
- その日の夜。
私が悪魔に魂を捧げる時間は、刻一刻と迫っていた。
大丈夫。何度もイメージトレーニングしたから。
私は意を決して、人差し指を突き出した。
──────────
【苗木個室】
<ピンポーーーン
苗木(……?)
苗木「誰?」カチャ
舞園「苗木…くん…」
♪
苗木「ま、舞園さん!?」
舞園「苗木クン…少しいいですか…?」
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- 12 : 2014/07/05(土) 17:46:08 :
- シリアスなのにすらすら読めて、ぐっと引き込まれます!
期待です!!
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- 13 : 2014/07/05(土) 18:44:16 :
- >>12
ありがとうございます!
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- 14 : 2014/07/05(土) 18:54:18 :
- 舞園「ごめんなさい…こんな夜遅くに」ブルッ
苗木「! どうしたの!?震えてるよ!」
舞園「誰かが…私の部屋のドアをこじあけようとして…」
苗木「えぇっ!?」
舞園「しばらくしてドアの前から居なくなったみたいなんですけど…わ、私怖くて…」
苗木「…モノクマの話を本気にした人がいるんだよ…誰かが外に出たいって思って…そして…舞園さんを殺そうと…」
♪♪♪
舞園「どうしてこんなことになっちゃったの…。どうして…こんな酷いことをするの?」
舞園「もう…たくさん…私達が何をしたって言うの…殺すとか…殺されるとか…」
舞園「お願い…助けて…」
苗木「!」
舞園「私、もう耐えられない…」
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- 15 : 2014/07/06(日) 01:19:07 :
- 苗木「……わかったよ、舞園さん」
HIT.
私は心の底で笑みを浮かべた。
それとは対照的に、表情は全力で不安を取り繕う。
ここまで来れば、勝ったも同然。
私はとっておきの一手を盤上に放った。
舞園「…一晩だけ、部屋を交換して欲しいんです……」
♪♪♪♪♪↑↑
最高に上がったテンションは、空腹というスパイスでさらに加速しているようです。
苗木「……それは違うよ」
舞園「え?」
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- 16 : 2014/07/06(日) 08:12:58 :
- 苗木「舞園さん、君はここから出たいって言ったよね」
舞園「! は、はい…」
苗木「……きっとまた、誰かが舞園さんを殺しに来るよ…」
舞園「………」
神妙な顔つきで、苗木クンは少し考える仕草をとりました。
私の心はいつになくざわついており、嫌な予感、とまではいかないですが、良くはない予感が悪魔の機嫌を尖らせていました。
そして…やっと口を開いた苗木クンは、はっきりと言いました。
苗木「…殺しに来た人を……殺そう…」
!!!!!
舞園「…!」
私の計画は、ここから破綻していきます。
狂った運命の歯車が、止まることなく回っていく。
まるでこの星のようですね。
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- 17 : 2014/07/06(日) 15:31:45 :
- 期待です!
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- 18 : 2014/07/06(日) 20:35:27 :
- >>17
ありがとうございます!
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- 19 : 2014/07/06(日) 20:45:17 :
- そして、物事はよく出来たマンガのように、まるで仕組まれたかのように進んでいきます。
ピンポーーン
苗木・舞園「!」
たった今、生け贄が届いたようです。
私は安心を求めるように、隠し持っていた包丁を触りました。
今更になって緊張している私に、悪魔はため息をつきます。
苗木「…誰だろう、こんな時間に」
ガチャッ!ガチャガチャッ!!
苗木「!」
勝手に動くドアノブ。向こう側に誰かが居て、今すぐこちら側に来たいのだという何よりの証拠。
苗木「…まさか、舞園さんを追って!?」
苗木クンの一言で確信しました。
事態は、私にとって限りなく都合良く回っているようです。
もしこれがマンガなら、主人公はきっと私。
狂った歯車も、案外悪くないかもしれませんね。
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- 20 : 2014/07/07(月) 01:40:06 :
- 苗木「…舞園さん、僕が開けるから……」
その後のことは、言わなくてもわかりました。いえ、わかってしまいました。
目と目で合図しあうと、始まります。
ガチャ!
ドアノブというゴングが鳴って、スタート。
悪魔が興奮しています。
苗木「! 君は!」
桑田「あれ……苗木?」
苗木「…どうしたの?ボクに何か用?」
桑田「いや…ここ、舞園ちゃんの部屋だろ?」
苗木「!?」
!!!!!
桑田「ほら、だって、このプレートも…」
タッタッタッ!
苗木「っ!」
舞園「うわぁぁぁあ!」タッタッタッ!!
桑田「!」
ドスッ…!♪
苗木「…………え……?」
フィニッシュ。
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- 21 : 2014/07/07(月) 01:47:26 :
- やりましたよっ!!
私は、これを見ている全ての人に感謝の笑顔を向けました。
特に、苗木クン。協力してくれて本当にありがとうございます。今夜は苗木クンだけのモノになってもいいですよ?なんちゃって!
苗木「舞園…さん」
ん?なんですか?あっ、死体が廊下に出たままになっていますね。せっかく殺したのですから、部屋に入れないと。
私は死体の足を持って、部屋の中に運びました。
しかし、苗木クンが手伝ってくれません。
協力プレーで成功したって言うのに、顔は成績を親に見せる子供のように真っ青。
舞園「どうしたんですか?具合が悪いのなら、無理しないでくださいね?」
苗木「………舞園さん…君が何をしたか、わかってるの…?」
舞園「? おかしな苗木クン」
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- 22 : 2014/07/07(月) 01:52:40 :
- そうですよ。今にも私には観客達の拍手と絶賛の声が絶え間なく聞こえていて、それは私だけではなく苗木クンも浴びる権利があるのに。
苗木クンは、どうしてそんな顔をしているんですか?
苗木「君は…人を殺したんだぞ!!」
舞園「…?はい…」
苗木「………」
だからなんですか!その顔は!いい加減私も怒っちゃいますよ!
苗木「……ごめんね、舞園さん」ギュッ…
舞園「………!」
ちょっ、いきなり抱きしめるなんて!
…もう、甘えるのが下手なんですから。今夜だけですよ?
苗木「ボクは…君のことを何にもわかっていなかった…!君だけに辛い思いをさせて、こんなに追いつめられてたのに!!」
………あらあら、泣いちゃって。男のくせに泣き虫ですね、苗木クンは。
まぁいいですよ。本当に今日だけですからね?
苗木「君は…君は…」ウッ…ウッ…
結局私達は、一晩中抱き合ったまま、気がついたら朝を迎えていました。
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- 23 : 2014/07/07(月) 01:56:15 :
- 【悪魔の悪戯】
苗木「大丈夫、何があっても、必ずボクが君を守るから」
!!!!!
(*`Д´*)
ザー…!ザー…!
苗木「…殺しに来た人を……殺そう…」
(*^_^*)♪
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- 24 : 2014/07/07(月) 02:03:34 :
- 次の日
モノクマは言いました、学級裁判で犯人を暴けと。
桑田クンの死体は、朝食堂に来ないことを不審に思った石丸クンの提案で全個室を探すことになった時、あっさりと見つかりました。
そして、今私達は体育館に居ます。
学級裁判の説明を受けている途中、江ノ島さんが死んでしまいましたが、そんなことは微塵も関係ありません。
捜査が始まった時、私は真っ先に苗木クンに呼び出されました。
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- 25 : 2014/07/07(月) 02:11:19 :
- 舞園「どうしたんですか?」
苗木「……ボクは、必ず君を守るから…ボクを…信用してほしい」
あら、嬉しい!私も苗木クンを全力で守りますよ♪
苗木「…じゃあ、行こうか」
私達は形だけの捜査を淡々とこなし、退屈な時間を過ごしたら、ついにメインイベント、学級裁判が始まります。
学級裁判
開廷!
モノクマ「それでは、桑田クン殺しの犯人を当ててもらいます!」
裁判が始まってすぐ、セレスさんが動きました。
セレス「…死体は苗木クンの部屋にあったようですわね」
全員の視線が苗木クンに動きます。私も含めて。
葉隠「じゃ、じゃあ!犯人は苗木っち!?」
苗木「…………」
大和田「おいおい!黙ってるってこたぁそういうことかよ…!」
苗木「…………」
…苗木クンばっかりが攻められています。私はそれを見て、笑いを堪えるのは大変だなぁと思いました。
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- 26 : 2014/07/07(月) 06:44:33 :
- これは、すごく面白いです!はやく続きが読みたいです!!
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- 27 : 2014/07/07(月) 07:47:28 :
- >>26
嬉しいです!ありがとうございます!
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- 28 : 2014/07/07(月) 20:34:40 :
- 裁判どんな風になっちゃうんでしょうね!
続きが楽しみです!
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- 29 : 2014/07/07(月) 21:10:45 :
- 苗木どうすんのかな?
期待です♪
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- 30 : 2014/07/07(月) 22:53:16 :
- 石丸「ではっ!苗木クンが桑田クンを呼び出して、包丁で刺したのだな!」
霧切「みんな待って」
舞園「…!」
霧切さんの一言で、今度は全員の視線が霧切さんに向かいます。
…そう言えば、霧切さんはずっと真剣に捜査をしていましたね。面倒なことにならなければいいのですが。
霧切「部屋のプレートが入れ替わっていたのに気づかない?」
舞園「!」
不二咲「そういえば…」
霧切「つまり…桑田クンは、苗木クンにではなく、舞園さんに用があったのではないかしら」
苗木「………」
腐川「なによ…どーせ苗木が桑田を誘うために、アイドルになりすましたんじゃないのぉ…」
霧切「いえ…こんなものが、舞園さんの部屋から見つかったわ」
舞園「………!」
山田「…手紙、ですかな」
霧切「これにはこう書いてあるわ…」
霧切さんが、冷淡な口調で私の書いた文章を読み始めました。
私が、桑田クンを部屋に呼び出したことを。
私は内心、心臓が飛び出てきそうなくらい動揺していましたが、一方で、どこか安心している私も居ました。
-
- 31 : 2014/07/08(火) 19:59:25 :
- 葉隠「な…!」
十神「はっ!アイドルの裏の顔というやつか…」
舞園「………」
山田「これだから三次元は嫌なんだ!こんな次元に居られるか、ボクは二次元に戻るぞ!」
腐川「く、腐れビッチね…二度と近づかないでちょうだい」
大神「本当なのか…舞園」
舞園「…私が部屋に桑田クンを呼んだのは、本当です。ですが殺人なんて!そんな…私は…」グスッ
セレス「そうですわね。死体が苗木クンの部屋にあったのは事実ですわ」
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- 32 : 2014/07/08(火) 23:54:13 :
- 十神「だな。舞園と桑田の事は低俗なマスコミに任せるとして、俺達はこの裁判を乗り切るとしよう」
…あなたって、楽しそうに言いますね。十神クンの中にも、悪魔は居るのでしょうか。
知らねーよ(笑)
そんなことより早く裁判を終わらせてケロ!
霧切「苗木クン。あなたはさっきから黙っているけど、何か言いたいことはないの?」
苗木「…ない、よ」
全員「!」
全てを諦めた表情。絶望と言う言葉が、まるで雑誌の表紙のように、俯く彼の顔にピッタリと当てはまった。
十神「…だ、そうだ。もうこれ以上の意見は出まい」
霧切「待って。包丁を取ったのは舞園さんよ。それに入れ替わったネームプレート…まだまだこの事件は解決していないわ」
霧切「それだけじゃない。犯人は桑田クンを包丁で刺したのよ?服には当然…返り血がついているはず」
-
- 33 : 2014/07/09(水) 00:11:28 :
- 血のついた服はランドリーで処理した。何も不自然なことじゃない。不自然はいつだって、日常に溶け込んでいるのだから。
包丁を取ったのは間違いなく私です。でも、犯人は私じゃない…ですよね、苗木クン!
十神「舞園、何か言い返したらどうだ」
舞園「…私は……苗木クンに…脅されて…」
全員「!!」
山田「な、苗木誠殿が!?」
セレス「人は見かけによらないものですわね」
霧切「…じゃあ、あなたが包丁を取ったことは認めるのね」
舞園「はい…」
苗木「………」
葉隠「そ、そしたら!やっぱり犯人は苗木っち!?」
十神「…モノクマ、もしも犯人が2人いた場合はどうなるんだ」
モノクマ「共犯ってこと?殺した方が犯人だよ」ウププ
十神「……ならば、苗木、お前か」
苗木「………」
朝日奈「苗木…なんとか言いなさいよ!」
石丸「苗木クン!舞園クンを犯人にしようとしていたのだなっ!」
霧切「………!」
霧切「だとしたら…おかしいわ」
霧切「最初から舞園さんを犯人に仕立て上げるつもりで苗木クンが計画を練っていたなら、ネームプレートはおかしいのよ」
大和田「? どういう意味だ?」
霧切「真っ先に疑われるのに…わざわざ自分の部屋で殺人を起こすかしら?」
全員「!」
十神「…!そうか、逆だったのか!」
山田「ということは…舞園さやか殿が、苗木誠殿を脅していた!?」
霧切「…犯人はあなたよ、舞園さやか」
……あれ?おかしいですね。
歯車が…止まりかけてる?
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- 34 : 2014/07/09(水) 00:16:01 :
- モノクマ「議論の結果が出たみたいですね!それでは、お手元のスイッチで投票してください!」
不二咲「舞園さん…」
苗木「………舞園さん、ボクは…」
舞園「………」
十神「無駄だ。舞園の魂はすでにここから離れている」
モノクマ「それでは!結果発表!!」
あーあ、負けちゃったね(笑)
楽しかったよ、さやかちゃん♡
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- 35 : 2014/07/09(水) 00:22:34 :
- 【舞園さやかinファイナルステージ】
私は気づいた。
悪魔って言うのは、私が用意した、限りなく都合の良いもう一人の私。
今思えば、私は希望にすがりついていた。
苗木クン、利用してしまってごめんなさい。今更遅いですよね。もう二度と話すことはないんですもの。
私より一足先に死んだ『超高校級のアイドル、舞園さやか』には本当に悪いことをしました。せめて彼女だけは生かしたかった。
…今はもう、何も出来ませんけど。
それじゃあ、私も行ってきます。
大丈夫ですよ、あなたが居るから。
(*^_^*)
END
-
- 36 : 2015/11/08(日) 15:08:57 :
- 乙です 舞園超怖ぇ…
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