エレン「マックポテトどSで」

アニ「それが客の口のきき方なのぉ? ポテトが欲しかったらぁ“おねがいします”――でしょ?」

エレン「マックポテトどSで、お、お願いします」

アニ「そぉ、ポテトが欲しいのねぇ。客のクセに店員におねだりだなんて、いやらしい客っ!」

エレン「店員様、申し訳ありません。このいやしい客めに、どうかお仕置きください」

アニ「いいでしょう。――どんなマックポテトが欲しいのか、そのいじきたない口で言ってみなさい」

エレン「あ、熱々で、そ、外はカリカリ……な、中は……中はホクホクの――」

アニ「さっさと続けなさい」

エレン「――な、中はホクホクで、その、こ香ばしく揚がったポテトをお願いします」

アニ「やだっ、ホントに言ったわ。やらしい。
 はずかしくないのかしら、こんな店のレジでそんなことを口にするなんてっ」

エレン「は、恥ずかしいです。でも、人に見られてると思うとその
  ――余計にポテトが欲しくなるんです……」

アニ「お仕置きも済んだことだし、ポテトをあげるわ。でも、その前に――」

エレン「は、はい」

アニ「出したいのでしょう? いいわよ、見ていてあげるから、
  お前のその粗末なものから、汚いものをレジにぶちまけなさい」

エレン「こ、ここでですか? わ、わかりました。――――――こ、これでいいですか?」

アニ「アハハハハッ。ホントに出したわ。お前は根っからの客ね、
  客だわ客よ。それにしてもぉ、こんなに出すなんてぇ
  何を考えてるの? そんなに出したかったのぉ? 230円も出すなんて。
  今は特別価格150円なのに」

エレン「す、すいません。ありがとうございました」

アニ「まあいいわ。また客になりたかったらいつでも来るといいわ。  その代わり今度はどSコーラも頼むのよ?」


エレン「コーラどMで」

アニ「お客様ぁっ。もっと強くっ罵って下さい!お願いしますぅ。」

アニ「コーラどMよこせ。さっさとしろ、この屑!」

アニ「あぁ、申し訳ありませんお客様、店員の分際でこんな――」

エレン「聞こえなかったのか?このとろくさい店員がっ!どうやらお仕置きが必要なようだな。」

アニ「かっ、かしこまりましたぁ!急ぎますから、どうかお仕置きだけは……。」

エレン「おっと待った、注文の復唱がまだだ。どんな商品か言ってみろ。」

アニ「つ、冷たくて、そ、外はビショビショ……な、中の―――」

エレン「どうした?続きは?」

アニ「――中の氷まで太いストローが挿してある、甘い液で満たされたコーラです……。」

エレン「クックック、まさかホントに言うとはなぁ。店のレジだぞ?正気とは思えねぇな。」

アニ「ひ、酷いですぅ。でも、ご主人様なら――嬉しいですぅ……。」

エレン「おいおい。客を主人呼ばわりとはな、とんだ店員を見つけたもんだ。ああ、それよりも――」

アニ「は、はい。」

エレン「欲しいんだろう?ほら、お客様の大事なものから、欲望の塊をレジにぶちまけてさしあげるぜ!ヒャッハーッ!」

アニ「ああっ、ありがとうございますぅ!こんなにいっぱい……100円も出していただけるなんて、原価約5円なのに」

エレン「随分といやらしい商売だ、まあいい。これでお前のコーラは俺のものだな。」

アニ「またお越しくださいませぇ。いつでもお待ちしてます……今度は、どMポテトでお願いしますね?」